JP2019122300A - 角質汚れ分解能の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価する方法の提供。【解決手段】酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価する方法を提供する。当該方法は、基準ペプチド及び1種以上の基質ペプチドに対する被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性を取得すること、及び該基準ペプチド及び基質ペプチドに対する被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性に基づいて、該被験酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価することを含み、該基準ペプチドはGGGGG又はGGGGであり、該1種以上の基質ペプチドは、GGGXG、GXGGG、GGXG及びGXGGからなる群より選択され、Xはグリシン以外の任意のアミノ酸残基である。【選択図】なし

Description

本発明は、酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価する方法に関する。
衣類に付着する汚れの中で、ワイシャツ等の襟や袖口などに主に生じる黒〜茶色の着色を呈する汚れは、従来「襟袖汚れ」、「黒ずみ汚れ」などと称され、非常に落としにくい汚れである。これらの汚れは、皮膚表層の角質細胞又はその成分が衣類に付着することにより生じる。襟袖汚れの成分に、角質層由来のタンパク質ロリクリン及びケラチン10が含まれることが報告されている(非特許文献1、2)。また、襟袖汚れのうち特に落としにくい汚れは、角質層由来のケラチンタンパクであると考えられている(非特許文献3)。ケラチン10の両端及びロリクリンは、グリシンリッチ領域と呼ばれるグリシン比率が高い領域を有するタンパク質である(非特許文献4)。
このような角層細胞由来タンパク質による汚れ(以下「角質汚れ」ともいう)をターゲットとした洗浄剤又は洗浄方法が従来から開発されてきている。プロテアーゼなどのタンパク質分解に優れた酵素は、角質汚れの洗浄にも有用と考えられ、洗浄剤への配合はプロテアーゼの主要な用途のひとつとなっている。しかし、従来の洗浄剤による角質汚れに対する洗浄力は、まだ充分ではない。よって、さらに角質汚れに有効なプロテアーゼの開発が望まれる。しかし、基質となるヒト由来角質を大量に調製することは困難であり、ヒト由来角質を用いない簡易なプロテアーゼの角質汚れ分解能の評価方法が望まれている。一方、タンパク質分解に優れたプロテアーゼは、動物性繊維を分解することにより衣類を損傷することがある。羊毛や絹への損傷性を抑えたプロテアーゼが報告されている(特許文献1)。
特表平10−501577号公報
繊維製品消費科学,19(3),106−115,1978 Nature Reviews Molecular Cell Biology,6,328−340,2005 J.Jpn.Oil Chem.Soc.(YUKAGAKU),42(1),p2−9,1993 蛋白質核酸酵素 38(16)1993,p2711−2722
角質汚れに対する洗浄力のより高い洗浄剤の開発が望まれる。本発明は、酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価する方法に関する。
角質層の主成分であるケラチン及びロリクリンはグリシンリッチ領域を有することから(非特許文献4)、Gly−Gly結合を分解できるプロテアーゼであれば、角質汚れを洗浄できる可能性があると推察された。そこで本発明者らは、Gly−Gly結合を分解できるプロテアーゼとして、M23ファミリーに属するプロテアーゼの角質汚れ分解能を確認した(下記実施例1)。その結果、予想外にも、Gly−Gly結合を分解できるプロテアーゼであっても、角質汚れ分解能を呈しないプロテアーゼと角質汚れ分解能を示すプロテアーゼの存在することが判明した。そこで本発明者らがそれらの酵素の基質特異性を調べたところ、角質汚れ分解能を示すプロテアーゼと示さないプロテアーゼとでは、特定のペプチドに対する活性が異なることを見出した。これらの結果から、本発明者らは当該特定のペプチドに対する酵素の分解活性を基準にして、酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価することができることを見出した。
したがって、本発明は、酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価する方法であって、
基準ペプチド及び1種以上の基質ペプチドに対する、被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性を測定すること、
該1種以上の基質ペプチドに対する分解活性のそれぞれについて、該基準ペプチドに対する分解活性に対する相対値を求めること、及び、
該基準ペプチドに対する分解の比活性が10U/mg以上であり、かつ該基質ペプチドのいずれか1つ以上についての該相対値が0.5以上であるか、又はそれに相当する該基準ペプチド及び基質ペプチドに対する分解活性を有する被験酵素又はそれを含む組成物を選択すること、
を含み、
該基準ペプチドがGGGGG又はGGGGであり、該1種以上の基質ペプチドが、GGGXG、GXGGG、GGXG及びGXGGからなる群より選択され、Xはグリシン以外の任意のアミノ酸残基である、
方法を提供する。
本発明によれば、酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を簡便な手段で評価することができる。よって本発明は、角質汚れ分解能の高い酵素及び酵素組成物、又は角質汚れ洗浄力の高い洗浄剤の開発に有用である。
襟袖汚れに対する酵素の洗浄力。エラーバー=標準偏差(n=3)。 各種酵素で処理したケラチン溶液のSDS−PAGE像。 踵角質から抽出したケラチン溶液のSDS−PAGE像とウェスタンブロッティングによる検出像。 酵素処理した角質不溶性画分のSDS−PAGE像。 ケラチン10のアミノ酸配列。太字は実施例4の質量分析で同定されたペプチド配列を示す。 酵素と羊毛由来Keratin azureを含む反応液の上清におけるΔA595の値。 BLP処理したタグ配列融合組換えロリクリンのSDS−PAGE像。 ロリクリンのアミノ酸配列。
本明細書において、アミノ酸残基は次の略号でも記載される:アラニン(Ala又はA)、アルギニン(Arg又はR)、アスパラギン(Asn又はN)、アスパラギン酸(Asp又はD)、システイン(Cys又はC)、グルタミン(Gln又はQ)、グルタミン酸(Glu又はE)、グリシン(Gly又はG)、ヒスチジン(His又はH)、イソロイシン(Ile又はI)、ロイシン(Leu又はL)、リシン(Lys又はK)、メチオニン(Met又はM)、フェニルアラニン(Phe又はF)、プロリン(Pro又はP)、セリン(Ser又はS)、トレオニン(Thr又はT)、トリプトファン(Trp又はW)、チロシン(Tyr又はY)、バリン(Val又はV);及び任意のアミノ酸残基(Xaa又はX)。また本明細書において、ペプチドのアミノ酸配列は、常法に従って、アミノ末端(以下N末端という)が左側、カルボキシル末端(以下C末端という)が右側に位置するように記載される。
M23Aサブファミリープロテアーゼ及びM23Bサブファミリープロテアーゼとは、それぞれ、MEROPSデータベース[http://merops.sanger.ac.uk]に記載されるタンパク質分解酵素ファミリーにおいて、M23ファミリープロテアーゼのM23Aサブファミリー及びM23Bサブファミリーに属するプロテアーゼをいう。MEROPSデータベースでは、酵素を以下の論文に記載の方法に基づいてファミリーまたはサブファミリーにまで分類している:Nucleic Acids Res,1999,27:325−331、J Struct Biol,2001,134:95−102、Nucleic Acids Res,2016,44:D343−D350。M23ファミリープロテアーゼは、細菌の細胞壁ペプチドグリカンを分解し、溶菌活性を示すメタロエンドペプチダーゼを含む。またM23ファミリープロテアーゼは、Gly−Gly結合を分解できるプロテアーゼを含む(The Journal of Biochemistry,124(2),332−339,1998、日本細菌学雑誌,52(2),461−473,1997、The Journal of Biological Chemistry,268(10),7503−7508,1993、The Journal of Biological Chemistry,268(12),9071−9078,1993、The Journal of Biological Chemistry,281(1),549−558,2006)。
MEROPSデータベースのリリース11.0においては、M23Aサブファミリーには、β−リティックメタロプロテアーゼ(beta-lytic metallopeptidase;BLP)(MEROPS ID:M23.001)、Staphylolysinとも呼ばれるLasAタンパク質(Las A protein;LAS、LasA)(MEROPS ID:M23.002)、及びMername-AA291 peptidaseとも呼ばれるアエロモナス・ハイドロフィラプロテイナーゼ(Aeromonas hydrophila proteinase;AhP)(MEROPS ID:M23.003)の3つのプロテアーゼがHolotypeとして存在している。BLP、LAS及びAhPは、それぞれ配列番号2、配列番号4及び配列番号6で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドである。一方、M23Bサブファミリーには、ALE-1 glycylglycine endopeptidase(ALE−1)(MEROPS ID:M23.012)及びLysostaphin(MEROPS ID:M23.004)等複数のプロテアーゼが存在している。ALE−1は配列番号8で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
本明細書において、グリシンリッチ領域とは、分子量25,000以上のタンパク質中の任意の連続した20アミノ酸からなる領域において、グリシンが少なくとも2以上連続した配列(−Gly−Gly−)を有し、かつグリシンを10以上有する領域をいう。
本明細書において、「動物性繊維」とは動物から得られる繊維、糸、布、生地、衣類等をいう。動物性繊維の例としては羊毛、絹、カシミヤ、羽毛等が挙げられ、好ましくは羊毛である。
本明細書において、「角質汚れ」とは皮膚表層の角質細胞又はその成分が衣類又は布製品に付着することにより生ずる該衣類又は布製品の汚れをいう。また本明細書において、「襟袖汚れ」とは、「角質汚れ」の1種であり、衣類の襟又は袖口と皮膚との接触及び擦れに起因してその襟又は袖口に生じる黒〜茶色の着色を呈する汚れであり、「黒ずみ汚れ」又は「襟袖口汚れ」とも称される。本明細書における「角質汚れ」は、衣類の襟又は袖口においてよく見られ、したがって多くの場合「襟袖汚れ」である。しかし、本明細書における「角質汚れ」は、衣類の襟や袖口の汚れに限定されて解釈されるべきではない。
角質汚れの主な原因物質は、皮膚の角質(すなわちタンパク質)であり、そのため従来、プロテアーゼを含む洗浄剤が角質汚れの洗浄のために使用されてきた。角質層の主成分はケラチン及びロリクリンであることが知られており、さらに襟袖汚れの成分に、タンパク質ロリクリン及びケラチン10が含まれることが示唆されている(非特許文献1、2)。したがって、本明細書における「角質汚れ」は、「皮膚又は角質層由来のロリクリン及びケラチン10を含む汚れ」と言い換えることができる。また本明細書における「襟袖汚れ」は、「衣類の襟又は袖口における、皮膚又は角質層由来のロリクリン及びケラチン10を含む汚れ」と言い換えることができる。
角質層の主成分であるケラチン及びロリクリンはグリシンリッチ領域を有する(非特許文献3、ならびに図5及び図8)。本発明者らは、このグリシンリッチ領域のGly−Gly結合を分解できるプロテアーゼであれば、角質汚れを洗浄できる可能性があると推察した。そこで本発明者らは、Gly−Gly結合を分解できるプロテアーゼとして知られるM23ファミリープロテアーゼであるBLP、LAS、AhP、ALE−1及びLysostaphinの角質汚れ洗浄力を調べた(実施例1)。その結果、予想外なことに、Gly−Gly結合を分解できるM23ファミリープロテアーゼであっても、M23Bサブファミリープロテアーゼに属するALE−1及びLysostaphinでは角質汚れ洗浄力が確認されず、一方、M23Aサブファミリープロテアーゼに属するBLP、LAS及びAhPでは角質汚れ洗浄力が確認された。さらに本発明者らは、BLP、LAS及びAhPのケラチン分解活性(実施例2、3)、ならびにBLPのロリクリン分解活性(実施例6)を確認した。これらの結果から、BLP、LAS及びAhPが、角質のタンパク質を分解することにより角質汚れ洗浄力を発揮していることが推察された。
次いで、本発明者らは、M23AサブファミリープロテアーゼとM23Bサブファミリープロテアーゼとの角質汚れ分解能(洗浄力)の違いをもたらす機序を解明することを目的に、グリシン−グリシン結合を有する各種ペプチドに対するこれらのプロテアーゼの分解活性を調べた。その結果、角質汚れ分解能の高いM23Aサブファミリープロテアーゼは、調べた全てのグリシン−グリシン結合を有するペプチドに対して分解活性が認められた(実施例7)。一方、角質汚れ分解能が認められなかったM23Bサブファミリーに属するプロテアーゼは、ペンタグリシン(GGGGG)配列を有するペプチドには弱い活性を示すが、グリシン−グリシン結合を有するがグリシン以外のアミノ酸も有するペプチドに対しては有意な活性を示さなかった。これらの結果から、酵素が角質汚れを分解するためには、Gly−Gly結合を分解する能力に加えて、グリシンの割合が高いがグリシン以外のアミノ酸も含むペプチドを分解できる能力が必要であることが推察された。したがって、グリシン−グリシン結合を有する各種ペプチドに対する分解活性のレベルは、酵素の角質汚れ分解能(洗浄力)の指標となると判断された。
したがって、本発明は、酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価する方法を提供する。本発明の方法は、被験酵素又はそれを含む組成物の、GGGGG又はGGGGを有するペプチド(以下、本明細書において単に「基準ペプチド」ともいう)と、グリシン−グリシン結合を有し、かつグリシン間にグリシン以外のアミノ酸を有するペプチド(以下、本明細書において単に「基質ペプチド」ともいう)に対する分解活性を測定することを含む。
本発明の方法で用いられる基準ペプチドは、好ましくはGGGGG(配列番号28)及びGGGG(配列番号29)からなる群より選択される1種以上であり、より好ましくはGGGGG又はGGGGであり、さらに好ましくはGGGGGである。本発明の方法で用いられる基質ペプチドは、好ましくはGGGXG、GXGGG、GGXG及びGXGGからなる群より選択される1種以上であり、より好ましくはGGGXGである(Xはグリシン以外の任意のアミノ酸残基を表す)。好ましくは、該基質ペプチド中のXは、S、Y、L及びFから選択される。さらに好ましくは、該基質ペプチドは、GGGSG、GGGYG、GGGLG及びGGGFG(配列番号30〜33)からなる群より選択される1種以上である。さらに好ましくは、該基質ペプチドは、少なくともGGGSG及びGGGYGを含む。一実施形態において、該基質ペプチドは、GGGSG及びGGGYGである。別の一実施形態において、該基質ペプチドはGGGSG、GGGYG及びGGGFGである。さらに好ましくは、該基質ペプチドは、GGGSG、GGGYG、GGGLG及びGGGFGである。本発明の方法においては、これらの基準ペプチドと基質ペプチドのそれぞれに対する被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性が測定される。
本発明の方法で評価される被験酵素の種類及び由来生物の種は、特に限定されない。該被験酵素は、天然に存在する酵素であっても、その人工的な変異体であってもよい。好ましくは、該被験酵素はプロテアーゼである。
また、本発明の方法で評価される被験酵素を含む組成物の例としては、被験酵素を含む2種以上の酵素の組み合わせ、又は被験酵素を含む1種又は2種以上の酵素と、該酵素以外の他の成分とを含有する組成物、などが挙げられる。好ましくは、該被験酵素はプロテアーゼである。
当該組成物は、当該被験酵素以外の他の酵素を含有していてもよい。当該他の酵素の例としては、被験酵素とは異なるプロテアーゼ、セルラーゼ、β−グルカナーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ(α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ等)、クチナーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、キシログルカナーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ペクチンリアーゼ、マンナナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、及びトランスグルタミナーゼ等の加水分解酵素からなる群より選択される1種又は2種以上が挙げられる。このうち、被験酵素とは異なるプロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、又はそれらの1種又は2種以上の組み合わせが好ましい。被験酵素とは異なるプロテアーゼの例としては、被験酵素とは異なるアルカリプロテアーゼが挙げられるが、これに限定されない。
当該組成物に含まれ得る、酵素以外の他の成分の例としては、洗剤組成物に通常使用される成分が挙げられる。例えば、当該他の成分としては、水、界面活性剤、キレート剤、水溶性ポリマー、水混和性有機溶剤、アルカリ剤、有機酸又はその塩、酵素安定化剤、蛍光剤、再汚染防止剤、分散剤、色移り防止剤、仕上げ剤、過酸化水素等の漂白剤、酸化防止剤、可溶化剤、pH調製剤、緩衝剤、防腐剤、香料、塩、アルコール、糖類、などを含み得る。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び陽イオン性界面活性剤等の任意の界面活性剤を1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
したがって、本発明の方法で用いられる被験酵素を含む組成物のさらなる例としては、被験酵素を含む洗剤組成物が挙げられる。該洗剤組成物は、粉末等の固形組成物であっても液体組成物であってもよいが、好ましくは液体洗剤組成物である。該洗剤組成物は、好ましくは洗濯用洗剤組成物であり、より好ましくは洗濯用液体洗剤組成物である。なお、本明細書において、本発明の方法で用いられる被験酵素又はそれを含む組成物を、まとめて「被験物」と称する場合もある。
当該被験酵素又はそれを含む組成物の、当該基準ペプチド又は基質ペプチドに対する分解活性は、該被験酵素又はそれを含む組成物と、該基準ペプチド又は該基質ペプチドとを接触させ、次いで該基準ペプチド又は該基質ペプチドの分解量を計測することによって測定することができる。ペプチドの分解量を計測する手法としては、FRET(fluorescence energy transfer)アッセイ、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーなどが挙げられる。このうち、FRETアッセイが好ましい。
FRETアッセイにより当該基準ペプチド又は基質ペプチドの分解を定量する場合、好ましくは、蛍光基と消光基の間に該基準ペプチド又は基質ペプチドを配置したFRET基質を準備する。酵素との接触によりFRET基質に含まれる該基準ペプチド又は基質ペプチドが分解されると、蛍光基と消光基の距離が変化して、蛍光基から発せられる蛍光の強度が変化する。その蛍光基からの蛍光強度の変化を測定することによって、該基準ペプチド又は基質ペプチドの分解を定量することができる。FRET基質における蛍光基と消光基の組み合わせの例としては、[蛍光基]:Nma;2−(N−メチルアミノ)ベンゾイル、[消光基]:Lys(Dnp);側鎖に2,4−ジニトロフェニル(Dnp)を有するリシン(Lys)残基、が挙げられる。これらの蛍光基及び消光基と所定のペプチドとを有するFRET基質や、当該基質を用いたFRET反応のための試薬及び溶媒は市販されており、例えば株式会社ピーエイチジャパン等から購入することができる。
当該基準ペプチド又は基質ペプチドの分解量の計測に用いられる反応溶液中において、該被験酵素の濃度は、タンパク質質量で、好ましくは0.01〜50μg/mLであり、該基準ペプチド又は該基質ペプチドの濃度は、好ましくは1〜3000μMであるが、これらに制限されない。反応温度及びpHは、該被験酵素の至適条件であってもよく、あるいは該被験酵素を角質汚れ分解に適用する場合に想定される条件であってもよい。計測時間中に酵素反応が終了せずに、該基準ペプチド又は基質ペプチドの酵素分解による蛍光強度の変化を経時的に検出できるように、該被験酵素と基準ペプチド又は基質ペプチドとを接触させた後は計測を速やかに開始すること、及び反応溶液中における該基準ペプチド又は基質ペプチドの濃度を充分高くしておくことが望ましい。反応時間は、特に制限されないが、FRETアッセイの場合0.1〜10分程度が好ましく、クロマトグラフィーの場合数分〜数時間程度が好ましい。
当該被験酵素又はそれを含む組成物の基準ペプチド及び基質ペプチドに対する分解活性は、例えば、以下の方法により測定される:基質としてNmaとLys(Dnp)の間がGGGXG(XはG、S、Y、L、Fのいずれか)であるFRET基質[以下FRET−GGGXG]を用いる。該FRET基質において、NmaはGGGXGのN末端側に結合し、Lys(Dnp)はGGGXGのC末端側に結合している。96穴のアッセイプレートに被験酵素を含む酵素溶液(被験酵素、20mM Tris−HCl(pH7.5))を190μL添加し、さらにFRET−GGGXG溶液(1mM FRET−GGGXG、100mM Tris−HCl(pH7.5))を10μL添加して反応液を調製する。蛍光プレートリーダーを用いて温度30℃、励起波長340nm、測定波長440nmにて反応液の蛍光強度を経時で測定する。一方、上記と同じ反応条件で、酵素溶液の代わりに、20mM Tris−HCl pH7.5液、FRET−GGGXGの代わりにジメチルスルホキシドで溶かしたFRETS−25−STD1(ペプチド研究所、3720−v)を用いた反応液の蛍光強度を測定し、検量線を作成する。1ユニット(U)の活性は、1分間あたりに、1nmolのFRETS−25−STD1による蛍光強度に相当する蛍光強度の変化を示すのに必要な酵素量とする。該被験酵素又はそれを含む組成物の基準ペプチド又は基質ペプチドに対する比活性は、該被験酵素又はそれを含む組成物のタンパク質質量1mgあたりの活性(U/mg)として表すことができる。被験酵素又はそれを含む組成物のタンパク質質量は、DCプロテインアッセイキット(Bio−Rad)等の市販のキットや、公知の方法(例えば、Lowry法、Bradfrod法)で求めることができる。
好ましくは、本発明の方法においては、当該被験酵素又はそれを含む組成物の角質汚れに対する分解能を、該基準ペプチド及び基質ペプチドそれぞれに対する該被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性のレベルに基づいて評価する。該基準ペプチドに対する分解活性のレベルは、好ましくは、その比活性に基づいて評価する。一方、各基質ペプチドに対する分解活性のレベルは、好ましくは、それぞれの基質ペプチドへの分解活性の、該基準ペプチドへの分解活性に対する相対値に基づいて評価する。好ましくは、本発明の方法においては、上述した基準ペプチド及び基質ペプチドのそれぞれに対する、該被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性の比活性を求める。次いで、求めた各基質ペプチドに対する比活性のそれぞれについて、基準ペプチドに対する比活性に対する相対値を求める。該基準ペプチド及び基質ペプチドに対する比活性は、上述した手順で求めることができる。
したがって、好ましくは本発明の方法では、被験酵素又はそれを含む組成物が、その当該基準ペプチドに対する分解活性の比活性が所定の値以上であり、かつ、いずれかの基質ペプチドについての上述した基準ペプチドに対する相対値が所定の値以上である場合に、該被験酵素又はそれを含む組成物を、角質汚れに対する分解能を有するものとして選択する。例えば、本発明の方法では、被験酵素又はそれを含む組成物の当該基準ペプチドに対する分解の比活性が10(U/mg)以上であり、かつ、いずれか1つ以上の基質ペプチドについての上記で求めた基準ペプチドに対する相対値が0.5以上であった場合(例えば、基準ペプチドに対する該被験酵素又はそれを含む組成物の比活性を1としたときに、いずれか1つ以上の基質ペプチドに対する該被験酵素又はそれを含む組成物の比活性が0.5以上であった場合)、該被験酵素又はそれを含む組成物を選択する。より好ましくは、被験酵素又はそれを含む組成物の該基準ペプチドに対する分解の比活性が10(U/mg)以上であり、かつ、いずれか2つ以上の基質ペプチドについての該基準ペプチドに対する相対値が0.5以上であった場合、該被験酵素又はそれを含む組成物を選択する。さらに好ましくは、被験酵素又はそれを含む組成物の該基準ペプチドに対する分解の比活性が10(U/mg)以上であり、かつ、用いた基質ペプチド全種類についての該基準ペプチドに対する相対値が0.5以上であった場合、該被験酵素又はそれを含む組成物を選択する。選択された被験酵素又はそれを含む組成物は、角質汚れに対する分解能を有すると評価される。一方、基準ペプチドに対して被験酵素の比活性が10(U/mg)未満である被験酵素又はそれを含む組成物、又は、いずれの基質ペプチドについても該基準ペプチドに対する相対値が0.5未満である被験酵素又はそれを含む組成物は、角質汚れに対する分解能を有するとは評価されない。
あるいは、本発明においては、上述した被験酵素タンパク質質量1mgあたりの比活性以外の基準で、該被験酵素又はそれを含む組成物の該基準ペプチド及び基質ペプチドに対する分解活性を評価してもよい。例えば、発光、蛍光、比色反応、吸光度、又はその他の酵素分解物の定量に使用される通常の方法を用いて、該被験酵素又はそれを含む組成物による該基準ペプチド及び基質ペプチドの分解量を測定する。該基準ペプチド及び基質ペプチドの分解量の測定値から、各基質ペプチドへの分解活性について基準ペプチドに対する相対値を求め、さらに予め作成した検量線や予め設定した基準値に基づいて、得られた測定値が上述した比活性10U/mg以上に相当するか否かによって判断することができる。
以上の手順で選択された角質汚れに対する分解能を有すると評価された被験酵素又はそれを含む組成物は、さらに、角質汚れ分解酵素もしくは角質汚れ分解用組成物、又はそれらの候補物質として選択することができる。したがって、本発明の方法の一実施形態は、角質汚れ分解酵素もしくは角質汚れ分解用組成物、又はそれらの候補物質の選択方法である。
上述の手順で本発明の方法により選択された被験酵素又はそれを含む組成物は、必要に応じてさらなる評価にかけられ、目的の角質汚れ分解酵素又は角質汚れ分解用組成物として選択され得る。当該さらなる評価としては、限定ではないが、例えば、実際の襟袖汚れの分解能の評価や、角質サンプル、又はそこから抽出されたケラチン又はロリクリンの分解能の評価などが挙げられる。
本発明の方法により角質汚れに対する分解能を有すると評価される酵素又はそれを含む組成物は、グリシンを多く含む基質に対する比活性が高いことから、グリシンリッチ領域に対する選択性の高い酵素であると推測される。実際、上記基質ペプチドに対する分解活性を有するM23Aサブファミリープロテアーゼによる、グリシンリッチ領域を有するケラチンの分解反応産物には、グリシンリッチ領域が同定されず、グリシンリッチ領域以外の領域が残されていた(実施例4、7)。一方、羊毛ケラチンはグリシンリッチ領域を持たないため、本発明の方法により選択された酵素又はそれを含む組成物には分解されにくいと推測される[UniProt Knowledgebase_P02534、UniProt Knowledgebase_P25691]。したがって、本発明の方法により選択された酵素又はそれを含む組成物は、角質汚れ分解能を有する一方、羊毛ケラチン等の動物性繊維に対する分解能が低い酵素又はその組成物である可能性が高い。すなわち、本発明の方法により角質汚れに対する分解能を有すると評価された酵素は、羊毛等の動物性繊維に対する分解能(又は動物性繊維に対する損傷性)が低い酵素であることが期待される。
したがって、本発明の方法の別の実施形態は、酵素又はそれを含む組成物の角質汚れに対する分解能の評価に加え、その動物性繊維に対する分解能(又は動物性繊維に対する損傷性)を評価する方法であり得る。当該方法において、被験酵素又はそれを含む組成物は、必要に応じてさらに、動物性繊維に対する分解能の評価、又は、角質汚れと動物性繊維に対する分解能の評価にかけられ、角質汚れ分解能を有し、かつ動物性繊維に対する分解能(又は動物性繊維に対する損傷性)が低い酵素又は組成物の候補として選択され得る。好ましくは、当該方法においては、上記の手順で角質汚れ分解能を有する酵素又は組成物として選択された被験酵素又はそれを含む組成物を、さらに動物性繊維に対する分解能の評価、又は、角質汚れと動物性繊維に対する分解能の評価にかける。
被験酵素又はそれを含む組成物の動物性繊維に対する分解能の評価の手段としては、例えば、該被験酵素又はそれを含む組成物の動物性繊維又はケラチンに対する分解活性の測定、該被験酵素又はそれを含む組成物による動物性繊維又はケラチンの分解産物の解析、などが挙げられる。該動物性繊維又はケラチンとしては、動物性繊維由来のケラチンが好ましく、羊毛ケラチンがより好ましく、羊毛由来のKeratin azureがさらに好ましい。また色素、蛍光物質等を結合させた動物性繊維又はケラチンも、反応液の遠心上清の吸光度又は蛍光強度を測定することにより容易に分解能が評価できるため、該分解能評価に用いる基質として好ましい。
被験酵素又はそれを含む組成物の角質汚れと動物性繊維に対する分解能の評価の手段としては、例えば、該被験酵素又はそれを含む組成物のケラチンに対する分解活性の測定、該被験酵素又はそれを含む組成物によるケラチンの分解産物の解析、などが挙げられる。該ケラチンとしては、分子量が35,000以上のグリシンリッチ領域を有するケラチンが好ましく、ケラチン1又は10がより好ましく、ケラチン10がさらに好ましい。ケラチン10は、例えば、ヒトの踵から角質を削り出し、可溶化液(100mM Tris−HCl(pH8.5)、2%SDS、25mM DTT、5mM EDTA)を添加し、100℃で10分間加熱した後、遠心分離し、上清を透析バッファー(20mM Tris−HCl(pH7.5)、0.1%SDS)に対して一晩透析することで得ることができる。
被験酵素又はそれを含む組成物のケラチン分解活性は、該被験酵素又はそれを含む組成物と、該ケラチンとを接触させ、次いで、酵素反応により生成された分解産物であるケラチン断片の分子量を計測することによって測定することができる。酵素とケラチンとの接触の際、酵素の濃度は、タンパク質質量で、好ましくは0.001〜100000μg/mLであり、より好ましくは0.01〜10000μg/mLであり、さらに好ましくは0.1〜1000μg/mLであり、一方ケラチンの濃度は、タンパク質質量で、好ましくは0.001〜10000g/Lであり、より好ましくは0.1〜100g/Lであり、さらに好ましくは0.1〜10g/Lであるが、これらに制限されない。反応温度及びpHは、該被験酵素の至適条件であってもよく、あるいは該被験酵素を角質汚れ分解に適用する場合に想定される条件であってもよい。反応時間は、特に制限されないが、1〜3000分が好ましく、60〜1500分がより好ましく、60〜600分がさらに好ましい。
ケラチン断片の分子量を計測する手法としては、電気泳動法(例えばSDS−PAGE)、ゲル濾過クロマトグラフィー、動的光散乱法などが挙げられる。このうちSDS−PAGEが好ましい。SDS−PAGEによる分子量測定の手順の例を以下に記載する:ケラチン断片を含む試料溶液を50mMジチオトレイトールを含む2×Laemmli Sample Bufferと等量混合し、100℃で5分間加熱することで泳動サンプルを調製する。この泳動サンプルをAny kDTMミニプロティアン(登録商標)TGXTMプレキャストゲル及び電気泳動用バッファー(25mMトリス、192mMグリシン、0.1%(w/v)SDS、pH8.3)を用いて電気泳動する。このとき分子量マーカーにはプレシジョン Plus プロテインTM2色スタンダードを使用する。泳動後のゲルはCBB染色又はルビー染色する。分子量マーカーの分子量と移動度から作成できる検量線の式に、目的タンパク質又はポリペプチドの移動度を代入することで得られる値を、該目的タンパク質又はポリペプチドの分子量とする。ここでサンプルの移動度(Rf値)は、該サンプルを流したレーンにおける、ゲルの上端(又はサンプルをアプライした位置)から先行色素(ブロモフェノールブルー)までの距離を1としたときの、該ゲルの上端(又はサンプルをアプライした位置)から該サンプルのバンドまでの距離の相対値とする。なお、上記SDS−PAGEによる分子量測定の手順は、本発明によるケラチン断片分子量の計測手順の一例であって、使用するケラチン断片や分解物の分子量に合わせて、適宜測定条件を決定し、マーカー等を選択することができる。
本発明の方法においては、上記で求めたケラチン断片の分子量が、該被験酵素又はそれを含む組成物との接触前のケラチン(例えば全長ケラチン)の分子量の50%以上97%以下である場合、該被験酵素又はそれを含む組成物は、角質汚れに対する分解能を有し、さらに動物性繊維に対する分解能が低いと評価される。このような被験酵素又は組成物は、動物性繊維の損傷性が低い角質汚れ分解酵素又は角質汚れ分解用組成物として選択される。
一方、上記で求めたケラチン断片の分子量が全長ケラチンの分子量の97%より大きい(ケラチンの分解が認められない)場合、該被験酵素又はそれを含む組成物は、角質汚れに対する分解能が低いと評価される。または、上記で求めたケラチン断片の分子量が全長ケラチンの分子量の50%未満である場合、該被験酵素又はそれを含む組成物は、動物性繊維に対する分解能が高いと評価される。このような被験酵素又は組成物は、動物性繊維の損傷性が高い。
本発明はまた、例示的実施形態として以下の物質、製造方法、用途、方法等を包含する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
〔1〕酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価する方法であって、
基準ペプチド及び1種以上の基質ペプチドに対する、被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性を測定すること、
該1種以上の基質ペプチドに対する分解活性のそれぞれについて、該基準ペプチドに対する分解活性に対する相対値を求めること、及び、
該基準ペプチドに対する分解の比活性が10U/mg以上であり、かつ該基質ペプチドのいずれか1つ以上についての該相対値が0.5以上であるか、又はそれに相当する該基準ペプチド及び基質ペプチドに対する分解活性を有する被験酵素又はそれを含む組成物を選択すること、
を含み、
該基準ペプチドがGGGGG又はGGGGであり、該1種以上の基質ペプチドが、GGGXG、GXGGG、GGXG及びGXGGからなる群より選択され、Xはグリシン以外の任意のアミノ酸残基である、
方法。
〔2〕好ましくは、前記基準ペプチドがGGGGGである、〔1〕記載の方法。
〔3〕好ましくは、前記基質ペプチド中のXがS、Y、L及びFから選択される、〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔4〕前記基質ペプチドが、
好ましくはGGGXGであり、
より好ましくはGGGSG、GGGYG、GGGLG及びGGGFGからなる群より選択される1種以上であり、
さらに好ましくはGGGSG、GGGYG、GGGLG及びGGGFGである、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の方法。
〔5〕好ましくは、前記被験酵素がプロテアーゼである、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の方法。
〔6〕好ましくは、前記分解活性の測定が、前記被験酵素又はそれを含む組成物と前記基準ペプチド又は前記基質ペプチドとを接触させ、次いで該基準ペプチド又は該基質ペプチドの分解量を計測することを含む、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の方法。
〔7〕好ましくは、前記基準ペプチド又は前記基質ペプチドの分解量の計測がFRETアッセイ、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、又は薄層クロマトグラフィーにより行われる、〔6〕記載の方法。
〔8〕好ましくは、前記基準ペプチド又は前記基質ペプチドの各々に対する前記被験酵素又はそれを含む組成物の分解の比活性を求めることをさらに含む、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の方法。
〔9〕好ましくは、前記選択した被験酵素又はそれを含む組成物を、角質汚れ分解酵素又は角質汚れ分解用組成物の候補物質として選択する、〔1〕〜〔8〕のいずれか1項記載の方法。
〔10〕好ましくは、酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能、及び動物性繊維への損傷性を評価する方法である、〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の方法。
〔11〕好ましくは、前記選択した被験酵素又はそれを含む組成物を、角質汚れ分解能を有し、かつ動物性繊維の損傷性が低い酵素又は組成物として選択する、〔10〕記載の方法。
〔12〕好ましくは、前記被験酵素又はそれを含む組成物の動物性繊維に対する分解能を評価することをさらに含む、〔10〕記載の方法。
〔13〕好ましくは、前記選択した被験酵素又はそれを含む組成物をケラチンと接触させ、生成されたケラチン断片の分子量を計測することをさらに含む、〔12〕記載の方法。
〔14〕好ましくは、計測されたケラチン断片の分子量が、前記被験酵素又はそれを含む組成物との接触前のケラチンの分子量の50%以上97%以下である場合に、該被験酵素又はそれを含む組成物を、角質汚れ分解能を有し、かつ動物性繊維の損傷性が低い酵素又はそれを含む組成物として選択することをさらに含む、〔13〕記載の方法。
〔15〕好ましくは、前記ケラチンが分子量35,000以上のケラチンである、〔13〕又は〔14〕記載の方法。
〔16〕好ましくは、前記ケラチンがケラチン10である、〔13〕又は〔14〕記載の方法。
〔17〕好ましくは、前記ケラチンがKeratin azureである、〔13〕又は〔14〕記載の方法。
〔18〕好ましくは、前記動物性繊維が羊毛である、〔10〕〜〔17〕のいずれか1項記載の方法。
〔19〕好ましくは、前記角質汚れが襟袖汚れである、〔1〕〜〔18〕のいずれか1項記載の方法。
〔20〕好ましくは、前記被験酵素を含む組成物が洗剤組成物である、〔1〕〜〔19〕のいずれか1項記載の方法。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例で使用したプライマーの一覧を表1に示す
参考例1 プロテアーゼの調製
(1)BLPを含む培養上清の調製
(1−1)発現ベクターの作製
BLP遺伝子(配列番号1)をプラスミドpUC57に挿入したもの(BLP/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。BLP/pUC57を鋳型としてプライマーペアBLP_S237signal_F/BLP_S237signal_R(配列番号9及び10)及びPrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)を使用してPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアvector−F/vector−sig−R(配列番号11及び12)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行った。
In−Fusion反応液を用いてECOSTMCompetent E.coli DH5 α(ニッポンジーン、310−06236)を形質転換した。形質転換処理した細胞をアンピシリンを含有するLBプレートに塗抹し、37℃で一晩培養した。プレート上に形成したコロニーをアンピシリンを含むLB培地に植菌して、一晩培養した後、菌体を回収してHigh Pure Plasmid Isolation Kit(Roche)を使用してプラスミド(BLP/pHY)を抽出した。抽出したBLP/pHYを鋳型としてプライマーペアΔS237N_fw/ΔS237N_rv(配列番号13及び14)を用いてPCR反応を行った。このPCR産物をE.coli HST08 Premium Competent Cells(タカラバイオ)に形質転換した。形質転換処理した細胞をアンピシリンを含有するLBプレートに塗抹し、37℃で一晩培養した。プレート上に形成したコロニーをアンピシリンを含むLB培地に植菌して、一晩培養した後、菌体を回収してHigh Pure Plasmid Isolation Kit(Roche)を使用してプラスミド(BLP2/pHY)を抽出した。
(1−2)酵素産生形質転換株の作製
1mLのLB培地に枯草菌168株(Bacillus subtilis Marburg No.168株:Nature,390,1997,p.249)を植菌し、30℃、200rpmで一晩振盪培養した。1mLの新たなLB培地にこの培養液を10μL植菌して37℃、200rpmで3時間培養した。この培養液を遠心分離してペレットを回収した。ペレットに4mg/mLのリゾチーム(SIGMA)を含むSMMP[0.5Mシュークロース、20mMマレイン酸二ナトリウム、20mM塩化マグネシウム6水塩、35%(w/v)Antibiotic Medium 3(Difco)]を500μL添加し、37℃で1時間インキュベートした。次に遠心分離によりペレットを回収し、400μLのSMMPに懸濁した。懸濁液13μL、(1−1)で得たプラスミドBLP2/pHY溶液(10mM Tris−HCl pH8.5、34.2ng/μL)2μL、SMMP20μLを混合し、さらに100μLの40%PEGを加え攪拌し、さらにSMMPを350μL加えた後、30℃で1時間振盪した。この液200μLをテトラサイクリン(15μg/mL、Sigma)を含むDM3再生寒天培地[0.8%寒天(和光純薬)、0.5%コハク酸2ナトリウム6水塩、0.5%カザミノ酸テクニカル(Difco)、0.5%酵母エキス、0.35%リン酸1カリウム、0.15%リン酸2カリウム、0.5%グルコース、0.4%塩化マグネシウム6水塩、0.01%牛血清アルブミン(Sigma)、0.5%カルボキメチルセルロース、0.005%トリパンブルー(Merck)及びアミノ酸混液(トリプトファン、リシン、メチオニン各10μg/mL);%は(w/v)%]に塗抹して30℃で3日間インキュベートし、形成したコロニーを取得した。
(1−3)形質転換株培養による酵素製造
LB培地に終濃度15ppmとなるようにテトラサイクリンを添加した。この培地5mLに(1−2)で得た枯草菌形質転換体コロニーを植菌した後、30℃、250rpmで一晩培養した。翌日この培養液400μLを2×L−マルトース培地(2%トリプトン、1%酵母エキス、1%NaCl、7.5%マルトース、7.5ppm硫酸マンガン五水和物、15ppmテトラサイクリン、6ppm硫酸亜鉛七水和物;%は(w/v)%)20mLに植菌し、32℃、230rpmで2日間培養した後、菌体から産生された酵素を含む培養上清を遠心分離により回収した。
(2)LasAを含む培養上清の調製
LasA遺伝子(配列番号3)をプラスミドpUC57に挿入したもの(LasA/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。LasA/pUC57を鋳型とし、プライマーペアLasA_F/LasA_CR(配列番号15及び16)を使用して、PrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)のプロトコルに従いPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアpHY_just_F/pHY_just_R_NEW(配列番号17及び18)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行うことでプラスミド(LasA/pHY)溶液を得た。
得られたプラスミド(LasA/pHY)溶液を用いて、上記(1−2)と同様の手順で枯草菌prsA遺伝子発現強化株(特開2007−49986号公報の実施例1において作製されたprsA−Kc株)の形質転換を行い、枯草菌形質転換体コロニーを取得した。2×L液体培地に終濃度15ppmとなるようにテトラサイクリンを添加した。この培地5mLに枯草菌形質転換体コロニーを植菌した後、30℃、250rpmで一晩培養した。培養液からペレットを回収し、ペレットからプラスミドLasA/pHYを抽出した。抽出したプラスミドLasA/pHYを鋳型として、プライマーペアLasA_Chis_n_F/LasA_Chis_n_R(配列番号19及び20)、ならびにKOD−Plus−Mutagenesis Kit(TOYOBO)を使用して、PCR反応、Dpn Iによるプラスミドの消化、及びライゲーションを行い、プラスミド(LasA2/pHY)を得た。
得られたプラスミド(LasA2/pHY)を使用して、上記(1−2)と同様の方法で形質転換を行った。このとき宿主として枯草菌prsA遺伝子発現強化株(特開2007−49986号公報の実施例1において作製されたprsA−Kc株)を使用した。次いで、得られた形質転換株を(1−3)と同様の手順で培養し、菌体から産生された酵素を含む培養上清を回収した。
(3)AhPを含む培養上清の調製
AhP遺伝子(配列番号5)をプラスミドpUC57に挿入したもの(AhP/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。AhP/pUC57を鋳型とし、プライマーペア2F/2R_bacillus−Chis(配列番号21及び22)を使用して、PrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)のプロトコルに従いPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアvector−F/vector−R(配列番号11及び23)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行うことでプラスミド(AhP/pHY)溶液を得た。
得られたプラスミド(AhP/pHY)を使用して、上記(1−2)と同様の方法で形質転換を行った。このとき宿主として枯草菌168株を使用した。次いで、得られた形質転換株を(1−3)と同様の手順で培養し、菌体から産生された酵素を含む培養上清を回収した。
(4)ALE−1を含む培養上清の調製
M23BサブファミリープロテアーゼであるALE-1 glycylglycine endopeptidase(ALE−1)(MEROPS ID:M23.012;配列番号8)を調製した。ALE1遺伝子(配列番号7)をプラスミドpUC57に挿入したもの(ALE1/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。ALE1/pUC57を鋳型とし、プライマーペアpHY−like6−just−F/pHY−like6−just−CHisR(配列番号24及び25)及びPrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)を使用してPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアpHY_just_F/pHY_just_R_NEW(配列番号17及び18)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行うことでプラスミド(ALE1/pHY)溶液を得た。
得られたプラスミド(ALE1/pHY)を使用して、上記(1−2)と同様の方法で枯草菌168株の形質転換を行い、枯草菌形質転換体コロニーを取得した。2×L液体培地に終濃度15ppmとなるようにテトラサイクリンを添加した。この培地5mLに枯草菌形質転換体コロニーを植菌した後、30℃、250rpmで一晩培養した。培養液からペレットを回収し、ペレットからプラスミドALE1/pHYを抽出した。抽出したプラスミド(ALE1/pHY)を使用して、上記(1−2)と同様の方法で形質転換を行った。このとき宿主として枯草菌Dpr9株(特開2006−174707号公報の実施例1〜5において作製されたKao9株)を使用した。得られた形質転換株を(1−3)と同様の手順で培養し、菌体から産生された酵素を含む培養上清を回収した。
(5)培養上清からのプロテアーゼの調製
(1)〜(4)で得た培養上清から目的のプロテアーゼを調製した。培養上清をアミコンウルトラ 分画分子量10K(メルクミリポア)を用いてBufferAでバッファー交換した。バッファー交換後の液から、AKTA explorer 10S(GEヘルスケア)を用いて酵素を調製した。まず該バッファー交換で得られた液をカラム1に通し、次いでBufferBを使用してカラム1の吸着成分を溶出させた。溶出分画のうちFRET−GGGGG(参考例5)の分解活性が認められる分画液を回収した。続いて、回収した分画液を、20mM Tris−HCl(pH7.5)、200mM NaClの溶液で平衡化したカラム2を用いてSize Exclusion Chromatographyにかけ、FRET−GGGGGの分解活性が認められる分画液を回収した。回収した分画液をアミコンウルトラ 分画分子量10Kを用いて20mM Tris−HCl(pH7.5)溶液でバッファー交換し、目的のプロテアーゼを含む酵素溶液を得た。各培養上清に使用したBufferA、BufferB、カラム1、及びカラム2は、表2のとおりとした。
参考例2 酵素溶液の濃度測定
酵素溶液の濃度測定にはDCプロテインアッセイキット(Bio−Rad)を用いた。タンパク質量算出のための標準液にはBSA Standard Solution(WAKO)を用いた。
参考例3 SDS−PAGE
50mMジチオトレイトール(Thermo Fisher Scientific)を含む2×Laemmli Sample Buffer(Bio−Rad、#161−0737)と試料溶液を等量混合し、100℃で5分間加熱することで泳動サンプルを調製した。この泳動サンプルをAny kDTMミニプロティアン(登録商標)TGXTMプレキャストゲル(Bio−Rad)及び10倍希釈した10×トリス/グリシン/SDS(Bio−Rad、1610732)を用いて電気泳動した。分子量マーカーにはプレシジョン Plus プロテインTM2色スタンダード(Bio−Rad、#161−0374)を使用した。泳動後のゲルはCBB染色又はルビー染色した。CBB染色にはBio−Safe CBB G−250ステイン(Bio−Rad、161−0786)を使用した。ルビー染色にはOne−step Ruby(APRO life Science、SP−4040)を使用した。分子量マーカーの分子量と移動度から作成できる検量線の式に、目的タンパク質又はポリペプチドの移動度を代入することで得られた値を、該目的タンパク質又はポリペプチドの分子量とした。サンプルの移動度(Rf値)は、該サンプルを流したレーンにおける、ゲルの上端(サンプルをアプライした位置)から先行色素(ブロモフェノールブルー)までの距離を1としたときの、該ゲルの上端から該サンプルのバンドまでの距離の相対値として計測した。
参考例4 ウェスタンブロッティング
ケラチン溶液を参考例3に記載の手順でSDS−PAGE(未染色)にかけた後、ゲルをトランスブロットTurboTMシステム(Bio−Rad)とトランスブロットTurboTMミニ PVDF転写パック(Bio−Rad、#170−4156)を用いてPVDF膜へ転写した。抗体反応にはIbind Western Device(Thermo Fisher Scientific)を用いた。1次抗体としてKRT10 monoclonal antibody(M01),clone 1H6(Abnova)、2次抗体としてStabilized Peroxidase Conjugated Goat Anti−Mouse(H+L)(Thermo Fisher Scientific、#32430)、検出試薬としてECL Select Western Blotting Detection Reagent(GEヘルスケア)を使用した。
参考例5 酵素活性の測定
基質として、蛍光基Nmaと消光基Lys(Dnp)の間がペンタグリシンであるFRET基質[以下FRET−GGGGG](ピーエイチジャパンにて受注生産)を用いた。ここでNmaとは2−(N−メチルアミノ)ベンゾイル(Nma)を指す。またLys(Dnp)とは2,4−ジニトロフェニル(Dnp)をリシン(Lys)の側鎖に有するものを指す。96穴のアッセイプレート(AGCテクノグラス、3881−096)に参考例1(5)で得た酵素溶液(酵素、20mM Tris−HCl(pH7.5))を190μL添加し、さらにFRET−GGGGG溶液(1mM FRET−GGGGG、100mM Tris−HCl(pH7.5))を10μL添加して反応液を調製した。infinite M200(TECAN)を用いて温度30℃、励起波長340nm、測定波長440nmにて反応液の蛍光強度を経時で測定した。同じ反応条件で、酵素溶液の代わりに20mM Tris−HCl pH7.5液、FRET−GGGGGの代わりにジメチルスルホキシドで溶かしたFRETS−25−STD1(ペプチド研究所、3720−v)を用いた反応液の蛍光強度を測定し、検量線を作成した。1ユニット(U)の活性は、1分間あたりに、1nmolのFRETS−25−STD1による蛍光強度に相当する蛍光強度の変化を示すのに必要な酵素量とした。
実施例1 角質汚れに対する酵素洗浄力の評価
(1)襟袖汚れの作製
ワイシャツの襟の領域に布(組成:ポリエステル65%、綿35%)を縫い合わせたものを準備した。このシャツを成人男性に3日間にわたって日中に着用させた。その後、襟に縫い合わせた布を回収し、1辺が6mmの正方形となるように裁断して、襟袖汚れを有するサンプル布として用いた。
(2)洗浄力評価
洗浄液の組成:酵素、20mM Tris−HCl(pH7.5)、硬度10°DH(カルシウム/マグネシウム=4/1(モル比))、0.1(w/v)%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エマール(登録商標)20C、花王(株)製、有効分換算)。酵素としては、参考例1で調製したBLP、LasA、AhP及びALE−1、ならびにLysostaphin(Wako、120−04313)を使用した。各酵素は最終濃度が150U/Lになるように添加した。対照として、同じ組成で酵素無添加の洗浄液を用いた。
スキャナーGT−X970(EPSON)を用いてサンプル布の画像を取り込んだ。その後、該サンプル布を500μLの洗浄液に浸漬して30℃で5時間静置した。静置後のサンプル布を硬度10°DH水ですすいだ後に乾燥させ、再度スキャナーGT−X970を用いて画像を取り込んだ。取り込んだ画像から、画像解析ソフトImageJを用いて、洗浄前後のサンプル布のMean Gray Valueを測定した。汚れが付着する前の原布の画像を同様に取得し、Mean Gray Valueを測定した。得られたMean Gray Valueを以下の式に代入することで洗浄率を算出した。
洗浄率(%)=(G2−G1)/(G0−G1)*100
G0:サンプル布の原布のMean Gray Value
G1:洗浄前のサンプル布のMean Gray Value
G2:洗浄後のサンプル布のMean Gray Value
洗浄率の測定結果を図1に示す。M23AサブファミリープロテアーゼであるBLP、LasA、及びAhPは、襟袖汚れに対する洗浄力を有していた。一方でM23BサブファミリープロテアーゼであるALE−1及びリゾスタフィンでは、襟袖汚れに対する洗浄力は検出されなかった。
実施例2 酵素によるケラチン分解活性の評価
(1)ケラチン溶液の調製
ヒトの踵から、ベルベットスムーズ電動角質リムーバー ダイヤモンド(レキットベンキーザー)を使用して角質を削り出した。踵角質5mgに対し、1mLの可溶化液(100mM Tris−HCl(pH8.5)、2%SDS、25mM DTT、5mM EDTA)を添加し、100℃で10分間加熱した後、遠心分離し、上清を回収した。回収した上清を、Mini Dialysis kit 8kDa cut−off 2mL(GEヘルスケア、#80−6484−32)を用いて、透析バッファー(20mM Tris−HCl(pH7.5)、0.1%SDS)に対して一晩透析し、ケラチン溶液を得た。
(2)酵素によるケラチン分解
(1)で得られたケラチン溶液を20mM Tris−HCl(pH7.5)で20倍希釈した。この希釈溶液30μLに対し、酵素溶液を1μL添加した。酵素としては、参考例1で調製したBLP、LasA、AhP及びALE−1、ならびにLysostaphin(Wako、#120−04313)、Savinase(SIGMA、P3111)、Alcalase(SIGMA、P4860)、プロテイナーゼK(関東化学、34076−92)を使用した。酵素の終濃度は、BLP、Savinase、Alcalase、プロテイナーゼKが1μg/mL、LasA、AhP、ALE−1及びLysostaphinが10μg/mLとなるように調整した。反応液を30℃で15時間静置した後、参考例3の手順に従ってSDS−PAGE(CBB染色)にて評価した。
結果を図2に示す。M23Aサブファミリーの酵素であるBLP、LasA、AhPを添加した溶液では、分子量37,000マーカーと分子量50,000マーカーの間にバンドが検出され、これらの酵素がケラチンを分解したことが示された。一方で、M23Bサブファミリーの酵素であるALE−1又はLysostaphinを添加した溶液ではケラチンの分解が見られなかった。すなわち、M23ファミリーのなかでもM23Aサブファミリーの酵素のみがケラチンを分解することが示された。また、Savinase、Alcalase、プロテイナーゼKを添加した溶液では、主要なバンドが消失していた。これらの酵素でケラチン断片のバンドが検出されなかったのは、ケラチンが様々な分子量の断片へと分解されたことで検出限界以下となったためか、断片が低分子化したためにゲルの外へと流出したためであると考えられた。
(3)ケラチン画分の評価
(1)で得られたケラチン溶液を20mM Tris−HCl(pH7.5)で20倍希釈し、参考例3〜4と同様の手順に従ってSDS−PAGE(CBB染色)とウェスタンブロッティングにより評価した。SDS−PAGEとウェスタンブロッティングによる評価の結果、踵角質から調製したケラチン溶液がケラチン10を含むことが確認された(図3)。図3では複数のバンドが検出されたが、これらは単量体のケラチン10の他に、複合体化したケラチン10、修飾されたケラチン10、ケラチン1及び他の種類のケラチン等であると考えられた。
実施例3 M23Aサブファミリープロテアーゼによる角質細胞由来不溶性ケラチンの分解
テープ(ニチバン、CT−24)を2cm使用して、テープストリッピングによりヒトの首から角質を取得した。この角質に可溶化液(100 mM Tris−HCl(pH8.5)、2%SDS、25mM DTT、5mM EDTA)を添加し、100℃で10分加熱した後、遠心分離し、上清を除去して沈殿物を得た。沈殿物に対して該可溶化液の添加、加熱、遠心分離の操作をさらに2回行うことで、角質細胞由来の不溶性成分を得た。得られた不溶性成分に20mM Tris−HCl(pH7.5)を40μL添加し、さらに酵素溶液を1μL添加した。酵素としては、参考例1で調製したBLP、LasA、及びAhPを使用した。酵素の終濃度は、BLPが1μg/mL、LasA及びAhPが10μg/mLに調整した。反応液を30℃で15時間静置した後、参考例3の手順に従って、上清のSDS−PAGE(ルビー染色)を行った。結果を図4に示す。BLP、LasA及びAhPを添加した溶液では、いずれも分子量37,000マーカーと分子量50,000マーカーの間にバンドが検出され、これらの酵素が角質の不溶性画分中のケラチンを分解したことが示された。
実施例4 M23Aサブファミリープロテアーゼの基質の解析
図2、4に示すとおり、M23Aサブファミリープロテアーゼ処理ケラチン溶液のSDS−PAGEで、分子量37,000マーカーと分子量50,000マーカーの間に2つのバンドが検出された。このうち、図4に示すBLP処理溶液のSDS−PAGEサンプルについて、低分子側のバンドの質量分析を行った。質量分析では株式会社リバネスのMALDI−TOF Mass Spec Analysisを用いた。質量分析の結果、このバンド領域に含まれるタンパク質はケラチン10(ACCESSION_AAH34697)の断片であることが判明した。
図5にケラチン10のアミノ酸配列(配列番号26)を示す。太字は、質量分析で同定された酵素処理液からのバンド中のペプチド配列を示す。図5に示すように、ケラチン10の両末端にはグリシンリッチ領域が存在し、一方、本実施例での質量分析で検出されたペプチド配列(太字)は中央領域に含まれていた。該質量分析で検出されたペプチド配列は、いずれもケラチン10のアミノ酸配列の番号157から450の間に存在していた。以上より、BLP及び他のM23Aサブファミリーの酵素が、ケラチン10のアミノ酸配列の両末端、すなわち1〜156番アミノ酸領域又は451〜584番アミノ酸領域にあるグリシンリッチ領域を切断することで、角質に含まれる全長ケラチン10を分解することが判明した。
実施例5 羊毛ケラチンの分解性評価
原料に羊毛が使用されているKeratin azure(SIGNA、K8500,ロット;SLBM2921V)を使用して酵素の羊毛ケラチン分解性(損傷性)を評価した。酵素としてSavinase(SIGMA、P3111)、Alcalase(SIGMA、P4860)、及びプロテイナーゼK(関東化学、34076−92)、ならびに参考例1で調製したBLP、LasA、AhPを使用した。6mgのKeratin azureを1mLの20mM Tris−HCl、pH7.5液に浸漬し、100μg/mLに調整した酵素溶液を100μL添加した。室温で72時間静置した後、遠心分離して上清を回収し、infinite M200(TECAN)を用いて波長595nmの吸光度を測定した。酵素を添加した溶液の上清の吸光度から酵素無添加の溶液の上清の吸光度を引いた値をΔA595とした。
結果を図6に示す。Savinase、Alcalase、プロテイナーゼKを添加したサンプルではBLP、LasA、AhPを添加したサンプルよりも吸光度の増大が認められた。以上より、Savinase、Alcalase、プロテイナーゼKはBLP、LasA、AhPよりも効率よく羊毛由来Kertin azureを分解する、すなわち羊毛損傷性が高いことが判明した。
実施例1〜4では、ケラチン10のグリシンリッチな領域を分解可能な酵素が角質汚れへの洗浄力を有することが示唆された。さらに実施例4〜5ではケラチン10のグリシンリッチ領域を分解する一方でケラチン10の中央領域を分解できない酵素は、羊毛ケラチンに対する分解性が低いことが判明した。これは動物性繊維を構成するタンパク質にはケラチン10のグリシンリッチ領域ほどのグリシンリッチな領域が存在しないためであると考えられる。したがって、グリシンリッチな領域の分解性を基準にして酵素の角質汚れ分解能と動物性繊維の分解能(損傷性)を評価できることが示唆された。
実施例6 BLPのロリクリン分解活性
タグ配列が融合されている組換えロリクリン(Recombinant Human Loricrin protein;Abcam、ab114261)を、アミコンウルトラ 分画分子量10K(メルクミリポア)を用いて、反応液(20mM Tris−HCl(pH7.5)、硬度10°DH(カルシウム/マグネシウム=4/1(モル比))、0.1(w/v)%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)の溶液へと調製した。この溶液30μLに、参考例1で調製したBLP溶液(60μg酵素/mL)を1μL添加し、30℃で3時間静置した。反応後の溶液の参考例3の手順によるSDS−PAGE(CBB染色)の結果、3本の主要なバンドが検出された(図7、矢印)。
同様に調製したSDS−PAGE(未染色)後のゲルを、トランスブロットTurboTMシステム(Bio−Rad)とトランスブロットTurboTMミニ PVDF転写パック(Bio−Rad、#170−4156)を用いてPVDF膜へ転写した。転写した膜を、Bio−Safe CBB G−250ステイン(Bio−Rad、#161−0786)で染色し、50%メタノール液で脱色した後、図7と同様の位置に現れた3本のバンドの領域を切り出した。切り出したバンドのN末端アミノ酸配列の解析を、株式会社リバネスのN末端アミノ酸配列解析サービスへ依頼した。その結果、いずれのバンドのN末端アミノ酸配列もロリクリン配列ではないことが判明したことから、バンドはタグ配列に由来するものと推定された。すなわち、BLPがロリクリンを分解したことが示された。
図8に、本実施例で用いたロリクリンのアミノ酸配列(配列番号27)を示す。図8に示すように、ロリクリンはグリシンリッチなタンパク質である。一方、本実施例で用いたタグ配列(図8には示されていない)には、グリシンリッチな領域はほとんど存在しない。したがって、本実施例の結果及び実施例4の結果と合わせると、BLPが、グリシンリッチ領域を分解することで、ロリクリンを分解したことが示唆された。
実施例7 角質汚れ分解酵素の基質特異性
各種酵素について、角質汚れ分解能による基質特異性の違いを調べた。参考例5と同じ手順で、ただし、ペプチド配列としてGGGGG、GGGSG、GGGYG、GGGLG、及びGGGFG(配列番号28、30〜33)の5種類のペプチドのそれぞれを含むFRET基質を用いて、各種基質ペプチドに対するプロテアーゼの分解活性を調べた。プロテアーゼには、参考例1で調製したBLP、LasA、AhP及びALE−1、ならびにLysostaphin(Wako、120−04313)を用いた。また、参考例2の方法で各プロテアーゼ溶液の濃度を測定した。各プロテアーゼについて、酵素1mgあたりの活性(比活性;U/mg)を求めた。
結果を表3に示す。実施例1で角質汚れを分解したM23Aサブファミリープロテアーゼ(BLP、LasA及びAhP)は、GGGGGのFRET基質で比活性が10U/mg以上であった。さらに、GGGSG、GGGYG、GGGLG,GGGFGのいずれかのFRET基質の1つ以上で、GGGGGのFRET基質に対する相対活性が0.5を上回った。一方で、実施例1で角質汚れを分解しなかったM23Bサブファミリープロテアーゼ(ALE−1及びLysostaphin)は、GGGGGのFRET基質で比活性が10U/mg未満であった。さらに、GGGSG、GGGYG,GGGLG、GGGFGのいずれのFRET基質でも、活性が認められず、GGGGGのFRET基質に対する相対活性が0.5未満であった。
以上の実施例の結果からは、GGGGGを基準ペプチド、GGGSG、GGGYG,GGGLG、GGGFGを基質ペプチドとした場合、角質汚れ分解能を有する酵素は、基準ペプチドに対し10U/mg以上の比活性を有し、かついずれか1以上の基質ペプチドに対し5U/mg以上(相対活性が0.5以上)の分解活性を有することが認められた。したがって、各種グリシンリッチな基準ペプチド及び基質ペプチドに対する酵素の活性を基準にして、当該酵素の角質汚れ分解能を評価することができることが示唆された。さらに、ケラチン分解挙動を確認することにより、角質汚れ分解能に加え動物性繊維への損傷性を評価できることが示唆された。よって、本発明の評価方法を用いることにより、角質汚れ分解能を有する酵素を効率的にスクリーニングすることができ、さらに角質汚れ分解能を有しかつ動物繊維への損傷性が低い酵素も効率的にスクリーニングすることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらが、本発明を、説明した特定の実施形態に限定することを意図するものではないことを理解すべきである。本発明の範囲内にある様々な他の変更及び修正は当業者には明白である。本明細書に引用されている文献及び特許出願は、あたかもそれが本明細書に完全に記載されているかのように参考として援用される。

Claims (9)

  1. 酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価する方法であって、
    基準ペプチド及び1種以上の基質ペプチドに対する、被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性を測定すること、
    該1種以上の基質ペプチドに対する分解活性のそれぞれについて、該基準ペプチドに対する分解活性に対する相対値を求めること、及び、
    該基準ペプチドに対する分解の比活性が10U/mg以上であり、かつ該基質ペプチドのいずれか1つ以上についての該相対値が0.5以上であるか、又はそれに相当する該基準ペプチド及び基質ペプチドに対する分解活性を有する被験酵素又はそれを含む組成物を選択すること、
    を含み、
    該基準ペプチドがGGGGG又はGGGGであり、該1種以上の基質ペプチドが、GGGXG、GXGGG、GGXG及びGXGGからなる群より選択され、Xはグリシン以外の任意のアミノ酸残基である、
    方法。
  2. 前記1種以上の基質ペプチドが、GGGSG、GGGYG、GGGLG及びGGGFGからなる群より選択される1種以上である、請求項1記載の方法。
  3. 前記被験酵素がプロテアーゼである、請求項1又は2記載の方法。
  4. 酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能、及び動物性繊維への損傷性を評価する方法である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記選択した被験酵素又はそれを含む組成物をケラチンと接触させ、次いで生成されたケラチン断片の分子量を計測することをさらに含む、請求項4記載の方法。
  6. 計測されたケラチン断片の分子量が、前記被験酵素又はそれを含む組成物との接触前のケラチンの分子量の50%以上97%以下である場合に、該被験酵素又はそれを含む組成物を、角質汚れ分解能を有し、かつ動物性繊維の損傷性が低い酵素又はそれを含む組成物として選択することをさらに含む、請求項5記載の方法。
  7. 前記ケラチンがグリシンリッチ領域を有し、かつ分子量35,000以上のケラチンである、請求項5又は6記載の方法。
  8. 前記ケラチンがケラチン10である、請求項5又は6記載の方法。
  9. 前記動物性繊維が羊毛である、請求項4〜8のいずれか1項記載の方法。
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