JP2019122300A - 角質汚れ分解能の評価方法 - Google Patents
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Abstract
Description
基準ペプチド及び1種以上の基質ペプチドに対する、被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性を測定すること、
該1種以上の基質ペプチドに対する分解活性のそれぞれについて、該基準ペプチドに対する分解活性に対する相対値を求めること、及び、
該基準ペプチドに対する分解の比活性が10U/mg以上であり、かつ該基質ペプチドのいずれか1つ以上についての該相対値が0.5以上であるか、又はそれに相当する該基準ペプチド及び基質ペプチドに対する分解活性を有する被験酵素又はそれを含む組成物を選択すること、
を含み、
該基準ペプチドがGGGGG又はGGGGであり、該1種以上の基質ペプチドが、GGGXG、GXGGG、GGXG及びGXGGからなる群より選択され、Xはグリシン以外の任意のアミノ酸残基である、
方法を提供する。
基準ペプチド及び1種以上の基質ペプチドに対する、被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性を測定すること、
該1種以上の基質ペプチドに対する分解活性のそれぞれについて、該基準ペプチドに対する分解活性に対する相対値を求めること、及び、
該基準ペプチドに対する分解の比活性が10U/mg以上であり、かつ該基質ペプチドのいずれか1つ以上についての該相対値が0.5以上であるか、又はそれに相当する該基準ペプチド及び基質ペプチドに対する分解活性を有する被験酵素又はそれを含む組成物を選択すること、
を含み、
該基準ペプチドがGGGGG又はGGGGであり、該1種以上の基質ペプチドが、GGGXG、GXGGG、GGXG及びGXGGからなる群より選択され、Xはグリシン以外の任意のアミノ酸残基である、
方法。
〔2〕好ましくは、前記基準ペプチドがGGGGGである、〔1〕記載の方法。
〔3〕好ましくは、前記基質ペプチド中のXがS、Y、L及びFから選択される、〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔4〕前記基質ペプチドが、
好ましくはGGGXGであり、
より好ましくはGGGSG、GGGYG、GGGLG及びGGGFGからなる群より選択される1種以上であり、
さらに好ましくはGGGSG、GGGYG、GGGLG及びGGGFGである、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の方法。
〔5〕好ましくは、前記被験酵素がプロテアーゼである、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の方法。
〔6〕好ましくは、前記分解活性の測定が、前記被験酵素又はそれを含む組成物と前記基準ペプチド又は前記基質ペプチドとを接触させ、次いで該基準ペプチド又は該基質ペプチドの分解量を計測することを含む、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の方法。
〔7〕好ましくは、前記基準ペプチド又は前記基質ペプチドの分解量の計測がFRETアッセイ、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、又は薄層クロマトグラフィーにより行われる、〔6〕記載の方法。
〔8〕好ましくは、前記基準ペプチド又は前記基質ペプチドの各々に対する前記被験酵素又はそれを含む組成物の分解の比活性を求めることをさらに含む、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の方法。
〔9〕好ましくは、前記選択した被験酵素又はそれを含む組成物を、角質汚れ分解酵素又は角質汚れ分解用組成物の候補物質として選択する、〔1〕〜〔8〕のいずれか1項記載の方法。
〔11〕好ましくは、前記選択した被験酵素又はそれを含む組成物を、角質汚れ分解能を有し、かつ動物性繊維の損傷性が低い酵素又は組成物として選択する、〔10〕記載の方法。
〔12〕好ましくは、前記被験酵素又はそれを含む組成物の動物性繊維に対する分解能を評価することをさらに含む、〔10〕記載の方法。
〔13〕好ましくは、前記選択した被験酵素又はそれを含む組成物をケラチンと接触させ、生成されたケラチン断片の分子量を計測することをさらに含む、〔12〕記載の方法。
〔14〕好ましくは、計測されたケラチン断片の分子量が、前記被験酵素又はそれを含む組成物との接触前のケラチンの分子量の50%以上97%以下である場合に、該被験酵素又はそれを含む組成物を、角質汚れ分解能を有し、かつ動物性繊維の損傷性が低い酵素又はそれを含む組成物として選択することをさらに含む、〔13〕記載の方法。
〔15〕好ましくは、前記ケラチンが分子量35,000以上のケラチンである、〔13〕又は〔14〕記載の方法。
〔16〕好ましくは、前記ケラチンがケラチン10である、〔13〕又は〔14〕記載の方法。
〔17〕好ましくは、前記ケラチンがKeratin azureである、〔13〕又は〔14〕記載の方法。
〔18〕好ましくは、前記動物性繊維が羊毛である、〔10〕〜〔17〕のいずれか1項記載の方法。
〔19〕好ましくは、前記角質汚れが襟袖汚れである、〔1〕〜〔18〕のいずれか1項記載の方法。
〔20〕好ましくは、前記被験酵素を含む組成物が洗剤組成物である、〔1〕〜〔19〕のいずれか1項記載の方法。
(1)BLPを含む培養上清の調製
(1−1)発現ベクターの作製
BLP遺伝子(配列番号1)をプラスミドpUC57に挿入したもの(BLP/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。BLP/pUC57を鋳型としてプライマーペアBLP_S237signal_F/BLP_S237signal_R(配列番号9及び10)及びPrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)を使用してPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアvector−F/vector−sig−R(配列番号11及び12)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行った。
1mLのLB培地に枯草菌168株(Bacillus subtilis Marburg No.168株:Nature,390,1997,p.249)を植菌し、30℃、200rpmで一晩振盪培養した。1mLの新たなLB培地にこの培養液を10μL植菌して37℃、200rpmで3時間培養した。この培養液を遠心分離してペレットを回収した。ペレットに4mg/mLのリゾチーム(SIGMA)を含むSMMP[0.5Mシュークロース、20mMマレイン酸二ナトリウム、20mM塩化マグネシウム6水塩、35%(w/v)Antibiotic Medium 3(Difco)]を500μL添加し、37℃で1時間インキュベートした。次に遠心分離によりペレットを回収し、400μLのSMMPに懸濁した。懸濁液13μL、(1−1)で得たプラスミドBLP2/pHY溶液(10mM Tris−HCl pH8.5、34.2ng/μL)2μL、SMMP20μLを混合し、さらに100μLの40%PEGを加え攪拌し、さらにSMMPを350μL加えた後、30℃で1時間振盪した。この液200μLをテトラサイクリン(15μg/mL、Sigma)を含むDM3再生寒天培地[0.8%寒天(和光純薬)、0.5%コハク酸2ナトリウム6水塩、0.5%カザミノ酸テクニカル(Difco)、0.5%酵母エキス、0.35%リン酸1カリウム、0.15%リン酸2カリウム、0.5%グルコース、0.4%塩化マグネシウム6水塩、0.01%牛血清アルブミン(Sigma)、0.5%カルボキメチルセルロース、0.005%トリパンブルー(Merck)及びアミノ酸混液(トリプトファン、リシン、メチオニン各10μg/mL);%は(w/v)%]に塗抹して30℃で3日間インキュベートし、形成したコロニーを取得した。
LB培地に終濃度15ppmとなるようにテトラサイクリンを添加した。この培地5mLに(1−2)で得た枯草菌形質転換体コロニーを植菌した後、30℃、250rpmで一晩培養した。翌日この培養液400μLを2×L−マルトース培地(2%トリプトン、1%酵母エキス、1%NaCl、7.5%マルトース、7.5ppm硫酸マンガン五水和物、15ppmテトラサイクリン、6ppm硫酸亜鉛七水和物;%は(w/v)%)20mLに植菌し、32℃、230rpmで2日間培養した後、菌体から産生された酵素を含む培養上清を遠心分離により回収した。
LasA遺伝子(配列番号3)をプラスミドpUC57に挿入したもの(LasA/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。LasA/pUC57を鋳型とし、プライマーペアLasA_F/LasA_CR(配列番号15及び16)を使用して、PrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)のプロトコルに従いPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアpHY_just_F/pHY_just_R_NEW(配列番号17及び18)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行うことでプラスミド(LasA/pHY)溶液を得た。
AhP遺伝子(配列番号5)をプラスミドpUC57に挿入したもの(AhP/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。AhP/pUC57を鋳型とし、プライマーペア2F/2R_bacillus−Chis(配列番号21及び22)を使用して、PrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)のプロトコルに従いPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアvector−F/vector−R(配列番号11及び23)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行うことでプラスミド(AhP/pHY)溶液を得た。
M23BサブファミリープロテアーゼであるALE-1 glycylglycine endopeptidase(ALE−1)(MEROPS ID:M23.012;配列番号8)を調製した。ALE1遺伝子(配列番号7)をプラスミドpUC57に挿入したもの(ALE1/pUC57)をGenScript社の人工遺伝子合成サービスを利用して作製した。ALE1/pUC57を鋳型とし、プライマーペアpHY−like6−just−F/pHY−like6−just−CHisR(配列番号24及び25)及びPrimeSTAR Max Premix(タカラバイオ)を使用してPCR反応を行った。WO2006/068148 A1の実施例7に記載のプラスミドpHY−S237を鋳型とし、プライマーペアpHY_just_F/pHY_just_R_NEW(配列番号17及び18)を使用して、同様にPCR反応を行った。それぞれのPCR産物をDpnI(New England Biolabs)にてDpnI処理を行った。続いてIn−Fusion,HD Cloning kit(Clontech)のプロトコルに従ってIn−Fusion反応を行うことでプラスミド(ALE1/pHY)溶液を得た。
(1)〜(4)で得た培養上清から目的のプロテアーゼを調製した。培養上清をアミコンウルトラ 分画分子量10K(メルクミリポア)を用いてBufferAでバッファー交換した。バッファー交換後の液から、AKTA explorer 10S(GEヘルスケア)を用いて酵素を調製した。まず該バッファー交換で得られた液をカラム1に通し、次いでBufferBを使用してカラム1の吸着成分を溶出させた。溶出分画のうちFRET−GGGGG(参考例5)の分解活性が認められる分画液を回収した。続いて、回収した分画液を、20mM Tris−HCl(pH7.5)、200mM NaClの溶液で平衡化したカラム2を用いてSize Exclusion Chromatographyにかけ、FRET−GGGGGの分解活性が認められる分画液を回収した。回収した分画液をアミコンウルトラ 分画分子量10Kを用いて20mM Tris−HCl(pH7.5)溶液でバッファー交換し、目的のプロテアーゼを含む酵素溶液を得た。各培養上清に使用したBufferA、BufferB、カラム1、及びカラム2は、表2のとおりとした。
酵素溶液の濃度測定にはDCプロテインアッセイキット(Bio−Rad)を用いた。タンパク質量算出のための標準液にはBSA Standard Solution(WAKO)を用いた。
50mMジチオトレイトール(Thermo Fisher Scientific)を含む2×Laemmli Sample Buffer(Bio−Rad、#161−0737)と試料溶液を等量混合し、100℃で5分間加熱することで泳動サンプルを調製した。この泳動サンプルをAny kDTMミニプロティアン(登録商標)TGXTMプレキャストゲル(Bio−Rad)及び10倍希釈した10×トリス/グリシン/SDS(Bio−Rad、1610732)を用いて電気泳動した。分子量マーカーにはプレシジョン Plus プロテインTM2色スタンダード(Bio−Rad、#161−0374)を使用した。泳動後のゲルはCBB染色又はルビー染色した。CBB染色にはBio−Safe CBB G−250ステイン(Bio−Rad、161−0786)を使用した。ルビー染色にはOne−step Ruby(APRO life Science、SP−4040)を使用した。分子量マーカーの分子量と移動度から作成できる検量線の式に、目的タンパク質又はポリペプチドの移動度を代入することで得られた値を、該目的タンパク質又はポリペプチドの分子量とした。サンプルの移動度(Rf値)は、該サンプルを流したレーンにおける、ゲルの上端(サンプルをアプライした位置)から先行色素(ブロモフェノールブルー)までの距離を1としたときの、該ゲルの上端から該サンプルのバンドまでの距離の相対値として計測した。
ケラチン溶液を参考例3に記載の手順でSDS−PAGE(未染色)にかけた後、ゲルをトランスブロットTurboTMシステム(Bio−Rad)とトランスブロットTurboTMミニ PVDF転写パック(Bio−Rad、#170−4156)を用いてPVDF膜へ転写した。抗体反応にはIbind Western Device(Thermo Fisher Scientific)を用いた。1次抗体としてKRT10 monoclonal antibody(M01),clone 1H6(Abnova)、2次抗体としてStabilized Peroxidase Conjugated Goat Anti−Mouse(H+L)(Thermo Fisher Scientific、#32430)、検出試薬としてECL Select Western Blotting Detection Reagent(GEヘルスケア)を使用した。
基質として、蛍光基Nmaと消光基Lys(Dnp)の間がペンタグリシンであるFRET基質[以下FRET−GGGGG](ピーエイチジャパンにて受注生産)を用いた。ここでNmaとは2−(N−メチルアミノ)ベンゾイル(Nma)を指す。またLys(Dnp)とは2,4−ジニトロフェニル(Dnp)をリシン(Lys)の側鎖に有するものを指す。96穴のアッセイプレート(AGCテクノグラス、3881−096)に参考例1(5)で得た酵素溶液(酵素、20mM Tris−HCl(pH7.5))を190μL添加し、さらにFRET−GGGGG溶液(1mM FRET−GGGGG、100mM Tris−HCl(pH7.5))を10μL添加して反応液を調製した。infinite M200(TECAN)を用いて温度30℃、励起波長340nm、測定波長440nmにて反応液の蛍光強度を経時で測定した。同じ反応条件で、酵素溶液の代わりに20mM Tris−HCl pH7.5液、FRET−GGGGGの代わりにジメチルスルホキシドで溶かしたFRETS−25−STD1(ペプチド研究所、3720−v)を用いた反応液の蛍光強度を測定し、検量線を作成した。1ユニット(U)の活性は、1分間あたりに、1nmolのFRETS−25−STD1による蛍光強度に相当する蛍光強度の変化を示すのに必要な酵素量とした。
(1)襟袖汚れの作製
ワイシャツの襟の領域に布(組成:ポリエステル65%、綿35%)を縫い合わせたものを準備した。このシャツを成人男性に3日間にわたって日中に着用させた。その後、襟に縫い合わせた布を回収し、1辺が6mmの正方形となるように裁断して、襟袖汚れを有するサンプル布として用いた。
洗浄液の組成:酵素、20mM Tris−HCl(pH7.5)、硬度10°DH(カルシウム/マグネシウム=4/1(モル比))、0.1(w/v)%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エマール(登録商標)20C、花王(株)製、有効分換算)。酵素としては、参考例1で調製したBLP、LasA、AhP及びALE−1、ならびにLysostaphin(Wako、120−04313)を使用した。各酵素は最終濃度が150U/Lになるように添加した。対照として、同じ組成で酵素無添加の洗浄液を用いた。
洗浄率(%)=(G2−G1)/(G0−G1)*100
G0:サンプル布の原布のMean Gray Value
G1:洗浄前のサンプル布のMean Gray Value
G2:洗浄後のサンプル布のMean Gray Value
(1)ケラチン溶液の調製
ヒトの踵から、ベルベットスムーズ電動角質リムーバー ダイヤモンド(レキットベンキーザー)を使用して角質を削り出した。踵角質5mgに対し、1mLの可溶化液(100mM Tris−HCl(pH8.5)、2%SDS、25mM DTT、5mM EDTA)を添加し、100℃で10分間加熱した後、遠心分離し、上清を回収した。回収した上清を、Mini Dialysis kit 8kDa cut−off 2mL(GEヘルスケア、#80−6484−32)を用いて、透析バッファー(20mM Tris−HCl(pH7.5)、0.1%SDS)に対して一晩透析し、ケラチン溶液を得た。
(1)で得られたケラチン溶液を20mM Tris−HCl(pH7.5)で20倍希釈した。この希釈溶液30μLに対し、酵素溶液を1μL添加した。酵素としては、参考例1で調製したBLP、LasA、AhP及びALE−1、ならびにLysostaphin(Wako、#120−04313)、Savinase(SIGMA、P3111)、Alcalase(SIGMA、P4860)、プロテイナーゼK(関東化学、34076−92)を使用した。酵素の終濃度は、BLP、Savinase、Alcalase、プロテイナーゼKが1μg/mL、LasA、AhP、ALE−1及びLysostaphinが10μg/mLとなるように調整した。反応液を30℃で15時間静置した後、参考例3の手順に従ってSDS−PAGE(CBB染色)にて評価した。
(1)で得られたケラチン溶液を20mM Tris−HCl(pH7.5)で20倍希釈し、参考例3〜4と同様の手順に従ってSDS−PAGE(CBB染色)とウェスタンブロッティングにより評価した。SDS−PAGEとウェスタンブロッティングによる評価の結果、踵角質から調製したケラチン溶液がケラチン10を含むことが確認された(図3)。図3では複数のバンドが検出されたが、これらは単量体のケラチン10の他に、複合体化したケラチン10、修飾されたケラチン10、ケラチン1及び他の種類のケラチン等であると考えられた。
テープ(ニチバン、CT−24)を2cm使用して、テープストリッピングによりヒトの首から角質を取得した。この角質に可溶化液(100 mM Tris−HCl(pH8.5)、2%SDS、25mM DTT、5mM EDTA)を添加し、100℃で10分加熱した後、遠心分離し、上清を除去して沈殿物を得た。沈殿物に対して該可溶化液の添加、加熱、遠心分離の操作をさらに2回行うことで、角質細胞由来の不溶性成分を得た。得られた不溶性成分に20mM Tris−HCl(pH7.5)を40μL添加し、さらに酵素溶液を1μL添加した。酵素としては、参考例1で調製したBLP、LasA、及びAhPを使用した。酵素の終濃度は、BLPが1μg/mL、LasA及びAhPが10μg/mLに調整した。反応液を30℃で15時間静置した後、参考例3の手順に従って、上清のSDS−PAGE(ルビー染色)を行った。結果を図4に示す。BLP、LasA及びAhPを添加した溶液では、いずれも分子量37,000マーカーと分子量50,000マーカーの間にバンドが検出され、これらの酵素が角質の不溶性画分中のケラチンを分解したことが示された。
図2、4に示すとおり、M23Aサブファミリープロテアーゼ処理ケラチン溶液のSDS−PAGEで、分子量37,000マーカーと分子量50,000マーカーの間に2つのバンドが検出された。このうち、図4に示すBLP処理溶液のSDS−PAGEサンプルについて、低分子側のバンドの質量分析を行った。質量分析では株式会社リバネスのMALDI−TOF Mass Spec Analysisを用いた。質量分析の結果、このバンド領域に含まれるタンパク質はケラチン10(ACCESSION_AAH34697)の断片であることが判明した。
原料に羊毛が使用されているKeratin azure(SIGNA、K8500,ロット;SLBM2921V)を使用して酵素の羊毛ケラチン分解性(損傷性)を評価した。酵素としてSavinase(SIGMA、P3111)、Alcalase(SIGMA、P4860)、及びプロテイナーゼK(関東化学、34076−92)、ならびに参考例1で調製したBLP、LasA、AhPを使用した。6mgのKeratin azureを1mLの20mM Tris−HCl、pH7.5液に浸漬し、100μg/mLに調整した酵素溶液を100μL添加した。室温で72時間静置した後、遠心分離して上清を回収し、infinite M200(TECAN)を用いて波長595nmの吸光度を測定した。酵素を添加した溶液の上清の吸光度から酵素無添加の溶液の上清の吸光度を引いた値をΔA595とした。
タグ配列が融合されている組換えロリクリン(Recombinant Human Loricrin protein;Abcam、ab114261)を、アミコンウルトラ 分画分子量10K(メルクミリポア)を用いて、反応液(20mM Tris−HCl(pH7.5)、硬度10°DH(カルシウム/マグネシウム=4/1(モル比))、0.1(w/v)%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)の溶液へと調製した。この溶液30μLに、参考例1で調製したBLP溶液(60μg酵素/mL)を1μL添加し、30℃で3時間静置した。反応後の溶液の参考例3の手順によるSDS−PAGE(CBB染色)の結果、3本の主要なバンドが検出された(図7、矢印)。
各種酵素について、角質汚れ分解能による基質特異性の違いを調べた。参考例5と同じ手順で、ただし、ペプチド配列としてGGGGG、GGGSG、GGGYG、GGGLG、及びGGGFG(配列番号28、30〜33)の5種類のペプチドのそれぞれを含むFRET基質を用いて、各種基質ペプチドに対するプロテアーゼの分解活性を調べた。プロテアーゼには、参考例1で調製したBLP、LasA、AhP及びALE−1、ならびにLysostaphin(Wako、120−04313)を用いた。また、参考例2の方法で各プロテアーゼ溶液の濃度を測定した。各プロテアーゼについて、酵素1mgあたりの活性(比活性;U/mg)を求めた。
Claims (9)
- 酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能を評価する方法であって、
基準ペプチド及び1種以上の基質ペプチドに対する、被験酵素又はそれを含む組成物の分解活性を測定すること、
該1種以上の基質ペプチドに対する分解活性のそれぞれについて、該基準ペプチドに対する分解活性に対する相対値を求めること、及び、
該基準ペプチドに対する分解の比活性が10U/mg以上であり、かつ該基質ペプチドのいずれか1つ以上についての該相対値が0.5以上であるか、又はそれに相当する該基準ペプチド及び基質ペプチドに対する分解活性を有する被験酵素又はそれを含む組成物を選択すること、
を含み、
該基準ペプチドがGGGGG又はGGGGであり、該1種以上の基質ペプチドが、GGGXG、GXGGG、GGXG及びGXGGからなる群より選択され、Xはグリシン以外の任意のアミノ酸残基である、
方法。 - 前記1種以上の基質ペプチドが、GGGSG、GGGYG、GGGLG及びGGGFGからなる群より選択される1種以上である、請求項1記載の方法。
- 前記被験酵素がプロテアーゼである、請求項1又は2記載の方法。
- 酵素又はそれを含む組成物の角質汚れ分解能、及び動物性繊維への損傷性を評価する方法である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 前記選択した被験酵素又はそれを含む組成物をケラチンと接触させ、次いで生成されたケラチン断片の分子量を計測することをさらに含む、請求項4記載の方法。
- 計測されたケラチン断片の分子量が、前記被験酵素又はそれを含む組成物との接触前のケラチンの分子量の50%以上97%以下である場合に、該被験酵素又はそれを含む組成物を、角質汚れ分解能を有し、かつ動物性繊維の損傷性が低い酵素又はそれを含む組成物として選択することをさらに含む、請求項5記載の方法。
- 前記ケラチンがグリシンリッチ領域を有し、かつ分子量35,000以上のケラチンである、請求項5又は6記載の方法。
- 前記ケラチンがケラチン10である、請求項5又は6記載の方法。
- 前記動物性繊維が羊毛である、請求項4〜8のいずれか1項記載の方法。
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