JP2019110226A - SiC半導体装置、電力変換装置およびSiC半導体装置の製造方法 - Google Patents

SiC半導体装置、電力変換装置およびSiC半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、SiC−JBSにおいて、結晶欠陥に起因するリーク電流の低下およびスポット破壊の抑制を目的とする。【解決手段】本発明のSiC半導体装置は、SiC基板と、SiC基板の上面に形成されたエピタキシャル層と、エピタキシャル層の上面に形成されたショットキー電極と、SiC基板の下面に形成されたオーミック電極と、を備え、エピタキシャル層は、上面がショットキー電極と接触するn型エピタキシャル層と、n型エピタキシャル層の上面からn型エピタキシャル層の一部の深さに亘り選択的に形成され、それらの上面がショットキー電極と接触する複数のp型エピタキシャル層と、を備え、n型エピタキシャル層の上面における結晶欠陥密度は、p型エピタキシャル層の上面における結晶欠陥密度よりも小さい。【選択図】図2

Description

この発明は、SiC半導体装置、電力変換装置およびSiC半導体装置の製造方法に関する。
ショットキーダイオードにおいて、ショットキー接合界面に複数のジャンクションバリアを有する構造がジャンクションバリアショットキーダイオード(Junction Barrier Schottky Diode:JBS)として知られている。炭化珪素(SiC)半導体基板を用いて構成されたJBS(以下、「SiC−JBS」と称する)については例えば特許文献1に記載されている。
特表2009−532902号公報
SiC−JBSにおいて、SiC基板またはエピタキシャル層の内部からエピタキシャル層の表面へ伝搬する結晶欠陥が多いと、ショットキー接合部における結晶欠陥に起因して、高電圧を印加した時にリーク電流が大きくなり、歩留りが低下するという問題がある。
また、SiC−JBSのテストで高電圧を印加すると、スポット破壊が発生する場合がある。テスト時にプローブ針の近くでスポット破壊が生じた場合、破壊のダメージがプローブ針におよぶため、発生毎にテストを中断してプローブを確認する作業が生じ、生産性が低下するという問題がある。スポット破壊は、テストで高電圧を印加した時に高電界がかかり、且つ、リーク電流が大きいn型領域とショットキーの接合部で生じる。スポット破壊の要因は、SiC基板、又は、エピタキシャル層の内部からエピタキシャル成長方向へ伝搬し、エピタキシャル層の上面に出てきた結晶欠陥であった。
本発明は上述の問題点に鑑み、SiC−JBSにおいて、結晶欠陥に起因するリーク電流の低下およびスポット破壊の抑制を目的とする。
本発明のSiC半導体装置は、SiC基板と、SiC基板の上面に形成されたエピタキシャル層と、エピタキシャル層の上面に形成されたショットキー電極と、SiC基板の下面に形成されたオーミック電極と、を備え、エピタキシャル層は、上面がショットキー電極と接触するn型エピタキシャル層と、n型エピタキシャル層の上面からn型エピタキシャル層の一部の深さに亘り選択的に形成され、それらの上面がショットキー電極と接触する複数のp型エピタキシャル層と、を備え、n型エピタキシャル層の上面における結晶欠陥密度は、p型エピタキシャル層の上面における結晶欠陥密度よりも小さい。
本発明のSiC半導体装置の製造方法は、(a)SiC基板の上面に第1のn型エピタキシャル層とp型エピタキシャル層をこの順に積層し、(b)p型エピタキシャル層の上面から少なくともp型エピタキシャル層を貫通する複数のトレンチを形成し、(c)トレンチの下面より側面からの成長速度が速い成長条件でトレンチ内に第2のn型エピタキシャル層を形成し、(d)第2のn型エピタキシャル層およびp型エピタキシャル層の上面にショットキー電極を形成し、(e)SiC基板の下面にオーミック電極を形成する。
本発明のSiC半導体装置は、SiC基板と、SiC基板の上面に形成されたエピタキシャル層と、エピタキシャル層の上面に形成されたショットキー電極と、SiC基板の下面に形成されたオーミック電極と、を備え、エピタキシャル層は、上面がショットキー電極と接触するn型エピタキシャル層と、n型エピタキシャル層の上面からn型エピタキシャル層の一部の深さに亘り選択的に形成され、それらの上面がショットキー電極と接触する複数のp型エピタキシャル層と、を備え、n型エピタキシャル層の上面における結晶欠陥密度は、p型エピタキシャル層の上面における結晶欠陥密度よりも小さい。そのため、リーク電流の低下とスポット破壊の抑制が図られる。
本発明のSiC半導体装置の製造方法は、(a)SiC基板の上面に第1のn型エピタキシャル層とp型エピタキシャル層をこの順に積層し、(b)p型エピタキシャル層の上面から少なくともp型エピタキシャル層を貫通する複数のトレンチを形成し、(c)トレンチの下面より側面からの成長速度が速い成長条件でトレンチ内に第2のn型エピタキシャル層を形成し、(d)第2のn型エピタキシャル層およびp型エピタキシャル層の上面にショットキー電極を形成し、(e)SiC基板の下面にオーミック電極を形成する。工程(c)においてトレンチの下面より側面からの成長速度を速くすることにより、第1のn型エピタキシャル層からの結晶欠陥の伝搬をトレンチの内部で途絶えさせ、第2のn型エピタキシャル層の上面にまで伝搬しないようにすることができる。これにより、第2のn型エピタキシャル層の上面における結晶欠陥密度はp型エピタキシャル層の上面における結晶欠陥密度よりも小さくなる。その結果、リーク電流の低下とスポット破壊の抑制が図られる。
前提技術のSiC−JBSの断面図である。 実施の形態1のSiC−JBSの断面図である。 実施の形態1の比較例のSiC−JBSの断面図である。 実施の形態1の比較例のSiC−JBSの断面図である。 実施の形態1のSiC−JBSの断面図である。 実施の形態1のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1の変形例のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1の変形例のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1の変形例のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1の変形例のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1の変形例のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態2のSiC−JBSの断面図である。 実施の形態1のSiC−JBSの断面図である。 実施の形態2のSiC−JBSの断面図である。 実施の形態3のSiC−JBSの断面図である。 実施の形態3のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態3のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態3のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態3のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態3のSiC−JBSの製造工程を示す断面図である。 実施の形態4の電力変換システムの構成を示すブロック図である。
<A.前提技術>
図1は、前提技術のバリアショットキーダイオード(SiC−JBS)100の断面図である。なお、本明細書では断面図を用いて半導体装置の構造を説明するが、FLRなどの電界緩和層または絶縁保護膜層を含む終端構造については図示を省略する。また、各図において共通または対応する構成要素には同一の参照符号を付す。
SiC−JBS100は、n+型のSiC基板1、n−型のSiCエピタキシャル層2、p型領域3、ショットキー電極4、表面電極5およびオーミック電極6を備えている。SiC基板1の第1主面である上面にSiCエピタキシャル層2が形成される。SiCエピタキシャル層2の上面からSiCエピタキシャル層2の一部の深さにかけて、複数のp型領域3が選択的に形成される。すなわち、SiCエピタキシャル層2の上面から一部の深さの領域では、n型領域(SiCエピタキシャル層2)とp型領域3とが交互に形成される。p型領域3の下面は、SiCエピタキシャル層2の下面よりも浅い。なお、以下の説明ではSiCエピタキシャル層2とp型領域3をあわせて単に「エピタキシャル層」とも称する。また、エピタキシャル層のうち、n型領域がn型エピタキシャル層であって、p型領域3がp型エピタキシャル層である。
エピタキシャル層の上面上にはショットキー電極4が形成される。すなわち、ショットキー電極4は、SiCエピタキシャル層2の上面とショットキー接合を形成する。ショットキー電極4上には表面電極5が形成される。また、SiC基板1の第2主面である下面上にはオーミック電極6が形成される。
SiC基板1およびSiCエピタキシャル層2には結晶欠陥7が発生する。これらの結晶欠陥7はエピタキシャル層の上面へ伝搬する。こうしてショットキー接合部に結晶欠陥7が発生すると、SiC−JBS100に高電圧を印加した時にリーク電流が大きくなり、歩留りが低下してしまう。
また、図1に示すように、プローブ針8を用いて高電圧を印加するテストを行うと、結晶欠陥7に起因して図1の領域Aで示すようにスポット破壊が生じる場合がある。スポット破壊がプローブ針8の近傍で発生した場合には、電極が融解離散してプローブ針8に付着したり、プローブ針8自身が熱により変形したりするといった、プローブ針8へのダメージが発生する。このようなダメージを受けたまま測定を継続すると、例えば電極コンタクト痕が大きくなり組立不具合を起こしたり、電極下部にある半導体装置の表面、特にショットキー接合部を傷つけて機能不全にさせるといった測定不具合が発生する。
そのため、プローブ針8の近傍でスポット破壊が生じると、テストを中断してプローブ針8を確認または交換する作業が必要となり、生産性が低下する。特に、炭化珪素など結晶欠陥が多数内在する半導体材料を用いた半導体装置の測定では、スポット破壊が多数発生するため、テスト中断およびプローブ針8交換の頻度が高く、処理能力が下がり生産性が低下することが問題となる。
以下の実施の形態では、結晶欠陥に起因するリーク電流の低下およびスポット破壊の抑制を実現するSiC−JBSについて説明する。
<B.実施の形態1>
<B−1.構成>
図2は、実施の形態1のSiC−JBS101の断面図である。SiC−JBS101は、SiCエピタキシャル層2の上面における結晶欠陥密度が、p型領域3の上面における結晶欠陥密度と比べて小さいという点で、前提技術のSiC−JBS100と異なる。これがSiC−JBS101の1つ目の特徴である。なお、図2では表面電極5の図示を省略している。前提技術で説明したように、本実施の形態1のSiC−JBS101においても、n型領域(SiCエピタキシャル層2)がn型エピタキシャル層であって、p型領域3がp型エピタキシャル層である。
前提技術の問題点として上記したスポット破壊は、SiC基板1またはエピタキシャル層の内部からエピタキシャル成長方向へ伝搬してエピタキシャル層の上面に表れた結晶欠陥7が、ショットキー接合にあることが発生条件となる。SiC−JBS101では、SiCエピタキシャル層2の上面における結晶欠陥密度を小さくすることにより、リーク電流の低減、それによる歩留り向上、テスト時のスポット破壊の発生率の低減、それによる生産性の向上を実現する。
なお、SiC−JBS101では、p型領域3の上面における結晶欠陥密度がSiCエピタキシャル層2の上面における結晶欠陥密度より大きい。しかし、電圧印加時にショットキー接合部に比べてpn接合部はリーク電流が小さいため、p型領域3の結晶欠陥はリーク電流増加の原因となりにくい。また、p型領域3ではリーク電流が小さいため、スポット破壊は発生しにくい。
また、図2に示すように、SiC−JBS101においてp型領域3の側面3Sは、p型領域3の上面およびSiCエピタキシャル層2の上面に対して略垂直である。ここで、略垂直とは、p型領域3の側面3Sのp型領域3の上面およびSiCエピタキシャル層2の上面に対してなす角度が、90度±5度の範囲にあることをいう。これがSiC−JBS101の2つ目の特徴であり、これにより、p型領域3に挟まれたSiCエピタキシャル層2の幅を確保することができる。
図3は、p型領域3の側面3Sがp型領域3の上面およびSiCエピタキシャル層2の上面に対して垂直ではないSiC−JBS101Cの断面図を比較例として示す。SiCエピタキシャル層2の上面からのイオン注入によりp型領域3が形成される場合、図3に示すように、注入されたイオンが横方向、すなわちエピタキシャル層の上面方向に拡散し、複数のp型領域3に挟まれたSiCエピタキシャル層2の領域の幅が狭くなる。すなわち、p型領域3に挟まれたSiCエピタキシャル層2の領域の幅は、SiCエピタキシャル層2の上面においてW1、最も狭い部分においてW2(<W1)となる。
SiC−JBS101Cの順方向動作時に、電流はn型領域であるSiCエピタキシャル層2を通るので、p型領域3に挟まれたSiCエピタキシャル層2の幅が狭くなると、オン抵抗が増加する。しかし、SiC−JBS101ではp型領域3の側面をp型領域3の上面およびSiCエピタキシャル層2の上面に対して略垂直にすることで、p型領域3に挟まれたSiCエピタキシャル層2の幅を大きくし、オン抵抗を低減することが可能となる。
例えば、p型領域3を形成するためにAlイオンを500keVの注入エネルギーで注入した場合、図4に示すようにAlイオンの注入深さは約0.5μmであり、横方向の拡散距離は約0.2μmである。SiCエピタキシャル層2の上面においてp型領域3に挟まれた領域の幅W1を3.0μmとし、pn接合の拡散電位による空乏層の幅を0.5μmとすると、p型領域3に挟まれたSiCエピタキシャル層2の領域の最も狭い部分の幅W2は1.6μmとなる。
これに対して、p型領域3の側面3Sがエピタキシャル層の上面に略垂直なSiC−JBS101によれば、図5に示すように、p型領域3に挟まれたSiCエピタキシャル層2の領域の幅を2.0μm確保することができる。これにより、オン抵抗におけるエピタキシャル層の抵抗成分が2から3%程度低減される。
<B−2.製造方法>
図6から図10は、SiC−JBS101の製造方法を示す断面図である。以下、図6から図10に沿ってSiC−JBS101の製造方法を説明する。
まず、n+型のSiC基板1の上面上に、n−型のSiCエピタキシャル層12をエピタキシャル成長させる。そして、SiCエピタキシャル層12の上面上にp型のSiCエピタキシャル層13をエピタキシャル成長させる。こうして、図6の構成を得る。このとき、SiC基板1またはSiCエピタキシャル層12の内部からSiCエピタキシャル層13の上面にかけて結晶欠陥7が伝搬している。
次に、SiCエピタキシャル層13の上面からSiCエピタキシャル層13を貫通する複数のトレンチ14を形成し、図7の構成を得る。トレンチ14の下面はSiCエピタキシャル層12の上面である。複数のトレンチ14により分離されたSiCエピタキシャル層13がp型領域3となる。
次に、図8に示すように複数のトレンチ14の内部にn型のSiCエピタキシャル層を埋め込む。このとき、エピタキシャル成長条件は、トレンチ14の側面すなわちp型領域3の側面からの成長速度が、トレンチ14の下面すなわちSiCエピタキシャル層12の上面からの成長速度よりも速いものとする。このエピタキシャル成長条件は、以下の方法により実現できる。一つ目は、トレンチ14の側面と下面に用いる結晶面を選択することである。例えば、トレンチ14の下面が(0001)面である場合、トレンチ14の側面には(0001)面に垂直で性質が異なる面、例えば(112−0)面または(11−00)面等を選択することができる。2つ目は、SiC表面に対する成長ガスの供給角度を調整することにより、トレンチ14の底面と側面に対するガス供給量に差を付けることである。3つ目は、ガス供給量を、トレンチ14の側面の成長速度が速くなる値に調整することである。こうして、トレンチ14にn型のSiCエピタキシャル層15が埋め込まれた図9の構成を得る。ここで、SiCエピタキシャル層12とSiCエピタキシャル層15が図2のSiCエピタキシャル層2に相当する。
次に、SiCエピタキシャル層15の上面およびp型領域3の上面にショットキー電極4を形成し、SiC基板1の下面にオーミック電極6を形成する。こうして、図10に示すSiC−JBS101を得る。
図8に示したように、トレンチ14の内部にn型のSiCエピタキシャル層を埋め込む際、トレンチ14の側面すなわちp型領域3の側面からの成長速度は、トレンチ14の下面すなわちSiCエピタキシャル層12の上面からの成長速度よりも速い。これにより、トレンチ14の内部には主にトレンチ14の側面から成長したエピタキシャル層が埋め込まれる。具体的には、トレンチ14の側面からの成長速度が下面からの成長速度の2から3倍ほどであることが望ましい。例えば、p型領域3およびトレンチ14の深さが1μm、隣り合うp型領域3間の距離であるトレンチ14の幅が3μmである場合、トレンチ14の側面からの成長速度が下面からの成長速度の3倍以上であれば、SiCエピタキシャル層15の少なくとも上面はトレンチ14の側面から成長したエピタキシャル層で形成される。従って、トレンチ14の下面、すなわちSiCエピタキシャル層12からの結晶欠陥の伝搬をトレンチ14の内部で途絶えさせ、SiCエピタキシャル層15の上面にまで伝搬しないようにすることができる。これにより、SiCエピタキシャル層15の上面における結晶欠陥密度はp型領域3の上面における結晶欠陥密度よりも小さくなる。その結果、リーク電流の低下とそれによる歩留りの低下、さらにスポット破壊の低減とそれによる生産性の向上が図られる。
また、図6から図10に示したSiC−JBS101の製造方法によれば、SiCエピタキシャル層13をエッチングすることによりp型領域3を形成しているため、イオン注入とは異なりp型領域3の側面3Sをエピタキシャル層の上面に対して略垂直にすることができる。これにより、p型領域3に挟まれるSiCエピタキシャル層2の幅を広くし、オン抵抗を低減することができる。
<B−3.変形例>
上記では、トレンチ14内にSiCエピタキシャル層15を形成した後、SiCエピタキシャル層15およびp型領域3の上面にショットキー電極4を形成することについて説明した。しかし、トレンチ14内にSiCエピタキシャル層15を形成する際、図11に示すようにp型領域3の上面にもSiCエピタキシャル層15が形成される場合がある。このように、SiCエピタキシャル層15の上面に凹凸が生じると、リーク電流が増加する。よって、p型領域3の上面のSiCエピタキシャル層15を除去することによって、ショットキー電極4との接触面を平坦化し、リーク電流の低減を図る。但し、p型領域3の上面のSiCエピタキシャル層15の除去を機械的な研磨で行うと、研磨面の微細な傷がリーク電流の増加要因となるため、研磨面の微細な傷が少ない化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)によりp型領域3の上面のSiCエピタキシャル層15を除去する。こうして、図12に示すようにショットキー電極4との接触面を平坦化した上で、図13に示すようにショットキー電極4とオーミック電極6を形成し、SiC−JBS101が完成する。
このように、p型領域3の上面のSiCエピタキシャル層15を除去することによって、ショットキー電極4とp型領域3とのコンタクト抵抗を小さくすることができる。サージ電流発生時、p型領域3とSiCエピタキシャル層2のpnダイオードが動作するが、上記のコンタクト抵抗が小さくなることにより、pnダイオードのオン抵抗が低減してサージ電流耐量が向上する。
あるいは、p型領域3の上面のSiCエピタキシャル層15を除去せず、図14に示すように、イオン注入により、p型領域3の上面のSiCエピタキシャル層15の上面から少なくともp型領域3の上面にかけて、p型領域3よりもp型不純物濃度の高いp型領域16を形成しても良い。p型領域16を形成する場合、マスク形成、イオン注入、マスク除去等の工程が追加される。p型領域16を形成した後、図15に示すようにSiCエピタキシャル層15の上面およびp型領域16の上面にショットキー電極4を形成し、SiC基板1の下面にオーミック電極6を形成し、実施の形態1の変形例のSiC−JBS101Aを得る。SiC−JBS101Aの構成によれば、p型領域16によりショットキー電極4とp型領域3とのコンタクト抵抗が小さくなるため、pnダイオードのオン抵抗が低減してサージ電流耐量が向上する。上記のコンタクト抵抗を小さくする観点から、p型領域16のp型不純物濃度はp型領域3のp型不純物濃度よりも高いことが望ましい。
<B−4.効果>
実施の形態1のSiC半導体装置であるSiC−JBS101は、SiC基板1と、SiC基板1の上面に形成されたエピタキシャル層と、エピタキシャル層の上面に形成されたショットキー電極4と、SiC基板1の下面に形成されたオーミック電極6と、を備える。エピタキシャル層は、上面がショットキー電極と接触するn型エピタキシャル層であるSiCエピタキシャル層2と、SiCエピタキシャル層2の上面からSiCエピタキシャル層2の一部の深さに亘り選択的に形成され、それらの上面がショットキー電極4と接触する複数のp型エピタキシャル層であるp型領域3と、を備える。SiCエピタキシャル層2の上面における結晶欠陥密度は、p型領域3の上面における結晶欠陥密度よりも小さいため、リーク電流の低下とそれによる歩留りの低下、さらにスポット破壊の低減とそれによる生産性の向上が図られる。
また、SiC−JBS101において、p型領域3の側面3Sはp型領域3の上面に略垂直であるため、p型領域3に挟まれるSiCエピタキシャル層2の幅を広くし、オン抵抗を低減することができる。
実施の形態1のSiC−JBS101の製造方法によれば、(a)SiC基板1の上面に第1のn型エピタキシャル層であるSiCエピタキシャル層12とp型エピタキシャル層であるSiCエピタキシャル層13をこの順に積層し、(b)SiCエピタキシャル層13の上面から少なくともSiCエピタキシャル層13を貫通する複数のトレンチ14を形成し、(c)トレンチ14の下面より側面からの成長速度が速い成長条件でトレンチ14内に第2のn型エピタキシャル層であるSiCエピタキシャル層15を形成し、(d)SiCエピタキシャル層15およびSiCエピタキシャル層13の上面にショットキー電極4を形成し、(e)SiC基板の下面にオーミック電極6を形成する。工程(c)におけるSiCエピタキシャル層15の形成において、トレンチ14の下面より側面からの成長速度を速くすることにより、SiCエピタキシャル層12からの結晶欠陥の伝搬をトレンチ14の内部で途絶えさせ、SiCエピタキシャル層15の上面にまで伝搬しないようにすることができる。これにより、SiCエピタキシャル層15の上面における結晶欠陥密度はp型領域3の上面における結晶欠陥密度よりも小さくなる。その結果、リーク電流の低下とそれによる歩留りの低下、さらにスポット破壊の低減とそれによる生産性の向上が図られる。また、トレンチ14の側面がp型領域3の側面3Sとなるため、トレンチ14をSiCエピタキシャル層13の上面に対して略垂直に形成することにより、p型領域3の側面3SをSiCエピタキシャル層13の上面に対して略垂直にすることができる。これにより、p型領域3に挟まれるSiCエピタキシャル層2、すなわちSiCエピタキシャル層15の幅を広くし、オン抵抗を低減することができる。
実施の形態1の変形例に係るSiC−JBS101の製造方法において、工程(c)はトレンチ14内およびp型領域3の上面にSiCエピタキシャル層15を形成する工程であり、この工程とショットキー電極4の形成工程との間に、p型領域3の上面に形成されたSiCエピタキシャル層15をCMPにより除去する工程を備える。CMPを用いることにより、機械的な研磨に比べて研磨面の微細な傷を少なくすることができるため、リーク電流を低減することができる。また、p型領域3の上面のSiCエピタキシャル層15を除去することによって、ショットキー電極4とp型領域3とのコンタクト抵抗を小さくすることができる。サージ電流発生時、p型領域3とSiCエピタキシャル層2のpnダイオードが動作するが、上記のコンタクト抵抗が小さくなることにより、pnダイオードのオン抵抗が低減してサージ電流耐量が向上する。
実施の形態1の変形例に係るSiC−JBS101Aの製造方法において、工程(c)はトレンチ14内およびp型領域3の上面にSiCエピタキシャル層15を形成する工程であり、(g)この工程とショットキー電極4の形成工程との間に、p型領域3の上面に形成されたSiCエピタキシャル層15の上面からp型領域3の上面にかけてイオン注入によりp型領域16を形成する工程を備える。p型領域16によりショットキー電極4とp型領域3とのコンタクト抵抗が小さくなるため、pnダイオードのオン抵抗が低減してサージ電流耐量が向上する。
<C.実施の形態2>
<C−1.構成>
図16は、実施の形態2のSiC−JBS102の断面図である。SiC−JBS102は、SiCエピタキシャル層2がp型領域3よりも深い第1領域2Aと、p型領域3に挟まれショットキー電極4と接触する第2領域2Bとに区分され、第2領域2Bのn型不純物濃度が第1領域2Aのn型不純物濃度よりも高いという点で、実施の形態1のSiC−JBS101と異なる。それ以外のSiC−JBS102の構成はSiC−JBS101と同様である。
SiC−JBS102の順方向動作時に、電流はn型領域を通るので、n型領域である第2領域2Bの不純物濃度を高くすることによってオン抵抗を低減することができる。
あるいは、従来の構造と同じオン抵抗であれば第2領域2Bの幅を狭くして、第2領域2Bとショットキー電極4とのショットキー接合部の面積を小さくすることができる。これにより、リーク電流の低下とそれによる歩留りの低下、さらにスポット破壊の低減とそれによる生産性の向上が図られる。
図17は、p型領域3の幅を3.0μm、p型領域3に挟まれた第2領域2Bの幅を3.0μm、pn接合の拡散電位による空乏層の幅を0.5μm、SiCエピタキシャル層2の不純物濃度を5.0×1015cm−3とした実施の形態1のSiC−JBS101の断面図を示している。SiC−JBS102によれば、図18に示すように、第2領域2Bのn型不純物濃度を第2領域2Bのn型不純物濃度5.0×1015cm−3の2倍の1.0×1016cm−3とすることにより、第2領域2Bの幅を2.0μmとしても、図17のSiC−JBS101と同じオン抵抗を得ることができる。その結果、ショットキー接合部の面積は20%低減する。
<C−2.製造方法>
SiC−JBS102の製造方法は図6から図10で説明した実施の形態1のSiC−JBS101の製造方法と概ね同様である。但し、図8に示す複数のトレンチ14の内部にn型のSiCエピタキシャル層を埋め込む際、そのn型不純物濃度をSiCエピタキシャル層12のn型不純物濃度よりも高くする。
<C−3.効果>
実施の形態2のSiC−JBS102において、SiCエピタキシャル層2は、複数のp型領域3よりも深い第1領域2Aと、複数のp型領域3に挟まれショットキー電極4と接触する第2領域2Bとを備える。そして、第2領域2Bは第1領域2Aよりもn型不純物濃度が高いため、オン抵抗を低減することができる。あるいは、オン抵抗をそのままに第2領域2Bの幅を狭くして、第2領域2Bとショットキー電極4とのショットキー接合部の面積を小さくすることができるため、リーク電流の低下とそれによる歩留りの低下、さらにスポット破壊の低減とそれによる生産性の向上が図られる。
実施の形態2のSiC−JBS102の製造方法では、第1のn型エピタキシャル層であるSiCエピタキシャル層12より不純物濃度の高い第2のn型エピタキシャル層であるSiCエピタキシャル層15をトレンチ14内に形成する。従って、オン抵抗を低減することができる。あるいは、オン抵抗をそのままにSiCエピタキシャル層15すなわち第2領域2Bの幅を狭くして、第2領域2Bとショットキー電極4とのショットキー接合部の面積を小さくすることができるため、リーク電流の低下とそれによる歩留りの低下、さらにスポット破壊の低減とそれによる生産性の向上が図られる。
<D.実施の形態3>
<D−1.構成>
図19は、実施の形態3のSiC−JBS103の断面図である。SiC−JBS103は、SiCエピタキシャル層2の第2領域2Bの下面がp型領域3の下面よりも深いという点で、実施の形態2のSiC−JBS102と異なる。それ以外のSiC−JBS103の構成はSiC−JBS102と同様である。
<D−2.製造方法>
図20から図24は、SiC−JBS103の製造方法を示す断面図である。以下、図20から図24に沿ってSiC−JBS103の製造方法を説明する。
まず、n+型のSiC基板1の上面上に、n−型のSiCエピタキシャル層12をエピタキシャル成長させる。そして、SiCエピタキシャル層12の上面上にp型のSiCエピタキシャル層13をエピタキシャル成長させる。こうして、図20の構成を得る。図20は図6の再掲であり、ここまでの工程はSiC−JBS101の製造方法と同様である。
次に、SiCエピタキシャル層13の上面からSiCエピタキシャル層13を貫通しSiCエピタキシャル層12の一部に達する複数のトレンチ14を形成し、図21の構成を得る。複数のトレンチ14により分離されたSiCエピタキシャル層13がp型領域3となる。ここで、トレンチ14の下面はp型領域3の下面よりも深い位置にある。
次に、図22に示すように複数のトレンチ14の内部にn型のSiCエピタキシャル層を埋め込む。このときのエピタキシャル成長の速度とn型不純物濃度に関する条件は、実施の形態2と同様である。こうして、トレンチ14にn型のSiCエピタキシャル層15が埋め込まれた図23の構成を得る。ここで、SiCエピタキシャル層12が第1領域2A、SiCエピタキシャル層15が第2領域2Bに相当する。
次に、SiCエピタキシャル層15の上面およびp型領域3の上面にショットキー電極4を形成し、SiC基板1の下面にオーミック電極6を形成する。こうして、図24に示すSiC−JBS103を得る。
SiC−JBS103では、トレンチ14を実施の形態2に比べて深くすることにより、トレンチ14のアスペクト比、すなわち(トレンチ14の幅/トレンチ14の深さ)を大きくすることができる。これにより、トレンチ14の側面からエピタキシャル成長して埋め込まれるSiCエピタキシャル層15の領域が増えるため、トレンチ14の下面のSiCエピタキシャル層12から伝搬する結晶欠陥が低減される。その結果、リーク電流の低下とそれによる歩留りの低下、さらにスポット破壊の低減とそれによる生産性の向上が図られる。また、SiC−JBS103は、トレンチ14形成時のエッチング時間を調整することによって、実施の形態2のSiC−JBS102の製造工程に新たな工程を追加することなく製造することが可能である。
<D−3.効果>
実施の形態3のSiC−JBS103では、第2領域2Bの下面が複数のp型領域3の下面よりも深いため、図19の矢印Bで示すように、第2領域2Bからp型領域3の下面より下方の第1領域2Aに向けて電流が広がって流れやすくなる。そのため、オン抵抗が低減する。
実施の形態3のSiC−JBS103の製造方法では、p型エピタキシャル層であるSiCエピタキシャル層13の上面から第1のn型エピタキシャル層であるSiCエピタキシャル層12の一部にかけて複数のトレンチ14を形成する。従って、トレンチ14内に第2のn型エピタキシャル層であるSiCエピタキシャル層15を埋め込むことにより、SiCエピタキシャル層15の下面をp型領域3の下面よりも深く形成することができる。従って、オン抵抗が低減する。
<E.実施の形態4>
本実施の形態は、上述した実施の形態1−3にかかる半導体装置を電力変換装置に適用したものである。本発明は特定の電力変換装置に限定されるものではないが、以下、実施の形態4として、三相のインバータに本発明を適用した場合について説明する。
図25は、本実施の形態にかかる電力変換装置を適用した電力変換システムの構成を示すブロック図である。
図25に示す電力変換システムは、電源150、電力変換装置200、負荷300から構成される。電源150は、直流電源であり、電力変換装置200に直流電力を供給する。電源150は種々のもので構成することが可能であり、例えば、直流系統、太陽電池、蓄電池で構成することができるし、交流系統に接続された整流回路やAC/DCコンバータで構成することとしてもよい。また、電源150を、直流系統から出力される直流電力を所定の電力に変換するDC/DCコンバータによって構成することとしてもよい。
電力変換装置200は、電源150と負荷300の間に接続された三相のインバータであり、電源150から供給された直流電力を交流電力に変換し、負荷300に交流電力を供給する。電力変換装置200は、図25に示すように、直流電力を交流電力に変換して出力する主変換回路201と、主変換回路201を制御する制御信号を主変換回路201に出力する制御回路203とを備えている。
負荷300は、電力変換装置200から供給された交流電力によって駆動される三相の電動機である。なお、負荷300は特定の用途に限られるものではなく、各種電気機器に搭載された電動機であり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、鉄道車両、エレベーター、もしくは、空調機器向けの電動機として用いられる。
以下、電力変換装置200の詳細を説明する。主変換回路201は、スイッチング素子と還流ダイオードを備えており(図示せず)、スイッチング素子がスイッチングすることによって、電源150から供給される直流電力を交流電力に変換し、負荷300に供給する。主変換回路201の具体的な回路構成は種々のものがあるが、本実施の形態にかかる主変換回路201は2レベルの三相フルブリッジ回路であり、6つのスイッチング素子とそれぞれのスイッチング素子に逆並列された6つの還流ダイオードから構成することができる。主変換回路201の各還流ダイオードには、上述した実施の形態1−3のいずれかにかかるSiC−JBSを適用する。6つのスイッチング素子は2つのスイッチング素子ごとに直列接続され上下アームを構成し、各上下アームはフルブリッジ回路の各相(U相、V相、W相)を構成する。そして、各上下アームの出力端子、すなわち主変換回路201の3つの出力端子は、負荷300に接続される。
また、主変換回路201は、各スイッチング素子を駆動する駆動回路(図示なし)を備えているが、駆動回路は半導体モジュール202に内蔵されていてもよいし、半導体モジュール202とは別に駆動回路を備える構成であってもよい。駆動回路は、主変換回路201のスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、主変換回路201のスイッチング素子の制御電極に供給する。具体的には、後述する制御回路203からの制御信号に従い、スイッチング素子をオン状態にする駆動信号とスイッチング素子をオフ状態にする駆動信号とを各スイッチング素子の制御電極に出力する。スイッチング素子をオン状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以上の電圧信号(オン信号)であり、スイッチング素子をオフ状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以下の電圧信号(オフ信号)となる。
制御回路203は、負荷300に所望の電力が供給されるよう主変換回路201のスイッチング素子を制御する。具体的には、負荷300に供給すべき電力に基づいて主変換回路201の各スイッチング素子がオン状態となるべき時間(オン時間)を算出する。例えば、出力すべき電圧に応じてスイッチング素子のオン時間を変調するPWM制御によって主変換回路201を制御することができる。そして、各時点においてオン状態となるべきスイッチング素子にはオン信号を、オフ状態となるべきスイッチング素子にはオフ信号が出力されるよう、主変換回路201が備える駆動回路に制御指令(制御信号)を出力する。駆動回路は、この制御信号に従い、各スイッチング素子の制御電極にオン信号又はオフ信号を駆動信号として出力する。
本実施の形態に係る電力変換装置では、主変換回路201の還流ダイオードとして実施の形態1−3にかかるSiC−JBSを適用するため、リーク電流の低下とそれによる歩留りの低下、さらにスポット破壊の低減とそれによる生産性の向上が図られる。
本実施の形態では、2レベルの三相インバータに本発明を適用する例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、種々の電力変換装置に適用することができる。本実施の形態では、2レベルの電力変換装置としたが3レベルやマルチレベルの電力変換装置であっても構わないし、単相負荷に電力を供給する場合には単相のインバータに本発明を適用しても構わない。また、直流負荷等に電力を供給する場合にはDC/DCコンバータやAC/DCコンバータに本発明を適用することも可能である。
また、本発明を適用した電力変換装置は、上述した負荷が電動機の場合に限定されるものではなく、例えば、放電加工機やレーザー加工機、又は誘導加熱調理器や非接触器給電システムの電源装置として用いることもでき、さらには太陽光発電システムや蓄電システム等のパワーコンディショナーとして用いることも可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 SiC基板、2 SiCエピタキシャル層、2A 第1領域、2B 第2領域、3,16 p型領域、3S 側面、4 ショットキー電極、5 表面電極、6 オーミック電極、7 結晶欠陥、8 プローブ針、12,13,15 SiCエピタキシャル層、14 トレンチ、100,101,101A,101C,102,103 SiC−JBS、150 電源、200 電力変換装置、201 主変換回路、202 半導体モジュール、203 制御回路、300 負荷。

Claims (10)

  1. SiC基板と、
    前記SiC基板の上面に形成されたエピタキシャル層と、
    前記エピタキシャル層の上面に形成されたショットキー電極と、
    前記SiC基板の下面に形成されたオーミック電極と、を備え、
    前記エピタキシャル層は、
    上面が前記ショットキー電極と接触するn型エピタキシャル層と、
    前記n型エピタキシャル層の上面から前記n型エピタキシャル層の一部の深さに亘り選択的に形成され、それらの上面が前記ショットキー電極と接触する複数のp型エピタキシャル層と、を備え、
    前記n型エピタキシャル層の上面における結晶欠陥密度は、前記p型エピタキシャル層の上面における結晶欠陥密度よりも小さい、
    SiC半導体装置。
  2. 前記p型エピタキシャル層の側面は前記p型エピタキシャル層の上面に略垂直である、
    請求項1に記載のSiC半導体装置。
  3. 前記n型エピタキシャル層は、
    複数の前記p型エピタキシャル層よりも深い第1領域と、
    複数の前記p型エピタキシャル層に挟まれ前記ショットキー電極と接触する第2領域とを備え、
    前記第2領域は前記第1領域よりもn型不純物濃度が高い、
    請求項1又は2に記載のSiC半導体装置。
  4. 前記第2領域の下面は複数の前記p型エピタキシャル層の下面よりも深い、
    請求項3に記載のSiC半導体装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のSiC半導体装置を有し、入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
    前記主変換回路を制御する制御信号を前記主変換回路に出力する制御回路とを備える、
    電力変換装置。
  6. (a)SiC基板の上面に第1のn型エピタキシャル層とp型エピタキシャル層をこの順に積層し、
    (b)前記p型エピタキシャル層の上面から少なくとも前記p型エピタキシャル層を貫通する複数のトレンチを形成し、
    (c)前記トレンチの下面より側面からの成長速度が速い成長条件で前記トレンチ内に第2のn型エピタキシャル層を形成し、
    (d)前記第2のn型エピタキシャル層および前記p型エピタキシャル層の上面にショットキー電極を形成し、
    (e)前記SiC基板の下面にオーミック電極を形成する、
    SiC半導体装置の製造方法。
  7. 前記工程(c)は、前記第1のn型エピタキシャル層より不純物濃度の高い前記第2のn型エピタキシャル層を形成する工程である、
    請求項6に記載のSiC半導体装置の製造方法。
  8. 前記工程(b)は、前記p型エピタキシャル層の上面から前記第1のn型エピタキシャル層の一部にかけて複数の前記トレンチを形成する工程である、
    請求項6または7に記載のSiC半導体装置の製造方法。
  9. 前記工程(c)は前記トレンチ内および前記p型エピタキシャル層の上面に前記第2のn型エピタキシャル層を形成する工程であり、
    (f)前記工程(c)と前記工程(d)の間に、前記p型エピタキシャル層の上面に形成された前記第2のn型エピタキシャル層を化学機械研磨により除去する工程をさらに備える、
    請求項6から8のいずれか1項に記載のSiC半導体装置の製造方法。
  10. 前記工程(c)は前記トレンチ内および前記p型エピタキシャル層の上面に前記第2のn型エピタキシャル層を形成する工程であり、
    (g)前記工程(c)と前記工程(d)の間に、前記p型エピタキシャル層の上面に形成された前記第2のn型エピタキシャル層の上面から前記p型エピタキシャル層の上面にかけてイオン注入によりp型領域を形成する工程をさらに備える、
    請求項6から8のいずれか1項に記載のSiC半導体装置の製造方法。
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