JP2019103195A - ブラシレスモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数系統の巻線に対する給電制御の簡素化が図れるブラシレスモータを提供する。【解決手段】モータのステータ13は、独立して動作可能な複数系統の巻線U1,…,W4を備え、ステータ13(ステータコア21)の同一のスロットSに異系統且つ同一相の巻線U1,…,W4を混在させて配置する。そして、同一のスロットSに配置される異系統且つ同一相の巻線U1,…,W4に対し、同一相の駆動電流の供給を行う。【選択図】図7

Description

本発明は、ブラシレスモータに関する。
自動車の電動パワーステアリング装置(EPS)やステアバイワイヤ装置(SBW)等、高い安全性が求められる装置においては、駆動源として用いるモータに対して冗長性のある構成が求められる。
例えば特許文献1や特許文献2に開示のモータは、2組以上の3相巻線を用い、各組毎に別々の制御装置から給電が行われる構成として多重化を図り、冗長性を持たせている。因みに、特許文献1のモータは、2組以上の3相巻線が組毎にステータの1スロットずつずらして配置されている。特許文献2のモータは、2組以上の3相巻線が組毎にステータの周方向範囲をずらして配置されている。
特開2009−268233号公報 特開2008−022667号公報
ところで、3相巻線の組数(系統数)が増えると、給電制御が複雑となることが懸念事項としてある。
本発明の目的は、複数系統の巻線に対する給電制御の簡素化が図れるブラシレスモータを提供することにある。
上記課題を解決するブラシレスモータは、ステータコアの周方向に複数並設されるティース間のスロットに巻線が挿入配置されて全体として3相巻線として巻回されてなるステータを備え、制御装置にて生成した3相駆動電流の前記3相巻線への供給に基づきロータの回転駆動が行われるブラシレスモータであって、前記巻線は、独立して動作可能な複数系統の巻線として構成され、同一の前記スロットに異系統且つ同一相の前記巻線が混在して配置され、前記同一のスロットに配置される前記異系統且つ同一相の巻線には、同一相の前記駆動電流が供給されるように構成されている。
上記態様によれば、モータのステータには、独立して動作可能な複数系統の巻線が備えられ、ステータ(ステータコア)の同一のスロットに異系統且つ同一相の巻線が混在して配置される。そして、同一のスロットに配置される異系統且つ同一相の巻線には、同一相の駆動電流が供給される。つまり、同一のスロット内において、構造上は独立した異系統の巻線として冗長性を持たせながら、見かけ上は同一系統の巻線のように動作させるべく駆動電流の共通化が図られる。このように巻線を複数系統としながらも、簡素な給電制御として実現することが可能である。
また、上記ブラシレスモータにおいて、前記巻線は、4系統以上の複数系統の巻線にて構成され、全ての前記スロットには、前記異系統且つ同一相の巻線が混在して配置されている。
上記態様によれば、4系統以上の複数系統の巻線を用い、全てのスロットに対して異系統且つ同一相の巻線を混在させて配置する構成のモータとして提供することが可能である。
また、上記ブラシレスモータにおいて、前記同一のスロットに配置される前記異系統且つ同一相の巻線の引出線は、互いに前記ロータの回転軸を挟んだ180度対向位置に配置されている。
上記態様によれば、同一のスロット内に配置の異系統且つ同一相の巻線の引出線は、互いにロータの回転軸を挟んだ180度対向位置に配置されるため、通電時に引出線周りに発生する磁界を回転軸付近において相殺させることが可能となる。そのため、回転軸上にセンサ用磁石を配置するようなモータの仕様であっても、センサ用磁石の磁界への影響が小さく抑えられる。
また、上記ブラシレスモータにおいて、前記同一のスロットに配置される前記異系統且つ同一相の巻線は、所定間隔の前記スロットを辿って配置されるものであり、径方向位置を交互に入れ替えて配置されている。
上記態様によれば、同一のスロットに配置される異系統且つ同一相の巻線は、所定間隔を有するスロットを辿る際、径方向位置が交互に入れ替えられて配置される。つまり、巻線の巻回態様は異系統で対称的となるため、例えば所定長さのセグメント導体を繋げて巻線を構成するモータの仕様の場合、セグメント導体の部品共通化が期待できる。
また、上記ブラシレスモータにおいて、前記制御装置は、前記複数系統の巻線毎に独立して前記駆動電流を生成して供給する複数系統の駆動部を割り当てている。
上記態様によれば、制御装置は、複数系統の巻線毎に独立した駆動部が割り当てられる構成のため、巻線のみならず駆動部についても冗長性を持たせることが可能である。
また、上記ブラシレスモータにおいて、前記制御装置は、前記複数系統の駆動部に対して独立して制御を行う複数系統の制御部を割り当てている。
上記態様によれば、制御装置は、複数系統の駆動部それぞれに制御部が割り当てられる構成のため、巻線や駆動部のみならず制御部についても冗長性を持たせることが可能である。
また、上記ブラシレスモータにおいて、前記制御装置は、前記同一のスロットに配置される前記異系統の巻線に前記駆動電流を生成して供給する共通の駆動部を割り当てている。
上記態様によれば、制御装置は、同一のスロットに配置される異系統の巻線に共通の駆動部が割り当てられる構成のため、巻線に冗長性を持たせつつ、駆動部やこれを制御する制御部の共通化が図れる。
本発明のブラシレスモータによれば、複数系統の巻線に対する給電制御の簡素化を図ることができる。
一実施形態におけるモータの軸方向断面図(図2のA−A線断面図)。 同形態におけるモータのリヤ側から見た平面図。 同形態におけるステータの平面図。 同形態におけるステータコアの分解斜視図。 同形態におけるステータの部分拡大図。 同形態における電機子巻線(セグメント導体)の斜視図。 同形態における巻線の巻回態様を説明するためのステータの展開図。 同形態における巻線の巻回態様を説明するためのステータ一部の展開図。 同形態におけるモータの給電態様を説明するための電気ブロック図。
以下、ブラシレスモータの一実施形態を説明する。
図1及び図2に示す本実施形態のモータ(ブラシレスモータ)10は、リヤフレーム11とフロントフレーム12によってモータ10の軸方向に挟持された環状のステータ13の内側に、回転軸14を備えるロータ15が配置されて構成されている。尚、モータ10の軸方向出力側(後述するジョイント53側)を保持するフレームをフロントフレーム12とし、軸方向反出力側を保持するフレームをリヤフレーム11としており、図2はモータ10をリヤフレーム11側から見た平面図である。各フレーム11,12は、互いに離間しないようにステータ13の外周側の位置で一対のスルーボルト16にて締結固定されている。また、リヤフレーム11及びフロントフレーム12は、非磁性体であるアルミニウムにて構成されている。
[ステータ]
図1及び図3に示すように、ステータ13は、各フレーム11,12に挟持された円環状のステータコア21と、そのステータコア21に装着された電機子巻線22とを備える。
ステータコア21は、その外周を構成する円筒部23と、その円筒部23から径方向内側に延出された複数(本実施形態では60個)のティース24と、円筒部23の外周面から径方向外側に突出するコア外周突出部26とが形成されている。
コア外周突出部26は、円筒部23の周方向等間隔(90度間隔)に4つ形成されている。また、コア外周突出部26は、円筒部23の軸方向一端から他端に亘って軸方向に沿って形成されている。コア外周突出部26の外側端面の周方向中央には、円弧状に窪む係合溝26aが軸方向に沿って形成されている。
各コア外周突出部26のうち180度対向位置にある2つは、一対のスルーボルト16による固定(係合)に用いられる。即ち、そのコア外周突出部26に形成された係合溝26aにはスルーボルト16が嵌り込んでおり、係合溝26aはスルーボルト16に対して周方向に係合している。この係合によって、ステータコア21の周方向のずれが抑止されるようになっている。
図5に示すように、各ティース24には、径方向内側に向かうにつれて周方向幅が狭くなるテーパ状をなす径方向延出部24aが形成され、その各径方向延出部24aの先端部(径方向内側端部)には、該径方向延出部24aよりも周方向幅が広い幅広部24bが形成されている。径方向延出部24aの周方向両端面は、軸方向に対して平行な平面状をなすとともに、周方向に隣り合う周方向端面同士が平行をなしている。
各ティース24の間の空間は、電機子巻線22を構成するセグメント導体25(図6参照)を収容する部位であるスロットSとして構成される。つまり、スロットSは、ティース24の周方向側面とティース24間における円筒部23の内周面とから構成されている。本実施形態では、ティース24は、周方向に隣り合う径方向延出部24aの周方向端面同士が平行となるように形成されるため、各スロットSが軸方向視で略矩形状をなすように構成されている。また、各スロットSは、ステータコア21を軸方向に沿って貫通するとともに、径方向内側に開口する形状をなしている。尚、ステータコア21に形成されたスロットSの個数は、ティース24と同数(本実施形態では60個)である。
[ステータコア]
上記のような形状を有するステータコア21は、複数の磁性鋼板を積層して一体化することによって成形されている。
詳述すると、図4に示すように、ステータコア21は、磁性鋼板をプレス加工により打ち抜いて形成した複数枚のコアシート30を軸方向に積層してかしめて一体化することにより形成されたメインコア部31と、メインコア部31の軸方向両端部にそれぞれ固定された補助コア部40とから構成されている。補助コア部40は、同形状のものがメインコア部31の軸方向両側に1枚ずつ設けられている。
メインコア部31の各コアシート30は同一形状をなし、板面が軸方向と直交するように配置されている。この各コアシート30は、円環状をなす円環部32と、その円環部32から径方向内側に延びる複数のティース構成部33と、円環部32から径方向外側に突出する複数の突出部34とを有している。また、各コアシート30は、ティース構成部33及び突出部34が軸方向に沿って重なるように積層されている。
図3〜図5に示すように、補助コア部40は、磁性鋼板をプレス加工により成形されるものであり、メインコア部31の軸方向両端のコアシート30に積層された板状の積層部41を有している。積層部41は、メインコア部31のコアシート30に対して平行且つ同軸となるように積層されている。また、補助コア部40は、その板厚がメインコア部31のコアシート30の板厚よりも厚く設定されている。
積層部41には、メインコア部31(コアシート30)の円環部32と軸方向に重なる円環状をなす円環部42と、その円環部42から径方向内側に延びる複数のティース構成部43と、円環部42から径方向外側に突出する複数の突出部45とが形成されている。積層部41の円環部42、ティース構成部43及び突出部45は、軸方向視において、メインコア部31(コアシート30)の円環部32、ティース構成部33及び突出部34とそれぞれ同形状をなしている。そして、補助コア部40は、積層部41の円環部42、ティース構成部43及び突出部45が、メインコア部31(コアシート30)の円環部32、ティース構成部33及び突出部34とそれぞれ軸方向に重なるように設けられている。
そして、メインコア部31(コアシート30)と補助コア部40の各円環部32,42がステータコア21の円筒部23を構成し、各ティース構成部33,43がステータコア21のティース24を構成し、各突出部34,45がコア外周突出部26を構成している。尚、各円環部32,42、各ティース構成部33,43及び各突出部34,45の軸方向視の形状は、前述の円筒部23、ティース24及びコア外周突出部26の形状とそれぞれ同一であるため、詳細な説明を省略する。
補助コア部40のティース構成部43の径方向内側端部(ロータ15側端部)には、軸方向外側(反メインコア部31側)に延出されたロータ対向部44が形成されている。ロータ対向部44は、ティース構成部43の径方向内側端部を軸方向外側に直角に屈曲することで形成されている。これにより、ロータ対向部44は、その板面(内周面)がロータ15と径方向に対向するように構成されている。尚、ロータ対向部44の内周面は、メインコア部31(コアシート30)の内径と同径となるように曲面形成されている。また、ロータ対向部44は、先端側ほど周方向幅が狭くなる台形状をなしている。
図5に示すように、ステータコア21の各スロットS内には、絶縁性の樹脂材料から形成されたシート状の絶縁部材47が装着されている。各絶縁部材47は、スロットSの径方向外側端部で折り返された状態で設けられ、スロットSの内周面に沿うように形成されている。また、各絶縁部材47はスロットSに軸方向に挿入されるものであり、絶縁部材47の軸方向長さは、スロットSの軸方向長さよりも若干長く設定されている。つまり、絶縁部材47の軸方向両端部は、スロットSの軸方向両端部から外部に突出している。
[電機子巻線]
図1、図3及び図5に示すように、上記したステータコア21に装着された電機子巻線22は、図6に示すような複数のセグメント導体25(セグメントコンダクタ)にて構成されている。各セグメント導体25は、所定のもの同士で接続されて、3相(U相、V相、W相)Y結線の電機子巻線22を構成している。
セグメント導体25は、スロットSに軸方向に挿通されるとともに、スロットSからリヤフレーム11側に突出する部位において略U字状に折り返された折返し部27を有している。また、セグメント導体25においてフロントフレーム12側に突出する部位は、周方向に屈曲されて所定のもの同士で溶接等により互いに接合される接合部28である。尚、電機子巻線22は、主に折返し部27を有するU字状のタイプのセグメント導体25からなるが、後述の引出線29を構成するものは、折返し部27を有しない直線状のセグメント導体で構成されている(図1参照)。
セグメント導体25は、同一断面形状(断面矩形状)の線材からなり、スロットS内で径方向に沿って複数(本実施形態では4本)並ぶように配置されている。このセグメント導体25は、スロットS内において絶縁部材47の内側に配置されており、この絶縁部材47によってセグメント導体25とステータコア21(スロットSの内壁面)とが電気的に絶縁されている。
本実施形態の電機子巻線22は、4系統の3相巻線、具体的にはU相、V相、W相の第1系統巻線U1,V1,W1、第2系統巻線U2,V2,W2、第3系統巻線U3,V3,W3、第4系統巻線U4,V4,W4にて構成されている(図9参照、巻線22の巻回態様は後述する)。電機子巻線22は、図2に示すように各系統毎にU相、V相、W相の3本の引出線29を備えている。第1系統巻線U1,V1,W1の引出線は第1系統引出線U1x,V1x,W1x、第2系統巻線U2,V2,W2の引出線は第2系統引出線U2x,V2x,W2x、第3系統巻線U3,V3,W3の引出線は第3系統引出線U3x,V3x,W3x、第4系統巻線U4,V4,W4の引出線は第4系統引出線U4x,V4x,W4xである。各系統各相の引出線29は、セグメント導体25の折返し部27側(リヤフレーム11側)から軸方向に引き出されている(図1参照)。
[電機子巻線の巻回態様]
本実施形態の電機子巻線22の巻回態様について図7を用いて説明する。尚、説明の便宜上、ステータ13(ステータコア21)のスロットSに対し、周方向一方に向けて順にスロット番号を「1」〜「60」まで付すこととする。
図7は、本実施形態のステータ13の展開図である。本実施形態の電機子巻線22は、第1系統巻線U1,V1,W1、第2系統巻線U2,V2,W2、第3系統巻線U3,V3,W3、第4系統巻線U4,V4,W4の4系統3相巻線にて構成されている。尚、同図7において、U相の第1系統巻線U1は「U1c」「U1d」にて、V相の第1系統巻線V1は「V1c」「V1d」にて、W相の第1系統巻線W1は「W1c」「W1d」にてそれぞれ示される。U相の第2系統巻線U2は「U2c」「U2d」にて、V相の第2系統巻線V2は「V2c」「V2d」にて、W相の第2系統巻線W2は「W2c」「W2d」にてそれぞれ示される。U相の第3系統巻線U3は「U3c」「U3d」にて、V相の第3系統巻線V3は「V3c」「V3d」にて、W相の第3系統巻線W3は「W3c」「W3d」にてそれぞれ示される。U相の第4系統巻線U4は「U4c」「U4d」にて、V相の第4系統巻線V4は「V4c」「V4d」にて、W相の第4系統巻線W4は「W4c」「W4d」にてそれぞれ示される。同図7における「U1E」…「W4E」については後述する。
本実施形態では、スロットSの1個分が電気角30度(因みに機械角は6度)、スロットSの12個分が電気角360度(機械角は72度)に設定されている。従って、電機子巻線22の巻回態様については、各系統各相において、連続するスロットSが12個分で周期的に構成、即ち周方向で5周期分構成されている。但し、端末の引出線29(U1x,…,W4x)は、電機子巻線22が4系統であることから、系統単位で4箇所に設定されている。
図8を用い、代表してV相の第1系統巻線V1と第3系統巻線V3との巻回態様を説明すると、第1系統巻線V1を構成するセグメント導体25は、スロット番号「1」ではスロットSの奥側(径方向外側)から2番目の「V1c」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面奥側から手前に向けて延びている。次いで、セグメント導体25は、自身の折返し部27にてスロット番号「7」に渡り、このスロット番号「7」ではスロットSの手前側(径方向内側)の1番目の「V1c」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面手前側から奥側に向けて延び、隣接のセグメント導体25と接合部28にて接合される。次いで、接合された次のセグメント導体25は、スロット番号「13」に渡り、このスロット番号「13」では再びスロットSの奥側(径方向外側)から2番目の「V1c」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面奥側から手前側に向けて延び、これらが5周期分繰り返された波巻き(分布巻き)で巻回されている。
また、「V1c」は第1系統巻線V1の1周目であり、「V1d」は第1系統巻線V1の2周目である。2周目の第1系統巻線V1を構成するセグメント導体25は、スロット番号「1」ではスロットSの手前側(径方向内側)から2番目の「V1d」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面奥側から手前に向けて延びている。次いで、セグメント導体25は、自身の折返し部27にてスロット番号「7」に渡り、このスロット番号「7」ではスロットSの奥側(径方向外側)の1番目の「V1d」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面手前側から奥側に向けて延び、隣接のセグメント導体25と接合部28にて接合される。次いで、接合された次のセグメント導体25は、スロット番号「13」に渡り、このスロット番号「13」では再びスロットSの手前側(径方向内側)から2番目の「V1d」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面奥側から手前側に向けて延び、これらが5周期分繰り返された波巻きで巻回されている。「V1c」に位置する1周目の第1系統巻線V1と、「V1d」に位置する2周目の第1系統巻線V1とは、周方向の端部にて互いに接合されている。
第3系統巻線V3を構成するセグメント導体25は、スロット番号「1」ではスロットSの手前側(径方向内側)の1番目の「V3c」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面手前側から奥前に向けて延び、隣接のセグメント導体25と接合部28にて接合される。次いで、接合された次のセグメント導体25は、スロット番号「7」に渡り、このスロット番号「7」ではスロットSの奥側(径方向外側)から2番目の「V3c」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面奥側から手前側に向けて延びている。次いで、セグメント導体25は、自身の折返し部27にてスロット番号「13」に渡り、このスロット番号「13」では再びスロットSの手前側(径方向内側)の1番目の「V3c」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面手前側から奥側に向けて延び、これらが5周期分繰り返された波巻きで巻回されている。第3系統巻線V3は、第1系統巻線V1と波形状が交互となるように構成されている。
また、「V3c」は第3系統巻線V3の1周目であり、「V3d」は第3系統巻線V3の2周目である。2周目の第3系統巻線V3を構成するセグメント導体25は、スロット番号「1」ではスロットSの奥側(径方向外側)の1番目の「V3d」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面手前側から奥前に向けて延び、隣接のセグメント導体25と接合部28にて接合される。次いで、接合された次のセグメント導体25は、スロット番号「7」に渡り、このスロット番号「7」ではスロットSの手前側(径方向内側)から2番目の「V3d」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面奥側から手前側に向けて延びている。次いで、セグメント導体25は、自身の折返し部27にてスロット番号「13」に渡り、このスロット番号「13」では再びスロットSの奥側(径方向外側)の1番目の「V3d」が挿入位置であり、この位置にて例えば図8の紙面手前側から奥側に向けて延び、これらが5周期分繰り返された波巻きで巻回されている。「V3c」に位置する1周目の第3系統巻線V3と、「V3d」に位置する2周目の第3系統巻線V3とは、第1系統巻線V1と同様、周方向の端部にて互いに接合されている。
このようにV相の第1系統巻線V1と第3系統巻線V3とは、それぞれを構成するセグメント導体25がスロット番号「1」「7」「13」・・・と同一のスロットS内に収容されている。また、本実施形態の第1及び第3系統巻線V1,V3においては、それぞれのセグメント導体25の挿入位置「V1c」「V1d」「V3c」「V3d」を辿ると、径方向位置が交互に入れ替わりながら、換言すると同一角度、同一長さで次のスロットSに渡る巻回態様となっており、セグメント導体25の極力の部品共通化が図られている。
同様に、図7を用い、第1及び第3系統巻線V1,V3と周方向一方側にスロットSを1個分ずらして隣接して配置される第2系統巻線V2と第4系統巻線V4とは、それぞれを構成するセグメント導体25がスロット番号「2」「8」「14」・・・と同一のスロットS内に収容され、互いの波形状が交互となるような波巻きにて構成されている。
W相についても同様に、第2及び第4系統巻線V2,V4と周方向一方側にスロットSを1個分ずらして隣接して配置されるW相の第1系統巻線W1と第3系統巻線W3とは、それぞれを構成するセグメント導体25がスロット番号「3」「9」「15」・・・と同一のスロットS内に収容され、互いの波形状が交互となるような波巻きにて構成されている。
同様にして、第1及び第3系統巻線W1,W3と周方向一方側にスロットSを1個分ずらして隣接して配置される第2系統巻線W2と第4系統巻線W4とは、それぞれを構成するセグメント導体25がスロット番号「4」「10」「16」・・・と同一のスロットS内に収容され、互いの波形状が交互となるような波巻きにて構成されている。
U相についても同様に、第2及び第4系統巻線W2,W4と周方向一方側にスロットSを1個分ずらして隣接して配置されるU相の第1系統巻線U1と第3系統巻線U3とは、それぞれを構成するセグメント導体25がスロット番号「5」「11」「17」・・・と同一のスロットS内に収容され、互いの波形状が交互となるような波巻きにて構成されている。
同様にして、第1及び第3系統巻線U1,U3と周方向一方側にスロットSを1個分ずらして隣接して配置される第2系統巻線U2と第4系統巻線U4とは、それぞれを構成するセグメント導体25がスロット番号「6」「12」「18」・・・と同一のスロットS内に収容され、互いの波形状が交互となるような波巻きにて構成されている。
図7にて○印にて示し、スロットSの奥側(径方向外側)の2番目に位置する「U1E」「V1E」「W1E」は、第1系統巻線U1,V1,W1の端末の引出線U1x,V1x,W1xの起点となる部分である。同様に、「U2E」「V2E」「W2E」は、第2系統巻線U2,V2,W2の端末の引出線U2x,V2x,W2xの起点となる部分、「U3E」「V3E」「W3E」は、第3系統巻線U3,V3,W3の端末の引出線U3x,V3x,W3xの起点となる部分、「U4E」「V4E」「W4E」は、第4系統巻線U4,V4,W4の端末の引出線U4x,V4x,W4xの起点となる部分である。同図7からも分かるように、各系統毎の引出線29(U1x,…,W4x)は、互いに90度(機械角)の角度位置に配置され、第1及び第3系統が180度、第2及び第4系統が180度となっている。U相、V相、W相を個々に見ても同様なことが言える。
図7にて□印にて示し、スロットSの手前側(径方向内側)の1番目に位置する「U1E」「V1E」「W1E」は互いに接合され、第1系統巻線U1,V1,W1のY結線の中性点N1をなしている(図9参照)。同様に、「U2E」「V2E」「W2E」は互いに接合され、第2系統巻線U2,V2,W2のY結線の中性点N2をなし、「U3E」「V3E」「W3E」は互いに接合され、第3系統巻線U3,V3,W3のY結線の中性点N3をなし、「U4E」「V4E」「W4E」は互いに接合され、第4系統巻線U4,V4,W4のY結線の中性点N4をなしている。
[ロータ]
図1に示すように、ロータ15は、各フレーム11,12に支持された軸受11a,12aに軸支された回転軸14と、回転軸14に一体回転可能に固定された円筒状のロータコア51と、ロータコア51の外周面に固着された複数(本実施形態では10個)の界磁磁石52とから構成されている。各界磁磁石52は、フェライト磁石よりなり、磁極(NS極)が周方向で交互に異なるように配置されている。
ロータコア51及びロータ15の界磁磁石52の軸方向長さは、ステータコア21の内周端部の軸方向長さ(即ち、一方の補助コア部40のロータ対向部44の先端から他方の補助コア部40のロータ対向部44の先端までの長さ)と略等しく設定されている。つまり、界磁磁石52は、ステータコア21のメインコア部31の内周面及び各補助コア部40のロータ対向部44を含む軸方向全体において径方向に対向している。
回転軸14の先端部(図1において左側の端部)は、フロントフレーム12を貫通してモータ10の外部に突出している。回転軸14の先端部には、該回転軸14と一体回転するジョイント53が設けられている。このジョイント53は図示しない外部装置に連結され、その外部装置に回転軸14の回転を伝達する。そして、ステータ13にて生じる回転磁界を受け、ロータ15(回転軸14)は回転する。
[フレーム]
図1に示すように、リヤフレーム11は、ステータ13と軸方向に対向する略円盤状の対向壁61と、対向壁61の外周縁からモータ10の軸方向に延出された円筒状のステータ保持部62とを備えている。一方のフロントフレーム12も略同様の構成であり、ステータ13と軸方向に対向する略円盤状の対向壁71と、対向壁71からモータ10の軸方向に延出された円筒状のステータ保持部72とを備えている。各フレーム11,12の対向壁61,71の径方向中央には、同軸上に配置された前記軸受11a,12aがそれぞれ保持されている。尚、フロントフレーム12には、その外周面から径方向外側に延びる取付固定部12bが形成されている(図2参照)。取付固定部12bは、図示しない所定のモータ設置部位にねじ等で固定される。
図1及び図3に示すように、ステータ保持部62,72は、ステータコア21の軸方向端部が内嵌される嵌合部63,73をそれぞれ有している。嵌合部63,73は、内径がステータコア21の円筒部23の外径と略一致する円筒状に形成されている。尚、嵌合部63,73における前記コア外周突出部26と対応する位置には、そのコア外周突出部26が嵌り込む切欠き部63a,73aがそれぞれ形成されている。嵌合部63,73の内周面は、ステータコア21の外周面(コア外周突出部26が形成されていない部位)と径方向に当接している。これにより、各フレーム11,12とステータコア21との芯出しがなされるとともに、嵌合部63,73によってステータコア21が径方向に保持される。
図1に示すように、リヤフレーム11の対向壁61の中央部には、軸方向に貫通する軸挿通孔64が形成され、この軸挿通孔64には、回転軸14の基端部(図1において右側の端部)が挿通されている。そして、この回転軸14の基端部には、支持部材54を介してセンサ用磁石55が固定されている。
センサ用磁石55は円盤状をなし、その中心軸が回転軸14の軸線Lと一致するように配置されるとともに、平面状をなす端面が回転軸14の軸線Lと直交するように配置されている。また、センサ用磁石55は、軸方向外側の端面においてNS極が半分ずつ現れるように着磁されている(図2参照)。
図1及び図2に示すように、リヤフレーム11の対向壁61の軸方向外側の端面には、軸線Lを中心とした対向壁61の外周縁部に環状溝61aが凹設され、この環状溝61aを設けた対向壁61の部分に軸方向に貫通する4個の引出用孔65が形成されている。4個の引出用孔65は、それぞれ対応する各系統毎の引出線29(U1x,…,W4x)に対応した周方向における90度角度位置に形成されている。そして、各系統毎の引出線29は、各系統毎に設けたそれぞれの引出用孔65を介して対向壁61の軸方向外側(反ステータ13側)へ引き出されている。
リヤフレーム11の対向壁61には、フェライト粉体や鉄粉等の磁性粉体を含有する円環状のゴム部材66が、該対向壁61の軸方向外側から組み付けられている。ゴム部材66は、回転軸14の軸線Lの中心とする円環状をなす環状部66aと、環状部66aから軸方向に延出されて4個の引出用孔65にそれぞれ嵌合される4個の閉塞部66bとを一体に備える。尚、ゴム部材66における磁性粉体の含有密度は、ゴム部材66の全体で均一に設定されている。
環状部66aは、対向壁61の軸方向外側の端面に凹設された環状溝61aに圧入されている。環状部66aの軸方向厚さ(閉塞部66bを含まない部位の軸方向厚さ)は、周方向において均一に形成されている。環状部66aは、軸方向視でステータ13の電機子巻線22と重なるようにすることが好ましい。各閉塞部66bは、軸方向視でそれぞれ対応する引出用孔65と略同形状をなすとともに、その引出用孔65に嵌合されている。また、各閉塞部66bは、それぞれ対応する各系統各相の引出線29が挿通される複数の挿通孔66cを有している。即ち、閉塞部66bは、各引出線29の周囲を囲うとともに、各引出用孔65を閉塞している。
各系統各相の引出線29は、閉塞部66bにて支持されている。各引出線29は、第1〜第4系統の順に周方向等間隔(90度角度間隔)に配置されている。更に、第1及び第3系統の引出線29は、回転軸14の周方向において180度対向位置に設けられ、個々のU相、V相、W相の引出線U1x,V1x,W1xと引出線U3x,V3x,W3xについても、同相同士が180度対向位置に設けられている。また、第2及び第4系統の引出線29も同様に、回転軸14の周方向において180度対向位置に設けられ、個々のU相、V相、W相の引出線U2x,V2x,W2xと引出線U4x,V4x,W4xについても、同相同士が180度対向位置に設けられている。各系統各相の引出線29は、軸線Lを中心とした点対称位置に配置され、センサ用磁石55から各系統各相同士の距離が等しく設定されている。
リヤフレーム11の対向壁61の軸方向外側には、後述の制御装置80(図9参照)を構成する制御基板67が回転軸14の軸線Lに対して垂直に配置されている(図1参照)。制御基板67は、円形状をなしており、その中心が回転軸14の軸線Lと重なるように配置されている(図2参照)。制御基板67は、対向壁61の軸方向外側の端面に設けられた複数の座部61bと軸方向に当接しており、その各座部61bに対するねじ61cの螺着によって制御基板67が固定されている。
制御基板67には、ステータ13側から引出用孔65を介して引き出された各系統各相の引出線29(U1x,…,W4x)が接続されている。この場合、各系統毎の引出線29は、互いに90度の角度位置に配置され、第1及び第3系統が180度、第2及び第4系統が180度に配置されている。U相、V相、W相を個々に見ても同様である。各系統各相の引出線29は、それぞれ同相の位置が回転軸14の軸線Lを中心とした同心円上となるようにしている。因みに、各引出線29は、同系統内の各相が一直線状に並んでいる。
また、制御基板67には、各系統各相の引出線29から供給する駆動電流を生成するための後述の第1〜第4駆動部81〜84及び第1〜第4制御部91〜94(図9参照)を構成する電子部品の他、ホールICやTMR型磁気センサといった回転検出センサ68等が実装されている。
回転検出センサ68は、制御基板67の対向壁61側の面に設けられ、センサ用磁石55と軸方向に対向している。また、回転検出センサ68は、その中心が回転軸14の軸線Lと重なるように配置されている。回転検出センサ68は、センサ用磁石55の回転による磁界の変化を検出し、その回転検出センサ68からの出力信号に基づいて、前記制御回路がセンサ用磁石55の回転情報(回転角度、回転方向及び回転速度等)を検出する。
そして、制御基板67に設けた各駆動部81〜84及び各制御部91〜94は、回転軸14(センサ用磁石55)の回転情報に基づき、各引出線29から電機子巻線22(U1,…,W4)に供給する駆動電流を制御する。これにより、ロータ15(回転軸14)の所望の回転駆動が実現されるようになっている。
[モータの給電態様]
図9は、本実施形態のモータ10の給電態様である。モータ10を制御する制御装置80は、直流電源から3相(U相、V相、W相)駆動電流を生成するインバータ回路よりなる第1駆動部81、第2駆動部82、第3駆動部83、及び第4駆動部84を独立して備える。第1駆動部81は第1系統巻線U1,V1,W1への給電を行い、第2駆動部82は第2系統巻線U2,V2,W2への給電を行い、第3駆動部83は第3系統巻線U3,V3,W3への給電を行い、第4駆動部84は第4系統巻線U4,V4,W4への給電を行う。U相、V相、W相駆動電流は、互いに120度の位相差に設定される。これら各駆動部81〜84に対しては、第1制御部91、第2制御部92、第3制御部93、及び第4制御部94を独立して備え、各制御部91〜94は、各駆動部81〜84から各系統各相の電機子巻線22に供給する駆動電流の制御を行う。
本実施形態では、図7に示すように、同一のスロットS内に挿入される第1系統巻線U1,V1,W1と第3系統巻線U3,V3,W3とに対しては、第1駆動部81と第3駆動部83から各相同一の駆動電流が供給される。また、同一のスロットS内に挿入される第2系統巻線U2,V2,W2と第4系統巻線U4,V4,W4とについても同様に、第2駆動部82と第4駆動部84から各相同一の駆動電流が供給される。つまり、第1系統と第3系統、第2系統と第4系統は、それぞれ見かけ上、同一系統として動作させ、構造上4系統でありながら制御上2系統のようにして動作させる。因みに、第1系統と第3系統、第2系統と第4系統は、配置上、電気角で30度ずれて配置されているため、互いの系統間で30度の位相差が設定される。そして、このような駆動電流の供給を受けたステータ13では回転磁界が生じ、ロータ15(回転軸14)の回転駆動が行われるようになっている。
また、各相同一の駆動電流が供給される第1系統巻線U1,V1,W1の各引出線U1x,V1x,W1xと、第3系統巻線U3,V3,W3の各引出線U3x,V3x,W3xとは、回転軸14の軸線Lを挟んだ180度対向位置に配置されている。即ち、各引出線U1x,V1x,W1xと各引出線U3x,V3x,W3xとの通電の際に、自身の導線周りに発生する磁界が回転軸14付近において第1系統と第3系統との間で相殺する配置構成としている。また、各相同一の駆動電流が供給される第2系統巻線U2,V2,W2の各引出線U2x,V2x,W2xと、第4系統巻線U4,V4,W4の各引出線U4x,V4x,W4xとについても、回転軸14の軸線Lを挟んだ180度対向位置に配置されている。即ち、各引出線U2x,V2x,W2xと各引出線U4x,V4x,W4xとの通電の際にも同様に、自身の導線周りに発生する磁界が回転軸14付近において第2系統と第4系統との間で相殺する配置構成としている。つまり、回転軸14の軸線L上に配置されるセンサ用磁石55への磁界変化に対し、通電時の引出線29(U1x,…,W4x)の周りに生じる磁界の影響が小さく抑えられ、回転検出センサ68での回転検出をより高精度に行うことができるようになっている。
本実施形態の効果について説明する。
(1)モータ10のステータ13には、独立して動作可能な複数系統の巻線U1,…,W4が備えられ、ステータ13(ステータコア21)の同一のスロットSに異系統且つ同一相の巻線U1,…,W4が混在して配置される。本実施形態では、4系統の巻線U1,…,W4にて構成され、全てのスロットSに対し、2系統且つ同一相の巻線U1,…,W4が混在して配置されている。そして、同一のスロットSに配置される異系統且つ同一相の巻線U1,…,W4には、同一相の駆動電流が供給される。つまり、同一スロットS内において、構造上は独立した異系統の巻線U1,…,W4として冗長性を持たせながら、見かけ上は同一系統の巻線U1,…,W4のように動作させるべく駆動電流の共通化が図られている。このように本実施形態では、巻線U1,…,W4を複数系統としながらも、簡素な給電制御として実現することができる。
(2)同一のスロットS内に配置の異系統且つ同一相の巻線U1,…,W4の引出線U1x,…,W4xは、互いにロータ15の回転軸14を挟んだ180度対向位置に配置されるため、通電時に引出線U1x,…,W4xの導線周りに発生する磁界を回転軸14付近において相殺させることができる。そのため、回転軸14上にセンサ用磁石55を配置する本実施形態のモータ10においては、センサ用磁石55の磁界への影響を小さく抑えることができ、回転検出センサ68での回転検出をより高精度に行うことができる。
(3)同一のスロットSに配置される異系統且つ同一相の巻線U1,…,W4は、所定間隔を有するスロットSを辿る際、径方向位置が交互に入れ替えられて配置される(図8参照)。つまり、巻線U1,…,W4の巻回態様は異系統で対称的となるため、例えば所定長さのセグメント導体25を繋げて巻線U1,…,W4を構成する本実施形態のモータ10においては、セグメント導体25の部品共通化が図れる。
(4)制御装置80は、複数系統(4系統)の巻線U1,…,W4毎に独立した駆動部81〜84が割り当てられる構成としたため、巻線U1,…,W4のみならず駆動部81〜84についても冗長性を持たせることができる。また、複数系統の駆動部81〜84それぞれに制御部91〜94が割り当てられる構成としたため、巻線U1,…,W4や駆動部81〜84のみならず制御部91〜94についても冗長性を持たせることができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・モータ10のステータ13は4系統の巻線U1,…,W4が備えるものであったが、系統数はこれに限らず、3系統若しくは5系統以上としてもよい。
・全てのスロットSに異系統の巻線U1,…,W4が混在していたが、異系統の巻線U1,…,W4が混在するスロットSと、混在しないスロットSとを設けてもよい。
・スロットSに混在させる巻線U1,…,W4の系統数を2系統としたが、3系統以上としてもよい。
・独立させた巻線U1,…,W4に対し制御装置80の駆動部81〜84を独立させ、更に制御部91〜94も独立させて設けたが、独立させた駆動部81〜84に対し制御部を共通化してもよい。つまり、巻線U1,…,W4や駆動部81〜84に冗長性を持たせながら、制御部の共通化が図れる。また、独立させた巻線U1,…,W4に対し駆動部を共通化してもよい。巻線U1,…,W4に冗長性を持たせながら、駆動部やこれを制御する制御部の共通化が図れる。
・巻線U1,…,W4の巻回態様や引出線U1x,…,W4xの配置位置等は、一例であり、適宜変更してもよい。
・巻線U1,…,W4を構成するセグメント導体25に断面矩形状のものを用いたが、これに限らず、例えば断面円形状のものを用いてもよい。
・巻線U1,…,W4にセグメント導体25を用いたが、連続する線材を巻回する一般的な巻線としてもよい。
・ステータ13(ステータコア21)をリヤフレーム11とフロントフレーム12とで挟持する構成としたが、これに限らず、例えばステータ13を筒状のケース内に焼き嵌め等により挿入固定する構成としてもよい。
・ステータコア21の軸方向両側に補助コア部40を用いたが、補助コア部40を用いなくてもよく、メインコア部31に用いるコアシート30を全て積層して構成してもよい。
・リヤフレーム11に組み付けられるゴム部材66をフェライト粉体や鉄粉等の磁性粉体を含有して構成したが、磁性粉体を含有しない通常のゴム部材を用いてもよい。また、ゴム部材66を円環状に構成したが、円環状以外の形状に構成してもよい。また、ゴム部材66を1つの部品で構成したが、複数の部品で構成してもよい。
・制御基板67を円形状に構成したが、これに限らず、例えば四角形状や、円形と四角形とを組み合わせた形状に構成してもよい。
・モータ10内に制御装置80(制御基板67)を一体に備えたが、それぞれ別体としてもよい。
・上記変形例以外、モータ10の構成、制御装置80の構成・制御を適宜変更してもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)ステータコアの周方向に複数並設されるティース間のスロットに巻線が挿入配置されて全体として3相巻線として巻回されてなるステータを備えたブラシレスモータに対し、自身で生成した3相駆動電流の前記3相巻線への供給に基づきロータの回転駆動を行わせるブラシレスモータ制御装置であって、
前記巻線は、独立して動作可能な複数系統の巻線として構成され、同一の前記スロットに異系統且つ同一相の前記巻線が混在して配置されるものであり、
前記同一のスロットに配置される前記異系統且つ同一相の巻線に対し、同一相の前記駆動電流の供給を行うことを特徴とするブラシレスモータ制御装置。
10…モータ(ブラシレスモータ)、13…ステータ、14…回転軸、15…ロータ、21…ステータコア、22…電機子巻線(巻線)、24…ティース、29…引出線、80…制御装置、81〜84…第1〜第4駆動部(駆動部)、91〜94…第1〜第4制御部(制御部)、S…スロット、U1,V1,W1…第1系統巻線、U2,V2,W2…第2系統巻線、U3,V3,W3…第3系統巻線、U4,V4,W4…第4系統巻線、U1x,V1x,W1x…第1系統引出線、U2x,V2x,W2x…第2系引出線、U3x,V3x,W3x…第3系統引出線、U4x,V4x,W4x…第4系引出線。

Claims (7)

  1. ステータコアの周方向に複数並設されるティース間のスロットに巻線が挿入配置されて全体として3相巻線として巻回されてなるステータを備え、制御装置にて生成した3相駆動電流の前記3相巻線への供給に基づきロータの回転駆動が行われるブラシレスモータであって、
    前記巻線は、独立して動作可能な複数系統の巻線として構成され、同一の前記スロットに異系統且つ同一相の前記巻線が混在して配置され、
    前記同一のスロットに配置される前記異系統且つ同一相の巻線には、同一相の前記駆動電流が供給されるように構成されていることを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 前記巻線は、4系統以上の複数系統の巻線にて構成され、
    全ての前記スロットには、前記異系統且つ同一相の巻線が混在して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
  3. 前記同一のスロットに配置される前記異系統且つ同一相の巻線の引出線は、互いに前記ロータの回転軸を挟んだ180度対向位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のブラシレスモータ。
  4. 前記同一のスロットに配置される前記異系統且つ同一相の巻線は、所定間隔の前記スロットを辿って配置されるものであり、径方向位置を交互に入れ替えて配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
  5. 前記制御装置は、前記複数系統の巻線毎に独立して前記駆動電流を生成して供給する複数系統の駆動部を割り当てていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
  6. 前記制御装置は、前記複数系統の駆動部に対して独立して制御を行う複数系統の制御部を割り当てていることを特徴とする請求項5に記載のブラシレスモータ。
  7. 前記制御装置は、前記同一のスロットに配置される前記異系統の巻線に前記駆動電流を生成して供給する共通の駆動部を割り当てていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のブラシレスモータ。
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