JP2019100060A - 着脱可能な増設部屋 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで、短い工期で設置可能であり、取り換え可能な増設部屋を提供する。【解決手段】増設部屋1は、床と、床に対して垂直方向に延設され、接続対象である家屋50の既存窓52と連通される一面に接続開口部を有する側壁と、側壁が支える屋根を有し、接続開口部には、既存窓の周囲に配置された家屋の構造躯体と接合される接続枠が配置されている。【選択図】図1

Description

本発明はすでに建設された家屋の床面積を増加させるために、家屋に追加的に接続される増設部屋に関するものであって、主として庭のある木造の家屋に着脱可能に設置される増設部屋に関するものである。
戸建住宅などの家屋では、床面積を増やしたい場合に増築が可能な場合がある。しかし、増築は大規模な基礎の追加施工や、既設の家屋の壁の一部を取り壊す等、大きな工事が必要となる。したがって、建設期間も数週間を必要とする。増やしたい床面積が大きく、また増築部分をほぼ家屋の寿命まで使用するといった場合は、このような増築を行うことに問題はないと考えられる。
しかし、増やしたい床面積が比較的狭い場合であって、数年から十数年程度で撤去若しくは別の空間に変更したい場合は、増築では費用が掛かりすぎる。つまり、低コストで、短い工期で設置可能であり、取り換え可能な増設部屋の要求がある。
建築体同士を接続させて空間を増やすという観点の発明はこれまでいくつか開示されている。特許文献1には、中高層集合住宅を短期間で建築するための構造が開示されている。ここでは、予め必要な階数分の枠構造を建設しておき、工場で作製した住宅ユニットを現地まで運び、現地で住宅ユニット同士を連結させて、枠構造に挿入する集合住宅の構造が示されている。
また、特許文献2では、隣接する住宅ユニットの一対の床パネルに跨る大きな開口面積の床開口を、ユニット割りを特に変更することなく容易に設けることを可能にする連続床開口の施工方法が開示されている。
特公昭52−12486号公報 特開2005−240477号公報
特許文献1および2の場合も、住宅を部分に分けてこれらを接合することで1つの住宅を形成するものである。したがって、これらは一度組み上げられると、その住宅を取り壊すまで分解されることはない。したがって、着脱可能な増設部屋を提供するものではない。
本発明は上記の課題に鑑みて想到されたものであり、低コストで短期間の工事によって床面積を増やす着脱可能な増設部屋を提供するものである。
より具体的に本発明に係る着脱可能な増設部屋は、
床と、
前記床に対して垂直方向に延設され、接続対象である家屋の既存窓と連通される一面に接続開口部を有する側壁と、
前記側壁が支える屋根を有し、
前記接続開口部には、前記既存窓の周囲に配置された前記家屋の構造躯体と接合される接続枠が配置されていることを特徴とする。
本発明に係る着脱可能な増設部屋は、予め工場で作製した増設部屋を運搬し、家屋の既存窓の障子部分を外して開放し、接合するだけであるので、数日で工事が終了する。したがって、短期間の工事で設置することができる。
また、着脱可能な増設部屋と家屋との接合はボルト締結で行われ、また既存の窓枠を残す。そのため家屋に対する改装の程度も非常に少ない。そのため、増設部屋が不要となった場合も、短期間の工事で脱着することが可能であり、再度元の家屋として使用することができる。また、工事期間が短期であるので、他の形状の増設部屋との交換も短期間の工事で行うことができる。
さらに、着脱可能な増設部屋の屋根、側壁、床には断熱材が配置されて、電気ソケットも配置することが可能であるので、接続対象となった家屋の居住環境を維持し、家屋の居室の一部として機能することができる。
本発明に係る増設部屋が家屋に接続される様子を示す図である。 接続対象となる家屋の既存窓の周囲の構造を示す図である。 本発明に係る増設部屋の構成を示す図である。 増設部屋の基本構造躯体の例示である。 増設部屋を取り付ける手順を示す図である。 増設部屋と家屋の接続部の側方断面図である。 図6の部分拡大図である。 増設部屋と家屋の接合部の水平方向断面図である。
以下に本発明に係る増設部屋について図面を示し説明を行う。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を例示するものであり、本発明が以下の説明に限定されるものではない。以下の説明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変することができる。
図1に本発明に係る増設部屋1と接続される家屋50の関係を示す。図1(a)は増設部屋1を家屋50に接続する前の状態であり、図1(b)は、増設部屋1を家屋50に接続した後の状態を示す。どちらの図も接続状態が良く理解できるように増設部屋1の屋根は省略している。
本発明に係る増設部屋1は、工場などで予め組み立てられ、コンテナやトラックで設置場所に運び、対象家屋50に接続する。本発明に係る増設部屋1は、家屋50の既存窓52に接続される。ここで既存窓52とは、家屋50に増設部屋1が接続される前から家屋50に形成されていた窓を言う。
接続される既存窓52は、増設部屋1が接続された後は、家屋50と増設部屋1の出入口として使用される。したがって、人が出入りできるほどの大きさの既存窓52を利用するのが望ましい。例えば、家屋50内から庭やテラスに出ることができる引き違い窓(掃き出し窓等)であって、横幅が1000mm以上、高さが1800mm以上のサッシ窓が好適に利用できる。また、玄関を接続対象の家屋50の既存窓52としてもよい。
図2は家屋50を外部から見た図である。既存窓52の周囲は家屋50の外壁58o(図7参照)である。既存窓52の外壁58o内部の構造は点線で示す。既存窓52は、上下に複数のレールを形成した長方形の窓枠52fに、障子52gと呼ばれるガラス戸がレール毎に嵌合されている。障子52gがレール上を移動することで家屋50の既存窓52の開閉が行われる。
家屋50の既存窓52の周囲には窓枠52fを固定するための構造躯体56が配置されている。ここで構造躯体56とは、家屋50を形成する際の構造となる部材のことであり、縦方向および横方向に配置された柱、間柱、梁、桁、胴差し等の棒状の部材である。また、構造躯体56は、木造枠組壁工法で言うところの壁パネルであってもよい。窓枠52fはこの構造躯体56に固定されている。言い換えると、窓枠52fの周囲には構造躯体56が配置されている。ここでは、木造軸組工法を例として説明を続ける。
既存窓52の左右には縦方向に2本の柱若しくは間柱が配置されている。これらを柱材56aと呼ぶ。また既存窓52の上部には、窓まぐさ若しくは長押し等が配置されている。これらを梁材56bと呼ぶ。また、既存窓52の下部は窓台、根太若しくは土台等が配置されている。これらを土台材56cと呼ぶ。柱材56a、梁材56b、土台材56cは、構造躯体56である。通常これらの構造躯体56は、家屋50の外壁58oおよび内壁58i(図7参照)によって隠されている。なお、本明細書では外壁58oおよび内壁58iは、それぞれの表面に配置される仕上げ材を含んでよい。本発明に係る増設部屋1は、外壁58oを介してこれらの構造躯体56と接合する。
図3には、増設部屋1の正面図(図3(a))、平面図(図3(b))、側面図(図3(c))および斜視図(図3(d))を示す。正面図は、家屋50に接続されない側A(図3(d)参照)から見たものである。なお、図3(d)は屋根14を省略している。増設部屋1は、床10と側壁12と屋根14を有する。床10は、増設部屋1での床面となる。なお、床10は図3(d)で見えている。床10は通常は平面視で長方形であるが、特に長方形に限定されるものではなく、円形や一部曲線形状等が含まれていてもよい。床10の底面には、予め支持脚10sが設けられていてもよい。なお、床10は、一部が抜けていてもよい。
側壁12は床10に対して垂直方向に延設される。いわゆる壁体である。なお、ここでいう垂直方向は、垂直方向成分を有していればよく、鉛直方向に対して傾斜していてもよい。また、側壁12は床10を囲うように形成されるので、床10が平面視で直線でない部分があれば、その部分の側壁12は平面でなくてもよい。図2では、正面図(図3(a))において正面に見える側壁12は全面ガラス窓となっている。
側壁12の一面には、家屋50との出入口となる開口が設けられている。これを接続開口部12oと呼ぶ。接続開口部12oと家屋50の既存窓52が接続されることで、増設部屋1と家屋50は連通される。つまり、側壁12は平面視した際の床10を囲うように形成されるが、一部に側壁12が設けられていない部分(接続開口部12o)がある。図3では、床10は長方形であり、長辺と1つの短辺に側壁12が形成されている。残りの短辺は側壁12に当たる部分が接続開口部12oとなっている。
また、増設部屋1には側壁12が支える屋根14が配置される(図3(d)は省略している。)。結果、増設部屋1は、直方体の箱を横置きにし、床10の短辺の1つの辺に接する壁体を抜いた形状をしている。側壁12および屋根14には、窓が形成されていてもよい。これらの窓は、増設部屋1が接続される家屋50の既存窓52と区別するため、「増設部屋窓16」と呼ぶ。
増設部屋1は、家屋50が有するのと同等の断熱性能を持たせることが望ましい。増設部屋1から簡単に熱の出入りがあったのでは、家屋50全体のヒートコントロールに欠陥が発生し、十分な生活空間を維持できないからである。そこで、増設部屋1の床10、側壁12、屋根14、増設部屋窓16は、断熱性の高い処理を施す。具体的には、床10、側壁12、屋根14には断熱材を設置するのが望ましい。それぞれに配置される断熱材を断熱材10v、断熱材12v、断熱材14vと呼ぶ。また、増設部屋窓16は断熱窓(断熱ガラスや断熱構造を有する窓等)および断熱性を有するサッシまたは建具を用いる。
また、屋根14、側壁12、床10には、電気ソケットやガス栓あるいは水道栓を設けてもよい。これらの配線・配管は屋根14、側壁12、床10の中に配置される。このように少なくとも電気の配線が施されると居住環境としても家屋50と同等にすることができる。
増設部屋1の接続開口部12oには、接続枠18が設けられる。図3では、接続開口部12oは、増設部屋1の一方の側壁12が全面に亘って接続開口部12oとなっている。接続開口部12oの周囲には接続枠18が配置される。接続枠18は増設部屋1と家屋50を実際に接続固定する部分である。したがって、接続枠18は増設部屋1と強固に結合されている必要がある。つまり、接続枠18は、増設部屋1の基本構造躯体の一部として一体的に形成されているのがよい。
図4(a)に、増設部屋1の簡単な基本構造躯体を例示する。また、図4(b)は、図4(a)の矢印Bから見た部分図である。接続開口部12oに相当する部分にだけ予め接続枠18を形成した金属製等の構造フレームを形成し、それに床10、屋根14、側壁12(それぞれ括弧を付けて示した。)を形成するといった構造が考えられる。
接続枠18は接続開口部12oの周囲を囲うように形成されている。接続枠18は、家屋50(図1参照)側に平面を有する部材が接続開口部12oの上下辺および左右辺に配置されることで形成されている。ここでは、接続枠18の各部を、「屋根側接続枠18u」、「床側接続枠18d」、「側壁側接続枠18s」と呼ぶ。図4では、屋根側接続枠18u、床側接続枠18d、側壁側接続枠18sは、連続して形成され一体の枠状体をしているが、これらは増設部屋1の基本構造躯体の一部に強固に接合若しくは接続されていれば、途中で切れていてもよい。
また、接続枠18の家屋50と接触する側の面を「突き当て接続面18a」と呼ぶ。突き当て接続面18aも接続枠18の各部毎に、応じて「屋根側突き当て接続面18au」、「床側突き当て接続面18ad」、「側壁側突き当て接続面18as」と呼ぶ。図4では、接続枠18は断面長方形の角部材で形成されているが、これに限定されるものではない。
図4(b)を参照して、接続枠18の突き当て接続面18aの反対面(接続枠18の増設部屋1側)も平面であることが望ましい。この面を「締結面18b」と呼ぶ。締結面18bは、接続枠18の増設部屋1側に所定の空間を有する。これを「締結空間18r」と呼ぶ。増設部屋1は家屋50と接続枠18を介してボルト締結される。したがって、ボルト締結するための作業空間が必要となるからである。
なお、締結面18bおよび締結空間18rも屋根14側、床10側、側壁12側を区別する場合は、それぞれ「締結面18bu」、「締結面18bd」、「締結面18bs」および「締結空間18ru」、「締結空間18rd」、「締結空間18rs」としてよい。
この締結空間18rは締結面18bから増設部屋1側に向かって(矢印C方向)30mm以上あればよい。図4では、接続枠18は側壁12および屋根14より外側に突出しているので、締結面18bから増設部屋1側に向かっては、制限のない空間となっている。したがって、十分な締結空間18rを有していると言える。
締結空間18rは、家屋50との接続後も外部からアクセス可能に形成される必要がある。増設部屋1は、家屋50から分離することを前提としているからである。外部からアクセス可能に形成されているとは、家屋50および増設部屋1を移動させたり、どちらかの一部を破壊したりすることなく、外部からボルト締結を解除することが可能であることをいう。
たとえば、締結空間18rを風雨から守るために板材等で増設部屋1と家屋50の接続部28(図6参照)に蓋を設ける等しても、締結空間18rはアクセス可能に形成されている。蓋をした板材等を取り外せば、締結空間18rを露出させることができるからである。
次に本発明に係る増設部屋1の設置手順を説明し、接続された状態の詳細説明を行う。図5は、増設部屋1の設置を順に示す流れ図である。図5(a)から図5(f)に向かって工事が進む。増設部屋1を設置するための接続対象となる家屋50の既存窓52の外側には、増設部屋1を設置するだけの庭などの空き土地が必要である。これを「庭等」と呼ぶ。
まず、増設部屋1を支持するための支持脚10sを支える基礎60が配置される。この基礎60は、鉄筋コンクリート、石材や鉄板等が好適に利用される。図5(b)では、基礎60上に支持脚10sが配置されている。このように、支持脚10sは、設置場所で設けられていてもよい。またすでに説明したように、工場で増設部屋1を組み立てる際に床10(図3参照)の底面に支持脚10sを設けておき、設置場所の基礎60の上に支持脚10sを載置してもよい。
次に家屋50の既存窓52の障子52gを取り外す(図5(c))。この際、窓枠52fは残しておく。本発明に係る増設部屋1は、着脱可能に設置される。したがって、増設部屋1が不要になった場合は、増設部屋1を取り外し、障子52gを窓枠52fに入れ、家屋50の既存窓52として再び利用できるようにするためである。
次に増設部屋1を載置する(図5(d))。この際には、接続枠18(図4参照)と家屋50の構造躯体56(図2参照)がボルトで締結される。この締結の詳細は後述する。なお、図5(d)は接続状態が理解しやすいように部分的に透明にして記載した。図5(e)は、増設部屋1が家屋50に接続された状態を示している。
なお、図5(c)において、障子52gを取り外して増設部屋1と家屋50の出入り口としたが、障子52gを取り去らずに、増設部屋1を設置してもよい。図5(f)には、障子52gを残したまま増設部屋1を設置した状態を示す。このような形態は例えば、増設部屋1を玄関等の拡張として使用する際などに利用できる。なお、図5(f)は接続状態が理解しやすいように部分的に透明にして記載した。
図6は、家屋50と増設部屋1の接続部28の側方断面図である。図7は、図6のDおよびEの部分の拡大図である。家屋50側は天井62、床64があり、天井62の端部に垂れ壁66が形成され、その下方に家屋50の既存窓52がある。家屋50の既存窓52の窓枠52fは上下を梁材56bおよび土台材56cで固定されている。なお、窓枠52fは外壁58oに対して図7のdだけ外側に張り出して形成されている。いわゆる半外付け型サッシである。
なお、家屋50側の天井62、床64、垂れ壁66には、新たな断熱材62v、断熱材64v、断熱材66vを追加した状態を示している。しかし、そもそも家屋50側が断熱構造を有している場合は、これらの新たな断熱材62v、64v、66vは不要である。なお、垂れ壁66は内壁58iの一部である。
増設部屋1側は、屋根14および床10に断熱材14v、断熱材10vが配置されている。また、増設部屋1側は、接続開口部12oの屋根14と床10の外側に、接続枠18が配置されている。図7では、屋根側接続枠18uと、床側接続枠18dの断面が見えている。屋根側接続枠18uの突き当て接続面18auは梁材56bに、床側接続枠18dの床側突き当て接続面18adは土台材56cに対向している。
そして、家屋50の外壁58oと屋根側接続枠18uの突き当て接続面18auとの間に上部スペーサ20uを配置した上で、梁材56bと屋根側接続枠18uをボルト締結25する。この時、締結空間18r(18ru、18rd)はアクセス可能に形成されている。
なお、上部スペーサ20uは外壁58oの外側に飛び出している窓枠52fと、接続枠18の干渉を回避するために設けられる。また、この上部スペーサ20uによって設けられる空間は増設部屋1と、家屋50の間の電気配線およびガス配管のための空間として利用することもできる。
従って、上部スペーサ20u(後述する下部スペーサ20dおよび側部スペーサ20sを含み)は、予め増設部屋1の部品として組付けてあってもよい。これらのスペーサ20は締結時における増設部屋1と家屋50の間の干渉回避のための空間を確保するためのものであり、接続枠18ほどの強度が無くてもよい。
また、増設部屋1の屋根14の上部に、雨避け用の屋根カバー14pを配置しておいてもよい。防水性を高めるためである。この屋根カバー14pにより外部から締結空間18rは見えなくなるが、屋根14を破壊することなく、屋根カバー14pは取り外すことができるので、締結空間18rはアクセス可能に形成されていると言える。
屋根側接続枠18uと梁材56bの接続をより具体的に説明する。まず、垂れ壁66の一部を除去し、梁材56bを露出させ、家屋50内から梁材56bおよび外壁58oを貫通する貫通孔を形成する。そして、上部スペーサ20uを外壁58oに配置した状態で、屋根側接続枠18uの突き当て接続面18auを上部スペーサ20uに当接させ、貫通孔から屋根側接続枠18uの締結空間18ruまでボルトを挿設し、ナットで締結する。結果、少なくともボルトの頭とナットの間に、梁材56b、外壁58o、上部スペーサ20u、屋根側接続枠18uが挟持される。なお、締結箇所は、屋根側接続枠18u上に複数箇所あってもよい。
床側接続枠18dも同様に土台材56cとボルトで締結される。なお、床側接続枠18dと土台材56cの締結には、家屋50側の床64を一部除去し、土台材56cを露出させ、外壁58oまで貫通する貫通孔を形成する必要がある。しかし、床64の一部除去は容易な工事ではない。したがって、床側接続枠18dと土台材56cとの締結は、省略されてもよい。後述する側壁側接続枠18sと柱材56aとの間でもボルト締結25が行われる。そのため、増設部屋1と家屋50との接続は十分な強度を保持できる。
図8は、増設部屋1と家屋50の接続部28の水平方向断面を表す。増設部屋1の側壁12には断熱材12vが配置されている。また側壁12端部の外側には側壁側接続枠18sの断面が見える。一方、家屋50側は、窓枠52fの両側縦部と、窓枠52fを固定する柱材56aが見えている。柱材56aの外側は外壁58oであり、室内側は内壁58iである。内壁58iの内側(室内側)にも断熱材58ivが配される。側壁側接続枠18sの突き当て接続面18asは、外壁58oを通して柱材56aと対向している。
側壁側接続枠18sも図6および図7の場合と同様に、家屋50と接続される。具体的には、家屋50の内壁58iの一部を除去し、柱材56aを露出させる。柱材56aと外壁58oに貫通孔を形成し、側部スペーサ20sを介して側壁側接続枠18sの突き当て接続面18asを当接させ、ボルト締結25する。
結果、ボルトの頭とナットの間には、少なくとも柱材56a、外壁58o、側部スペーサ20s、側壁側接続枠18sが挟持される。側部スペーサ20sは上部スペーサ20u同様に外壁58oから突設されている窓枠52fと接続枠18の干渉を回避するために設けられている。側壁側接続枠18sにおいて、ボルト締結25は複数箇所設けられてもよい。
このように、接続枠18と家屋50側の構造躯体56との締結によって、増設部屋1と家屋50は接続状態になる。また、家屋50および増設部屋1は、それぞれ断熱処理が施されている。しかし、接続部28については、断熱処理は施されていない。具体的には、家屋50の構造躯体56と接続枠18との間である。そこで、この接続部28には、別途の断熱処理を施すのが望ましい。
図8では、増設部屋1の側壁12の断熱材12vと、家屋50側の内壁58iの断熱材58ivとの間に断熱材28svを設けたことを示している。また、図7を再度参照して、増設部屋1側の屋根14の断熱材14vと、家屋50の垂れ壁66の断熱材66vとの間に断熱材28uvが設けられている。同様に増設部屋1の床10の断熱材10vと、家屋50の床64の断熱材64vとの間にも断熱材28dvが設けられている。
このように、増設部屋1と家屋50の間の接続部28に断熱材28vを設けることで、増設部屋1は居住空間としても、家屋50の一部となる。なお、家屋50側から電気およびガス(あるいは水道)の配管を、接続部28の側部断熱材28svを介して増設部屋1側に配置させることができる。これらの配線・配管は、増設部屋1の床10、屋根14、側壁12中に配置させることができる。居住空間として家屋50の一部となり、少なくとも電気が家屋50側から供給され、増設部屋1の電気ソケットで電気を取り出せることができれば、居住環境としても家屋50の一部になったと言える。
本発明に係る増設部屋は、短期間工程および低コストで床面積を増やすことができるので、増改築の際に有効に利用することができる。また、在来軸組工法の基本寸法(モジュール)に合わせた、すでに流通する規格サイズでの窓を想定し、汎用的な規模展開が可能である。
1 増設部屋
10 床
10s 支持脚
12 側壁
12o 接続開口部
14 屋根
14p 屋根カバー
16 増設部屋窓
18 接続枠
18a 突き当て接続面
18au 屋根側突き当て接続面
18ad 床側突き当て接続面
18as 側壁側突き当て接続面
18b 締結面、18bu 締結面、18bd 締結面、18bs 締結面
18r 締結空間、18ru 締結空間、18rd 締結空間、18rs 締結空間
18u 屋根側接続枠
18d 床側接続枠
18s 側壁側接続枠
20 スペーサ
20u 上部スペーサ
20d 下部スペーサ
20s 側部スペーサ
25 ボルト締結
28 接続部
50 家屋
52 既存窓
52f 窓枠
52g 障子
56 構造躯体
56a 柱材
56b 梁材
56c 土台材
58o 外壁
58i 内壁
60 基礎
62 天井
64 床
66 垂れ壁
10v 断熱材、12v 断熱材、14v 断熱材、62v 断熱材、64v 断熱材
66v 断熱材、58iv 断熱材、28sv 断熱材、28uv 断熱材
28dv 断熱材、28v 断熱材

Claims (5)

  1. 床と、
    前記床に対して垂直方向に延設され、接続対象である家屋の既存窓と連通される一面に接続開口部を有する側壁と、
    前記側壁が支える屋根を有し、
    前記接続開口部には、前記既存窓の周囲に配置された前記家屋の構造躯体と接合される接続枠が配置されていることを特徴とする着脱可能な増設部屋。
  2. 前記接続枠は前記家屋と接続される側に突き当て接続面を有し、前記突き当て接続面の反対側に外部からアクセス可能な締結空間を有することを特徴とする請求項1に記載された着脱可能な増設部屋。
  3. 前記接続枠の前記突き当て接続面にはスペーサが配置されていることを特徴とする請求項1または2の何れかの請求項に記載された着脱可能な増設部屋。
  4. 前記床と、側壁と、屋根の少なくとも一部に断熱材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一の請求項に記載された着脱可能な増設部屋。
  5. 前記側壁には電気ソケットが設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一の請求項に記載された着脱可能な増設部屋。
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