JP2019095660A - 光学フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
式(1):S1<0<S2
式(2):|S1/S2|<3.0
[2] 前記有機微粒子の平均粒子径は、0.04〜2μmである、[1]に記載の光学フィルム。
[3] 前記有機微粒子は、(メタ)アクリル系単量体由来の構造単位とスチレン系単量体由来の構造単位とを含む重合体を含む、[1]または[2]に記載の光学フィルム。
[4] 前記高沸点溶媒の含有量は、光学フィルムの全質量に対して0.01〜1質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学フィルム。
[6] 液晶セルと、前記液晶セルの一方の面に配置された第1偏光板と、前記液晶セルの他方の面に配置された第2偏光板とを含み、前記第1偏光板は、第1偏光子と、前記第1偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF1と、前記第1偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF2とを含み、前記第2偏光板は、第2偏光子と、前記第2偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF3と、前記第2偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF4とを含み、前記保護フィルムF1、F2、F3およびF4のうち少なくとも一つが、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルムである、液晶表示装置。
[7] 前記液晶セルは、VAモードの液晶セルである、[6]に記載の液晶表示装置。
式(1):S1<0<S2
式(2):|S1/S2|<3.0
S1:収縮率が最大となる第1方向における光学フィルムの伸び量(μm)
S2:第1方向と直交する第2方向における光学フィルムの伸び量(μm)
本発明の光学フィルムは、シクロオレフィン系樹脂と、有機微粒子と、高沸点溶媒とを含む。
シクロオレフィン系樹脂は、下記一般式(A−1)または(A−2)で表されるシクロオレフィンモノマーの単独重合体または共重合体であることが好ましい。
(1)一般式(A−1)または(A−2)で表されるシクロオレフィンモノマーの開環重合体
(2)一般式(A−1)または(A−2)で表されるシクロオレフィンモノマーと共重合性モノマーとの開環共重合体
(3)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体
(4)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体
(5)一般式(A−1)または(A−2)で表されるシクロオレフィンモノマーと不飽和二重結合含有化合物との共重合体
(6)一般式(A−1)または(A−2)で表されるシクロオレフィンモノマーの付加型(共)重合体及びその水素添加(共)重合体
(7)一般式(A−1)または(A−2)で表されるシクロオレフィンモノマーとメタクリレート、又はアクリレートとの交互共重合体
有機微粒子は、光学フィルムに滑り性を付与する機能を有する。有機微粒子を構成する樹脂の例には、(メタ)アクリル酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、不飽和ニトリル類、不飽和モノマー類、および不飽和カルボン酸類からなる群より選ばれる1以上に由来する構造単位を含む重合体や、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフィドなどが含まれる。なお、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
・単量体混合物を水性媒体に分散させた後、重合させる1段重合法、
・単量体を水性媒体中で重合させることで種粒子を得た後、単量体混合物を種粒子に吸収させた後、重合させる2段重合法、
・2段重合法の種粒子を製造する工程を繰り返す多段重合法
などが挙げられる。これらの重合法は、重合体粒子の所望する平均粒子径に応じて適宜選択できる。なお、種粒子を製造するための単量体は、特に限定されず、重合体粒子用の単量体をいずれも使用できる。
高沸点溶媒は、溶液製膜法による光学フィルムの製造工程で用いられるドープに含まれる溶媒に由来するものである。高沸点溶媒は、光学フィルムに微量残存している。
光学フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分の例には、紫外線吸収剤や酸化防止剤などが含まれる。
(熱機械分析)
光学フィルムは、熱機械分析測定において、光学フィルムの収縮率が最大となる第1方向における光学フィルムの伸び量をS1(μm)、第1方向と直交する第2方向における光学フィルムの伸び量をS2(μm)としたとき、下記式(1)および(2)を満たすことが好ましい。
式(1):S1<0<S2
式(2):|S1/S2|<3.0
光学フィルムのヘイズは、4.0%以下であることが好ましく、2.0%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。ヘイズは、試料40mm×80nmを25℃、60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定することができる。
光学フィルムが、たとえばVAモード用の位相差フィルムとして用いられる場合、測定波長550nm、23℃55%RHの環境下で測定される面内方向の位相差Roは、20〜120nmであることが好ましく、30〜100nmであることがより好ましい。光学フィルムの厚み方向の位相差Rtは、70〜350nmであることが好ましく、100〜320nmであることがより好ましい。
式(2a):Ro=(nx−ny)×d
式(2b):Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、
nxは、光学フィルムの面内遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率を表し、
nyは、光学フィルムの面内遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、
nzは、光学フィルムの厚み方向の屈折率を表し、
dは、光学フィルムの厚み(nm)を表す。)
1)光学フィルムを23℃55%RHの環境下で24時間調湿する。この光学フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定し、厚みdを市販のマイクロメーターを用いて測定する。
2)調湿後の光学フィルムの、測定波長550nmにおけるリターデーションRo及びRtを、それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定する。
光学フィルムの厚みは、例えば5〜100μm、好ましくは5〜40μmとしうる。
本発明の光学フィルムは、溶液製膜法(キャスト法)で製造されることが好ましい。
シクロオレフィン系樹脂と、有機微粒子とを溶媒に溶解させて、ドープを調製する。
得られたドープを、金属支持体上に流延する。ドープの流延は、流延ダイから吐出させて行うことができる。
ドープの残留溶媒量(質量%)=(ドープの加熱処理前質量-ドープの加熱処理後質量)/ドープの加熱処理後質量×100
尚、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、120℃60分の加熱処理をいう。
得られた膜状物を、少なくとも互いに直交する二方向に延伸(二軸延伸)する。延伸方向は、膜状物の幅方向(TD方向)と、それと直交する搬送方向(MD方向)であることが好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子と、本発明の光学フィルムとを含む。本発明の光学フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面(少なくとも液晶セルと対向する面)に配置されていることが好ましい。偏光子と光学フィルムとは、接着剤層を介して接着されている。
偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、ポリビニルアルコール系偏光フィルムである。ポリビニルアルコール系偏光フィルムには、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものとがある。
本発明の光学フィルムが偏光子の一方の面のみに配置されている場合、偏光子の他方の面には、他の光学フィルムが配置されうる。他の光学フィルムの例には、市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタックKC8UX、KC5UX、KC4UX、KC8UCR3、KC4SR、KC4BR、KC4CR、KC4DR、KC4FR、KC4KR、KC8UY、KC6UY、KC4UY、KC4UE、KC8UE、KC8UY−HA、KC2UA、KC4UA、KC6UAKC、2UAH、KC4UAH、KC6UAH、以上コニカミノルタ(株)製、フジタックT40UZ、フジタックT60UZ、フジタックT80UZ、フジタックTD80UL、フジタックTD60UL、フジタックTD40UL、フジタックR02、フジタックR06、以上富士フイルム(株)製)などが含まれる。
本発明の偏光板は、偏光子と本発明の光学フィルムとを接着剤を介して貼り合わせて得ることができる。接着剤は、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(水糊)や活性エネルギー線硬化性接着剤でありうる。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、液晶セルの一方の面に配置された第1偏光板と、液晶セルの他方の面に配置された第2偏光板とを含む。第1および第2偏光板のうち一方または両方が、本発明の偏光板である。
1−1.シクロオレフィン系樹脂
ARTON−G7810(JSR社製):シクロオレフィン系樹脂(式(A−2)で表される単量体と他の単量体の共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量=140000)
微粒子1:下記製造例1で製造した重合体粒子
[製造例1]
(種粒子の製造)
攪拌機、温度計を備えた重合器に、脱イオン水1000gを入れ、そこへメタクリル酸メチル200g、t−ドデシルメルカプタン6gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃まで加温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム1gを溶解した脱イオン水20gを添加した後、10時間重合させた。得られたエマルジョン中の重合体粒子の平均粒子径は、0.44μmであった。
攪拌機、温度計を備えた重合器に、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸アンモニウム3gを溶解した脱イオン水800gを入れ、そこへ単量体混合物としてアクリル酸メチル144g、スチレン22g及びエチレングリコールジメタクリレート34gと、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1gとの混合液を入れた。次いで、混合液をT.Kホモミキサー(特殊機化工業社製)にて攪拌して、分散液を得た。
冷却後、得られたスラリーにスノーテックスO−40(日産化学工業社製:コロイダルシリカ(無機粉末)として固形分40%、粒子径:0.02−0.03μm)50gを加え、T.Kホモミキサー(特殊機化工業社製)にて10分間攪拌した。このスラリーを噴霧乾燥機としての坂本技研社製のスプレードライヤー(型式:アトマイザーテイクアップ方式、型番:TRS−3WK)で次の条件下にて噴霧乾燥して重合体粒子集合体を得た。重合体粒子集合体の平均粒子径は、30μmであった。
供給速度:25ml/min
アトマイザー回転数:11000rpm
風量:2m3/min
噴霧乾燥機のスラリー入口温度:130℃
重合体粒子集合体出口温度:70℃
[製造例2〜5]
重合体粒子の平均粒子径が表1に示されるような値となるように、重合条件を調整した以外は有機微粒子1と同様にして重合体粒子およびその集合体を製造した。
微粒子7:ポリフェニレンスルフィド粒子(東レ社製トレパールPPS)
微粒子8:シリカ粒子(CIKナノテック社製SiO2)
得られた分散液中の微粒子の分散粒径を、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子株式会社製 ELSZ−1000Z)で測定した。なお、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子株式会社製 ELSZ−1000Z)用いて測定される有機微粒子の平均粒子径は、光学フィルムをTEM観察して測定される微粒子の平均粒子径とほぼ一致するものである。
トルエン(沸点:110℃)
メタクリル酸メチル(沸点:104℃)
メタノール(沸点:64℃)
メチレンクロライド(沸点:40℃)
<光学フィルム101の製造>
(微粒子分散液1の調製)
1.0質量部の微粒子1と、100質量部のメチレンクロライドとを、ディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散して、微粒子分散液1を得た。
次いで、下記組成の主ドープ1を調製した。まず、加圧溶解タンクにメチレンクロライド、エタノールおよびトルエンを添加した。次いで、加圧溶解タンクに、シクロオレフィン系樹脂としてARTON−G7810を撹拌しながら投入した。次いで、上記調製した微粒子分散液1を投入して、これを60℃に加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。加熱温度は、室温から5℃/minで昇温し、30分間で溶解した後、3℃/minで降温した。
得られた溶液の粘度は、7000cpであり、含水率は0.50%であった。これを、(株)ロキテクノ製のSHP150を使用して、濾過流量300L/m2・h、濾圧1.0×106Paにて濾過し、主ドープ1を得た。
シクロオレフィン系樹脂ARTON−G7810:100質量部
メチレンクロライド:270質量部
エタノール:20質量部
トルエン(高沸点溶媒):0.01質量部
微粒子分散液1:30質量部
次いで、無端ベルト流延装置を用い、主ドープ1を温度31℃、1800mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は28℃に制御した。ステンレスベルトの搬送速度は20m/minとした。
残留溶媒量が表2に示される値となるように、乾燥条件を変更した以外は光学フィルム101と同様にして光学フィルム102〜103を得た。
有機微粒子1を表2に示されるものに変更した以外は光学フィルム101と同様にして光学フィルム104〜109を得た。
主ドープ1の溶媒組成を、トルエン0.01質量部からメタクリル酸メチル(沸点101℃)0.02質量部に変更した以外は光学フィルム101と同様にして光学フィルム110を得た。
主ドープ1の溶媒組成を、トルエンを添加しなかった以外は光学フィルム101と同様にして光学フィルム111を得た。
主ドープ1の溶媒組成を、トルエン0.01質量部から、メタノール(沸点64℃)0.02質量部に変更した以外は光学フィルム101と同様にして光学フィルム112を得た。
有機微粒子を添加しなかった以外は光学フィルム101と同様にして光学フィルム113を得た。
延伸を行わなかった以外は光学フィルム106と同様にして光学フィルム114を得た。
幅方向のみに1.5倍延伸した以外は光学フィルム106と同様にして光学フィルム115を得た。
有機微粒子1と高沸点溶媒を添加しなかった以外は光学フィルム101と同様にして光学フィルム116を得た。
有機微粒子1を微粒子8に変更した以外は光学フィルム105と同様にして光学フィルム117を得た。
光学フィルム中の溶媒含有量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより定量した。ヘッドスペースガスクロマトグラフィー測定は、以下の条件で行った。
(条件)
ヘッドスペース装置:HP7694 Head Space Sampler(ヒューレットパッカード社製)
温度条件:トランスファーライン200℃、ループ温度200℃
サンプル量:0.8g/20mlバイアル
GC:HP5890(ヒューレットパッカード社製)
MS:HP5971(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−624(30m×内径0.25mm)
オーブン温度:初期温度40℃(保持時間3分)、昇温速度10℃/分、到達温度200℃(保持時間5分)
そして、光学フィルムに残留する溶媒(残留溶媒)の組成を分析した。そして、残留溶媒を構成する溶媒のうち沸点が90℃以上の高沸点溶媒の種類と含有量を特定し、表2に記載した。
光学フィルムの熱機械測定は、(株)日立ハイテクサイエンス製TMA7100を用いて測定した。
具体的には、光学フィルムを1.0mm×10.0mmの大きさにカットし、試料片とした。そして、試料片を(株)日立ハイテクサイエンス製TMA7100にセットし、変動長さの測定方向に一定の引張り荷重を加えた状態で、23℃から10℃/minで150℃まで昇温し、5分間保持した後、150℃から23℃まで20℃/minで降温させた(First Scan)。次いで、23℃を10分間保持した後、180℃まで10℃/minで昇温し、180℃の状態を10分間保持した(Second Scan)。
そして、Second Scanのデータに基づいて、180℃に保持した状態で、試料片中で収縮率が最大となる方向(第1方向)の変動長さ(伸び量)をS1(μm)とし、収縮率が最大となる方向(第1方向)と直交する方向(第2方向)の変動長さ(伸び量)をS2(μm)とした。
なお、試料片中で収縮率が最大となる方向(第1方向)は、別途、準備した試料片について、面内の任意の複数の方向について、180℃に保持した状態での収縮率を測定し、このうち収縮率が最大となる方向を、第1方向と設定した。収縮率が最大となる方向(第1方向)の測定における測定条件(昇温速度、保持時間、保持温度)は、S1やS2の測定における測定条件と同様とした。
実施例1の光学フィルムのRo及びRtを、以下の方法で測定した。
1)光学フィルムを23℃55%RHの環境下で24時間調湿した。この光学フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定し、厚みdを市販のマイクロメーターを用いて測定した。
2)調湿後の光学フィルムの、測定波長550nmにおけるリターデーションRo及びRtを、それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定した。
<偏光子の作製>
厚さ70μmのポリビニルアルコールフィルムを、35℃の水で膨潤させた。得られたフィルムを、ヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g及び水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、さらにヨウ化カリウム3g、ホウ酸7.5g及び水100gからなる45℃の水溶液に浸漬した。得られたフィルムを、延伸温度55℃、延伸倍率5倍の条件で一軸延伸した。この一軸延伸フィルムを、水洗した後、乾燥させて、厚さ20μmの偏光子を得た。
(活性エネルギー線硬化性接着剤の調製)
下記の各成分を混合した後、脱泡して、活性エネルギー線硬化性接着剤を調製した。なお、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートは、50%プロピレンカーボネート溶液として配合し、下記にはトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートの固形分量を表示した。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:45質量部
エポリードGT−301(ダイセル社製の脂環式エポキシ樹脂):40質量部
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル:15質量部
トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート:2.3質量部
9,10−ジブトキシアントラセン:0.1質量部
1,4−ジエトキシナフタレン:2.0質量部
光学フィルム101を、光学フィルム102〜117に変更した以外は偏光板201と同様にして偏光板202〜217を作製した。
偏光板の端部において、偏光子と光学フィルムとの間にカッターの刃先を挿入した。当該挿入部において、偏光子と光学フィルムとを掴み、それぞれ反対方向に引っ張った。
◎:偏光子又は光学フィルムが破断して剥離できず、接着性が非常に良好
○:偏光子と光学フィルムとの間で一部剥離するが、接着性は良好
△:偏光子と光学フィルムとの間で一部剥離し、接着性にやや乏しいが、実用上問題ないレベル
×:偏光子と光学フィルムとの間で全部剥離し、接着性に乏しく、実用上問題となるレベル
△以上であれば、良好と判断した。
<液晶表示装置301の作製>
上記作製した偏光板の特性を評価するため、VAモードのSONY製40型の液晶ディスプレイ(BRAVIA X1)の液晶セルの観察者側の面(前面)と光源側の面(背面)とに貼付している偏光板をそれぞれ剥がした。そして、得られた液晶セルの光源側の面(背面)と観察側の面(前面)に、それぞれ上記作製した偏光板を、アクリル系透明粘着剤を用いて貼り合わせて、液晶表示装置301を作製した。偏光板の貼り合わせは、貼り合わせ後の偏光板の透過軸が、元々貼り合わせされていた偏光板の透過軸と一致するように行った。偏光板の貼り付けは、本発明の光学フィルムが液晶セルと接するように(F2またはF3となるように)行った。
偏光板201を、偏光板202〜217に変更した以外は液晶表示装置301と同様にして液晶表示装置302〜317を作製した。
23℃55%RHの環境で、各々の液晶表示装置のバックライトを1週間連続して点灯した後、ELDIM社製EZ−Contrast160Dを用い、液晶表示装置における白表示と黒表示とで、表示画面の法線方向からの輝度を測定し、その比を正面コントラストとした。すなわち、
正面コントラスト(%)={(表示装置の法線方向から測定した白表示の輝度)
/(表示装置の法線方向から測定した黒表示の輝度)}×100
である。そして、液晶表示装置の任意の5点の正面コントラストを測定し、以下の基準に基づいて、正面コントラストのムラを表示ムラとして評価した。
◎:正面コントラストが0%以上3%未満のばらつきであり、ムラが小さく、実用上問題のないレベルである。
○:正面コントラストが3%以上5%未満のばらつきであり、ムラが小さく、実用上問題のないレベルである。
△:正面コントラストが5%以上10%未満のばらつきであり、ムラがややあるが、実用上問題のないレベルである。
×:正面コントラストが10%以上のばらつきであり、ムラが大きく、実用上問題がある。
△以上であれば、良好と判断した。
なお、表2では、偏光板201〜217および液晶表示装置301〜317の表記は省略する。
30 液晶セル
50 第1偏光板
51 第1偏光子
53 保護フィルム(F1)
55 保護フィルム(F2)
70 第2偏光板
71 第2偏光子
73 保護フィルム(F3)
75 保護フィルム(F4)
90 バックライト
Claims (8)
- シクロオレフィン系樹脂と、有機微粒子と、沸点が90℃以上の高沸点溶媒とを含む光学フィルムであって、
熱機械分析測定において、23℃から180℃まで10℃/minで昇温し、180℃で10分間保持したときに、前記光学フィルムの収縮率が最大となる第1方向における前記光学フィルムの伸び量をS1(μm)、前記第1方向と直交する第2方向における前記光学フィルムの伸び量をS2(μm)としたとき、下記式(1)および(2)を満たす、光学フィルム。
式(1):S1<0<S2
式(2):|S1/S2|<3.0 - 前記有機微粒子の平均粒子径は、0.04〜2μmである、請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記有機微粒子は、(メタ)アクリル系単量体由来の構造単位とスチレン系単量体由来の構造単位とを含む重合体を含む、請求項1または2に記載の光学フィルム。
- 前記高沸点溶媒の含有量は、光学フィルムの全質量に対して0.01〜1質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルムとを含む、偏光板。
- 液晶セルと、前記液晶セルの一方の面に配置された第1偏光板と、前記液晶セルの他方の面に配置された第2偏光板とを含み、
前記第1偏光板は、第1偏光子と、前記第1偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF1と、前記第1偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF2とを含み、
前記第2偏光板は、第2偏光子と、前記第2偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF3と、前記第2偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF4とを含み、
前記保護フィルムF1、F2、F3およびF4のうち少なくとも一つが、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルムである、液晶表示装置。 - 前記液晶セルは、VAモードの液晶セルである、請求項6に記載の液晶表示装置。
- シクロオレフィン系樹脂と、有機微粒子と、沸点が90℃以上の高沸点溶媒を含む溶媒とを含むドープを得る工程と、
得られたドープを金属支持体上に流延し、乾燥および剥離して膜状物を得る工程と、
得られた膜状物を、互いに直交する2方向に延伸する工程と、
を含む、光学フィルムの製造方法。
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