JP2019092256A - 電動機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの温度センサの検出温度が正常偏差閾値を超えて乖離しているとき、温度情報処理部が処理に使用する検出温度を適切に選択する電動機制御装置を提供する。【解決手段】電動機制御装置の温度情報処理部は、第1温度センサによる検出温度である第1検出温度(Ts1)、及び、第2温度センサによる検出温度である第2検出温度(Ts2)の少なくとも一方の温度情報を使用して所定の処理を行う。温度情報処理部は、異常判定部により、第1温度センサ及び第2温度センサがいずれも正常と判定された場合、第1検出温度又は第2検出温度のいずれか一方又は両方を使用する。また、第1温度センサ又は第2温度センサのいずれか一方が異常で他方が正常と判定された場合、正常な温度センサの検出温度を使用する。また、正常範囲外と判定された場合、第1検出温度又は第2検出温度のうち予め規定された条件に適合する方の温度を使用する。【選択図】図6

Description

本発明は、電動機の通電を制御する電動機制御装置に関する。
従来、電動機の通電を制御する制御部が搭載された基板の温度を温度センサにより検出し、検出温度に応じて電流制限値等を変更する電動機制御装置が知られている。
例えば特許文献1に記載の装置は、基板上及びヒートシンク上に、2つの温度センサが設けられている。この装置は、温度センサの検出温度を所定の上限値及び下限値と比較することにより、温度センサの上限値故障及び下限値故障を判定する。また、この装置は、電動機に流れる電流から推定した推定温度が上昇しているとき、検出温度の変化と推定温度の変化とを比較することにより、温度センサの固着故障を判定する。
特開2004−82757号公報
特許文献1の装置は、各温度センサの故障を個別に判定するものである。しかし、個別の判定では各温度センサが異常と判定されなくても、2つの温度センサの検出温度に所定温度差を超える乖離が生じる場合がある。このような場合、少なくとも一方の温度センサが異常であると考えられるが、いずれの温度センサが異常であるのかは不明である。
温度センサの検出温度は、例えば温度情報処理部が所定の処理を行うための温度情報として使用される。仮に異常な温度センサの検出温度が使用されると、温度情報処理部による処理に誤りが生じるおそれがある。ここで本明細書では、「2つの温度センサの検出温度が正常偏差閾値を超えて乖離しており、且つ、いずれの温度センサが異常であるか判別不能な状態」を「正常範囲外」と定義する。特許文献1の従来技術では、2つの温度センサの検出温度が所定温度差を超えて乖離する異常や、正常範囲外の概念について何ら言及されていない。したがって、そのような場合、温度情報処理部が処理に使用する検出温度が適切に選択されず、温度情報処理部による処理の信頼性が低下するという問題がある。
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、2つの温度センサの検出温度が正常偏差閾値を超えて乖離しているとき、温度情報処理部が処理に使用する検出温度を適切に選択する電動機制御装置を提供することにある。
電動機(80)の通電を制御する本発明の電動機制御装置は、基板(11)と、基板に搭載された複数のスイッチング素子(61〜66)、駆動回路IC(50)、及び制御回路IC(40)と、第1温度センサ及び第2温度センサ(121、122、14、15、16、18)と、温度情報処理部(35)と、異常判定部(34)と、を備える。
基板は、通電時の発熱をヒートシンク(20)に放熱可能に設置されている。複数のスイッチング素子は、電動機に電力供給する電力変換器(60)を構成する。駆動回路ICは、複数のスイッチング素子に駆動信号を出力するプリドライバ(51)を有する。制御回路ICは、電動機に対する出力指令に基づきプリドライバへの指令信号を演算する電流制御部(41)を有する。
第1温度センサ及び第2温度センサは、ヒートシンク、制御回路IC、駆動回路IC、スイッチング素子及び電動機のうち、いずれか1箇所又は2箇所の温度を検出する。温度情報処理部は、第1温度センサによる検出温度である第1検出温度(Ts1)、及び、第2温度センサによる検出温度である第2検出温度(Ts2)の少なくとも一方の温度情報を用いて所定の処理を行う。温度センサの出力、又は当該出力から変換された検出温度を「検出温度相当量」とすると、異常判定部は、第1温度センサ及び第2温度センサの検出温度相当量に基づき、温度センサの異常状態を判定する。
ここで、「第1温度センサ及び第2温度センサの検出温度相当量の差の絶対値である温度偏差(ΔTs)が正常偏差閾値(ΔthO)を超えており、且つ、いずれの温度センサが異常であるか判別不能な状態」を「正常範囲外」と定義する。
温度情報処理部は、異常判定部により、第1温度センサ及び第2温度センサがいずれも正常と判定された場合、第1検出温度又は第2検出温度のいずれか一方又は両方を使用する。また、温度情報処理部は、異常判定部により、第1温度センサ又は第2温度センサのいずれか一方が異常で他方が正常と判定された場合、正常な温度センサの検出温度を使用する。また、温度情報処理部は、異常判定部により、第1温度センサ及び第2温度センサが正常範囲外と判定された場合、第1検出温度又は第2検出温度のうち予め規定された条件に適合する方の温度を使用する。例えば温度情報処理部は、第1検出温度又は第2検出温度のうち高い方の温度を使用する。
これにより本発明では、2つの温度センサが正常範囲外にあるときでも、温度情報処理部は、予め規定された条件に従って、温度情報処理部が使用する検出温度を適切に選択することができる。
第1実施形態による電動機制御装置の全体構成図。 温度センサが(a)基板上、(b)ICパッケージ内部に設置される構成を示す模式図。 第1実施形態による電動機制御装置の全体的な制御ブロック図。 評価箇所の推定温度と電流制限値との関係を示すマップ。 複数の評価箇所推定温度毎に設定された複数の電流制限値の最小値を用いて電流指令値を制限する構成図。 第1実施形態による温度センサ異常状態判定処理の全体フローチャート。 (a)正常、(b)Hi固着異常、(c)Lo固着異常のタイムチャート。 Hi/Lo張り付き判定のフローチャート。 変化量過大異常のタイムチャート。 第1実施形態による変化量過大判定(A)のフローチャート。 中間固着異常のタイムチャート。 第1実施形態による中間値固着判定(A)のフローチャート。 中間オフセット異常のタイムチャート。 中間オフセット判定のフローチャート。 第2実施形態による電動機制御装置の全体構成図。 第2実施形態による温度センサ異常状態判定処理の全体フローチャート。 図16のS86Bの使用温度選択処理のサブフローチャート。 第2実施形態による中間値固着判定(B)のフローチャート。 第3実施形態による変化量過大判定(B)のフローチャート。 第4実施形態による変化量過大判定(C)のフローチャート。 第5実施形態による変化量過大判定(D)のフローチャート。 図21の最大値/最小値更新処理のサブフローチャート。
以下、電動機制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において同一の構成、及びフローチャートの実質的に同一のステップには、同一の符号又は同一のステップ番号を付して説明を省略する。本実施形態の電動機制御装置は、車両の電動パワーステアリングシステムにおいて、運転者の操舵を補助する操舵アシストモータとして使用される三相交流電動機の通電を制御する。
(第1実施形態)
第1実施形態の電動機制御装置について、図1〜図14を参照して説明する。ここで、特開2017−73898号公報を「特許文献2」と称する。なお、特許文献2は「背景技術」の欄には記載せず、実施形態の説明でのみ引用される。本実施形態の図1は、特許文献2の図1に対し一部の構成を追加したものである。また、図2〜図4は特許文献2の図2〜図4に対応し、図5は特許文献2の図8に対応する。特許文献2と共通する内容については適宜説明を省略する。
電動機制御装置101は、基本的に、基板11に搭載された電子部品により構成されている。つまり、バッテリBT、電動機80及びヒートシンク20は電動機制御装置101に含まれない。電動機制御装置101は、制御回路IC40、駆動回路IC50、「電力変換器」としてのインバータ60を構成する複数のスイッチング素子61〜66、及び、少なくとも2つの温度センサを備える。また、電動機制御装置101は、異常判定部34、及び、「温度情報処理部」としての評価箇所温度推定部35を備える。異常判定部34及び評価箇所温度推定部35は、例えば制御回路IC40に含まれてもよく、又は、制御回路IC40とは別のIC内に構成されてもよい。
制御回路IC40及び駆動回路IC50は、ICパッケージの形態で基板11に搭載されている。制御回路IC40は、電動機80に対するトルク指令に基づいて通電に係る指令信号を演算する電流制御部41を有する。制御回路IC40は、典型的にはマイコンで構成される。駆動回路IC50は、電流制御部41が演算した指令信号に基づいてインバータ60の複数のスイッチング素子61〜66に駆動信号を出力するプリドライバ51を有する。駆動回路IC50は、例えば、カスタム化されたASICの形態で用いられる。
インバータ60は、基板11に搭載された6個のスイッチング素子61〜66がブリッジ接続されている。インバータ60の入力部には、バッテリBTから印加電圧Vinvが印加される。インバータ60は、プリドライバ51からの駆動信号に従って各相のスイッチング素子61〜66が動作することにより直流電力を交流電力に変換し、各相巻線81、82、83に相電流Iu、Iv、Iwを供給する。これにより、電動機80は、トルク指令に応じたトルクを出力するように駆動される。
各相の低電位側スイッチング素子64、65、66とグランドとの間には相電流Iu、Iv、Iwを検出するシャント抵抗71、72、73が設けられている。各シャント抵抗71、72、73をまとめて電流センサ70と記す。電流センサ70は、インバータ60から巻線81、82、83への電流経路に設けられてもよい。また、固定座標系の相電流Iu、Iv、Iw、及び回転座標系のdq軸電流Id、Iqを含み、電動機80に流れる電流を広く包括して「電動機電流Im」という。
インバータ60のスイッチング動作による電動機80への通電に伴って、特にスイッチング素子61〜66や基板11上のパワー電流経路が発熱する。発生した熱は基板11を伝わり、制御回路IC40や駆動回路IC50の温度も上昇する。発熱が過大となると、スイッチング素子61〜66をはじめとする電子素子が故障するおそれがある。そこで、基板11は、通電時の発熱をアルミニウム筐体等のヒートシンク20に放熱可能に設置されている。例えば、基板11のグランド経路がヒートシンク20に接触するように取り付けられている。
「温度情報処理部」としての評価箇所温度推定部35は、基板11に設置された2つの温度センサの検出温度のうち少なくとも一方の温度情報を使用して所定の処理を行う。以下、評価箇所温度推定部35の処理に使用される検出温度を出力する2つの温度センサを「第1温度センサ」及び「第2温度センサ」という。また、第1温度センサの検出温度を「第1検出温度Ts1」、第2温度センサの検出温度を「第2検出温度Ts2」と記す。
第1温度センサ及び第2温度センサの設置例として、図1には、基板11の数箇所に、複数の温度センサ121、122、14、15、16、18が図示されている。これらの温度センサが全て基板11に設置されるわけではなく、数箇所のうちいずれか1箇所又は2箇所に2つの温度センサが設置されればよい。2つの温度センサは、異なる2箇所に設置されてもよいし、温度センサ121、122のように同一箇所に並べて設置されてもよい。温度センサは、典型的にはサーミスタで構成される。
各箇所に設置される温度センサの役割及び設置形態について順に説明する。温度センサ121、122は、ヒートシンク20の温度Thsを検出する。図1の例では、ヒートシンク20に当接する基板11上のグランド経路部分に温度センサ121、122が設置される。温度センサ14は、制御回路IC40の温度Tconを検出する。温度センサ15は、駆動回路IC50の温度Tdrを検出する。
ここで、駆動回路IC50を代表として図2(a)に示すように、温度センサ15は、駆動回路IC50のリード部59付近における基板11上に設置されてもよい。また、図2(b)に示すように、ICパッケージ内部に設けると、基板11に曲げ応力が作用したとき等に温度センサ15が脱落することを防止することができる。したがって、温度センサ14及び温度センサ15は、ICパッケージ内部に設けられる方が好ましい。
温度センサ16は、スイッチング素子61〜66の温度Tswを検出する。各相上下アームのスイッチング発熱が同等と仮定すると、例えば温度センサ16は、いずれか代表のスイッチング素子の近辺に設置される。例えば複数のスイッチング素子61〜66がモジュール化されICパッケージに埋め込まれている形態では、温度センサ16はICパッケージ内部に設けられることが好ましい。また、スイッチング素子の内部に感温ダイオードを有する形態では、感温ダイオードを温度センサとして使用してもよい。温度センサ18は、電動機80の温度Tmを検出する。図1の例では、各相巻線81、82、83に接続される基板11上の電流経路の近辺に温度センサ18が設置される。
以上のように、第1温度センサ及び第2温度センサは、ヒートシンク20、基板11、制御回路IC40、駆動回路IC50、スイッチング素子61〜66及び電動機80のうち、いずれか1箇所又は2箇所の温度を検出する。ただし、第1温度センサ及び第2温度センサの少なくとも一方は、ヒートシンク20に当接する基板11上に設けられることが好ましい。
図1では、ヒートシンク20の温度Thsを検出する温度センサ121、122を第1温度センサ及び第2温度センサと仮定し、第1検出温度Ts1及び第2検出温度Ts2が異常判定部34及び評価箇所温度推定部35へ入力されるように図示している。なお、他の箇所に温度センサ14、15、16、18が設置される場合、二点鎖線で示すように、各温度センサの検出温度は、選択的に異常判定部34及び評価箇所温度推定部35に入力される。
評価箇所温度推定部35は、少なくとも一方の検出温度Ts1、Ts2及び電動機電流Imを用いて行う所定の処理として、1箇所以上の「評価箇所」の温度Txを推定する。評価箇所は、ヒートシンク20、制御回路IC40、駆動回路IC50、スイッチング素子61〜66、及び電動機80のうちから選択される。図1には、評価箇所として電動機80の温度を推定する例を示す。
具体的に評価箇所温度推定部35は、電動機電流Imの二乗積算値に基づいて評価箇所の上昇温度を推定し、取得した検出温度に加算する。また、評価箇所温度推定部35は、通電時における発熱部からの距離や放熱特性の違い、通電停止からの経過時間等に応じた補正を行って評価箇所の温度Txを推定する。評価箇所温度推定部35が推定した推定温度Tx_estは電流制御部41に出力される。なお、上昇温度の推定では、電流センサ70が検出した電動機電流Imを用いる構成に限らず、例えば電動機電流Imと相関するインバータ印加電圧Vinvに基づいて上昇温度を推定してもよい。「電動機に流れる電流に基づいて推定する」には、このような場合が含まれるものと解釈する。
次に図3を参照し、電動機制御装置101の全体的な制御構成について説明する。電流制御部41は、電流指令値演算部42、電流制限値演算部43、電流指令値制限部45、減算器46、制御器47等を有する。電流指令値演算部42は、「電動機80に対する出力指令」であるトルク指令trq*に基づいて電流指令値I*を演算する。
電流制限値演算部43は、評価箇所温度推定部35が推定した評価箇所の推定温度Tx_estに基づいて、電流指令値I*に対する電流制限値ILIMを演算する。例えば図4に示すような推定温度Tx_estと電流制限値ILIMとの関係を規定したマップが用いられる。電流制御部41は、推定温度Tx_estが低温側温度αから高温側温度βまでの範囲において、推定温度Tx_estが高いほど、電流制限値ILIMを低く設定する。例えば推定温度Tx_estが温度α以下のとき、低温用の電流制限値ILIM_Lを設定し、推定温度Tx_estが温度β以上のとき、高温用の電流制限値ILIM_Hを設定する。
このマップによると、評価箇所の推定温度Tx_estが温度α以下のとき、素子の耐熱性に影響を及ぼさないと判断し、電流指令値I*をなるべく制限しないで電動機80の出力を向上させる。一方、評価箇所の推定温度Tx_estが温度αを超えたとき、素子の耐熱性に影響を及ぼす可能性があると判断し、電流指令値I*を低く制限して素子の故障を防止する。ただし、電流制限値ILIMをゼロ付近まで低下させると、実質的に電動機80の駆動が停止することになる。本実施形態では、たとえ低出力でも電動機80の駆動を継続することを優先し、評価箇所の推定温度Tx_estが温度β以上のとき、必要最小限の電流制限値ILIM_Hを設定する。
電流指令値制限部45は、電流制限値ILIMにより電流指令値I*を制限し、制限後の電流指令値I**を出力する。減算器46は、電流センサ70が検出した電動機電流Imと制限後電流指令値I**との電流偏差ΔIを算出する。制御器47は、電流偏差ΔIをゼロに近づけるように、PI制御演算等により電圧指令等の指令信号を演算する。こうして電流制御部41が演算した指令信号は、プリドライバ51に出力される。
次に図5を参照し、評価箇所温度推定部35が複数の評価箇所の温度を推定する構成について説明する。評価箇所温度推定部35は、3箇所の評価箇所(1)、(2)、(3)の温度を推定する評価箇所温度推定部351、352、353を含む。電流制御部41は、図3の電流制限値演算部43と電流指令値制限部45との間に、さらにMIN選択部44を含む。
各評価箇所温度推定部351、352、353は、異常判定部34による温度センサ異常判定の結果、使用することが判定された第1検出温度Ts1又は第2検出温度Ts2、及び電動機電流Imを共通に取得する。そして、各評価箇所温度推定部351、352、353は、これらの情報に基づき、各評価箇所(1)、(2)、(3)の温度Tx_est1、Tx_est2、Tx_est3を推定する。
電流制御部41の電流制限値演算部43は、評価箇所温度推定部351、352、353に対応する電流制限値演算部431、432、433を含む。各電流制限値演算部431、432、433は、マップ等により、推定温度Tx_est1、Tx_est2、Tx_est3に対応する電流制限値ILIM1、ILIM2、ILIM3を設定し、MIN選択部44に出力する。このとき、評価箇所毎に異なるマップを用いてもよい。MIN選択部44は、電流制限値ILIM1、ILIM2、ILIM3のうち最小値ILIM_MINを選択し、電流制限値演算部45に出力する。電流制限値演算部45は、電流制限値の最小値ILIM_MINにより、電流指令値I*を制限する。
複数の評価箇所の推定温度に基づいて電流指令値I*を制限することで、電動機駆動システムの各部分の温度情報を、くまなく、通電に伴う発熱の抑制に反映させることができる。また、フェイルセーフを優先する観点から、電流制限値の最小値ILIM_MINにより電流指令値I*を制限するため、発熱による素子の故障をより適切に防止することができる。
ところで、評価箇所温度推定部35が実行する処理の信頼性が確保されるためには、第1温度センサ及び第2温度センサが正常であることが前提となる。そこで、異常判定部34は、2つの温度センサの検出温度Ts1、Ts2等に基づき、第1温度センサ及び第2温度センサの異常を判定する。そして、異常判定部34が判定した温度センサ異常状態に基づいて、検出温度Ts1、Ts2のうち、評価箇所温度推定部35が処理に使用する温度が選択される。異常判定部34による異常判定の詳細については後述する。
次に図6を参照し、異常判定部34が温度センサ異常状態を判定する全体フローについて説明する。本実施形態では、Hi/Lo張り付き判定、変化量過大判定、及び、中間値固着判定により温度センサ異常状態が判定される。温度センサ異常状態としては、(1)第1、第2温度センサの両方とも正常、(2)第1温度センサ異常、(3)第2温度センサ異常、(4)第1、第2温度センサの両方とも異常、(5)正常範囲外、の5つのモードが定義される。
ここで「正常範囲外」とは、第1検出温度Ts1と第2検出温度Ts2とが正常偏差閾値を超えて乖離しており、且つ、いずれの温度センサが異常であるか判別不能な状態をいう。図6の例では、中間値固着判定において、正常範囲外と判定される場合がある。その他、後述する中間オフセット判定等においても正常範囲外と判断される場合がある。
例えば特許文献1(特開2004−82757号公報)に開示された従来技術では、2つの温度センサの故障が個別に判定される。しかしこの従来技術では、2つの温度センサが個別には異常と判定されないが、2つの温度センサの検出温度が正常偏差閾値を超えて乖離する異常について言及されていない。それに対し本実施形態は、2つの温度センサの検出温度が正常偏差閾値を超えて乖離する場合を含めて、温度センサの異常状態をより広範囲に判定する。そして、「温度情報処理部」としての評価箇所温度推定部35が処理に使用する検出温度をより適切に選択可能とすることを目的とするものである。
図6以下のフローチャートの説明において記号「S」はステップを表す。また、図6のS20、S30、S60は、それぞれ後述のフローチャートに詳細な処理が記載される。そのうち、代替可能な複数の実施例が存在する処理については、ステップ番号の末尾に、A〜Dの記号を付加する。また、図6のS86Aについては、後述の図86Bと代替可能であることを意味する。
異常判定部34は、S20でHi/Lo張り付き判定を実施し、S30で変化量過大判定を実施する。この2つの判定では、温度センサ毎に異常を判定可能である。ここまでのステップで第1、第2温度センサが両方とも正常の場合、S51でYESと判定され、S60に移行する。既に一方又は両方の温度センサが異常と判定された場合、S83に移行する。第2温度センサのみが異常の場合、S83でYESと判定される。第1温度センサのみが異常の場合、S83でNO、S84でYESと判定される。第1、第2温度センサが両方とも異常の場合、S84でNOと判定される。
S60の中間値固着判定では、第1検出温度Ts1と第2検出温度Ts2との温度偏差ΔTs(=|Ts1−Ts2|)が閾値と比較される。温度偏差ΔTsが閾値以下の場合、第1、第2温度センサが両方とも正常であり、S81でYESと判定される。温度偏差ΔTsが閾値を超える場合、S81でNOと判定される。このとき、いずれの温度センサの異常か判別可能である場合にはS82でNOと判定され、S83に移行する。いずれの温度センサの異常か判別不能である場合には「正常範囲外」として、S82でYESと判定される。
異常判定部34による温度センサ異常状態の判定結果に基づき、評価箇所温度推定部35が評価箇所温度を推定する処理に使用する検出温度が選択される。S81でYESと判定された場合、S85で、検出温度Ts1、Ts2の両方又は一方が使用される。両方の検出温度Ts1、Ts2が使用される場合、例えば単純平均値や加重平均値が用いられてもよい。いずれか一方が使用される場合、例えば電流制限値の設定において安全サイドとなる高い方の温度が選択されてもよい。或いは、一方の検出温度を優先して使用するようにしてもよい。
S82でYESと判定された場合、S86Aでは、いずれが正常か不明である2つの温度センサの検出温度Ts1、Ts2のうち高い方の温度が使用される。すなわち、第1実施形態では、高い方の温度が「予め規定された条件に適合する方の温度」に相当する。これにより、電流制御部41において電流制限値が安全サイドに設定される。S83でYESと判定された場合、S87では正常な第1温度センサの検出温度Ts1が使用される。S84でYESと判定された場合、S88では正常な第2温度センサの検出温度Ts2が使用される。S84でNOと判定された場合、S89ではいずれの検出温度も使用されない。この場合、電動機制御装置101は、例えば電動機駆動停止等の異常時処置を行う。
続いて、S20のHi/Lo張り付き判定、S30の変化量過大判定、S60の中間値固着判定の詳細について順に説明する。第1実施形態では各判定について1つずつの実施例を記載し、中間値固着判定の別の実施例については第2実施形態に、変化量過大判定の別の実施例については第3〜第5実施形態に記載する。なお、Hi/Lo張り付き判定については第1実施形態の実施例のみである。
以下の各判定の説明では、例えば閾値と比較される評価量として検出温度Ts1、Ts2そのものが用いられる。ただし、一般に検出温度は温度センサが出力する電圧値が変換された量であり、変換される前の電圧値が評価量として用いられてもよい。そこで、「温度センサの出力、又は当該出力から変換された検出温度」を「検出温度相当量」とする。一般化して表現すると、異常判定部34は、第1温度センサ及び第2温度センサの検出温度相当量に基づき、第1温度センサ及び第2温度センサの異常を判定する。例えば検出温度相当量として電圧値に基づいて判定を行う場合、以下の実施形態中の判定に用いられる「**温度」の用語を、適宜「**温度相当電圧」と読み替えて解釈すればよい。
また、以下の各判定処理は、基本的に所定の判定周期で繰り返し実行される。ここで、温度変化の応答性や制御回路の追従能力等を考慮して、各状態を判定するための判定時間を設定してもよい。なお、各判定のフローチャートに対応する明細書の説明で同様のフレーズが繰り返される箇所では、例えば「下限温度閾値Tth_Lo」を「Tth_Lo」というように、適宜用語の記載を省略し、記号のみで記載する。
Hi/Lo張り付き判定について、図7のタイムチャート及び図8のフローチャートを参照して説明する。図7(a)に示すように、第1温度センサ及び第2温度センサのいずれも正常の場合、第1検出温度Ts1及び第2検出温度Ts2は、下限温度閾値Tth_Loと上限温度閾値Tth_Hiとの間で同じように推移する。第1検出温度Ts1と第2検出温度Ts2とはほぼ等しく、温度偏差ΔTsは0に近い。
図7(b)に示すように、時刻t0に第2温度センサがHi固着した場合、以後、第2検出温度Ts2は上限温度閾値Tth_Hiを上回る。また、図7(c)に示すように、時刻t0に第2温度センサがLo固着した場合、以後、第2検出温度Ts2は下限温度閾値Tth_Loを下回る。これらの場合、異常判定部34は、第2温度センサがHi固着異常又はLo固着異常であると判定する。
図8のS21で、異常判定部34は、第1検出温度Ts1及び第2検出温度Ts2を取得する。S23〜S25では、各検出温度Ts1、Ts2が下限温度閾値Tth_Lo以上、且つ上限温度閾値Tth_Hi以下であるか否か判断される。Ts1、Ts2がいずれも「Tth_Lo以上、且つTth_Hi以下」である場合、S23でYESと判定され、S26で第1、第2温度センサがいずれも正常と判定される。
Ts1が「Tth_Lo以上、Tth_Hi以下」であり、Ts2が「Tth_Loより低い、又はTth_Hiより高い」場合、S23でNO、S24でYESと判定され、S27で第2温度センサが異常と判定される。Ts2が「Tth_Lo以上、Tth_Hi以下」であり、Ts1が「Tth_Loより低い、又はTth_Hiより高い」場合、S24でNO、S25でYESと判定され、S28で第1温度センサが異常と判定される。S25でNOの場合、S29で第1、第2温度センサがいずれも異常と判定される。
次に変化量過大判定について、図9のタイムチャート及び図10のフローチャートを参照して説明する。図9に、各温度センサの検出温度Ts1、Ts2、及びその時間微分値Ts1_dif、Ts2_difを示す。第1検出温度Ts1は、下限温度閾値Tth_Loと上限温度閾値Tth_Hiとの間で正常に推移する。第2検出温度Ts2は、時刻t0以後、高周波波形の異常変動が発生するが、下限温度閾値Tth_Loと上限温度閾値Tth_Hiとの間で変化するため、Hi/Lo張り付き判定では異常検出されない。
そこで、検出温度の微分値、すなわち単位時間当たりの変化量に着目すると、時刻t0以前の正常期間には各検出温度はゆっくり変化するため、微分値Ts1_dif、Ts2_difは0付近で推移する。しかし、時刻t0以後、第2検出温度の微分値Ts2_difは、正側のピ−クが正の微分閾値+Dthを上回り、負側のピークが負の微分閾値−Dthを下回る。このとき異常判定部34は、第2温度センサが変化量過大異常であると判定する。
図10のS31Aで、異常判定部34は、第1、第2検出温度の今回値Ts1(n)、Ts2(n)、及び、N回目(以下、Nは任意の整数)にサンプルした値Ts1(n−N)、Ts2(n−N)を取得する。S32Aでは、各検出温度の時間微分値Ts1_dif、Ts2_difが下式により算出される。
Ts1_dif=Ts1(n)−Ts1(n−N)
Ts2_dif=Ts2(n)−Ts2(n−N)
S33A〜S35Aでは、各微分値の絶対値|Ts1_dif|、|Ts2_dif|が微分閾値Dth以下であるか否か判断される。|Ts1_dif|及び|Ts2_dif|がいずれもDth以下である場合、S33AでYESと判定され、S36で第1、第2温度センサがいずれも正常と判定される。
|Ts1_dif|がDth以下であり、|Ts2_dif|がDthより大きい場合、S33AでNO、S34AでYESと判定され、S37で第2温度センサが異常と判定される。|Ts2_dif|がDth以下であり、|Ts1_dif|がDthより大きい場合、S34AでNO、S35AでYESと判定され、S38で第1温度センサが異常と判定される。S35AでNOの場合、S39で第1、第2温度センサがいずれも異常と判定される。
なお、微分値の絶対値を共通の微分閾値Dthと比較するのでなく、正負の微分値を、それぞれ正の微分閾値+Dth及び負の微分閾値−Dthと比較するようにしてもよい。その場合、微分値が「−Dth以上、且つ+Dth以下」である温度センサが正常であり、微分値が「−Dthより小さい、又は+Dthより大きい」温度センサが異常であると判定される。また、判定時間を設ける場合、微分値がピーク付近となる状態が継続しにくい場合がある。そこで、所定期間において異常判定条件を満たす回数が所定回数以上の場合に異常と判定してもよい。
次に中間値固着判定について、図11のタイムチャート及び図12のフローチャートを参照して説明する。図11に示すように、第1検出温度Ts1は、下限温度閾値Tth_Loと上限温度閾値Tth_Hiとの間で正常に推移する。第2検出温度Ts2は、時刻t0以後、下限温度閾値Tth_Loと上限温度閾値Tth_Hiとの間の中間値で固着する。時刻t0以後、第1検出温度Ts1と第2検出温度Ts2との乖離が大きくなるため、ある時点で温度偏差ΔTsが所定値を超えたとき、いずれかの温度センサが異常であることは判定可能である。しかし、どちらの温度センサが異常であるか判別することはできない。この場合、本実施形態では各検出温度Ts1、Ts2の変化量に着目する。
ここで、各検出温度Ts1、Ts2の乖離の程度を判断するための正常偏差閾値ΔthO及び乖離大閾値ΔthXを定義する。温度偏差ΔTsが正常偏差閾値ΔthO以下の場合、第1温度センサ及び第2温度センサはいずれも正常と判定される。温度偏差ΔTsが正常偏差閾値ΔthOを超える場合、少なくとも一方の温度センサが異常と判定される。乖離大閾値ΔthXは、正常偏差閾値ΔthOより大きい値に設定され、次に述べる温度変化量算出の到達時点を決める値である。また、温度偏差ΔTsが正常偏差閾値ΔthOを超え、且つ、いずれの温度センサの異常であるか判別不能である状態が「正常範囲外」に相当する。
時刻t0以後、温度偏差ΔTsは次第に増加し、時刻t1に正常偏差閾値ΔthOを超えた後、時刻t2に乖離大閾値ΔthXに到達する。ここで、時刻t1を「保持時点」、時刻t2を「到達時点」と定義する。保持時点t1は、温度偏差ΔTsが正常範囲を逸脱する直前の時点であり、また、到達時点t2から遡って1サンプル以上前のサンプル時点である。異常判定部34は、保持時点t1における第1検出温度及び第2検出温度を、それぞれ第1検出温度保持値Ts11及び第2検出温度保持値Ts21として保持する。また、到達時点t2における第1検出温度をTs12、第2検出温度をTs22とする。
保持時点t1から到達時点t2までの各検出温度の温度変化量δTs1、δTs2は下式で表される。なお本明細書では、2つの検出温度Ts1、Ts2間の温度偏差ΔTsに大文字の「Δ」を用い、各検出温度Ts1、Ts2の温度変化量に小文字の「δ」を用いて区別する。
δTs1=Ts12−Ts11
δTs2=Ts22−Ts21
第2温度センサが中間値固着している場合、第2検出温度の温度変化量δTs2≒0となるため、異常判定部34は、第2温度センサが異常であると判別することができる。なお、保持時点t1は、上記の例のように温度偏差ΔTsが正常偏差閾値ΔthOを超える時点に限らず、例えば、到達時点t2から所定時間前、或いは所定サンプル回数前のサンプル時点に設定されてもよい。
異常判定部34は、図12のS61Aで第1検出温度Ts1及び第2検出温度Ts2を取得し、S62で温度偏差ΔTs(=|Ts1−Ts2|)を算出する。温度偏差ΔTsが乖離大閾値ΔthXより大きい場合、S63でYESと判定され、S64Aに移行し、各検出温度の温度変化量δTs1、δTs2が算出される。温度偏差ΔTsが乖離大閾値ΔthX以下の場合、S63でNOと判定され、S68に移行する。
S64Aに続くS66A、S67Aでは、各検出温度の変化量の絶対値|δTs1|、|δTs2|が変化量閾値δthと比較される。|δTs1|がδthより大きく|δTs2|がδth以下である場合、S66AでYESと判定され、S74で第1温度センサの異常と判定される。|δTs2|が|δthより大きく|δTs1|がδth以下である場合、S66AでNO、S67AでYESと判定され、S73で第2温度センサの異常と判定される。S67AでNOの場合、すなわち、いずれの温度センサの異常であるか特定できない場合、S72で正常範囲外と判定される。
一方、S68に移行する場合、時刻t12での検出温度Ts12、Ts22が存在しないため温度変化量δTs1、δTs2は算出されない。温度偏差ΔTsが正常偏差閾値ΔthOより大きい場合、S68でYESと判定され、S69Aで、各検出温度保持値Ts11、Ts21の前回値が検出温度保持値Ts11、Ts21として更新される。また、S72で正常範囲外と判定される。
温度偏差ΔTsが正常偏差閾値ΔthO以下である場合、S68でNOと判定され、S70Aで、各検出温度Ts1、Ts2の今回値が検出温度保持値Ts11、Ts21として更新される。また、S71で第1、第2温度センサがいずれも正常と判定される。なお、図12のS71〜S74は、図6のS81〜S84に対し2桁目の数字が対応している。
このように本実施形態では、中間値固着判定において、温度偏差ΔTsが乖離大閾値ΔthXを超える場合、各検出温度の温度変化量δTs1、δTs2に基づいていずれのセンサが異常であるか判別することができる。したがって、正常範囲外の場合を含め、温度センサの中間値固定異常状態を適切に判別することができる。
本実施形態による中間値固着判定の考え方は、下限温度閾値Tth_Loと上限温度閾値Tth_Hiとの間で検出温度Ts1、Ts2が固着する異常に限らず、検出温度Ts1、Ts2がオフセットする中間オフセット異常の判定にも適用可能である。続いて、中間オフセット判定について、図13のタイムチャート及び図14のフローチャートを参照して説明する。
図13に示すように、第2検出温度Ts2は、時刻t0以後、下限温度閾値Tth_Loと上限温度閾値Tth_Hiとの間で、正常な第1検出温度Ts1に対してオフセットする。温度偏差ΔTsが正常偏差閾値ΔthOを超える場合、いずれかの温度センサが異常であることは判定可能であるが、どちらの温度センサが異常であるかを判別することはできない。すなわち、「正常範囲外」の状態となる。
異常判定部34は、図14のS61Aで第1検出温度Ts1及び第2検出温度Ts2を取得し、S62で温度偏差ΔTs(=|Ts1−Ts2|)を算出する。温度偏差ΔTsが正常偏差閾値ΔthOより大きい場合、S68でYESと判定され、S72で正常範囲外と判定される。温度偏差ΔTsが正常偏差閾値ΔthO以下の場合、S68でNOと判定され、S71で第1、第2温度センサがいずれも正常と判定される。
(第2実施形態)
第2実施形態について図15〜図18を参照して説明する。図15に示すように、第2実施形態の電動機制御装置102は、図1の電動機制御装置101に対し検出温度推定部33をさらに備える。検出温度推定部33は、電動機電流Imに基づいて、第1検出温度の推定値Ts1_est、又は、第2検出温度の推定値Ts2_estのうち少なくとも一方を推定する。検出温度推定値Ts1_est、Ts2_estは、異常判定部34及び評価箇所温度推定部35に通知される。なお、上述の評価箇所温度推定部35の説明と同様に、「電動機に流れる電流に基づいて推定する」には、電動機電流Imと相関するインバータ印加電圧Vinv等に基づいて温度を推定する場合が含まれるものと解釈する。
図16に示すように、第2実施形態では、図6の全体フローチャートにおいてS82で正常範囲外と判定されたとき、高い方の温度を選択するS86Aに代えてS86Bが実行される。S86Bでは、第1検出温度Ts1及び第2検出温度Ts2のうち、検出温度推定値Ts1_est、Ts2_estとの差が小さい方の温度が選択され、評価箇所温度推定部35の処理に使用される。すなわち、第1実施形態では、検出温度推定値との差が小さい方の温度が「予め規定された条件に適合する方の温度」に相当する。これにより、推定値に近い検出温度が温度情報処理に使用されるため、処理の信頼性が向上する。
詳しくは図17に示すように、異常判定部34は、S861Bで第1検出温度Ts1、第2検出温度Ts2、第1検出温度推定値Ts1_est及び第2検出温度推定値Ts2_estを取得する。S862Bでは、各検出温度Ts1、Ts2と検出温度推定値Ts1_est、Ts2_estとの偏差Ts1_err、Ts2_errが下式により算出される。
Ts1_err=|Ts1−Ts1_est|
Ts2_err=|Ts2−Ts2_est|
S863BでTs1_errがTs2_err以下であると判定された場合、S87で第1検出温度Ts1が処理に使用され、Ts1_errがTs2_errより大きいと判定された場合、S88で第2検出温度Ts2が処理に使用される。
図18に、検出温度推定値Ts_estを用いた中間値固着判定の別の実施例を示す。タイムチャートは第1実施形態と同じ図11を参照し、図12と同一のステップの説明を省略する。異常判定部34は、保持時点t1における第1検出温度及び第2検出温度を、それぞれ第1検出温度保持値Ts11及び第2検出温度保持値Ts21として保持する。また、異常判定部34は、保持時点t1における第1検出温度推定値及び第2検出温度推定値を、それぞれ第1検出温度推定値保持値Ts11_est及び第2検出温度推定値保持値Ts21_estとして保持する。
図18のS61Bで異常判定部34は、第1検出温度Ts1、第2検出温度Ts2、第1検出温度推定値Ts1_est及び第2検出温度推定値Ts2_estを取得する。温度偏差ΔTsが乖離大閾値ΔthXより大きく、S63でYESと判定された場合、S64Bでは、各検出温度の温度変化量δTs1、δTs2、及び、各検出温度推定値の温度変化量δTs1_est、δTs2_estが下式により算出される。
δTs1=Ts1−Ts11
δTs2=Ts2−Ts21
δTs1_est=Ts1_est−Ts11_est
δTs2_est=Ts2_est−Ts21_est
S65Bでは、各検出温度の温度変化量と検出温度推定値の温度変化量との温度変化量偏差δTs1_err、δTs2_errが下式により算出される。
δTs1_err=|δTs1−δTs1_est|
δTs2_err=|δTs2−δTs2_est|
S66B、S67Bでは、各検出温度の温度変化量偏差δTs1_err、δTs2_errが変化量偏差閾値Ethと比較される。δTs1_errがEthより大きくδTs2_errがEth以下である場合、S66BでYESと判定され、S74で第1温度センサの異常と判定される。なお、S66Bの判定条件は、所定の正の値Kを用いて下式のようにしてもよい。
δTs1_err>δTs2_err+K
δTs2_errがEthより大きくδTs1_errがEth以下である場合、66BでNO、S67BでYESと判定され、S73で第2温度センサの異常と判定される。S67BでNOの場合、S72で正常範囲外と判定される。なお、S67Bの判定条件は、所定の正の値Kを用いて下式のようにしてもよい。
δTs2_err>δTs1_err+K
一方、S63でNO、S68でYESと判定された場合、S69Bに移行する。S69Bでは、各検出温度保持値Ts11、Ts21及び各検出温度推定値保持値Ts11_est、Ts21_estの前回値が検出温度保持値Ts11、Ts21及び検出温度推定値保持値Ts11_est、Ts21_estとして更新される。また、S72で正常範囲外と判定される。
S68でNOの場合、S70Bでは、各検出温度Ts1、Ts2及び各検出温度推定値Ts1_est、Ts2_estの今回値が検出温度保持値Ts11、Ts21及び検出温度推定値保持値Ts11_est、Ts21_estとして更新される。また、S71で第1、第2温度センサがいずれも正常と判定される。
このように第2実施形態では、各温度センサの検出温度と、検出温度推定部33が推定した検出温度推定値とを比較して中間値固着判定を行うことにより、正常範囲外の場合を含めて適切な異常判定をすることができる。この手法は、中間オフセット判定にも同様に適用可能である。
(第3実施形態)
次に、変化量過大判定に関する別の実施例として、第3、第4、第5実施形態を示す。まず、第3実施形態について図19のフローチャートを参照して説明する。第3実施形態の異常判定部34は、内部にローパスフィルタ(以下「LPF」)を有し、各検出温度のLPF前後の値を比較する。LPF前後の差分は、検出温度に含まれる高周波成分を意味する。正の高周波成分が正の高周波成分閾値を上回るか、負の高周波成分が負の高周波成分閾値を下回る場合、異常判定部34は、その温度センサが変化量過大異常であると判定する。
異常判定部34は、S31Bで、第1検出温度Ts1、第2検出温度Ts2、LPF後の第1検出温度Ts1_LPF、及び、LPF後の第2検出温度Ts2_LPFを取得する。S32Bでは、各検出温度のLPF前後の差分Ts1_hf、Ts2_hfが下式により算出される。
Ts1_hf=Ts1−Ts1_LPF
Ts2_hf=Ts2−Ts2_LPF
S33B〜S35Bでは、各検出温度のLPF前後の差分の絶対値|Ts1_hf|、|Ts2_hf|が、高周波成分閾値Hth以下であるか否か判断される。|Ts1_hf|、|Ts2_hf|がいずれもHth以下である場合、S33BでYESと判定され、S36で第1、第2温度センサがいずれも正常と判定される。
|Ts1_hf|がHth以下であり、|Ts2_hf|がHthより大きい場合、S33BでNO、S34BでYESと判定され、S37で第2温度センサが異常と判定される。|Ts2_hf|がHth以下であり、|Ts1_hf|がHthより大きい場合、S34BでNO、S35BでYESと判定され、S38で第1温度センサが異常と判定される。S35BでNOの場合、S39で第1、第2温度センサがいずれも異常と判定される。
なお、微分値を用いる第1実施形態と同様に、各検出温度のLPF前後の差分の絶対値を共通の高周波成分閾値Hthと比較するのでなく、LPF前後の正負の差分値を、それぞれ正の高周波成分閾値+Hth及び負の高周波成分閾値−Hthと比較するようにしてもよい。その場合、差分値が「−Hth以上、且つ+Hth以下」である温度センサが正常であり、差分値が「−Hthより小さい、又は+Hthより大きい」温度センサが異常であると判定される。
(第4実施形態)
第4実施形態について図20のフローチャートを参照して説明する。第4実施形態の異常判定部34は、サンプル周期のN周期に相当する所定期間における各検出温度Ts1、Ts2の最大値及び最小値を算出し、その差分を変動幅Ts1_R、Ts2_Rとする。変動幅が上限値Rmaxより大きい場合、異常判定部34は、その温度センサが変化量過大異常であると判定する。
異常判定部34は、S311Cで、第1検出温度Ts1及び第2検出温度Ts2を取得する。S312Cでは、N回前から今回までのサンプルでの各検出温度の最大値Ts1_max、Ts2_max、及び、最小値Ts1_min、Ts2_minが取得される。例えば第1検出温度の今回値を「Ts1(n)」と記すと、最大値Ts1_max及び最小値Ts1_minは下式で表される。第2検出温度Ts2についても同様である。
Ts1_max=MAX(Ts1(n−N)、・・・Ts1(n−1)、Ts1(n))
Ts1_min=MIN(Ts1(n−N)、・・・Ts1(n−1)、Ts1(n))
S32Cでは、所定期間での変動幅Ts1_R、Ts2_Rが下式により算出される。
Ts1_R=Ts1_max−Ts1_min
Ts2_R=Ts2_max−Ts2_min
S33C〜S35Cでは、各検出温度の変動幅Ts1_R、Ts2_Rが、変動幅上限値Rmax以下であるか否か判断される。Ts1_R、Ts2_RがいずれもRmax以下の場合、S33CでYESと判定され、S36で第1、第2温度センサがいずれも正常と判定される。
Ts1_RがRmax以下であり、Ts2_RがRmaxより大きい場合、S33CでNO、S34CでYESと判定され、S37で第2温度センサが異常と判定される。Ts2_RがRmax以下であり、Ts1_RがRmaxより大きい場合、S34CでNO、S35CでYESと判定され、S38で第1温度センサが異常と判定される。S35CでNOの場合、S39で第1、第2温度センサがいずれも異常と判定される。
(第5実施形態)
第5実施形態について図21、図22のフローチャートを参照して説明する。第4実施形態では予め定められた所定期間に変動幅が監視されるのに対し、第5実施形態では、検出温度Ts1、Ts2の温度偏差ΔTsが正常範囲を逸脱した後の所定期間に変動幅が監視される。変動幅の監視は、温度偏差ΔTsが所定回数連続して正常範囲となるまで継続される。
異常判定部34は、図21のS311Dで第1検出温度Ts1及び第2検出温度Ts2を取得し、S312Dで温度偏差ΔTsを算出する。温度偏差ΔTsが正常閾値以下の場合、S313DでYESと判定され、S314Dで正常カウンタがインクリメントされる。S315Dで正常カウンタがX回に達すると、異常判定部34は、変動幅を監視する必要が無いと判断し、S316Dに移行して、各検出温度の最大値Ts1_max、Ts2_max、及び、最小値Ts1_min、Ts2_minを初期値として更新する。そしてS317Dで、第1、第2温度センサがいずれも正常と判定される。
一方、温度偏差ΔTsが正常閾値を超えS313DでNOと判定された場合、又は、正常カウンタがX回未満でありS315DでNOと判定された場合、S40で最大値/最小値更新処理が行われる。
図22に、第1検出温度Ts1についての最大値/最小値更新処理を示す。検出温度の今回値Ts1(n)が現時点での最大値Ts1_maxより大きい場合、S41でYESと判定され、S43で、今回値Ts1(n)が最大値Ts1_maxとして更新される。今回値Ts1(n)が現時点での最小値Ts1_minより小さい場合、S41でNO、S42でYESと判定され、S44で、今回値Ts1(n)が最小値Ts1_minとして更新される。S42でNOの場合、S45で最大値Ts1_max及び最小値Ts1_minが保持される。第2検出温度Ts2についても同様である。
図21に戻り、S32Dでは、更新された最大値/最小値に基づき、正常範囲を逸脱した後の所定期間における変動幅が図20のS32Cと同様の式で算出される。その後、図20のS33C〜S39と同様のステップが実行され、温度センサの異常状態が判別される。このように第5実施形態では、温度偏差ΔTsが正常範囲を逸脱した後の所定期間にのみ最大値、最小値から変動幅を算出するため、第4実施形態に対し異常判定部34の演算負荷を低減することができる。
(その他の実施形態)
温度情報処理部は、評価箇所温度推定部として限らず、温度情報に基づくどのような処理をするものであってもよい。また、本発明の電動機制御装置は、車両の電動パワーステアリングシステムに限らず、どのような電動機を駆動するシステムに適用されてもよい。なお、温度センサの配置、電力変換器の種類、電流制御部による制御方法等に関するバリエーションについては、特許文献2の「その他の実施形態」の記載を援用する。
上記実施形態では、「正常範囲外」と判定される場合がある例として、中間値固着異常及び中間オフセット異常の場合が示される。それ以外にも、温度偏差ΔTsが正常偏差閾値ΔthOを超えており、且つ、Hi/Lo張り付き判定や変化量過大判定で、各温度センサの異常が個別に判定不能な場合には、「正常範囲外」と判定される場合がある。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
101、102・・・電動機制御装置、
11・・・基板、
121、122、14、15、16、18・・・(第1、第2)温度センサ、
20・・・ヒートシンク、
33・・・検出温度推定部、
34・・・異常判定部、
35・・・評価箇所温度推定部(温度情報処理部)、
40・・・制御回路IC、 41・・・電流制御部、
50・・・駆動回路IC、 51・・・プリドライバ、
60・・・インバータ(電力変換器)、 61〜66・・・スイッチング素子、
80・・・電動機。

Claims (15)

  1. 電動機(80)の通電を制御する電動機制御装置であって、
    通電時の発熱をヒートシンク(20)に放熱可能に設置された基板(11)と、
    前記基板に搭載され、前記電動機に電力供給する電力変換器(60)を構成する複数のスイッチング素子(61〜66)と、
    前記基板に搭載され、前記複数のスイッチング素子に駆動信号を出力するプリドライバ(51)を有する駆動回路IC(50)と、
    前記基板に搭載され、前記電動機に対する出力指令に基づき前記プリドライバへの指令信号を演算する電流制御部(41)を有する制御回路IC(40)と、
    前記ヒートシンク、前記基板、前記制御回路IC、前記駆動回路IC、前記スイッチング素子及び前記電動機のうち、いずれか1箇所又は2箇所の温度を検出する第1温度センサ及び第2温度センサ(121、122、14、15、16、18)と、
    前記第1温度センサの検出温度である第1検出温度(Ts1)、及び、前記第2温度センサの検出温度である第2検出温度(Ts2)のうち少なくとも一方の温度情報を使用して所定の処理を行う温度情報処理部(35)と、
    温度センサの出力、又は当該出力から変換された検出温度を検出温度相当量とすると、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度相当量に基づき、温度センサの異常状態を判定する異常判定部(34)と、
    を備え、
    前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度相当量の差の絶対値である温度偏差(ΔTs)が正常偏差閾値(ΔthO)を超えており、且つ、いずれの温度センサが異常であるか判別不能な状態を正常範囲外と定義すると、
    前記温度情報処理部は、前記異常判定部により、
    前記第1温度センサ及び前記第2温度センサがいずれも正常と判定された場合、前記第1検出温度又は前記第2検出温度のいずれか一方又は両方を使用し、
    前記第1温度センサ又は前記第2温度センサのいずれか一方が異常で他方が正常と判定された場合、正常な温度センサの検出温度を使用し、
    前記第1温度センサ及び前記第2温度センサが前記正常範囲外と判定された場合、前記第1検出温度又は前記第2検出温度のうち予め規定された条件に適合する方の温度を使用する電動機制御装置。
  2. 前記異常判定部により、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサが前記正常範囲外と判定された場合、前記温度情報処理部は、前記第1検出温度又は前記第2検出温度のうち高い方の温度を使用する請求項1に記載の電動機制御装置。
  3. 前記電動機に流れる電流(Im)に基づいて、前記第1温度センサ又は前記第2温度センサの少なくとも一方の前記検出温度相当量の推定値である検出温度推定値(Ts1_est、Ts2_est)を推定する検出温度推定部(33)をさらに備え、
    前記異常判定部により、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサが前記正常範囲外と判定された場合、前記温度情報処理部は、前記第1検出温度又は前記第2検出温度のうち、前記検出温度推定値との差が小さい方の温度を使用する請求項1に記載の電動機制御装置。
  4. 前記異常判定部により、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサがいずれも正常と判定された場合、前記温度情報処理部は、前記第1検出温度又は前記第2検出温度のうち高い方の温度を使用する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  5. 前記異常判定部は、
    前記温度偏差が所定の乖離大閾値(ΔthX)に到達した時点である到達時点(t2)から遡って1サンプル以上前の時点である保持時点(t1)における前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度相当量を検出温度保持値(Ts11、Ts21)として保持し、
    前記到達時点における前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度相当量から前記検出温度保持値を減算して温度変化量(δTs1、δTs2)を算出し、
    前記第1温度センサ及び第2温度センサのうち一方の温度センサの前記温度変化量の絶対値が変化量閾値(δth)より大きく、他方の温度センサの前記温度変化量の絶対値が前記変化量閾値以下である場合、
    前記一方の温度センサが異常であると判定する請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  6. 前記電動機に流れる電流(Im)に基づいて、前記第1温度センサ又は前記第2温度センサの少なくとも一方の前記検出温度相当量の推定値である検出温度推定値(Ts1_est、Ts2_est)を推定する検出温度推定部(33)をさらに備え、
    前記異常判定部は、
    前記温度偏差が所定の乖離大閾値(ΔthX)に到達した時点である到達時点(t2)から遡って1サンプル以上前の時点である保持時点(t1)における前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度相当量を検出温度保持値(Ts11、Ts21)として保持し、且つ、前記保持時点における前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度推定値を検出温度推定値保持値(Ts11_est、Ts21_est)として保持し、
    前記到達時点における前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度相当量から前記検出温度保持値を減算して温度変化量(δTs1、δTs2)を算出し、
    前記到達時点における前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度推定値から前記検出温度推定値保持値を減算して温度推定値変化量(δTs1_est、δTs2_est)を算出し、
    さらに、前記温度変化量と前記温度推定値変化量との偏差である温度変化量偏差(δTs1_err、δTs2_err)を算出し、
    前記第1温度センサ及び第2温度センサのうち一方の温度センサの前記温度変化量偏差が変化量偏差閾値(Eth)より大きく、他方の温度センサの前記温度変化量偏差が前記変化量偏差閾値以下である場合、
    前記一方の温度センサが異常であると判定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  7. 前記異常判定部は、
    前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度相当量の時間微分値を算出し、
    前記第1温度センサ及び第2温度センサのうち一方の温度センサの前記検出温度相当量の時間微分値が負の微分閾値(−DTh)より小さいか又は正の微分閾値(+Dth)より大きく、且つ、他方の温度センサの前記検出温度相当量が前記負の微分閾値以上、前記正の微分閾値以下である場合、
    前記一方の温度センサが異常であると判定する請求項1〜6のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  8. 前記異常判定部は、
    前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度相当量をローパスフィルタで処理した値を算出し、
    前記第1温度センサ及び第2温度センサのうち一方の温度センサの前記検出温度相当量のローパスフィルタ前後の差分が負の高周波成分閾値(−HTh)より小さいか又は正の高周波成分閾値(+Hth)より大きく、且つ、他方の温度センサの前記検出温度相当量のローパスフィルタ前後の差分が前記負の高周波成分閾値以上、前記正の高周波成分閾値以下である場合、
    前記一方の温度センサが異常であると判定する請求項1〜7のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  9. 前記異常判定部は、
    前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの前記検出温度相当量の所定期間における最大値(Ts1_max、Ts2_max)と最小値(Ts1_min、Ts2_min)との差分である変動幅(Ts1_R、Ts2_R)を算出し、
    前記第1温度センサ及び第2温度センサのうち一方の温度センサの前記検出温度相当量の変動幅が変動幅上限値(Rmax)より大きく、且つ、他方の温度センサの前記検出温度相当量の変動幅が前記変動幅上限値以下である場合、
    前記一方の温度センサが異常であると判定する請求項1〜8のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  10. 前記異常判定部は、
    前記第1温度センサ及び第2温度センサのうち一方の温度センサの前記検出温度相当量が下限温度閾値(Tth_Lo)より低いか又は上限温度閾値(Tth_Hi)より高く、且つ、他方の温度センサの前記検出温度相当量が前記下限温度閾値以上、前記上限温度閾値以下である場合、
    前記一方の温度センサが異常であると判定する請求項1〜9のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  11. 前記第1温度センサ又は前記第2温度センサの少なくとも一方は、前記制御回路IC、前記駆動回路IC、又は、ICパッケージに埋め込まれた前記スイッチング素子の温度を検出するものであり、当該温度センサは、ICパッケージ内部に設けられている請求項1〜10のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  12. 前記第1温度センサ又は前記第2温度センサの少なくとも一方は、前記ヒートシンクに当接する前記基板上に設けられている請求項1〜11のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  13. 前記温度情報処理部は、
    前記第1第1検出温度又は前記第2検出温度の少なくともいずれか一方と前記電動機に流れる電流(Im)とに基づいて、前記ヒートシンク、前記基板、前記制御回路IC、前記駆動回路IC、前記スイッチング素子及び前記電動機のうちから選択された1箇所以上の評価箇所の温度(Tx)を推定する評価箇所温度推定部として機能する請求項1〜12のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  14. 前記電流制御部は、前記評価箇所の推定温度が所定の温度範囲において、前記評価箇所の推定温度が高いほど、電流指令値に対する電流制限値を低く設定する請求項13に記載の電動機制御装置。
  15. 前記評価箇所温度推定部は、複数の前記評価箇所の温度を推定し、
    前記電流制御部は、複数の推定温度毎に設定された複数の電流制限値の最小値を用いて電流指令値を制限する請求項13または14に記載の電動機制御装置。
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