JP6569447B2 - 電動機制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機の通電を制御する電動機制御装置に関する。
従来、電動機に電力供給する電力変換器のスイッチング素子や制御回路の素子等が過剰電流による発熱によって故障することを防止するため、電動機や電力変換器の温度を検出又は推定し、その温度に応じて、電流指令値を制限する電動機制御装置が知られている。
例えば、特許文献1に開示された装置は、電動機に流れる電流に基づいて電動機の上昇温度を推定する。また、電動機への電流供給を停止している間は、電動機の放熱係数から電動機の低下温度を推定する。
特許第2892899号公報
基板上の1箇所に設置した温度検出器の検出温度に基づいて、検出温度との相関がある評価箇所の温度を推定する技術は周知である。この周知技術によると、電流供給の停止後に再起動する場合、停止期間中の検出箇所の低下温度から、停止期間中の評価箇所の低下温度を推定する方法が想定される。また、停止時の評価箇所の推定温度を記憶しておき、停止期間中の低下温度と、特許文献1の従来技術により再起動時の電流から推定した上昇温度とに基づいて、再起動時における評価箇所の温度を推定する方法が想定される。
ところが、電流供給の停止期間中に周囲の温度が変化すると、温度検出器の検出温度が影響を受け、評価箇所の低下温度を正しく推定することができなくなる。その結果、再起動時における評価箇所の推定温度を正しく推定することができなくなる。
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、周囲温度の変化の影響を受けることなく、停止後の再起動時における評価箇所の温度を適正に推定可能な電動機制御装置を提供することにある。
電動機(80)の通電を制御する本発明の電動機制御装置は、基板(11)と、基板に搭載された複数のスイッチング素子(61〜66)、駆動回路IC(50)、及び制御回路IC(40)と、第1温度検出器及び第2温度検出器(12、14、15、16、18)と、温度推定部(30)と、を備える。
基板は、通電時の発熱をヒートシンク(20)に放熱可能に設置されている。
複数のスイッチング素子は、電動機に電力供給する電力変換器(60)を構成する。
駆動回路ICは、複数のスイッチング素子に駆動信号を出力するプリドライバ(51)を有する。
制御回路ICは、電動機に対する出力指令に基づきプリドライバへの指令信号を演算する電流制御部(41)を有する。
第1温度検出器及び第2温度検出器は、ヒートシンク、制御回路IC、駆動回路IC、スイッチング素子及び電動機のうち、いずれか2箇所の温度をそれぞれ検出する。
温度推定部は、電動機に流れる電流(Im)、第1温度検出器による検出温度である第1検出温度(Ts1)、及び、第2温度検出器による検出温度である第2検出温度(Ts2)に基づいて、ヒートシンク、制御回路IC、駆動回路IC、スイッチング素子及び電動機のうちから選択した1箇所以上の「評価箇所の温度(Tx)」を推定する。
電流制御部が動作後に停止し、その後、再起動する過程において、温度推定部は、以下のように挙動する。
電流制御部の停止時に、評価箇所の推定温度(Txo)、第1検出温度(Ts1o)及び第2検出温度(Ts2o)を記憶する。
電流制御部の再起動時に、「停止時における第1検出温度と第2検出温度との温度差(ΔTso)」と、「再起動時における第1検出温度と第2検出温度との温度差(ΔTs)」との比を推定ゲイン(K)として算出する。
そして、「停止時における第1検出温度と評価箇所の推定温度との温度差(ΔTxo)」に推定ゲインを乗じて求めた温度差(ΔTx)、及び、電動機に流れる電流の積算値から算出した上昇温度(ΔTi)に基づいて、再起動時における評価箇所の温度を推定する。その後、温度推定部は、再起動後の評価箇所の温度の推定を継続して行う。
本発明の電動機制御装置は、2つの温度検出器を用いて2箇所の温度を検出することを特徴とする。また、「第1検出温度と第2検出温度との温度差(ΔTs)」と、「第1検出温度と評価箇所の推定温度との温度差(ΔTx)」とは、周囲温度に関係なく比例する点に着目する。そして、温度推定部は、第1検出温度と評価箇所の推定温度との温度差について、停止時における温度差(ΔTxo)に推定ゲインを乗じることにより、再起動時における温度差(ΔTx)を推定する。
これにより、温度推定部は、周囲温度の変化の影響を受けることなく、停止後の再起動時における評価箇所の温度を適正に推定することができる。
特に、評価箇所の推定温度に基づいて電流制御部が電流指令値を制限する構成では、評価箇所の温度を正しく推定することにより、素子の故障を適切に防止し、且つ、電動機の出力を可能な限り高く維持しながら、電動機の通電を制御することができる。
本発明の2つの温度検出器は、上記に列挙した5箇所のうちどの2箇所の温度を検出するものでもよい。また、「2つの温度検出器を用いて温度推定する」ことが要旨であり、3つ以上の温度検出器を用いて3箇所以上の温度を検出可能とする構成を排除するものではない。
また、制御回路IC、駆動回路IC、又は、ICパッケージに埋め込まれたスイッチング素子の温度を検出する温度検出器を設ける構成では、温度検出器は、ICパッケージ内部に設けられていることが好ましい。
第1実施形態の電動機制御装置が適用されるシステムの概略構成図。 温度検出器が(a)基板上、(b)ICパッケージ内部に設置される構成を示す模式図。 第1実施形態の電動機制御装置の全体的な制御ブロック図。 評価箇所の推定温度と電流制限値との関係を示すマップ。 電流指令値の制限マップ。 図3の温度推定部のブロック図。 第1実施形態による評価箇所の温度推定を説明するタイムチャート。 第2実施形態の電動機制御装置の特徴構成を示すブロック図。 比較例の温度推定部のブロック図。 比較例による評価箇所の温度推定を説明するタイムチャート。
以下、実施形態の電動機制御装置を図面に基づいて説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態を包括して「本実施形態」という。
(第1実施形態)
本実施形態の電動機制御装置について、図1〜図7を参照して説明する。最初に、電動機制御装置が適用される電動機駆動システムの全体構成について図1を参照する。本実施形態では、三相交流電動機の通電を制御する電動機制御装置について例示する。この三相交流電動機は、例えば車両の電動パワーステアリング装置において、運転者の操舵を補助する操舵アシストモータとして使用される。
本実施形態の電動機制御装置10は、基本的に、基板11に搭載された電子部品により構成されている。つまり、図1に図示されたもののうち、バッテリBT、電動機80及びヒートシンク20は電動機制御装置10に含まれない。典型的には、電動機制御装置10はECUとして実現される。なお、電動機80の回転角を検出する回転角センサの図示を省略する。
電動機制御装置10は、制御回路IC40、駆動回路IC50、「電力変換器」としてのインバータ60を構成する複数のスイッチング素子61〜66、及び、複数の温度検出器12、14、15、16、18等を備える。なお、電源入力部に一般に設けられる電源リレー、コイル、コンデンサ等の図示を省略する。
また、本実施形態の電動機制御装置10は、温度推定部30を備える。温度推定部30は、例えば制御回路IC40に含まれてもよく、又は、制御回路IC40とは別のIC内に構成されてもよい。
制御回路IC40及び駆動回路IC50は、ICパッケージの形態で基板11に搭載されている。制御回路IC40は、電動機80に対するトルク指令に基づいて通電に係る指令信号を演算する電流制御部41を有する。制御回路IC40は、典型的にはマイコンで構成される。
駆動回路IC50は、電流制御部41が演算した指令信号に基づいてインバータ60の複数のスイッチング素子61〜66に駆動信号を出力するプリドライバ51を有する。駆動回路IC50は、例えば、カスタム化されたASICの形態で用いられる。
インバータ60は、基板11に搭載された6個のスイッチング素子61〜66がブリッジ接続されている。スイッチング素子61、62、63は、それぞれU相、V相、W相の高電位側スイッチング素子であり、スイッチング素子64、65、66は、それぞれU相、V相、W相の低電位側スイッチング素子である。本実施形態では、スイッチング素子61〜66として、MOSFETが用いられる。なお、他の実施形態では、MOSFET以外の電界効果トランジスタやIGBT等を用いてもよい。
インバータ60は、プリドライバ51からの駆動信号に従って各相のスイッチング素子61〜66が動作することにより、バッテリBTの直流電力を交流電力に変換し、各相巻線81、82、83に相電流Iu、Iv、Iwを供給する。これにより、電動機80は、トルク指令に応じたトルクを出力するように駆動される。
本実施形態では、各相の低電位側スイッチング素子64、65、66とグランドとの間に相電流Iu、Iv、Iwを検出するシャント抵抗71、72、73が設けられている。各シャント抵抗71、72、73をまとめて電流検出器70と記す。電流検出器70は、インバータ60から巻線81、82、83への電流経路に設けられてもよい。
また、固定座標系の相電流Iu、Iv、Iw、及び回転座標系のdq軸電流Id、Iqを含み、電動機80に流れる電流を広く包括して「電動機電流Im」という。
インバータ60のスイッチング動作による電動機80への通電に伴って、特にスイッチング素子61〜66や基板11上のパワー電流経路が発熱する。発生した熱は基板11を伝わり、制御回路IC40や駆動回路IC50の温度も上昇する。発熱が過大となると、スイッチング素子61〜66をはじめとする電子素子が故障するおそれがある。
そこで、基板11は、通電時の発熱をアルミニウム筐体等のヒートシンク20に放熱可能に設置されている。例えば、基板11のグランド経路がヒートシンク20に接触するように取り付けられている。
また、基板11の各部には、複数の温度検出器12、14、15、16、18が設けられている。温度検出器12、14、15、16、18は、典型的にはサーミスタである。
図1には、温度検出器が5箇所に示されている。しかし、温度検出器は、常に5箇所に設けられる必要はなく、少なくとも、このうち2箇所以上に設けられればよい。5箇所の温度検出器12、14、15、16、18の役割及び設置形態について順に説明する。
温度検出器12は、ヒートシンク20の温度Thsを検出する。図1の例では、ヒートシンク20に接触する基板11上のグランド経路部分に温度検出器12が設置される。
温度検出器14は、制御回路IC40の温度Tconを検出する。温度検出器15は、駆動回路IC50の温度Tdrを検出する。ここで、駆動回路IC50を代表として図2(a)に示すように、温度検出器15は、駆動回路IC50のリード部59付近における基板11上に設置されてもよい。また、図2(b)に示すように、ICパッケージ内部に設けると、基板11に曲げ応力が作用したとき等に温度検出器15が脱落することを防止することができる。したがって、温度検出器14及び温度検出器15は、ICパッケージ内部に設けられる方が好ましい。
温度検出器16は、スイッチング素子61〜66の温度Tswを検出する。各相上下アームのスイッチング発熱が同等と仮定すると、例えば温度検出器16は、いずれか代表のスイッチング素子の近辺に設置される。例えば複数のスイッチング素子61〜66がモジュール化されICパッケージに埋め込まれている形態では、制御回路IC40や駆動回路IC50と同様に、温度検出器16はICパッケージ内部に設けられることが好ましい。また、スイッチング素子の内部に感温ダイオードを有する形態では、感温ダイオードを温度検出器として使用してもよい。
温度検出器18は、電動機80の温度Tmを検出する。図1の例では、各相巻線81、82、83に接続される基板11上の電流経路の近辺に温度検出器18が設置される。
温度推定部30は、2つの温度検出器の検出温度に基づいて、ヒートシンク20、制御回路IC40、駆動回路IC50、スイッチング素子61〜66、及び電動機80のうちから選択した1箇所以上の「評価箇所」の温度Txを推定する。評価箇所の温度Txは、通電時における発熱部からの距離や放熱特性の違い、また、通電停止からの経過時間等によって異なる。図1では、1箇所の評価箇所として、電動機80の温度を推定する場合を例示する。
以下、温度推定に用いられる2つの温度検出器を「第1温度検出器」及び「第2温度検出器」という。また、第1温度検出器の検出温度を「第1検出温度Ts1」、第2温度検出器の検出温度を「第2検出温度Ts2」と記す。ここで、低い方の温度を第1検出温度Ts1とする方が基本的に好ましい。図1では、ヒートシンク20の温度Thsを第1検出温度Ts1として例示する。
図1に実線で示すように、例えば、第1温度検出器12が検出したヒートシンク20の温度Thsが第1検出温度Ts1として温度推定部30に入力される。また、第2温度検出器16が検出したスイッチング素子61〜66の温度Tswが第2検出温度Ts2として温度推定部30に入力される。他の例では、二点鎖線で示すように、温度検出器14、15、18が検出した制御回路IC40、駆動回路IC50又は電動機80の温度Tcon、Tdr、Tmが第1検出温度Ts1又は第2検出温度Ts2として温度推定部30に入力されてもよい。
なお、3つ以上の温度検出器を備える構成では、そのうち2つの温度検出器の組合せにより以下の温度推定を1つの処理として実施する。例えば、複数の組合せパターンにより複数の推定温度を算出してもよい。また、随時、最適な組合せパターンを選択して温度推定を実施してもよい。さらに、本実施形態の温度推定に用いられる2つの温度検出器以外の温度検出器を、他の用途に使用してもよい。
温度推定部30内の上昇温度推定部31は、電動機電流Imの積算値に基づき、評価箇所における通電に伴う上昇温度ΔTiを推定する。この上昇温度ΔTiの推定は、ジュール熱の式(1)を基本とするものである。ここで、Qはジュール熱[J]、Rは抵抗[Ω]、Imは電流[A]、tは時間[s]を表す。
Q=R×Im2×t ・・・(1)
温度推定部30は、これらの情報に基づいて、評価箇所である電動機80の温度を推定し、推定温度Tx_estを電流制御部41に出力する。
次に図3を参照し、電動機制御装置10の全体的な制御構成について説明する。
電流制御部41は、電流指令値演算部42、電流制限値演算部43、電流指令値制限部45、減算器46、制御器47等を有する。なお、周知のベクトル制御に関する座標変換の構成については図示及び説明を省略する。例えば「電流指令値I*」と記載した値は、技術常識により、ベクトル制御では、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を意味すると解釈される。
電流指令値演算部42は、「電動機80に対する出力指令」であるトルク指令trq*に基づいて電流指令値I*を演算する。
電流制限値演算部43は、温度推定部30が推定した評価箇所の推定温度Tx_estに基づいて、電流指令値I*に対する電流制限値ILIMを演算する。例えば図4に示すような推定温度Tx_estと電流制限値ILIMとの関係を規定したマップが用いられる。
図4のマップでは、推定温度Tx_estが低温側温度αから高温側温度βまでの範囲において、推定温度Tx_estが高いほど、電流制限値ILIMを低く設定する。推定温度Tx_estが温度α以下のとき、低温用の電流制限値ILIM_Lを設定する。また、推定温度Tx_estが温度β以上のとき、高温用の電流制限値ILIM_Hを設定する。高温用の電流制限値ILIM_Hは、例えば、低温用の電流制限値ILIM_Lに対し30%程度に設定されている。
このマップによると、評価箇所の推定温度Tx_estが温度α以下のとき、素子の耐熱性に影響を及ぼさないと判断し、電流指令値I*をなるべく制限しないで電動機80の出力を向上させる。一方、評価箇所の推定温度Tx_estが温度αを超えたとき、素子の耐熱性に影響を及ぼす可能性があると判断し、電流指令値I*を低く制限して素子の故障を防止する。ただし、電流制限値ILIMをゼロ付近まで低下させると、実質的に電動機80の駆動が停止することになる。本実施形態では、たとえ低出力でも電動機80の駆動を継続することを優先し、評価箇所の推定温度Tx_estが温度β以上のとき、必要最小限の電流制限値ILIM_Hを設定する。
電流指令値制限部45は、電流制限値ILIMにより電流指令値I*を制限し、制限後の電流指令値I**を出力する。つまり、図5のマップにおいて電流指令値I*が正のとき、電流指令値I*が電流制限値+ILIM以下の範囲では、「I**=I*」とする。また、電流指令値I*が電流制限値+ILIMを超える範囲では、「I**=+ILIM」とする。
さらに、例えば電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータとして用いられる電動機80の場合、操舵方向に対応する電動機80の回転方向に応じて、正負両方向の電流が対等に供給される。この場合、負領域の電流制限マップは、原点に対し正領域のマップと点対称に規定される。
減算器46は、電流検出器70が検出した電動機電流Imと制限後電流指令値I**との電流偏差ΔIを算出する。制御器47は、電流偏差ΔIをゼロに収束させるように、PI制御演算等により、典型的には電圧指令等の指令信号を演算する。こうして電流制御部41が演算した指令信号は、プリドライバ51に出力される。
続いて、図6を参照し、温度推定部30の詳細な構成について説明する。本実施形態の温度推定部30は、特に、電流制御部41が動作後に停止し、その後、再起動する過程における温度推定に特徴を有する。「電流制御部41の動作中」とは、具体的にはマイコンの動作中に相当する。また、電流制御部41の動作が停止するとは、電動機80への電流供給が停止することを意味する。したがって、上記過程は、電動機80への電流供給を一旦停止した後、再び電流供給を開始する過程、と言い換えられる。温度推定部30の最終出力値である「Tx_est」は、再起動時における評価箇所の推定温度を表す。
本実施形態の温度推定部30は、電流制御部41の停止期間中に周囲温度が変化したときでも、その影響を受けることなく、再起動時における評価箇所の温度を適正に推定することを目的とするものである。その目的を達成するための構成として、温度推定部30は、上昇温度推定部31、停止時温度記憶部32、減算器33、34、35、ゲイン演算部36、乗算器37、加算器38等を含む。
上述の通り、温度推定部30は、第1検出温度Ts1及び第2検出温度Ts2、並びに電動機電流Imを繰り返し取得する。そして、上昇温度推定部31は、電動機電流Imの積算値に基づき、評価箇所における通電に伴う上昇温度ΔTiを推定する。電流制御部41の動作中、電動機電流Imの変化に伴い、上昇温度ΔTiに基づいて推定される評価箇所の推定温度Txは繰り返し更新される。
電流制御部41が動作を停止した時、停止時温度記憶部32は、停止時における第1検出温度Ts1o及び第2検出温度Ts2o、並びに、評価箇所の推定温度Txoを記憶する。減算器33は、停止時における第1検出温度Ts1oと第2検出温度Ts2oとの温度差ΔTsoを算出する。減算器34は、停止時における第1検出温度Ts1oと評価箇所の推定温度Txoとの温度差ΔTxoを算出する。
減算器35は、経時変化する第1検出温度Ts1及び第2検出温度Ts2の温度差ΔTsを算出する。特にこの温度推定では、電流制御部41が再起動した時に取得された温度差ΔTsを算出する点に技術的意義がある。
ゲイン演算部36は、第1検出温度Ts1と第2検出温度Ts2との停止時における温度差ΔTso、及び再起動時における温度差ΔTsの比を推定ゲインKとして算出する。推定ゲインKは、式(2)で表される。
K=ΔTs/ΔTso=(Ts2−Ts1)/(Ts2o−Ts1o)・・・(2)
停止期間中には温度差ΔTsは次第に収束するため、Kは、1未満の値となる。
本実施形態では、停止期間中、「第1検出温度Ts1と第2検出温度Ts2との温度差ΔTs」と、「第1検出温度Ts1と評価箇所の推定温度Txとの温度差ΔTx」とは、周囲温度に関係なく比例すると考える。そこで、乗算器37では、「停止時における第1検出温度Ts1oと評価箇所の推定温度Txoとの温度差ΔTxo」に推定ゲインKを乗じ、「再起動時における第1検出温度Ts1と非通電状態での評価箇所の推定温度との温度差ΔTx」を算出する。温度差ΔTxは、式(3)で表される。
ΔTx=K×ΔTxo=K×(Txo−Ts1o) ・・・(3)
ただし、再起動時には評価箇所の近傍に電流が流れ始めるため、通電に伴う上昇温度ΔTiを加味する必要がある。加算器38では、基準温度である第1検出温度Ts1に、温度差ΔTx、及び上昇温度ΔTiを加算して、再起動時における評価箇所の推定温度Tx_estを算出する。第1実施形態の推定温度Tx_estは、式(4)で表される。
Tx_est=Ts1+ΔTx+ΔTi ・・・(4)
こうして温度推定部30は、再起動時における評価箇所の推定温度Tx_estを算出した後、さらに再起動後の評価箇所の温度Txの推定を継続して行う。
次に、第1実施形態の作用効果について、比較例と対比しつつ説明する。
まず、比較例の構成及び作用について、図9、図10を参照して説明する。この比較例は、1つの温度検出器を用いて評価箇所の温度を推定するものである。比較例の図において、Im、ΔTi、Txo、Tx_estの各記号は、第1実施形態の記号を援用する。また、1つの温度検出器の検出温度を「Ts」、停止時における検出温度を「Tso」と記す。比較例に特有の低下温度を、「Ts」又は「Tx」に続く「_dn」で表す。
図9に示すように、比較例の温度推定部90は、上昇温度推定部31、停止時温度記憶部92、減算器95、乗算器97、加減算器98等を含む。第1実施形態と同一の符号を付した上昇温度推定部31は、実質的に同一の構成であるため、説明を省略する。
電流制御部41が動作を停止した時、停止時温度記憶部92は、停止時における検出温度Tso、及び、評価箇所の推定温度Txoを記憶する。評価箇所の推定温度Txoは、動作中の電動機電流Imの積算値に基づく上昇温度ΔTiから推定された温度である。
図10に示すように、停止時における評価箇所の推定温度Txoは、検出温度Tsoよりも高い。電流供給が停止された後、温度検出器の検出箇所及び評価箇所における真の温度は、それぞれ、実線及び二点鎖線のように変化する。周囲温度が変化しない状況では、検出箇所及び評価箇所における真の温度は、自然冷却により次第に低下する。
比較例では、動作停止から同一時間経過後における検出箇所及び評価箇所での低下温度が比例すると考える。そして、例えば「再起動A」時における検出温度の低下温度Ts_dnAと、評価箇所の推定温度の低下温度Tx_dnAとの関係に着目する。
なお、下付の添え字「A」は、「再起動A」時の値であることを示し、後述する「再起動B」時の値と区別するためのものである。文中の式の説明では、基本的に下付の添え字A、Bを含まない記号を用いて記載する。
図9に戻り、再起動時に減算器95は、停止時における検出温度Tsoから再起動時の検出温度Tsを減じ、検出温度の低下温度Ts_dnを算出する。乗算器97は、検出温度の低下温度Ts_dnに所定の比例定数Kcを乗じて、評価箇所の推定温度の低下温度Tx_dnを算出する。比例定数Kcは、実験値等から予め設定されている。評価箇所の推定温度の低下温度Tx_dnは、式(5)で表される。
Tx_dn=Kc×Ts_dn=Kc×(Tso−Ts) ・・・(5)
加減算器98では、停止時における評価箇所の推定温度Txoから評価箇所の推定温度の低下温度Tx_dnを減じ、さらに再起動時の通電による上昇温度ΔTiを加算して、再起動時における評価箇所の推定温度Tx_estを算出する。すなわち、比較例の推定温度Tx_estは、式(6)で表される。
Tx_est=Txo−Tx_dn+ΔTi ・・・(6)
図10では「上昇温度ΔTi≒0」とみなす。再起動A時には、比較例の算出方法でも評価箇所の推定温度Tx_estAをほぼ正しく推定することができる。
一方、「再起動B」は、検出箇所及び評価箇所の温度がいずれも周囲温度T_envと同等の温度にまで低下した後、周囲温度T_envの上昇に伴って再び上昇したときに再起動する場合である。このとき、検出温度TsBと評価箇所の真の温度TxBとは、ほぼ同一温度となっている。
この状況では、検出温度の低下温度Ts_dnBは、周囲温度の上昇ΔT_env分、小さめの値となる。そのため、再起動時Aと同じ式(5)による評価箇所の推定温度の低下温度Tx_dnBは、過小に算出され、真の値と一致しない。したがって、式(6)により算出される推定温度Tx_estBも誤った値となる。
よって、比較例による推定温度Tx_estBに基づいて電流制限値ILIMを演算すると、評価箇所の真の温度TxBが反映されない状態で、電動機80の通電が制御されることとなる。図10の再起動B時には、評価箇所の推定温度Tx_estBが実際よりも高く推定される結果、電流指令値I*を過剰に制限し、電動機80の出力性能を無意味に低下させることとなる。逆に、停止期間中に周囲温度T_envが低下した場合の再起動時には、評価箇所の推定温度Tx_estBが実際よりも低く推定される結果、電流指令値I*が十分に制限されず、素子が耐熱限界を超えて故障に至るおそれがある。
要するに、比較例の温度推定部90による再起動時の温度推定は、停止期間中に周囲温度T_envが安定していることを前提として成立するものであり、周囲温度T_envが変化したときには正しい推定ができなくなる。
これに対し、第1実施形態の温度推定部30による温度推定は、停止期間中に周囲温度T_envが変化したときでも、再起動時における評価箇所の温度Txを正しく推定することを可能とするものである。
続いて、第1実施形態の温度推定について図7を参照して説明する。比較例では、1つの温度検出器を用い、停止時における評価箇所の温度Txoからの低下温度に基づいて、再起動時における評価箇所の温度Txを推定する。それに対し、第1実施形態は、2つの温度検出器を用い、第1検出温度Ts1を基準とする温度差に基づいて、再起動時における評価箇所の温度Txを推定する。
図7に、比較例の図10と同様の状況での「再起動A」時、及び「再起動B」時における温度推定の具体例を示す。
停止時において、評価箇所の推定温度Txoが最も高く、第2検出温度Ts2oが中間であり、第1検出温度Ts2oが最も低い。図6の減算器33、34により、停止時における「第1検出温度Ts1oと第2検出温度Ts2oとの温度差ΔTso」、及び、「第1検出温度Ts1oと評価箇所の推定温度Txoとの温度差ΔTxo」が算出される。
電流供給が停止された後、第1、第2温度検出器の検出箇所及び評価箇所における真の温度は、それぞれ、実線、破線、及び二点鎖線のように次第に低下する。
「再起動A」時には、式(2)により「停止時における第1検出温度Ts1oと第2検出温度Ts2oとの温度差ΔTso」と、「再起動A時における第1検出温度Ts1Aと第2検出温度Ts2Aとの温度差ΔTsA」との比を推定ゲインKAとして算出する。
また、式(3)により、「停止時における第1検出温度Ts1oと評価箇所の推定温度Txoとの温度差ΔTxo」に推定ゲインKAを乗じて、「再起動A時における第1検出温度Ts1と非通電状態での評価箇所の推定温度との温度差ΔTxA」を算出する。
図10と同様に、図8でも「上昇温度ΔTi≒0」とみなす。そして、式(4)により、再起動A時における第1検出温度Ts1Aに温度差ΔTxAを加算することにより、再起動A時における評価箇所の温度Tx_estAを正しく推定することができる。
再起動B時には、第1検出温度Ts1Bと第2検出温度Ts2Bと評価箇所の真の温度TxBとは、ほぼ同一温度となっている。第1検出温度Ts1Bと第2検出温度Ts2Bとの温度差ΔTsBが0であるため、式(2)により算出される推定ゲインKBは0となる。式(3)により推定ゲインKBを乗じて算出される温度差ΔTxBも0となる。
したがって、式(4)により算出される再起動B時における評価箇所の推定温度Tx_estBは、再起動B時における第1検出温度Ts1Bと等しくなる。よって、第1実施形態では、周囲温度T_envの変化の影響を受けることなく、再起動B時における評価箇所の温度Tx_estBを正しく推定することができる。
よって、第1実施形態の推定温度Tx_estBに基づいて電流制限値ILIMを演算することにより、素子の故障を適切に防止し、且つ、電動機80の出力を可能な限り高く維持しながら、電動機80の通電を制御することができる。
例えば電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータは、定常回転用に使用される電動機に比べ、大きなトルクを急激に出力する必要がある。また、電動機制御装置10が設置される場所は、一般にスペースの制約が厳しく、放熱に不利な環境である。しかも、高い信頼性が要求されるため、素子の故障を適切に防止することと、電動機80の出力を可能な限り高く維持することとの両立が特に重要となる。したがって、本実施形態の電動機制御装置10により、周囲温度T_envの変化の影響を受けることなく、再起動時における評価箇所の温度Txを正しく推定する効果が有効に発揮される。
また、上述の通り、温度が最も低く安定しているヒートシンク20の温度Thsを検出する温度検出器12を第1温度検出器として用いることが好ましい。これにより、推定の基準となる第1検出温度Ts1を比較的安定させることができる。
さらに、制御回路IC40、駆動回路IC50、又は、ICパッケージに埋め込まれたスイッチング素子61〜66の温度を検出する温度検出器14、15、16を設ける構成を想定する。この構成では、温度検出器14、15、16は、基板11上のICのリード付近に設けられるよりも、ICパッケージ内部に設けられていることが好ましい。これにより、基板11に曲げ応力が作用したとき等に温度検出器14、15、16が脱落することを防止することができる。したがって、信頼性が向上する。
(第2実施形態)
第2実施形態の電動機制御装置について、図1及び図8を参照して説明する。第2実施形態は、複数の評価箇所の温度を推定するものである。
温度推定部30は、3箇所の評価箇所(1)、(2)、(3)の温度を推定する温度推定部301、302、303を含む。電流制御部41は、図3の電流制限値演算部43と電流指令値制限部45との間に、さらにMIN選択部44を含む。
各温度推定部301、302、303は、第1検出温度Ts1、第2検出温度Ts2、及び電動機電流Imを共通に取得する。また、各温度推定部301、302、303は、停止時における第1検出温度Ts1o及び第2検出温度Ts2oを共通に記憶しており、且つ、停止時における各評価箇所の温度Txo1、Txo2、Txo3を個別に記憶している。各温度推定部301、302、303は、これらの情報に基づき、電流制御部41の再起動時における各評価箇所(1)、(2)、(3)の温度Tx_est1、Tx_est2、Tx_est3を、第1実施形態と同様の演算により推定する。
電流制御部41の電流制限値演算部43は、温度推定部301、302、303に対応する電流制限値演算部431、432、433を含む。各電流制限値演算部431、432、433は、マップ等により、推定温度Tx_est1、Tx_est2、Tx_est3に対応する電流制限値ILIM1、ILIM2、ILIM3を設定し、MIN選択部44に出力する。このとき、評価箇所毎に異なるマップを用いてもよい。
MIN選択部44は、電流制限値ILIM1、ILIM2、ILIM3のうち最小値ILIM_MINを選択し、電流制限値演算部45に出力する。電流制限値演算部45は、電流制限値の最小値ILIM_MINにより、電流指令値I*を制限する。
このように第2実施形態では、複数の評価箇所の推定温度に基づいて電流指令値I*を制限するため、電動機駆動システムの各部分の温度情報を、くまなく、通電に伴う発熱の抑制に反映させることができる。また、フェイルセーフを優先する観点から、電流制限値の最小値ILIM_MINにより電流指令値I*を制限するため、発熱による素子の故障をより適切に防止することができる。
(その他の実施形態)
(ア)図1では、ヒートシンク20の温度Thsを検出する温度検出器12は、ヒートシンク20に接触する基板11上のグランド経路部分に設置される。また、電動機80の温度Tmを検出する温度検出器18は、各相巻線81、82、83に接続される基板11上の電流経路の近辺に設置される。このような構成に限らず、基板11から離れた箇所に温度検出器12、18を配置し、信号線等を介して、検出温度Ths、Tmを温度推定部30に伝送するようにしてもよい。
(イ)図1には、「電力変換器」としてのインバータにより三相交流電動機を駆動するシステムが示されている。この他、本発明の電動機制御装置は、四相以上の交流電動機を駆動するシステムに適用されてもよい。また、「電力変換器」としてHブリッジ回路を用いて直流電動機を駆動するシステムに適用されてもよい。
(ウ)電動機及び電動機制御装置の物理的配置として、いわゆる機電一体式や合体式のように隣接配置されている構成の方が、評価箇所として電動機を選択したとき、基板での検出温度と電動機の推定温度との相関が高い傾向にあると考えられる。ただし、電動機及び電動機制御装置がケーブルで接続された機電別体式であっても、基板での検出温度と電動機の推定温度との間にある程度の相関があれば、上記実施形態により電動機の温度を推定することが有効である。
(エ)第2温度検出器は、第1温度検出器の検出箇所よりも熱容量が小さく、且つ、評価箇所となり得るその他の温度推定部位よりも熱容量が大きな部位の温度を検出することが望ましい。例えば、熱容量が最も大きいヒートシンク20の温度を第1温度検出器が検出し、次に熱容量が大きい電動機80の温度を第2温度検出器が検出するとよい。他の温度推定部位より熱容量が大きければ冷めるのが遅いため、上記実施形態による温度推定において他の部位を評価箇所としたとき、評価箇所の温度を低く推定することがない。
(オ)電流制御部は、評価箇所の推定温度に応じて電流制限値を可変に設定する構成に限らない。電動機システムの性質によっては、評価箇所の推定温度が所定値を超えたとき、システムの動作を停止したり、冷却ファン等による強制冷却を実行したりしてもよい。
(カ)上昇温度の推定のための電流値は、電流検出器による検出値に限らず、推定値を用いてもよい。例えば、電動機の回転数及びトルクから算出したインバータ電力とインバータ入力電圧とに基づいて、インバータに流れる電流を推定することができる。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10・・・電動機制御装置、
11・・・基板、
12、14、15、16、18・・・(第1、第2)温度検出器、
20・・・ヒートシンク、
30・・・温度推定部、
40・・・制御回路IC、 41・・・電流制御部、
50・・・駆動回路IC、 51・・・プリドライバ、
60・・・インバータ(電力変換器)、 61〜66・・・スイッチング素子、
80・・・電動機。

Claims (6)

  1. 電動機(80)の通電を制御する電動機制御装置であって、
    通電時の発熱をヒートシンク(20)に放熱可能に設置された基板(11)と、
    前記基板に搭載され、前記電動機に電力供給する電力変換器(60)を構成する複数のスイッチング素子(61〜66)と、
    前記基板に搭載され、前記複数のスイッチング素子に駆動信号を出力するプリドライバ(51)を有する駆動回路IC(50)と、
    前記基板に搭載され、前記電動機に対する出力指令に基づき前記プリドライバへの指令信号を演算する電流制御部(41)を有する制御回路IC(40)と、
    前記ヒートシンク、前記制御回路IC、前記駆動回路IC、前記スイッチング素子及び前記電動機のうち、いずれか2箇所の温度をそれぞれ検出する第1温度検出器及び第2温度検出器(12、14、15、16、18)と、
    前記電動機に流れる電流(Im)、前記第1温度検出器による検出温度である第1検出温度(Ts1)、及び、前記第2温度検出器による検出温度である第2検出温度(Ts2)に基づいて、前記ヒートシンク、前記制御回路IC、前記駆動回路IC、前記スイッチング素子及び前記電動機のうちから選択した1箇所以上の評価箇所の温度(Tx)を推定する温度推定部(30)と、
    を備え、
    前記電流制御部が動作後に停止し、その後、再起動する過程において、
    前記温度推定部は、
    前記電流制御部の停止時に、前記評価箇所の推定温度(Txo)、第1検出温度(Ts1o)及び第2検出温度(Ts2o)を記憶し、
    前記電流制御部の再起動時に、
    前記停止時における前記第1検出温度と前記第2検出温度との温度差(ΔTso)と、当該再起動時における前記第1検出温度と前記第2検出温度との温度差(ΔTs)との比を推定ゲイン(K)として算出し、
    前記停止時における前記第1検出温度と前記評価箇所の推定温度との温度差(ΔTxo)に前記推定ゲインを乗じて求めた温度差(ΔTx)、及び、前記電動機に流れる電流の積算値から算出した上昇温度(ΔTi)に基づいて、当該再起動時における前記評価箇所の温度を推定する電動機制御装置。
  2. 前記第1温度検出器又は前記第2温度検出器の少なくとも一方は、前記制御回路IC、前記駆動回路IC、又は、ICパッケージに埋め込まれた前記スイッチング素子の温度を検出するものであり、当該温度検出器は、ICパッケージ内部に設けられている請求項1に記載の電動機制御装置。
  3. 前記第1温度検出器(12)は、前記ヒートシンクの温度を検出する請求項1または2に記載の電動機制御装置。
  4. 前記ヒートシンクの温度を検出する温度検出器は、前記ヒートシンクに当接する前記基板上に設けられている請求項3に記載の電動機制御装置。
  5. 前記電流制御部は、前記評価箇所の推定温度が所定の温度範囲において、前記評価箇所の推定温度が高いほど、電流指令値に対する電流制限値を低く設定する請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  6. 前記温度推定部は、複数の前記評価箇所の温度を推定し、
    前記電流制御部は、複数の推定温度毎に設定された複数の電流制限値の最小値を用いて電流指令値を制限する請求項5に記載の電動機制御装置。
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