JP2019091550A - 蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、リチウムイオンなどのイオンの透過性に優れており、高性能のリチウムイオン電池、キャパシタ、コンデンサなどの高出力用途の蓄電デバイスを構成することができると共に、電解液の含浸性に優れた蓄電デバイス用セパレータを提供する。【解決手段】 本発明の蓄電デバイス用セパレータは、合成樹脂及び微小孔部を含有し、透気抵抗が30sec/100mL/16μm以上、100sec/100mL/16μm以下であり、空孔率が45%以上、65%以下で且つ比表面積が20m2/g以上、60m2/g以下である。【選択図】 図1

Description

本発明は、蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイスに関する。
従来からリチウムイオン電池、キャパシタ、コンデンサなどの蓄電デバイスが用いられている。例えば、リチウムイオン電池は、一般的に正極と、負極と、セパレータとを電解液中に配設することによって構成されている。正極は、アルミニウム箔の表面にコバルト酸リチウム又はマンガン酸リチウムが塗布されてなる。負極は、銅箔の表面にカーボンが塗布されてなる。そして、セパレータは、正極と負極とを仕切るように配設され、正極と負極との短絡を防止している。
リチウムイオン電池の充電時には、正極からリチウムイオンが放出されて負極内に進入する。一方、リチウムイオン電池の放電時には、負極からリチウムイオンが放出されて正極に移動する。このような充放電がリチウムイオン電池では繰り返される。従って、リチウムイオン電池に用いられているセパレータには、リチウムイオンが良好に透過できることが必要とされる。
近年、自動車用のリチウムイオン電池のような大型電池は高出力化が進んでおり、リチウムイオンがセパレータを通過する際の低抵抗化が求められている。そのため、セパレータには高い透気性を有していることが必要とされている。更に、大型のリチウムイオン電池の場合には、長寿命、長期安全性の保障も重要となる。
特許文献1には、ポリプロピレン樹脂とβ晶核剤とを含む多孔性ポリプロピレンフィルムであって、幅方向の寸法が5%熱収縮する温度が130〜200℃であり、透気抵抗が50〜500秒/100mlであり、空孔率が35〜70%であり、かつ、下記関係式を満たしている多孔性ポリプロピレンフィルムが開示されている。
G+15×ε≦1,200
WO2012/105661
しかしながら、特許文献1の多孔性ポリプロピレンフィルムは、透気性が低く、リチウムイオンの透過性が不十分である。そのため、このようなポリプロピレン微多孔性フィルムは、高出力を要するリチウムイオン電池に用いることは困難である。
更に、蓄電デバイスの製造工程において、セパレータに電解液を含浸させるが、上記多孔性ポリプロピレンフィルムは、電解液の含浸性が低く、必要な量の電解液を含浸させるために長時間を要するという問題点を有している。
本発明は、リチウムイオンなどのイオンの透過性に優れており、高性能のリチウムイオン電池、キャパシタ、コンデンサなどの蓄電デバイスを構成することができる蓄電デバイス用セパレータを提供する。
本発明は、電解液の含浸性が高く、必要な量の電解液を短時間のうちに含浸させることができる蓄電デバイス用セパレータを提供する。
[蓄電デバイス用セパレータ]
本発明の蓄電デバイス用セパレータは、
合成樹脂及び微小孔部を含有し、透気抵抗が30sec/100mL/16μm以上、100sec/100mL/16μm以下であり、空孔率が45%以上、65%以下で且つ比表面積が20m2/g以上、60m2/g以下である。
蓄電デバイス用セパレータは合成樹脂を含んでいる。合成樹脂としては、オレフィン系樹脂が好ましく、エチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂が好ましく、プロピレン系樹脂がより好ましい。
合成樹脂中におけるオレフィン系樹脂の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。
プロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。延伸法によって蓄電デバイス用セパレータが製造される場合には、ホモポリプロピレンが好ましい。プロピレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。プロピレン系樹脂中におけるプロピレン成分の含有量は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンなどが挙げられ、エチレンが好ましい。
エチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレン、及びエチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。また、エチレン系樹脂微多孔フィルムは、エチレン系樹脂を含んでいれば、他のオレフィン系樹脂を含んでいてもよい。エチレン系樹脂中におけるエチレン成分の含有量は、好ましくは50質量%を超え、より好ましくは80質量%以上である。
オレフィン系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、3万〜50万が好ましく、5万〜48万がより好ましい。プロピレン系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、25万〜50万が好ましく、28万〜48万がより好ましい。エチレン系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、3万〜25万が好ましく、5万〜20万がより好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、透気性に優れた蓄電デバイス用セパレータを提供することができる。
オレフィン系樹脂の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、特に限定されないが、5〜30が好ましく、7.5〜25がより好ましい。プロピレン系樹脂の分子量分布は、特に限定されないが、7.5〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。エチレン系樹脂の分子量分布は、特に限定されないが、5.0〜30が好ましく、8.0〜25がより好ましい。分子量分布が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、透気性に優れた蓄電デバイス用セパレータを提供することができる。
ここで、オレフィン系樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値である。具体的には、オレフィン系樹脂6〜7mgを採取し、採取したオレフィン系樹脂を試験管に供給した上で、試験管に0.05質量%のBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を含んでいるo−DCB(オルトジクロロベンゼン)溶液を加えてオレフィン系樹脂濃度が1mg/mLとなるように希釈して希釈液を作製する。
溶解濾過装置を用いて145℃にて回転数25rpmにて1時間に亘って上記希釈液を振とうさせてオレフィン系樹脂をo−DCB溶液に溶解させて測定試料とする。この測定試料を用いてGPC法によってオレフィン系樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量を測定することができる。
オレフィン系樹脂における重量平均分子量及び数平均分子量は、例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置 TOSOH社製 商品名「HLC-8121GPC/HT」
測定条件 カラム:TSKgelGMHHR-H(20)HT×3本
TSKguardcolumn-HHR(30)HT×1本
移動相:o−DCB 1.0mL/分
サンプル濃度:1mg/mL
検出器:ブライス型屈折計
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製 分子量:500〜8420000)
溶出条件:145℃
SEC温度:145℃
オレフィン系樹脂の融点は、特に限定されないが、130〜170℃が好ましく、133〜165℃がより好ましい。プロピレン系樹脂の融点は、特に限定されないが、160〜170℃が好ましく、160〜165℃がより好ましい。エチレン系樹脂の融点は、特に限定されないが、130〜140℃が好ましく、133〜139℃がより好ましい。融点が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、透気性に優れた蓄電デバイス用セパレータを提供することができる。
なお、本発明において、オレフィン系樹脂の融点は、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツル社 装置名「DSC220C」など)を用い、下記手順に従って測定することができる。先ず、オレフィン系樹脂10mgを25℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで加熱し、250℃にて3分間に亘って保持する。次に、オレフィン系樹脂を250℃から降温速度10℃/分にて25℃まで冷却して25℃にて3分間に亘って保持する。続いて、オレフィン系樹脂を25℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで再加熱し、この再加熱工程における吸熱ピークの頂点の温度を、オレフィン系樹脂の融点とする。
蓄電デバイス用セパレータは、微小孔部を含んでいる。微小孔部は、フィルムの厚み方向に貫通していることが好ましく、これにより蓄電デバイス用セパレータに優れた透気性を付与することができる。このような蓄電デバイス用セパレータはその厚み方向にリチウムイオンなどのイオンを透過させることが可能となる。なお、蓄電デバイス用セパレータの厚み方向とは、蓄電デバイス用セパレータの主面に対して直交する方向をいう。蓄電デバイス用セパレータの主面とは、蓄電デバイス用セパレータの表面のうち、最も面積の大きい面をいう。
蓄電デバイス用セパレータは、好ましくは延伸によって微小孔部が形成されている。蓄電デバイス用セパレータの厚み方向に沿った断面において、微小孔部の平均孔径が20〜100nmが好ましく、20〜70nmがより好ましく、30〜50nmが特に好ましい。
微小孔部の平均孔径は下記の要領で測定された値をいう。先ず、蓄電デバイス用セパレータをその厚み方向及び延伸方向に沿って(蓄電デバイス用セパレータの主面に対して直交し且つ延伸方向に沿った面に沿って)切断し、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて拡大倍率1万倍で切断面の拡大写真を撮影する。なお、拡大写真の縦方向が厚み方向となるように調整し、厚み方向の中心部を撮影箇所とする。得られた拡大写真の全範囲を測定区画と定める。
蓄電デバイス用セパレータの切断面のSEM写真は以下の要領で撮影される。先ず、蓄電デバイス用セパレータを銅テープなどで切断しやすいように補強した後、クロスセクションポリッシャー(例えば、日本電子社から商品名「IB−19500CP」にて市販されているクロスセクションポリッシャー)を用いて切断する。次に、チャージアップによる画像の乱れを防ぐため、切断面に金属膜(例えば、金、白金、オスミウム、カーボンなどの金属膜)を蒸着させた後、SEM(例えば、日立社から商品名「S−4800S」にて市販されているSEM)を用いて、加速電圧1.0kVの条件で切断面を撮影する。上記要領にて測定することで、鮮明な拡大写真を撮影することが可能となるが、鮮明な拡大写真を得ることができれば、上述した方法に限定されるものではない。
次に、拡大写真中にあらわれた微小孔部を包囲し且つ長軸及び短軸が共に最短となる楕円を微小孔部ごとに描く。この楕円の長軸の長さと短軸の長さの相加平均値を微小孔部の孔径とする。測定区画内にある微小孔部の孔径の相加平均値を微小孔部の平均孔径とする。なお、測定区画内に全てが入っている微小孔部のみを測定対象とする。
蓄電デバイス用セパレータの空孔率は、45%以上、65%以下であり、48%以上、62%以下が好ましく、50%以上、58%以下がより好ましい。空孔率が上記範囲内である蓄電デバイス用セパレータは、リチウムイオンなどのイオンの透過性に優れている。
なお、蓄電デバイス用セパレータの空孔率は下記の要領で測定することができる。先ず、蓄電デバイス用セパレータを切断することにより縦10cm×横10cmの平面正方形状(面積100cm2)の試験片を得る。次に、試験片の重量W(g)を及び厚みT(cm)を測定し、下記により見掛け密度ρ(g/cm3)を算出する。なお、試験片の厚みは、ダイヤルゲージ(例えば、株式会社ミツトヨ製 シグナルABSデジマチックインジケータ)を用いて、試験片の厚みを15箇所測定し、その相加平均値とする。そして、この見掛け密度ρ(g/cm3)及び蓄電デバイス用セパレータを構成している合成樹脂自体の密度ρ(g/cm3)を用いて下記に基づいて蓄電デバイス用セパレータの空孔率(%)を算出することができる。
見掛け密度ρ(g/cm3)=W/(100×T)
空孔率[%]=100×[(ρ−ρ)/ρ
蓄電デバイス用セパレータの厚みは、6μm以上、25μm以下が好ましく、9μm以上、20μm以下がより好ましく、12μm以上、18μm以下が特に好ましい。蓄電デバイス用セパレータの厚みが6μm以上であると、異物が混入した時にあっても正負極の短絡を防止することができる。蓄電デバイス用セパレータの厚みが25μm以下であると、蓄電デバイス用セパレータとして用いた時に、蓄電デバイス用セパレータの総積層数を多くすることができ、単位体積当たりの電池容量を大きくすることができる。
なお、本発明において、蓄電デバイス用セパレータの厚みの測定は、次の要領に従って行うことができる。すなわち、蓄電デバイス用セパレータの任意の10箇所をダイヤルゲージを用いて測定し、その相加平均値を蓄電デバイス用セパレータの厚みとする。
蓄電デバイス用セパレータの透気抵抗は、30sec/100mL/16μm以上、100sec/100mL/16μm以下である。蓄電デバイス用セパレータの透気抵抗は、30sec/100mL/16μm以上、80sec/100mL/16μm以下が好ましく、30sec/100mL/16μm以上、70sec/100mL/16μm以下がより好ましく、30sec/100mL/16μm以上、60sec/100mL/16μm以下が特に好ましい。透気抵抗が上記範囲内である蓄電デバイス用セパレータは、イオン透過性に優れている。
なお、蓄電デバイス用セパレータの透気抵抗は下記の要領で測定された値をいう。温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下でJIS P8117に準拠して、蓄電デバイス用セパレータの任意の10箇所における透気度を測定し、その相加平均値を蓄電デバイス用セパレータの厚みで除し、厚み16μm当たりに規格化した値を透気抵抗(sec/100mL/16μm)とする。
蓄電デバイス用セパレータの比表面積は、20m2/g以上、60m2/g以下であり、20m2/g以上、55m2/g以下が好ましく、20m2/g以上、50m2/g以下がより好ましい。比表面積が20m2/g以上であると、蓄電デバイス用セパレータのイオン透過性が向上する。比表面積が60m2/g以下であると、蓄電デバイス用セパレータへの電解液の含浸性が向上する。
即ち、蓄電デバイス用セパレータは、空孔率が45〜65%としていることから、蓄電デバイス用セパレータは、十分な合成樹脂量を含有しているので、優れた機械的強度を有しており、正負極を確実に隔絶し、正負極の短絡を確実に防止することができる。
更に、蓄電デバイス用セパレータは、その比表面積が20〜60m2/gとされているので、蓄電デバイス用セパレータの微小孔部は、蛇行及び屈曲ができるだけ抑制されつつ、蓄電デバイス用セパレータの厚み方向に向かって直線状に延びた状態に形成されており、蓄電デバイス用セパレータに優れた透気性を付与することができる。そして、蓄電デバイス用セパレータの微小孔部は、蓄電デバイス用セパレータの厚み方向に直線状に延びた状態に形成されているので、電解液の含浸性に優れており、電解液の含浸工程を短時間のうちに完了することができる。
なお、蓄電デバイス用セパレータの比表面積は下記の要領で測定される。蓄電デバイス用セパレータの比表面積は、比表面積・細孔径分析装置を用い、下記手順にしたがって測定することができる。先ず、蓄電デバイス用セパレータを短冊状にカットして測定セル[ラージセル5.0cm3(ステム外径9mm)]に入れて室温(25℃)で1時間真空脱気する。吸着ガスとして窒素ガスを用い、P/P0=0〜0.3の吸着側数点を測定する。なお、比表面積・細孔径分析装置は、例えば、Quantachrome社から商品名「QUADRASORB evo」にて市販されている装置を用いることができる。
JIS Z8830に準拠した多点法に基づいて解析を行ない、蓄電デバイス用セパレータの比表面積を算出する。試料を2個用意し、試料の比表面積をそれぞれ測定し、これら比表面積の相加平均値を蓄電デバイス用セパレータの比表面積とする。
蓄電デバイス用セパレータの極大細孔直径は0.2〜0.4μmが好ましく、0.2〜0.3μmがより好ましい。極大細孔直径が0.2μm以上であると、蓄電デバイス用セパレータのリチウムイオンなどイオンの透過性が向上する。極大細孔直径が0.4μm以下であると、電解液の含浸性が向上する。
なお、蓄電デバイス用セパレータの極大細孔直径は、下記の要領で測定された値をいう。蓄電デバイス用セパレータの極大細孔直径は、全自動細孔分布測定装置を用い、下記手順にしたがって測定することができる。先ず、蓄電デバイス用セパレータを短冊状に切り出して試験片を作製した。試験片約0.3gをサンプルセル[スモールセル(10φ×30mm、ステム容積:0.5cm3)]に詰めた。細孔直径0.0065〜10μm、水銀接触角140°、水銀表面張力480dyn/cmの測定条件下にて細孔分布曲線を測定した(例えば、図1)。得られた細孔分布曲線から水銀の侵入量(変化量)が最も大きいところ(最大頻度)の細孔直径を極大細孔直径とした。なお、全自動細孔分布測定装置は、例えば、Quantachrome社から商品名「Pore Master 60−GT」にて市販されている装置などが挙げられる。
更に、蓄電デバイス用セパレータは一軸延伸されていることが好ましい。蓄電デバイス用セパレータが一軸延伸されていると、蓄電デバイス用セパレータには一軸延伸時に加えられた延伸応力が残留応力として僅かに残っている。そのため、蓄電デバイス用セパレータは、蓄電デバイス内が異常高温となった場合には、残留応力によって正極と負極とを短絡させない程度に僅かに変形し、蓄電デバイス用セパレータの厚み方向に延びる微小孔部を積極的に屈曲させることによってイオン透過性を低下させる。その結果、蓄電デバイス内の異常反応を抑制し、蓄電デバイス内の異常高温を緩和させて安全性を向上させることができる。
蓄電デバイス用セパレータは、上述の通り、優れた透気性を有している。従って、蓄電デバイス用セパレータは、高出力を必要とする蓄電デバイス〔リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池、キャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)、コンデンサなど〕のセパレータとして好適に用いることができる。
[蓄電デバイス用セパレータの製造方法]
蓄電デバイス用セパレータの製造方法を説明する。
蓄電デバイス用セパレータは、下記工程、
合成樹脂を押出機に供給して溶融混練し、上記押出機の先端に取り付けたTダイから押出すことにより合成樹脂フィルムを得る押出工程と、
上記押出工程で得られた上記合成樹脂フィルムをその表面温度が(合成樹脂の融点−30℃)〜(合成樹脂樹脂の融点−1℃)となるようにして1分以上養生する養生工程と、
上記養生工程後の上記合成樹脂フィルムを歪み速度10〜250%/分且つ延伸倍率1.5〜2.8倍にて一軸延伸する延伸工程と、
上記延伸工程後の上記合成樹脂フィルムをアニールするアニーリング工程と、を含む方法によって製造することができる。以下、蓄電デバイス用セパレータの製造方法について、順を追って説明する。
(押出工程)
先ず、合成樹脂を押出機に供給して溶融混練し、押出機の先端に取り付けたTダイから押出すことにより合成樹脂フィルムを得る押出工程を行う。
合成樹脂を押出機にて溶融混練する際の合成樹脂の温度は、(合成樹脂の融点+20℃)〜(合成樹脂の融点+100℃)が好ましく、(合成樹脂の融点+25℃)〜(合成樹脂の融点+80℃)がより好ましい。合成樹脂の温度が上記範囲内であると、合成樹脂の配向性が向上し、合成樹脂のラメラを高度に形成することができる。
合成樹脂を押出機からフィルム状に押出す際におけるドロー比は、50〜300が好ましく、55〜280がより好ましく、65〜250が特に好ましく、68〜250が最も好ましい。ドロー比が50以上であると、合成樹脂を充分に分子配向させて、合成樹脂のラメラを充分に生成させることができる。ドロー比が、300以下であると、合成樹脂フィルムの製膜安定性が向上し、合成樹脂フィルムの厚み精度及び幅精度を向上させることができる。
なお、ドロー比とは、TダイのリップのクリアランスをTダイから押出された合成樹脂フィルムの厚みで除した値をいう。Tダイのリップのクリアランスの測定は、JIS B7524に準拠したすきまゲージ(例えば、株式会社永井ゲージ製作所製 JISすきまゲージ)を用いてTダイのリップのクリアランスを10箇所以上測定し、その相加平均値を求めることにより行うことができる。また、Tダイから押出された合成樹脂フィルムの厚みは、ダイヤルゲージ(例えば、株式会社ミツトヨ製 シグナルABSデジマチックインジケータ)を用いてTダイから押出された合成樹脂フィルムの厚みを10箇所以上測定し、その相加平均値を求めることにより行うことができる。
合成樹脂フィルムの製膜速度は、10〜300m/分が好ましく、15〜250m/分がより好ましく、15〜30m/分が特に好ましい。合成樹脂フィルムの製膜速度が10m/分以上であると、合成樹脂を充分に分子配向させて、合成樹脂のラメラを充分に生成させることができる。また、合成樹脂フィルムの製膜速度が300m/分以下であると、合成樹脂フィルムの製膜安定性が向上し、合成樹脂フィルムの厚み精度及び幅精度を向上させることができる。
Tダイから押出された合成樹脂フィルムをその表面温度が(合成樹脂の融点−100℃)以下となるまで冷却することが好ましい。これにより、合成樹脂が結晶化してラメラを生成することを促進させることができる。溶融混練した合成樹脂を押出すことにより、合成樹脂フィルムを構成している合成樹脂分子を予め配向させた上で、合成樹脂フィルムを冷却することにより、合成樹脂が配向している部分においてラメラの生成を促進させることができる。
冷却された合成樹脂フィルムの表面温度は、合成樹脂の融点よりも100℃低い温度以下が好ましく、合成樹脂の融点よりも140〜110℃低い温度がより好ましく、合成樹脂の融点よりも135〜120℃低い温度が特に好ましい。冷却された合成樹脂フィルムの表面温度が合成樹脂の融点よりも100℃低い温度以下であると、合成樹脂フィルムを構成している合成樹脂のラメラを十分に生成することができる。
(養生工程)
次に、上述した押出工程により得られた合成樹脂フィルムを養生する。この合成樹脂フィルムの養生工程は、押出工程において合成樹脂フィルム中に生成させたラメラを成長させるために行う。このことにより、合成樹脂フィルムの押出方向に結晶化部分(ラメラ)と非結晶部分とが交互に配列してなる積層ラメラ構造を形成させることができ、後述する合成樹脂フィルムの延伸工程において、ラメラ内ではなく、ラメラ間、即ち、非結晶部分において亀裂を発生させ、この亀裂を起点として微小な貫通孔(微小孔部)を形成することができる。
合成樹脂フィルムの養生温度は、(合成樹脂の融点−30℃)〜(合成樹脂の融点−1℃)が好ましく、(合成樹脂の融点−25℃)〜(合成樹脂の融点−5℃)がより好ましい。合成樹脂フィルムの養生温度が(合成樹脂の融点−30℃)以上であると、合成樹脂の分子を十分に配向させてラメラを十分に成長させることができる。また、合成樹脂フィルムの養生温度が(合成樹脂の融点−1℃)以下であると、合成樹脂の分子を十分に配向させてラメラを十分に成長させることができる。なお、合成樹脂フィルムの養生温度とは、合成樹脂フィルムの表面温度をいう。
合成樹脂フィルムの養生時間は、1分以上が好ましく、3分以上がより好ましく、5分以上が特に好ましく、10分以上が最も好ましい。合成樹脂フィルムを1分以上養生させることにより、合成樹脂フィルムのラメラを十分に且つ均一に成長させることができる。また、養生時間が長すぎると、合成樹脂フィルムが熱劣化する虞れがある。したがって、養生時間は、30分以下が好ましく、20分以下がより好ましい。
(延伸工程)
次に、養生工程後の合成樹脂フィルムを一軸延伸する延伸工程を行う。延伸工程では、合成樹脂フィルムを好ましくは押出方向にのみ一軸延伸する。
延伸工程における合成樹脂フィルムの延伸方法としては、合成樹脂フィルムを一軸延伸することができれば、特に限定されず、例えば、合成樹脂フィルムを一軸延伸装置を用いて所定温度にて一軸延伸する方法などが挙げられる。合成樹脂フィルムの延伸は、複数回分割して行う逐次延伸が好ましい。逐次延伸をすることによって、得られる蓄電デバイス用セパレータの空孔率を低く抑えながら透気抵抗を向上させることができる。
合成樹脂フィルムの延伸時における歪み速度は、10〜250%/分が好ましく、30〜245%/分がより好ましく、35〜240%/分が特に好ましい。合成樹脂フィルムの延伸時における歪み速度を上記範囲内に調整することによって、ラメラ間において不規則に亀裂が発生するのではなく、合成樹脂フィルムの延伸方向に所定間隔毎に配列し且つ合成樹脂フィルムの厚み方向に延びる仮想直線上にあるラメラ間において規則的に亀裂が発生する。従って、蓄電デバイス用セパレータには、概ね厚み方向に延びる支持部(層状の結晶部)が形成されると共に微小孔部ができるだけ厚み方向に連続した直線状に形成される。合成樹脂フィルムの延伸時における歪み速度とは、下記式に基づいて算出された値をいう。なお、延伸倍率λ[%]、ライン搬送速度V[m/分]及び延伸区間路長F[m]に基づいて算出される、単位時間当たりの変形歪みε[%/分]をいう。ライン搬送速度Vとは、延伸区間の入口での合成樹脂フィルムの搬送速度をいう。延伸区間路長Fとは、延伸区間の入口から出口までの搬送距離をいう。
歪み速度ε=λ×V/F
延伸工程において、合成樹脂フィルムの表面温度は、(合成樹脂の融点−100℃)〜(合成樹脂の融点−5℃)が好ましく、(合成樹脂の融点−30℃)〜(合成樹脂の融点−10℃)がより好ましい。上記表面温度が上記範囲内にあると、合成樹脂フィルムを破断させることなく、ラメラ間の非結晶部において円滑に亀裂を発生させて微小孔部を生成することができる。
延伸工程において、合成樹脂フィルムの延伸倍率は、1.5〜3.0倍が好ましく、2.0〜2.9倍がより好ましく、2.3〜2.8倍が特に好ましい。上記延伸倍率が上記範囲内であると、合成樹脂フィルムに微小孔部を均一に形成することができる。
なお、合成樹脂フィルムの延伸倍率とは、延伸後の合成樹脂フィルムの長さを延伸前の合成樹脂フィルムの長さで除した値をいう。
(アニーリング工程)
次に、延伸工程後の合成樹脂フィルムにアニール処理を施すアニーリング工程を行う。このアニーリング工程は、上述した延伸工程において加えられた延伸によって合成樹脂フィルムに生じた残存歪みを緩和して、得られる蓄電デバイス用セパレータに加熱による熱収縮が生じることを抑えるために行われる。
アニーリング工程における合成樹脂フィルムの表面温度は、(合成樹脂の融点−40℃)〜(合成樹脂の融点−5℃)が好ましい。上記表面温度が(合成樹脂の融点−40℃)以上であると、合成樹脂フィルム中に、異常高温時に正負極の短絡が生じないように収縮する程度の残留応力を残し、異常高温時に僅かに収縮させて微小孔部を屈曲させ、イオンなどの透過性を抑制して異常高温を効果的に抑制することができる。また、上記表面温度が(合成樹脂の融点−5℃)以下であると、延伸工程で形成された微小孔部の閉塞を防止することができる。
アニーリング工程における合成樹脂フィルムの収縮率は、30%以下が好ましい。上記収縮率が30%以下であると、合成樹脂フィルム中に、異常高温時に正負極の短絡が生じないように収縮する程度の残留応力を残し、異常高温時に僅かに収縮させて微小孔部を屈曲させ、イオンなどの透過性を抑制して異常高温を効果的に抑制することができ、又は、微小孔部の形状を保持することができる。
なお、合成樹脂フィルムの収縮率とは、アニーリング工程時における延伸方向における合成樹脂フィルムの収縮長さを、延伸工程後の延伸方向における合成樹脂フィルムの長さで除して100を乗じた値をいう。
本発明の蓄電デバイス用セパレータは、リチウムイオンなどのイオンの透過性に優れており、高性能のリチウムイオン電池、キャパシタ、コンデンサなどの高出力用途の蓄電デバイスを構成することができる。
本発明の蓄電デバイス用セパレータは、電解液の含浸性に優れている。従って、必要な量の電解液を短時間のうちに蓄電デバイス用セパレータに含浸させることができ、電池の製造効率を向上させることができる。
図1は、極大細孔直径の測定時に測定される細孔分布曲線の一例を示した図である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜4、比較例1、2]
(押出工程)
表1に示した重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分子量分布(Mw/Mn)及び融点を有するホモポリプロピレンを押出機に供給して表1に示した樹脂温度にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出した。しかる後、フィルムを表面温度が30℃となるまで冷却して、厚みが18μmで且つ幅が200mmの長尺状のホモポリプロピレンフィルムを得た。なお、製膜速度、押出量及びドロー比は表1に示した通りであった。
(養生工程)
次に、ホモポリプロピレンフィルムをその表面温度が表1に示した養生温度となるようにして表1に示した時間(養生時間)の間、養生した。
(延伸工程)
次に、養生を施したホモポリプロピレンフィルムをその表面温度が表1に示した温度となるようにして表1に示した歪み速度にて表1に示した延伸倍率に押出方向にのみ一軸延伸装置を用いて一軸延伸した。
(アニーリング工程)
しかる後、ホモポリプロピレンフィルムを熱風炉に供給し、ホモポリプロピレンフィルムをその表面温度が表1に示した温度となるように且つホモポリプロピレンフィルムに張力が加わらないようにして1分間に亘って走行させて、ホモポリプロピレンフィルムにアニールを施して長尺状の蓄電デバイス用セパレータを得た。蓄電デバイス用セパレータの厚みは16μmであった。なお、アニーリング工程におけるホモポリプロピレンフィルムの収縮率は表1に示した値とした。
[評価]
得られた蓄電デバイス用セパレータについて、透気抵抗、空孔率、厚み、比表面積及び極大細孔直径を上記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
得られた蓄電デバイス用セパレータについて、直流抵抗及び電解液含浸性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(直流抵抗)
下記要領で正極及び負極を作成し、小型電池を作製した。得られた小型電池について直流抵抗の測定を行った。
<正極の作製方法>
Li2CO3と、Ni0.5Co0.2Mn0.3(OH)2で表される共沈水酸化物とをLiと遷移金属全体のモル比が1.08:1になるように石川式らいかい乳鉢にて混合した後、空気雰囲気中にて950℃で20時間熱処理した後に粉砕することにより、正極活物質として、平均二次粒子径が約12μmのLi1.04Ni0.5Co0.2Mn0.32を得た。
上記のように得られた正極活物質と、導電助剤としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製、HS−100)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(クレハ社製 商品名「#7208」)とを91:4.5:4.5(質量%)の割合で混合し、この混合物をN−メチル−2−ピロリドンに投入混合してスラリー状の溶液を作製した。このスラリー状の溶液をアルミニウム箔(東海東洋アルミ販売社製、厚さ:20μm)にドクターブレード法で塗布し、乾燥した。スラリー状の溶液の塗布量は、1.6g/cm3であった。アルミニウム箔をプレスして切断し、正極を作製した。
<負極の作製方法>
チタン酸リチウム(石原産業社製 商品名「XA−105」と、メジアン径:6.7μm)と、導電助剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製 商品名「HS−100」)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン((株)クレハ製、#7208)とを90:2:8(質量量%)の比率で混合した。この混合物をN−メチル−2−ピロリドンに投入混合して、スラリー状の溶液を作製した。このスラリー状の溶液をアルミニウム箔(東海東洋アルミ販売社製、厚さ:20μm)にドクターブレード法で塗布し、乾燥した。スラリー状の溶液の塗布量は、2.0g/cm3であった。アルミニウム箔をプレスして切断して負極を作製した。
<直流抵抗の測定>
正極を直径14mmの円形状に、負極を直径15mmの円形状に打ち抜いた。小型電池は、正極及び負極との間に蓄電デバイス用セパレータを介在させた状態で蓄電デバイス用セパレータに電解液を含浸させることで構成した。
電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:7混合溶媒に、1Mになるように六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解させた電解液を使用した。
小型電池の充電は、予め設定した上限電圧まで電流密度0.20mA/cm2で充電した。放電は、予め設定した下限電圧まで、電流密度0.20mA/cm2で放電した。上限電圧は2.7V、下限電圧は2.0Vであった。1サイクル目に得られた放電容量を電池の初期容量とした。その後、初期容量の30%まで充電した後、60mA(I1)で10秒間放電したときの電圧(E1)、144mA(I2)で10秒間放電したときの電圧(E2)をそれぞれ測定した。
上記の測定値を用いて、30℃における直流抵抗値(Rx)を以下の式により算出した。
Rx=|(E1−E2)/放電電流(I1−I2)|
(電解液含浸性)
水平に置かれた平滑なガラス板上に白色紙(コクヨ製 商品名「KB用紙 KB−39N」)を載置し、白色紙上に蓄電デバイス用セパレータを重ね合わせた。次に、マイクロピペットを用いて、蓄電デバイス用セパレータの上面に、100μLの電解液をほぼ円形となるように滴下した。電解液は、富山薬品工業社から商品名「LIPASTE−3E7MEC/PF1」、組成EC(エチレンカーボネート):MEC(メチルエチルカーボネート)=3:7(体積比)/LiPF6(ヘキサフルオロリン酸リチウム)1.0M)にて市販されている電解液を用いた。蓄電デバイス用セパレータの上面に電解液を滴下した後、蓄電デバイス用セパレータを透過して白色紙に染み出した電解液のシミの大きさ(面積)が、蓄電デバイス用セパレータの上面に広がる電界液と同じ大きさになるまでの時間を測定し、電解液含浸時間とした。
Figure 2019091550
本発明の蓄電デバイス用セパレータは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、及びマグネシウムイオンなどのイオンの透過性に優れている。本発明の蓄電デバイス用セパレータは、電解液の含浸性を改善している。従って、蓄電デバイス用セパレータは、蓄電用デバイスのセパレータとして好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 合成樹脂及び微小孔部を含有し、透気抵抗が30sec/100mL/16μm以上、100sec/100mL/16μm以下であり、空孔率が45%以上、65%以下で且つ比表面積が20m2/g以上、60m2/g以下である、蓄電デバイス用セパレータ。
  2. 極大細孔直径が0.2μm以上、0.4μm以下である、請求項1に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  3. 一軸延伸されている、請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイス用セパレータ
  4. 合成樹脂がオレフィン系樹脂を含有している、請求項1から3の何れか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータを含む、蓄電デバイス。
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