JP2019089104A - 鋳型ばらしシステム - Google Patents
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Abstract
Description
このような鋳型ばらしを行うため、回転ドラム式、振動トラフ式、振動ドラム式等の鋳型ばらし装置が用いられている。鋳型ばらし装置では、鋳物と鋳型砂の冷却を促進するため、装置内に散水が行われることがある。例えば、特許文献1には、回転ドラム式冷却装置へ搬入する前に、鋳物の輻射熱を測定し、その測定温度に基づいて散水量を制御する構成が開示されている。
そこでなされた本発明の目的は、鋳型ばらしの際の散水量の過不足による影響を抑えることができる鋳型ばらしシステムを提供することである。
すなわち、本発明の鋳型ばらしシステムは、鋳物が鋳込まれた鋳型を、前記鋳物と鋳型砂とに分離する鋳型ばらしシステムであって、前記鋳物と前記鋳型とを、前記鋳物と鋳型砂とに分離するばらし装置と、前記ばらし装置に散水する散水部と、前記散水部における散水量を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ばらし装置に投入される前記鋳物が鋳込まれた鋳型の造型データ、前記鋳物を形成する溶融金属の鋳込みデータ、および前記溶融金属の前記鋳型への鋳込みから前記ばらし装置に投入されるまでの時間データを含む造型・鋳込みデータに基づいて、前記散水量を調整する。
前記ばらし装置に導入される前記空気の温度と湿度とを測定する導入空気温度湿度測定部と、前記空気の風量を測定する風量測定部と、を備え、前記制御装置は、前記導入空気の温度、湿度、および風量に基づいて、前記散水量を調整するようにしてもよい。
図1は、本発明の実施形態として示した鋳型ばらしシステム1の概略図である。
図1に示す鋳型ばらしシステム1は、鋳物Pが鋳込まれた鋳型Fを解砕し、鋳物Pと鋳型砂Sとを分離するとともに、鋳物Pと鋳型砂Sを併せて冷却する。ここで、鋳物Pが鋳込まれた鋳型Fとは、生型鋳造において鋳型Fの中に鋳込まれた溶融金属が凝固し、鋳物Pが鋳型Fに内蔵された状態のものを示す。以下において、鋳物Pが鋳込まれた鋳型Fを、投入鋳型Mと称する。
鋳型ばらしシステム1は、回転ドラム式のばらし装置2と、散水部4と、集塵装置5と、空気導入装置(空気導入部)7と、空気加熱部9と、制御装置3(空気加熱制御装置)と、を主に備える。
ドラム21は、筒状をなし、その中心軸をほぼ水平方向に向けて配置されている。
ローラー23は、ドラム21の軸方向両側にそれぞれ設けられている。ローラー23は、ドラム21を中心軸回りに回転可能に支持する。
駆動モータ24は、その回転運動を、スプロケットとチェーンとを介してドラム21に伝達する。これにより、ドラム21は、その中心軸回りに回転する。
投入鋳型Mは、ドラム21に投入される。ドラム21内では、投入鋳型Mのばらしが行われ、鋳物Pと鋳型砂Sとに分離される。
また、ばらし装置2の末端には篩が設けられている。篩は、鋳物Pと分離され、ドラム21の回転動作によって粉砕された鋳型砂Sを篩う。篩われた鋳型砂Sはシュート28で集められ、ベルトコンベア29上に排出される。排出された鋳型砂Sはベルトコンベア29で搬出される。
また、ベルトコンベア29上には、砂温度水分測定器(砂温度水分測定部)13が設けられており、搬出される鋳型砂Sの温度と水分とが測定される。砂温度水分測定器13は、制御装置3に電気的に接続されており、測定した鋳型砂Sの温度と水分とのデータが、制御装置3に送られる。
水供給源41は、散水配管42に水を供給する。
散水配管42は、その先端部がドラム21内に延びている。散水配管42は、水供給源41から供給された水を、ドラム21内に散布する。
水量調整弁43は、散水配管42を通る水の流量を調整する。水量調整弁43は制御装置3に電気的に接続されており、制御装置3によって算出された水量に応じて、その開度を調整する。
導入空気温度湿度測定器11は、制御装置3に電気的に接続されており、導入空気の温度と湿度とのデータが、制御装置3に送られる。また、排出空気温度湿度測定器14も制御装置3に電気的に接続されており、排出空気の温度と湿度とのデータが、制御装置3に送られる。さらに、風量測定器16も制御装置3に電気的に接続されており、空気導入装置7への風量のデータが、制御装置3に送られる。
空気加熱部9は、燃料供給源92から供給される燃料をバーナー91で燃焼させることで、燃焼ガスをばらし装置2内に噴出し、ばらし装置2内の空気を加熱する。空気加熱部9は、このバーナー91の燃焼状態により、集塵装置5に送られる空気の温度を調整する。
バーナー91は、制御装置3に電気的に接続されており、制御装置3の指令によりバーナー91の燃焼状態が制御される。
制御装置3には、鋳造ライン制御部100が電気的に接続されており、ばらし装置2へ投入される鋳型Fの造型・鋳込みデータを、制御装置3が取得する。
図2に示すように、制御装置3は、データ取得部31と、算出部32と、散水量決定部34と、燃料量決定部36と、制御部37と、を備えている。
決定された適正散水量に基づき、制御部37から水量調整弁43を制御し、散水部4で散水が行われる。
運転状態評価補正部33は、鋳物温度測定器12の測定値(鋳物Pの温度)と、砂温度水分測定器13の測定値(鋳型砂Sの温度と水分)に基づいて、散水量決定部34で決定した散水量を補正する。これらにより補正された適正散水量は、制御部37から水量調整弁43を制御して散水が行われる。
図3は本実施形態における制御装置で実行される制御の流れを示すフローチャートである。
まず、駆動モータ24を起動して、ドラム型のばらし装置20のドラム21の回転を開始する。空気導入装置7を起動し、ばらし装置2のドラム21内に投入側から空気を導入し、ばらし装置2からフード26、集塵装置5を経て空気導入装置7から排気する空気の流れを生成する。続いて、測定器等の各機器の運転準備を完了して、鋳型ばらしシステム1の運転を開始する。(ステップS1)
算出部32は、ばらし装置2から排出される鋳物Pの温度と、回収された鋳型砂Sの温度および水分とが、予め定めた目標値になったときの鋳物Pと鋳型砂Sの持つ熱量を求める。次いで、算出部32は、データ取得部31で算出された投入鋳型Mが持つ熱量から、鋳物Pと鋳型砂Sの持つ目標熱量を減じ、ばらし装置2で冷却されることによる冷却熱量を算出する。さらに、算出部32は、算出された冷却熱量に相当する散水量を算出する。
散水量決定部34では、ばらし装置2に投入される投入鋳型Mが持つ熱量の一部が、鋳型ばらしシステム1の系外に放散するのを見込んで、算出散水量に係数を乗じ、適正散水量を決定する(ステップS3)。
続いて、集塵装置5を通過した空気の風量が、風量測定器16で測定され、測定値が制御装置3に送信される(ステップS6)。
さらに、集塵装置5のフィルタを通過した空気の温度と湿度が、排出空気温度湿度測定器14で測定され、その測定値が制御装置3に送信される(ステップS10)。
図4は、鋳型ばらしシステム1の運転状態の評価と補正処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、制御装置3の運転状態評価補正部33は、まず、ステップS8で測定したばらし装置2から排出された鋳物Pの温度が設定値の上限以上か否かを判断する(ステップS21)。「Y:上限以上」の場合は、ステップS25に進む。この場合、鋳物Pの冷却が十分になされていないので、散水量の増量補正を検討する。増量補正の検討は、後述のステップS25で説明する。「N:上限以下」と判断された場合、ばらし装置2から排出された鋳物Pの温度は規定値上限未満であり、ばらし装置2から排出された鋳物Pは十分に冷却されている。この場合、散水量の増量補正の必要はなく、ステップS22に進む。
このような構成によれば、造型データ、鋳込みデータ、造型・鋳込みデータ、鋳物Pの温度、鋳型砂Sの温度および水分の目標値に基づいて散水量を調整する。これにより、ばらし装置2に投入する前に、鋳物Pが鋳込まれた鋳型Fが有している熱量を求めることができる。したがって、求められた熱量に基づいて散水量を調整することで、鋳物Pと鋳型砂Sの冷却のための散水量を的確に決定できる。したがって、散水量の過不足が生じるのを、より高精度に抑えることができ、鋳型ばらしの際の散水量を、より高精度に調整することが可能となる。
このような構成によれば、造型データ、鋳込みデータ、造型・鋳込みデータに加えて、鋳物Pの温度、鋳型砂Sの温度および水分の目標値に基づいて散水量を調整することで、散水量の過不足が生じるのを、さらに高精度に抑えることができ、鋳型ばらしの際の散水量を、より高精度に調整することが可能となる。
このような構成によれば、ばらし装置2に導入される空気の温度、湿度、および風量に基づいて散水量を調整することで、散水量の過不足が生じるのを、さらに高精度に抑えることができる。
このような構成によれば、ばらし装置2に導入される空気の温度、湿度、および風量と、排出空気の温度および湿度とに基づいて散水量を調整する。これにより、散水された水がばらし装置2内で蒸発するときの蒸発潜熱によって鋳物Pと鋳型砂Sから奪った熱量を求めることができる。このようにして求めた熱量に基づいて散水量を調整することで、散水量の過不足が生じるのを、さらに高精度に抑えることができる。
このような構成によれば、ばらし装置2に導入される空気の温度、湿度、および風量と、排出空気の温度および湿度とに基づいて、散水された水がばらし装置2内で蒸発するときの蒸発潜熱によって鋳物Pと鋳型砂Sから奪った熱量を求めることができる。このようにして求めた熱量に基づいて、バーナー91に供給する燃焼燃料量を調整することによって、ばらし装置2内への熱風の送り込み量を調整し、集塵装置5に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整することができる。その結果、ばらし装置2から空気導入装置までの空気導入経路での結露を抑えることができる。
このような構成によれば、ばらし装置2に導入される空気の温度、湿度、および風量と、排出空気の温度および湿度とに基づいて、散水された水がばらし装置2内で蒸発するときの蒸発潜熱によって鋳物Pと鋳型砂Sから奪った熱量を求めることができる。このようにして求めた熱量に基づいて、バーナー91に供給する燃焼燃料量を調整することによって、ばらし装置2内への熱風の送り込み量を調整し、集塵装置5に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整することができる。その結果、ばらし装置2から空気導入装置までの空気導入経路での結露を抑えることができる。これにより、散水量の過不足による影響が、ばらし装置2の下流側の集塵装置5に及ぶのを抑えることができる。
このような構成によれば、ばらし装置2に導入される風量、排出空気の温度および湿度に加えて、ばらし装置2に導入される空気の温度、湿度に基づいて、バーナー91に供給する燃焼燃料量を調整することによって、ばらし装置2内への熱風の送り込み量を調整し、集塵装置5に送り込まれる空気の温度と湿度とを調整することができる。その結果、ばらし装置2から空気導入装置までの空気導入経路での結露を抑えることができる。これにより、散水量の過不足による影響が、ばらし装置2の下流側の集塵装置5に及ぶのを、より確実に抑えることができる。
このような構成によれば、鋳型Fばらしの際の散水量の過不足による影響を抑えることができる。
なお、本発明の鋳型ばらしシステムは、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、鋳型ばらしシステム1は、回転ドラム式のばらし装置2を備えるようにしたが、これに限らない。
例えば、図5に示すように、トラフ振動式のばらし装置2Bを備えるようにしてもよい。トラフ振動式のばらし装置2Bは、振動トラフ201と、振動トラフ201を振動させるための発振機202と、を備える。投入鋳型Mは、振動トラフ201上に投入される。振動トラフ201は、発振機202によって振動されることで、振動トラフ201上の投入鋳型Mは、排出側に移動しながら解砕され、鋳物Pと鋳型砂Sとに分離される。
また、鋳型ばらしシステムにおいて、鋳型Fをばらす装置に鋳物P及び鋳型砂Sを冷却する機構を合わせた場合についても適用可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
2 ばらし装置
2B ばらし装置
3 制御装置(空気加熱制御装置)
4 散水部
5 集塵装置
7 空気導入装置(空気導入部)
9 空気加熱部
11 導入空気温度湿度測定器(導入空気温度湿度測定部)
12 鋳物温度測定器(鋳物温度測定部)
13 砂温度水分測定器(砂温度水分測定部)
14 排出空気温度湿度測定器(排出空気温度湿度測定部)
16 風量測定器(風量測定部)
F 鋳型
M 投入鋳型
P 鋳物
S 鋳型砂
Claims (7)
- 鋳物が鋳込まれた鋳型を、前記鋳物と鋳型砂とに分離する鋳型ばらしシステムであって、
前記鋳物と前記鋳型とを、前記鋳物と鋳型砂とに分離するばらし装置と、
前記ばらし装置に散水する散水部と、
前記散水部における散水量を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記ばらし装置に投入される前記鋳物が鋳込まれた鋳型の造型データ、前記鋳物を形成する溶融金属の鋳込みデータ、および前記溶融金属の前記鋳型への鋳込みから前記ばらし装置に投入されるまでの時間データを含む造型・鋳込みデータに基づいて、前記散水量を調整する、
鋳型ばらしシステム。 - 前記ばらし装置から排出される前記鋳物の温度を測定する鋳物温度測定部と、
前記ばらし装置から排出される前記鋳型砂の温度と水分とを測定する砂温度水分測定部と、
をさらに備え、
前記制御装置は、
前記鋳型の造型データ、前記溶融金属の鋳込みデータ、および前記造型・鋳込みデータと、
前記ばらし装置から排出される前記鋳物の温度と、
前記鋳型砂の温度および水分と、
に基づいて、前記散水量を調整する、
請求項1に記載の鋳型ばらしシステム。 - 前記ばらし装置に空気を導入する空気導入部と、
前記ばらし装置に導入される前記空気の温度と湿度とを測定する導入空気温度湿度測定部と、
前記空気の風量を測定する風量測定部と、
を備え、
前記制御装置は、前記導入空気の温度、湿度、および風量に基づいて、前記散水量を調整する、
請求項1または2に記載の鋳型ばらしシステム。 - 前記ばらし装置から排出される前記空気に含まれる粉塵を除去する集塵装置と、
前記集塵装置から排出される排出空気の温度と湿度とを測定する排出空気温度湿度測定部と、
をさらに備え、
前記制御装置は、
前記導入空気温度湿度測定部で測定された前記空気の温度と湿度と、
前記風量測定部で測定された前記風量と、
前記排出空気温度湿度測定部で測定された前記排出空気の温度と湿度と、
に基づいて、前記散水量を調整する、
請求項3に記載の鋳型ばらしシステム。 - 前記ばらし装置内の空気を加熱する空気加熱部をさらに備え、
前記制御装置は、
前記導入空気温度湿度測定部で測定された前記空気の温度と湿度と、
前記風量測定部で測定された前記風量と、
前記排出空気温度湿度測定部で測定された前記排出空気の温度と湿度と、
に基づいて前記空気加熱部を制御し、前記ばらし装置から排出されて前記集塵装置に送り込まれる前記空気の温度と湿度とを調整する、
請求項4に記載の鋳型ばらしシステム。 - 鋳物が鋳込まれた鋳型を、前記鋳物と鋳型砂とに分離する鋳型ばらしシステムであって、
前記鋳物と前記鋳型とを、前記鋳物と鋳型砂とに分離するばらし装置と、
前記ばらし装置に空気を導入する空気導入部と、
前記ばらし装置に導入される導入空気の風量を測定する風量測定部と、
前記ばらし装置内の空気を加熱する空気加熱部と、
前記ばらし装置から排出される前記空気に含まれる粉塵を除去する集塵装置と、
前記集塵装置から排出される排出空気の温度と湿度とを測定する排出空気温度湿度測定部と、
前記空気加熱部を制御する空気加熱制御装置と、
を備え、
前記空気加熱制御装置は、
前記風量測定部で測定された前記風量と、
前記排出空気温度湿度測定部で測定された前記排出空気の温度と湿度と、
に基づいて前記空気加熱部を制御し、前記ばらし装置から排出されて前記集塵装置に送り込まれる前記空気の温度と湿度とを調整する、
鋳型ばらしシステム。 - 前記ばらし装置に導入される前記導入空気の温度と湿度とを測定する導入空気温度湿度測定部をさらに備え、
前記空気加熱制御装置は、
前記導入空気温度湿度測定部で測定された前記導入空気の温度と湿度と、
前記風量と、
前記排出空気の温度と湿度と、
に基づいて前記空気加熱部を制御し、前記ばらし装置から排出されて前記集塵装置に送り込まれる前記空気の温度と湿度とを調整する、
請求項6に記載の鋳型ばらしシステム。
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