JP4230058B2 - 粉粒体の流動層処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理容器内で流動状態にした粉粒体にスプレー液をスプレーして、造粒又はコーティング処理を行う流動層処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
流動層処理法によって得られる処理品の粒子径、粒度分布、見かけ密度等を目標通りに制御するため、従来、以下のような方法が用いられていた。
【0003】
(1)処理プロセス中の粉粒体の運動状態や粒子径を目視によって観察し、スプレー液速度等の操作条件を経験則に従って適宜調整する方法。
【0004】
(2)流動層内の粉粒体の表面水分を赤外線水分測定器などによって測定し、適切な水分値を数回の実験によって確認し、これによって処理品の粒子径を制御する方法。
【0005】
(3)処理中の粉粒体をサンプリング採取し、その粒度を篩などを用いて測定し、処理の進行を確認する方法。
【0006】
(4)流動層装置に取り付けたCCDカメラ等の撮影装置によって装置内の粉粒体の粒子画像を撮影し、画像処理法等によって粒子径を演算する方法。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来方法には、以下のような問題点がある。
【0008】
(1)多様な物理的、化学的特性を有する粉粒体、スプレー液に対しては、処方ごとに操作条件を検討する必要があり、また、処理操作中においても粒子密度、粒子径の変化によって流動状態が変化するため、操作条件を微調整する必要がある。
【0009】
(2)処理プロセスのスケールアップ・ダウンを検討する際にも、装置ごとの混合特性、熱交換特性等の違いによって操作条件の再検討を強いられる。
【0010】
(3)層内水分が同一であっても、装置スケールの違いによって、処理品の粒度に違いがでる場合がある。
【0011】
(4)最適操作条件を確立するまでに、多くの試行錯誤が必要である。
【0012】
(5)流動層造粒に不可欠な乾燥工程の制御が不十分である。
【0013】
(6)画像処理法等では、粒子の画像データから粒子径を演算する際に、ノイズ除去、二値化処理、粒子の重なりの認識などのデータ変換が必要であり、このデータ処理中にデータの信頼性が低下する。
【0014】
本発明は、上記の従来技術上の問題点を解決することをその目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、流動層造粒方法に関するものである。流動層造粒方法では、造粒工程の後に造粒物の乾燥工程がある。すなわち、請求項1に係る発明は、処理容器内で流動化エアーによって流動状態にした粉粒体の粒度分布をレーザ式粒度分布測定装置で逐次測定しながら、造粒とその後の乾燥を行う粉粒体の流動層処理方法であって、造粒工程では、流動状態の粉粒体に結合基剤を含む結合剤液を連続スプレーして造粒を行ないつつ、レーザ式粒度分布測定装置による粒度分布の測定データから、造粒中の粉粒体の平均粒子径を求め、その平均粒子径が設定値に達した時点で連続スプレーを終了し、乾燥工程では、造粒工程を経た粉粒体の含有水分を低下させつつ、レーザ式粒度分布測定装置による粒度分布の測定データから、乾燥中の粉粒体の平均粒子径と、乾燥中の粉粒体に占める所定の粒子径以下の微粒子の頻度とを求め、その微粒子の頻度が設定値を越えた時は、結合剤液の残量または水その他の純溶媒を断続スプレーして、造粒の進行を防止しつつ乾燥中の粉粒体の微粉化を抑制し、平均粒子径が目標値に達した時点で運転を終了するものである。
【0019】
本発明におけるスプレー方式は、特に限定されず、トップスプレー方式、ボトムスプレー方式、タンジェンシャルスプレー方式を採用することができる。また、処理装置としては、流動造粒装置(流動造粒コーティング装置)、複合型流動造粒装置(複合型流動造粒コーティング装置)を用いることができる。トップスプレー方式の流動造粒装置では、処理容器の底部に配した通気性のある多孔板・金網等から流動化エアーを処理容器内に導入して流動層を形成し、流動化粒子群に上方から下向きにスプレー液をスプレーする。ボトムスプレー方式の流動造粒装置では、流動層下部に案内管を設け、この案内管に大量の流動化エアーを導入して噴流層を形成し、流動化粒子群に下方から上向きにスプレーする。タンジェンシャルスプレー方式の複合型流動造粒装置では、処理容器の底部に回転ディスクを付設し、例えば回転ディスクと処理容器の底部壁面との間の間隙から流動化エアーを導入して流動層を形成し、流動化粒子群に接線方向(回転ディスクの回転方向)にスプレーする(トップスプレー方式を採用することもある。)。回転ディスクの上面には円錐形のコーン部が設けられ、さらに複数のブレード(凸状羽根)が設けらたものもある。複合型流動造粒装置では、回転ディスクによって粒子群に転動圧密作用が加えられる。そのため、転動流動造粒装置(転動流動造粒コーティング装置)とも呼ばれている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
【0021】
図1は、実施形態で用いる流動造粒装置(転動流動造粒装置)の一構成例を概念的に示している。
【0022】
処理容器1の処理室1aの上方にバグフィルター2(ツインシェイキングフィルターシステムが例示されている。シングルシェイキング方式のフィルターシステムもある。)が設置され、処理室1aの底部に回転ディスク3が付設されている。回転ディスク3の上面には、円錐形のコーン部と複数のブレード(凸状羽根)が設けられる。流動化エアーは、流動化エアー供給部4(ブロアー等の給気源、温度・風量等の制御手段を備えている。)から所定の温度・風量等で供給され、給気ダクトから回転ディスク3の下方の給気室1bに導かれた後、回転ディスク3の外周部と処理容器1の底部壁面との間の間隙から処理室1a内に導入される。回転ディスク3上の粉粒体は、コーン部とブレードによる転動圧密作用を強く受け、外周部に転動してきた時に流動化エアーに乗って中央上部に吹き上げられ、コーン部の円錐テーパ面に沿って循環する。また、処理室1aには、スプレー液をスプレーエアーによってミスト状にしてスプレーするための1本又は複数本のスプレーノズル5が設置される。スプレーノズル5には、スプレー液供給部6(定量ポンプ等の定量注液源、液温等の制御手段を備えている。)からスプレー液が所定の流量・液温等で供給され、また、スプレーエアー供給部7(コンプレッサ等の圧縮エアー供給源、圧力・流量・露点等の制御手段を備えている。)からスプレーエアーが所定の圧力・風量等で供給される。スプレーエアーによってミスト化されたスプレー液は、スプレーノズル5の先端から、処理室1a内で流動状態にある粉粒体に向けて接線方向にスプレーされる。これにより、処理容器1a内の粉粒体が湿潤を受けて凝集し、あるいは、粒子の表面にスプレー液中の基剤成分が付着して被膜層が形成される。
【0023】
流動化エアーの温度・風量、スプレー液の液温・流量、スプレーエアーの温度・圧力・風量等の操作条件は、流動造粒装置の制御盤8から、流動化エアー供給部4、スプレー液供給部6、スプレーエアー供給部7等に出力される制御信号によって所要値に制御される。
【0024】
また、処理容器1にはレーザ式粒度分布測定装置10が設置されており、処理プロセス中の粉粒体の粒度分布がレーザ式粒度分布測定装置9によってリアルタイムで検出される。その粒度分布の測定データは、コントローラ11からパーソナルコンピュータ12に入力され、所要のデータ処理を経て流動装置の制御盤8に入力される。制御盤8は、この入力データに基づいて、所定の操作条件を制御する制御手段(例えばスプレー液供給部6)に制御信号を出力し、その操作条件(例えばスプレー液速度)を調整する。
【0025】
図2は、レーザ式粒度分布測定装置10の一構成例を概念的に示している。レーザ発振器、例えばHe−Neレーザ発振器10aから発振されたレーザ光Lはビームエキスパンダ10bで平行ビームにされ、さらにプリズム10cで偏向されて検出部10dに入射する。検出部10dは、処理室1a内における粉粒体の流動層に対応する位置に配設されており、処理プロセス中の粉粒体粒子pが検出部10dのレーザ光領域に入ると、レーザ光Lの一部が粒子pに当たって散乱を起こす。散乱を起こしたレーザ光L1は集光レンズ10eで集光され、センサ(リング状ディデクタ)10fに焦点を結ぶ。一方、検出部10dを直進したレーザ光L2は集光レンズ10eで集光され、センサ10fの中心に焦点を結ぶ。自動焦点調節機構10gは、レーザ光L2の焦点がセンサ10fの中心に結ぶように、センサ10fの位置を上下左右方向に自動的に調節する。プリアンプ10hは、センサ10fからの微弱な信号を増幅してコントローラ11に送る。コントローラ11は、パーソナルコンピュータ12からの指令に従ってセンサ10fの値を読み取り、そのデータをパーソナルコンピュータ12に送る。パーソナルコンピュータ12は、ファイルに格納された粒度分布測定プログラムに従って粒度分布を作成し、また平均粒子径の算出等の演算処理を行う。
【0026】
第1の実施形態では、図1に示す流動造粒装置を用いて造粒制御を行った。その進行過程を図3に示す。
【0027】
流動層造粒では、結合剤液をスプレーして造粒を行う造粒工程と、造粒工程を経た造粒物を乾燥させる乾燥工程とがある。これまでの流動層造粒方法では、造粒工程の終点制御に主眼が置かれていたが、造粒工程で所要の粒子径に仕上がっても、その後の乾燥工程で造粒物が再び微粉化し、操作条件によっては目標の粒子径に仕上がらないことが多い。そこで、この実施形態では、乾燥工程においてもスプレー液のスプレーを行い、乾燥中の粉粒体の微粉化を抑制して、目標の粒子径に仕上げることとした。
【0028】
造粒工程では、流動状態の粉粒体に結合基剤を含む結合剤液を予め設定されたスプレー液速度で連続スプレーして造粒を行ないつつ、レーザ式粒度分布測定装置10による粒度分布の測定データから、造粒中の粉粒体の平均粒子径を逐次算出し、その平均粒子径が設定値(造粒工程における平均粒子径の目標値)に達した時点で連続スプレーを終了する。尚、これまでの知見によると、造粒工程終了時における粉粒体の平均粒子径は、乾燥工程終了時における粉粒体(最終造粒物)の平均粒子径の2倍以上の大きさに成長させておく必要がある。従って、最終造粒物の目標平均粒子径が決まれば、造粒工程における平均粒子径の設定値(目標値)が決まる。また、製薬分野などでは、結合剤液に含まれる結合基剤の固形分量は予め決められた量に過不足があってはならないため、造粒工程終了前に結合剤液の規定量を全量スプレーし終わった時は、水その他の純溶媒のスプレー操作に切り替えて造粒工程を続行する。
【0029】
乾燥工程では、造粒工程を経た造粒物の含有水分を低下させつつ、レーザ式粒度分布測定装置10による粒度分布の測定データから、乾燥中の粉粒体の平均粒子径と、乾燥中の粉粒体に占める所定の粒子径以下の微粒子の頻度とを逐次算出し、その微粒子の頻度が設定値を越えた時はスプレー液をスプレーして、粉粒体の微粉化を抑制する。この際のスプレー操作は、乾燥中の粉粒体に造粒が進行しないように、例えば数十秒程度の断続スプレーとする。また、この際に結合剤液の残量があればこれをスプレーし、残量がなければ水その他の純溶媒をスプレーする。この操作を繰り返して、平均粒子径が目標値に十分近くなった時点で運転を終了する。
【0030】
第2の実施形態では、図1に示す流動造粒装置を用いてコーティング制御を行った。図4にレーザ式粒度分布測定装置10による粒度分布の測定データ、図5にコーティングの進行過程をそれぞれ示す。
【0031】
図4に示すように、コーティング操作中に処理室1a内に存在し得る粒子の粒径領域には、2〜10倍の最大頻度粒径差があり、これらを判別するためのしきい値A、B(A<B)を設定することによって、それぞれの粒子領域の発生、消滅をリアルタイムで検知することができる。尚、しきい値は予め設定しておいても良いし、あるいは、運転初期にスプレー操作をしない状態で粒度分布を測定し、その測定データから自動的にしきい値を設定させても良い。
【0032】
▲1▼微粒子領域S1(S1≦A)
核粒子に付着しなかった被膜基剤の結晶粒子、あるいは、核粒子が摩耗して発生した粒子が主体である(スプレー液速度の不足による過乾燥)。
【0033】
▲2▼良品粒子領域S2(A<S2<B)
核粒子とほぼ同じ大きさの粒子で、被膜基剤の付着によって若干の粒子径の増大はあるが、安定した経時変化である(適切なスプレー液速度) 。
【0034】
▲3▼粗大粒子領域S3(B≦S3)
核粒子の2倍以上の粒子径をもった粒子で、粒子同士の凝集によって発生したものである(スプレー液速度の過大によって造粒が進行)。
【0035】
図5に示すように、コーティングの進行に伴って各粒子領域S1、S2、S3の頻度(%)(各粒子領域ごとに、そこに属する粒子の頻度を合計した値)は刻々と変化するが、実際のコーティング操作においては、多少の微粒子および粗大粒子の発生は許容せざるを得ない。そこで、微粒子領域S1と粗大粒子領域S3の頻度にそれぞれ許容上限値mを設定する。許容上限値mは、微粒子領域S1と粗大粒子領域S3について同一の値としても良いし、異なる値としても良い。
【0036】
微粒子の発生と粗大粒子の生成は、操作条件、特にスプレー液速度に大きく依存していると考えられ、微粒子領域S1の頻度が許容上限値mを越えた時は被膜剤液のスプレー液速度を上げ、粗大粒子領域S3が許容上限値mを越えた時はスプレー液速度を下げて、微粒子の発生と粗大粒子の生成を抑制する。また、生成した粗大粒子の解砕には流動化エアーの風流を上げて粒子の運動エネルギーを大きくすることも効果的であるため、補助的に流動化エアーの風量操作を行うと良い。
【0037】
スプレー液速度の設定は、例えば以下のようにプログラム化することができる。
【0038】
▲1▼初期においては、2次関数的に増加させる。しかし、この段階では、コーティングに適切な平衡水分には達しておらず、微粒子領域S1の頻度は上昇を続ける。
【0039】
▲2▼微粒子領域S1の頻度が始めて許容限界値mに達すると、この時点のスプレー液速度(W1)を記録し、その時点のスプレー液速度(W1)の1.5倍程度(W2)に設定値を変更する。これにより、微粒子領域S1の頻度は減少する。
【0040】
▲3▼スプレー液速度(W2)でしばらくスプレーを続けると、やや水分過多の状態になり、粗大粒子領域S3の頻度が上昇し始める。そして、粗大粒子領域S3の頻度が許容上限値mに達すると、次のスプレー液速度(W3)をW3=(W1+W2)/2で算出し、設定を変更する。
【0041】
▲4▼再び、微粒子領域S1の頻度が許容上限値mに達すると、次のスプレー液速度(W4)をW4=(W2+W3)/2で算出し、設定を変更する。
【0042】
▲5▼この操作を繰り返すことによって、スプレー液速度は適切な一定値に収束する。
【0043】
運転を繰り返す場合、初期のスプレー液速度は、過去のスプレー液速度の設定値を基準に決定しても良い。
【0044】
第1の実施形態および第2の実施形態における制御方法は、ある時刻の操作条件に対して、その結果として生じた粒子径の変化を次の時間ステップの操作条件の制御に用いるフィードバック制御法であるが、この制御方法において操作の遅れなどが問題になる場合や、平均粒子径だけでなく多数の入力に対する操作条件の出力を考慮に入れる場合などは、ニューラルネットワーク理論を応用した制御方法を用いることが考えられる。
【0045】
ニューラルネットワーク理論とは、動物の神経ネットワークによる情報処理機構をコンピュータ上に再現したモデルを用いることによって、多数入力から多数出力の演算を可能にし、また、バックプロパケーション法などによる自己学習機能によって、入力と出力の関系から随時演算精度を高める機能を備えたものである。
【0046】
ニューラルネットワーク理論を応用したフィードフォワード制御のシステム例を図6に示す。
【0047】
まず、実際の処理操作によって得られた粉粒体の粒度分布の測定データと、これに対応するスプレー液のスプレー液速度、流動化エアーの風量、温度などの操作条件のデータとから、ある時刻とその1時刻前との間における、粉粒体の平均粒子径の変化量と操作条件の変化量との関係を求め、その実験データを予めニューラルネットワークソフトウェアの自己学習機能に学習させておく。
【0048】
つぎに、処理中の粉粒体の粒度分布の測定データと、これに対応する操作条件のデータとをニューラルネットワークソフトウェアに逐次入力し、現在時刻の入力データと自己学習機能に予め学習させておいた実験データとから、現在時刻の1時刻後の粉粒体の平均粒子径を推測する。そして、この平均粒子径の推測値が所望値になるような操作条件を該ソフトウェア内で算出し、その算出値を制御信号として流動造粒装置の制御盤8に出力し、その算出値に対応した操作条件で処理操作を行う。さらに、この処理操作によって得られた上記1時刻後の入力データと上記現在時刻の入力データとに基づいてニューラルネットワークソフトウェアの自己学習機能に再学習させ、随時演算精度を高める。
【0049】
上記の操作を繰り返すことによって、適切な操作条件が自己学習機能によって随時補正されながら算出される。
【0050】
この実施形態の制御方法を用いて、コーティング操作における、ある時刻(現在時刻)の粒度分布データとその時刻におけるスプレー液速度から、1分後(1時刻後)の粒度分布データを予測した計算例を図7に示す。計算は、以下の入力条件および出力条件によって、実際の操作における実験データを学習させることにより行った。
[入力項目]
▲1▼スプレー操作開始からの運転時間
▲2▼現在時刻のスプレー液速度
▲3▼1分前(1時刻前)のスプレー液速度と現在時刻のスプレー液速度の変化量
▲4▼現在時刻の平均粒子径D10(積算10%粒子径)
▲5▼1分前の平均粒子径D10と現在時刻の平均粒子径D10の変化量
▲6▼現在時刻の平均粒子径D50(積算50%粒子径)
▲7▼1分前の平均粒子径D50と現在時刻の平均粒子径D50の変化量
▲8▼現在時刻の平均粒子径D90(積算90%粒子径)
▲9▼1分前の平均粒子径D90と現在時刻の平均粒子径D90の変化量
[出力項目]
▲1▼1分後の平均粒子径D10
▲2▼1分後の平均粒子径D50
▲1▼1分後の平均粒子径D90
この計算例では誤差がやや大きいが、大まかな傾向はとらえられており、学習回数を十分にとることや、入力項目を増やしたり、データの種類を変更することによって、誤差を十分に小さくすることができると考えられる。
【0051】
【発明の効果】
本発明は以下に示す効果を有する。
【0052】
(1)流動層造粒、流動層コーティングのプロセスを自動化することができ、しかも製品の粒子径、粒度分布、見かけ密度等を精度良く制御するため、粉粒体製品の生産性向上、品質および収率の向上を達成することができる。
【0053】
(2)多様な物理的、化学的特性を有する粉粒体、スプレー液に対しても、適正操作条件を早期に確立することができる。
【0054】
(3)処理プロセスのスケールアップ・ダウンを検討する際の検討労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態で用いる流動造粒装置の一構成例を概念的に示す断面図である。
【図2】実施形態で用いるレーザ式粒度分布測定装置の一構成例を概念的に示す図である。
【図3】第1の実施形態における造粒の進行過程を示す図である。
【図4】第2の実施形態おけるコーティング中の粉粒体の粒度分布の測定データを示す図である。
【図5】第2の実施形態おけるコーティングの進行過程を示す図である。
【図6】第3の実施形態におけるニューラルネットワーク理論を応用したフィードフォワード制御のシステム例を示す図である。
【図7】第3の実施形態におけるニューラルネットワーク理論を用いて粒度分布データを予測した計算例を示す図である。
【符号の説明】
1 処理容器
10 レーザ式粒度分布測定装置
Claims (1)
- 処理容器内で流動化エアーによって流動状態にした粉粒体の粒度分布をレーザ式粒度分布測定装置で逐次測定しながら、造粒とその後の乾燥を行う粉粒体の流動層処理方法であって、
前記造粒工程では、流動状態の粉粒体に結合基剤を含む結合剤液を連続スプレーして造粒を行ないつつ、前記レーザ式粒度分布測定装置による粒度分布の測定データから、造粒中の粉粒体の平均粒子径を求め、その平均粒子径が設定値に達した時点で前記連続スプレーを終了し、
前記乾燥工程では、前記造粒工程を経た粉粒体の含有水分を低下させつつ、前記レーザ式粒度分布測定装置による粒度分布の測定データから、乾燥中の粉粒体の平均粒子径と、乾燥中の粉粒体に占める所定の粒子径以下の微粒子の頻度とを求め、その微粒子の頻度が設定値を越えた時は、前記結合剤液の残量または水その他の純溶媒を断続スプレーして、造粒の進行を防止しつつ乾燥中の粉粒体の微粉化を抑制し、前記平均粒子径が目標値に達した時点で運転を終了する粉粒体の流動層処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18943499A JP4230058B2 (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | 粉粒体の流動層処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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