JPH0994455A - 造粒制御装置および造粒制御方法 - Google Patents

造粒制御装置および造粒制御方法

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JPH0994455A
JPH0994455A JP19107396A JP19107396A JPH0994455A JP H0994455 A JPH0994455 A JP H0994455A JP 19107396 A JP19107396 A JP 19107396A JP 19107396 A JP19107396 A JP 19107396A JP H0994455 A JPH0994455 A JP H0994455A
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granulation
control
chamber
fluidized bed
air
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Application number
JP19107396A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Morimoto
修司 盛本
Koji Fukada
公司 深田
Hikari Fukuyama
光 福山
Junichi Kikuta
潤一 菊田
Shuichi Toki
秀一 土岐
Susumu Kameyama
進 亀山
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Powrex KK
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Powrex KK
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分含量が大きな造粒系であっても、均一な
流動層を形成しつつ、円滑に造粒し、均一な造粒末を得
る。 【解決手段】 粉粒体の流動層を形成しつつ、水又は水
性バインダー液を噴霧ノズル7から噴霧することにより
造粒するプロセスにおいて、光センサ11a,11bな
どの検出手段により、流動層の流動状態(粉体濃度な
ど)を検出し、検出された検出値を平均化回路より所定
時間毎に平均化し、平均化されたデータと基準データと
を制御装置20の比較回路で比較する。この比較回路に
よる結果に基づいて、制御装置20の演算回路によりブ
ロアーの制御量(風量)を算出し、算出した制御量に基
づいて、駆動回路を駆動して給気する。光センサと平均
化回路とを採用することにより、水分含量の大きな粉粒
体であっても、流動層の変動を抑制しつつ造粒できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動層造粒法や転
動流動層造粒法などにより、粉粒体を精度よく造粒でき
る造粒制御装置および造粒制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食品や医薬品などの製剤分野において、
流動層造粒法や転動流動層造粒法などを利用して種々の
有効成分が造粒されている。前記流動層造粒法では、造
粒槽の下部から上方への気流により粉粒体の流動層を形
成しつつ、水やバインダー液を噴霧して造粒し、乾燥す
ることにより造粒末を得ている。また、転動流動層造粒
法では、造粒槽の底部に回転可能に配設された回転板で
粉粒体を転動させつつ、上方への気流により流動層を形
成し、水やバインダー液を噴霧して造粒し、乾燥するこ
とにより、転動に伴なう圧密作用により重質で球形の造
粒末を得ることができる。このような造粒法では、最適
な流動状態で造粒することが重要である。そのため、最
適な給気風量で流動化する必要があり、給気量が多過ぎ
ると微粉が流動層の上に舞い上がり、舞い上がった微粉
に水やバインダー液が噴霧されないので、未造粒の微粉
が残存したり、バッグフィルターの目詰まりを促進す
る。そして、バッグフィルターの目詰まりにより、圧損
が大きくなり、給排気風量が低下し、均一な造粒ができ
ず造粒不良となるとともに、工程の遅延や品質の低下を
もたらす。さらに、バッグフィルターの編み目や縫い目
から粉末が通過し、収率を低下させる。一方、給気量が
少ないと、流動化状態が悪くなり、装置内壁へ噴霧ミス
トが直接当り、粉末の内壁付着による粗粒の生成と収率
低下をもたらす。また、噴霧ミストが十分に分散され
ず、造粒効率が低下するとともに、均一な造粒末を収率
よく得ることが困難である。また、流動状態の不良が著
しい場合には、風量によっては流動が停止し、粉粒体が
ブロッキングし、造粒できない場合がある。すなわち、
吸湿性や水分保持能の大きな活性成分(例えば、生薬エ
キスなど)や添加剤を造粒したり、水分含量が大きな造
粒系で造粒すると、比重が大きくなるため、流動化に必
要な風量が不足することになり、粉粒体の均一な流動化
が損なわれ、不均一な造粒物が生成する。
【0003】特開平6−126148号公報には、転動
層又は転動流動層造粒装置において、超音波センサなど
の層高センサにより検出された粉体層高と、赤外線セン
サなどの水分計による水分値とに基づいて、エア供給手
段からの空気量を制御し、粉体層の高さをコントロール
する方法が開示されている。特開平6−126149号
公報には、基準面より一定の高さに超音波センサなどの
層高センサを配置し、層高センサから造粒中の粉体層の
上部までの距離を求めることにより粉体層の高さを測定
し、この測定値と目標値との差に基づいてエア供給手段
からの空気量を制御し、粉体層の高さを常に目標値に保
つための転動流動層の造粒装置が開示されている。
【0004】しかし、これらの方法では、超音波センサ
で構成された層高センサが造粒系内での高い温度,高い
湿度の影響を受ける。また、造粒槽内に超音波センサを
設置して流動層の高さを検出するため、粉塵などの付着
により超音波センサの検出精度が大きく低下する。その
ため、従来技術の方法では、センサからの検出データに
基づいて、流動層の高さを精度よくコントロールしなが
ら効率よく造粒することが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、水分含量が大きな造粒系であっても、均一な流動層
を形成して円滑に造粒できる造粒制御装置および造粒制
御方法を提供することにある。本発明の他の目的は、均
一で粒度分布がシャープな造粒末を高い収率で効率よく
製造できる造粒制御装置および造粒制御方法を提供する
ことにある。本発明のさらに他の目的は、バッグフィル
ターの目詰まりを抑制でき、造粒に最適な流動状態を維
持しつつ長期間に亘り連続的に造粒できる造粒制御装置
および造粒制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、光センサなどにより検
出された流動層の流動状態(例えば、粉体濃度)に関す
るデータを所定時間毎に平均化処理し、造粒プロセスに
おけるプロセス制御の基準データと比較して比較データ
に基づいて制御対象を制御すると、均一な流動層を形成
しつつ造粒できることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の造粒制御装置は、
(1)チャンバー内で下部から上方への気流により粉粒
体の流動層を形成するための下部エア供給手段と、液体
(水又は水性バインダー液)を噴霧するための液体供給
手段とを備えた装置において、前記流動層の流動状態
(粉体濃度など)を検出するための少くとも1つの検出
手段、この検出手段による検出データを所定時間毎に平
均化するための平均化手段、平均化されたデータと造粒
プロセスに関する基準データとを比較するための比較手
段、およびこの比較手段による比較結果に基づいて前記
下部エア供給手段からの供給風量を制御するための制御
手段を備えている。このような装置では、水分量の変動
などにより流動層が激しく上下動しても、検出手段から
のデータを平均化手段により平均化するので、流動層の
変動を抑制しつつ、均一な流動層により効率よく造粒で
きる。
【0008】(2)前記装置は、さらに比較手段による
比較結果に基づいて液体供給手段からの噴霧量を制御す
るための制御手段を備えていてもよい。前記検出手段は
流動層の流動状態を精度よく検出するため、(3)流動
層の透過光量を検出する光センサであって、チャンバー
の対向位置に形成された透光部位の外側に配設された発
光手段と受光手段とで構成してもよい。センサをチャン
バーの外側に配設すると、温湿度の影響及び粉塵の影響
を回避できる利点がある。また、検出手段による検出精
度が低下するのを防止するため、(4)前記チャンバー
の透光部位の内面に粉塵が付着するのを防止するための
手段であって、チャンバーの透光部位の内側又は外側に
取り付けられ、かつチャンバーの内方側に向って気体が
流出可能な開口孔を備えた正圧室と、この正圧室に気体
を供給するための気体供給手段とで構成された付着防止
手段を備えていてもよい。さらに、造粒制御装置は、造
粒過程を精度よくコントロールするため、(5)下部エ
ア供給手段から供給する空気の温度を制御するための温
度制御手段を備えていてもよい。このような造粒制御装
置は、(6)検出手段による検出値を所定時間毎に平均
化するための平均化手段、平均化されたデータと造粒プ
ロセスに関する基準データとを比較するための比較手
段、この比較手段による比較結果に基づいて、下部エア
供給手段、液体供給手段、および温度制御手段から選択
された少なくとも1つの制御手段の制御対象に関する制
御量を算出するための演算手段、およびこの演算手段に
よる制御量に基づいて、前記制御対象を制御するための
駆動手段を備えていてもよい。
【0009】本発明の造粒制御方法では、(7)チャン
バーの下部から内部へエアを供給して上方への気流によ
る粉粒体の流動層を形成するとともに液体(水又は水性
バインダー液)を噴霧して粉粒体を造粒する方法であっ
て、前記チャンバーの対向位置に配設した発光手段と受
光手段とで前記流動層の流動状態を検出して、その検出
値を所定時間毎に平均化し、平均化したデータと造粒プ
ロセスに関する基準データとを比較し、比較結果に基づ
いて少くとも前記エアの風量を制御する。この方法にお
いて、高水分含量の造粒系、例えば、(8)水分含量1
0〜50重量%の粉粒体で流動層を形成しながら造粒し
てもよい。なお、本明細書において、「流動層の流動状
態」とは、流動層の粉粒体に関する情報、例えば、粉塵
量、粉体濃度を意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、必要に応じて添付図面を
参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図1は転動流動
造粒装置の一例を示す概略構成図であり、図2は図1の
制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0011】前記転動流動造粒装置は、筒状チャンバー
1内の下部に回転可能に配設され、中心部から側部下方
に傾斜した傾斜面を有する回転体2と、この回転体を駆
動するためのモータ3と、回転体2の下部空間に通じる
エア供給ライン4を通じて、チャンバー1内へ空気を供
給するための下部エア供給手段としてのブロアー6と、
このブロアーからの空気の温度をコントロールするため
のヒーター内蔵の加熱ユニット5と、前記チャンバー1
のうち回転体2よりも上部の空間に配設され、液体(水
やバインダー液)を噴霧するための液体噴霧ノズル7
と、この液体噴霧ノズルよりも上部に配設され、流動層
の透過光量を検出するため発光素子11aと受光素子1
1bとで構成された透過型光センサとを備えている。光
センサによる流動層の透過光量は、粉体濃度などの流動
層の粉粒体の状態(流動状態)を反映しており、前記粉
体濃度は(粉粒体の粒子径×個数)の情報を提供する。
なお、噴霧ノズルがチャンバーの上部に位置するスプレ
ー方式の場合、噴霧ゾーンを避け、かつチャンバーのう
ち噴霧位置の側部などの適所に透過型光センサを位置さ
せてもよい。
【0012】液体(水やバインダー液)は、ポンプ9に
より供給されるタンク8内の液体と共にコンプレッサな
どのエア供給手段10からの噴出気体を前記噴霧ノズル
7から噴出することにより噴霧される。また、前記発光
素子11aと受光素子11bは、チャンバー1のうち対
向する透明部位(透光部位)12a,12bに配設され
ている。チャンバー1内の上部には、粒状物と気体とを
分離するためのバッグフィルタ13が取付けられ、この
フィルタ13により分離された気体は、チャンバー1の
排気ライン14から排出される。
【0013】なお、この例では、前記ブロアー6による
給気風量は、回転体2の下部空間,チャンバー1内、又
は排気ライン11などに設けられた風量センサ6aと、
この風量センサーの検出値に基づいて給気風量を適正に
コントロールするための調節部および操作部を有する制
御部6bとで構成されたフィードバック制御装置により
制御されている。また、加熱ユニット5による加熱温度
も、回転体2の下部空間やチャンバー1内に配設された
温度センサー5aと、この温度センサーの検出値に基づ
いてチャンバー1内の温度を適正にコントロールするた
めの調節部および操作部を有する制御部5bとで構成さ
れたフィードバック制御装置により制御され、噴霧ノズ
ル7からの液体の噴霧量は、前記ポンプ9と噴霧ノズル
7との間に供給ラインに配設された流量センサー7a
と、この流量センサーの検出値に基づいて注液量をポン
プ9により適正にコントロールするための調節部および
操作部を有する制御部7bとで構成されたフィードバッ
ク制御装置により制御されている。また、これらのフィ
ードバック制御装置は、比例制御(P動作)や比例・積
分制御(PI動作)を利用して制御対象を制御してい
る。さらに、排気ライン11には温度センサが設けら
れ、乾燥終点の検出に利用されている。
【0014】このような装置において、チャンバー1内
に粉粒体を導入するとともに、前記下部エア供給手段か
ら空気を供給し、回転体2を回転させながらノズル7か
ら水やバインダー液を噴霧することにより、一般に、転
動圧密作用により、重質で強度が大きく、粒度分布がシ
ャープな造粒末を得ることができる。すなわち、前記下
部エア供給手段からの空気は、通常、加熱ユニット5に
より加熱され、エア供給ライン4を通じて、回転体2の
下部空間を経て、チャンバー1内に気流(下部から上方
への上昇気流)として供給される。この気流によりチャ
ンバー1内の粉粒体は流動層を形成するとともに、回転
体2の表面では粒状物が転動しながら、ノズル7から噴
霧される液体(水や水性バインダー液)により粉粒体が
造粒される。
【0015】なお、通常、流動造粒法や転動流動造粒法
による造粒プロセスは、チャンバー1内で粉粒体を予熱
しつつ混合するための予熱混合工程、粉粒体の流動層を
形成し、液体噴霧ノズル7から液体(水又は水性バイン
ダー液)を噴霧して造粒する造粒工程、液体(水又は水
性バインダー液)の噴霧を終了した後、ほぼ一定の風量
で流動層を形成しつつ乾燥させる乾燥工程を経て造粒す
る場合が多い。このような造粒プロセスにおいて、水分
含量の多い造粒系、例えば、吸湿性活性成分や吸湿性粉
粒体の流動層を形成し、液体(水や水性バインダー液)
を噴霧して造粒する系、特に高水分域の造粒系において
は、噴霧により粉粒体の重量が増加し、一定の給気風量
では、均一な流動層を形成しつつ流動造粒法や転動流動
法により造粒することが困難である。
【0016】そこで、本発明の風量制御装置20では、
前記発光素子11aと受光素子11bとで構成された透
過型光センサ21からのアナログ検出データを一定時間
ごとに移動平均するため、積分回路で構成された平均化
回路22、平均化されたアナログデータをディジタルデ
ータに変換するためのA/D変換回路23、透過光量の
基準データを格納するメモリ24、A/D変換回路23
からのディジタルデータとメモリ24に格納された基準
データとの比較データに基づいて、前記下部エア供給手
段からの供給風量を制御するための中央処理装置(CP
U)25を備えている。
【0017】この中央処理装置25において、A/D変
換回路23からのディジタルデータとメモリ24に格納
された基準データ(透過レベルデータ)とは比較回路2
6で比較され、この比較回路26からの比較データは制
御回路27に与えられる。この制御回路からの制御信号
に応答して、演算回路28では、比較回路26からのデ
ータに基づいて、メモリ29に格納された風量に関する
所定のプログラムに従って、制御対象である下部エア供
給手段としてのブロアーの制御量(風量)に関するデー
タが算出される。演算回路28により算出されたデータ
は制御回路27に与えられ、D/A変換回路30により
アナログデータに変換され、制御量に応じて、ブロアー
の駆動回路31を駆動する。
【0018】なお、造粒過程において、造粒初期や大き
な給気風量では、未造粒の粉塵が光センサ21による検
出領域に多く舞い上がるので、光センサ21による透過
光量が低下する。一方、噴霧ノズル7から水やバインダ
ー液を噴霧すると、造粒の進行に伴って、粒子成長によ
り重量が増加した粉粒体が増加し、光センサ21による
検出領域に達する粉体濃度が低下するので、光センサ2
1による透過光量が増加する。このことを利用して、透
過光量がメモリ24の基準データに達した時、給気風量
を増加させ、透過光量がメモリ24の基準データに至ら
ない時には、給気風量を維持する操作を繰り返し行うた
め、前記メモリ29には、風量に関する計算式、例え
ば、Qi+1=Qi+αQ(式中、Qi+1は、透過光量が基
準データに達した時の給気風量、Qiは透過光量が基準
データに至らない時の給気風量、αQは透過光量が基準
データに達した時の風量の増加分を示す)のプログラム
が記憶されている。すなわち、この制御回路27は、比
例・積分・微分制御(PID動作)により、光センサ2
1による透過光量が最初に基準データに達した時に風量
を所定量αQ(例えば、1m3 /分)だけ増加し、二回
目に基準データに達した時に風量をさらにαQだけ増加
する操作を繰り返しながら風量を制御する。
【0019】このような制御装置では、光センサ21に
よる検出データ(透過光量データ)を平均化回路22に
より平均化できる。すなわち、光センサ21からの検出
データは、図3に示されるように、激しく変動するの
で、光センサ21からの検出値だけで流動状態を制御す
ることが困難である。これに対して、前記平均化回路に
より検出データを平均化処理すると、図4に示されるよ
うに、検出値の変動を平均化し平均値として精度よく検
出し、給気風量を精度よくコントロールできる。そのた
め、前記光センサ21からの検出データに応答して、流
動層の変動を著しく抑制でき、均一な流動層により効率
よく造粒できる。
【0020】図5は、前記制御装置を利用し、多段に風
量を制御して造粒・乾燥するプロセスのタイムチャート
を示す概略図である。この図において、スタート信号に
応答して風量をQ0 からQ1 へ増加させて光センサの透
過度T0 の流動層を形成し、注液量L1 で注液する。こ
の注液により水分量Wが上昇するとともに、造粒の進行
と微粉末の減少に伴って光センサによる透過度(透過光
量)がT1 に上昇する。光センサによる透過度がT1
達すると、制御回路からの制御信号により下部エア供給
手段からの風量Q1 が制御量αQだけ増大して風量Q2
となり、透過度T0 の適正な流動層を形成する。さら
に、注液を継続すると、造粒に伴って光センサによる透
過度がT0 からT1 に達し、制御回路からの制御信号に
より風量Q2 が制御量αQだけ増大して風量Q3 とな
る。このような風量制御が光センサによる透過度に応答
して繰り返し行われるので、粒の成長度(造粒の程度)
に応じて、風量をコントロールすることにより適正な流
動層を維持しつつ、造粒を円滑に行うことができる。
この例では、前記風量の制御回数(制御量αQの増大
回数)2となった後、透過度がT0 からT1 に達する
と、風量Q3 が増大して風量Q4 となり、一定風量Q4
を維持する。
【0021】そして、注液量がL1 からL0 (注液量0
L/分)となり注液が終了すると、この注液停止信号に
応答して造粒工程から乾燥工程へ移行し、風量Q4 を維
持しながら造粒物の乾燥が行われる。この乾燥工程で
は、水分量がW1 からW0 に次第に低下するとともに、
粉粒体が軽量化するため、透過度がT2 からT0 へ次第
に低下し、排気ラインの温度センサによる排気温度が所
定温度以上となったとき、乾燥工程が終了する。なお、
乾燥終了は、赤外線センサなどの水分センサによる水分
量が一定の値になったときに行ってもよい。なお、図5
に示す例では、多段に風量を増加させているが、光セン
サからの検出信号に応答して、風量は造粒工程で少くと
も1回増加させてもよい。
【0022】図6は本発明の他の制御装置の電気的構成
を示すブロック図、図7は図6の制御装置を利用して風
量制御による造粒・乾燥プロセスの概略を示すタイムチ
ャートである。さらに、図8は図6の制御装置を利用し
た造粒・乾燥プロセスを示すフローチャートである。な
お、前記図2と共通する要素については同一の符号を付
して説明する。図6に示す制御装置は、前記図2に示す
装置と同様に、発光素子11aと受光素子11bとで構
成された透過型光センサ21,平均化回路22、A/D
変換回路23を備えており、中央処理装置(CPU)3
2には、前記A/D変換回路23からのディジタルデー
タと、噴霧注液信号または噴霧注液停止信号とが与えら
れる。なお、前記中央処理装置32は、透過光量の基準
データを格納するメモリと、A/D変換回路23からの
ディジタルデータとメモリ24に格納された基準データ
とを比較するための比較回路と、この比較回路からの比
較データに基づいて制御量に関するデータを算出するた
めの演算回路と、前記透過光量の基準データを格納する
メモリおよび演算回路との間でのデータの授受を制御す
るとともに、前記演算回路からの信号に応答して風量を
制御するための制御回路とを備えている。そして、中央
処理装置32は、噴霧注液信号に応答して、前記比較回
路において、前記A/D変換回路23からのデータがメ
モリ24に格納された基準データに達したとき、風量を
制御量だけ増加させ、噴霧注液停止信号に応答して、風
量を制御量だけ低下させる。
【0023】前記制御装置の動作は、図7および図8に
示される。すなわち、造粒工程では、前記図5と同様
に、スタート信号に応答して下部エア供給手段が作動
し、風量をQ0 からQ1 へ増加させて粉粒体を浮遊さ
せ、光センサの透過度がT0 に達したとき(すなわち流
動層が形成されたとき)、流動層に対して注液量L1
の噴霧注液が開始される。この注液により水分量Wが上
昇するとともに、造粒の進行と微粉末の減少に伴って光
センサによる透過度(透過光量)が上昇する。光センサ
による透過度がT1 に達すると、透過度T1 への到達信
号と前記噴霧注液信号とに基づいて、中央処理装置から
は制御信号(風量増加信号)が下部エア供給手段に与え
られ、風量Q1 が制御量αQだけ増大して風量Q2 とな
り、透過度T0の流動層を形成する。光センサによる透
過度がT1 に達しない場合には、噴霧注液が継続され
る。さらに、注液を継続すると、造粒に伴って光センサ
による透過度が、再びT0 からT1 に達し、中央処理装
置からの制御信号(風量増加信号)により風量Q2 が制
御量αQだけ増大して風量Q3 となる。このように、光
センサによる透過度および噴霧注液信号に応答して風量
を多段に制御する。そのため、粒の成長度(造粒の程
度)に応じて、風量をコントロールすることにより適正
な流動層を維持しつつ造粒できる。この例でも、前記風
量の制御回数(制御量αQの増大回数)2となった後、
透過度がT0 からT1 に達すると、風量Q3 を風量Q4
へ増大して透過度T2 の流動層を形成するとともに、一
定風量Q4 を維持する。
【0024】一方、注液量がL1 からL0 となり、噴霧
注液が終了すると、噴霧注液停止信号が前記中央処理装
置へ与えられる。この噴霧注液停止信号に応答して造粒
工程から乾燥工程へ移行し、風量Q4 を維持しながら造
粒物の乾燥が行われる。この乾燥工程では、乾燥に伴っ
て水分量が低下し、造粒された粉粒体の重量が小さくな
るので、所定の流動層を形成するためには過剰な風量と
なる。そこで、光センサによる透過度T2 が減少しT1
に達したか否かが比較され、透過度がT1 に達しない場
合には、風量維持ステップに戻って風量Q4 が維持さ
れ、透過度がT1に達したとき、透過度T1 への到達信
号と前記噴霧注液停止信号とに基づいて、中央処理装置
からは下部エア供給手段へ制御信号(風量低減信号)が
与えられ、風量Q4 を制御量αQだけ低減させて風量Q
3 に制御する。さらに、風量Q3 を維持しつつ乾燥を進
行させると、再び光センサによる透過度T2 が減少して
1に達し、適正な流動層を維持できなくなる。そのた
め、光センサによる透過度T 2 がT1 に達したとき、再
び風量低減信号に応答して風量Q3 を制御量αQだけ低
減させて風量Q2 とする。さらに、光センサによる透過
度がT2 であるか否かが比較され、透過度がT2 に達し
ていない場合には、透過度がT1 に達しているか否かを
比較するステップに戻り、風量低減のための制御が行わ
れ、透過度がT 2 である場合には、風量Q2 を維持しつ
つ乾燥が行われる。そして、排気温度の所定温度又は系
内の所定水分量への到達を基準として、乾燥が終了して
いるか否かが判別され、乾燥が終了していない場合に
は、透過度がT1 に達しているか否かを比較するステッ
プに戻って風量低減のための制御が行われ、乾燥が終了
しているとき乾燥工程が終了する。このように、光セン
サによる透過度および噴霧注液停止信号に応答して風量
を多段に低減して制御するため、適性な流動層を維持し
つつ造粒された粉粒体を乾燥することができ、乾燥工程
において、バッグフィルターの目詰まりを抑制できる。
また、造粒のみならず乾燥に最適な流動状態を維持でき
るので、長期間に亘り連続的に造粒できる。なお、図7
に示す例では、乾燥工程で風量Q2 となった以降、一定
風量レベルQ2 で乾燥を継続している。
【0025】なお、前記のように、本発明の造粒制御装
置および制御方法は、転動流動造粒法に限らず流動層造
粒法にも適用できる。流動層造粒により造粒する場合、
前記回転体に代えて、チャンバーの下部に、例えば、金
網、多孔板、スリットなどで構成された通気部を形成す
ればよい。
【0026】前記造粒制御装置は、少なくとも下部エア
供給手段及び液体供給手段を備えていればよいが、通
常、加熱給気により乾燥効率及び生産性を高めるため、
給気温度を制御するための温度制御手段を備えている場
合が多い。給気量は、チャンバーの内容積、粉粒体の量
や液体の噴霧量に応じて適当に選択でき、例えば、チャ
ンバーの底部断面積1m2 当り、毎分、5〜200
3 、好ましくは10〜100m3 程度である。液体供
給手段による液体(水又は水性バインダー液)の噴霧
は、連続的に行ってもよく、間欠的に行ってもよい。ま
た、センサからの検出データに基づいて、流動層の流動
化状態を判別し、噴霧量をコントロールしてもよい。な
お、流動層の流動化状態は、例えば、センサによる検出
値の変動の大きさや、センサによる検出値と閾値とを比
較し、閾値を越える検出値の頻度などにより判別するこ
ともできる。造粒に際しては、必要に応じて複数の液体
噴霧ノズルから水又は水性バインダー液を噴霧してもよ
く、液体の噴霧方法は、特に制限されず、例えば、チャ
ンバーの上部のノズルから噴霧するトップスプレー、お
よび流動する粉粒体の流れに対して接線方向に噴霧する
タンジェンシャルスプレーなどであってもよい。また、
給気温度は、粉粒体の種類などに応じて選択でき、例え
ば、30〜100℃程度の範囲から選択する場合が多
い。
【0027】さらに、前記制御手段に関し、検出手段
は、流動層の流動状態を検出できればよいが、検出精度
を高めるため、通常、光センサ(例えば、光電センサや
光電スイッチ、赤外線センサ、レーザセンサなど)を用
いる場合が多い。特に、流動層の流動状態などを精度よ
く検出するため、流動層の透過光量を検出する光セン
サ、すなわち、発光手段と受光手段とで構成された光セ
ンサを用いる場合が多い。好ましい光センサには、光路
径が大きく、流動層の流動状態の検出感度が高く、取り
付け作業性などに優れる光電センサが含まれ、光電スイ
ッチも好ましい。光電スイッチを用いる場合、光の透過
と粒子による遮蔽とをON/OFFで検出し、単位時間
当りの光の透過時間(ONの時間)の割合を数値化する
と、A/D変換が不要となる。なお、流動層の流動状態
の検出は、少くとも1つの検出手段で行うことができ、
複数の検出手段で検出してもよい。前記センサの取り付
け部位は、流動層の流動状態を検出できる限り特に制限
されないが、チャンバーの側部のうち、造粒工程での流
動層の高さに対応する部位である場合が多い。さらに、
センサをチャンバーの外側に配設すると、チャンバー内
の温度や湿度のみならず粉塵の影響を受けることがな
い。そのため、センサにより流動層の流動状態を精度よ
く検出できる。
【0028】前記検出手段による検出精度が低下するの
を防止するため、前記装置は、チャンバーのうち透明部
位の内面に粉塵が付着するのを防止するための付着防止
手段を備えているのが好ましい。付着防止手段は、前記
透明部位の内面を拭くワイパーなどであってもよいが、
チャンバー内において前記透明部位に対して斜め方向か
らエアを噴出して付着した粉塵を除去するためのエア噴
出手段であるのが好ましい。前記付着防止手段について
は、特開平5−285363号公報を参照できる。図9
は前記透明部位の内面に粉塵が付着するのを防止するた
めの付着防止装置を示す概略部分横断面図である。
【0029】この付着防止装置は、チャンバー1のうち
光センサ(発光素子11aまたは受光素子11b)が配
設される透光部位の透明部材12a,12bに隣接し
て、前記チャンバー1内と通じて形成された気体噴出管
41と、チャンバー1のうち気体噴出管41の取り付け
部位に対応する内面側に配設されたカバー部材42とを
備えている。このカバー部材42の周縁部は、前記透明
部位側を残してチャンバー1の内壁と密着して気体溜め
空間43を形成し、カバー部材42の透光部位側とチャ
ンバー1の内壁との間には、気体噴出管41からの気体
を噴出させるためのスリット44が形成されている。こ
のような付着防止装置を用いると、気体噴出管41から
エアをチャンバー1の内周面に沿って噴出させることが
でき、透光部位の透明部材12a,12bの内面に付着
した粉塵を除去できる。そのため、光センサによる検出
感度の低下を防止しつつ、確実かつ精度よく造粒工程を
制御できる。なお、噴出するエアは、高圧であることが
望ましいが、これに限る必要はない。
【0030】図10は付着防止装置の他の例を示す概略
部分縦断面図である。この付着防止装置は、チャンバー
1のうち光センサ(発光素子11aまたは受光素子11
b)が配設される透光部位の透明部材12a,12bの
上部又は下部に、前記チャンバー1内に延びる気体噴出
管51を備えている。この気体噴出管51は、チャンバ
ー1内で湾曲し、その先端部のノズル51aが、前記透
明部材12a,12bに向かっている。このような付着
防止装置でも、気体噴出管51からエアをチャンバー1
の透明部材12a,12bに向かって噴出させることに
より、光センサによる検出感度の低下を防止しつつ、確
実かつ精度よく造粒工程を制御できる。なお、透明部材
12a,12bを全体に亘って均一に清浄化するため、
ファイバースコープのように、前記気体噴出管51の先
端部は、外部からの操作により屈曲自在であってもよ
い。図11は本発明の造粒装置における付着防止装置の
さらに他の例を示す概略部分縦断面図である。この例に
おいて、付着防止手段は、透光部位に配設された透光部
材12a,12bに対応するチャンバー1の内側に取り
付けられた内面が湾曲した中空部材61と、この中空部
材のうちチャンバー1の内方側(すなわち光センサの光
路方向)に向って気体が流出可能に形成された開口孔6
2とで構成された正圧室63を備えている。この正圧室
63の空間は、開口孔62に向かって先細状に形成され
ている。また、前記正圧室63に気体を供給するため、
チャンバー1の外方から内方に延び、かつ圧縮気体を供
給するための気体供給ライン64が前記中空部材61に
接続されている。このような付着防止手段を用い、気体
供給ライン64から圧縮気体を供給すると、正圧室63
内の圧力が正圧となり、チャンバー1内で浮遊する粉塵
や粉粒体が前記開口孔62から正圧室63に侵入するの
を防止できる。そのため、透明部材12a,12bの内
面に粉塵が付着するのを防止しつつ、光センサ11a,
11bにより精度よく透過光量などを検出でき、確実か
つ精度よく造粒工程を制御できる。
【0031】図12は付着防止装置の他の例を示す概略
部分縦断面図である。この付着防止装置は、チャンバー
1の壁面に取り付けられるプレート状部材71と、この
プレート状部材に形成され、かつ透明部材12a,12
bの閉塞により正圧室72を形成するための孔部と、前
記正圧室72に通じる流路73と、この流路の端部に形
成された接続凹部74と、この接続凹部に接続可能な気
体供給ライン75とを備えている。なお、前記正圧室7
2を形成するための孔部は、チャンバー1の内方に向っ
て先細となっている。このような装置でも、前記と同様
に、透明部材12a,12bの内面に粉塵が付着するの
を防止しつつ、光センサ11a,11bにより精度よく
透過光量などを検出でき、確実かつ精度よく造粒工程を
制御できる。
【0032】図13は付着防止装置のさらに他の例を示
す概略部分縦断面図である。この例では、付着防止装置
がチャンバーの外側に取り付けられている。すなわち、
チャンバー1の壁面には装着部材81が装着され、この
装着部材はチャンバーと連通し、かつ外方へ延びる筒部
82を備えている。この筒部82内は正圧室を形成す
る。前記筒部82の外方側の開口端部に取り付けられた
保持部材83には、押え部材84により透明部材12
a,12bが保持され、前記筒部82の外方側の開口端
を閉塞している。さらに、前記押え部材に取付けられた
取付け台には光センサ11a,11bが設けられてい
る。そして、前記筒部内を正圧(加圧)とするため、前
記筒部82のうち外方側には、気体供給パイプ85が接
続されている。さらに、前記透明部材12a,12bへ
粉塵などが付着するのを防止するため、前記筒部82の
うち外方側には、前記透明部材12a,12bの内面に
向って圧縮気体を噴出させるための気体噴出パイプ86
が接続されている。なお、小型の造粒装置に前記気体供
給パイプなどで構成された付着防止装置を取り付ける
と、気体供給パイプ85からの気流や気体噴出パイプ8
6からの噴出気流により流動層が乱される場合がある。
そのため、前記流動装置のチャンバー1内のうち筒部8
2の開口部付近には、筒部82からの気流とは異なる方
向に気体を流出または噴出させるため、気体供給パイプ
87に取り付けられたノズル88が配設されている。そ
のため、ノズル88からの気体により、筒部82の延出
方向(すなわち正圧室における気体の流出方向)とは異
なる方向に筒部82からの気流を乱し、適性な流動層を
形成しつつ、造粒できる。
【0033】このような装置を利用すると、気体供給パ
イプ85から加圧気体を供給することにより、正圧室を
構成する筒部82内に粉塵が侵入するのを防止できると
ともに、万一、透明部材12a,12bに粉塵が付着し
ても、気体噴出パイプ86から圧縮気体を透明部材12
a,12bに向けて噴出させることにより粉塵を透明部
材12a,12bから脱落させて除去できる。なお、前
記透明部材12a,12bから粉塵を脱落させるための
気体噴出パイプ86、筒部82からの気流を乱すための
気体供給パイプ87やノズル88は必ずしも必要ではな
い。図13に示す例において、チャンバーの縦方向の中
心軸に対して筒部82を適当な角度(例えば、5〜20
°程度)で横方向に向けて配設することにより、流動層
の乱れを抑制しつつ透過度測定に対する悪影響を回避す
ることができる。
【0034】前記平均化手段において検出手段からの検
出データを平均化するためには、積分回路などを利用し
て移動平均により平均化し、生成した移動平均データを
比較手段に逐次与えて制御するのが有用である。平均化
の時間間隔は、チャンバーの大きさ、粉粒体の充填量な
どに応じて設定でき、例えば、10秒〜5分、好ましく
は30秒〜2分程度の範囲から選択できる。
【0035】本発明の制御装置は、検出手段による検出
値を所定時間毎に平均化するための平均化手段、平均化
されたデータと造粒プロセスに関する基準データとを比
較するための比較手段、及び比較結果に基づいて制御対
象を制御するための制御手段を備えていればよく、検出
手段からのアナログ検出データは、ディジタルデータに
変換して平均化してもよい。例えば、前記の例では、検
出手段からのアナログ検出データを平均化手段により平
均化してA/D変換器によりディジタルデータに変換し
ているが、検出手段からの検出データをA/D変換手段
によりディジタルデータに変換し、ディジタルデータを
平均化手段により平均化し、前記と同様な比較演算及び
制御処理を行ってもよい。また、下部エア供給手段から
の供給風量により造粒プロセスを制御しているが、造粒
プロセスのステップに応じて、さらに少なくとも1つの
制御対象の制御量を制御してもよい。例えば、造粒工程
では、液体噴霧ノズルからの水又は水性バインダー液の
噴霧量を制御してもよく、造粒工程や乾燥工程では、チ
ャンバー内への空気の温度を調整する加熱ユニットなど
の温度制御手段により給気温度を制御してもよい。さら
に、前記制御装置では、一定の基準値T1 により風量を
段階的に制御しているが、風量を連続的に制御してもよ
い。さらには、粒の成長とともに、小さな粒径の粉塵濃
度が小さくなるので、風量などの制御量を制御するため
の基準値として、粒の成長に応じて複数の基準値を採用
してもよい。例えば、風量制御のための基準値として、
順次高くなるT1a,T1b,T1cを採用し、センサからの
検出値がそれぞれ基準値T1a,T1b,T1cに到達したと
き、風量を順次増加させてもよい。また、風量制御にお
いては、センサによる検出データ(光センサによる透過
光量など)を一定レベルに維持するように風量をPID
制御などによりフィードバック制御してもよい。
【0036】噴霧量を制御する場合、センサ(例えば、
赤外線センサなど)を用いて流動層を形成する粉粒体の
水分量を検出して平均化処理し、平均化データとメモリ
に格納された水分量に関する基準データとを比較し、比
較手段からのデータに基づいて、演算手段により制御量
である水分供給量を算出し、噴霧ノズルからの噴霧液量
を制御することができる。また、給気温度を制御する場
合、前記検出手段として温度センサを用いてチャンバー
内の温度を検出し、比較手段により温度に関する基準デ
ータと比較し、比較手段からのデータに基づいて、演算
手段により制御量温度を算出することにより、上記と同
様にして制御できる。
【0037】なお、流動層は、温度が高いと、水分の揮
散により粉粒体の重量が小さくなるため、粉粒体が舞い
上がり、前記光センサによる透過光量が低減し、温度が
低いと、光センサによる透過光量が増加する。また、噴
霧液量が多いと、粉粒体の重量が増加し、前記光センサ
による透過光量が低減し、噴霧液量が少ないと、光セン
サによる透過光量が増加する。このような関係を利用す
ることにより、前記光センサによる検出値を平均化し、
図2や図6と同様な制御装置を利用して、エアの風量の
みならず、温度又は噴霧液量を制御することも可能であ
る。
【0038】本発明の造粒制御方法では、前記より明ら
かなように、チャンバーの下部から上方への気流により
粉粒体の流動層を形成するとともに水又はバインダー液
を噴霧して、粉粒体を造粒する。その際、水分含量の大
きな造粒系であっても、前記流動層の流動状態を検出し
て所定時間毎に平均化し、平均化したデータと造粒プロ
セスに関する基準データとを比較し、比較結果に基づい
て前記エアの風量又は液体の噴霧量を制御することによ
り、均一な流動層を形成しつつ円滑に造粒できるととも
に、粒度分布のシャープな造粒末を得ることができる。
そのため、本発明の方法は、高水分含量の造粒系、例え
ば、水分含量10〜50重量%、好ましくは20重量%
以上(例えば、25〜40重量%)程度の粉粒体で流動
層を形成しながら造粒する上で有用である。
【0039】造粒は、造粒末の種類に応じて慣用の成分
を用いて行なうことができる。例えば、医薬製剤として
の造粒末を製造する場合、活性成分、添加剤(例えば、
賦形剤、結合剤、崩壊剤など)を用いる場合が多く、結
合剤が水溶性である場合には、結合剤の水溶液を流動層
に噴霧したり、粉粒状結合剤を含む流動層に水を噴霧す
る場合が多い。また、活性成分として吸湿性や粘性の高
い成分、例えば、生薬エキスなどを用いる場合、活性成
分は、必要に応じて水と混合し、流動層に噴霧してもよ
い。
【0040】本発明は、水又は水性バインダー液を噴霧
して造粒する方法(特に、高温で造粒すると、活性が低
下しやすい活性成分を水又は又は水性バインダー液を噴
霧して造粒する方法など)、吸湿性や水分保持能の高い
活性成分や添加剤を水又は又は水性バインダー液を噴霧
して造粒する方法などに適用できる。また、本発明は、
水性バインダー液を噴霧して粉粒体をコーティングする
コーティング方法にも適用できる。
【0041】
【発明の効果】本発明の装置及び方法では、流動層を検
出する検出手段からの検出データを平均化処理するの
で、水分含量が大きな造粒系であっても、均一な流動層
を形成して円滑に造粒できる。また、粒度分布がシャー
プな造粒末を高い収率で効率よく製造でき、高い造粒効
率で均一な造粒末を製造できる。さらに、バッグフィル
ターの目詰まりを抑制でき、造粒に最適な流動状態を維
持しつつ長期間に亘り連続的に造粒できる。
【0042】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。 実施例 結晶セルロース1kg、主薬1kg、乳糖6kg、コー
ンスターチ2kgを転動流動造粒装置(パウレック社
製,マルチプレックスMP−25)に入れ、バインダー
液として5重量%ヒドロキシプロピルセルロース(HP
C−L)水溶液を用い、回転体を回転数300rpmで
回転させながら、転動流動造粒法により造粒した。
【0043】また、制御装置として、図1および図2に
示す制御装置を用い、予熱工程で、給気風量5m3
分、温度80℃に予熱して流動層を形成し、造粒工程で
は、バインダー液を250g/分の噴霧速度で噴霧しな
がら、温度80℃で造粒した。また、透過型光センサに
よる検出値を移動平均により1分毎に移動平均データと
して平均化し、移動平均データを0.1秒毎にA/D変
換し、比較回路において検出値が基準データに達した
時、制御回路により、給気風量を1m3 /分ずつ増加さ
せた。すなわち、造粒工程では、光センサの検出値に応
答して、給気風量を5m3 /分から6m3 /分→7m3
/分→8m3 /分→9m3 /分→10m3 /分→11m
3 /分に増加させた。さらに、乾燥工程では、給気風量
11m3 /分、温度80℃で乾燥させた。得られた造粒
末の粒度分布を測定したところ、表1に示す結果を得
た。
【0044】比較例 給気風量を制御することなく、予熱工程で給気風量8m
3 /分、温度80℃で予熱し、造粒工程では、バインダ
ー液を250g/分の噴霧速度で噴霧しながら給気風量
8m3 /分、温度80℃で造粒し、乾燥工程で給気風量
8m3 /分、温度80℃で乾燥する以外、実施例と同様
にして造粒末を得た。得られた造粒末の粒度分布を測定
したところ、表1に示す結果を得た。
【0045】
【表1】 表1から明らかなように、比較例に比べて、実施例で
は、水分含量が大きな造粒系であっても、粒度分布がシ
ャープで均一な造粒末を高い収率で得ることができる。
また、実施例の造粒工程では、比較例のように微粉が造
粒層の上に舞い上がることがなく、均一な流動層を形成
しながら造粒できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は転動流動造粒装置の一例を示す概略構成
図である。
【図2】図2は図1の制御装置の電気的構成を示すブロ
ック図である。
【図3】図3は平均化処理前の光センサ出力の変動を示
すグラフである。
【図4】図4は図3に示す光センサ出力の変動を本発明
の方法により平均化したグラフである。
【図5】図5は図2の制御装置を利用した造粒・乾燥プ
ロセスの概略を示すタイムチャートである。
【図6】図6は本発明の他の制御装置の電気的構成を示
すブロック図である。
【図7】図7は図6の制御装置を利用した造粒・乾燥プ
ロセスの概略を示すタイムチャートである。
【図8】図8は図6の制御装置を利用した造粒・乾燥プ
ロセスを示すフローチャートである。
【図9】図9は付着防止装置の一例を示す概略部分横断
面図である。
【図10】図10は付着防止装置の他の例を示す概略部
分縦断面図である。
【図11】図11は本発明の造粒装置における付着防止
装置のさらに他の例を示す概略部分縦断面図である。
【図12】図12は付着防止装置の他の例を示す概略部
分縦断面図である。
【図13】図13は付着防止装置のさらに他の例を示す
概略部分縦断面図である。
【符号の説明】
1…チャンバー 4…エア供給ライン 7…液体噴霧ノズル 11a…発光素子 11b…受光素子 21…光センサ 22…平均化回路 23…A/D変換回路 24…メモリ 25,32…中央処理装置(CPU) 26…比較回路 27…制御回路 28…演算回路 29…メモリ 30…D/A変換回路 63,72…正圧室 64,75…気体供給ライン 82…筒部 85…気体供給パイプ 86…気体噴出パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福山 光 大阪府池田市五月丘5丁目1番3号 (72)発明者 菊田 潤一 大阪府吹田市山田西1丁目23番A11−202 号 (72)発明者 土岐 秀一 兵庫県尼崎市武庫之荘本町3丁目2番29号 (72)発明者 亀山 進 京都市西京区大枝西新林町3丁目3番地の 4

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバー内で下部から上方への気流に
    より粉粒体の流動層を形成するための下部エア供給手段
    と、液体を噴霧するための液体供給手段とを備えた装置
    において、前記流動層の流動状態を検出するための少く
    とも1つの検出手段、この検出手段による検出データを
    所定時間毎に平均化するための平均化手段、平均化され
    たデータと造粒プロセスに関する基準データとを比較す
    るための比較手段、およびこの比較手段による比較結果
    に基づいて前記下部エア供給手段からの供給風量を制御
    するための制御手段を備えている造粒制御装置。
  2. 【請求項2】 さらに前記比較手段による比較結果に基
    づいて液体供給手段からの噴霧量を制御するための制御
    手段を備えている請求項1記載の造粒制御装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段が流動層の透過光量を検出
    する光センサであって、チャンバーの対向位置に形成さ
    れた透光部位の外側に配設された発光手段と受光手段と
    で構成されている請求項1又は2記載の造粒制御装置。
  4. 【請求項4】 チャンバーの透光部位の内面に粉塵が付
    着するのを防止するための手段であって、チャンバーの
    透光部位の内側又は外側に取り付けられ、かつチャンバ
    ーの内方側に向って気体が流出可能な開口孔を備えた正
    圧室と、この正圧室に気体を供給するための気体供給手
    段とで構成された付着防止手段を備えている請求項1な
    いし3のいずれかの項に記載の造粒制御装置。
  5. 【請求項5】 さらに、下部エア供給手段から供給する
    空気の温度を制御するための温度制御手段を備えている
    請求項1ないし4のいずれかの項に記載の造粒制御装
    置。
  6. 【請求項6】 検出手段による検出値を所定時間毎に平
    均化するための平均化手段、平均化されたデータと造粒
    プロセスに関する基準データとを比較するための比較手
    段、この比較手段による比較結果に基づいて、下部エア
    供給手段、液体供給手段、および温度制御手段から選択
    された少なくとも1つの制御手段の制御対象に関する制
    御量を算出するための演算手段、およびこの演算手段に
    よる制御量に基づいて、前記制御対象を制御するための
    駆動手段を備えている請求項1〜5のいずれかの項に記
    載の造粒制御装置。
  7. 【請求項7】 チャンバーの下部から内部へエアを供給
    して上方への気流による粉粒体の流動層を形成するとと
    もに液体を噴霧して粉粒体を造粒する方法であって、前
    記チャンバーの対向位置に配設した発光手段と受光手段
    とで前記流動層の流動状態を検出して、その検出値を所
    定時間毎に平均化し、平均化したデータと造粒プロセス
    に関する基準データとを比較し、比較結果に基づいて少
    くとも前記エアの風量を制御することを特徴とする造粒
    制御方法。
  8. 【請求項8】 水分含量10〜50重量%の粉粒体で流
    動層を形成しながら造粒する請求項7記載の造粒制御方
    法。
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Cited By (6)

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