JP3059879B2 - 流動層利用の造粒制御装置 - Google Patents

流動層利用の造粒制御装置

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JP3059879B2
JP3059879B2 JP6037989A JP3798994A JP3059879B2 JP 3059879 B2 JP3059879 B2 JP 3059879B2 JP 6037989 A JP6037989 A JP 6037989A JP 3798994 A JP3798994 A JP 3798994A JP 3059879 B2 JP3059879 B2 JP 3059879B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流動層利用の造粒制御
装置に関し、詳述すると、例えば、気体噴出口を造粒容
器の底部に設け、その気体噴出口から噴出される気流に
より、供給部からの造粒原料を流動層状態にして、前記
造粒容器の上方空間に設けた結合剤供給機構から結合剤
を噴霧して造粒する流動層利用の造粒装置において、前
記結合剤供給機構への結合剤の供給状態を調節して設定
粒径に造粒する流動層利用の造粒制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流動層利用の造粒装置では、層内水分M
p、流動風量F、熱風温度Tなる変動因子と、造粒物の
粒径Xとの間に次式の関係が成立することが判明してい
る。 X∝Mp/(F・T) 従って、造粒工程の安定化のためには、これらの変動因
子を適切に調節維持する必要がある。
【0003】従来、層内水分Mpの調節のために、前記
結合剤供給機構へ結合剤を供給する結合剤供給調節機構
としてポンプ機構を用い、粒径等の顆粒物性に影響を及
ぼす液速度(液滴径)を一定にするために、一定の駆動
回転数を維持しながらポンプ機構をオンオフ制御して目
標水分値に調節する結合剤供給制御手段を設けて構成し
ていた。ここに、通常のオンオフ制御では、層内水分M
pが目標値の上下に振動してしまい、振動時の目標値と
の偏差(振幅)が大きいと造粒の結果物である顆粒の品
質の劣化に影響を及ぼす場合があるために、結合剤供給
制御手段としてポンプ機構のオンレベルとオフレベルと
を異ならせた二つの閾値を設定して目標値に対する偏差
を小さくする二位置制御を行うものが提案されていた。
【0004】また、結合剤供給機構から噴霧された結合
剤により上昇する層内水分Mpは、同時に気体噴出口か
ら噴出される熱風により蒸発し、そのバランスにより一
定値に保たれるが、流動層における水分蒸発速度Wは、
流動層へ入力される空気温度と流動層から出力される空
気温度との差、即ち、熱損失をΔTとすると、W∝ΔT
・Fで表すことができるので、上述のバランスを保つた
めに、ΔT・Fが目標値に維持されるように流動風量F
或いは熱損失ΔTを調節する必要がある。一方、流動風
量Fは、流動層での粒子の運動状態に大きく影響を及ぼ
すものであるので、層内水分Mpの調節のためにのみ調
節することができない。
【0005】そこで従来、ΔT・Fが目標値に維持され
るように、熱損失ΔTを調節するべく、気体噴出口への
送風温度を調節する送風温度調節機構と、送風温度が目
標温度になるように前記送風温度調節機構を制御する送
風温度制御手段と、気体噴出口への送風量を計測する送
風量検出機構と、流動層での熱損失ΔTを検出する熱損
失検出機構とを設けて、前記送風量検出機構により検出
された送風量Fと前記熱損失検出機構による熱損失ΔT
の積Etが所定の値になるように、気体噴出口への送風
温度の目標値を設定する目標温度設定手段とを設けて構
成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の流動層利用の造粒制御装置でも、層内水分Mp
は目標値の上下である程度の振動が生じることに変わり
なく、特に、造粒の初期に目標とする層内水分まで立ち
上げるときに、立ち上がり時間を短くするべくポンプ機
構をオンし続けると極端なオーバーシュートが生じ、オ
ーバーシュートを回避するために所定の周期でオンオフ
を繰り返すとオーバーシュートが多少は軽減されるが、
立ち上がり時間が長くなり、従って迅速な造粒が困難に
なるという問題点があった。
【0007】また、目標温度設定手段により設定される
目標温度が、層内水分Mpの一定の目標値に対する現在
の値を基にPID制御により決定されていたために、送
風量の変動に迅速に対応できず、その制御特性は必ずし
も良好なものではなかった。特に、造粒初期に層内水分
Mpが目標値に上昇する際に、結合剤の供給と蒸発のバ
ランスが崩れて、層内水分Mpが過渡的に目標値を大き
く上回ることがあり、そのために造粒物の最終粒径がば
らつくという問題点もあった。一般にPID制御は変動
因子が複数ある系の制御には不向きで、層内水分Mp
が、流動層への供給熱量のみで変化するものではなく、
結合剤の供給状態や粒径といった他の要素による影響も
大きいからである。
【0008】本発明の目的は、造粒過程において、層内
水分Mpの目標値への立ち上がり時間を短く、且つ、オ
ーバーシュートを回避し、そしてその後の層内水分Mp
の目標値への追従性をよくして、造粒速度を増し、しか
も、最終の造粒物の粒径のばらつきを小さくして製品の
収率を上げるためのより優れた流動層利用の造粒制御装
置を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る流動層利用
の造粒制御装置の第一の特徴構成は、前記結合剤供給機
構への結合剤の供給を調節する結合剤供給調節機構と、
前記結合剤供給調節機構を制御する結合剤供給制御手段
と、前記流動層の層内水分Mpを検出する層内水分検出
機構と、前記層内水分検出機構により検出された層内水
分Mpの目標値に対する偏差と、前記層内水分Mpの変
化率と、を入力して前記流動層の層内水分Mpを目標値
に調節すべく前記結合剤供給制御手段への制御信号を出
力するファジー推論手段とを設けて構成してある点にあ
る。上述の構成において、前記ファジー推論手段は、前
記流動層の層内水分Mpの値に応じて分割された複数の
領域毎に生成されたメンバシップ関数に基づいて、前記
結合剤供給制御手段への制御信号を出力するものである
ことが好ましい。
【0010】本発明に係る流動層利用の造粒制御装置の
第二の特徴構成は、前記気体噴出口への送風温度を調節
する送風温度調節機構と、送風温度が目標温度になるよ
うに前記送風温度調節機構を制御する送風温度制御手段
と、前記気体噴出口への送風量を計測する送風量検出機
構と、前記流動層での熱損失ΔTを検出する熱損失検出
機構と、前記送風量検出機構により検出された送風量F
と前記熱損失検出機構による熱損失ΔTの積Etが設定
値になるように前記気体噴出口への送風温度の目標値を
設定する目標温度設定手段とを設けて構成し、前記送風
量Fと熱損失ΔTの積Etの設定値を、前記流動層の層
内水分Mpが安定する造粒中期に比較して、前記流動層
の層内水分Mpが上昇する造粒初期に高い値に設定して
ある点にある。
【0011】さらに、前記目標温度設定手段を、層内水
分Mpの目標値に対する偏差と、前記層内水分Mpの変
化率と、前記送風量Fと熱損失ΔTの積Etの設定値に
対する偏差ΔEtと、前記送風量Fと熱損失ΔTの積E
tの変化率ΔEt/Δtと、を入力して送風温度の目標
値を出力するファジー推論手段で構成してあることが好
ましい。
【0012】
【作用】第一の特徴構成による作用を以下に説明する。
ファジー推論手段は、層内水分検出機構により検出され
た層内水分Mpの目標値に対する偏差と、前記層内水分
Mpの変化率に対して定義されたメンバシップ関数に基
づいてファジー推論して、結合剤供給制御手段への制御
信号を出力し、出力された制御信号に基づいて結合剤供
給制御手段が前記結合剤供給調節機構を制御するのであ
る。
【0013】前記ファジー推論手段は、前記流動層の層
内水分Mpの値に応じて、例えば、初期の立ち上がり領
域と、目標値に立ち上がった後の領域といったような、
複数の領域に分割し、それぞれの領域毎に定義された適
切なメンバシップ関数に基づいてファジー推論して、前
記結合剤供給調節機構への制御信号を出力するのであ
る。
【0014】第二の特徴構成による作用を以下に説明す
る。造粒初期に層内水分Mpが目標値に上昇する際に
は、送風量Fと熱損失ΔTの積Etの設定値を、前記流
動層の層内水分Mpが安定する造粒中期に比較して高い
値に設定することにより水分蒸発速度を増して、層内水
分Mpが目標値よりも大きく上回るオーバーシュートを
回避しながら、バランスがとれた状態に速く移行させる
のである。
【0015】前記目標温度設定手段としてのファジー推
論手段は、層内水分Mpの目標値に対する偏差と、前記
層内水分Mpの変化率と、前記送風量Fと熱損失ΔTの
積Etの設定値に対する偏差ΔEtとのそれぞれに定義
されたメンバシップ関数に基づいてファジー推論して、
送風温度調節機構を制御する送風温度制御手段に、送風
温度の目標値を出力するのである。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、造粒過程において、層
内水分Mpの目標値への立ち上がり時間を短く、且つ、
オーバーシュートを回避し、そしてその後の層内水分M
pの目標値への追従性をよくして、造粒速度を増し、し
かも、最終の造粒物の粒径のばらつきを小さくして製品
の収率を上げるためのより優れた流動層利用の造粒制御
装置を提供することができるようになった。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2に示すように、本発明に係る流動層利用の造
粒装置は、上部が下部よりも若干拡径した円筒状の造粒
容器1の底部に、上面中心部が上向きに突出した円錐面
に形成された回転円盤10を、前記造粒容器1内におい
て鉛直方向の回転軸芯周りに回転自在に取り付けて、そ
の回転円盤10の円錐面の上方空間を造粒部3とし、そ
の造粒部3で、容器1の底部に形成した複数の気体噴出
口10aから噴出される気流により造粒原料を流動層状
態にするとともに、前記造粒容器1の上方空間に設けた
結合剤噴出機構8から結合剤(水または水を主成分とす
る)を噴霧して造粒するように構成してある。
【0018】前記造粒容器1の中段(詳しくは、前記造
粒容器1の拡径部)には、前記造粒原料のうちの原料粉
体を供給するための供給機構15を設けてあり、前記供
給機構15からの原料粉体を前記造粒部3に一旦貯留
し、その貯留物を流動層状態にして造粒を行う。
【0019】前記造粒容器1の側方に、エアーフィルタ
4bを備えたブロワファン4aからの吸引空気をダンパ
機構4cを介して前記造粒容器1に送風する送風量調節
機構4を設けてあり、送風温度調節機構5としてのヒー
タにて適宜温度に加熱された後に、前記気体噴出口10
aを介して前記造粒部3に給気される。
【0020】前記結合剤噴出機構8は、前記造粒容器1
の最上部に冠着された濾過部2を貫通した状態に配置さ
れた上端供給部8a(その部分には、圧縮空気供給装置
6及び結合剤供給装置7からの配管の下流端が接続され
ている)と、前記造粒容器1内の下部下方に開口し、前
記造粒部3へ噴霧供給されるようになっているノズル8
cと、前記造粒容器1内の中心部に鉛直姿勢で配置さ
れ、上端供給部8aからノズル8cへ結合剤を供給する
供給管8bとで構成してある。即ち、前記結合剤供給装
置7からバルブ機構7aを介して供給される結合剤を、
圧縮空気供給装置6からの圧縮空気をキャリアガスとし
て、前記ノズル8cから前記造粒部3へ噴霧供給するも
ので、前記結合剤供給装置7には、結合剤の供給状態を
調節する結合剤供給調節機構7bとしてのポンプ機構を
備えてある。
【0021】更に、前記濾過部2には、前記造粒容器1
内からの吸引排気を濾過するためのフィルタ2aを設け
て、その吸引排気を装置外へ排出するための排気装置9
へ通じる配管を接続してあり、前記濾過部2内には、前
記フィルタ2aを洗浄するために圧縮空気を前記フィル
タ2aに吹き付けるブローチューブ2bを設けてある。
【0022】前記回転円盤10は、前記造粒容器1の下
部に配置したモータ13の駆動力によって鉛直方向の回
転軸芯周りに回転自在に取り付けてあり、前記造粒容器
1の給気口1aを経由して導入される前記送風量調節機
構4からの給気が、前記気体噴出口10aを介して前記
造粒部3へ噴出される。
【0023】前記供給機構15から前記造粒部3に材料
粉体を投入して、送風量、送風温度一定の下で、所定の
粒径、硬さに造粒する場合の造粒工程について略述す
る。図3に示すように、材料粉体を投入後、前記回転円
盤10を回転させながら前記送風装置4から送風して流
動層状態に移行させる(図中AからB点)。その後、前
記ポンプ機構7bをオン・オフ制御して前記ノズル8c
から結合剤を供給して造粒を開始すると(図中、B
点)、水分値Mpが上昇するとともに粉が凝集して顆粒
が生成され成長する造粒初期段階(図中、B点からC
点)と、水分値Mpが一定になると顆粒の成長が止ま
り、流動作用により圧密を受け、顆粒密度(硬さ)が時
間とともに増大する造粒中期段階(図中、C点からD
点)と、所定の硬さになったところで結合剤の供給を停
止して、顆粒を乾燥させて造粒工程を終了する造粒最終
段階(図中、D点以降)を経て造粒工程が終了する。
【0024】一般に、流動層利用の造粒装置では、層内
水分Mp、流動風量F、熱風温度Tなる変動因子と、造
粒物の粒径Xとの間に次式の関係が成立することが判明
している。 X∝Mp/(F・T) 従って、目標粒径、密度の造粒物を得るためには、層内
水分Mp、流動風量F、熱風温度Tなる変動因子を適切
に調節する必要があり、そのために上述の造粒装置に
は、前記造粒部3へ噴出すべき風量や温度、結合剤の供
給量等を調節する造粒制御装置を設けてある。
【0025】前記造粒制御装置は、図1に示すように、
前記流動層での造粒物の運動エネルギーに相当する値を
一定に維持するように、送風量の目標値を出力する第一
制御手段21と、第一制御手段21から出力される目標
値に送風量を調整維持する送風制御手段20と、前記流
動層での造粒物の層内水分を安定させるために、結合剤
の供給量の目標値を出力する第二制御手段31と、第二
制御手段31から出力される目標値に結合剤の供給量を
調整維持する結合剤供給制御手段30と、前記流動層で
の造粒物に熱を供給して層内水分を蒸発により安定させ
るために、前記流動層に供給される熱エネルギーに相当
する値を調節すべく送風温度の目標値を出力する第三制
御手段41と、第三制御手段41から出力される目標値
に送風温度を調整維持する送風温度制御手段40とから
なる。
【0026】前記第一制御手段21は、前記流動層での
造粒物同士の衝突や造粒物と側壁との間の衝突により生
じる弾性波を検出するべく、前記造粒容器1の外壁に設
けた弾性波検出機構22と、前記流動層での圧力損失を
検出する圧損検出機構23として前記流動層の上下に設
けた圧力検出センサ23a,23bと、前記弾性波検出
機構22により検出された弾性波出力Lと前記圧損検出
機構23により検出された圧力損失ΔPの積Ekが一定
値になるように前記気体噴出口10aへの送風量の目標
値を設定する目標設定手段24とからなる。前記目標設
定手段24は、前記弾性波出力Lと圧力損失ΔPの積E
kの目標値に対する偏差ΔEkと、前記弾性波出力Lと
圧力損失ΔPの積Ekの変化率ΔEk/Δtとを演算す
る第一演算機構25と、それらの演算結果及び層内水分
情報としての前記結合剤供給調節機構(ポンプ機構)7
bの運転情報を入力して送風量の目標値を出力するファ
ジー推論部26とからなるファジー推論手段で構成して
ある。
【0027】前記送風制御手段20は、前記弾性波出力
Lを入力して、その値が、前記目標設定手段24による
送風量の目標値としての前記弾性波の目標出力に調節維
持されるように、送風量調節機構4即ちブロワファン4
a出力或いはダンパ機構4cの開度を調節する離散型P
ID制御装置で構成してある。
【0028】前記第二制御手段31は、流動層の層内水
分Mpを検出する層内水分検出機構32とファジー推論
手段35とからなり、ファジー推論手段35は、前記層
内水分検出機構32により検出された層内水分Mpの目
標値に対する偏差ΔMpと、前記層内水分Mpの変化率
ΔMp/Δtとを演算する第二演算機構33と、それら
の演算結果を入力して前記流動層の層内水分Mpを目標
値に調節すべく前記結合剤供給調節機構7bへの制御信
号を出力するファジー推論部34とからなる。前記ファ
ジー推論手段35は、前記流動層の層内水分Mpの値に
応じて分割された複数の領域毎に生成されたメンバシッ
プ関数に基づいて、前記結合剤供給調節機構7bへの制
御信号を出力する。
【0029】前記結合剤供給制御手段30は、前記結合
剤供給調節機構(ポンプ機構)7bを一定回転数の下で
オンオフ制御するスイッチング制御装置で構成してあ
る。
【0030】前記第三制御手段41は、前記気体噴出口
10aへの送風量を計測する送風量検出機構42と、前
記流動層の上下に設けた温度検出センサ43a,43b
でなり流動層での熱損失ΔTを検出する熱損失検出機構
43と、前記送風量検出機構42により検出された送風
量Fと前記熱損失検出機構43による熱損失ΔTの積E
tが設定値になるように前記気体噴出口10aへの送風
温度の目標値を設定する目標温度設定手段44とを設け
て構成してある。前記目標温度設定手段44は、層内水
分Mpの目標値に対する偏差と、前記層内水分Mpの変
化率とを演算する第三演算機構45と、前記送風量Fと
熱損失ΔTの積Etの設定値に対する偏差ΔEtと、前
記送風量Fと熱損失ΔTの積Etの変化率ΔEt/Δt
とを演算する第四演算機構46と、それら値を入力して
送風温度の目標値を出力するファジー推論部47とで構
成されるファジー推論手段で構成してある。前記送風量
Fと熱損失ΔTの積Etの設定値を、前記流動層の層内
水分Mpが安定する造粒中期に比較して、前記流動層の
層内水分Mpが上昇する造粒初期に高い値に設定するよ
うに構成してある。
【0031】前記送風温度制御手段40は、温度検出セ
ンサ43bの検出温度を入力し、その温度が前記目標温
度設定手段44による目標温度に調整維持されるよう
に、前記送風温度調節機構5としてのヒータへの供給電
力を調節する離散型PID制御装置で構成してある。
【0032】以下に、各制御手段21,31,41によ
る制御内容について説明する。前記第一制御手段21
は、層内圧力損失ΔP(mmH2 O)、弾性波の平均周
波数L(弾性波出力としては、平均周波数の他にイベン
トレート、強度を示す値を用いることができる)とか
ら、粒子の運動エネルギーEk=ΔP・L/100を制
御周期20秒間隔で演算し、その運動エネルギーの目標
値に対する偏差ΔEk 、前回計測値と今回計測値の差で
ある変化率ΔEk/Δt、結合剤供給調節機構7bの運
転情報(ポンプ操作量)を、図5(イ)から(ホ)に示
すような予め設定されているメンバシップ関数に照らし
合わせて、図6(イ),(ロ)に示すようなファジール
ールに基づいて送風量の目標値(ブロワファンの出力、
或いは、ダンパ機構の開度の目標値)を出力する。例え
ば、図7に示すように、ポンプ機構7bがオンからオフ
に移行した時には、送風熱量により層内水分が減少し運
動エネルギーEkはそれに対応して上がる傾向にあるの
で、それを防止するために送風量を減らすことで運動エ
ネルギーEkを一定に調節し、ポンプがオフからオンに
移行した時には、逆に層内水分が増加し運動エネルギー
Ekはそれに対応して下がる傾向にあるので、それを防
止するために送風量を増すことで運動エネルギーEkを
一定に調節するのである。
【0033】前記第二制御手段31は、前記造粒容器1
の側壁に配置した層内水分検出機構32としての赤外線
水分計により計測された層内水分(粒子水分)Mpの目
標値に対する偏差ΔMp、層内水分(粒子水分)Mpの
変化率ΔMp/Δtを、制御周期5秒間隔で入力して前
記結合剤供給装置7のポンプのオン・オフ信号を出力す
るものである。ここに、粒径安定化の見地からノズル8
bから噴霧される液滴径を一定にすべく、ポンプの回転
数を一定の下でオン・オフ制御するよう構成してある。
詳述すると、図8(イ)から(ホ)に示すような予め設
定されているメンバシップ関数に照らし合わせて、図9
(イ)から(ニ)に示すようなファジールールに基づい
て推論し、前記結合剤供給調節機構7bへの制御信号を
出力する。例えば、図10に示すように、造粒工程の初
期段階で、水分が目標値に向かって上昇するときには、
図8(イ),(ロ)に示すメンバシップ関数に基づい
て、図9(イ),(ロ)に示すルールで推論し、水分値
が目標値に比べて十分に小さければ(偏差がマイナス4
%未満)ポンプを常時オンし、水分値が目標値に比べて
やや小さければ(偏差がマイナス4%からマイナス2
%)その程度とその時の上昇速度に応じてオーバーシュ
ートを抑えるべく、目標値に近づくに連れて上昇速度が
小さくなるようにポンプをオンオフ制御する。一方、水
分が定常状態に入る造粒工程の中期段階では、図8
(ハ),(ニ)に示すメンバシップ関数に基づいて、図
9(ハ),(ニ)に示すルールで推論し、水分値が目標
値に比べて大きければ(偏差が1%以上)ポンプを常時
オフし、水分値が目標値の付近にあれば(偏差がマイナ
ス2%から1%)その程度とその時の上昇或いは下降速
度に応じて目標値に対する変動を抑えるべく、目標値に
近づくに連れて上昇或いは下降速度が小さくなるように
ポンプをオンオフ制御するのである。
【0034】前記第三制御手段41は、層内水分(粒子
水分)Mpの目標値との偏差ΔMp、層内水分(粒子水
分)Mpの変化率ΔMp/Δt、前記送風量Fと熱損失
ΔTの積Etの設定値に対する偏差ΔEt、前記送風量
Fと熱損失ΔTの積Etの変化率ΔEt/Δtを、制御
周期25秒間隔で入力して積Etが設定値になるように
前記気体噴出口10aへの送風温度の目標値を出力する
ものである。詳述すると、図11(イ)から図12
(チ)に示すような予め設定されているメンバシップ関
数に照らし合わせて、図13(イ)から図15(ワ)に
示すようなファジールールに基づいて推論し、送風温度
の目標値を出力する。例えば、造粒工程の初期段階で、
層内水分Mpが目標値に向かって上昇して目標値を上回
るとき(層内水分の偏差ΔMpが0.25%を超えて大
きい)には、図13(ロ)に示すルールで推論し、熱エ
ネルギーEtが許容範囲内にあっても層内水分Mpを目
標値内に下げるために一時的に熱エネルギーEtを大き
く設定するが、層内水分Mpが目標値付近にあるとき
(層内水分の偏差ΔMpがマイナス1.5%から0.2
5%の範囲)には、図13(ハ)に示すルールで推論
し、層内水分Mpをより正確に目標値に合わせて安定さ
せる。
【0035】以上の制御の結果、図4に示すような特性
を示す造粒状態で造粒がなされることになり、例えば、
図中A点では、前記第二制御手段によるポンプ機構7b
の調節や、前記第三制御手段41による一時的な熱エネ
ルギーEtの大なる設定の結果、層内水分Mpのオーバ
ーシュートが回避され良好な状態で造粒がなされている
ことがわかる。
【0036】以下に別実施例を説明する。先の実施例で
は、造粒工程の初期段階と中期段階との二領域に分けて
メンバシップ関数を設定して、前記結合剤供給制御手段
30への制御信号を出力するファジー推論手段35につ
いて説明したが、それ以上に領域を分けてメンバシップ
関数を設定してもよい。例えば、造粒工程の初期段階に
おいて、層内水分が目標値の80%に達するまでは立ち
上がり時間の短縮化を図る段階と、80%に達した以後
はオーバーシュートの回避を図る段階というように分割
することの可能である。
【0037】また、ここで説明したメンバシップ関数や
ファジールール及び制御周期等も造粒装置の規模や、造
粒対象物の特性を考慮して適宜設定することが可能であ
ることはいうまでもない。
【0038】先の実施例では、第一制御手段21、第三
制御手段41にもファジー推論を用いるものを説明した
が、これらは、特にファジー推論を用いるものに限定す
るものではなく、知識ベースを用いたAI機構を用いる
ものやニューラルネットワークを用いるもの等任意であ
る。
【0039】先の実施例では、目標温度設定手段をファ
ジー推論手段で実現するものを説明したが、これに限定
するものではなく、例えば知識ベースとif/then
型のルールを用いて目標温度を設定するAI制御手段で
構成することもできる。
【0040】先の実施例では、層内水分を一定に保つた
めに、目標温度設定手段以外に結合剤供給機構を制御す
るための第二制御手段にもファジー推論を用いている
が、第二制御手段についてはファジー推論を用いるもの
に限定するものではなく、他の任意の制御手段、例えば
PID制御手段等を適宜用いることができる。
【0041】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】造粒制御装置のブロック構成図
【図2】造粒装置の概略構成図
【図3】造粒過程の説明図
【図4】造粒過程の説明図
【図5】メンバシップ関数
【図6】ファジールール
【図7】制御特性説明図
【図8】メンバシップ関数
【図9】ファジールール
【図10】制御特性説明図
【図11】メンバシップ関数
【図12】メンバシップ関数
【図13】ファジールール
【図14】ファジールール
【図15】ファジールール
【符号の説明】
1 造粒容器 4 送風量調節機構 7b 結合剤供給調節機構 8 結合剤噴出機構 10a 気体噴出口 30 結合剤供給制御手段 32 層内水分検出機構 35 ファジー推論手段 40 送風温度制御手段 42 送風量検出機構 43 熱損失検出機構 44 目標温度設定手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造粒容器(1)の底部に設けた気体噴出
    口(10a)から噴出される気流により、造粒原料を流
    動層状態にして、前記造粒容器(1)の上方空間に設け
    た結合剤供給機構(8)から結合剤を噴霧して造粒する
    流動層に対して、 前記結合剤供給機構(8)への結合剤の供給を調節する
    結合剤供給調節機構(7b)と、前記結合剤供給調節機
    構(7b)を制御する結合剤供給制御手段(30)と、
    前記流動層の層内水分Mpを検出する層内水分検出機構
    (32)と、前記層内水分検出機構(32)により検出
    された層内水分Mpの目標値に対する偏差と、前記層内
    水分Mpの変化率と、を入力して前記流動層の層内水分
    Mpを目標値に調節すべく前記結合剤供給制御手段(3
    0)への制御信号を出力するファジー推論手段(35)
    とを設けて構成してある流動層利用の造粒制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ファジー推論手段(35)は、前記
    流動層の層内水分Mpの値に応じて分割された複数の領
    域毎に生成されたメンバシップ関数に基づいて、前記結
    合剤供給制御手段(30)への制御信号を出力するもの
    である請求項1記載の流動層利用の造粒制御装置。
  3. 【請求項3】 造粒容器(1)の底部に設けた気体噴出
    口(10a)から噴出される気流により、造粒原料を流
    動層状態にして、前記造粒容器(1)の上方空間に設け
    た結合剤供給機構(8)から結合剤を噴霧して造粒する
    流動層に対して、 前記気体噴出口(10a)への送風温度を調節する送風
    温度調節機構(5)と、送風温度が目標温度になるよう
    に前記送風温度調節機構(5)を制御する送風温度制御
    手段(40)と、前記気体噴出口(10a)への送風量
    を計測する送風量検出機構(42)と、前記流動層での
    熱損失ΔTを検出する熱損失検出機構(43)と、前記
    送風量検出機構(42)により検出された送風量Fと前
    記熱損失検出機構(43)による熱損失ΔTの積Etが
    設定値になるように前記気体噴出口(10a)への送風
    温度の目標値を設定する目標温度設定手段(44)とを
    設けて構成し、 前記送風量Fと熱損失ΔTの積Etの設定値を、前記流
    動層の層内水分Mpが安定する造粒中期に比較して、前
    記流動層の層内水分Mpが上昇する造粒初期に高い値に
    設定してある流動層利用の造粒制御装置。
  4. 【請求項4】 前記目標温度設定手段(44)を、層内
    水分Mpの目標値に対する偏差と、前記層内水分Mpの
    変化率と、前記送風量Fと熱損失ΔTの積Etの設定値
    に対する偏差ΔEtと、前記送風量Fと熱損失ΔTの積
    Etの変化率ΔEt/Δtと、を入力して送風温度の目
    標値を出力するファジー推論手段で構成してある請求項
    3記載の流動層利用の造粒制御装置。
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