JP2019086416A - デジタルセンサ - Google Patents

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英人 嶋田
Hideto Shimada
英人 嶋田
水野 健太朗
Kentaro Mizuno
健太朗 水野
牧野 泰明
Yasuaki Makino
牧野  泰明
渡辺 高元
Takamoto Watanabe
高元 渡辺
貴男 鶴原
Takao Tsuruhara
貴男 鶴原
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Abstract

【課題】計測対象の物理量の変化に対応した電圧変化分dVcを伴う第1電圧(Vc+dVc)と第2電圧(Vc−dVc)を出力するセンサ素子10を備えるデジタルセンサ2において、電圧変化分dVcが小さいときでも計測精度の劣化を抑える。【解決手段】デジタルセンサ2は、センサ素子10と、基準パルス回路20と、参照クロック回路30と、第1/第2遅延回路22a/22bと、オフセット遅延回路21を備える。第1/第2遅延回路22a/22bは、電源電圧の変化に伴って遅延時間が変化する回路であり、第1遅延回路には、第1電圧が電源電圧として供給され、第2遅延回路には第2電圧が電源電圧として供給される。オフセット遅延回路21には一定電圧が電源電圧として供給される。第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の時間差には、電圧変化分dVcに関わらずに、オフセット遅延回路21による遅延時間が含まれる。【選択図】図1

Description

本明細書が開示する技術は、計測対象の物理量に対応する電圧値をデジタル値に変換して出力するデジタルセンサに関する。
特許文献1に、物理量を、AD変換器を介さずに直接にデジタル信号で出力するデジタルセンサが開示されている。なお、特許文献1ではそのようなセンサを物理量センサと称している。そのデジタルセンサは、計測対象の物理量の変化に応じて抵抗値が変化する2種類の抵抗を用いる。一方の抵抗は、計測対象の物理量と正の相関を有しており、他方の抵抗は計測対象の物理量と負の相関を有している。特許文献1のデジタルセンサは、2種類の抵抗の夫々を使って、基準電圧Vcに対して物理量の変化に応じて変化する電圧変化分dVcを伴う第1電圧Vc+dVcと第2電圧Vc−dVcを出力するセンサ素子を備えている。センサの処理回路は、第1電圧と第2電圧を使って2種類の遅延パルス信号を生成し、2種類の遅延パルス信号の時間差の間にクロック信号をカウントする。即ち、計測対象の物理量が、クロック信号のカウント値(デジタル値)として得られる。上記のセンサは、AD変換器を必要としないため、小型、低消費電力であり、さらには高精度である。
特開2017−166908号公報
特許文献1のデジタルセンサは高精度であるが、電圧変化分dVcが小さいと、2種類の遅延パルス信号の時間差が短くなる。時間差が短くなると、時間差を抽出する論理ゲートの動作遅れなどで、抽出された時間差の精度が劣化するおそれがある。本明細書は、電圧変化分dVcが小さくとも2種類の遅延パルス信号の時間差を正確に抽出することができ、デジタルセンサの精度を一層高める技術を提供する。
本明細書が開示するデジタルセンサは、センサ素子と、基準パルス回路と、参照クロック回路と、第1/第2遅延回路と、オフセット遅延回路と、時間差パルス回路と、デジタル出力回路を備えている。センサ素子は、基準電圧Vcに対して、計測対象の物理量の変化に応じて変化する電圧変化分dVcを伴う第1電圧Vc+dVcと第2電圧Vc−dVcを出力するように構成されている。基準電圧Vcは、センサ素子の出力電圧のなかで、計測対象の物理量の変化に関わらずに一定の部分である。基準パルス回路は、基準パルス信号を出力する。参照クロック回路は、参照クロック信号を出力する。第1/第2遅延回路は、電源電圧の変化に伴って遅延時間が変化する回路である。第1遅延回路には、第1電圧が電源電圧として供給され、第2遅延回路には第2電圧が電源電圧として供給される。オフセット遅延回路には、計測対象の物理量の変化に関わらず一定電圧が電源電圧として供給される。時間差パルス回路は、基準パルス信号を第1遅延回路で遅延させた第1遅延パルス信号と、基準パルス信号を第2遅延回路及びオフセット遅延回路で遅延させた第2遅延パルス信号の時間差に対応したパルス幅を有する時間差パルス信号を出力する。デジタル出力回路は、時間差パルス信号のパルス幅の間に参照クロック信号をカウントし、カウントされた参照クロックカウント数を出力する。このデジタルセンサは、オフセット遅延回路が、第1遅延パルス信号と第2遅延パルス信号の間に一定の時間差を確保するので、電圧変化分dVcが小さくとも、電圧変化分dVcの影響を含んだ時間差を正確に抽出することができ、デジタルセンサの精度を高めることができる。
オフセット遅延回路は遅延時間が調整可能であるとよい。電圧変化分dVcが小さい場合は、オフセット遅延回路の遅延時間を長くし、電圧変化分dVcが大きい場合は、オフセット遅延回路の遅延時間を小さくする。そうすると、電圧変化分dVcの変化幅に対して時間差の変化幅を小さくすることができ、時間差パルス回路、あるいは、デジタル出力回路の動作幅を抑えることができる。
また、オフセット遅延回路と参照クロック回路は、温度変化に対する出力変化の相関特性の傾向が同じであるとよい。ここで相関特性の傾向とは、温度が上昇したときに、回路の出力変化が増加傾向か減少傾向かのいずれであるかを意味する。オフセット遅延回路と参照クロック回路の温度変化に対する相関特性の傾向が同じであるとは、デジタルセンサの周囲の温度が上昇したときに参照クロック回路が出力する参照クロック信号の周期が延びる場合はオフセット遅延回路の遅延時間も延びることである。あるいは、周囲の温度が上昇したときに参照クロック信号の周期が短くなる場合には、オフセット遅延回路の遅延時間も短くなることである。別言すれば、参照クロック回路の出力が温度変化に対して正の相関(負の相関)を有するならば、オフセット遅延回路の出力も温度変化に対して正の相関(負の相関)を持つようにオフセット遅延回路が構成されているとよい。そのような構成により、温度変化によるデジタルセンサの計測精度の劣化を抑制することができる。
また、時間差パルス回路は、第1遅延パルス信号と第2遅延パルス信号の時間差のk倍(kは1より大きい実数)の長さのパルス幅を有する時間差パルス信号を出力するように構成することも好適である。即ち、第1/第2遅延パルス信号の現実の時間差をk倍に伸張し、伸張された時間差を参照クロック信号でカウントする。時間差を伸張することで、参照クロック信号の速度を落としても、高い計測精度を維持することができるようになる。
所定倍の長さのパルス幅を有する時間差パルス信号を出力する時間差パルス回路の一例は次の通りである。時間差パルス回路は、第1クロック回路、第2クロック回路、第1クロックカウント回路、時間伸張パルス回路を備えている。第1クロック回路は、第1クロック信号を出力する。第2クロック回路は、第1クロック信号よりも低速の第2クロック信号を出力する。第1クロックカウント回路は、基準パルス信号を第1遅延回路で遅延させた第1遅延パルス信号と、基準パルス信号を第2遅延回路とオフセット遅延回路で遅延させた第2遅延パルス信号の時間差の間に第1クロック信号をカウントし、カウントされた第1クロックカウント数を出力する。時間伸張パルス回路は、第1クロックカウント数と同数のクロック分の第2クロック信号と等しいパルス幅を有する時間差パルス信号を出力する。この時間差パルス回路は、第1クロック信号の周期と第2クロック信号の周期の比kに応じた倍率に時間幅を伸張する。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
第1実施例のデジタルセンサのブロック図である。 オフセット遅延回路が無い場合の第1/第2遅延パルス信号と時間差パルス信号のタイムチャートである。 入力電圧の変化と時間差パルス信号の時間幅の関係を示すグラフである(オフセット遅延回路が無い場合)。 オフセット遅延回路が有る場合の第1/第2遅延パルス信号と時間差パルス信号のタイムチャートである。 電圧変化と時間差パルス信号の時間幅の関係を示すグラフである(オフセット遅延回路が有る場合)。 インバータチェーンの概要を示す図である。 リングオシレータの概要を示す図である。 CMOSインバータの回路図である。 図9(A)は、低温時の各遅延パルス信号と参照クロック信号のタイムチャートである。図9(B)は、高温時の各遅延パルス信号と参照クロック信号のタイムチャートである。 オフセット遅延時間の最小値を説明するタイムチャートである。 遅延時間を調整可能なオフセット遅延回路の一例である。 第2実施例のデジタルセンサのブロック図である。
(第1実施例)図面を参照して第1実施例のデジタルセンサ2を説明する。第1実施例のデジタルセンサ2は、圧力センサである。図1に、デジタルセンサ2のブロック図を示す。デジタルセンサ2は、センサ素子10、基準パルス回路20、参照クロック回路30、第1遅延回路22a、第2遅延回路22b、オフセット遅延回路21、時間差パルス回路24、デジタル出力回路33を備えている。
センサ素子10は、基準電圧Vcに対して圧力の変化に応じて変化する電圧変化分dVcを伴う第1電圧(Vc+dVc)と第2電圧(Vc−dVc)を出力する。センサ素子10は、正端子A1と負端子A2の間にフルブリッジ接続されている4個の抵抗11、12、13、14を有している。フルブリッジ回路の正端子A1には、入力電圧2Vcが印加される。後述するように、4個の抵抗素子11、12、13、14は、加えられた圧力によって抵抗値が変化するが、無負荷のときは同じ抵抗値を示す。従って、無負荷のとき、正端子A1に入力電圧2Vcを印加することで、正側出力端子A3と負側出力端子A4の電圧が基準電圧Vcとなる。なお、入力電圧2Vcは、基準電圧Vcが所定の値となるように、電圧VDDを出力する共通電源9から可変抵抗15を介して正端子A1に入力される。可変抵抗15によって電圧VDDが電圧2Vcに調整され、正端子A1に入力される。基準電圧Vcが満たすべき特性については後述する。
フルブリッジ回路を構成する4個の抵抗11、12、13、14は、ワンチップ化されている。抵抗11、12、13、14は、加わった圧力に応じて抵抗値が変化する可変抵抗特性を備えており、例えばピエゾ素子を材料としている。図1において抵抗11、12、13、14の夫々の記号に付した上向きあるいは下向きの矢印が、圧力に応じた抵抗値の変化方向を表している。第1抵抗11と第3抵抗13は、圧力の増加に比例して抵抗値が低下する特性を有している。第2抵抗12と第4抵抗14は、圧力の増加に比例して抵抗値が増加する特性を有している。別言すれば、第1抵抗11と第3抵抗13は、圧力に対して抵抗値が正の相関を有しており、第2抵抗12と第4抵抗14は、圧力に対して抵抗値が負の相関を有している。4個の抵抗11、12、13、14によるフルブリッジ回路は、作用する圧力が増加したときに、正側出力端子A3の出力が増加するとともに負側出力端子A4の出力が低下するように動作する。フルブリッジ回路の正端子A1には入力電圧2Vcが入力されており、正側出力端子A3からは、圧力の変化に応じて変化する電圧変化分dVcを伴う第1電圧(Vc+dVc)が出力される。負側出力端子A4からは、圧力の変化に応じて変化する電圧変化分dVcを伴う第2電圧(Vc−dVc)が出力される。別言すれば、センサ素子10は、圧力変化に非依存の一定電圧(基準電圧Vc)に、圧力の変化に応じて変化する電圧変化分±dVcを伴う電圧(Vc±dVc)を出力する。
センサ素子10は、さらに、ボルテージフォロワ18、19を備えている。第1ボルテージフォロワ18は、正側出力端子A3に接続されており、第1電圧(Vc+dVc)を高いインピーダンスで出力する。第2ボルテージフォロワ19は、負側出力端子A4に接続されており、第2電圧(Vc−dVc)を高いインピーダンスで出力する。説明を簡便化するため、以下では、第1電圧(Vc+dVc)を第1電圧V1と表し、第2電圧(Vc−dVc)を第2電圧V2と表す場合がある。
第1電圧V1は、第1遅延回路22aへ電源電圧として供給され、第2電圧V2は、第2遅延回路22bへ電源電圧として供給される。第1遅延回路22aと第2遅延回路22bには、基準パルス回路20から基準パルス信号P0が入力される。なお、基準パルス回路20は、共通電源9から電圧VDDの電力の供給を受けて動作する。
第1遅延回路22aと第2遅延回路22bはともに、電源電圧の変化に応じて遅延時間が変化する遅延回路である。遅延回路の具体的構成例については後に説明する。第1遅延回路22aは、電源電圧(第1電圧V1)の変化に応じて基準パルス信号P0を遅延させた第1遅延パルス信号P1を出力する。
基準パルス回路20と第2遅延回路22bとの間にはオフセット遅延回路21が接続されている。オフセット遅延回路21の具体的な構成は、第2遅延回路22bと同じである。ただし、第2遅延回路22bには圧力変化に応じて変化する第2電圧V2が電源電圧として供給されるが、オフセット遅延回路21には、圧力変化に関わらず一定電圧VDDが共通電源9から電源電圧として供給される。オフセット遅延回路21と第2遅延回路22bは直列に接続されている。基準パルス信号P0は、オフセット遅延回路21でオフセット遅延パルス信号Poffとなり、そのオフセット遅延パルス信号Poffは、電源電圧(第2電圧V2)の変化に応じて遅延時間が変化する第2遅延回路22bによってさらに遅延されて第2遅延パルス信号P2となる。
第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2は時間差パルス回路24に入力される。時間差パルス回路24は、排他的論理和演算器であり、第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の一方がHIGHレベルでありかつ他方がLOWレベルのときにHIGHレベルとなる時間差パルス信号P3を出力する。時間差パルス信号P3は、第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2のうち、早い方の立ち上がりエッジから、遅い方の立ち上がりエッジまでのパルス幅を有するパルス信号となる。即ち、時間差パルス信号P3は、第1遅延パルス信号P1の立ち上がりと第2遅延パルス信号P2の立ち上がりの間の時間差に等しいパルス幅を有するパルス信号となる。
ここで、センサ素子10の出力電圧のうち圧力非依存部分である基準電圧Vcについて説明する。基準電圧Vcは、共通電源9の出力電圧VDDを可変抵抗15によって調整した結果得られる。基準電圧Vcは、第1/第2遅延回路22a/22bの遅延時間を電源電圧で微分した値が温度に依存しないZTCポイントに設定されている。「ZTC]とは、Zero Temperature Coefficient の略であり、ゼロ温度係数を意味する。
第1/第2遅延回路22a/22bは、電源電圧に応じた遅延時間を有する遅延パルス信号を出力する。電源電圧は「基準電圧Vc±電圧変化分dVc」であり、計測対象の物理量の変化に応じて電圧変化分dVcが変化する。遅延時間をtwで表すと、dtw/dVcがセンサ素子の感度を示す一つの指標となる。その指標の温度依存性を抑制するには、センサ素子の出力電圧のうち圧力変化に依存しない部分(即ち、基準電圧Vc)が、第1/第2遅延回路22a/22bの電源電圧の変化に対する遅延時間の変化(即ちdtw/dV)が温度に依存しないZTCポイントに設定されていればよい。別言すれば、遅延時間を電源電圧で微分した値が温度に依存しないZTCポイントに設定されていればよい。ここでは、基準電圧Vcに対する遅延時間は温度に依存して変化しても構わないことに留意されたい。上記のごとく基準電圧Vcを設定することで、デジタルセンサ2の温度変化に対する計測精度の劣化を抑制することができる。
時間差パルス信号P3は、デジタル出力回路33に入力される。デジタル出力回路33には、参照クロック回路30から参照クロック信号CLK_rfも入力される。参照クロック回路30には、共通電源9から電圧VDDが電源電圧として供給される。
デジタル出力回路33は、複数個のD型フリップフロップで構成されるアップカウンタを有しており、時間差パルス信号P3のパルス幅の間に参照クロック信号CLK_rfをカウントし、カウントされた参照クロックカウント数を出力する。デジタル出力回路33の出力Doutが、参照クロックカウント数であり、かつ、センサ素子10が受けた圧力に対応したデジタル値に相当する。即ち、デジタル出力回路33の出力Doutが、圧力の計測結果を示すデジタル値である。
デジタルセンサ2は、センサ素子10が受ける圧力の変化に応じて変化するセンサ素子10の出力(第1電圧V1と第2電圧V2)に対応したデジタル値Doutを出力する。デジタルセンサ2は、AD変換器(Analog to Digital Converter)を必要とせず、圧力をダイレクトにデジタル値で出力することができるので、高精度であり、なおかつ、小型省電力のセンサである。
第1/第2遅延回路22a/22bは、同じ構造、同じ特性を有している。それゆえ、仮にオフセット遅延回路21が無ければ、第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の時間差(即ち時間差パルス信号P3のパルス幅)は電源電圧の電圧変化分dVcと正の相関を有する。そして、電圧変化分dVcがゼロに近づくと、時間差パルス信号P3のパルス幅もゼロに近づく。パルス幅がゼロに近づくと、パルスの立ち上がりと立下りの間が短くなり、立ち上がり終盤に適正な電圧まで上昇しないおそれがある。図2と図3を使ってこのことを説明する。図2は、基準パルス信号P0、第1遅延パルス信号P1、第2遅延パルス信号P2のタイムチャートである。なお、図2は、オフセット遅延回路21が無い場合のタイムチャートを示している。図2、及び、以降の説明では、第1遅延回路22aの遅延時間を第1遅延時間tw1と称し、第2遅延回路22bの遅延時間を第2遅延時間tw2と称する場合がある。
時間差パルス信号P3のパルス幅tw21は、第1遅延パルス信号P1の立ち上がりエッジと第2遅延パルス信号P2の立ち上がりエッジの差、即ち、tw2−tw1となる。センサ素子10の出力電圧(Vc±dVc)の電圧変化分dVcがゼロに近づくと、時間差パルス信号P3のパルス幅tw21もゼロに近づく。図2の下方に、時間差パルス信号P3のパルスの拡大図を示す。仮想線は、理想的な時間差パルス信号の波形を示している。これに対して波形G1は、時間差パルス信号P3の現実の波形を模式的に表している。時間差パルス回路24を構成するトランジスタのゲート動作(オン/オフの立ち上がり)に所定の時間を要するので、現実の時間差パルス信号P3の立ち上がりと立下りの波形は曲線を描く。時間差パルス信号のパルス幅tw21が短くなると、図2の下方に示す波形G1のように、適正な電圧に達する前に立下りが始まり、波形G1は適正なHIGHレベル(電圧値)に到達する前にLOWレベルへ下がり始めてしまう。その結果、適正なHIGHレベルに対して所定の電圧降下dHを生じる。デジタル出力回路33は、時間差パルス信号P3のパルス幅tw21を参照クロック信号CLK_rfでカウントするが、時間差パルス信号P3の信号波形が波形G1のように適正なHIGHレベルまで上昇しないと、正しいカウントができなくなってしまう。その結果、図3に示すように、電圧変化分dVcの小さい範囲では、測定不可能な領域dRが生じてしまうことになる。なお、図3のグラフは、横軸に電圧変化分dVcを示しており、縦軸に時間差パルス信号P3のパルス幅tw(時間幅)を示している。破線のグラフG2が理想的な対応関係を示しているが、現実にはグラフG3が示すように、電圧変化分dVcの小さい領域ではパルス幅が非線形に小さくなっていき、計測不可能な領域dRを生じてしまう。
電圧変化分dVcの小さい領域に対応できるように、実施例のデジタルセンサ2は、オフセット遅延回路21を備えている。図4に、オフセット遅延回路21がある場合の第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2とオフセット遅延パルス信号Poffと時間差パルス信号P3のタイムチャートを示す。第1遅延回路22aは基準パルス信号P0を第1遅延時間tw1だけ遅らせた第1遅延パルス信号P1を出力する。一方、オフセット遅延回路21は、基準パルス信号P0をオフセット遅延時間twoffだけ遅らせたオフセット遅延パルス信号Poffを出力する。第2遅延回路22bは、オフセット遅延パルス信号Poffを第2遅延時間tw2だけ遅らせた第2遅延パルス信号P2を出力する。結局、第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の時間差tw21は、tw21=tw2+twoff−tw1となる。図2の場合の時間差tw21(=tw2−tw1)と比較すると、時間差はオフセット遅延時間twoffだけ延びる。それゆえ、第1遅延回路22aの遅延時間tw1と第2遅延回路22bの遅延時間tw2の差が小さくとも、時間差パルス信号P3には十分な時間差を確保することができ、図4に示すように、時間差パルス信号P3の間に発生する参照パルス信号をカウントすることができるようになる。
なお、オフセット遅延回路21の効果をグラフで示したのが図5である。図5は、図3のグラフに、オフセット遅延回路21によるグラフG4を重ねた図である。図5に示すように、電圧変化分dVcに対する時間差のグラフにおいて、オフセット遅延回路21は、グラフを上方へ押し上げる効果がある。図5にみられるように、オフセット遅延回路21を導入したことによって、電圧変化分dVcが小さい領域でも、参照パルス信号をカウント可能な十分な時間差を確保することができる。即ち、デジタルセンサ2は、物理量の変化に伴う電圧変化分dVcが小さい場合でも電圧変化分dVcに対応した時間差をデジタル値で出力することができる。別言すれば、デジタルセンサ2は、電圧変化分dVcが小さくとも、電圧変化分dVcの影響を含んだ時間差tw21を正確に抽出することができ、デジタルセンサの精度を高めることができる。
なお、オフセット遅延回路21を導入しても、第3遅延パルス信号P3の立ち上がりと立下りの波形自体は変わらない。しかし、オフセット遅延回路21を導入することで、立ち上がりと立下りの間に十分な時間が確保されるので、図2の下方に示したグラフG1のようにはならず、立ち上がり直後にも参照パルス信号をカウントできる時間的余裕(時間差を抽出する論理ゲートの動作時間)が確保される。
第1遅延回路22aについて補足する。図5に示されるように、第1遅延回路22aは、第1インバータINV1の複数個が直列に接続されたインバータチェーンで構成されている。例えば、インバータチェーンは、50段の第1インバータINV1を有する。第1遅延回路22aは、電源電圧として第1電圧V1が駆動電圧として入力されるように構成されている。第1遅延回路22aは、入力される基準パルス信号P0を遅延させた第1遅延パルス信号P1を出力する。基準パルス信号P0と第1遅延パルス信号P1の間の遅延時間tw1は、第1電圧V1の大きさに依存する。第2遅延回路22bは、第1遅延回路22aと同じ構成、同じ特性を有している。
参照クロック回路30について補足する。参照クロック信号CLK_rfは、例えばデューティー比が50%の矩形波である。図6に示されるように、参照クロック回路30は、第2インバータINV2の複数個がリング状に接続されたリングオシレータで構成されている。参照クロック回路30は、電圧VDDが電源電圧として入力されるように構成されている。
インバータチェーンの第1インバータINV1とリングオシレータの第2インバータINV2の一例を説明する。第1インバータINV1と第2インバータINV2は、いずれも、CMOSインバータで構成される。図7に、一例のCMOSインバータの回路図を示す。CMOSインバータは、正電源ラインと負電源ラインの間に直列に接続された第1トランジスタTr1と第2トランジスタTr2を備える。第1トランジスタTr1は、p型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、ソースが正電源ラインに接続されており、ドレインが第2トランジスタTr2のドレインに接続されている。第2トランジスタTr2は、n型のMOSFETであり、ドレインが第1トランジスタTr1のドレインに接続されており、ソースが負電源ラインに接続されている。第1トランジスタTr1と第2トランジスタTr2の接続点が、次段のCMOSインバータを構成するトランジスタのゲートに接続されている。遅延回路22aのインバータチェーンでは、正電源ラインに第1電圧V1が入力されるように構成されている。参照クロック回路30のリングオシレータでは、正電源ラインに電圧VDDが入力されるように構成されている。第2遅延回路22bのインバータチェーンでは、正電源ラインに第2電圧V2が入力されるように構成されている。
オフセット遅延回路21は、図6に示した第1遅延回路22aと同じ構成でよい。ただし、電源電圧として、共通電源9の電圧VDDが供給される。共通電源9の出力(電圧VDD)は、センサ素子10に加わる圧力の変化に依存せずに一定である。ただし、第1遅延回路22aなどのCMOSは、温度に対して応答速度が変わる可能性がある。CMOSの応答速度が変化すると、各遅延パルス信号やクロック信号の速度(周期)が変わってしまい、圧力の計測精度が劣化してしまうおそれがある。そこで、第1/第2遅延回路22a/22b、オフセット遅延回路21、基準パルス回路20、参照クロック回路30は、同じ温度依存特性を有していることが好ましい。温度依存特性が同一でないまでも、第1/第2遅延回路22a/22bは、温度依存特性の傾向が同じであることが好ましい。ここで、温度依存特性の傾向とは、温度が上昇したときに回路出力(遅延時間やパルス周期など)が延びる正の相関を有しているか、あるいは、回路出力が短くなる負の相関を有しているか、ということである。
具体的には、第1遅延回路22aが、温度上昇に対して遅延時間が延びる正の相関を有している場合、第2遅延回路22bとオフセット遅延回路21も、温度上昇に対して遅延時間が延びる正の相関を有しているとよい。この場合、さらに、基準パルス回路20、参照クロック回路30は、温度上昇に対してパルス周期(クロック周期)が延びる正の相関を有しているとよい。反対に、第1遅延回路22aが、温度上昇に対して遅延時間が短くなる負の相関を有している場合、第2遅延回路22bとオフセット遅延回路21も、温度上昇に対して遅延時間が短くなる負の相関を有しているとよい。この場合、さらに、基準パルス回路20、参照クロック回路30は、温度上昇に対してパルス周期(クロック周期)が短くなる負の相関を有しているとよい。
特に、比較的に長い遅延時間を有するオフセット遅延回路21と、時間差パルス信号のパルス幅をカウントする参照パルス信号を出力する参照クロック回路30は、温度依存特性の傾向が一致していることが望ましい。別言すれば、オフセット遅延回路21と参照クロック回路30は、温度変化に対する相関特性の傾向が同じであることが好ましい。
図9を用いて、オフセット遅延回路21と参照クロック回路30の温度依存特性の傾向が一致していることの利点を説明する。図9(A)は、低温時の各遅延パルス信号と参照クロック信号のタイムチャートである。図9(B)は、高温時の各遅延パルス信号と参照クロック信号のタイムチャートである。図9(A)、(B)のいずれも、基準パルス信号P0、第1遅延パルス信号P1、第2遅延パルス信号P2、及び、参照クロック信号CLK_rfを示すとともに、第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の時間差の間に参照クロック信号CLK_rfが何クロック含まれるかを示してある。第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の時間差の間に含まれる参照クロック信号CLK_rfのクロック数は、デジタルセンサ2の出力Doutに相当する。
ここでは、オフセット遅延回路21のインバータチェーンを構成するCMOSと参照クロック回路30のインバータチェーンを構成するCMOSが、いずれも温度上昇に対して応答速度が長くなる正の相関を有している場合を想定する。従って、オフセット遅延回路21は、周囲の温度上昇に伴ってオフセット遅延時間twoffが長くなる。参照クロック回路30は、周囲の温度上昇に伴って、クロック周期が長くなる。理解を助けるために、図9(B)では、図9(A)の場合と比較して、オフセット遅延時間twoffは2倍となっており、参照クロック信号CLK_rfの周期tc1も2倍になっている。なお、この例では、第1/第2遅延回路22a/22bの遅延時間については、図9(A)、(B)で同じであると仮定した。
図9(A)の場合、即ち、周囲温度が低温の場合、最終的なデジタル出力値であるDoutは5クロックである。図9(B)の場合、即ち、周囲温度が高温の場合、最終的なデジタル出力値であるDoutは4クロックとなる。応答速度が2倍に変化しているにも関わらず、出力Doutの変化は1クロックにすぎない。オフセット遅延回路21と参照クロック回路30が、温度変化に対する出力変化の相関特性が同じ傾向を有していると、周囲温度の変化に対する計測精度の劣化を抑えることができる。なお、図9の例において、第1/第2遅延回路22a/22bの温度依存特性も正の相関を有していると仮定すると、低温時の出力Doutと高温時の出力Doutは一致することが予想される。
これまでの説明では、第1遅延回路22aの遅延時間tw1が、第2遅延回路22bと直列に接続されているオフセット遅延回路21の遅延時間twoffよりも短いことを前提とした。遅延時間tw1が遅延時間twoffよりも長い場合には、オフセット遅延時間twoffに所定の条件が課せられる。図10に、第1遅延回路22aの遅延時間tw1がオフセット遅延回路21の遅延時間twoffよりも長い場合のタイムチャートを示す。図10の2段目(第1遅延パルス信号P1)と3段目(オフセット遅延パルス信号Poff)を比較すると明らかな通り、第1遅延時間tw1>オフセット遅延時間twoffである。この場合、オフセット遅延時間twoffを考慮した、第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の時間差tw21は、図10の5段目に描いたとおり、tw21=tw2+twoff−tw1となる。この時間差tw21が最小となるのは、第2遅延時間tw2が最小であり、かつ、第1遅延時間tw1が最大のときである。時間差tw21の最小値をtw21_minで表し、第2遅延時間tw2の最小値をtw2_minで表し、第1遅延時間tw1の最大値をtw1_maxで表すと、tw21_min=tw2_min+teoff−tw1_maxとなる。この時間差tw21_minが、計測精度の劣化を抑制するための時間差最小値tw_thより大きいことが、第1遅延時間tw1と第2遅延時間tw2の差に関わらずに、圧力の計測精度の劣化を抑制できる条件となる。図10の下に、この条件式を記した。
上記の通り、オフセット遅延時間twoffは、特定の値(tw_th)よりも大きいことが望ましい。一方、第1遅延回路22aの遅延時間tw1と第2遅延回路22bの遅延時間tw2の夫々が大きい場合にさらにオフセット遅延時間twoffが大きいと、時間差tw21が大きくなってしまう。デジタルセンサ2が扱う時間差tw21の範囲が大きいと、各回路が対応すべき動作範囲が広くなってしまう。そこで、遅延時間tw1、tw2の範囲に応じてオフセット遅延時間twoffが調整可能であることが望ましい。
図11に、オフセット遅延時間twoffが調整可能なオフセット遅延回路21aの一例を示す。オフセット遅延回路21aは、N個のインバータ6の直列接続に対して、インバータ6とNAND演算器7がM組直列に接続された構造を有している。NAND演算器7は、2個の入力がともにHIGHレベルのときに出力がLOWレベルとなり、それ以外は出力がHIGHレベルとなる演算器である。各NAND演算器7の一方の入力端には、対をなしているインバータ6の出力が入力され、他方の入力端には、制御信号S1、S2・・・Smが入力される。各NAND演算器7の出力と、M個の組の直前のインバータ6aの出力は、OR演算器8(論理和演算器)に入力される。
オフセット遅延回路21aは、全ての制御信号S1−SmをLOWレベルに設定すると、その出力(OR演算器8の出力)は、N個のインバータ6に対応した遅延時間を伴う遅延パルス信号となる。全ての制御信号S1−SmをHIGHレベルに設定すると、オフセット遅延回路21aの出力は、(N+M)個のインバータ6に対応した遅延時間を伴う遅延パルス信号となる。制御信号S1−Smのうち、HIGHレベルに設定する信号線の数を調整することで、オフセット遅延回路21aは、出力する遅延パルス信号の遅延時間を調整することができる。
(第2実施例)次に、第2実施例のデジタルセンサ2aを説明する。図12にデジタルセンサ2aのブロック図を示す。なお、デジタルセンサ2aは、第1実施例のデジタルセンサ2と同じセンサ素子10を備えるので、図12ではセンサ素子10の図示は省略した。デジタルセンサ2aは、時間差パルス回路50の構成が第1実施例のデジタルセンサ2の時間差パルス回路24と異なる。図12では、図1と同じ部品には同じ符号を付してある。
第1実施例のデジタルセンサ2では、時間差パルス回路24は、単純な排他的論理和演算器であった。第1実施例のデジタルセンサ2では、時間差パルス回路24(排他的論理和演算器)によって、第1/第2遅延パルス信号P1/P2の時間差に等しい長さのパルス幅を有する時間差パルス信号P3を得た。第2実施例のデジタルセンサ2aでは、時間差パルス回路50によって、第1/第2遅延パルス信号P1/P2の時間差のk倍(kは1より大きい実数)の長さのパルス幅を有する時間差パルス信号を得る。
時間差パルス回路50は、第1クロック回路51、第2クロック回路52、第1クロックカウント回路56、時間伸張パルス回路53を備えている。第1クロック回路51は、第1クロック信号CLK1を出力する。第2クロック回路52は、第1クロック信号CLK1を受け、これを分周して第1クロック信号CLK1よりも低速の第2クロック信号CLK2を出力する。なお、「低速」とは、クロック周期が長いことを意味する。
第1クロックカウント回路56は、基準パルス信号P0を第1遅延回路22aで遅延させた第1遅延パルス信号P1と、基準パルス信号P0をオフセット遅延回路21及び第2遅延回路22bで遅延させた第2遅延パルス信号P2の時間差の間に第1クロック信号CLK1をカウントする。第1クロックカウント回路56は、カウントされた第1クロックカウント数を出力する。第1クロックカウント回路56は、排他的論理和演算器54と、カウンタ55を備えている。排他的論理和演算器54が、第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の時間差に相当するパルス幅を有する中間パルス信号P3を出力する。なお、この中間パルス信号P3は、第1実施例における時間差パルス信号P3に相当する。カウンタ55が、第1クロック信号CLK1を受け、第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の時間差の間の第1クロック信号CLK1をカウントする。今、カウンタ55が係数した第1クロックカウント数を記号N1で表す。
時間伸張パルス回路53には、第1クロックカウント数N1と、第2クロック信号CLK2が入力される。時間伸張パルス回路53は、第1クロックカウント数N1と同数のクロック分の第2クロック信号CLK2と等しいパルス幅を有する時間差パルス信号P4を出力する。デジタル出力回路33は、時間差パルス信号P4のパルス幅の間に参照クロック信号CLK_rfをカウントし、カウントされた参照クロックカウント数Doutを出力する。デジタルセンサ2aの出力Doutが、センサ素子10が受けた圧力の大きさを示す。
例えば、第2クロック信号CLK2が、第1クロック信号CLK1を四分周したクロック信号であると仮定する。すなわち、第2クロック信号CLK2は、第1クロック信号CLK1に対して周期が4倍となる。この場合、時間差パルス信号P4のパルス幅は、中間パルス信号P3のパルス幅の4倍となる。
伸張された時間差パルス信号P4のパルス幅は、常に、第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の時間差の4倍となる。伸張された時間差パルス信号P4のパルス幅を、参照クロック信号CLK_rfでカウントする。カウントされた値が、デジタルセンサ2aの出力Doutに相当する。
第2実施例のデジタルセンサ2aでは、第1遅延パルス信号P1と第2遅延パルス信号P2の時間差をk倍に伸張し、伸張された時間差を参照クロック信号CLK_rfでカウントする。それゆえ、参照クロック信号CLK_rfの速度を落としても、センサの高い計測精度を維持できる。あるいは、参照クロック信号CLK_rfの速度を高いまま維持すれば、第1/第2遅延パルス信号P1/P2の時間差を伸張することによって、計測精度(分解能)をより高めることができる。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。実施例のデジタルセンサ2、2aは、圧力を計測するセンサであった。センサ素子は、圧力以外の物理量に対して出力電圧(第1電圧V1と第2電圧V2)が変化するものであってもよい。例えば、センサ素子10の抵抗11−14として、サーミスタを用いれば、温度を計測するデジタルセンサを実現することができる。
第1実施例のセンサ素子10は、フルブリッジ回路の4個の抵抗素子11、12、13、14が、無負荷のときに同じ抵抗値を示すので、入力電圧は、基準電圧Vcの2倍となるように調整される。正側出力端子A3(負側出力端子A4)の電圧は、入力電圧と、抵抗11及び抵抗12(抵抗14及び抵抗13)の抵抗比で定まる。センサ素子10への入力電圧は、第1ZTCポイントに設定された基準電圧Vcと、フルブリッジ回路の抵抗11(抵抗14)及び抵抗12(抵抗13)の抵抗比に応じて定められる。
実施例のデジタルセンサのセンサ素子は、4個の抵抗を使ったフルブリッジ回路を使って第1電圧(Vc+dVc)と第2電圧(Vc−dVc)を出力する構成を実現している。センサ素子は、基準電圧Vcに対して計測対象の物理量の変化に応じて変化する電圧変化分dVcを伴う第1電圧Vc+dVcと第2電圧Vc−dVcを出力する回路であれば、必ずしもフルブリッジ回路でなくてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2、2a:デジタルセンサ
6、6a:インバータ
7:NAND演算器
8:OR演算器
9:共通電源
10:センサ素子
11−14:抵抗
15:可変抵抗
18、19:ボルテージフォロワ
20:基準パルス回路
21、21a:オフセット遅延回路
22a:第1遅延回路
22b:第2遅延回路
24:時間差パルス回路
30:参照クロック回路
33:デジタル出力回路
50:時間差パルス回路
51:第1クロック回路
52:第2クロック回路
53:時間伸張パルス回路
54:排他的論理和演算器
55:カウンタ
56:第1クロックカウント回路

Claims (5)

  1. 計測対象の物理量に対応する電圧値をデジタル値に変換して出力するデジタルセンサであり、
    基準電圧Vcに対して前記物理量の変化に応じて変化する電圧変化分dVcを伴う第1電圧Vc+dVcと第2電圧Vc−dVcを出力するセンサ素子と、
    基準パルス信号を出力する基準パルス回路と、
    参照クロック信号を出力する参照クロック回路と、
    電源電圧の変化に応じて遅延時間が変化する遅延回路であって前記第1電圧が電源電圧として供給される第1遅延回路と、
    電源電圧の変化に応じて遅延時間が変化する遅延回路であって前記第2電圧が電源電圧として供給される第2遅延回路と、
    一定の電源電圧が供給されるオフセット遅延回路と、
    前記基準パルス信号を前記第1遅延回路で遅延させた第1遅延パルス信号と、前記基準パルス信号を前記第2遅延回路及び前記オフセット遅延回路で遅延させた第2遅延パルス信号の時間差に対応したパルス幅を有する時間差パルス信号を出力する時間差パルス回路と、
    前記時間差パルス信号の前記パルス幅の間に前記参照クロック信号をカウントし、カウントされた参照クロックカウント数を出力するデジタル出力回路と、
    を備えている、デジタルセンサ。
  2. 前記オフセット遅延回路は遅延時間が調整可能である、請求項1に記載のデジタルセンサ。
  3. 前記オフセット遅延回路と前記参照クロック回路は、温度変化に対する出力変化の相関特性の傾向が同じである、請求項1又は2に記載のデジタルセンサ。
  4. 前記時間差パルス回路は、前記時間差のk倍(kは1より大きい実数)の長さのパルス幅を有する前記時間差パルス信号を出力する、請求項1から3のいずれかに記載のデジタルセンサ。
  5. 前記時間差パルス回路は、
    第1クロック信号を出力する第1クロック回路と、
    前記第1クロック信号よりも低速の第2クロック信号を出力する第2クロック回路と、
    前記基準パルス信号を前記第1遅延回路で遅延させた第1遅延パルス信号と、前記基準パルス信号を前記第2遅延回路及び前記オフセット遅延回路で遅延させた第2遅延パルス信号の時間差の間に前記第1クロック信号をカウントし、カウントされた第1クロックカウント数を出力する第1クロックカウント回路と、
    前記第1クロックカウント数と同数のクロック分の前記第2クロック信号と等しいパルス幅を有する前記時間差パルス信号を出力する時間伸張パルス回路と、
    を備えている、請求項4に記載のデジタルセンサ。
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