JPH1144585A - センサ装置 - Google Patents

センサ装置

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JPH1144585A
JPH1144585A JP9283644A JP28364497A JPH1144585A JP H1144585 A JPH1144585 A JP H1144585A JP 9283644 A JP9283644 A JP 9283644A JP 28364497 A JP28364497 A JP 28364497A JP H1144585 A JPH1144585 A JP H1144585A
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JP
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signal
circuit
temperature
voltage
detection
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JP9283644A
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English (en)
Inventor
Toshio Ikuta
敏雄 生田
Noboru Endo
昇 遠藤
Takamoto Watanabe
高元 渡辺
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物理量の検出値の高精度化並びに物理量検出
値の算出のために必要な時間の大幅な短縮を実現するこ
と。 【解決手段】 圧力検出用ブリッジ回路3からの検出信
号Sd、温度検出用ブリッジ回路4からの温度信号S
t、基準電圧発生回路5からの基準信号Saは、マルチ
プレクサ6及び差動増幅回路8を通じてA/D変換回路
9に変換対象の電圧信号として与えられる。A/D変換
回路9は、リングゲート遅延回路10を利用してデジタ
ル変換したデータを、補正演算回路14に対し圧力検出
値の演算用データとして提供する。EPROM17、1
8、19には、上記信号Sd、St、Saの同一条件下
における各オフセット量に応じた補正電圧データVd、
Vt、Vaがそれぞれ記憶されており、A/D変換回路
9に与えられる電圧信号は、これらの補正電圧データV
d、Vt及びVaに相当した値だけ補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサ回路からの
アナログ量の検出信号をA/D変換回路によりデジタル
データに変換した後に信号処理することによって物理量
を検出するようにしたセンサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば半導体圧力センサ装置にお
いては、半導体圧力センサより成るセンサ回路から出力
された検出信号(電圧信号)をA/D変換回路によって
デジタルデータに変換し、この変換後のデータをマイク
ロコンピュータにより演算処理することによって、セン
サ回路による検出圧力に応じた検出値を得る構成とする
ことが一般的になっている。このようなデータ処理を行
う場合には、センサ回路の温度に応じたレベルの温度信
号(電圧信号)を発生する温度検出回路を設け、マイク
ロコンピュータによる圧力検出値の演算処理時において
は、上記温度信号をA/D変換回路によりデジタルデー
タに変換し、この変換データ基づいて上記圧力検出値を
温度補正する構成としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来では、A/D変換
回路として、変換対象の電圧信号をアナログコンパレー
タを用いて基準電圧と比較することにより数値化する形
式のものが用いられている。しかしながら、このような
形式のA/D変換回路では、電圧信号の微小な変化の数
値化や、変換速度の大幅な向上が困難であるため、最終
的に得られる圧力検出値の精度が低くなると共に、圧力
検出値の算出に要する時間が長くなるなどの問題点があ
った。
【0004】上記のような問題点を解決するために、例
えば、特開平5−259907号公報に示されるような
A/D変換回路を利用することが考えられている。この
A/D変換回路は、反転回路の反転動作時間が電源電圧
に応じて変化するという性質を利用したもので、複数個
の反転回路をリング状に連結して成るリングゲート遅延
回路を設け、変換対象の電圧信号を上記リングゲート遅
延回路に電源電圧として与えた状態で当該リングゲート
遅延回路にパルス信号を入力したときのパルス信号周回
数に基づいて電圧信号を二進数のデジタルデータに変換
する構成となっており、このものでは、分解能及び変換
速度の大幅な向上を実現できるという利点がある。
【0005】ところが、上記のようなA/D変換回路に
よる変換データを用いて圧力情報の演算処理を行う場合
には、その演算式中に、反転回路の反転動作時間の温度
特性などに起因した非線形項が含まれることになるた
め、この非線形項が、マイクロコンピュータでの演算処
理により得られる圧力検出値の精度劣化の要因となると
いう事情がある。このような事情に対処するためには、
センサ回路に作用する圧力及び温度と無関係に一定の電
圧レベルとなる基準信号を発生する基準電圧発生回路を
設け、マイクロコンピュータによる圧力検出値の演算処
理時には、上記基準信号をA/D変換回路により変換し
たデジタルデータに基づいて前記非線形項を除去する構
成とすることができる。
【0006】しかしながら、このような構成とした場合
でも、実際には、センサ回路、温度検出回路及び基準電
圧発生回路における電気的特性のばらつきに起因したオ
フセットが存在するため、非線形項を確実に除去できな
いという事情がある。このため、マイクロコンピュータ
による演算処理結果中に非線形成分による誤差が生ずる
ことになって、圧力検出値の精度を十分に高めることが
できないという問題点が残るものであった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、物理量の検出値の高精度化並びに物
理量検出値の算出のために必要な時間の大幅な短縮を実
現できるようになるセンサ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の手段を採用することができる。この手
段によれば、センサ回路からの検出信号、温度検出回路
からの温度信号、基準電圧発生回路からの基準信号を、
A/D変換回路内のリングゲート遅延回路に電源電圧と
して与えると、当該A/D変換回路は、このように電源
電圧が与えられた各状態でリングゲート遅延回路にパル
ス信号が入力されたときのパルス信号周回数に基づいて
上記検出信号、温度信号及び基準信号を二進数のデジタ
ルデータに変換するようになる。信号処理手段は、A/
D変換回路からのデジタルデータに基づいた演算処理に
より、前記検出信号に応じた物理量の検出値を前記温度
信号及び基準信号により補正した状態で算出するように
なる。
【0009】この場合、リングゲート遅延回路を利用し
たA/D変換回路にあっては、変換速度の大幅な向上を
実現できるという利点があるため、物理量検出値の算出
のために必要な時間の大幅な短縮を実現できるようにな
る。この一方で、上記のようなA/D変換回路の変換デ
ータを用いて物理量検出値の演算処理を行う場合には、
その演算式中に、リングゲート遅延回路を構成する反転
回路の反転動作時間の温度特性などに起因した非線形項
が含まれることになるが、その非線形項は、センサ回路
に作用する物理量及び温度と無関係に一定の電圧レベル
となる基準信号を利用して除去することが可能になる。
【0010】また、実際には、センサ回路、温度検出回
路及び基準電圧発生回路における電気的特性のばらつき
によるオフセットの存在に起因して、上記演算処理時に
おいて非線形項を確実に除去できなくなる虞があるが、
同一条件下での前記検出信号、温度信号及び基準信号の
オフセット量に応じた補正電圧データをそれぞれ記憶し
て成る記憶手段を有した動作点補償手段が、前記A/D
変換回路内のリングゲート遅延回路に対し前記検出信
号、温度信号及び基準信号が電源電圧として与えられる
際に、各印加電圧を上記記憶手段に記憶された補正電圧
データ相当値だけ補正するようになる。
【0011】このため、A/D変換回路による変換デー
タ中に、上記オフセットに起因した誤差要因が含まれる
ことがなくなり、当該変換データを用いた物理量検出値
の演算処理時において、上述した非線形項を確実に除去
できるようになる。この結果、信号処理手段による演算
処理結果中に非線形成分による誤差が生ずる虞がなくな
って、物理量検出値の精度を十分に高める得るようにな
る。
【0012】請求項2記載の手段によれば、A/D変換
回路には、検出信号、温度信号及び基準信号が増幅手段
により増幅された状態で与えられるから、検出感度が向
上するようになる。
【0013】請求項3記載の手段のように、A/D変換
回路による変換対象の信号を増幅するための増幅手段の
増幅率を、前記検出信号、温度信号及び基準信号を増幅
したときの電圧出力の非直線誤差が0.1%以下となる
値に設定した場合には、A/D変換回路内のリングゲー
ト遅延回路におけるパルス信号の周回数の誤差を小さく
できて、検出精度の向上を実現できることになる。
【0014】請求項4記載の手段のように、A/D変換
回路による変換対象の信号を増幅するための増幅手段の
増幅率を、前記検出信号、温度信号及び基準信号を増幅
したときの各出力電圧レベルの最大値及び最小値の差が
150mV以下となるような値に設定したした場合に
は、その増幅電圧出力の非直線誤差が0.1%以下に収
まるようになる。このため、A/D変換回路内のリング
ゲート遅延回路におけるパルス信号の周回数の誤差を小
さくできて、検出精度の向上を実現できることになる。
【0015】請求項5記載の手段によれば、アナログマ
ルチプレクサが設けられた結果、A/D変換回路を複数
設ける必要がなくなると共に、当該A/D変換回路に与
えられる変換対象の信号が増幅手段により増幅されるこ
とになるから、検出感度の向上を実現できるようにな
る。また、増幅手段がアナログマルチプレクサの後段に
位置する構成であるから、当該増幅手段を複数設ける必
要もなくなる。
【0016】請求項6記載の手段のように、前記A/D
変換回路のサンプリング周期が50μ秒以上に設定され
た場合には、そのA/D変換回路の分解能を12ビット
以上に高めることができて、変換精度の向上を実現でき
るようになる。また、A/D変換回路内のリングゲート
遅延回路に与えられる電源電圧にノイズが重畳した場合
でも、上記のようにサンプリング周期が50μ秒以上あ
る状態では、積分効果によりノイズが低減されることに
なり、結果的にノイズによる悪影響を排除できて検出精
度の向上を促進できるようになる。
【0017】請求項7記載の手段によれば、前記補正電
圧データを記憶手段に対して量子化した状態で記憶して
おけば良いから、その補正電圧データの記憶のための作
業を簡単且つ確実に行い得るようになる。
【0018】請求項9記載の手段によれば、センサ回路
及び温度検出回路が同一の半導体チップ上に形成される
構成であるから、センサ回路の実際の温度を温度検出回
路によって精度良く検出できるようになる。従って、信
号処理手段による物理量検出値の演算処理時において、
その物理量検出値の温度補正を正確に行い得るようにな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を半導体式の圧力セ
ンサ装置に適用した一実施例について図面を参照しなが
ら説明する。全体の電気的構成を示す図1において、本
実施例によるセンサ装置は、圧力検出用のセンサ部1
と、このセンサ部1からの出力を処理するための信号処
理部2とを備えた構成となっており、これらセンサ部1
及び信号処理部2は、異なる半導体チップ上に分離した
状態で形成されている。
【0020】センサ部1は、ピエゾ抵抗係数が大きな半
導体チップ(例えばシリコン単結晶基板)を利用して形
成されたもので、圧力検出用ブリッジ回路3(本発明で
いうセンサ回路に相当)と、この圧力検出用ブリッジ回
路3の温度を検出するための温度検出用ブリッジ回路4
(本発明でいう温度検出回路に相当)とにより構成され
ている。
【0021】これらのうち、圧力検出用ブリッジ回路3
は、半導体チップに設けたダイヤフラム上に拡散抵抗に
より形成した抵抗素子Rd1、Rd2、Rd3、Rd4を図示の
ようにフルブリッジ接続して成るもので、印加圧力の増
大に応じて各抵抗素子Rd1、Rd2、Rd3、Rd4の抵抗値
が図1に矢印で示す態様(上向きの矢印は抵抗値が増加
することを示し、下向きの矢印は抵抗値が減少すること
を示す)で変化する構成となっている。また、圧力検出
用ブリッジ回路3の入力端子P1及びP2間には、定電
圧電源端子+Vccから一定電圧が印加されるようになっ
ている。
【0022】従って、圧力検出用ブリッジ回路3の一方
の出力端子Q1(抵抗素子Rd1及びRd2の共通接続点)
の電位は印加圧力の増大に応じて上昇し、また、他方の
出力端子Q2(抵抗素子Rd3及びRd4の共通接続点)の
電位は印加圧力の増大に応じて低下するものであり、出
力端子Q1及びQ2間からは、印加圧力に応じた電圧レ
ベルの検出信号Sdが出力されることになる。尚、上記
検出信号Sdは、圧力検出用ブリッジ回路3の温度にも
依存して変動するものであり、斯様な温度ドリフト除去
用のデータを得るために前記温度検出用ブリッジ回路4
が設けられている。
【0023】この温度検出用ブリッジ回路4は、拡散抵
抗(温度係数は1500〜1700ppm/℃程度)により
形成された感温抵抗素子Rt1、Rt2と、温度係数が零に
近い材料である例えばCrSiにより形成された抵抗素
子Rc1、Rc2とを図示のようにフルブリッジ接続するこ
とにより構成されている。また、温度検出用ブリッジ回
路4の入力端子P3及びP4間にも、定電圧電源端子+
Vccから一定電圧が印加されるようになっている。
【0024】従って、温度検出用ブリッジ回路4の一方
の出力端子Q3(感温抵抗素子Rt1及び抵抗素子Rc1の
共通接続点)の電位は検出温度の上昇に応じて上昇し、
また、他方の出力端子Q4(感温抵抗素子Rt2及び抵抗
素子Rc2の共通接続点)の電位は検出温度の低下に応じ
て低下するものであり、出力端子Q3及びQ4間から
は、圧力検出用ブリッジ回路3の温度に応じた電圧レベ
ルの温度信号Stが出力されることになる。
【0025】一方、前記信号処理部2は、半導体チップ
上に以下に述べるような各回路要素を形成した構成とな
っている。基準電圧発生回路5は、拡散抵抗により形成
した抵抗素子Ra1及びRa2を備えたもので、それら抵抗
素子Ra1及びRa2の直列回路を定電圧電源端子+Vcc及
びグランド端子間に接続した構成となっている。この場
合、抵抗素子Ra1及びRa2の温度係数は厳密に一致する
ものであり、従って、基準電圧発生回路5の出力端子Q
5(抵抗素子Ra1及びRa2の共通接続点)からは、前記
圧力検出用ブリッジ回路3に作用する圧力(被検出物理
量)及び当該ブリッジ回路3の温度と無関係に一定の電
圧レベルとなる基準信号Saが出力されることになる。
尚、この基準電圧発生回路5は、前記センサ部1側の半
導体チップ上に形成することも可能である。
【0026】アナログマルチプレクサ6は、上記圧力検
出用ブリッジ回路3からの検出信号Sd、温度検出用ブ
リッジ回路4からの温度信号St、基準電圧発生回路5
からの基準信号Saを、後述する制御ブロック7から与
えられるセレクト信号に基づいて選択出力するためのも
のである。
【0027】高入力インピーダンス差動増幅回路8(本
発明でいう増幅手段に相当)は、オペアンプ8a、8b
及び抵抗8c、8d、8eを組み合わせて成る周知構成
のもので、前記アナログマルチプレクサ6から出力され
る信号を増幅してA/D変換回路9に与えるようになっ
ている。尚、差動増幅回路8の電源は、前記定電圧電源
端子+Vccから与えられるようになっている。
【0028】上記A/D変換回路9は、基本的には特開
平5−259907号公報に記載されたA/D変換回路
と同様構成のものであり、詳細には図示しないが、反転
動作時間が電源電圧に応じて変化するNANDゲート1
0a(本発明でいう反転回路に相当)と、同じく反転動
作時間が電源電圧に応じて変化する偶数個のインバータ
10b(同じく本発明でいう反転回路に相当)とをリン
グ状に連結して成るリングゲート遅延回路10(以下の
説明では、リングゲート遅延回路をRGD(Ring Gate
Delay )と略称する)、このRGD10内でのパルス信
号の周回数をカウントするための周回数カウンタ11、
この周回数カウンタ11の計数値を上位ビットとし、且
つRGD10内の各インバータ10bの出力を下位ビッ
トとして格納するためのスタックメモリ12などを含ん
で構成されている。
【0029】このような構成のA/D変換回路9による
変換原理の大略は以下の通りである。即ち、RGD10
内のNANDゲート10aに対し、図2に示すようなパ
ルス信号PAを与えると、NANDゲート10a及び各
インバータ10bがその電源電圧に応じた速度で逐次的
に反転動作を開始して、そのパルス信号PAの入力期間
中は信号周回動作が継続して行われるものであり、斯様
なパルス信号周回数を示す二進数のデジタルデータが、
スタックメモリ12に対しリアルタイムで与えられるこ
とになる。この後、図2に示すように、一定のサンプリ
ング周期Δt(例えば〜100μ秒)を得るためのパル
ス信号PBの立上がり毎にスタックメモリ12をラッチ
すれば、そのスタックメモリ12内の各ラッチデータの
差に基づいて、インバータ10bに与えられている電源
電圧を二進数のデジタルデータに変換した値が得られる
ようになる。
【0030】この場合、RGD10内のNANDゲート
10a及びインバータ10bには、前記差動増幅回路8
から電源電圧が与えられる構成となっている。従って、
A/D変換回路9にあっては、差動増幅回路8からの出
力信号、つまり、アナログマルチプレクサ6を通じて選
択出力される検出信号Sd、温度信号St及び基準信号
Saをデジタルデータに変換することになる。
【0031】尚、以下においては、A/D変換回路9に
よる変換データのうち、検出信号Sdに対応したデジタ
ルデータを圧力情報D、温度信号Stに対応したデジタ
ルデータを温度情報T、基準信号Saに対応したデジタ
ルデータを基準情報Aと呼ぶことにする。
【0032】ここで、圧力情報Dと圧力検出用ブリッジ
回路3に対する印加圧力Pとの間には次式のような関
係がある。 D={(ct+d)×P+et+f}×β(t) …… 但し、t:圧力検出用ブリッジ回路3の温度 c:圧力検出用ブリッジ回路3の感度の温度係数 d:圧力検出用ブリッジ回路3の室温感度 e:圧力検出値のオフセットの温度係数 f:圧力検出値の室温オフセット値 また、β(t)は、差動増幅回路8の温度特性やRGD
10の遅延時間の温度特性などに依存した非線形項であ
り、これが圧力検出値の精度劣化の要因となるものであ
る。
【0033】上記式からPの解を得るためには、tが
必要であり、また、非線形の係数であるβ(t)を除去
する必要がある。このため、温度検出用ブリッジ回路4
を通じて温度情報Tを得ると共に、基準電圧発生回路5
を通じて基準情報Aを得るようにしている。
【0034】この場合、温度情報Tと圧力検出用ブリッ
ジ回路3の温度tとの間には次式のような関係が存在
するものである。 T=(at+b)×β(t) …… 但し、a:温度検出値の温度係数 b:温度検出値の室温オフセット値
【0035】また、基準情報Aは、圧力検出用ブリッジ
回路3に作用する圧力及び温度と無関係に一定の電圧レ
ベルとなる基準信号Saを、差動増幅回路8により増幅
し且つA/D変換回路9によりデジタル変換したデータ
であるから、次式が成立することになる。 A=β(t) ……
【0036】上記、、の式を用いてPについて解
くと、非線形項β(t)が削除された状態の次式が得
られる。
【0037】 P={(T/A−b)×(−e/a)+D/A−f} /{(T/A−b)×c/a+d} ……
【0038】しかして、EPROM13には、式に基
づいた圧力Pの演算に必要な係数a、b、c、d、e、
fが補正係数として予め記憶されている。
【0039】補正演算回路14(本発明でいう信号処理
手段に相当)は、上記式を利用した圧力Pの演算を、
制御ブロック7からの指令を受けて行うものであり、そ
の演算時には、スタックメモリ12から読み出した圧力
情報D、温度情報T及び基準情報A、並びにEPROM
13から読み出した補正係数(a、b、c、d、e、
f)を使用する構成となっている。そして、補正演算回
路14による演算結果は、センサ部1による検出圧力を
示す圧力データとしてI/Oブロック15から出力され
る。
【0040】上記式の演算において重要なことは、非
線形項β(t)が消去されている点であるが、このよう
な非線形項β(t)の消去は、前記〜式中の各非線
形項β(t)が同じであるという条件が成立して初めて
可能になるものである。このような消去条件が成立する
ためには、圧力情報D、温度情報T及び基準情報Aの動
作点を同じ状態にする必要がある。
【0041】しかしながら、実際の回路構成上において
は、圧力情報D、温度情報T及び基準情報Aの発生源で
ある圧力検出用ブリッジ回路3、温度検出用ブリッジ回
路4及び基準電圧発生回路5内における抵抗値のばらつ
きなどに起因したオフセットが避けられないため、それ
ら圧力情報D、温度情報T及び基準情報Aが、要求され
る設計値と異なってくるという事情がある。このため、
上記のような非線形項β(t)の消去条件が成立しなく
なる場合があり、このような場合には、式の演算で得
られる圧力データ中に非線形成分による誤差が残ること
になって、圧力検出精度が劣化するという問題点が出て
くる。
【0042】このような問題点を解決するために、本実
施例では、信号処理部2内に補正回路16(本発明でい
う動作点補償手段に相当)を設ける構成としている。こ
の補正回路16において、EPROM17、18及び1
9(本発明でいう記憶手段に相当)には、圧力センサ装
置の製造工程上における調整段階で以下に述べるような
補正用の電圧データが記憶されるようになっている。
【0043】即ち、EPROM17には、圧力検出用ブ
リッジ回路3に対して標準的な圧力を加えたときに出力
される検出信号Sdを差動増幅回路8により増幅した後
の電圧レベルと、予め設定された圧力検出用標準電圧レ
ベルとの差に対応した補正電圧データVdが量子化され
た状態で記憶されている。また、EPROM18には、
温度検出用ブリッジ回路4に対して標準的な温度を加え
たときに出力される温度信号Stを差動増幅回路8によ
り増幅した後の電圧レベルと、予め設定された温度検出
用標準電圧レベルとの差に対応した補正電圧データVt
が量子化された状態で記憶されている。さらに、EPR
OM19には、基準電圧発生回路から出力される基準信
号Saを差動増幅回路8により増幅した後の電圧レベル
と、予め設定された標準的な基準電圧レベルとの差に対
応した補正電圧データVaが量子化された状態で記憶さ
れている。
【0044】補正回路16において、セレクタ20は、
上記EPROM17、18及び19の記憶データを、制
御ブロック7からのセレクト信号に基づいて選択的に出
力するために設けられており、また、D/A変換回路2
1は、このセレクタ20を通じて出力される補正電圧デ
ータをアナログ値の電圧信号に変換するために設けられ
ている。そして、D/A変換回路21からの電圧信号
は、インピーダンス整合用のバッファ22及び抵抗23
を介して前記差動増幅回路8の出力信号に重畳される構
成となっている。
【0045】さて、図3には、制御ブロック7による制
御内容が概略的に示されており、以下これについて関連
した作用と共に説明する。即ち、制御ブロック7は、ま
ず、アナログマルチプレクサ6に対して、基準電圧発生
回路5からの基準信号Saを選択するためのセレクト信
号を出力すると共に、補正回路16内のセレクタ20に
対して、EPROM19に記憶された補正電圧データV
aを選択するためのセレクト信号を出力する(ステップ
S1、S2)。
【0046】すると、差動増幅回路8から上記基準信号
Saを増幅した電圧信号が出力されると共に、D/A変
換回路21から上記補正電圧データVaをアナログ変換
した電圧信号が出力されて上記差動増幅回路8からの電
圧信号に重畳されるようになり、このように補正電圧デ
ータVaの成分が重畳された状態の電圧信号が、A/D
変換回路9内のRGD10に対しA/D変換対象信号と
して印加されるようになる。
【0047】この後、制御ブロック7は、パルス信号P
A及びPBの出力制御ルーチンS3を実行する。このル
ーチンS3では、図2に示す時刻t1〜t2の期間中に
おいてパルス信号PAを出力すると共に、その時刻t1
後においてパルス信号PBを図2に示すようなタイミン
グ(具体的には、時刻t1〜t2の期間において4回立
ち上がる状態)で出力する。
【0048】これにより、パルス信号PAの出力期間中
において、RGD10内で信号周回動作が継続して行わ
れると共に、パルス信号PBの立上がり毎にスタックメ
モリ12がラッチされるものであり、そのラッチデータ
の差(例えば3回目の立ち上がりと4回目の立ち上がり
における各ラッチデータの差)に基づいて、差動増幅回
路8からの電圧信号(基準信号Saを増幅した電圧信号
に対し補正電圧データVaの成分が重畳された状態の電
圧信号)に応じたデジタルデータが基準情報Aとして得
られるようになる。
【0049】制御ブロック7は、上記出力制御ルーチン
S3の実行後には、アナログマルチプレクサ6に対し
て、基準電圧発生回路5からの温度信号Stを選択する
ためのセレクト信号を出力すると共に、補正回路16内
のセレクタ20に対して、EPROM18に記憶された
補正電圧データVtを選択するためのセレクト信号を出
力する(ステップS4、S5)。
【0050】すると、差動増幅回路8から上記温度信号
Stを増幅した電圧信号が出力されると共に、D/A変
換回路21から上記補正電圧データVtをアナログ変換
した電圧信号が出力されて上記差動増幅回路8からの電
圧信号に重畳されるようになり、このように補正電圧デ
ータVtの成分が重畳された状態の電圧信号が、A/D
変換回路9内のRGD10に対しA/D変換対象信号と
して印加されるようになる。
【0051】この後、制御ブロック7は、パルス信号P
A及びPBの出力制御ルーチンS6を実行する。このル
ーチンS6では、図2に示す時刻t3〜t4の期間中に
おいてパルス信号PAを出力すると共に、その時刻t3
後においてパルス信号PBを図2に示すようなタイミン
グで出力する。
【0052】これにより、パルス信号PAの出力期間中
において、RGD10内で信号周回動作が継続して行わ
れると共に、パルス信号PBの立上がり毎にスタックメ
モリ12がラッチされるものであり、そのラッチデータ
の差に基づいて、差動増幅回路8からの電圧信号(温度
信号Stを増幅した電圧信号に対し補正電圧データVt
の成分が重畳された状態の電圧信号)に応じたデジタル
データが温度情報Tとして得られるようになる。
【0053】制御ブロック7は、上記出力制御ルーチン
S6の実行後には、アナログマルチプレクサ6に対し
て、基準電圧発生回路5からの検出信号Sdを選択する
ためのセレクト信号を出力すると共に、補正回路16内
のセレクタ20に対して、EPROM17に記憶された
補正電圧データVdを選択するためのセレクト信号を出
力する(ステップS7、S8)。
【0054】すると、差動増幅回路8から上記検出信号
Sdを増幅した電圧信号が出力されると共に、D/A変
換回路21から上記補正電圧データVdをアナログ変換
した電圧信号が出力されて上記差動増幅回路8からの電
圧信号に重畳されるようになり、このように補正電圧デ
ータVdの成分が重畳された状態の電圧信号が、A/D
変換回路9内のRGD10に対しA/D変換対象信号と
して印加されるようになる。
【0055】この後、制御ブロック7は、パルス信号P
A及びPBの出力制御ルーチンS9を実行する。このル
ーチンS9では、図2に示す時刻t5〜t6の期間中に
おいてパルス信号PAを出力すると共に、その時刻t5
後においてパルス信号PBを図2に示すようなタイミン
グで出力する。
【0056】これにより、パルス信号PAの出力期間中
において、RGD10内で信号周回動作が継続して行わ
れると共に、パルス信号PBの立上がり毎にスタックメ
モリ12がラッチされるものであり、そのラッチデータ
の差に基づいて、差動増幅回路8からの電圧信号(検出
信号Sdを増幅した電圧信号に対し補正電圧データVd
の成分が重畳された状態の電圧信号)に応じたデジタル
データが圧力情報Dとして得られるようになる。
【0057】尚、本実施例の場合、上述した出力制御ル
ーチンS3、S6及びS9の実行時において、スタック
メモリ12からラッチデータの差に基づいたデジタルデ
ータを3回取り込むことができるから、それらを平均化
した値をデジタルデータ(基準情報A、温度情報T及び
圧力情報D)として得る構成とすることもできる。
【0058】制御ブロック7は、上記出力制御ルーチン
S9の実行後には、補正演算回路14に対して演算指令
を出力する(ステップS10)。すると、補正演算回路
14にあっては、スタックメモリ12から読み出した圧
力情報D、温度情報T及び基準情報A、並びにEPRO
M13から読み出した補正係数(a、b、c、d、e、
f)を使用して、前記式の演算を行うものであり、そ
の演算結果を、センサ部1による検出圧力を示す圧力デ
ータとしてI/Oブロック15から出力するようにな
る。
【0059】この後、制御ブロック7は、所定の待機時
間が経過するまで待機し(ステップS11)、当該待機
時間が経過したときにステップS1へ戻るようになる。
従って、一連の圧力検出動作(S1〜S10)は、上記
待機時間が経過する毎に周期的に行われることになる。
【0060】要するに上記した本実施例によれば、補正
演算回路14において、A/D変換回路9を通じて得た
圧力情報D、温度情報T及び基準情報Aに基づいた演算
処理により圧力検出値を算出する場合において、その演
算式(式)中から、差動増幅回路8の温度特性やRG
D10の遅延時間の温度特性などに依存した非線形項を
除去できるものである。
【0061】この場合、実際には、上記圧力情報D、温
度情報T及び基準情報Aの発生源である圧力検出用ブリ
ッジ回路3、温度検出用ブリッジ回路4及び基準電圧発
生回路5のオフセットにより、それら圧力情報D、温度
情報T及び基準情報Aが、要求される設計値と異なって
くるという事情があるため、上記非線形項を確実に除去
できない虞がある。
【0062】これに対して、本実施例では、圧力検出用
ブリッジ回路3からの検出信号Sd、温度検出用ブリッ
ジ回路4からの温度信号St、基準電圧発生回路5から
の基準信号Saの同一条件下における各オフセット量に
応じた補正電圧データVd、Vt、Vaをそれぞれ記憶
して成るEPROM17、18、19を有した補正回路
16を設けることにより、上記のような事情に対処する
ようにしている。即ち、補正回路16は、A/D変換回
路9内のRGD10に対し、前記検出信号Sd、温度信
号St及び基準信号Saが変換対象の電圧信号として与
えられる際に、各印加電圧を上記記補正電圧データV
d、Vt及びVaに相当した値だけ補正する動作を行う
ようになる。
【0063】このため、A/D変換回路9による変換デ
ータ(圧力情報D、温度情報T、基準情報A)中に、上
記オフセットに起因した誤差要因が含まれることがなく
なり、補正演算回路14において、当該変換データを用
いた圧力検出値を演算処理する際に、上述した非線形項
を確実に除去できるようになる。この結果、補正演算回
路14による演算処理結果中に非線形成分による誤差が
生ずる虞がなくなって、圧力検出値の精度を十分に高め
る得るようになる。
【0064】この場合、RGD10を利用したA/D変
換回路9にあっては、変換速度の大幅な向上を実現でき
るという利点があるため、圧力検出値の算出に必要な時
間を大幅に短縮できるようになる。
【0065】本実施例では、検出信号Sd、温度信号S
t、基準信号Saを選択出力するアナログマルチプレク
サ6が設けられているから、A/D変換回路9を複数設
ける必要がなくなる。また、当該A/D変換回路9に与
えられる変換対象の信号が差動増幅回路8により増幅さ
れる構成となっているから、検出感度の向上を実現でき
るようになる。この場合、上記差動増幅回路8は、アナ
ログマルチプレクサ6の後段に位置する構成となってい
るから、当該差動増幅回路8も複数設ける必要がなくな
る。
【0066】前記補正電圧データVd、Vt及びVa
は、それぞれに対応したEPROM17、18及び19
に対して量子化した状態で記憶しておけば良いから、圧
力センサ装置の製造工程上において補正電圧データV
d、Vt及びVaを記憶するための作業を簡単且つ確実
に行い得るようになる。
【0067】さらに、圧力検出用ブリッジ回路3及び温
度検出用ブリッジ回路4が同一の半導体チップ上に形成
される構成であるから、圧力検出用ブリッジ回路3の実
際の温度を温度検出用ブリッジ回路4によって精度良く
検出できるようになる。従って、補正演算回路14によ
る圧力検出値の演算処理時において、その圧力検出値の
温度補正を正確に行い得るようになる。
【0068】ところで、上記実施例においては、差動増
幅回路8による増幅率について言及しなかったが、実際
には、A/D変換回路9による変換精度を高めるため
に、その増幅率を以下に述べるような値に設定してい
る。
【0069】即ち、A/D変換回路9にあっては、RG
D10の電源電圧、つまり差動増幅回路8を通じて出力
される検出信号Sd、温度信号St及び基準信号Scを
増幅した信号の電圧レベルが変調されるのに応じて、所
定のサンプリング周期ΔtにおけるRGD10でのパル
ス信号周回数が変化し、そのパルス信号周回数(周回数
カウンタ11の計数値)に応じた二進数のデジタルデー
タが、上記各信号Sd、St及びScをA/D変換した
データとして得る構成となっている。
【0070】従って、A/D変換回路9の感度を向上さ
せるためには、差動増幅回路8による増幅率を高めるこ
とによって、その電圧変調幅を大きく設定することが望
ましい。
【0071】ところが、RGD10の電源電圧と周回数
カウンタ11の計数値との間には、図4に示すように非
直線状な関係がある。このような特性は、RGD10の
遅延時間が、次式に示すような非線形項を含むことに
起因したものである。但し、式において、tpd:RG
D10の遅延時間、k(t) :比例定数、α:定数(約
1.3)、CL :RGD10内の配線容量、VDD:電源
電圧、Vth:しきい値電圧である。
【0072】 tpd=k(t) ・CL ・VDD/(VDD−Vth)α …… このため、差動増幅回路8の増幅率を無闇に大きくした
のでは、上記のように周回数カウンタ11の計数値に生
ずる非直線誤差が拡大するようになって、A/D変換回
路9の変換精度が低下するという問題が出てくる。
【0073】この場合、図5に示すように、上記のよう
な非直線誤差は、差動増幅回路8による電圧変調幅が1
50mV以下であれば、一般的なセンサに求められる非
直線誤差0.1%以下となるものであり、本実施例で
は、差動増幅回路8の増幅率を、前記検出信号Sd、温
度信号St及び基準信号Scを増幅したときの各出力電
圧レベルの最大値及び最小値の差が150mV以下とな
るような値に設定し、以て周回数カウンタ11の計数値
に生ずる非直線誤差が0.1%以下になるように構成し
ている。
【0074】このような構成とした結果、A/D変換回
路9内のRGD10の電源電圧の変調幅の拡大を図りな
がら、当該RGD10における信号周回数(周回数カウ
ンタ11の計数値)の誤差を縮小できるのもであり、こ
の結果、A/D変換回路9の感度を極力向上させた状態
でその変換精度を高め得るようになって、検出精度(圧
力検出値の精度)の向上を実現できることになる。
【0075】一方、検出精度の向上を図るためには、A
/D変換回路9の分解能を高めることが望ましい。この
場合、A/D変換回路9において得られる変換データ、
つまり周回数カウンタ11の計数値は、RGD10にお
いて一定時間(サンプリング周期Δt)内にパルス信号
がどれだけ周回したかを示す値であるので、そのサンプ
リング時間Δtを延長すれば大きな値とすることがで
き、また、その計数値は時間に対し直線的に変化するの
で非直線誤差が出ることはない。
【0076】従って、上記サンプリング時間Δtの長短
に応じてA/D変換回路9の分解能を決定することがで
きる。そこで、本実施例では、実際には、サンプリング
時間Δtを50μ秒以上に設定し、これによりA/D変
換回路9の分解能を12ビット以上に高めるようにして
いる。
【0077】このようにA/D変換回路9の分解能を1
2ビット以上に高めた場合には、その変換精度を実用上
において十分なレベル以上に向上させることができる。
しかも、A/D変換回路9内のRGD10に与えられる
電源電圧にノイズが重畳した場合であっても、上記のよ
うにサンプリング周期Δtが50μ秒以上ある状態で
は、積分効果によりノイズが低減されることになり、結
果的にノイズによる悪影響を排除できて検出精度(圧力
検出値の精度)のさらなる向上を図り得るようになる。
【0078】尚、上記サンプリング周期Δtを決定する
信号は、信号処理部2を動作させるためのクロック信号
を分周して得る構成とすれば良く、このような構成とす
れば上記クロック信号の周波数を十分に高めることがで
きるから、信号処理部2における他の信号処理機能を高
速で動作させることできる利点がある。
【0079】尚、本発明は上記した実施例に限定される
ものではなく、次のような変形または拡張が可能であ
る。アナログマルチプレクサ6及び差動増幅回路8は必
要に応じて設ければ良い。このようにアナログマルチプ
レクサ6を設けない場合には、信号処理部2中にA/D
変換回路を3つ設ける必要があるが、これらのA/D変
換回路は同一の半導体チップ上に形成されるものであっ
て、電気的特性を厳密に一致させることが可能であるか
ら、信号処理上の支障になることはない。尚、差動増幅
回路8を設けない場合には、これに代わるインピーダン
ス変換回路を設けることが望ましい。圧力センサ装置に
適用した例を説明したが、加速度、磁束、湿度などの他
の物理量を検出するためのセンサ装置に広く適用するこ
とができる。A/D変換回路9内のRGD10は、基本
的な構成例を示したものであり、これと異なる構成のR
GDを設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体の電気的構成図
【図2】A/D変換回路の変換原理説明用のタイミング
チャート
【図3】制御ブロックによる制御内容を示すフローチャ
ート
【図4】リングゲート遅延回路の電源電圧と周回数カウ
ンタの計数値との関係を示す特性図
【図5】差動増幅回路による電圧変調幅と周回数カウン
タの計数値に生ずる非直線誤差との関係を示す特性図
【符号の説明】
1はセンサ部、2は信号処理部、3は圧力検出用ブリッ
ジ回路(センサ回路)、4は温度検出用ブリッジ回路
(温度検出回路)、5は基準電圧発生回路、6はアナロ
グマルチプレクサ、7は制御ブロック、8は差動増幅回
路(増幅手段)、9はA/D変換回路、10はリングゲ
ート遅延回路、10aはNANDゲート(反転回路)、
10bはインバータ(反転回路)、11は周回数カウン
タ、12はスタックメモリ、14は補正演算回路(信号
処理手段)、16は補正回路(動作点補償手段)、1
7、18、19はEPROM(記憶手段)、20はセレ
クタ、21はD/A変換回路を示す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検出物理量に応じた電圧レベルの検出
    信号を発生するセンサ回路と、 このセンサ回路の温度に応じた電圧レベルの温度信号を
    発生する温度検出回路と、 前記被検出物理量及びセンサ回路の温度と無関係に一定
    の電圧レベルとなる基準信号を発生する基準電圧発生回
    路と、 反転動作時間が電源電圧に応じて変化する複数個の反転
    回路をリング状に連結して成るリングゲート遅延回路を
    含んで構成され、前記検出信号、温度信号及び基準信号
    が上記リングゲート遅延回路に電源電圧として与えられ
    た各状態で当該リングゲート遅延回路にパルス信号が入
    力されたときのパルス信号周回数に基づいて上記検出信
    号、温度信号及び基準信号を二進数のデジタルデータに
    変換するA/D変換回路と、 このA/D変換回路からのデジタルデータに基づいた演
    算処理により前記検出信号に応じた物理量の検出値を前
    記温度信号及び基準信号により補正した状態で算出する
    信号処理手段と、 同一条件下での前記検出信号、温度信号及び基準信号の
    オフセット量に応じた補正電圧データをそれぞれ記憶し
    て成る記憶手段を有し、前記A/D変換回路内のリング
    ゲート遅延回路に対し前記検出信号、温度信号及び基準
    信号を電源電圧として与える際に、各印加電圧を上記記
    憶手段に記憶された補正電圧データ相当値だけ補正する
    動作点補償手段を備えたことを特徴とするセンサ装置。
  2. 【請求項2】 前記検出信号、温度信号及び基準信号を
    増幅して前記A/D変換回路内のリングゲート遅延回路
    に電源電圧として与える増幅手段を備えたことを特徴と
    する請求項1記載のセンサ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のセンサ装置において、 前記増幅手段の増幅率を、前記検出信号、温度信号及び
    基準信号を増幅したときの各電圧出力の非直線誤差が
    0.1%以下となる値に設定したことを特徴とするセン
    サ装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のセンサ装置において、 前記増幅手段の増幅率を、前記検出信号、温度信号及び
    基準信号を増幅したときの各出力電圧レベルの最大値及
    び最小値の差が150mV以下となるような値に設定し
    たことを特徴とするセンサ装置。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4の何れかに記載のセン
    サ装置において、 前記検出信号、温度信号及び基準信号を選択的に出力す
    るアナログマルチプレクサを備え、 前記増幅手段は、このアナログマルチプレクサからの出
    力信号を増幅して前記A/D変換回路内のリングゲート
    遅延回路に電源電圧として与えるように構成されている
    ことを特徴とするセンサ装置。
  6. 【請求項6】 前記A/D変換回路のサンプリング周期
    が50μ秒以上に設定されていることを特徴とする請求
    項1ないし5の何れかに記載のセンサ装置。
  7. 【請求項7】 前記動作点補償手段は、前記補正電圧デ
    ータを量子化した状態で記憶して成る記憶手段と、この
    記憶手段に記憶された補正電圧データを選択的に出力す
    るセレクタと、このセレクタからの出力をアナログ値の
    電圧信号に変換するD/A変換回路とを備えた構成とさ
    れていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに
    記載のセンサ装置。
  8. 【請求項8】 前記センサ回路の検出対象となる物理量
    が圧力であることを特徴とする請求項1ないし7の何れ
    かに記載のセンサ装置。
  9. 【請求項9】 前記センサ回路は、ピエゾ抵抗係数が大
    きな半導体チップに設けたダイヤフラム上に拡散抵抗に
    より形成された複数の抵抗素子をブリッジ接続して構成
    され、 前記温度検出回路は、前記半導体チップ上に拡散抵抗に
    より形成された感温抵抗素子を含んだ構成とされている
    ことを特徴とする請求項8記載のセンサ装置。
  10. 【請求項10】 前記センサ回路の印加圧力をP、前記
    検出信号、温度信号及び基準信号を前記A/D変換回路
    により変換した各デジタルデータをそれぞれ圧力情報
    D、温度情報T及び基準情報A、また、センサ回路の感
    度の温度係数をc、センサ回路の室温感度をd、圧力検
    出値のオフセットの温度係数をe、圧力検出値の室温オ
    フセット値をf、温度検出値の温度係数をa、温度検出
    値の室温オフセット値をbとした場合、前記信号処理手
    段は、 P={(T/A−b)×(−e/a)+D/A−f}/
    {(T/A−b)×c/a+d} の演算処理を実行して印加圧力Pを算出することを特徴
    とする請求項8または9記載のセンサ装置。
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