JP2019085656A - 合成皮革、及び、その製造方法 - Google Patents

合成皮革、及び、その製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、風合い、剥離強度、及び耐屈曲性に優れる合成皮革を提供することである。【解決手段】本発明は、ポリウレタン組成物により形成された層を有する合成皮革であって、前記ポリウレタン組成物が、ウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、ポリオール(B)を含む硬化剤(ii)とを含有するものであり、前記ウレタンプレポリマー(A)が、イソシアネート基と重合性不飽和基とを有するものであり、そのモル比[イソシアネート基/重合性不飽和基]が、75/25〜98/2の範囲であることを特徴とする合成皮革、及び、その製造方法を提供するものである。前記ポリウレタン組成物により形成される層は、発泡構造を有していることが好ましく、前記ポリウレタン組成物をガスローディング法、及び/又は、水発泡法により発泡することが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、合成皮革、及び、その製造方法に関する。
これまで合成皮革の原料に使用されてきたポリウレタン組成物は、ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解したポリウレタン樹脂を含有するものが長年使用されてきた。しかしながら、欧州におけるDMFの使用規制が本格化する中、無溶剤で省エネルギーな環境対応型樹脂の供給が渇望されている。また、近年は緩衝効果による合成皮革の耐衝撃性や風合いの向上、ポリウレタン組成物の使用量低減等を目的に、ポリウレタン組成物を発泡させ、発泡硬化物とするケースが増えている。
合成皮革に使用できる無溶剤型ポリウレタン組成物の発泡物としては、例えば、基材上にウレタンアクリレートオリゴマーを塗布し、紫外線硬化した後に、シートを巻き取って使用する方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、このポリウレタン組成物を合成皮革に応用し、実生産した場合には、合成皮革を製造後にロール状に巻き取る段階で、ポリウレタン組成物が硬化する前に泡が潰れてしまい、合成皮革の風合いが損なわれてしまう問題や、合成皮革表面にシワ・よれ・剥がれ等が生じる問題があった。
特開2008−156544号公報
本発明が解決しようとする課題は、風合い、剥離強度、及び耐屈曲性に優れる合成皮革を提供することである。
本発明は、ポリウレタン組成物により形成された層を有する合成皮革であって、前記ポリウレタン組成物が、ウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、ポリオール(B)を含む硬化剤(ii)とを含有するものであり、前記ウレタンプレポリマー(A)が、イソシアネート基と重合性不飽和基とを有するものであり、そのモル比[イソシアネート基/重合性不飽和基]が、75/25〜98/2の範囲であることを特徴とする合成皮革、及び、その製造方法を提供するものである。
本発明の合成皮革は、風合い、剥離強度、及び耐屈曲性に優れるものであり、合成皮革製造時にその表面にシワ・よれ等を生じないものである。
本発明の合成皮革は、ポリウレタン組成物により形成された層を有するものである。
前記ポリウレタン組成物は、前記効果を得るうえで、ウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、ポリオール(B)を含む硬化剤(ii)とを含有するものであり、前記ウレタンプレポリマー(A)が、イソシアネート基と重合性不飽和基とを有するものであり、そのモル比[イソシアネート基/重合性不飽和基]が、75/25〜98/2の範囲であるものを用いることが必須である。
前記ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基と重合性不飽和基とをモル比[イソシアネート基/重合性不飽和基]で、75/25〜98/2の範囲で含有するものである。これによりイソシアネート基による優れた最終剥離強度、及び耐屈曲性が得られるとともに、重合性不飽和基による泡の保持性が確保できるため、優れた風合いを有する合成皮革が得られる。前記イソシアネート基と重合性不飽和基とのモル比としては、より一層優れた風合い、剥離強度、及び耐摩耗性が得られる点から、80/20〜97/3の範囲が好ましく、83/17〜96/4の範囲がより好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(A)としては、具体的には、例えば、ポリオール(a−1)とポリイソシアネート(a−2)と水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(a−3)との反応物を用いることができる。より具体的な好ましい例としては、前記ポリオール(a−1)と前記ポリイソシアネート(a−2)とを反応させてイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、その後水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(a−3)を反応させることにより、所定の重合性不飽和基を導入したポリウレタン;前記ポリオール(a−1)とポリイソシアネート(a−2)とを反応したポリレウレタン、及び、前記ポリオール(a−1)とポリイソシアネート(a−2)とを反応させた後に、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(a−3)によりイソシアネート基を完全に(メタ)アクリル化したポリウレタンの混合物;上記2つの方法により得られるポリウレタンの混合物が挙げられる。
前記ポリオール(a−1)としては、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記ポリオール(a−1)としては、より一層優れた耐屈曲性が得られる点から、ポリエーテルポリオールを含有することが好ましく、ポリテトラメチレングリコールを含有することが好ましい。前記ポリテトラメチレングリコールを含有する場合には、ポリオール中30質量%以上であることが好ましく、40〜80質量%の範囲がより好ましい。
前記ポリオール(a−1)の数平均分子量としては、良好な機械的物性が得られる点から、500〜10,000の範囲であることが好ましく、800〜6,000の範囲がより好ましい。なお、前記ポリオール(a−1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
前記ポリオール(a−1)には、必要に応じて、数平均分子量が50〜450の範囲の鎖伸長剤を併用してもよい。
前記鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,8−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン等の水酸基を有する鎖伸長剤;エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、ヒドラジン等のアミノ基を有する鎖伸長剤などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(a−2)としては、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた反応性及び機械的強度が得られる点から、芳香族ポリイソシアネートを用いることが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物と(a−3)しては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ウレタンプレポリマー(A)の製造方法としては、例えば、無溶剤下で、前記ポリオール(a−1)と前記ポリイソシアネート(a−2)と前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(a−3)とを反応させることによって製造する方法等を用いることができる。前記反応はいずれに場合においても、例えば、20〜120℃の条件下で、例えば、30分〜24時間程度行うことが好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(A)の重量平均分子量としては、より一層優れた剥離強度、及び、機械的強度が得られる点から、400〜40,000の範囲であることが好ましく、500〜10,000の範囲がより好ましい。なお、前記ウレタンプレポリマー(A)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
前記硬化剤(ii)に用いる前記ポリオール(B)としては、例えば、前記ウレタンプレポリマー(A)の原料である前記ポリオール(a−1)と同様のものを用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐屈曲性が得られる点から、ポリエーテルポリオールを含有することが好ましく、ポリテトラメチレングリコールを含有ことがより好ましい。
また、前記ポリオール(B)には、必要に応じて、前記鎖伸長剤と同様のものを併用してもよい。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリウレタン組成物は、前記ウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、前記ポリオール(B)を含む硬化剤(ii)とを含有するが、必要に応じて、その他の添加剤を含有してもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、光重合開始剤、水、触媒、整泡剤、重合禁止剤、酸化防止剤、チキソ性付与剤、可塑剤、安定剤、無機充填剤、有機充填剤、染料、顔料等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよく、前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とのどちらに含有されていてもよいが、ウレタンプレポリマー(A)の安定性を向上できる点から、前記硬化剤(ii)に含有されることが好ましい。
前記光重合開始剤は、光照射や加熱等によってラジカルを発生し、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)のラジカル重合を開始させるため用いることが好ましく、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物;4,4’−ジメチルアミノチオキサントン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、α−アシロキシムエステル、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート(「バイアキュア55」)、2−エチルアンスラキノン等のアンスラキノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルオパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン等を用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤を用いる場合の使用量としては、良好な紫外線硬化性が得られる点から、前記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.5〜2質量部の範囲がより好ましい。
次に、本発明の合成皮革の製造方法について説明する。
本発明の合成皮革は、前記ポリウレタン組成物により形成された層を有するものである。前記合成皮革は、具体的には、基布(X)、中間層(Y)、表皮層(Z)を少なくとも有するものであり、前記ポリウレタン組成物により形成された層は、中間層(Y)であることが好ましい。
前記基布(X)としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維、綿、麻、絹、羊毛、グラスファイバー、炭素繊維、それらの混紡繊維等による不織布、織布、編み物などを用いることができる。また、前記基布(X)としては、これらのものに、ポリウレタン樹脂が含浸された公知の含浸基布も用いることができる。
前記表皮層(Z)としては、公知の材料により公知の方法で形成することができ、例えば、溶剤系ウレタン樹脂、水系ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。
前記合成皮革としては、前記中間層(Y)の上下層には更に接着層等を設けてもよく、また、表皮層(Z)の上には更に表面処理層を設けてもよい。
次に、前記ポリウレタン組成物を中間層(Y)とする場合の合成皮革の製造方法を説明する。
まず、前記中間層(Y)を作製する前の前記ポリウレタン組成物の発泡方法としては、例えば、ガスローディング法、水発泡法、メカニカルフロス法等を使用する方法が挙げられる。これらの中でも、液成分の粘度許容範囲が広く、より一層優れた泡保持性が得られる点から、ガスローディング法、及び/又は、水発泡法を使用することが好ましく、不活性ガスがポリウレタン組成物に良く溶け込み、更に優れた泡保持性が得られる点から、ガスローディング法を使用することがより好ましい。
前記ガスローディング法を使用してポリウレタンの発泡物を得る方法としては、例えば、前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とを混合する前に、前記主剤(i)及び/又は前記硬化剤(ii)に対し、不活性ガスを、好ましくは0.05〜0.2MPaの範囲、より好ましくは0.07〜0.18MPaの範囲の圧力下で、ガスローディングする方法が挙げられる。
前記ガスローディングとは、前記主剤(i)及び/又は前記硬化剤(ii)に対して、圧力下で不活性ガスを外部から進入させ、強制的に抱き込ませる処理をいう。また、前記不活性ガスを進入させる際には、前記主剤(i)及び/又は前記硬化剤(ii)を撹拌することが、不活性ガスの溶解性を向上できる点から好ましい。前記ガスローディングは、公知のローディング装置を使用して行うことができる。
前記不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス、ネオンガス等を用いることができる。これらの中でも、原料入手の容易性、及び、主剤(i)や硬化剤(ii)への溶解性が高いことから、二酸化炭素を用いることが好ましい。
前記ガスローディングを行う際の圧力としては、不活性ガスによる安定的な泡の保持を可能とするため、0.05〜0.2MPaの範囲であることが好ましく、更に均一な泡を保持でき、一層優れた風合いが得られる点から、0.07〜0.18MPaの範囲であることがより好ましく、0.08〜0.17MPaの範囲が更に好ましい。
前記ガスローディングを行う時間としては、均一に不活性ガスをローディングでき、かつウレタンプレポリマーやポリオールの劣化を防ぐ点から、10分〜3時間の範囲であることが好ましく、10〜60分の範囲であることが好ましい。
前記ガスローディングとしては、前記主剤(i)にのみ行うことが好ましい。この理由としては、同条件(圧力・時間)でガスローディングを行った場合に、前記硬化剤(ii)に比べ、前記主剤(i)の方が不活性ガスの溶解性が高いことが挙げられ、これにより容易に安定的な泡を保持したポリウレタン発泡シートを得ることができるからである。なお、この際には、硬化剤(ii)に後述する水、好ましくは更に触媒及び製泡剤を含有させ、ガスローディングと共に、水発泡法を併用してもよい。
また、前記ガスローディングを行う際の前記主剤(i)の50℃における粘度としては、前記圧力下でも不活性ガスを良好にローディングできる点から、200〜20,000mPa・sの範囲であることが好ましく、250〜15,000mPa・sの範囲がより好ましい。なお、前記主剤(i)の50℃における粘度は、B型粘度計(ローターNo.3、回転数:12rpm)により測定した値を示す。
前記ガスローディングを前記主剤(i)に行った場合において、前記ガスローディング後の主剤(i)を常圧に開放した直後の主剤(i)の比重としては、より一層優れた泡の保持、及び風合いが得られる点から、0.2〜0.8の範囲であることが好ましく、0.3〜0.7の範囲であることがより好ましい。
前記ガスローディングを行った後は、一旦常圧下に戻してから、前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とを混合し、ウレタン化反応を進行させる方法;ガスローディングした前記主剤(i)及び/又は硬化剤(ii)を、ローディング装置に連結させた混合機等に、圧力差を利用して移動させ、混合機等により混合してウレタン化反応を進行させる方法などが挙げられる。
前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)との混合割合[(i):(ii)]としては、質量比で80:20〜40:60の範囲であることが好ましく、75:25〜45:55の範囲がより好ましい。
続いて、混合された前記主剤(i)及び前記硬化剤(ii)は、例えば、離型処理された基材上に設けられた表皮層(Z)上に塗布され、紫外線照射することで、中間層(Y)を得、この中間層(Y)を基布(X)に貼り合わせることにより合成皮革を得ることができる。
前記混合された前記主剤(i)及び前記硬化剤(ii)を塗布する方法としては、例えば、アプリケーター、ロールコーター、スプレーコーター、T−ダイコーター、ナイフコーター等を使用する方法が挙げられる。塗布する厚さとしては、例えば、30〜500μmの範囲である。
前記紫外線照射を行う方法としては、例えば、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト、LEDランプ等の低照度の紫外線光照射装置;キセノンランプ、キセノン−水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、LEDランプ等の中・高照度の紫外線光照射装置を使用して所定の紫外線を照射する方法が挙げられる。
前記紫外線照射を行う際の積算光量としては、例えば、100〜1,500mJ/cmの範囲であることが挙げられ、好ましくは、光重合反応を過不足なく進行させる点から、200〜1,000mJ/cmの範囲である。なお、前記紫外線の積算光量は、GSユアサ株式会社製UVチェッカー「UVR−N1」を用いて300〜390nmの波長域において測定した値を基準とする。
前記合成皮革を得た後には、残存するウレタンプレポリマー(A)のイソシアネートの硬化を促進すべく、例えば、40〜130℃の温度で3分〜12時間の条件にてエージングを行うことが好ましい。
また、前記水発泡法を使用してポリウレタン発泡シートを得る方法としては、例えば、前記硬化剤(ii)に水、好ましくは更に触媒及び整泡剤を含有させ、前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とを混合する方法が挙げられる。
前記水は発泡剤として機能するものであり、その使用量としては、前記硬化剤(ii)中0.01〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.02〜5質量%の範囲がより好ましい。
前記触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジメチルプロパンジアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N’,N’’−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチル−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物;ジブチルスズジウラウレート、ジオクチルチンジラウレート、オクチル酸スズ2−エチルヘキサン酸、オクチル酸カリウム、ジブチルスズラウリルメルカプタイド、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)等の金属化合物などを用いることができる。これらの触媒は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記触媒を用いる場合の使用量としては、前記硬化剤(ii)中0.01〜1質量%の範囲であることが好ましく、0.05〜0.5質量%の範囲がより好ましい。
前記整泡剤としては、シリコーン系界面活性剤を好ましく用いることができ、例えば、「SZ−1919」、「SH−192」、「SH−190」、「SZ−580」、「SRX−280A」、「SZ−1959」、「SZ−1328E」、「SF−2937F」、「SF−2938F」、「SZ−1671」、「SH−193」、「SZ−1923」、「シリコンY−7006」(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)等を市販品として入手することができる。前記整泡剤を用いる場合の使用量としては、前記硬化剤(ii)中0.01〜5質量%の範囲であることが好ましく、0.03〜3質量%の範囲がより好ましい。
前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とを混合する方法としては、例えば、混合注型機を使用する方法が挙げられる。
具体的には、例えば、前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とを混合注型機のそれぞれのタンクへ入れて、前記主剤(i)を好ましくは40〜80℃の範囲で加温し、前記硬化剤(ii)を好ましくは40〜80℃の範囲で加温し、それぞれを混合注型機で混合する方法が挙げられる。
前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)との混合割合[(i):(ii)]としては、質量比で80:20〜15:85の範囲であることが好ましく、75:25〜20:80の範囲がより好ましい。
続いて、混合された前記主剤(i)及び前記硬化剤(ii)は、例えば、離型紙、離型剤が塗布された基材等の基材上に、塗布され、紫外線照射することで、ポリウレタン発泡シートを得ることができる。この工程は、前記ガスローディング法を使用した場合と同様である。
以上の方法により得られる中間層(Y)のの密度としては、良好な風合いが得られる点から、0.4〜0.95g/cmの範囲であることが好ましく、0.5〜0.9g/cmの範囲であることがより好ましい。なお、前記中間層(Y)の密度の測定方法は、縦10cm、横10cmに裁断したポリウレタン発泡シートの、厚さと重量を測定して、下記式(1)に従って密度を算出する方法による。
密度(g/cm)=重量(g)/10(cm)×10(cm)×厚さ(cm)(1)
以上、本発明の合成皮革は、風合い、剥離強度、及び耐屈曲性に優れるものであり、合成皮革製造時にその表面にシワ・よれ等を生じないものである。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
[合成例1]ウレタンプレポリマー(A−1)の合成
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」と略記する。)を100質量部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量:2,000、以下「PTMG」と略記する。)を50質量部、ポリエステルポリオール(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド6モル付加物とセバシン酸との反応物、数平均分子量;2,000、以下「PEs(1)」と略記する。)を50質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:14.7質量%のウレタンプレポリマーを得た。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、「HEA」と略記する。)を入れ、60℃で2時間反応させ、残存するイソシアネート基の15モル%にアクリロイル基を導入した(すなわち、モル比[イソシアネート基/重合性不飽和基]=85/15)ウレタンプレポリマー(A−1)を得た。
[合成例2]ウレタンプレポリマー(A−2)の合成
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、MDIを100質量部、PTMGを50質量部、ポリエステルポリオール(エチレングリコールと1,4−ブタンジオールとアジピン酸との反応物、数平均分子量;2,000、以下「PEs(2)」と略記する。)を50質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:14.6質量%のウレタンプレポリマーを得た。
次いで、HEAを入れ、60℃で2時間反応させ、残存するイソシアネート基の15モル%にアクリロイル基を導入した(すなわち、モル比[イソシアネート基/重合性不飽和基]=85/15)ウレタンプレポリマー(A−2)を得た。
[合成例3]ウレタンプレポリマー(A−3)の合成
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、MDIを100質量部、PTMGを100質量部、PEs(1)を100質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:8.4質量%のウレタンプレポリマー(A−3)を得た。
[合成例4]ウレタンプレポリマー(A−4)の合成
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、MDIを100質量部、PTMGを100質量部、PEs(2)を100質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:8.4質量%のウレタンプレポリマー(A−4)を得た。
[合成例5]ウレタンプレポリマー(A−5)の合成
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、MDIを100質量部、PTMGを140質量部、PEs(1)を140質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:5.7質量%のウレタンプレポリマーを得た。
次いで、HEAを入れ、60℃で2時間反応させ、残存するイソシアネート基の100モル%にアクリロイル基を導入した(すなわち、モル比[イソシアネート基/重合性不飽和基]=00/100)ウレタンプレポリマー(A−5)を得た。
[合成例6]ウレタンプレポリマー(A−6)の合成
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、MDIを100質量部、PTMGを140質量部、PEs(2)を140質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:5.6質量%のウレタンプレポリマーを得た。
次いで、HEAを入れ、60℃で2時間反応させ、残存するイソシアネート基の100モル%にアクリロイル基を導入した(すなわち、モル比[イソシアネート基/重合性不飽和基]=00/100)ウレタンプレポリマー(A−6)を得た。
[調製例1]硬化剤(ii−1)の調製
ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量:1,000)を100質量部、エチレングリコールを8質量部、光重合開始剤としてチバスペシャリティ株式会社製「Irugacure184」を2質量部混合、撹拌し、硬化剤(ii−1)を得た。
[調製例2]表皮層(Z−1)の作製
水系ウレタン樹脂組成物(DIC株式会社「ハイドランWLS−230」)100質量部、顔料(DIC株式会社製「DILAC−BLACK HS6001」)を5質量部、消泡剤を0.1質量部加え、混合し、離型紙上にコンマコーターを使用して100g/mの量を塗布し、70℃で2分間、次いで120℃で2分間乾燥させて、厚さ30μmの表皮層(Z−1)を作製した。
[実施例1]
前記主剤(i−1)として、ウレタンプレポリマー(A−1)をローディング装置に入れた。その後、ローディング装置内を0.1MPaに二酸化炭素で加圧し、原料を撹拌しながら30分かけてローディングした。
次いで、ポリマーエンジニアリング株式会社製低圧ウレタン注入発泡機「MT5」の主剤タンクへ、ローディング装置より圧力差を利用してガスローディングした主剤(i−1)を仕込み、0.5MPaの圧力下で循環した。
硬化剤(ii−1)も硬化剤タンクに仕込み、0.5MPaの圧力下で循環した。その後、(i−1)と(ii−1)とを質量比100:64となるように同時吐出して瞬間混合した後、調製例2で得られた表皮層(Z−1)上に厚み250μmとなるよう混合液を塗布した。
次いで、該塗布物に対し、日本電池株式会社製紫外線照射装置「CSOT−40」(高圧水銀ランプ、照度:120mW/cm、コンベアスピード:5m/分)にて300mJ/cmの紫外線を照射させ、その後、ポリウレタン樹脂を含浸させた極細繊維不織布を貼り合せた。その後、110℃で5分間の加熱処理を行い、合成皮革を得た。
[実施例2〜6、比較例1〜4]
用いる主剤(i)の種類、及び、主剤(i)と硬化剤(ii)との混合割合を表1〜2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして合成皮革を得た。
[数平均分子量・重量平均分子量の測定方法]
合成例等で用いたポリオール等の数平均分子量や重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
[合成皮革の風合いの評価]
実施例及び比較例で得られた繊維積層体のポリウレタン発泡シート側を手で触り、以下のように評価した。
「1」:柔軟性に富み極めて柔らかい。
「2」:柔軟性に優れ非常に柔らかい。
「3」:柔軟性が感じられ柔らかい。
「4」:柔軟性も感じるが少し硬い印象を受ける。
「5」:硬い。
[剥離強度の評価方法]
(常態での剥離強度)
実施例および比較例で得られた合成皮革の表皮層(Z−1)上に、ホットメルト布テープを130℃に5秒かけて接着した後に、テンシロン(オリエンテック株式会社製テンシロン万能試験機「RTC−1210A」)を使用して、クロスヘッド測度;200mm/分の条件で剥離強度を測定し、常態での剥離強度(N/cm)とした。
(耐加水分解性試験後の剥離強度)
実施例及び比較例で得られた合成皮革を、温度70℃、湿度95%の条件下で5週間放置した後に、同様に剥離強度を測定し、耐加水分解試験後の剥離強度(N/cm)とした。
(耐熱試験後の剥離強度)
更実施例及び比較例で得られた合成皮革を、温度120℃の条件下で500時間放置した後に、同様に剥離強度を測定し、耐熱試験後の剥離強度(N/cm)とした。
[耐屈曲性の評価方法]
(常態での耐屈曲性)
実施例および比較例で得られた合成皮革を、株式会社東洋精機製作所製「MIT屈曲試験機」を使用し、常温(23℃)で30万回の屈曲試験、及び低温(−10℃)で10万回の屈曲試験をして表面に亀裂が入らなければ「T」、試験途中で亀裂が入った場合は、その時の屈曲回数を表に示す。
(耐加水分解性試験後の耐屈曲性)
実施例及び比較例で得られた合成皮革を、温度70℃、湿度95%の条件下で5週間放置した後に、同様に耐屈曲性試験を測定し、耐加水分解試験後の耐屈曲性も同様に評価した。
(耐加水分解性試験後の耐屈曲性)
実施例及び比較例で得られた合成皮革を、温度70℃、湿度95%の条件下で5週間放置した後に、同様に耐屈曲性試験を測定し、耐加水分解試験後の耐屈曲性も同様に評価した。
Figure 2019085656
Figure 2019085656
本発明の合成皮革は、優れた風合い、剥離強度、及び耐屈曲性を有することが分かった。また、本発明の合成皮革は、耐加水分解性試験や耐熱性試験を行った後においても、剥離強度、及び耐屈曲性に優れるものであった。
一方、比較例1及び2は、ウレタンプレポリマー(A)の代わりに、重合性不飽和基を有しないウレタンプレポリマーを用いた態様であるが、風合い、及び剥離強度が不良であった。
比較例3及び4は、ウレタンプレポリマー(A)の代わりに、重合性不飽和基の導入量が本発明で規定する範囲を超えるウレタンプレポリマーを用いた態様であるが、風合い、剥離強度、耐屈曲性がいずれも不良であった。

Claims (5)

  1. ポリウレタン組成物により形成された層を有する合成皮革であって、
    前記ポリウレタン組成物が、
    ウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、ポリオール(B)を含む硬化剤(ii)とを含有するものであり、
    前記ウレタンプレポリマー(A)が、イソシアネート基と重合性不飽和基とを有するものであり、そのモル比[イソシアネート基/重合性不飽和基]が、75/25〜98/2の範囲であることを特徴とする合成皮革。
  2. 請求項1記載のポリウレタン組成物を、ガスローディング法、及び/又は、水発泡法により発泡することを特徴とする合成皮革の製造方法。
  3. 前記ガスローディング法が、前記主剤(i)及び/又は前記硬化剤(ii)に対し、不活性ガスを、0.05〜0.2MPaの範囲の圧力下で、ガスローディングするものである請求項2記載の合成皮革の製造方法。
  4. 前記ガスローディングを、前記主剤(i)にのみ行う請求項3記載の合成皮革の製造方法。
  5. 前記ガスローディングを行う際の前記主剤(i)の50℃における粘度が、200〜20,000mPa・sの範囲である請求項4記載の合成皮革の製造方法。
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