JP2014024880A - 紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物、薄膜成形体、光学フィルム、及び薄膜成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた表面性(塗工時に塗膜にハジキがない)、耐黄変性、及び適度な柔軟性を発現可能な紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物と薄膜成形体を提供する。
【解決手段】 芳香族骨格を有さないポリオール(A)と芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるイソシアネート基末端含有ウレタンプレポリマー(C)中のイソシアネート基総数の10〜50%を、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)により付加反応させて得られる分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)と、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、及びハロゲン化アルキル系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)を含有し、且つ光重合開始剤を含有しない。
【選択図】 なし
【解決手段】 芳香族骨格を有さないポリオール(A)と芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるイソシアネート基末端含有ウレタンプレポリマー(C)中のイソシアネート基総数の10〜50%を、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)により付加反応させて得られる分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)と、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、及びハロゲン化アルキル系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)を含有し、且つ光重合開始剤を含有しない。
【選択図】 なし
Description
本発明は、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物、それを用いた薄膜成形体、光学フィルム、及び薄膜成形体の製造方法に関する。
更に詳しくは、本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物は、紫外線硬化性と熱硬化性の2つの特性を兼ね備えており、溶融粘度を適度な範囲に調整できるので塗工性に優れ、塗工後の基材上でのハジキを抑制でき、表面性に優れた光学フィルムを得ることができる。
また、本発明の薄膜成形体は、従来技術と異なり光重合開始剤を含まないため、活性エネルギー線照射、特に紫外線照射による黄変の度合いが極めて小さく、また、経時的な黄変や成形物の接触物への汚染などがなく、例えば光学用部材(光学用フィルム、光学用シートなど)、光学用コーティング材料、繊維、電子電機材料、食品パッケージなど、特に無黄変性、柔軟性、透明性などの性能が求められる広範囲の分野に有用である。
近年、急速に市場が拡大している液晶テレビ、携帯電話、携帯ゲーム機などの電気・電機機器、通信機器、事務機器、娯楽機器、医療機器、生活機器などの多くの機器や部品には、液晶表示部位やスィッチング部位が設けてあり、その側面から入射した発光ダイオード光(LED光)を面状に伝達させるための薄膜成形体として導光フィルム(光学フィルム)や導光シートなどが用いられている。
これら薄膜成形体には、一般にポリカーボネート(PC)樹脂やポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂等の熱可塑性樹脂が使用されている。しかしながら、これら樹脂はいずれも硬すぎるため、薄膜成形体に加工した際に柔軟性に劣り、使用範囲が極めて限定されてしまうという問題があった。
また、熱可塑性ポリウレタン樹脂や熱可塑性ポリウレタン樹脂も、その特性を活かし、例えば、フィルムやシートなどの薄膜成形体に加工され用いられている。
しかしながら、熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いて得られる薄膜成形体では、柔軟性、伸縮性、強靭性などの性能は比較的良好であるが、柔軟性が要求される用途では、フィルムやシートの表面でブロッキング(加工物の表面同士が密着して離れ難くなる現象)の発生や、耐熱性の低下などの問題があった。
また、熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いて得られる薄膜成形体では、ブロッキングや耐熱性の低下などの問題は殆ど生じないが、樹脂組成物の塗工後の加熱硬化工程で粘度低下が急激に起こりやすく、その際に離型基材上でハジキが発生して、塗工面が不均一となり平坦で美麗な塗工面を得ることができないという問題があった。
一方、従来から、薄膜成形体の製造には、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂を代表とする活性エネルギー線硬化型ウレタンアクリレート樹脂も用いられてきた。
しかしながら、従来の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物は、塗工後の基材上でハジキが発生しにくいが、「光重合開始剤」(「フォト・イニシエーター」とも呼ばれる。)を必須に含有するため、塗膜表面に光重合開始剤の未反応成分や分解物がマイグレーションし、薄膜成形品を積層した場合に、該薄膜成形品と接する相手を汚染したり、あるいは分解した光重合開始剤が黄色物質へ変化して薄膜成形品の黄色度を悪化させたりして悪影響を与えていた。特に食品パッケージ分野では、このような未反応成分や分解物は除去すべき不純物であり、品質面(衛生面、意匠面など)からも重大な問題であった。
光重合開始剤により誘発される黄変現象とは、分解した光重合開始剤が再結合する際に黄色物質へと変化して硬化物の黄色化を促進させ、高品位な透明性が要求される光学用途に使用される光学材料(例えば、フィルム、シート、繊維、塗料など)の性能を低下させる主原因と考えられていた。特に芳香族骨格を有する光重合開始剤は、芳香環が光エネルギーを吸収して効率的にラジカルを発生することから一般に多用されているが、再結合時に芳香環に起因するキノイド構造となり黄色の発色団を形成するという欠点がある。
かかる問題を改良するために、種々の提案がなされてきた。例えば、ウレタンアクリレート5〜95重量部と、アクリレート化合物5〜95重量部、及び前記ウレタンアクリレートとアクリレート化合物との総合計100重量部に対して、光開始剤0.1〜15重量部を含み、且つウレタンアクリレートが、少なくとも、水添キシリレンジイソシアネート及び水添メチレンビスフェニレンジイソシアネートからなる群から選ばれる1種以上のジイソシアネートと、水酸基及び(メタ)アクリレート基を含有する化合物を含むウレタンアクリレートであり、且つアクリレート化合物が、1分子中にアクリレート基を2個以上有し、アクリレート基含有量が5〜12mmol/gで、芳香環構造を含有しない光硬化型塗料、が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
前記特許文献1によれば、紫外線や放射線、電子線等で硬化させる光硬化型塗料として好適に使用でき、良好な耐熱変色性、基材密着性、耐擦傷性、耐水性、耐水性、耐衝撃性を発現でき、プラスチックのハードコート材料として有用であるという。
しかしながら、特許文献1の光硬化型塗料は、(1)光重合開始剤を必須に含有しているため紫外線照射時に塗膜が黄変してしまうこと、(2)耐熱変色性に実用上未だ劣ること、(3)良好な柔軟性を有する薄膜成形体が得られないこと、などの製造面及び品質面の問題があった。
また、ウレタン(メタ)アクリレートを含む重合性組成物の硬化物で構成された光学シート、が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
前記特許文献2によれば、光学シートがウレタン(メタ)アクリレートを含む重合性組成物の硬化物で構成されているため、透明性が高く、適度な弾性を有するとともに、成形性、生産性、耐久性(耐熱性、耐候性)が良好であり、更に、前記ウレタン(メタ)アクリレートとして、2〜3官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートを含むウレタン(メタ)アクリレートを用いると、吸湿安定性や柔軟性も向上できるという。
しかしながら、特許文献2の光学シートもまた、(1)光重合開始剤を含有しているため紫外線照射時に塗膜が黄変してしまうこと、(2)耐熱変色性に実用上未だ劣ること、などの製造面及び品質面の問題があった。
このように、従来の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物には、(1)光重合開始剤を必須に使用するため黄変してしまうこと、(2)光重合開始剤の未反応成分や分解物がマイグレーションしてフィルムやシートなどの薄膜成形体を積層した場合に薄膜成形体と接する相手を汚染すること、(3)光重合開始剤の分解物が黄色物質へと変化して薄膜成形体の色彩を悪化させること、などの未だ解決すべき問題があった。
本発明の目的は、優れた表面性(塗工時に塗膜にハジキがない)、耐黄変性、適度な柔軟性などの性能を発現可能な紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物、それを用いた薄膜成形体、光学フィルム、及び薄膜成形体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を進めた結果、芳香族骨格を有さないポリオールと芳香族骨格を有さないポリイソシアネートとを反応させて得られる分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー中のイソシアネート基の特定量を水酸基を有する(メタ)アクリル化合物により付加反応させて得られる分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマーと、特定の有機溶剤とを含有し、且つ光重合開始剤を含有しないことにより、紫外線照射時及び経時での黄変が殆どなく、塗工時に基材上でのハジキがなく、適度な柔軟性の発現が可能な紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、芳香族骨格を有さないポリオール(A)と芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C)中のイソシアネート基総数の10〜50%を、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)により付加反応させて得られる分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)と、芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)として、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、及びハロゲン化アルキル系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有し、且つ、光重合開始剤を含有しないことを特徴とする紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物に関するものである。
本発明は、前記紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を成形して得られ、且つ膜厚が50〜800μmの範囲であることを特徴とする薄膜成形体に関するものである。
また、本発明は、前記紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を成形して得られる膜厚50〜200μmの範囲のフィルムであり、且つ、JIS K7361−1に準拠して測定した全光線透過率が92.0%以上であることを特徴とする光学フィルムに関するものである。
更に、本発明は、前記紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を基材上に塗工し、紫外線を照射後、次いで80〜140℃の範囲で加熱して熱硬化させることを特徴とする薄膜成形体の製造方法に関するものである。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物は、従来の光硬化型樹脂組成物と異なり、光重合開始剤を含まなくても優れた光硬化性を発現でき、且つ、優れた表面性(塗工時に塗膜にハジキがない)、耐黄変性、適度な柔軟性などの性能を発現できるので、例えば、光学用部材(光学用フィルム、光学用シートなど)、光学用コーティング材料、繊維、電子電機材料、食品パッケージ材料など、特に無黄変性、柔軟性、透明性などの性能が要求される広範囲の分野に有用である。
<紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物>
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物は、従来の光硬化型樹脂組成物と異なり、光重合開始剤を何ら含有せず、且つ、芳香族骨格を有さないポリオール(A)と芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C)中のイソシアネート基総数の10〜50%を、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)により付加反応させて得られる分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)と、芳香族骨格を有さない特定の有機溶剤(F)を含有してなる。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物は、従来の光硬化型樹脂組成物と異なり、光重合開始剤を何ら含有せず、且つ、芳香族骨格を有さないポリオール(A)と芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C)中のイソシアネート基総数の10〜50%を、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)により付加反応させて得られる分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)と、芳香族骨格を有さない特定の有機溶剤(F)を含有してなる。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物は、光重合開始剤を一切含有しなくても、芳香族骨格を有さない反応性原料を用いて得られる分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)と、芳香族骨格を有さない特定の有機溶剤(F)を必須に含有することにより、紫外線硬化反応を正常且つ迅速に進行することができる。
また、本発明では、従来の如き光重合開始剤を使用した光硬化型樹脂組成物と異なり、得られる硬化物の黄変がなく、無黄変の薄膜成形体や平坦で美麗な塗膜を得ることができる。
(A)芳香族骨格を有さないポリオール
本発明で用いる前記芳香族骨格を有さないポリオール(A)としては、脂肪族ポリオール、脂環族ポリオールであり、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、低分子量グリコールなどが挙げられる。
本発明で用いる前記芳香族骨格を有さないポリオール(A)としては、脂肪族ポリオール、脂環族ポリオールであり、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、低分子量グリコールなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールの製造に使用するジカルボン酸は、芳香族骨格を有さないジカルボン酸であればよく、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これらは、単独使用でも2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステルポリオールの製造に使用するジオールは、芳香族骨格を有さないジオールであればよく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール類などが挙げられる。これらは、単独使用でも2種以上を併用してもよい。
その他にもポリエステルポリオールの製造原料として、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、しょ糖、アコニット糖等のアルコール類;あるいはアミン類なども、本発明の目的を阻害しない範囲で使用できる。これらは、単独使用でも2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステルポリオールの数平均分子量(以下「Mn」とも云う。)は、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C)(以下「イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)」と云う。)の使用時の目標溶融粘度を考慮して設定することが望ましく、好ましくは300〜5000の範囲、より好ましくは500〜3500の範囲である。前記ポリエステルポリオールのMnがかかる範囲であるならば、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)の異常な粘度上昇がなく、適度な溶融粘度のウレタンプレポリマーを得ることができる。
前記ポリエステルポリオールとして、上記以外のジカルボン酸、ジオール、ジアミン等を併用して得られるポリエステルジオール、ポリアミドポリエステルジオールなども挙げられる。
また、前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレンプロピレングリコール(PEPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)等が挙げられ、これらの中でも、ポリテトラメチレングリコール(PTMG、Mn=650〜2000のもの。)が好ましい。前記ポリエーテルポリオールは、直鎖、分岐、環状の何れの構造を有していてもよい。
前記ポリエーテルポリオールのMnは、好ましくは500〜3500の範囲、より好ましくは600〜3000の範囲、更に好ましくは650〜2000の範囲である。前記ポリエーテルポリオールのMnがかかる範囲であるならば、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)の異常な粘度上昇がなく、適度な溶融粘度のウレタンプレポリマーを得ることができる。
本発明では、前記ポリエーテルポリオールの他にも、ラクトン(例えばε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトンなど)が開環付加重合したポリオールなども使用できる。
また、前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸と脂肪族ポリオールとをエステル化反応して得られるポリオールなども使用することができる。具体的には、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコール(PTMG)等のようなジオールと、ジメチルカーボネートやジフェニルカーボネートやホスゲン等との反応生成物などが挙げられる。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
また、前記低分子量グリコールとしては、例えば、エチレングリコール(EG)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の水酸基含有化合物などが挙げられ、これらの中でも1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンが好ましい。前記低分子量グリコールは、直鎖、分岐、環状の何れの構造を有していてもよい。
前記低分子量グリコールの分子量は、好ましくは62〜300の範囲であり、より好ましくは62〜200の範囲である。前記低分子量グリコールの分子量がかかる範囲であるならば、芳香族骨格を有さないポリオール(A)として併用した場合に、反応性の制御がより容易にでき、且つ成形性(歩留まり、成形ムラ)がより良好になる。
前記芳香族骨格を有さないポリオール(A)として、例えば、カプロラクトンモノマーの開環重合により得られるポリカプロラクトンポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油系ポリオールなども使用できる。
また、ポリアミンも併用することができる。前記ポリアミンとしては、例えばエチレンジアミンや、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、メチルジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、ノルボルネンジアミン等を使用することができる。
更に、前記ポリオール(A)と共に、本発明の目的を阻害しない範囲で、その他の芳香環骨格を有さないポリオールを使用してもよい。
前記その他の芳香環骨格を有さないポリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の少なくとも3個以上の水酸基を有する出発原料にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合して得られるポリ(オキシアルキレン)グリコール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール等のポリエーテルポリオール;あるいはアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸、マレイン酸等の多価カルボン酸とエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オタンジオール,ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の多価アルコールを重縮合して得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
(B)芳香族骨格を有さないポリイソシアネート
次に、本発明で用いる芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)について、以下に説明する。
次に、本発明で用いる芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)について、以下に説明する。
尚、本発明でいう「ポリイソシアネート」とは、分子中に2個以上のイソシアネート基(以下、「NCO基」とも云う。)を有する反応性化合物をいう。
本発明では、前記芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)として、公知の脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートの何れも用いることができる。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。市販品では、特に限定しないが、例えば、旭化成工業株式会社製のデュラネートTSA−100、TSS−100、TSE−100、TSR−100、THA−100、D101、A201H、TKA−100などが挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水添キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンなどが挙げられ、これらの中でも、優れた耐熱性と透明性を付与できることから、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンが好ましい。
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)やトリレンジイソシアネ−ト(TDI)などの如き芳香族骨格を有する芳香族ポリイソシアネートを用いたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを製造する従来の方法では、得られるウレタンプレポリマーが有する芳香族骨格による吸光度が大きすぎるため、紫外線硬化型樹脂組成物の硬化が充分に進行せず、且つ、芳香族骨格を有するポリイソシアネート自体が紫外線照射中に著しく黄変してしまうという問題があった。
本発明では、芳香族ポリイソシアネートを使用せず、前記芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)として、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートを用いて、且つ、芳香族骨格を有さない特定の有機溶剤(F)を必須に用いることにより、紫外線照射中に黄変することなく紫外線硬化を支障なく進行させることができ、次いで加熱により熱硬化させることができる。また、経時においても黄変を殆ど抑制できる。
(C)分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー
次いで、本発明で用いるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)について、説明する。
次いで、本発明で用いるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)について、説明する。
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)は、前記芳香族骨格を有さないポリオール(A)と前記芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)とを必須に用いて、公知の方法に従い反応させて得ることができ、その反応方法、反応条件は、特に限定しない。
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)は、前記ポリイソシアネート(B)の有するイソシアネート基(以下「NCO基」と云う。)が、前記ポリオール(A)の有する水酸基(以下「OH基」とも云う。)に対して、当量比で過剰となる条件にて、公知の方法により反応させ得ることができる。
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)の合成において、前記ポリイソシアネート(B)のNCO当量と前記ポリオール(A)のOH当量の比(即ち[NCO/OH当量比])としては、目標とする物性、製品品質、反応挙動などを考慮して設定すればよく、好ましくは1.5/1.0〜10.0/1.0当量比の範囲、より好ましくは2.0/1.0〜5.0/1.0当量比の範囲である。
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)の合成方法としては、特に限定しないが、例えば、〔方法1〕反応容器中に仕込んだポリイソシアネート(B)に、水分を除去したポリオール(A)を滴下、分割、一括など適当な手段にて仕込み、前記ポリオール(A)の有する水酸基が実質的に無くなるまで反応させる方法、あるいは、〔方法2〕反応容器中に仕込んだ水分を除去したポリオール(A)に、ポリイソシアネート(B)を滴下、分割、一括など適当な手段にて仕込み、前記ポリオール(A)の有する水酸基が実質的に無くなるまで反応させる方法、などを挙げることができる。
反応中の発熱を穏やかに制御しながら安全且つ正常に反応を進行させるためには、滴下あるいは分割による仕込方法が、好ましい。
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)の製造は、通常、無溶剤で行なうが、溶剤中で反応させ製造してもよい。溶剤中で反応させる場合には、反応を阻害しない溶剤を使用すればよく、特に限定しない。反応に使用した溶剤は、反応途中又は反応終了後に、減圧加熱や薄膜留去等の適当な方法により除去することが望ましい。
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)の反応条件(温度、時間、圧力など)は、反応挙動(安全性)や製品品質などを考慮して正常に制御できる範囲で設定すればよく、特に限定しない。通常は、反応温度50〜90℃で、反応時間2〜24時間の条件にて行うことが好ましい。圧力は、常圧、加圧、減圧の何れでもよい。
反応方式は、例えば、バッチ、半連続、連続など、公知の反応方式を選択することができ、特に限定しない。
また、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)を製造する際には、必要に応じてウレタン化触媒を使用することができる。前記触媒は、原料仕込工程、反応工程の任意の段階で適宜加えることができる。また、触媒の添加方法は、一括、分割、連続など特に限定しない。
前記ウレタン化触媒としては、公知のものが使用でき、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の含窒素化合物;あるいはチタンテトラブトキシド、ジブチルスズオキシド、ジラウリン酸ジブチルスズ、2−エチルカプロン酸スズ、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルカプロン酸亜鉛、グリコール酸モリブデン、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属化合物;あるいは塩化鉄、塩化亜鉛等の無機化合物などが挙げられる。
通常、反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、乾燥空気雰囲気下又は密閉条件下などの水分が混入しない条件下で行ってもよい。
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)のNCO基当量は、好ましくは100〜10000の範囲であり、より好ましくは200〜1000の範囲である。前記(C)のNCO当量がかかる範囲であるならば、異常な粘度上昇も起こらず、作業性に優れる。
尚、本発明でいう「イソシアネート基当量」(単位:g/eq)とは、後記したJIS K 7301に従い測定した値である。
(D)水酸基を有する(メタ)アクリル化合物
次に、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)に付加反応させる、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)について説明する。
次に、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)に付加反応させる、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)について説明する。
本発明では、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)中のイソシアネート基の一部を、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)と付加反応させて、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)に変性させる。その際のアクリレート変性率としては、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)中のイソシアネート基総数に対して、10〜50%の範囲であり、好ましくは10〜30%の範囲であり、より好ましくは10〜20%である。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)による前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)に対するアクリレート変性率がかかる範囲であれば、付加反応後の二重結合により、活性エネルギー線照射、特に紫外線照射による硬化反応によって、光重合開始剤を何ら含有していなくとも、速硬化性、基材への塗布後の保型性、機械的強度、耐久性、透明性などの優れた性能を発現できる。
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)に対する前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)によるアクリレート変性率が、前記(C)のイソシアネート基総数の10%未満の場合には、紫外線照射による溶融粘度の上昇が不充分となり、塗工後の基材上でハジキが発生して表面性に劣り、塗工面が不均一となり平坦で美麗な塗工面を得ることができない。また、前記(D)によるアクリレート変性率が前記(C)のイソシアネート基総数の50%を超える場合には、紫外線照射時に異常な増粘が起こり、表面性や柔軟性に劣る。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられ、これらの中でも、例えば、紫外線照射による速硬化性に優れ、且つ、特に、機械的強度が向上する点から、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)が好ましい。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよい。
本発明では、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)に付加反応しなかった未反応の分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、付加反応の生成物である分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)との混合物であってもよい。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)に付加反応しなかった未反応のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと、付加反応の生成物である分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)との混合物を用いることにより、紫外線硬化性と熱硬化性の2つの優れた性能を発現させることができ、基材上でのハジキがなく、表面性に優れた薄膜成形体(例えばフィルム、シートなど)を得ることができる。また、溶融粘度を適正な範囲に調整できるため、塗工性にも優れる。
(E)分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー
次いで、本発明で用いる、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)(以下、「ウレタンアクリレートオリゴマー(E)」と云う。)について説明する。
次いで、本発明で用いる、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)(以下、「ウレタンアクリレートオリゴマー(E)」と云う。)について説明する。
本発明で用いる前記ウレタンアクリレートオリゴマー(E)は、通常、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)100質量部に対して、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)を、好ましくは0.5〜300質量部の範囲、より好ましくは1.0〜100質量部の範囲で加えて、前記ウレタンプレポリマー(C)中のイソシアネート基総数の10〜50%の範囲、好ましくは10〜30%の範囲、より好ましくは10〜20%の範囲を、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)により付加反応させて得ることができる。
前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基をかかる範囲内で前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)と反応させるならば、速硬化性、基材への塗工後の保型性、機械的強度、耐久性、基材密着性などの優れた性能を発現できる。
前記ウレタンアクリレートオリゴマー(E)のMnは、好ましくは500〜50000の範囲であり、より好ましくは500〜10000の範囲であり、更に好ましくは500〜3000の範囲である。前記(E)のMnがかかる範囲であれば、溶融粘度が適度な範囲となり、良好な作業性を確保できる。
前記ウレタンアクリレートオリゴマー(E)のJIS Z 8803に準拠し測定した50℃での溶融粘度は、好ましくは500〜200000mPa・sの範囲であり、より好ましくは500〜100000の範囲である。前記(E)の50℃での溶融粘度がかかる範囲であるならば、作業性、生産性が向上し、且つ溶剤の使用量を削減でき、環境負荷低減に寄与できるので、好ましい。
また、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)と水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)とをウレタン化反応させる際には、無触媒でもウレタン化触媒存在下でもよく、特に限定しない。
前記ウレタン化触媒を使用する場合は、ウレタン化反応の任意の段階で適宜加えることができる。前記ウレタン化触媒としては、公知のものが使用可能であり、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどの含窒素化合物、あるいは酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸第一錫などの有機金属塩、あるいはジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレートなどの有機金属化合物が挙げられる。
前記ウレタン化触媒の使用量は、反応時の安全性、中間体あるいは製品の安定性、品質などに悪影響を与えなければ、特に限定しない。
前記ウレタン化反応は、イソシアネート基当量(g/eq)が実質的に一定になるまで行なうことが好ましい。
また、反応終了後又は反応途中において、公知の触媒失活剤を添加し、前記ウレタン化触媒の活性を失活あるいは抑制させて、反応面、貯蔵面、品質面などの安定化を図ってもよい。
(F)芳香族骨格を有さない有機溶剤
次に、本発明で必須に用いる芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)について、以下に述べる。
次に、本発明で必須に用いる芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)について、以下に述べる。
前記芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)としては、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、及びハロゲン化アルキル系溶剤が挙げられる。
本発明では、前記芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)を用いることにより、従来技術のように光重合開始剤を使用しなくても、得られるウレタンアクリレート樹脂組成物が優れた光硬化性を発現でき、且つ、紫外線照射時の黄変や経時的な黄変を起こし難いなどの優れた効果を発現できる。
前記ケトン系溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、イソホロン、2,3−ヘキサンジオン、4−メチル2,3ペンタンジオン、5−メチル−2,3ヘキサンジオン、2,3−ペンタンジオン、2−ヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロペンタノン、3−デカノン、2−ドデカノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、ジアセチル、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、3,4−ジメチル−1、2−シクロペンタンジオン、3,5−ジメチル−1、2−シクロペンタンジオン、2−ヒドロキシ−6−イソプロピル−3−メチル−2−シクロヘキセノン、4−ヘプタノン、3−オクタノン、3−ヘプタノン、3−エチル−2−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン、3−ノナノン、3−ヘキサノン、1−ペンテン−3−オン、2−ヘプタデカノン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘキサンジオン、6,10,14−トリメチル−2−ペンタデカノン、5−ヘキセン−2−オン、4−ヘキセン−3−オン、1−ヘキセン−3−オン、2−ヘキシルシクロペンタノン、1−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキセノン、1−ヒドロキシ−2−ヘプタノン、3−ヒドロキシ−2−オクタノン、2−ヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−シクロペンテノン、2−ヒドロキシ−3−ペンタノン、1−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、1−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキサノン、3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、6−メチル−3−ヘプタノン、2−メチル−3−(2−ペンテニル)−2−シクロペンテノン、4−イソプロピル−2−シクロヘキセノン、5−イソプロピル−3−ノネン−2,8−ジオン、5−イソプロピル−8−メチル−6,8−ノナジエン−2−オン、3−メチル−2−(cis−2−ペンテニル)−2−シクロペンテノン、3−メチル−2−(trans−2−ペンテニル)−2−シクロペンテノン、p−メンタン−2−オン、メントン、4−メチル−3−ペンテン−2−オン、2−ヘプタノン、2−ノナノン、2−オクタノン、メチルイオノン、5−メチル−2−ヘキサノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ウンデカノン、2−デカノン、2−ペンタノン、2−トリデカノン、3−ブテン−2−オン、3−メチル−2−シクロペンテノン、6−メチル−2−ヘプタノン、5−メチル−2−ヘプテン−4−オン、3−メチル−2−ヘキサノン、3−メチル−2−ペンタノン、α−メチルイオノン、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジオン、3−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタデカノン、6-メチル-3,5−ヘプタジエン−2−オン、6−メチル−5−ヘプテン−2−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオン、4−ノナノン、3−ノネン−2−オン、3,5−オクタジエン−2−オン、1,5−オクタジエン−3−オン、3−オクテン−2−オン、1−オクテン−3−オン、2−オクテン−4−オン、4−オキソイソホロン、2−ペンタデカノン、3−ペンタノン、3−ペンテン−2−オン、4−ヒドロキシヘキサン−3−オン、1−(1−p−メンテン−6−イル)−1−プロパノン、2−プロピオニルピロール、ラズベリーケトン、4−tert−ブチルシクロヘキサノン、4−tert−アミルシクロヘキサノン、2−テトラデカノン、テトラメチルエチルシクロヘキセノン、12−トリデセン−2−オン、3,5,5−トリメチル−1,2−シクロヘキサンジオン、1−(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)−trans−2−ブテン−1−オン、2−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、2,3−ウンデカンジオン、6−ヒドロキシ−5−デカノン、ベルベノン、1,10−ウンデセン−2−オン、2,2,6−トリメチル−1,4−シクロヘキサンジオン、2,3−オクタンジオン、2,5−ヘキサンジオン、2−シクロヘキセノン、2−ヘプテン−4−オン、2−ヘキシリデンシクロペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、3,5,5−トリメチル−4−メチレン−2−シクロヘキセノン、4−(2,3,6−トリメチルフェニル)−3−ブテン−2−オン、4,5−オクタンジオン、4,7−ジメチル−6−オクテン−3−オン、5,6−デカンジオン、5−メチル−5−ヘキセン−2−オン、6−メチル−4,5−ヘプタジエン−2−オン、6−ヒドロキシカルボン、7−オクテン−2−オン、8−ノネン−2−オン、3−エチル−2−ヒドロキシ−4−メチル−2−シクロペンテノン、2−ヘキシル−2−シクロペンテノン、8−ヒドロキシ−4−p−メンテン−3−オン、5−ノナノンなどが挙げられる。これらケトン系溶剤の中でも、一層優れた効果が発現可能なことから、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、イソホロンが好ましい。
前記アミド系溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アルコキシ−N−イソプロピル−プロピオンアミド、ヒドロキシアルキルアミドなどの脂肪族アミド系溶剤、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−ピロリドンなどの脂環族アミド系溶剤が挙げられる。これらアミド系溶剤の中でも、一層優れた効果が発現可能なことから、ジメチルホルムアミドが好ましい。
前記ハロゲン化アルキル系溶剤としては、フッ素系、塩素系、臭素系、ヨウ素系などの有機溶剤であり、これらの中でも、一層優れた効果が発現可能なことから、塩素系有機溶剤が好ましい。
前記塩素系有機溶剤としては、例えば、メチレンクロライド、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタンなどが挙げられ、好ましくは、メチレンクロライド、クロロホルムである。
前記芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)の中でも、特にケトン系溶剤が本発明の目的達成により有効に作用するので、より好ましい。
本発明の構成要件である前記芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)を用いずに、芳香族骨格を有する有機溶剤のみを用いた場合には、紫外線硬化性、耐黄変性、塗工面でのタックフリーなどの性能を充分に発現できず、本発明の目的を達成できない。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物において、前記ウレタンアクリレートオリゴマー(E)と芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)との混合割合は、使用目的や使用条件などにより適正な割合に調整すればよい。通常は、前記紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは前記(E)5.0〜99.8質量部の範囲、前記(F)0.2〜95.0質量部の範囲であり、より好ましくは前記(E)20.0〜99.8質量部の範囲、前記有機溶剤(F)0.2〜80.0質量部の範囲である。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物における前記ウレタンアクリレートオリゴマー(E)と芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)との混合割合がかかる範囲であれば、紫外線照射時に効率的且つ正常に硬化反応させることができ、硬化ムラを起こさずに、平坦で美麗な塗工が可能となる。
前記ウレタンアクリレートオリゴマー(E)と芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)との混合には、公知の方法を採用すればよく、特に限定しない。
一般に使用される芳香族構造を有する光重合開始剤は、芳香族構造の光吸収により分解しラジカルを発生し、分解した光重合開始剤は再結合して、その際、黄色度の高いキノイド構造になることが知られている。
本発明では、光重合開始剤は全く使用せずに、芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)を用いることにより、光重合開始剤を用いた場合と同様に紫外線硬化反応を迅速に進行させているものと思われる。その際、光重合開始剤を使用する従来の方法とは異なり、キノイド構造は生成しないので、塗工層や硬化物を黄変させることがなく、無黄変の薄膜成形体(フィルム、シートなど)や塗膜等を得ることができると推定している。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物が、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)に付加反応しなかった未反応の分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、付加反応の生成物である分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)との混合物の場合には、製造工程のいずれかの段階で、硬化剤として、芳香族骨格のない官能基を有する反応性化合物を配合することができる。
前記硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミンなどが挙げられる。
前記硬化剤として用いるポリオールの水酸基と、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物中のイソシアネート基との当量比、即ち〔NCO/OH当量比〕としては、好ましくは0.7〜20の範囲であり、より好ましくは0.7〜10.0の範囲であり、更に好ましくは0.9〜5.0の範囲であり、最も好ましくは0.9〜1.1である。前記〔NCO/OH当量比〕がかかる範囲であれば、硬化反応を効率的且つ良好に進行させることができる。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲内で芳香族骨格を有さないアクリルモノマーを使用できる。前記アクリルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのC1−24のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどの橋架け環式(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレート又はC2−10アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートなどのフルオロC1−10アルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;グリセリンモノ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールモノ(メタ)アクリレート;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;脂肪酸変性ペンタエリスリトールなどの酸変性アルカンポリオールのジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどの橋架け環式ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオール(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン、グリセリンなどのアルカンポリオールのC2−4アルキレンオキサイド付加体のトリ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどのトリアジン環を有するトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独使用でも2種類以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物には、上記した原料以外にも、各種添加剤を本発明の目的を逸脱しない範囲内で、製造工程の何れの段階においても用いることができる。
かかる添加剤としては、例えば、整泡剤、酸化防止剤、脱泡剤、砥粒、充填剤、顔料、染料、着色剤、増粘剤、界面活性剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、粘着付与剤、硬化触媒、安定剤、シランカップリング剤、ワックス等の公知のものが使用できる。また、必要に応じて、ブレンド用樹脂として、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜、選択して使用することができる。尚、前記添加剤はほんの一例であって、本発明の目的を阻害しない限り、特にその種類及び使用量を限定するものではない。
前記粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、水添テルペン系樹脂や、石油樹脂としてC5系の脂肪族樹脂、C9系の芳香族樹脂、およびC5系とC9系の共重合樹脂等を使用することができる。
前記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、トリオクチルホスフェート、エポキシ系可塑剤、トルエン−スルホアミド、クロロパラフィン、アジピン酸エステル、ヒマシ油等を使用することができる。メチルアシッドホスフェート(AP−1)、アクリル系表面調整剤(BYK−361N)などが挙げられる。
前記安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等を使用することができる。
前記充填材としては、例えば、ケイ酸誘導体、タルク、金属粉、炭酸カルシウム、クレー、カーボンブラック等を使用することができる。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物は、活性エネルギー線照射により硬化が可能であり、特に紫外線照射が好適に用いられるが、紫外線以外にも、電子線、X線、赤外線、可視光線などの活性エネルギー線照射による硬化も可能である。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を、紫外線照射で硬化させる場合には、例えば、水銀灯(低圧、高圧、超高圧等)、水素ランプ、重水素ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、蛍光灯、He−Cdレーザー等の種々の光源が使用でき、それらの中でも高圧水銀灯が好ましい。
<薄膜成形体>
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物は、光重合開始剤を一切含有しないにも拘わらず、活性エネルギー線照射、特に紫外線照射による速硬化性を有しており、且つ塗膜や硬化物の経時的な黄変や接触物に対する汚染がなく、優れた塗工性、成形性などの性能を有しているので、例えば薄膜成形体(例えばフィルムやシートなど)の他、繊維、塗装、固定剤、包装材料、研磨剤、道路舗装剤、電子電気材料など広範囲の分野に有用である。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物は、光重合開始剤を一切含有しないにも拘わらず、活性エネルギー線照射、特に紫外線照射による速硬化性を有しており、且つ塗膜や硬化物の経時的な黄変や接触物に対する汚染がなく、優れた塗工性、成形性などの性能を有しているので、例えば薄膜成形体(例えばフィルムやシートなど)の他、繊維、塗装、固定剤、包装材料、研磨剤、道路舗装剤、電子電気材料など広範囲の分野に有用である。
この内、薄膜成形体としては、例えば、導光フィルム(ライトガイドフィルム)、導光シート、導光繊維などの光学用部材が挙げられる。
尚、本発明では、日本国内で一般に呼称されている基準に従い、厚さが200μm以下のものを「フィルム」、厚さが200μmを超えるものを「シート」と定義する。
本発明の薄膜成形体は、本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を常法に従い成形して得ることができ、その膜厚は50〜800μmの範囲である。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を成形して得られる光学フィルムは、膜厚が50〜200μmの範囲であり、JIS K7361−1に準拠して測定した全光線透過率が92.0%以上であるので、光透過性に優れており、例えば、導光フィルム(ライトガイドフィルム)などに好適に使用できる。
<薄膜成形体の製造方法>
本発明の薄膜成形体の製造方法としては、例えば、本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を離型基材上に塗工して、紫外線照射し硬化させ、次いで、オーブン中で好ましくは80〜140℃の範囲で加熱して、前記芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)を揮発させるとともに熱硬化させることにより、好ましくは10〜1000μmの範囲、より好ましくは15〜800μmの範囲、更に好ましくは50〜800μmの範囲の薄い厚みの薄膜成形体(例えば、フィルム、シートなど)を得る方法などが挙げられる。
本発明の薄膜成形体の製造方法としては、例えば、本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を離型基材上に塗工して、紫外線照射し硬化させ、次いで、オーブン中で好ましくは80〜140℃の範囲で加熱して、前記芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)を揮発させるとともに熱硬化させることにより、好ましくは10〜1000μmの範囲、より好ましくは15〜800μmの範囲、更に好ましくは50〜800μmの範囲の薄い厚みの薄膜成形体(例えば、フィルム、シートなど)を得る方法などが挙げられる。
前記基材としては、例えば、金属(板、箔など)、プラスチック(板、シート、フィルムなど)、紙(離型紙など)、ガラス、陶器、木版(化粧版など)、セラミックなどが挙げられ、特に限定しない。
本発明の薄膜成形体の製造方法について一例を示すならば、下記に示す如き〔工程1〕〜〔工程2〕の一連の工程を含む製造方法を挙げることができる。
〔工程1〕紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物の調整
反応容器に溶融状態の芳香族骨格を有さないポリオール(A)を仕込み、攪拌を開始する。次いで、所定量の芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)を発熱に注意しながら仕込み、内温を所定温度に上昇させた後、該温度で所定時間攪拌し、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)を得る。
次いで、重合禁止剤と、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)を所定量加え、所定時間反応を継続した後、目的のウレタンアクリレートオリゴマー(E)を得る。
その際に加える前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)の所定量とは、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基総数の10〜50%に対して、付加反応し得る量である。
その後、芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)を加えて溶融粘度を調整して、本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を得る。
反応容器に溶融状態の芳香族骨格を有さないポリオール(A)を仕込み、攪拌を開始する。次いで、所定量の芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)を発熱に注意しながら仕込み、内温を所定温度に上昇させた後、該温度で所定時間攪拌し、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)を得る。
次いで、重合禁止剤と、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)を所定量加え、所定時間反応を継続した後、目的のウレタンアクリレートオリゴマー(E)を得る。
その際に加える前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)の所定量とは、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基総数の10〜50%に対して、付加反応し得る量である。
その後、芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)を加えて溶融粘度を調整して、本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を得る。
〔工程2〕薄膜成形体の製造
前記〔工程1〕で得た紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を離型処理の施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上へナイフコーターにより、目的とする薄膜成形体がフィルムの場合には200μm以下の厚さで塗工して、あるいは薄膜成形体がシートの場合には200μmを超える厚さで塗工する。次いで、窒素パージをしながら紫外線照射装置(例えば高圧水銀灯)で紫外線照射し紫外線硬化させる。
更に、通常60℃で所定時間加熱養生後、次いで好ましくは80〜140℃の範囲で加熱して前記有機溶剤(F)を揮発させるとともに熱硬化(ヒートキュアー)させて、本発明の薄膜成形体(例えば、フィルム、シートなどの硬化物)を得る。
前記〔工程1〕で得た紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を離型処理の施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上へナイフコーターにより、目的とする薄膜成形体がフィルムの場合には200μm以下の厚さで塗工して、あるいは薄膜成形体がシートの場合には200μmを超える厚さで塗工する。次いで、窒素パージをしながら紫外線照射装置(例えば高圧水銀灯)で紫外線照射し紫外線硬化させる。
更に、通常60℃で所定時間加熱養生後、次いで好ましくは80〜140℃の範囲で加熱して前記有機溶剤(F)を揮発させるとともに熱硬化(ヒートキュアー)させて、本発明の薄膜成形体(例えば、フィルム、シートなどの硬化物)を得る。
以下、本発明を実施例により、一層具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるものではない。
また、本発明では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」である。
尚、本発明で用いた測定方法及び評価方法は、以下の通りである。
また、本発明では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」である。
尚、本発明で用いた測定方法及び評価方法は、以下の通りである。
〔イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基当量の測定方法〕
本発明で用いるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基当量(単位:g/eq)は、JIS K 7301に従い測定した値である。
具体的には、得られたウレタンプレポリマーの試料を三角フラスコに精秤して、乾燥トルエンで溶解して、ジ−n−ブチルアミン溶液10mlを加えた後、均一にしてから静置し、0.5規定塩酸の標準溶液でブロムクレゾールグリーンを指示薬として用いて中和滴定にて定量した。
本発明で用いるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C)のイソシアネート基当量(単位:g/eq)は、JIS K 7301に従い測定した値である。
具体的には、得られたウレタンプレポリマーの試料を三角フラスコに精秤して、乾燥トルエンで溶解して、ジ−n−ブチルアミン溶液10mlを加えた後、均一にしてから静置し、0.5規定塩酸の標準溶液でブロムクレゾールグリーンを指示薬として用いて中和滴定にて定量した。
〔ウレタンアクリレートオリゴマー(E)の溶融粘度の測定方法〕
実施例及び比較例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー(E)の溶融粘度(測定温度:50℃、単位:mPa・s)は、JIS Z 8803に準拠してデジタル粘度計(東京計器株式会社製、型式:DVM−BII)を用いて測定した。
実施例及び比較例で得られたウレタンアクリレートオリゴマー(E)の溶融粘度(測定温度:50℃、単位:mPa・s)は、JIS Z 8803に準拠してデジタル粘度計(東京計器株式会社製、型式:DVM−BII)を用いて測定した。
〔初期黄色度の評価方法と判定基準〕
実施例及び比較例で得られたフィルム状硬化物の厚み方向のイエローインデックス(YI0)をJIS Z8722に準拠して多光源分光測色計(スガ試験機株式会社製)により測定し、下記の基準に従い評価した。
初期黄色度の判定基準
○:厚み方向のYI0が0.6以下の場合、初期黄色度に優れる。
×:厚み方向のYI0が0.6を超える場合、初期黄色度に劣る。
実施例及び比較例で得られたフィルム状硬化物の厚み方向のイエローインデックス(YI0)をJIS Z8722に準拠して多光源分光測色計(スガ試験機株式会社製)により測定し、下記の基準に従い評価した。
初期黄色度の判定基準
○:厚み方向のYI0が0.6以下の場合、初期黄色度に優れる。
×:厚み方向のYI0が0.6を超える場合、初期黄色度に劣る。
〔耐黄変性の評価方法と判定基準〕
前記で作成したフィルムを乾燥機中で120℃×200時間暴露し、暴露後の黄色度(イエローインデックス:YI1)をJIS Z8722に準拠して多光源分光測色計(スガ試験機株式会社製)により測定し、下記の基準に従い評価した。
耐黄変性の判定基準
○:厚み方向のYI1が2.0以下の場合、耐黄変性に優れる。
×:厚み方向のYI1が2.0を超える場合、耐黄変性に劣る。
前記で作成したフィルムを乾燥機中で120℃×200時間暴露し、暴露後の黄色度(イエローインデックス:YI1)をJIS Z8722に準拠して多光源分光測色計(スガ試験機株式会社製)により測定し、下記の基準に従い評価した。
耐黄変性の判定基準
○:厚み方向のYI1が2.0以下の場合、耐黄変性に優れる。
×:厚み方向のYI1が2.0を超える場合、耐黄変性に劣る。
〔透明性の評価方法と判定基準〕
前記で作成したフィルムの全光線透過率(%)を、日本電色工業株式会社製NDH−2000を使用し、JIS K7361−1に準拠して測定し下記の基準に従い評価した。
透明性の判定基準
○:全光線透過率が92.0%以上である場合、透明性に優れる。
×:全光線透過率が92.0%未満である場合、透明性に劣る。
前記で作成したフィルムの全光線透過率(%)を、日本電色工業株式会社製NDH−2000を使用し、JIS K7361−1に準拠して測定し下記の基準に従い評価した。
透明性の判定基準
○:全光線透過率が92.0%以上である場合、透明性に優れる。
×:全光線透過率が92.0%未満である場合、透明性に劣る。
〔表面性(塗膜のハジキ)の評価方法と判定基準〕
前記で作成したフィルム表面を指で触れて、ハジキ(凹凸や穴)の有無を評価する。
○:塗膜表面が平坦で綺麗あり、ハジキが発生していなかった。
×:塗膜表面に凸凹や穴があり、ハジキが発生していた。
前記で作成したフィルム表面を指で触れて、ハジキ(凹凸や穴)の有無を評価する。
○:塗膜表面が平坦で綺麗あり、ハジキが発生していなかった。
×:塗膜表面に凸凹や穴があり、ハジキが発生していた。
〔柔軟性の評価方法と判定基準〕
前記で作成したフィルムを180℃に曲げた後、元の状態に戻した時の外観(折り目の有無、亀裂、割れの発生)を評価する。
○:フィルム表面に折り目が残らず、亀裂、割れが発生していなかった。
×:フィルム表面に折り目が残っているか、亀裂、割れが発生していた。
前記で作成したフィルムを180℃に曲げた後、元の状態に戻した時の外観(折り目の有無、亀裂、割れの発生)を評価する。
○:フィルム表面に折り目が残らず、亀裂、割れが発生していなかった。
×:フィルム表面に折り目が残っているか、亀裂、割れが発生していた。
〔実施例1〕
反応容器に、芳香族骨格を有さないポリオール(A)として、50℃の溶融状態のポリオキシテトラメチレングリコール(商品名:PTMG−1000、三菱化学株式会社製、Mn=1000。)114質量部を仕込み、攪拌を開始した。
次いで、芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)として、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、「H12MDI」と略す。)を100質量部加え、発熱に注意しながら内温を85℃に上昇させた後、温度を保ちながら3時間攪拌し、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C1)を得た。
更に、重合禁止剤としてメトキノンを0.1質量部と、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)として2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、「HEA」と略す。)13質量部を加えて、85℃で2時間攪拌して、ウレタンアクリレートオリゴマー(E1)を合成した。
その後、芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)としてメチルエチルケトン(MEK)を23質量部加えて充分に撹拌し、本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物(X1)を得た。
前記紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物(X1)と硬化剤(1,4−ブタンジオール(BG)/トリメチロールプロパン(TMP)=6/4質量比の混合物。触媒:ジオクチル錫ジラウレート100ppm。)を[NCO/OH当量比]=1.05となるように加えて、2液混合した後、離型処理の施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上へナイフコーターにより塗工厚200μmになるように塗布して、120w/cmの高圧水銀灯1灯、窒素パージ装置を有する紫外線照射装置で照射距離15cm、ライン速度5.0m/min、窒素雰囲気下(酸素濃度1%)で紫外線を照射した。
更に、オーブン中で110℃×10分間加熱し、前記有機溶剤(F)であるMEKを揮発させるとともに熱硬化させ、本発明の薄膜成形体であるフィルム(Y1)を作製した。
評価結果を第1表に示したが、本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物(X1)を用いて得たフィルム(Y1)は、ハジキがなく、表面性、耐黄変性、柔軟性に優れていた。
反応容器に、芳香族骨格を有さないポリオール(A)として、50℃の溶融状態のポリオキシテトラメチレングリコール(商品名:PTMG−1000、三菱化学株式会社製、Mn=1000。)114質量部を仕込み、攪拌を開始した。
次いで、芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)として、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、「H12MDI」と略す。)を100質量部加え、発熱に注意しながら内温を85℃に上昇させた後、温度を保ちながら3時間攪拌し、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C1)を得た。
更に、重合禁止剤としてメトキノンを0.1質量部と、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)として2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、「HEA」と略す。)13質量部を加えて、85℃で2時間攪拌して、ウレタンアクリレートオリゴマー(E1)を合成した。
その後、芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)としてメチルエチルケトン(MEK)を23質量部加えて充分に撹拌し、本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物(X1)を得た。
前記紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物(X1)と硬化剤(1,4−ブタンジオール(BG)/トリメチロールプロパン(TMP)=6/4質量比の混合物。触媒:ジオクチル錫ジラウレート100ppm。)を[NCO/OH当量比]=1.05となるように加えて、2液混合した後、離型処理の施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上へナイフコーターにより塗工厚200μmになるように塗布して、120w/cmの高圧水銀灯1灯、窒素パージ装置を有する紫外線照射装置で照射距離15cm、ライン速度5.0m/min、窒素雰囲気下(酸素濃度1%)で紫外線を照射した。
更に、オーブン中で110℃×10分間加熱し、前記有機溶剤(F)であるMEKを揮発させるとともに熱硬化させ、本発明の薄膜成形体であるフィルム(Y1)を作製した。
評価結果を第1表に示したが、本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物(X1)を用いて得たフィルム(Y1)は、ハジキがなく、表面性、耐黄変性、柔軟性に優れていた。
〔実施例2〜6〕及び〔比較例1〜8〕
使用するウレタンプレポリマー(C)、有機溶剤(F)の種類、光重合開始剤の有無などを第1表及び第2表に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、それぞれ紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物(X2)〜(X14)を調整し、それらを用いてフィルム(Y2)〜(Y14)を作製した。評価結果を第1表及び第2表に記載した。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を用いて得たフィルム(Y2)〜(Y6)は、いずれもハジキがなく表面性、耐黄変性、柔軟性に優れていた。
しかしながら、比較例1〜4及び6の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を用いて得たフィルム(Y7)〜(Y10)及び(Y12)は、いずれかの性能に著しく劣っていた。
また、比較例5、7及び8では、いずれも正常なフィルムを作成することができなかった。
使用するウレタンプレポリマー(C)、有機溶剤(F)の種類、光重合開始剤の有無などを第1表及び第2表に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、それぞれ紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物(X2)〜(X14)を調整し、それらを用いてフィルム(Y2)〜(Y14)を作製した。評価結果を第1表及び第2表に記載した。
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を用いて得たフィルム(Y2)〜(Y6)は、いずれもハジキがなく表面性、耐黄変性、柔軟性に優れていた。
しかしながら、比較例1〜4及び6の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を用いて得たフィルム(Y7)〜(Y10)及び(Y12)は、いずれかの性能に著しく劣っていた。
また、比較例5、7及び8では、いずれも正常なフィルムを作成することができなかった。
尚、第1表及び第2表中の略号は、下記名称を意味する。
PTMG−1000:ポリオキシテトラメチレングリコール(商標:三菱化学株式会社製、数平均分子量1000)
PTMG−650 :ポリオキシテトラメチレングリコール(商標:三菱化学株式会社製、数平均分子量650のもの)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
H12MDI:4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
TDI:トリレンジイソシアネート
MEK:メチルエチルケトン
MIBK:メチルイソブチルケトン
AcBu:酢酸ブチル
Irgacure 184:イルガキュア 184(商標:長瀬産業株式会社製、ラジカル系光重合開始剤、化学名:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン)
BG:1,4−ブタンジオール
TMP:トリメチロールプロパン
PTMG−1000:ポリオキシテトラメチレングリコール(商標:三菱化学株式会社製、数平均分子量1000)
PTMG−650 :ポリオキシテトラメチレングリコール(商標:三菱化学株式会社製、数平均分子量650のもの)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
H12MDI:4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
TDI:トリレンジイソシアネート
MEK:メチルエチルケトン
MIBK:メチルイソブチルケトン
AcBu:酢酸ブチル
Irgacure 184:イルガキュア 184(商標:長瀬産業株式会社製、ラジカル系光重合開始剤、化学名:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン)
BG:1,4−ブタンジオール
TMP:トリメチロールプロパン
本発明の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物は、従来と異なり光重合開始剤を含有しなくても、優れた光硬化性を発現でき、且つ優れた表面性(塗工時に塗膜にハジキがない)、耐黄変性、及び適度な柔軟性を発現できるので、例えば、薄膜成形体(例えば光学用フィルム、光学用シートなど)、繊維、コーティング材料、電子電機材料、食品パッケージなど広範囲の用途に有用である。
Claims (9)
- 芳香族骨格を有さないポリオール(A)と芳香族骨格を有さないポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C)中のイソシアネート基総数の10〜50%を、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)により付加反応させて得られる分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)と、芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)として、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、及びハロゲン化アルキル系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有し、且つ、光重合開始剤を含有しないことを特徴とする紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物。
- 前記紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物100質量部中に、前記分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)20.0〜99.8質量部と、前記芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)0.2〜80.0質量部を含有する請求項1記載の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物。
- 前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(D)が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1記載の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物。
- 前記分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー(E)のJIS Z 8803に準拠し測定した50℃での溶融粘度が500〜100000mPa・sの範囲である請求項1記載の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物。
- 前記芳香族骨格を有さない有機溶剤(F)が、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、イソホロン、ジメチルホルムアミド、メチレンクロライド、及びクロロホルムからなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1記載の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を成形して得られ、且つ、膜厚50〜800μmの範囲であることを特徴とする薄膜成形体。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を成形して得られる膜厚50〜200μmの範囲のフィルムであり、且つ、JIS K7361−1に準拠して測定した全光線透過率が92.0%以上であることを特徴とする光学フィルム。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂組成物を基材上に塗工し、紫外線を照射後、次いで80〜140℃の範囲で加熱して熱硬化させることを特徴とする薄膜成形体の製造方法。
- 前記薄膜成形体が、膜厚が50〜200μmのフィルム、又は膜厚が200μmを超えて800μm以下のシートである請求項8記載の薄膜成形体の製造方法。
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