JP2019071813A - 容器詰緑茶飲料及びその製造方法並びに容器詰緑茶飲料の光劣化臭の発生抑制方法 - Google Patents

容器詰緑茶飲料及びその製造方法並びに容器詰緑茶飲料の光劣化臭の発生抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光線、その中でもLED(発光ダイオード)を光源とする光線に暴露されても、光劣化臭の発生を抑制することができる、新たな青さを有する容器詰緑茶飲料の製造方法を提供する。【解決手段】青さを有する緑茶抽出液を容器に充填してなる容器詰緑茶飲料の製造方法であって、容器詰緑茶飲料の糖類濃度が170ppm〜400ppmとなるように緑茶抽出液を調整し(緑茶抽出液調整工程)、遮光部と光透過散乱部とを有する容器であって、該光透過散乱部のヘーズ値が30以下であり且つ全光線透過率が80%以上であって、該光透過散乱部の波長610〜700nmの透過率を70〜80%に調整する容器を選択し(容器選択工程)、 緑茶抽出液調整工程により得られた緑茶抽出液を、前記容器選択工程で選択した容器に充填する(充填工程)ことを特徴とする、容器詰緑茶飲料の製造方法を提案する。【選択図】なし

Description

本発明は、青さを有する緑茶抽出液を容器に充填してなる容器詰緑茶飲料(「青さを有する容器詰緑茶飲料」とも称する)及びその製造方法、並びに、青さを有する容器詰緑茶飲料の光劣化臭の発生抑制方法に関する。
近年、緑茶を急須で出して飲用するという従来の緑茶の飲用形態とは異なり、緑茶抽出液を容器詰めしてすぐに飲用できる形態のいわゆる容器詰緑茶飲料が広く普及している。この種の容器詰緑茶飲料に関しては、例えば特許文献1〜3などの提案がなされている。
容器詰緑茶飲料は、もともと冷蔵保存したものをそのまま飲用することを想定したものであり、止渇を目的とするものであったため、特に夏場の暑い時期には好評を得てきた。しかし、加温販売用の容器詰緑茶飲料が登場することにより、特に冬場における飲用も盛んになってきた。加温販売用の容器詰緑茶飲料は、緑茶飲料を少量ずつ味わって飲むことが多いため、夏場の需要とは異なり止渇を目的とするというよりは、嗜好を目的とする飲用スタイルの普及に寄与してきた。
このような嗜好を目的とする飲用スタイルは、消費者の間で徐々に広まり、加温販売用の容器詰緑茶飲料にとどまらず、冷蔵保存した容器詰緑茶飲料にも普及するようになった。この典型的な飲用スタイルの例として、冷蔵保存した容器詰緑茶飲料を勉強や仕事等の作業をしながら、相当程度の時間をかけて飲用するスタイル(所謂“ちびダラ飲み”)を挙げることができる。かかる飲用スタイルは、コーヒー飲料や紅茶飲料等では従来から見受けられたものであったが、止渇を本来的な目的とする容器詰緑茶飲料では、これまでにない新たな飲用スタイルであるといってよい。
このようなちびダラ飲みが、止渇を本来的な目的とする容器詰緑茶飲料について普及するにつれて、消費者の一部からは、容器詰緑茶飲料についてもコーヒー飲料や紅茶飲料と同様の飲用目的、すなわち嗜好性を備えることが求められるようになってきた。容器詰緑茶飲料に対するこのような消費者嗜好の変化は、近年に見られる個食化と相俟って顕著に見受けられ、消費者個々に異なる多種多様な嗜好性が見られるようになってきている。このような状況下、特定の消費者嗜好を標的とした容器詰緑茶飲料の開発も盛んになりつつある。
ところで、嗜好性を有するかかる容器詰緑茶飲料(嗜好性志向の容器詰緑茶飲料)の中でも、容器詰緑茶飲料に対して緑茶本来が有する「青さ」を求める消費者ニーズが近年見受けられる。
ここでいう緑茶本来が有する「青さ」とは、緑茶に過剰な火入れをすることなく緑茶本来が有する味覚的及び嗅覚的な「青さ」に加えて、緑茶葉がその色彩として有する「青さ」を意味している。
青さを有する容器詰緑茶飲料は、従来型の火入れが強い緑茶を嗜好する消費者にとってやや「生っぽい」又は「青臭い」と評されることもあり、その水色についても比較的「青い」と認識されることがある。
このような青さを有する容器詰緑茶飲料は、様々な態様でもって調製することができる。例えば、原料茶葉を加工するにあたって行われる火入れの程度を通常行われる程度と比較して弱くした原料茶葉を一定割合以上に用いて調製した緑茶抽出液を用いる方法や、原料茶葉を加工するにあたって行われる火入れの程度は通常程度であるものの、これにより得られた緑茶抽出液に対して前述のような原料茶葉を所定割合で添加することにより調製する方法や、これら複数の方法を適宜選択して組み合わせる方法を挙げることができる。
特開2011−155877号公報 特許第4843118号公報 特許第4843119号公報
容器詰緑茶飲料には、一定程度の期間保存してもその品質が低下しないことが求められる。しかし、青さを有する容器詰緑茶飲料は、従来の容器詰緑茶飲料に比べて、消費者から求められる嗜好性、すなわち味覚的及び嗅覚的な「青さ」や、水色における「青さ」を一定程度の期間維持することは困難であった。
特に、青さを有する容器詰緑茶飲料は、光線、中でも赤色光〜赤外線の波長領域の光線、その中でもLED(発光ダイオード)を光源とする光線に長時間暴露されると、光劣化して光劣化臭が生じることが分かってきた。
そこで本発明の解決課題は、青さを有する容器詰緑茶飲料に由来する課題、中でも光線、例えばLED(発光ダイオード)を光源とする光線に暴露された場合に、光劣化臭を発生する課題を解決することにある。
本発明は、青さを有する緑茶抽出液を容器に充填してなる容器詰緑茶飲料の製造方法であって、緑茶抽出液の糖類濃度を170ppm〜400ppmに調整し(この工程を「緑茶抽出液調整工程」と称する)、遮光部と光透過散乱部とを有する容器であって、該光透過散乱部のヘーズ値が30以下であり且つ全光線透過率が80%以上であって、該光透過散乱部の波長610〜700nmの透過率が70〜80%である容器を選択し(この工程を「容器選択工程」と称する)、前記緑茶抽出液調整工程により得られた緑茶抽出液を、前記容器選択工程で選択した容器に充填することを特徴とする、容器詰緑茶飲料の製造方法を提案する。
本発明はまた、青さを有する緑茶抽出液を容器に充填してなる容器詰緑茶飲料であって、緑茶抽出液の糖類濃度が170ppm〜400ppmであり、緑茶抽出液が充填された容器が、遮光部と光透過散乱部とを有する容器であって、該光透過散乱部のヘーズ値が30以下であり且つ全光線透過率が80%以上であって、該光透過散乱部の波長610〜700nmの透過率が70〜80%であることを特徴とする、容器詰緑茶飲料を提案する。
本発明が提案する容器詰緑茶飲料及びその製造方法によれば、青さを有する容器詰緑茶飲料に由来する問題、すなわち、光線、その中でもLED(発光ダイオード)を光源とする光線に暴露された際に光劣化臭を発生するという課題を解決することができる。
以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。但し、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
[本容器詰緑茶飲料の製造方法]
本発明の実施形態の一例に係る容器詰緑茶飲料の製造方法(「本容器詰緑茶飲料の製造方法」と称する)は、少なくとも、(1)緑茶抽出液の糖類濃度を所定範囲に調整して緑茶抽出液(「本緑茶抽出液」とも称する)すなわち緑茶飲料液を得(この工程を「緑茶抽出液調整工程」と称する)、(2)所定範囲のヘーズ値、所定範囲の全光線透過率及び波長610〜700nmの透過率が所定範囲である光透過散乱部と遮光部とを有する容器(「本容器」とも称する)を選択し(この工程を「容器選択工程」と称する)、(3)緑茶抽出液調整工程により得られた本緑茶抽出液を該容器に充填する(この工程を「充填工程」と称する)ことを特徴とする製造方法である。
本容器詰緑茶飲料の製造方法は、少なくとも(1)緑茶抽出液調整工程,(2)容器選択工程及び(3)充填工程の3工程を備えるものであればよい。
(3)充填工程は、その性質上、(1)緑茶抽出液調整工程及び(2)容器選択工程に後続して行われる工程である。他方、(1)緑茶抽出液調整工程と(2)容器選択工程は、いずれの工程が先行するものであってもよいし、(1)緑茶抽出液調整工程と(2)容器選択工程の各工程の一部又は全部が同時に行われるものであってもよい。
<緑茶抽出液調整工程>
緑茶抽出液調整工程では、緑茶葉から抽出して得られる緑茶抽出液の糖類濃度を170ppm〜400ppmに調整し、青さを有する本緑茶抽出液すなわち青さを有する緑茶飲料液を得るのが好ましい。
本発明において「青さを有する緑茶抽出液」とは、「青さを有する緑茶葉」を用いて得られる緑茶抽出液を意味し、青さを有する緑茶抽出液を容器に充填したものを「青さを有する容器詰緑茶飲料」という。
(緑茶葉)
上記緑茶葉は、青さを有する緑茶葉であるのが好ましい。
ここで、「青さを有する緑茶葉」とは、所謂「青製煎茶」すなわち荒茶加工を経て得られた茶葉の加工茶葉であり、且つ緑茶葉を摘採後12時間以内に荒茶加工処理したものであって、緑茶葉を火入する場合に茶葉温度が100℃を超えないよう調整した緑茶葉である。
上記緑茶葉は、茶葉の本茶すなわち茎、浮葉、粉といった出物を除いた主体となる部分を黒色の審査盆上で目視観察した際、本茶の色相区分が25〜45の範囲内にある緑茶葉であることが好ましく、マンセル明度が2〜3であることがより好ましい。さらにマンセル彩度が1〜2の範囲内にあることが特に好ましい。
なお、色相区分、マンセル彩度およびマンセル明度は、社団法人日本塗料工業会「2017年J版塗料用標準色 色見本帳」に基づき、緑茶葉と色見本との色比較を「JIS Z 8723:2000(表面色の視覚比較方法)11(色比較の手順)」により判定することができる。
上記緑茶葉は、その種類が特に制限されるものではない。例えば煎茶、玉露、抹茶、玉緑茶など、不発酵茶に分類される茶を包含し、これら2種類以上をブレンドしたものも包含する。
(荒茶加工及び火入れ加工)
上記緑茶葉は、水蒸気熱等を茶生葉に加え茶生葉に含まれる酸化酵素を不活性化(殺青)させた後、必要に応じて粗揉、揉捻、中揉及び精揉等によって揉込み、乾燥させる一連の荒茶加工を施し、さらに火入れ加工を施すのが通常である。
火入れ加工は、例えば回転ドラム型火入機など使用して、茶葉温度が100℃を超えないように設定し、上述のように色相区分が25〜45の範囲内になるように行うのが好ましい。
(緑茶抽出液の製造)
上述のように荒茶加工および火入れ加工を施した緑茶葉を、5〜95℃の水で1〜30分間抽出し、抽出液を冷却した後、必要に応じて濾過を行い、さらに必要に応じてビタミンCやpH調整剤などの添加剤を添加して、緑茶抽出液を得るようにすればよい。
(糖類濃度の調整)
緑茶抽出液調整工程では、緑茶抽出液の糖類濃度を170ppm〜400ppmに調整して本容器詰緑茶飲料の糖類濃度を170ppm〜400ppmとすることが好ましく、中でも200ppm以上或いは380ppm以下、その中でも220ppm以上或いは360ppm以下に調整するのがさらに好ましい。
緑茶抽出液の糖類濃度を上記範囲に調整することで、光劣化臭の発生を抑制し、且つ特徴である青さを損なわないなどの効果を得ることができる。
また、緑茶抽出液調整工程では、緑茶抽出液の茶葉由来可溶性固形分量に対する二糖量の割合(w/w%)を4.80〜9.00%に調整して、本容器詰緑茶飲料の茶葉由来可溶性固形分量に対する二糖量の割合(w/w%)を4.80〜9.00%とすることが好ましく、中でも5.00%以上或いは6.50%以下、その中でも5.20%以上或いは6.00%以下に調整するのがさらに好ましい。
ここで、「糖類」とは、単糖と二糖とを合わせた糖類の濃度をいう。
「単糖」とは、一般式C(HO)で表される炭水化物であり、加水分解によりそれ以上簡単な糖にならないものである。本発明でいう単糖は、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)を示すものである。
また、「二糖」とは、一般式C12(HO)11で表される炭水化物であり、加水分解により単糖を生じるものであり、本発明でいう二糖は、スクロース(蔗糖)、セロビオース、マルトース(麦芽糖)を示すものである。
緑茶抽出液調整工程において糖類濃度の調整を図る方法としては、例えば緑茶葉の種類、乾燥(火入)加工などを調整して緑茶抽出液の糖類濃度の調整を行ってもよいし、また、2種類以上の緑茶抽出液を混合して緑茶抽出液の糖類濃度の調整を行ってもよい。また、緑茶抽出液に適宜成分を添加して糖類濃度の調整を行ってもよい。
より具体的には、緑茶抽出液の糖類濃度は、特許第4843118号公報や特許第4843119号公報などに記載されるような公知の方法で調整することができる。例えば、茶葉の乾燥(火入)加工を適宜条件にして調整することができる。茶葉の乾燥(火入)加工を強くすると糖類は分解されて減少する。しかるに、茶葉の乾燥(火入)条件により、糖類濃度を調整することができる。また、糖類を添加して調整することも可能である。緑茶飲料本来の香味バランスが崩れるおそれがあるため、糖を添加することなく、茶抽出液を得るための条件を調整する他、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
(グリセロ糖脂質量の調整)
緑茶抽出液調整工程では、上記緑茶抽出液のグリセロ糖脂質量を0.3〜20.0ppmとなるように調整して本容器詰緑茶飲料のグリセロ糖脂質量を0.3〜20.0ppmとすることが好ましく、中でも0.5ppm以上或いは18.0ppm以下、その中でも1.0ppm以上或いは15.0ppm以下に調整することがさらに好ましい。
緑茶抽出液のグリセロ糖脂質量を上記範囲に調整することで、光劣化臭の発生を抑制することができ、さらには緑茶の青みを適度に感じるようにすることができる。
なお、上記「グリセロ糖脂質」とは、1〜3個の単糖類で構成される糖鎖がジアシルグリセロールにエステル結合した糖脂質をいう。
グリセロ糖脂質に含まれる糖鎖を構成する単糖類としては、ガラクトース、グルコース、マンノース、フラクトース、キシロース、アラビノース、フコース、キノボース、ラムノース、スルフォキノボース(Sulfoquinovose)等を挙げることができ、アシル基は、飽和又は不飽和の炭素数6〜24個の直鎖、又は分岐鎖状の脂肪酸残基を挙げることができる。具体的にはリノレン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などを挙げることができる。
グリセロ糖脂質には、少なくともモノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)、及びジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)が含まれる。飲料中において、グリセロ糖脂質は、コロイド分散系として存在していると考えることができる。
緑茶抽出液のグリセロ糖脂質量を上記範囲に調整するには、茶葉の種類や抽出方法等の公知の技術(例:特開2017−74014)を挙げることができる。また、2種類以上の緑茶抽出液を混合して緑茶抽出液のグリセロ糖脂質量の調整を行ってもよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(茶葉由来粒子の調整)
緑茶抽出液調整工程では、上記緑茶抽出液の茶葉由来粒子の平均粒子径を1.0μm〜20.0μmに調整して本容器詰緑茶飲料の茶葉由来粒子の平均粒子径を1.0μm〜20.0μmとすることが好ましく、中でも茶葉由来粒子の平均粒子径を15.0μm以下、その中でも10.0μm以下に調整することがさらに好ましい。
緑茶抽出液中の茶葉由来粒子の平均粒子径を上記範囲に調整することで、特徴である青さを有しながら、光劣化臭の発生をさらに抑制することができるなどの効果を得ることができる。
ここで、「茶葉由来粒子」とは、茶葉を抽出した際に溶出される微細粒子や微細な茶葉をいう。また粉砕茶葉を添加した際には粉砕茶葉も含むものである。
緑茶抽出液中の茶葉由来粒子の平均粒子径を上記範囲に調整するには、原料に乾燥(火入)加工を施すことや、抽出液を濾過することなどにより調整することができる。また、2種類以上の緑茶抽出液を混合して緑茶抽出液中の茶葉由来粒子の平均粒子径の調整を行ってもよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
濾過の手段としては、例えば限外濾過、微細濾過、精密濾過、逆浸透膜濾過、電気透析、生物機能性膜などの膜濾過、多孔質媒体を用いた濾滓濾過などを挙げることができる。中でも、生産性と粒子径調整の観点から、シリカ分を多く含んだ濾剤又は珪藻土などの多孔質媒体のどちらか一方又は両方を用いた濾滓濾過によって調整することが好ましい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(2,5−ジメチルピラジン/Z−3−ヘキセノールの調整)
緑茶抽出液調整工程では、上記緑茶抽出液のZ−3−ヘキセノール濃度(ppb)に対する2,5−ジメチルピラジン濃度(ppb)の比率(2,5−ジメチルピラジン/Z−3−ヘキセノール)を13以下に調整して本容器詰緑茶飲料の2,5−ジメチルピラジン/Z−3−ヘキセノールを13以下とするのが好ましく、中でも10以下、その中でも7以下に調整することがさらに好ましい。
このように調整すれば、光劣化臭の発生を抑制することができ、さらには緑茶の青みを適度に感じるようにすることができる。
上記緑茶抽出液における2,5−ジメチルピラジン/Z−3−ヘキセノールを調整するには、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出条件を適宜変更することにより調整するのが好ましく、特に緑茶抽出液調整工程で調整することが好ましい。また、2種類以上の緑茶抽出液を混合して緑茶抽出液の2,5−ジメチルピラジン/Z−3−ヘキセノールの調整を行ってもよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(総カテキン類濃度の調整)
緑茶抽出液調整工程では、上記緑茶抽出液の総カテキン類濃度を250ppm〜600ppmに調整して本容器詰緑茶飲料の総カテキン類濃度を250ppm〜600ppmとすることが好ましく、中でも300ppm以上或いは550ppm以下、その中でも300ppm以上或いは500ppm以下に調整することがさらに好ましい。
緑茶抽出液の総カテキン類濃度を上記範囲に調整することで、上記本件課題を解決した上で、更に緑茶の渋味を適度に感じるようにすることができる。
ここで、「総カテキン類濃度」とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種の意味であり、総カテキン類とは8種類のカテキン濃度の合計値を意味する。
緑茶抽出液の総カテキン類濃度を上記範囲に調整するには、抽出条件を適宜調整するようにすればよい。この際、カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(電子局在カテキン濃度の調整)
緑茶抽出液調整工程では、容器詰緑茶飲料の電子局在カテキン濃度が225ppm〜540ppmとなるように緑茶抽出液を調整することが好ましく、中でも270ppm以上或いは495ppm以下、その中でも270ppm以上或いは450ppm以下に調整することがさらに好ましい。
緑茶抽出液の電子局在カテキン濃度を上記範囲に調整することで、上記本件課題を解決した上で、更に緑茶の渋味を適度に感じるようにすることができる。
なお、緑茶抽出液の電子局在カテキン濃度以外の上記各種成分量は、緑茶抽出液の成分割合が本容器詰緑茶飲料においても維持される一方、緑茶抽出液の電子局在カテキン濃度は、殺菌工程を経ることで変動することになる。よって、電子局在カテキン濃度に関しては、殺菌工程での変動割合を考慮して緑茶抽出液の電子局在カテキン濃度を調整するのが好ましい。
ここで、「電子局在カテキン濃度」とは、トリオール構造(ベンゼン環にOH基が3基隣り合う構造)を有し、イオン化したときに電荷の局在が起こりやすいと考えられるカテキンであり、具体的には、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)、ガロカテキンガレート(GCg)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)が該当する。
緑茶抽出液の電子局在カテキン濃度を上記範囲に調整するには、抽出条件を適宜調整すればよい。但し、抽出時間や温度で変化しやすいため、温度が高すぎたり、抽出時間が長すぎたりするのは、飲料の香気保持の面からも好ましくない。この際、電子局在カテキンを添加して調整することも可能である。また、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための抽出条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整することが好ましい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(カフェイン濃度の調整)
緑茶抽出液調整工程では、上記緑茶抽出液のカフェイン濃度を100ppm〜220ppmに調整して本容器詰緑茶飲料のカフェイン濃度を100ppm〜220ppmとすることが好ましく、中でも110ppm以上或いは210ppm以下、その中でも120ppm以上或いは200ppm以下に調整することがさらに好ましい。
緑茶抽出液のカフェイン濃度を上記範囲調整することで、上記本件課題を解決した上で、更に緑茶の苦味を適度に感じるようにすることができる。
緑茶抽出液のカフェイン濃度を上記範囲に調整するには、茶葉に熱湯を吹き付けたり、茶葉を熱湯に浸漬させたりして茶葉中のカフェインを溶出させ、その茶葉を用いて茶抽出液を作製し、これら茶抽出液どうしを混合して調整すればよい。また、抽出液に活性炭や白土等の吸着剤を作用させてカフェインを吸着除去してもよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(可溶性固形分濃度の調整)
緑茶抽出液調整工程では、上記緑茶抽出液の茶葉由来の可溶性固形分の濃度を0.25%〜0.50%に調整して本容器詰緑茶飲料の当該可溶性固形分の濃度を0.25%〜0.50%とすることが好ましく、中でも0.25%以上或いは0.47%以下、その中でも0.25%以上或いは0.45%以下に調整することがさらに好ましい。
ここで、「茶葉由来の可溶性固形分」とは、緑茶から抽出して得られた可溶性固形分をショ糖換算したときの値をいう。
緑茶抽出液の茶葉由来の可溶性固形を上記範囲に調整することで、上記本件課題を解決した上で、更に緑茶の濃度を適度に感じるようにすることができる。
緑茶抽出液の茶葉由来の可溶性固形を上記範囲に調整するには、抽出条件で調整する方法などを挙げることができる。また、2種類以上の緑茶抽出液を混合して緑茶抽出液の茶葉由来の可溶性固形の調整を行ってもよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(pHの調整)
緑茶抽出液調整工程では、上記緑茶抽出液のpHを、20℃で6.0〜6.5に調整して本容器詰緑茶飲料の当該pHを6.0〜6.5とすることが好ましく、中でも6.4以下、その中でも6.1以上或いは6.3以下に調整するのがさらに好ましい。
緑茶抽出液のpHを上記範囲に調整することで、上記本件課題を解決した上で、更に緑茶の香りを良好とすることができる。
緑茶抽出液のpHを上記範囲に調整するには、ビタミンCや重曹等を添加する方法などを挙げることができる。また、2種類以上の緑茶抽出液を混合して緑茶抽出液のpHの調整を行ってもよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
なお、上記した単糖、二糖、カテキン類、電子局在カテキン類、カフェインの濃度は、高速液体クロマトグラム(HPLC)などを用い、検量線法などによって測定することができる。
<容器選択工程>
容器選択工程では、本容器詰緑茶飲料の製造方法に好適な本容器、言い換えれば「青さを有する容器詰緑茶飲料」に好適な本容器を選択する工程であり、具体的には、上述のように、所定範囲のヘーズ値、所定範囲の全光線透過率及び波長610〜700nm(代表値としての660nm)の透過率が所定範囲である光透過散乱部と、光透過部と、遮光部とを有する容器を選択する工程である。
ここで、本容器における「遮光部」とは、光を遮る部分であり、不透明な部分や特定波長の透過率を低減する部分を意味する。具体的には全光線透過率が80%未満であって、波長610〜700nm(代表値としての660nm)での透過率が70%未満の部分である。
他方、「光透過部」とは、光を透過し、容器内部が視認可能な部分を意味し、ヘーズ値が30以下であり、全光線透過率が80%以上の部分であって、波長610〜700nm(代表値としての660nm)での透過率が80%以上の部分である。
「光透過散乱部」とは、光を透過し容器内部が照射されることにより内容物が視認可能となる部分であって、更に所定範囲の波長のみを遮光する部位を意味し、具体的には、ヘーズ値が30以下であり、全光線透過率が80%以上であって、波長610〜700nm(代表値としての660nm)での透過率が70%〜80%の部分である。
上述したとおり、「青さを有する容器詰緑茶飲料」は、例えば、原料茶葉の荒茶加工において行われる火入れの程度を通常行われる程度と比較して弱くした原料茶葉を一定割合以上に用いて調製して得る方法や、原料茶葉の荒茶加工するにおいて行われる火入れの程度を通常程度とし、且つこれにより得られた緑茶抽出液に対して前述のような原料茶葉を所定割合で添加することにより調製する方法や、これら複数の方法を適宜選択して組み合わせて得ることができる。このようにして得た「青さを有する容器詰緑茶飲料」は、経時的な光による劣化により、味や香りや水色などが傷みやすい傾向にある。よって、「青さを有する容器詰緑茶飲料」を長期間保存した際の品質維持のために容器選択工程は特に重要である。
(本容器)
容器選択工程で選択する本容器は次のような容器であるのが好ましい。
すなわち、本容器は、所定範囲のヘーズ値、所定範囲の全光線透過率及び波長610〜700nm(代表値としての660nm)での透過率が所定範囲である光透過散乱部と、光透過部と、遮光部とを有する容器であるのが好ましい。
上記光透過散乱部は、ヘーズ値が30以下であるのが好ましく、中でも10以上、中でも13以上であるのがさらに好ましい。
また、上記光透過散乱部は、全光線透過率が80%以上であるのが好ましく、中でも85%以上或いは95%以下であるのがさらに好ましい。
本容器の光透過散乱部が上記範囲のヘーズ値及び全光線透過率を有していれば、容器内部の緑茶飲料の水色を確認できる一方、緑茶飲料の光劣化を抑えることができる。
なお、上記「ヘーズ値」とは、曇り度合のことで、ガラス、プラスチックや液体の透明の程度を表す数値であり、「全光線透過率」とは、物体を透過する光線の内、平行成分と拡散成分全てを含めた光線の透過率である。
また、上記光透過散乱部の波長610〜700nm(代表値としての660nm)での透過率が70〜80%であるのが好ましく、中でも77%以下、その中でも75%以下であるのがさらに好ましい。
本容器の光透過散乱部が、波長610〜700nm(代表値としての660nm)での透過率が上記範囲であれば、容器内部の緑茶飲料の水色を確認できる一方、緑茶飲料の光劣化、中でもLEDを光源とする光による光劣化をより抑えることができる。
本容器の光透過散乱部が、上記特性を有するように形成する手段としては、例えば凸部若しくは凸条部が連続して並設するように形成し、外部からの光線を散乱させることができるようにする手段を挙げることができる。例えば断面にみて九十九折状に形成する手段を挙げることができる。但し、この方法に限定するものではない。
上記凸部は、四角錐状、円錐状などが周囲に連続して並設するのが好ましい。また、上記凸条部は、容器上部から底面に向かう方向に長尺な凸条部を周囲方向に連続して並設するようにしてもよいし、また、容器上部から底面に向かう方向に対して斜め方向に長尺な凸条部を周囲方向に連続して並設するようにしてもよいし、また、周囲方向に長尺な凸条部を、容器上部から底面に向かう方向に連続して並設するようにしてもよい。
上記凸部若しくは凸条部は、5〜30°、中でも10°以上或いは30°以下、その中でも15°以上或いは25°以下の斜角を有するものが好ましい。
また、上記凸部若しくは凸条部は、各頂部の角度が120〜170°、中でも160°以下、その中でも130°以上或いは150°以下の頂部の角度を有するものが好ましい。上記凸部若しくは凸条部の斜角および頂部の角度が上記範囲であれば、光透過散乱部のヘーズ値、全光線透過率、波長610〜700nmの透過率を上記範囲に調整することができ、上記本件課題を解決した上で更に緑茶の水色の青さの視認性を向上させることができる。
さらにまた、上記凸部若しくは凸条部のピッチ(隣接する頂部間距離)は、上記効果を光透過散乱部において均等に得る観点から、0.5〜4.0mmであるのが好ましく、中でも3.5mm以下、その中でも1.0mm以上或いは3.0mm以下であるのがさらに好ましい。
本容器において、太陽光や室内光の入射方向を考慮して、容器本体の上側部分、特に容器本体の胴部の上側部、胴部の上端部が窄まってなる肩部、肩部の上端に連続するキャップ締結部など、中でも太陽光や室内光が容器内に入射し易い部分として、胴部の上端部が窄まってなる肩部を光透過散乱部として形成するのが好ましい。
なお、肩部の上端に連続するキャップ締結部は、光透過散乱部でも遮光部でもない、通常のようにすればよい。
本容器の遮光部は、全光線透過率が80%未満であり、且つ波長610〜700nm(代表値としての660nm)での透過率は70%未満であるのが好ましい。
当該遮光部は、例えばポリエチレンテレフタレートやポリスチレン樹脂等からなるラベルに、不透明に印刷を施した色付きラベルを、容器本体、例えば容器本体の胴部に被覆することで形成することができる。
この際、遮光部を形成する色付きラベルは、全光線透過率が平均して80%未満、中でも70%以下、中でも50%以下であるのが好ましい。
なお、「全光線透過率が平均して80%未満であるのが好ましい」とは、当該色付きラベルの一部が透明であったり、色薄くなったりして全光線透過率が高い部分があったとしても、色付きラベルの総面積で均した平均値としての全光線透過率は80%未満であるのが好ましいという意味である。
本容器の光透過部は、従来の透明なプラスチック製ボトルの通常の周面部に相当する部分であり、透明性を有する観点から、全光線透過率が80%以上であり、且つ波長610〜700nm(代表値としての660nm)での透過率が80%以上であるのが好ましい。
上記光透過部は、具体的にはヘーズ値が10以下、中でも9以下、その中でも8以下であって、波長610〜700nm(代表値としての660nm)での透過率が80%以上、中でも83%以上、その中でも85%以上であるのがさらに好ましい。
上記光透過部は、容器本体の周囲面積の20%以下であることが好ましく、中でも15%以下、その中でも10%以下であるのが好ましい。
また、本容器の光透過部は、容器本体の底部の下端部から上方部分、特に底部から胴部の途中部分を光透過部とするのが好ましい。
なお、本発明において、上記色付きラベルの一部分が透明であったり、全光線透過率が80%以上である部位については光透過部に含まれる。
本容器の遮光部は、容器本体の周囲面積の75〜95%を占めるのが好ましく、中でも75%以上或いは90%以下、その中でも75%以上或いは85%以下を占めるのが好ましい。
また、本容器の遮光部は、容器本体の胴部の上端部から下方部分、特に肩部の途中部分から下方部分を遮光部とするのが好ましい。
なお、容器本体の胴部における底面から40mm以下、中でも30mm以下、その中でも25mm以下の部分は、光線の影響を受けにくいため遮光部としなくてもよい。但し、遮光部としてもよい。
本容器の好ましい一例として、底面付き形状を呈する胴部、胴部の上端部が窄まってなる肩部、肩部の上端に連続するキャップ締結部及び開口部を有する透明なプラスチック製ボトル容器本体とキャップとを備えた容器であって、容器本体の周囲面積の5〜25%に相当する前記肩部を上記光透過散乱部とし、当該ボトル容器本体の外周には色付きラベルが被覆され、容器本体の周囲面積の75〜95%を遮光部とし、残りの部分を上記透過部としてなる容器を挙げることができる。
<充填工程>
本容器詰緑茶飲料の製造方法における充填工程では、上記のように調整された緑茶抽出液(「本緑茶抽出液」と称する)を、上記本容器に充填する。
[本容器詰緑茶飲料]
本容器詰緑茶飲料の製造方法によって、上記本容器に上記本緑茶抽出液を充填して密封してなる容器詰緑茶飲料(「本容器詰緑茶飲料」)を製造することができる。
[本光劣化臭気抑方法]
次に、本発明の実施形態の他例として、容器詰緑茶飲料における光劣化臭気を抑制する方法(「本光劣化臭気抑方法」と称する)について説明する。
本光劣化臭気抑方法は、緑茶飲料を充填する容器として、上記本容器、例えば底面付き形状を呈する胴部、胴部の上端部が窄まってなる肩部、肩部の上端に連続するキャップ締結部及び開口部を有する透明なプラスチック製ボトル容器本体とキャップとを備え、当該ボトル容器本体の外周には色付きラベルが被覆されて遮光部とされ、少なくも前記肩部を上記光透過散乱部とされた容器を使用することを第1の特徴とし、容器に充填する緑茶飲料として、上記本緑茶抽出液、例えば糖類濃度が170ppm〜400ppmである緑茶抽出液を使用することを第2の特徴とする、容器詰緑茶飲料における光劣化臭気を抑制する方法である。
本光劣化臭気抑方法によれば、光線、その中でもLED(発光ダイオード)を光源とする光線に暴露されても、光劣化臭の発生を抑制することができる。
<語句の説明>
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<緑茶抽出液調整工程>
(緑茶抽出液A)
摘採から12時間以内に荒茶加工した茶葉(やぶきた種、静岡県産一番茶深蒸し)を回転ドラム型火入機で、茶温が100℃を超えないように設定温度350℃、乾燥時間5分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉(色相区分25、マンセル明度3、マンセル彩度1)12gを90℃の湯480mlで3.5分間抽出した。抽出液を冷却した後、目開50μmのフィルター(ポリプロピレン製)で濾過し、ビタミンCを0.45g添加し、pHが6.3になるよう重曹を添加し、1000mlにメスアップし、緑茶抽出液Aを得た。
(緑茶抽出液B)
摘採から12時間以内に荒茶加工した茶葉(ゆたかみどり種、鹿児島県産一番茶深蒸し、色相区分35、マンセル明度2、マンセル彩度1)20gおよびその茶葉を粉砕した粉末茶(ボールミル粉砕(マキノ社製BM−400)(投入量200kg))1gを30℃の水600mlで6分間抽出した。抽出液を冷却した後、遠心分離機(ウエストファリア社製SA1連続遠心分離機)を用いて流速480L/hr、回転数10000rpm、遠心沈降面積(Σ)1000m2で処理し、ビタミンCを0.45g添加し、pHが6.3になるよう重曹を添加し、1000mlにメスアップし、緑茶抽出液Bを得た。
(緑茶抽出液C)
摘採から12時間以内に荒茶加工した茶葉(やぶきた種、静岡県産二番茶浅蒸し)を回転ドラム型火入機で、茶温が100℃を超えないように設定温度300℃、乾燥時間4分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉(色相区分35、マンセル明度3、マンセル彩度2)8gを80℃の湯320mlで8.5分間抽出した。抽出液を冷却した後、遠心分離機(ウエストファリア社製SA1連続遠心分離機)を用いて流速480L/hr、回転数10000rpm、遠心沈降面積(Σ)1000m2で処理し、ビタミンCを0.45g添加し、pHが6.3になるよう重曹を添加し、1000mlにメスアップし、緑茶抽出液Cを得た。
(緑茶抽出液D)
摘採から12時間以内に荒茶加工した茶葉(ゆたかみどり種、鹿児島県産一番茶深蒸し)を回転ドラム型火入機で、茶温が100℃を超えないように設定温度280℃、乾燥時間6分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉(色相区分35、マンセル明度3、マンセル彩度1)20gおよびその茶葉を粉砕した粉末茶(ボールミル粉砕(マキノ社製BM−400)(投入量200kg))2gを30℃の水600mlで6分間抽出した。抽出液を冷却した後、遠心分離機(ウエストファリア社製SA1連続遠心分離機)を用いて流速480L/hr、回転数10000rpm、遠心沈降面積(Σ)1000m2で処理し、ビタミンCを0.45g添加し、pHが6.3になるよう重曹を添加し、1000mlにメスアップし、緑茶抽出液Dを得た。
(緑茶抽出液E)
摘採から12時間以内に荒茶加工した茶葉(やぶきた種、鹿児島県産一番茶浅蒸し)を回転ドラム型火入機で、茶温が100℃を超えないように設定温度330℃、乾燥時間5分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉(色相区分27、マンセル明度3、マンセル彩度1)9gを70℃の湯360mlで8分間抽出した。抽出液を冷却した後、目開1μmのフィルター(ポリプロピレン製)で濾過し、ビタミンCを0.45g添加し、pHが6.3になるよう重曹を添加し、1000mlにメスアップし、緑茶抽出液Eを得た。
(緑茶抽出液F)
摘採から12時間以内に荒茶加工した茶葉(やぶきた種、鹿児島県産一番茶浅蒸し)を回転ドラム型火入機で、茶温が100℃を超えないように設定温度330℃、乾燥時間5分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉(色相区分27、マンセル明度3、マンセル彩度1)9gを70℃の湯360mlで8分間抽出した。抽出液を冷却した後、目開1μmのフィルター(ポリプロピレン製)で濾過した。そこに、上記茶葉を粉砕した粉末茶(ボールミル粉砕(マキノ社製BM−400)(投入量200kg))0.3gを添加し、ビタミンCを0.45g添加し、pHが6.3になるよう重曹を添加し、1000mlにメスアップし、緑茶抽出液Fを得た。
<容器選択工程>
(容器1)
ポリエチレンテレフタレート製であって、底部、胴部、該胴部の上端部が窄まってなる肩部(容器本体の周囲面積の8.5%)、肩部の上端に連続する首部、該首部に形成されたキャップ締結部及び開口部を有する透明な六面パネルボトル容器本体(525ml容量、胴径65mm、ハイト225mm、六面パネルボトル)と、白色キャップ(全光線透過率7.0%)とを備えた容器であって、前記肩部が光透過散乱部であり、前記胴部の外周には、胴部上端から底部の20mm上方位置まで(容器本体の周囲面積の81%に相当)を覆うように色付きラベル(ポリエチレンテレフタレート、色相区分35、マンセル明度6、マンセル彩度10)を被覆して、容器本体の周囲面積の81%が遮光部であり、残りの胴部及び首部が透過部である容器を採用した。
上記光透過散乱部は、肩部全周面に、周面方向に長尺な凸条部(断面三角山状、斜角20°、頂部角度140°、山間ピッチ2.0mm)を、容器上部から底面に向かう方向に並設され、ヘーズ値20.6、全光線透過率90.4%、波長610nm〜700nmの透過率の最大値が74.1%、最小値が73.3%、波長660nmの透過率が73.7%であった。
上記遮光部は、全光線透過率の平均値が33.5%、波長660nmの透過率の平均値が0.7%、波長610〜700nmの透過率の平均の最大値が1.0%、最小値が0.6%であった。
上記透過部は、全光線透過率の平均値が89.9%、波長660nmの透過率の平均値が89.2%、波長610〜700nmの透過率の平均の最大値が89.3%、最小値が89.1%であった。
(容器2)
容器1の光透過散乱部の凸条部形状を変更した(断面三角山状、斜角7°、頂部角度166°)(光透過散乱部ヘーズ値14.9、全光線透過率92.0%、波長610nm〜700nmの透過率の最大値が77.0%、最小値が76.6%、波長660nmの透過率が76.7%)以外、上記容器1と同様の容器2を選択した。
(容器3)
容器1の光透過散乱部の凸条部形状を変更した(断面三角山状、斜角30°、頂部角度120°)(光透過散乱部のヘーズ値23.0、全光線透過率89.7%、波長610nm〜700nmの透過率の最大値が72.3%、最小値が71.9%、波長660nmの透過率が72.0%)以外、上記容器1と同様の容器3を選択した。
(容器4)
容器1の光透過散乱部の凸条部形状を変更した(断面三角山状、斜角4°、頂部角度172°)(光透過散乱部のヘーズ値13.2、全光線透過率90.0%、波長610nm〜700nmの透過率の最大値が84.2%、最小値が83.5%、波長660nmの透過率が83.8%)以外、上記容器1と同様の容器4を選択した。
<実施例1>
下記表1に示すように、上記緑茶抽出液Aと上記緑茶抽出液Bを50質量%、50質量%の割合で混合して、UHT殺菌機で135℃30秒間(F0=12)の条件で殺菌し、35℃で冷却した後、無菌条件下で上記容器1に充填して、プラスチックキャップ(NCフラップ、白色)を日本クロジャー社規定トルクにて巻き締め、容器詰緑茶飲料を製造した。
<実施例2、3>
上記緑茶抽出液Aと上記緑茶抽出液Bの混合比率を下記表1に示すように変更した以外、実施例1と同様に、容器詰緑茶飲料を製造した。
<実施例4,5>
上記容器1を下記表1に示すように変更した以外、実施例1と同様に、容器詰緑茶飲料を製造した。
<実施例6>
上記容器1を下記表1に示すように変更した以外、実施例2と同様に、容器詰緑茶飲料を製造した。
<実施例7>
上記容器1を下記表1に示すように変更した以外、実施例3と同様に、容器詰緑茶飲料を製造した。
<実施例8,9>
上記緑茶抽出液Cと上記緑茶抽出液Dの混合比率を下記表1に示すように変更した以外、実施例1と同様に、容器詰緑茶飲料を製造した。
<実施例10>
下記表1に示すように、上記緑茶抽出液Bと上記緑茶抽出液Eを5質量%、95質量%の割合で混合して、上記容器1に充填した以外、実施例1と同様に容器詰緑茶飲料を製造した。
<実施例11>
下記表1に示すように、上記緑茶抽出液Aと上記緑茶抽出液Eを15質量%、85質量%の割合で混合して、上記容器1に充填した以外、実施例1と同様に容器詰緑茶飲料を製造した。
<実施例12,13,14,15>
下記表2に示すように、緑茶抽出液を変更した以外、実施例1と同様に、容器詰緑茶飲料を製造した。
<比較例1,2>
上記緑茶抽出液Aと上記緑茶抽出液Bの混合比率を下記表2に示すように変更した以外、実施例1と同様に、容器詰緑茶飲料を製造した。
<比較例3,4,5>
上記緑茶抽出液Aと上記緑茶抽出液Bの混合比率を下記表2に示すようにすると共に、上記容器1を下記表2に示すように容器4に変更した以外、実施例1と同様に、容器詰緑茶飲料を製造した。
Figure 2019071813
Figure 2019071813
[各種物性の測定]
製造した実施例1〜15及び比較例1〜5の容器詰緑茶飲料の各物性値を測定してから、表5及び表6に記載の光暴露条件下で保存した後、パネラーによる官能評価を行った。
(透過率の測定)
容器の光透過散乱部における全光線透過率およびヘーズ値は、「ヘーズメーターHM−150型(株式会社村上色彩技術研究所製)」を用い、CIE標準光源D65にて測定した。波長660nmの透過率は「紫外可視分光光度計UV−1800(島津製作所)」を用いて測定した。
(糖類濃度の測定)
糖類濃度は、HPLC糖分析装置(Dionex社製)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して、グルコース及びフルクトースの合計濃度としての単糖濃度(ppm)、スクロース、セロビオース及びマルトースの合計濃度としての二糖濃度(ppm)を求め、これらの合計濃度としての糖類濃度(ppm)を求めた。
カラム:Dionex社製Carbopack PA1 φ4.6×250mm
カラム温度:30℃
移動相:A相 200mM NaOH
:B相 1000mM SodiumAcetate
:C相 超純水
流速:1.0ml/min
注入量:25μL
検出:Dionex社製ED50金電極
(グリセロ糖脂質の測定)
サンプルをHClにて酸性とした後、酢酸エチルにて液−液分配を行った。このうち酢酸エチル層をODS固相抽出カートリッジ(Waters社 セップパックプラス C18)に吸着させ、水−エタノール混合溶媒にて、エタノール濃度を順次変化させながら分画・溶出した。これらのうち、ODS分画の100%エタノール画分を、逆相クロマトグラフィーに供し、グリセロ糖脂質の定量分析を行った。
グリセロ糖脂質定量分析の標品としては、Lipid Product社のMGDG、DGDGを使用した。MGDGの標品を分析すると大きく二つのピークに分かれ、茶飲料中に見られるピークが保持時間が後ろのピークだったので、標品のピーク面積の比率に基づいて濃度を比例配分し、分析濃度とした。グリセロ糖脂質の濃度はMGDG、DGDGの合計値として表した。
逆相カラム:WAKOPAK Ultra C18−3(WAKO社、長さ150mm)
サンプル注入量:10μl
流量:0.43ml/min
検出:210nm
溶離液:95%メタノール
温度:40℃
(平均粒子径の測定)
「レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2300(島津製作所製)」を用いて測定される体積基準粒度分布から体積平均粒子径(MV)を求めた。
(総カテキン濃度、カフェイン濃度)
総カテキン(EGC、EGCg、EC、ECg、GC、GCg、C、Cg)濃度、カフェイン濃度は、高速液体クロマトグラム(HPLC)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。
カラム:waters社製 Xbridge shield RP18 φ3.5×150mm
カラム温度:40℃
移動相:A相 水
:B相 アセトニトリル
:C相 1%リン酸
流速:0.5ml/min
注入量:5μL
検出:waters社製UV検出器 UV230nm
(Z−3−ヘキセノール及び2,5−ジメチルピラジン濃度)
サンプル10mlずつバイアル瓶に取り、NaClを3g加えた。また、内部標準液として0.1%シクロヘキサノールを5μl添加した。香気成分の抽出は固層マイクロ抽出(SPME)法を用いGC/MSにて以下の条件で分析を行った。
分析条件:SPME:DVB/Carboxen/PDMS
抽出:60℃、30分
GC/MS:Agilent5973N
カラム:DB−WAX(0.25mmI.D.×60m×0.25μm)
流速:1.0ml/分
オーブン:35℃(3分)〜5℃/分〜240℃(5分)
注入口:240℃、スプリットレスモード
シクロヘキサノールはm/z82、Z−3−ヘキセノールはm/z82、2,5−ジメチルピラジンはm/z108を用いて算出した。
(茶葉由来可溶性固形分濃度)
茶葉由来可溶性固形分濃度は、茶葉のみ抽出した抽出液を液量が1Lになる割合に希釈し、アタゴ社製 示差濃度計 DD-7で測定した。
(pH)
pHは、堀場社製 pHメーター「F-24」を使用して測定した。
<光劣化臭の評価>
表5及び表6に記載の条件で光暴露した実施例1〜15及び比較例1〜5について、下記に記載の通りに官能評価を行った。
まず、茶飲料の製造に従事する10人のパネラーを選出し、パネラーには、事前にコントロール1〜4を飲用してもらい、且つ、パネラー間でコントロール間の差についてディスカッションを行ってもらうことで、光劣化臭について、各コントロールとの比較基準について共通認識を持つようにした。
(コントロール1〜4の製造)
上記緑茶抽出液BをUHT殺菌機で135℃30秒間(F0=12)の条件で殺菌し、35℃で冷却した後、無菌条件下で、光透過散乱部及び遮光部を有さず、且つ飲料液を十分に視認できるPETボトル(東洋製罐社製、525ml容量、光透過部のヘーズ値2.3、全光線透過率89.9%、波長610〜700nmの透過率の最大89.1%、最小88.5%、波長660nmの透過率88.7%)に充填し、プラスチックキャップ(NCフラップ、白色)を日本クロジャー社規定トルクにて巻き締め、下記に記載の各条件下で保管し、コントロール1〜4を製造した。
冷暗所にて1週間保管し、光に暴露されていないものをコントロール1とし、赤色LED(3500ルクス)に2日間暴露させ、わずかな光劣化臭は感じるものの飲用に問題がない程度のものをコントロール2とし、赤色LED(3500ルクス)に4日間暴露させ、光劣化臭を感じ、飲用にやや問題があるものをコントロール3とした。
また、赤色LED(3500ルクス)に1週間暴露させ、光劣化臭が発生したものをコントロール4とし、下記の評価基準にて光劣化臭の有無を評価した。
(光劣化臭の評価項目)
◎:冷暗所保管のコントロール1と同様に、劣化臭は発生しておらず、良好。光劣化臭抑制という課題を解決している。
○:コントロール2と同程度のわずかな光劣化臭が発生していたが、飲用には問題ない。光劣化臭抑制という課題を解決している。
△:コントロール3と同程度の光劣化臭が発生しており飲用にやや問題あり。本件課題を解決していない。
×:コントロール4と同程度の光劣化臭が発生しており飲用が困難である、問題あり。本件課題を解決していない。
<香りの評価>
茶飲料の製造に従事する10人のパネラーを選出し、パネラーには、事前にコントロール5〜8を飲用してもらい、且つ、パネラー間でコントロール間の差についてディスカッションを行ってもらうことで、香りについて、各コントロールとの比較基準について共通認識を持つようにした。
(コントロール5〜8の製造)
上記実施例1と同様のPETボトルに上記緑茶抽出液Aと上記緑茶抽出液Bを50質量%、50質量%の割合で混合して、UHT殺菌機で135℃30秒間(F0=12)の条件で殺菌し、35℃で冷却した後、無菌条件下で充填したものをコントロール5とした(2,5−ジメチルピラジン/Z−3−ヘキセノール:5.4)。
上記実施例1と同様のPETボトルに上記緑茶抽出液Aと上記緑茶抽出液Bを70質量%、30質量%の割合で混合して、UHT殺菌機で135℃30秒間(F0=12)の条件で殺菌し、35℃で冷却した後、無菌条件下で充填したものをコントロール6とした(2,5−ジメチルピラジン/Z−3−ヘキセノール:8.5)。
上記実施例1と同様のPETボトルに上記緑茶抽出液Aと上記緑茶抽出液Bを90質量%、10質量%の割合で混合して、UHT殺菌機で135℃30秒間(F0=12)の条件で殺菌し、35℃で冷却した後、無菌条件下で充填したものをコントロール7とした(2,5−ジメチルピラジン/Z−3−ヘキセノール:12.3)。
上記実施例1と同様のPETボトルに上記緑茶抽出液AをUHT殺菌機で135℃30秒間(F0=12)の条件で殺菌し、35℃で冷却した後、無菌条件下で充填したものをコントロール8とした(2,5−ジメチルピラジン/Z−3−ヘキセノール:14.7)。
なお、上記コントロール5〜8については製造後に冷暗所で1週間保管したものを官能評価に使用した。
(香りの評価項目)
◎:コントロール5と同程度以上の十分な青い香りを感じる。
○:コントロール6と同程度の青い香りを感じる。
△:コントロール7と同程度のわずかな青い香りを感じる。
×:コントロール8と同様に、青い香りを感じない。
<総合評価>
総合評価は、「光劣化臭の評価」において「◎」又は「○」の評価であって、且つ「香りの評価」において「◎」、「○」又は「△」であったサンプルであれば、本発明の課題を解決していると判断し、下記の評価とした。
(総合評価)
○:本発明の課題を解決している。
×:本発明の課題を解決していない。
Figure 2019071813
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Figure 2019071813
Figure 2019071813
上記実施例及びこれまで発明者が行ってきた試験結果から、青さを有する容器詰緑茶飲料の製造方法に関しては、容器詰緑茶飲料の糖類濃度を170ppm〜400ppmに調整する工程(緑茶抽出液緑茶抽出液調整工程)と、遮光部と光透過散乱部とを有する容器であって、該光透過散乱部のヘーズ値が30以下であり且つ全光線透過率が80%以上であって、該光透過散乱部の波長610〜700nmの透過率が70〜80%である容器を選択する工程(容器選択工程)と、緑茶抽出液調整工程により得られた緑茶抽出液を該容器に充填する工程(充填工程)と、を有することを特徴とする容器詰緑茶飲料の製造方法によれば、光線、その中でもLED(発光ダイオード)を光源とする光線に暴露された際に発生する光劣化臭を効果的に抑制できることが分かった。
また、上記実施例及びこれまで発明者が行ってきた試験結果から、緑茶飲料を充填する容器として、上記本容器、例えば底面付き形状を呈する胴部、胴部の上端部が窄まってなる肩部、肩部の上端に連続するキャップ締結部及び開口部を有する透明なプラスチック製ボトル容器本体とキャップとを備え、当該ボトル容器本体の外周には色付きラベルが被覆されて遮光部とされ、少なくも前記肩部を上記光透過散乱部とされた容器を使用すると共に、容器に充填する緑茶飲料として、上記本緑茶抽出液、例えば容器詰緑茶飲料の糖類濃度が170ppm〜400ppmになるよう調整された緑茶抽出液を使用すれば、光線、その中でもLED(発光ダイオード)を光源とする光線に暴露された際に発生する光劣化臭を効果的に抑制できることが分かった。

Claims (9)

  1. 青さを有する緑茶抽出液を容器に充填してなる容器詰緑茶飲料の製造方法であって、
    緑茶抽出液の糖類濃度を170ppm〜400ppmに調整し(この工程を「緑茶抽出液調整工程」と称する)、
    遮光部と光透過散乱部とを有する容器であって、該光透過散乱部のヘーズ値が30以下であり且つ全光線透過率が80%以上であって、該光透過散乱部の波長610〜700nmの透過率が70〜80%である容器を選択し(この工程を「容器選択工程」と称する)、
    前記緑茶抽出液調整工程により得られた緑茶抽出液を、前記容器選択工程で選択した容器に充填することを特徴とする、容器詰緑茶飲料の製造方法。
  2. 前記緑茶抽出液調整工程では、緑茶抽出液のグリセロ糖脂質量を0.3ppm〜20.0ppmに調整することを特徴とする、請求項1に記載の容器詰緑茶飲料の製造方法。
  3. 前記緑茶抽出液調整工程では、緑茶抽出液の茶葉由来粒子の平均粒子径を1.0μm〜20.0μmに調整することを特徴とする、請求項1又は2に記載の容器詰緑茶飲料の製造方法。
  4. 前記容器選択工程で選択する容器における光透過散乱部は、凸部若しくは凸条部が連続して並設されてなる構成を備えていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料の製造方法。
  5. 前記凸部若しくは凸条部は5〜30°の斜角を有することを特徴とする請求項4に記載の容器詰緑茶飲料の製造方法。
  6. 前記凸部若しくは凸条部は各頂部の角度が120〜170°であることを特徴とする請求項4又は5に記載の容器詰緑茶飲料の製造方法。
  7. 前記緑茶抽出液調整工程では、緑茶抽出液のZ−3−ヘキセノール濃度(ppb)に対する2,5−ジメチルピラジン濃度(ppb)の比率(2,5−ジメチルピラジン/Z−3−ヘキセノール)を13以下に調整することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料の製造方法。
  8. 青さを有する緑茶抽出液を容器に充填してなる容器詰緑茶飲料の光劣化臭の発生抑制方法であって、
    緑茶抽出液の糖類濃度を170ppm〜400ppmに調整し(この工程を「緑茶抽出液調整工程」と称する)、
    遮光部と光透過散乱部とを有する容器であって、該光透過散乱部のヘーズ値が30以下であり且つ全光線透過率が80%以上であって、該光透過散乱部の波長610〜700nmの透過率が70〜80%である容器を選択し(この工程を「容器選択工程」と称する)、
    前記緑茶抽出液調整工程により得られた緑茶抽出液を、前記容器選択工程で選択した容器に充填することを特徴とする、容器詰緑茶飲料の光劣化臭の発生抑制方法。
  9. 青さを有する緑茶抽出液を容器に充填してなる容器詰緑茶飲料であって、
    緑茶抽出液の糖類濃度が170ppm〜400ppmであり、
    緑茶抽出液が充填された容器が、遮光部と光透過散乱部とを有する容器であって、該光透過散乱部のヘーズ値が30以下であり且つ全光線透過率が80%以上であって、該光透過散乱部の波長610〜700nmの透過率が70〜80%であることを特徴とする、容器詰緑茶飲料。
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