JP2019069835A - クレーンフック装置及びそれを使用した吊り荷姿勢安定化方法 - Google Patents

クレーンフック装置及びそれを使用した吊り荷姿勢安定化方法 Download PDF

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【課題】吊り荷が揺れたり旋回したりした場合であっても、吊り荷の姿勢を安定化可能なクレーンフック装置及びそれを使用した吊り荷姿勢安定化方法を提供する。【解決手段】クレーンにより吊り荷を吊り上げるためのクレーンフック装置100であって、前記クレーンにより巻き上げられるワイヤに接続されるクレーンフック110と、クレーンフック110の揺れ、及び、前記ワイヤを中心とするクレーンフック110の旋回を検出するためのセンサ装置115と、前記揺れ及び前記旋回の動作が検出されたときに、検出された前記動作を停止させるように、クレーンフック110に対して外力を加えるドローン111と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、クレーンフック装置及びそれを使用した吊り荷姿勢安定化方法に関する。
クレーンにより吊り荷を吊るしている際、吊り荷は揺れたり、旋回したりすることがある。例えば、クレーンの伸縮により、クレーンから吊り下げられた吊り荷は移動する。しかし、クレーンの伸縮を止めたときに、クレーンから吊り下げられた吊り荷は急には停止せず、慣性力によって吊り荷が揺れる。さらには、例えば、クレーンと吊り荷とを接続するワイヤに意図しない捻じれが生じた場合、そのワイヤには捻じれを戻そうとする復元力が生じる。この結果、ワイヤは、復元力によって捻じれていない状態に戻ろうとする。ただ、この復元力は吊り荷に伝搬する。そのため、ワイヤを中心として、吊り荷は旋回する。
吊り荷の意図しない揺れ及び旋回のうちの少なくとも一方の動作が発生した場合には、その動作は停止させることが好ましい。吊り荷の意図しない動作を停止させて姿勢を安定化することで、作業の効率化を図ることができる。そこで、このような場合に吊り荷の姿勢を安定化させる技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1には、互いに逆向きの偶力を発生する2組の送風機群を吊り治具に搭載し、各送風機を駆動するための駆動源としての発電機と、各送風機群を遠隔操作するための遠隔操作手段としてのリモートコントローラを備えることが記載されている。また、各組の送風機群をそれぞれ吊り治具の両端部に配置された少なくとも2台の送風機により構成し、それら送風機をそれぞれ吊り治具の軸線方向に対して互いに逆向きの水平横方向に対して空気流を送風することによって吊り治具を被揚重物とともに水平面内において一方向に旋回させるための偶力を発生させることが記載されている。
特開2013−67496号公報(特に図1参照)
吊り荷が揺れる際、吊り荷は振り子のように動作する。即ち、吊り荷は、鉛直方向に吊り下げられている状態を中心として、前後方向又は左右方向に移動しながら、上下動を繰り返す。従って、特許文献1に記載の技術のように、旋回方向に送風機が設けられているだけでは、吊り荷が振り子のように揺れている場合にその揺れを抑制することができない。そのため、特許文献1に記載の技術では、吊り荷の姿勢を安定化するという観点で依然として改善の余地がある。
本発明の少なくとも一実施形態は、吊り荷が揺れたり旋回したりした場合であっても、吊り荷の姿勢を安定化可能なクレーンフック装置及びそれを使用した吊り荷姿勢安定化方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るクレーンフック装置は、クレーンにより吊り荷を吊り上げるためのクレーンフック装置であって、前記クレーンにより巻き上げられるワイヤに接続されるクレーンフックと、前記クレーンフックの揺れ、及び、前記ワイヤを中心とする前記クレーンフックの旋回を検出するためのセンサ装置と、前記揺れ及び前記旋回のうちの少なくとも一方の動作が検出されたときに、検出された前記動作を停止させるように、前記クレーンフックに対して外力を加える少なくとも一つのドローンと、を備える。
上記(1)に記載のクレーンフック装置によれば、任意の方向に自由に移動可能なドローンの駆動により、様々な形態の動作を停止させることができる。即ち、吊り荷は、様々な大きさや速さで揺れるほか、様々な大きさの円を描くようにして旋回することがある。さらには、吊り荷は、揺れながら旋回することもある。そのため、任意の方向に自由に移動可能なドローンを駆動させることで、吊り荷が任意の動作をした場合であっても、吊り荷の動作を停止させるようにすることができる。これにより、吊り荷の姿勢が安定化され、作業の効率化を図ることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)のクレーンフック装置において、前記クレーンフックは、前記ワイヤに繋がるフックブロックと、前記吊り荷を吊るすフック部と、を備え、前記フック部は、前記フックブロックに対して回転可能なように前記フックブロックに支持され、前記少なくとも一つのドローンは、前記フック部に取り付けられる。
上記(2)に記載のクレーンフック装置によれば、吊り荷を吊るすフック部を、クレーンと繋がるフックブロックに対して自由に回転させることができる。特に、クレーンとクレーンフックとを接続するワイヤに捻じれが生じた場合、そのワイヤには、上記のように捻じれを戻そうとする復元力が生じる。このとき、フック部がフックブロックに対して自由に回転可能なことで、クレーンとクレーンフックとを接続するワイヤに生じた復元力が、フック部に伝達することが抑制される。この結果、フック部に吊り下げられた吊り荷の旋回が抑制され、吊り荷の姿勢の安定性を高めることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)のクレーンフック装置において、前記フック部は、柱部と、前記吊り荷を吊るす先端部と、を備え、前記少なくとも一つのドローンは、前記柱部と前記先端部との間に挟み込まれるようにして、前記フック部に取り付けられる。
上記(3)に記載のクレーンフック装置によれば、任意の形状のドローンをフック部に取り付けることができる。このため、既存のドローンを使用して上記(3)のクレーンフック装置を製造することができ、製造コストを削減することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)のクレーンフック装置において、前記フック部は、柱部と、前記柱部に接続されるとともに前記吊り荷を吊るす先端部と、を備え、前記少なくとも一つのドローンは、本体部と、前記本体部を貫通する貫通部と、を備え、前記少なくとも一つのドローンは、前記貫通部に前記柱部が挿通されることで、前記フック部に取り付けられる。
上記(4)に記載のクレーンフック装置によれば、ドローンの貫通部にフック部の柱部を挿通することでドローンがフック部に取り付けられるため、ドローンの取り付けを容易にすることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)の何れか1項に記載のクレーンフック装置において、前記少なくとも一つのドローンは、第1ドローン、及び第2ドローンを少なくとも含む。
上記(5)に記載のクレーンフック装置によれば、複数のドローンを使用するため、一つのドローンを使用する場合と比べて、より大きな外力をクレーンフックに加えることができる。このため、クレーンフックに揺れ及び旋回の少なくとも一方の動作が生じたときに、速やかに当該動作を停止させるようにすることができる。さらには、複数のドローンを使用することで、クレーンフックに与える外力の起点が複数となる。そのため、クレーンフックに対して速やかに外力を与えることができ、この観点でも、クレーンフックの動作を速やかに停止することができる。また、複数のドローンを使用することで、一つのドローンを使用して同じ大きさの外力を与える場合と比べて、一つ当たりのドローンにより与えられる外力の大きさを小さくすることができる。このため、ドローンの駆動負荷を低減し、ドローンの耐久性を向上させることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)のクレーンフック装置において、前記クレーンフックは、前記ワイヤに繋がるフックブロックと、前記吊り荷を吊るすフック部と、を備え、前記クレーンフックは、前記フック部から第1方向に向かって延在する第1延在部と、前記フック部から第2方向に向かって延在する第2延在部と、を有する支持体を含み、前記第1ドローンは、前記第1延在部に取り付けられ、前記第2ドローンは、前記第2延在部に取り付けられる。
上記(6)に記載のクレーンフック装置によれば、フック部を中心として、複数の方向にドローンを配置することができる。そのため、ドローン同士の干渉が抑制され、所望の大きさ及び方向の外力を適切にクレーンフックに与え易くすることができる。また、第1延在部及び第2延在部の長さを適宜調整することで、第1ドローン及び第2ドローンにより与えられる外力のモーメントを制御することができる。そのため、例えば、クレーンフックの動作が大きいことが予想される場合には、第1延在部及び第2延在部の長さを長くして、第1ドローン及び第2ドローンの配置位置をフック部から遠ざけることができる。これにより、第1ドローン及び第2ドローンにより与えられる外力のモーメントが大きくなり、クレーンフックが大きく動作した場合であっても姿勢を安定化させることができる。一方で、クレーンフックの動作が小さいことが予想される場合には、第1延在部及び第2延在部の長さを短くして、第1ドローン及び第2ドローンの配置位置をフック部に近づけることができる。これにより、クレーンフック装置の小型化を図ることができる。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る吊り荷姿勢安定化方法は、幾つかの実施形態では、クレーンにより吊り荷を吊り上げるためのクレーンフック装置により吊り荷の姿勢を安定化する吊り荷姿勢安定化方法であって、前記クレーンフック装置は、前記クレーンにより巻き上げられるワイヤに接続されるクレーンフックと、前記クレーンフックの揺れ、及び、前記ワイヤを中心とする前記クレーンフックの旋回を検出するためのセンサ装置と、前記揺れ及び前記旋回のうちの少なくとも一方の動作が検出されたときに、検出された前記動作を停止させるように、前記クレーンフックに対して外力を加える少なくとも一つのドローンと、を備え、前記吊り荷姿勢安定化方法は、前記センサ装置によって、前記動作を検出する動作検出ステップと、当該動作検出ステップにおいて前記動作が検出されたときに、検出された前記動作を停止させるような外力を前記クレーンフックに対して加えるように、前記少なくとも一つのドローンの動作を制御する姿勢安定化ステップと、を有する。
上記(7)に記載の吊り荷姿勢安定化方法によれば、クレーンフックに揺れ及び旋回のうちの少なくとも一方の動作が生じた場合であっても、ドローンの駆動により、その動作を停止させることができる。このため、クレーンで吊り荷を吊っている場合に意図せず吊り荷が動作したときでも、吊り荷の姿勢が安定化され、作業の効率化を図ることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、吊り荷が揺れたり旋回したりした場合であっても、吊り荷の姿勢を安定化可能なクレーンフック装置及びそれを使用した吊り荷姿勢安定化方法を提供することができる。
第一実施形態のクレーンフック装置を2本のワイヤに接続してクレーン車から吊るす様子を示す図である。 第一実施形態のクレーンフック装置の正面図である。 第一実施形態のクレーンフック装置の側面図である。 第一実施形態のクレーンフック装置を備えるクレーンにおいて、吊り荷が前後方向に揺れた場合の吊り荷の揺れ方向及びドローンの推進力の方向を示す図である。 第一実施形態のクレーンフック装置を備えるクレーンにおいて、吊り荷が左右方向に揺れた場合の吊り荷の揺れ方向及びドローンの推進力の方向を示す図である。 第一実施形態のクレーンフック装置を備えるクレーンにおいて、吊り荷が旋回した場合の吊り荷の揺れ方向及びドローンの推進力の方向を示す図である。 第一実施形態のクレーンフック装置の上方斜視図である。 第一実施形態のクレーンフック装置に吊るされた吊り荷が動作し始めた場合に吊り荷の姿勢を安定化させる方法を示すフローチャートである。 第二実施形態のクレーンフック装置の正面図である。 第二実施形態のクレーンフック装置の側面図である。 第三実施形態のクレーンフック装置の正面図である。 第三実施形態のクレーンフック装置の上面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、第一実施形態のクレーンフック装置100を2本のワイヤ102cに接続してクレーン車102から吊るす様子を示す図である。これらのうち、クレーンフック装置100は、クレーン車102(クレーン)により吊り荷101bを吊り上げるものである。
クレーン車102には、伸縮可能なブーム(ジブ)102aと、その先端に2本のワイヤ102cを下方に垂らすためのローラ102bとが備えられる。これらのうち、ローラ102bは、図示はしないが、動滑車及び定滑車を等数(本明細書では2つずつ)ずつ備えて構成される。これにより、吊り荷101bの荷重よりも小さな荷重で、吊り荷101bを引き上げることができる。また、クレーン車102には、ワイヤ102cの巻取り及び引き出しを行うための巻取り装置102dが備えられる。
ローラ102bの下方では、ワイヤ102cにクレーンフック装置100が接続される。このクレーンフック装置100には、2本のワイヤ101aによって、吊り荷101bが吊り下げられる。そのため、クレーン車102に備えられた巻取り装置102dが駆動し、ワイヤ102cが巻取り又は引き出されることで、クレーンフック装置100が上下動する。これにより、クレーンフック装置100に吊り下げられた吊り荷101bの吊り上げ又は吊り下ろしを行うことができる。
なお、吊り荷101bは、ワイヤ101aによって吊り下げられる必要はなく、例えば、上面に引っ掛け可能な引っ掛け部を備える吊り荷であれば、その引っ掛け部にクレーンフック装置100を引っ掛けて、直接吊り下げられるようにしてもよい。
図2は、第一実施形態のクレーンフック装置100の正面図である。クレーンフック装置100は、クレーン車102(図1参照)により巻き上げられるワイヤ102cに接続されるクレーンフック110と、クレーンフック110に対して外力を加えるドローン111とを備える。これらのうち、クレーンフック110は、フックブロック112とフック部113とを備えるものである。また、フックブロック112は、クレーン車102の巻取り装置102d(図1参照)により巻き上げられるワイヤ102cに接続されるものである。フック部113は、吊り荷101b(図1参照)を吊るすワイヤ101aを引っ掛けるものである。図2に示す一実施形態では、ドローン111は、フック部113に取り付けられる。
フック部113は、ドローン111の上方に配置される柱部110cと、ドローン111の下方に配置され、吊り荷101bを吊るす先端部110aとを備える。これらのうち、柱部110cは円柱状の部材である。そして、後記するドローン111は、この柱部110cと先端部110aとの間に挟み込まれるようにして、フック部113に取り付けられる。具体的には、柱部110cの下端面とドローン111の上面とが固着され、先端部110aの上端面とドローン111の下面とが固着される。このように取り付けられることで、任意の形状のドローン111をフック部113に取り付けることができる。このため、既存のドローン111を使用することができ、製造コストを削減することができる。
なお、柱部110cと先端部110aとを補助的に接続する補強部材が備えられてもよい。このような補強部材が備えられることで、柱部110cと先端部110aとがドローン111を介して接続されるほか、これらを補強部材を介して接続することができる。このとき、柱部110cの下端面とドローン111の上面と、及び、先端部110aの上端面とドローン111の下面とは、それぞれ固着されていてもよいし、固着されていなくてもよい。これにより、クレーンフック装置100の定格荷重を大きくすることができる。このような補強部材としては、例えば鎖等が挙げられる。
また、先端部110aは、先端に向かって徐々に細くなる形状を有し、円の一部が欠けた略円弧形状を有している。そのため、この欠けている部分を通して円弧の最も下の部分にワイヤ101aを引っ掛けることができる。これにより、ワイヤ101aを介して吊り荷101bを吊り下げることができる。
先端部110aにおいて、円の一部が欠けたようになっている部分には、その欠けた部分を塞ぐようにして、外れ止め装置110bが取り付けられている。外れ止め装置110bは、上方を支点として回動可能になっており、外側から力を加えると内側に回動するようになっている。そのため、外れ止め装置110bの外側面にワイヤ101aを押し当てることで、先端部110aにワイヤ101aを引っ掛けることができる。
一方、外れ止め装置110bには、図示しないバネが備えられており、内側に回動した外れ止め装置110bは、バネの復元力によって、再度、円の一部が欠けたようになっている部分に戻る。従って、先端部110aにワイヤ101aを引っ掛けた後には、元の位置に戻った外れ止め装置110bによって、ワイヤ101aが先端部110aから外れないようにすることができる。
ドローン111は、任意の方向及び速度で自由に移動可能な無人機である。ドローン111は、本体部111gと、この本体部111gの上面に取り付けられる、上下方向に向いた4つのプロペラ111a,111b,111c,111d(図2では、プロペラ111a,111bのみを図示)を備えている。そして、これらのプロペラ111a,111b,111c,111dの回転速度が任意に変更されることで任意の方向に推進力が生じて、ドローン111の移動方向が決定される。そして、ドローン111が移動することで、ドローン111に固定されたクレーンフック110の動作が制御される。プロペラ111a,111b,111c,111dとドローン111の移動方向との関係は、図7を参照しながら説明する。
クレーンフック装置100では、上記のように、ドローン111がフック部113に固定されている。なお、ドローン111は、フックブロック112に固定されてもよい。そして、プロペラ111a,111b,111c,111dの回転速度が任意に変更されることで、任意の方向に生じた推進力は、クレーンフック110に伝達される。即ち、ドローン111により、クレーンフック110に対して外力を加えることができる。そして、吊り荷101bが意図せず旋回又は回転(これらの用語の意味は図5〜図7を参照しながら後記する)しても、ドローン111により加えられた外力によって、クレーンフック110の動作を抑制することができる。
特に、ドローン111は、上記のように任意の方向に任意の速度で自由に移動可能である。そのため、旋回と回転とが複雑に組み合わさったような動作がクレーンフック110に生じた場合であっても、その動作に応じて任意の方向かつ任意の速度でドローン111が駆動し、その動作を停止させるようにすることができる。これにより、吊り荷101b(図1参照)の姿勢が安定化され、作業の効率化を図ることができる。
なお、ドローン111の駆動として、クレーンフック110の動作を完全に停止させるようにドローン111を駆動させることが好ましい。ただし、ドローン111の駆動は、クレーンフック110の動作を完全に停止させなくても、クレーンフック110を停止させるような動作により、クレーンフック110の動作を弱める(緩和)ことができればよい。例えば、吊り作業に際して無視できる程度の動作であれば、完全に停止していなくても、吊り荷101bの姿勢は十分に安定し、作業の効率化を図ることができる。
ドローン111には、図示はしないが、自身の駆動を制御する制御装置が備えられている。具体的には、詳細は図8を参照しながら後記するが、クレーンフック110に揺れ及び旋回の少なくとも一方の動作が生じたときに、その動作を停止させるような外力をクレーンフック110に与えるように、ドローン111が駆動するようになっている。そのために、この制御装置には、後記するセンサ装置115が電気信号線(図示しない)を介して接続されている。
ドローン111に備えられる制御装置は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、I/F(インターフェイス)、制御回路等を備え、ROMに格納されている所定の制御プログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。
フックブロック112は、クレーン車102の巻取り装置102d(図1参照)と繋がるワイヤ102cに接続されるものである。このフックブロック112の構造について、図3を参照しながら説明する。
図3は、第一実施形態のクレーンフック装置100の側面図である。フックブロック112は、一対の平板112a,112aと、これらの間に回転自在に挟持されるローラ112d,112eとを備える。これらのうち、ローラ112d,112eには、それぞれワイヤ102c,102cが当接しており、これらのワイヤ102c,102cが上記の巻取り装置102dで巻き取られることでフックブロック112が上下動するようになっている。
また、フックブロック112を構成する一対の平板112a,112aの間には、回転部材112bが配置される。回転部材112bは、貫通孔(図示しない)を有する板状に構成される。この貫通孔には、フック部113を構成する柱部110cが挿通される。ただし、この貫通孔の直径は、柱部110cの直径よりもわずかに大きいため、柱部110cは貫通孔の内部でフックブロック112に対して回転可能である。また、柱部110cの上端部にはキャップ部材112cが取り付けられる。これにより、フック部113は、フックブロック112に対して回転可能なように支持される。
このようにすることで、フック部113をフックブロック112に対して自由に回転させることができる。特に、クレーン車102とクレーンフック110とを接続するワイヤ102cに捻じれが生じた場合(図6を参照しながら後記する)、ワイヤ102cには、その捻じれを戻そうとする復元力が生じる。このとき、フック部113がフックブロック112に対して自由に回転可能なことで、ワイヤ102cに生じた復元力が、フック部113に伝達することが抑制される。この結果、フック部113に吊り下げられた吊り荷101bの旋回が抑制され、吊り荷101bの姿勢の安定性を高めることができる。
図2に戻って、クレーンフック装置100の構成について説明を続ける。ドローン111の上面には、クレーンフック110の揺れ、及び、クレーンフック110の旋回を検出するためのセンサ装置115が取り付けられる。このセンサ装置115により検出される旋回は、巻取り装置102d(図1参照)に繋がるワイヤ102cを中心として発生するものである。センサ装置115は、例えば、加速度センサ、角速度センサ等の少なくとも一つのセンサを備えて構成される。ここで検出された揺れ及び旋回は、上記のように電気信号線(図示しない)により接続された、ドローン111の制御装置(図示しない)に入力される。
ここで、本発明の一実施形態における「クレーンフックの揺れ」及び「クレーンフックの旋回」との文言の意味と、その揺れ又は旋回が生じたときの「ドローンの推進力」との関係について説明する。
図4は、第一実施形態のクレーンフック装置100を備えるクレーンにおいて、吊り荷101bが前後方向に揺れた場合の吊り荷101bの揺れ方向及びドローン111の推進力の方向を示す図である。この図4においては、説明の簡略化のために、吊り荷101bが紙面内で左右方向にのみ振り子のような動きをした場合を例示している。ワイヤ102cによって吊り荷101bが鉛直方向に吊り上げられているとき、クレーン車102のブーム102aが伸縮されると、それに伴い、ブーム102aからワイヤ102cにより吊らされた吊り荷101bは移動する。そして、ブーム102aの伸縮を止めると、止めた直後には、吊り荷101bは、慣性力により前後方向(図4において紙面左右方向)に振り子のように揺れる。
そこで、この場合には、クレーンフック110に固定されたドローン111は、前後方向に揺れているとき、その揺れを打ち消すような方向に推進力(外力)をクレーンフック110に与える。具体的には、図4に示す例では、吊り荷101bが前方向に揺れている際、吊り荷101bの揺れに伴ってクレーンフック110も前方向に揺れている。そのため、クレーンフック110に固定されたドローン111は、クレーンフック110の揺れ方向とは反対側の方向、即ち後ろ方向に移動しようとする推進力をクレーンフック110に加える。ドローン111によりクレーンフック110に与えられる力の大きさとしては、例えば、センサ装置115(図2参照)により検出された加速度等に基づいて算出される慣性力と同じ大きさの力である。
そして、このようにすることで、クレーンフック110が揺れているときであっても、その揺れの原因となる慣性力が打ち消され、吊り荷101bの揺れを抑制することができる。これにより、吊り荷101bの動作が抑制され、吊り荷101bの姿勢を安定化することができる。特に、吊り荷101bが揺れ始めた直後において上記の制御を行えば、吊り荷101bが大きく揺れる前に吊り荷101bの姿勢を安定化することができる。具体的には例えば、センサ装置115により揺れが検出された場合、すぐに上記制御を行うことで、吊り荷101bの姿勢が大きく崩れることなく(大きく揺れることなく)、鉛直状態に近い状態で、姿勢を安定化することができる。
図5は、第一実施形態のクレーンフック装置100を備えるクレーンにおいて、吊り荷101bが左右方向に揺れた場合の吊り荷101bの揺れ方向及びドローン111の推進力の方向を示す図である。吊り荷101bが吊り下げられているときに、クレーン車102のブーム102aが旋回すれば、即ち、図5において左右方向に移動すれば、吊り荷101bも図5において左右方向に移動する。そして、ブーム102aの旋回を止めると、止めた直後には、吊り荷101bは、慣性力により左右方向に振り子のように揺れる。
そこで、この場合にも、上記の図4を参照しながら説明した場合と同様に、ドローン111は、クレーンフック110の揺れ方向(左方向)とは反対側の方向、即ち右方向に移動しようとする推進力(外力)をクレーンフック110に与える。クレーンフック110に与えられる力の大きさとしては、上記の図4の場合と同様、例えば、センサ装置115(図2参照)により検出された加速度等に基づいて算出される慣性力と同じ大きさの力である。
そして、このようにすることで、クレーンフック110が揺れているときであっても、その揺れの原因となる慣性力が打ち消され、吊り荷101bの揺れを抑制することができる。これにより、吊り荷101bの動作が抑制され、吊り荷101bの姿勢を安定化することができる。また、上記の図4を参照しながら説明した場合と同様に、吊り荷101bが揺れ始めた直後において上記の制御を行えば、吊り荷101bが大きく揺れる前に鉛直状態に近い状態で吊り荷101bの姿勢を安定化することができる。
図6は、第一実施形態のクレーンフック装置100を備えるクレーンにおいて、吊り荷101bが旋回した場合の吊り荷101bの揺れ方向及びドローン111の推進力の方向を示す図である。上記の図4及び図5を参照した説明では、ブーム102aの伸縮の影響により吊り荷101bが前後方向又は左右方向に揺れる場合を例示した。しかし、例えば、クレーンフック装置100により吊り荷101bを地面から吊り上げた際、クレーン車102の巻取り装置102dに繋がるワイヤ102cが捻じれていた場合には、上記のように、ワイヤ102cにはその捻じれを戻そうとする復元力が生じる。即ち、図6において、吊り上げた直後には、吊り荷101bは実線で示す位置にあったものが、復元力により、吊り荷101bは捻じれていない場合の位置である二点鎖線の位置に戻ろうとする。その結果、図6の白抜き矢印で示すように、クレーンフック装置100により吊り下げられた吊り荷101bは、前後左右方向の面内(図6の紙面内)で旋回する。
そこで、この場合には、クレーンフック110に固定されたドローン111は、旋回しているとき、その旋回を止めるような推進力(外力)をクレーンフック110に与える。具体的には、図6に示す例では、吊り荷101bが反時計回りに旋回している際、吊り荷101bの旋回に伴ってクレーンフック110も反時計回りに旋回している。そのため、クレーンフック110に固定されたドローン111は、クレーンフック110の旋回方向とは逆の方向、即ち時計回りに旋回しようとする推進力をクレーンフック110に与える。
ドローン111によりクレーンフック110に与えられる力の大きさとしては、例えば、ドローン111の旋回速度、加速度等に基づいて、決定することができる。ドローン111の旋回速度、加速度等は、センサ装置115により検出することができる。なお、ここで決定される力の大きさは、ワイヤ102cの捻じれによって生じる復元力と同じ大きさである。
そして、このようにすることで、その旋回の原因となる復元力と同じ大きさの推進力(外力)がクレーンフック110に与えられるため、クレーンフック110の旋回を止めることができる。これにより、吊り荷101bの旋回を抑制することができ、吊り荷101bの姿勢を安定化することができる。また、上記の図4及び図5を参照しながら説明した場合と同様に、吊り荷101bが旋回し始めた直後において上記の制御を行えば、吊り荷101bが大きく旋回する前に吊り荷101bの姿勢を安定化することができる。
また、例えば、上記の例では、ワイヤ102cの捻じれによって生じる復元力と同じ大きさの力をクレーンフック110に与えたが、当該復元力よりも小さな力をクレーンフック110に与えることもできる。このようにすることで、ワイヤ102cの捻じれを解消しようとする力が小さくなり、クレーンフック110の旋回速度を遅くすることができる。このようにすることで、ワイヤ102cの捻じれを解消しつつ、クレーンフック110の回転速度を遅くすることができるため、吊り作業の安定化を図ることができる。
そして、上記の復元力が無くなった時点で(即ち、図6において二点鎖線の位置に吊り荷101bが戻った時点で)、新たに吊り荷101bに発生する慣性力と同じ大きさの外力をクレーンフック110に加えるようにすることができる。このようにすることで、復元力が無くなった後にクレーンフック110が旋回し続けることを抑制することができ、吊り荷101bの新たな動作の発生を抑制することができる。
なお、図4〜図6を参照しながら説明した例では、前後方向の揺れ(図4)と、左右方向の揺れ(図5)と、旋回(図6)とは、独立して発生するものとした。しかし、実際には、例えば、前後方向に揺れながら旋回する等、任意の組み合わせで吊り荷101bが動作する可能性がある。その場合には、上記の制御を適宜組み合わせることで、吊り荷101bの姿勢を安定化することができる。
図7は、第一実施形態のクレーンフック装置100の上方斜視図である。ドローン111には、上記のように、本体部111gの上面に、4つのプロペラ111a,111b,111c,111dが備えられる。これらのうち、プロペラ111aとプロペラ111cとは、フック部113の柱部110cを中心として対称となる位置に配置される。また、プロペラ111bとプロペラ111dとも、フック部113の柱部110cを中心として対称となる位置に配置される。従って、プロペラ111a,111b,111c,111dは、正方形の各頂点の位置なるようにドローン111に固定されている。
4つのプロペラ111a,111b,111c,111dのうち、隣り合うプロペラ同士が逆方向に回転することで、ドローン111が浮き上がる。具体的には、プロペラ111aの回転方向と、プロペラ111aと隣り合うプロペラ111b,111dの回転方向とは逆である。また、プロペラ111b,111dの回転方向と、隣り合うプロペラ111cの回転方向とは逆である。そのため、プロペラ111aの回転方向と、プロペラ111cの回転方向とは同じとなる。そして、これらの回転方向を維持しつつ、4つのプロペラ111a,111b,111c,111dの回転速度を全て同じにすることで、ドローン111が空中でホバリングする。
一方で、ドローン111が空中で移動する場合、その移動方向で上流側に配置された一対のプロペラの回転速度が相対的に遅くなり、その下流側に配置された一対のプロペラの回転速度が相対的に早くなる。具体的には例えば、図7において、ドローン111が前方向に移動する場合(即ち、前方向の推進力を生じる場合)、前側のプロペラ111b,111cの回転速度が相対的に遅くなり、後側のプロペラ111a,111dの回転速度が相対的に速くなる。
また、ドローン111の移動速度(即ち、クレーンフック110に与える外力の大きさ)は、前側のプロペラと後ろ側のプロペラとの回転速度の差によって制御することができる。具体的には例えば、前側のプロペラ111b,111cの回転速度と後側のプロペラ111a,111dの回転速度の差を大きくすれば、クレーンフック110に与える外力の大きさを大きくすることができる。また、その回転速度の差を小さくすれば、クレーンフック110に与える外力の大きさを小さくすることができる。
そして、これらの点は、前方向以外の他の方向(後ろ方向、左方向、右方向)であっても同様に当てはまる。従って、クレーンフック110が揺れる場合(図4及び図5参照)には、これらのようにしてプロペラ111a,111b,111c,111dの回転速度が制御されることで、クレーンフック110に対し、その揺れを打ち消すような外力を与えることができる。
また、ドローン111が空中で旋回する場合、旋回の方向と同じ方向に回転しているプロペラの回転速度が、旋回の方向と反対の方向に回転しているプロペラの回転速度よりも大きくなる。具体的には例えば、プロペラ111a,111cが時計回りに回転し、プロペラ111b,111dが反時計回りに回転し、これらの回転速度が全て同じとする。これにより、ドローン111は空中でホバリングしている。そして、この状態において、ドローン111を例えば時計回りに旋回させたい場合、時計回りに回転しているプロペラ111a,111cの回転速度を相対的に速くし、反時計回りに回転している111b,111dの回転速度を相対的に遅くすればよい。これにより、ドローン111は時計回りに旋回する。
また、ドローン111の旋回速度(即ち、クレーンフック110に与える外力の大きさ)は、時計回りのプロペラと反時計回りのプロペラとの回転速度の差によって制御することができる。具体的には例えば、時計回りに回転しているプロペラ111a,111cの回転速度と反時計回りに回転しているプロペラ111b,111dの回転速度の差を大きくすれば、クレーンフック110に与える外力の大きさを大きくすることができる。また、その回転速度の差を小さくすれば、クレーンフック110に与える外力の大きさを小さくすることができる。
そして、これらの点は、反時計回りにドローン111を旋回させたい場合であっても同様に当てはまる。従って、クレーンフック110が旋回する場合(図6参照)には、これらのようにしてプロペラ111a,111b,111c,111dの回転速度が制御されることで、クレーンフック110に対し、その旋回を打ち消すような外力を与えることができる。
なお、ドローン111の駆動(移動及び旋回)は、上記のように、センサ装置115により検出された値に基づき、ドローン111に備えられる上記の制御装置(図示しない)によって為される。
図8は、第一実施形態のクレーンフック装置100に吊るされた吊り荷101bが動作し始めた場合に吊り荷101bの姿勢を安定化させる方法(吊り荷姿勢安定化方法)を示すフローチャートである。まず、地上にいる作業員(図示しない)により、クレーンフック装置100の先端部110a(図2参照)に、吊り荷101bのワイヤ101a(図2参照)が引っ掛けられる(所謂玉掛け作業)。次いで、作業員(図示しない)がクレーン車102の巻取り装置102d(図1参照)を操作し、ワイヤ102cを巻き取ることで、吊り荷101bが吊り上げられる(ステップS1)。この状態が、上記の図1に示した状態である。
吊り荷101bの吊り上げ後、ドローン111の制御装置(図示しない)は、センサ装置115(図4参照)によって、クレーンフック110の揺れ(図4及び図5)及び旋回(図6)のうちの少なくとも一方の動作の検出を待機する(ステップS2、動作検出ステップ)。そして、その動作が検出された場合には(ステップS2のYes方向)、ドローン111の制御装置は、その動作の種類及び大きさを算出する(ステップS3)。具体的には、制御装置は、クレーンフック110が揺れ、旋回、又はその双方の動作をしているかを判断する。また、これとともに、制御装置は、クレーンフック110に生じた動作の大きさ(例えば揺れが生じている場合には、加速度、方向等)が判断される。
そして、制御装置は、このステップS3での判断に基づいて、クレーンフック110の動作を停止させるような外力をクレーンフックに対して加えるように、ドローン111の動作を制御する(ステップS4、姿勢安定化ステップ)。具体的には、例えば揺れている場合には、制御装置は、上記の図4及び図5を参照しながら説明した方法に沿って、動作を停止させるような外力をクレーンフック110に与えるように、ドローン111の駆動を制御する。以上のフローにより、クレーンフック110の動作が緩和するようにドローン111が駆動され、クレーンフック装置100に吊るされた吊り荷101bの姿勢を安定化することができる。
図9は、第二実施形態のクレーンフック装置100Aの正面図である。また、図10は、第二実施形態のクレーンフック装置100Aの側面図である。以下の第二実施形態においては、上記の第一実施形態と同じ部材については同じ符号を付すものとして、重複する説明の記載は省略する。また、図9及び図10では、ドローン111の内部構造を把握し易くするために、貫通部111e及び弾性体111fの断面構造を可視化して示している。
上記の図2等に示した第一実施形態では、ドローン111は、柱部110cと先端部110aとの間に挟み込まれるようにして、フック部113に取り付けられていた。しかし、この図9に示す第二実施形態では、ドローン111がフック部113に取り付けられる点は同じであるが、ドローン111が有する貫通部111eに柱部110hが挿通されることで、ドローン111が取り付けられている。このようにすることで、フック部113へのドローン111の取り付けを容易にすることができる。
ドローン111は、本体部111g及びプロペラ111a,111b,111c,111dを備えるほか、本体部111gを上下方向に貫通する貫通部111eを備える。また、フック部113は、吊り荷を吊るす先端部110aのほか、上記の柱部110cよりも上下方向に長い柱部110hを備える。この柱部110hは、先端部110aに接続されるように(即ち、柱部110hと先端部110aとは一体に)構成される。
貫通部111eの内形状は、柱部110hの外形状と同じ形状(例えば円柱状)になっている。また、貫通部111eと柱部110hとの間には、柱部110hを囲うように、ゴム等の弾性体111fが配置されている。なお、この弾性体111fにより囲まれる部分の大きさは、柱部110hの大きさよりもわずかに大きい。そのため、例えば、貫通部111eの内壁に弾性体111fを配置した後、フック部113を弾性体111fによって囲まれる空間に、容易に挿通することができる。そして、挿通後、弾性体111fを上下方向からボルト等で押圧することで、弾性体111fの弾性力により、ドローン111をフック部113に固定することができる。
なお、弾性体111fが配置されることが好ましいが、弾性体111fは配置されなくてもよい。弾性体111fが配置されなくも、柱部110hを貫通部111eに挿通するだけで、ドローン111をフック部113に容易に取り付けることができる。
図11は、第三実施形態のクレーンフック装置100Bの正面図である。以下の第三実施形態においては、上記の第一実施形態と同じ部材については同じ符号を付すものとして、重複する説明の記載は省略する。
上記の図2等に示した第一実施形態では、ドローン111は、1台のみ備えらえていた。しかし、この図11に示す第三実施形態では、2台のドローン120,121(それぞれ、第1ドローン、第2ドローン)が備えられている。これらのドローン120,121は、上記のドローン111と同じ仕様を有するものである。なお、クレーンフック装置100に備えられる数は、3台以上であってもよい。複数のドローン120,121が使用されることにより、一つのドローンを使用する場合と比べて、より大きな外力をクレーンフック110に加えることができる。このため、クレーンフック110に動作が生じたときに、速やかに当該動作を停止させるようにすることができる。
さらには、複数のドローン120,121を使用することで、クレーンフック110に与える外力の起点が複数となる。そのため、クレーンフック110に対して速やかに外力を与えることができ、この観点でも、クレーンフック110の動作を速やかに停止することができる。また、複数のドローン120,121を使用することで、一つのドローンを使用して同じ大きさの外力を与える場合と比べて、一つ当たりのドローンにより与えられる外力の大きさを小さくすることができる。このため、ドローン120,121の駆動負荷を低減し、ドローン120,121の耐久性を向上させることができる。
ドローン120,121は、支持体130を介してクレーンフック110に固定される。支持体130は、上記のクレーンフック装置100(図2参照)におけるドローン111の支持と同様にして、フック部113に取り付けられる。この支持体130は、フック部113から前方向(第1方向)に向かって延在する第1延在部130aと、フック部113から後方向(第2方向)に向かって延在する第2延在部130bと、を備えて一体に構成される。そして、ドローン120(第1ドローン)は、第1延在部130aの端に取り付けられ、ドローン121(第2ドローン)は、第2延在部130bの端に取り付けられる。なお、第1延在部130aの長さと第2延在部130bの長さとは、この第三実施形態では同じとしたが、異なっていてもよい。
このようにすることで、フック部113を中心として、複数の方向にドローン120,121を配置することができる。そのため、ドローン120,121同士の干渉が抑制され、所望の大きさ及び方向の外力を適切にクレーンフック110に与え易くすることができる。
また、第1延在部130a及び第2延在部130bの長さを適宜調整することで、ドローン120及びドローン121により与えられる外力のモーメントを制御することができる。そのため、例えば、クレーンフック110の動作が大きいことが予想される場合には、第1延在部130a及び第2延在部130bの長さを長くして、ドローン120及びドローン121の配置位置をフック部113から遠ざけることができる。これにより、ドローン120及びドローン121により与えられる外力のモーメントが大きくなり、クレーンフック110が大きく動作した場合であっても姿勢を容易に安定化させることができる。一方で、クレーンフック110の動作が小さいことが予想される場合には、第1延在部130a及び第2延在部130bの長さを短くして、ドローン120及びドローン121の配置位置をフック部113に近づけることができる。これにより、クレーンフック装置100の小型化を図ることができる。
図12は、第三実施形態のクレーンフック装置の上面図である。上記のように、ドローン120,121は、第一実施形態のドローン111と同じ仕様のものである。そして、ドローン111のプロペラ111aは、ドローン120のプロペラ120a及びドローン121のプロペラ121aに、ドローン111のプロペラ111bは、ドローン120のプロペラ120b及びドローン121のプロペラ121bに、ドローン111のプロペラ111cは、ドローン120のプロペラ120c及びドローン121のプロペラ121cに、ドローン111のプロペラ111dは、ドローン120のプロペラ120d及びドローン121のプロペラ121dに対応する。また、ドローン111の本体部111gは、ドローン120の本体部120g及びドローン121の本体部121gに対応する。
従って、例えば、上記の図4を参照しながら説明したように前後方向に揺れている場合には、上記の図7を参照しながら説明したように、ドローン120,121の各プロペラを制御すればよい。具体的には、例えば、図4のような後ろ方向の外力を与える場合には、ドローン120においては、プロペラ120b,120cの回転速度を相対的に速くし、プロペラ120a,120dの回転速度を相対的に遅くすればよい。一方で、ドローン121においては、プロペラ121b,121cの回転速度を相対的に速くし、プロペラ121a,121dの回転速度を相対的に遅くすればよい。他の動作についても同様である。このように、複数台のドローン120,121を使用してクレーンフック110に外力を与えることで、ドローン120,121の運転負荷を分散させることができる。このため、ドローン120,121の耐久性を向上させることができる。
100,100A,100B クレーンフック装置
101a,102c ワイヤ
101b 荷
102 クレーン車
102a ブーム
102b,112d,112e ローラ
102d 巻取り装置
110 クレーンフック
110a 先端部
110b 外れ止め装置
110c,110h 柱部
111,120,121 ドローン
111a,111b,111c,111d,120a,120b,120c,120d,121a,121b,121c,121d プロペラ
111e 貫通部
111f 弾性体
111g,120g,121g 本体部
112 フックブロック
112a 平板
112b 回転部材
112c キャップ部材
113 フック部
115 センサ装置
130 支持体
130a 第1延在部
130b 第2延在部
S1,S2,S3,S4 ステップ

Claims (7)

  1. クレーンにより吊り荷を吊り上げるためのクレーンフック装置であって、
    前記クレーンにより巻き上げられるワイヤに接続されるクレーンフックと、
    前記クレーンフックの揺れ、及び、前記ワイヤを中心とする前記クレーンフックの旋回を検出するためのセンサ装置と、
    前記揺れ及び前記旋回のうちの少なくとも一方の動作が検出されたときに、検出された前記動作を停止させるように、前記クレーンフックに対して外力を加える少なくとも一つのドローンと、を備える
    ことを特徴とする、クレーンフック装置。
  2. 前記クレーンフックは、前記ワイヤに繋がるフックブロックと、前記吊り荷を吊るすフック部と、を備え、
    前記フック部は、前記フックブロックに対して回転可能なように前記フックブロックに支持され、
    前記少なくとも一つのドローンは、前記フック部に取り付けられる
    ことを特徴とする、請求項1に記載のクレーンフック装置。
  3. 前記フック部は、柱部と、前記吊り荷を吊るす先端部と、を備え、
    前記少なくとも一つのドローンは、前記柱部と前記先端部との間に挟み込まれるようにして、前記フック部に取り付けられる
    ことを特徴とする、請求項2に記載のクレーンフック装置。
  4. 前記フック部は、柱部と、前記柱部に接続されるとともに前記吊り荷を吊るす先端部と、を備え、
    前記少なくとも一つのドローンは、本体部と、前記本体部を貫通する貫通部と、を備え、
    前記少なくとも一つのドローンは、前記貫通部に前記柱部が挿通されることで、前記フック部に取り付けられる
    ことを特徴とする、請求項2に記載のクレーンフック装置。
  5. 前記少なくとも一つのドローンは、第1ドローン、及び第2ドローンを少なくとも含む
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のクレーンフック装置。
  6. 前記クレーンフックは、前記ワイヤに繋がるフックブロックと、前記吊り荷を吊るすフック部と、を備え、
    前記クレーンフックは、前記フック部から第1方向に向かって延在する第1延在部と、前記フック部から第2方向に向かって延在する第2延在部と、を有する支持体を含み、
    前記第1ドローンは、前記第1延在部に取り付けられ、
    前記第2ドローンは、前記第2延在部に取り付けられる
    ことを特徴とする、請求項5に記載のクレーンフック装置。
  7. クレーンにより吊り荷を吊り上げるためのクレーンフック装置により吊り荷の姿勢を安定化する吊り荷姿勢安定化方法であって、
    前記クレーンフック装置は、
    前記クレーンにより巻き上げられるワイヤに接続されるクレーンフックと、
    前記クレーンフックの揺れ、及び、前記ワイヤを中心とする前記クレーンフックの旋回を検出するためのセンサ装置と、
    前記揺れ及び前記旋回のうちの少なくとも一方の動作が検出されたときに、検出された前記動作を停止させるように、前記クレーンフックに対して外力を加える少なくとも一つのドローンと、を備え、
    前記吊り荷姿勢安定化方法は、
    前記センサ装置によって、前記動作を検出する動作検出ステップと、
    当該動作検出ステップにおいて前記動作が検出されたときに、検出された前記動作を停止させるような外力を前記クレーンフックに対して加えるように、前記少なくとも一つのドローンの動作を制御する姿勢安定化ステップと、を有する
    ことを特徴とする、吊り荷姿勢安定化方法。
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