JP2013067496A - 揚重旋回制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに逆向きの偶力Fa、Fbを発生する2組の送風機群を吊り治具1に搭載し、各送風機2を駆動するための駆動源としての発電機3と、各送風機群を遠隔操作するための遠隔操作手段としてのリモートコントローラ4を備える。各組の送風機群をそれぞれ吊り治具の両端部に配置された少なくとも2台の送風機2により構成し、それら送風機をそれぞれ吊り治具の軸線方向に対して互いに逆向きの水平横方向に対して空気流を送風することによって吊り治具を被揚重物とともに水平面内において一方向に旋回させるための偶力を発生させる。あるいは、クレーンのフック5bに旋回治具を装着し、その装着治具に対して同様に2組の送風機群を搭載する。
【選択図】図2
Description
また、特許文献1や特許文献2には、旋回推進機としての送風機を遠隔操作することにより、送風機による風力を推進力として利用して吊り荷の姿勢を制御可能とした吊具および吊り治具についての提案がある。
また、特許文献1や特許文献2に示されるように送風機を推進機として利用する旋回吊り具は、簡単な機構で吊り荷の位置決めや構造物との干渉を回避し得る程度の制御は行い得るが、十分な旋回トルクを確保し難いものであって強風時等においては必ずしも十分な旋回防止機能を発揮できない場合もあり、その点では改良の余地を残しているものである。
これは被揚重物(図示略)を吊り治具1を介してクレーン(本体の図示略)により揚重する場合において、吊り治具1に2組4台の送風機2(2a、2b)と、それら送風機2を駆動するための駆動源としての発電機3を搭載しておき、それらの送風機2および発電機3を無線による遠隔操作手段としてのリモートコントローラ4(図2(a)参照)により地表部から遠隔操作することによって、吊り治具1およびそれにより吊持されている被揚重物の水平旋回を制御するようにしたことを主眼とする。
そして、図示例の吊り治具1は両端部に自動玉掛け玉外し装置7が設けられていて、玉掛けおよび玉外しも含めて揚重作業全体をほぼ完全自動的に行うことを想定しており、そのため、揚重時における吊り治具1の位置決めのための旋回操作も通常のように介錯ロープを人為的に操作することで行うことに代えて上記のように遠隔操作によって機械的に行うようにしている。
つまり、一方の端部に設置されている1台の送風機2aと他方の端部に設置されている1台の送風機2aとが1組となってそれらが同時に互いに逆方向に空気流を吹き出すことによって、それらの反力によって吊り治具1が右旋回するような偶力Faを発生可能とされている。同様に、一方の端部に設置されている他の1台の送風機2bと他方の端部に設置されている他の1台の送風機2bとが1組となってそれらが同時に互いに逆方向に空気流を吹き出すことによって、それらの反力によって吊り治具1が左旋回するような偶力Fbを発生可能とされている。
また、本実施形態の揚重旋回制御装置は、従来一般の吊り治具1に対して汎用の建設機材である単なる送風機2と発電機3とを設置することのみで構成可能であるので、従来のジャイロによる姿勢制御装置に比較すれば全体の構成が遙かに簡便であるし軽量でもあり、したがって十分に安価に製作可能であってこれを用いることによるコストアップは些少で済むし、一般的なクレーンによる揚重作業の際に支障なく適用することが可能である。
図1〜図2に示した実施形態では一方向に旋回させるための1組の送風機群を2台の送風機2により構成したが、図3に示す実施形態では各組の送風機群をそれぞれ4台の送風機2(すなわち右旋回用の4台の送風機2aと、左旋回用の4台の送風機2b)により構成し、したがって全体では2組8台の送風機2を搭載したものである。
この場合は旋回のための推進力としての風力を倍増させることが可能であるので、さらに速やかに旋回させることが可能であるし、強風時における旋回防止にも十分に対処可能となる。
なお、送風機2の台数を増大させることで発電機3の容量が不足する場合には、必要に応じて複数台の発電機3を吊り治具1に対してアンバランスとならない位置に搭載すれば良い。
また、同じく図6に示しているように、送風機2および発電機3をいずれも吊り治具1の下部に吊り下げる形態で設置しても良い。
さらに、図7に示すように2本の吊り治具1をX状に交差させることでも良く、その場合には図示例のように交差部に発電機3を設置したうえでいずれか一方の吊り治具1に対してのみ上記各実施形態と同様に送風機2および発電機3を設置することでも良いし、あるいは2本の吊り治具1の双方に対して送風機2を設置することでも良い。
また、図8〜図9に示す実施形態では各組の2台の送風機2をそれぞれ1台の発電機3により駆動することとして、全2台の発電機3を旋回治具11の両端部下部に吊り下げる形態で搭載しているが、必ずしもそうすることはなく、図1〜図7に示した上記各実施形態の場合と同様に発電機3は1台とすることでも勿論良いし、必要であればさらに多数としても良く、アンバランスとならない範囲内であればそれらの設置位置も任意である。
2 送風機
2a 送風機(右旋回用)
2b 送風機(左旋回用)
3 発電機(駆動源)
4 リモートコントローラ(遠隔操作手段)
5 フックブロック
5a シーブブロック
5b フック
6 ワイヤー
7 自動玉掛け玉外し装置
8 ワイヤー
10 吊り治具
11 旋回治具
Claims (2)
- クレーンが備えるフックにより長尺の吊り治具を略水平姿勢でかつ水平旋回可能に吊持して該吊り治具により被揚重物を吊持することにより、前記被揚重物を前記吊り治具を介して前記クレーンにより揚重するとともに、揚重時における前記被揚重物の水平旋回を制御するための揚重旋回制御装置であって、
前記吊り治具に2組の送風機群を搭載するとともに、前記各送風機群を駆動するための駆動源および前記各送風機群を遠隔操作するための遠隔操作手段を備えてなり、
前記各組の送風機群を、それぞれ前記吊り治具の両端部に配置した少なくとも2台の送風機により構成し、
前記各組の送風機群における少なくとも2台の送風機を、それぞれ前記吊り治具の軸線方向に対して互いに逆向きの水平横方向に対して空気流を送風することによって該吊り治具を前記被揚重物とともに水平面内において一方向に旋回させるための偶力を発生可能とし、
かつ各組の送風機群を前記吊り治具を互いに逆方向に旋回させるように互いに逆向きの偶力を発生可能に構成してなることを特徴とする揚重旋回制御装置。 - クレーンが備えるフックにより被揚重物を水平旋回可能に吊持して該被揚重物を前記クレーンにより揚重するとともに、揚重時における前記被揚重物の水平旋回を制御するための揚重旋回制御装置であって、
前記フックに対して長尺の旋回治具の軸方向中央部を支持して略水平姿勢で装着し、該旋回治具に2組の送風機群を搭載するとともに、前記各送風機群を駆動するための駆動源および前記各送風機群を遠隔操作するための遠隔操作手段を備えてなり、
前記各組の送風機群を、それぞれ前記旋回治具の両端部に配置した少なくとも2台の送風機により構成し、
前記各組の送風機群における少なくとも2台の送風機を、それぞれ前記旋回治具の軸線方向に対して互いに逆向きの水平横方向に対して空気流を送風することによって該旋回治具を前記フックおよび前記被揚重物とともに水平面内において一方向に旋回させるための偶力を発生可能とし、
かつ各組の送風機群を前記旋回治具を互いに逆方向に旋回させるように互いに逆向きの偶力を発生可能に構成してなることを特徴とする揚重旋回制御装置。
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