JP2019067912A - 太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】非発電領域の割合が小さく、面積当たりの発電量が大きい太陽電池を提供する。【解決手段】金属基材上に、絶縁層、下部電極、光電変換層及び上部電極をこの順で有する発電素子が2以上形成されている太陽電池であって、隣り合う前記発電素子の間に、溝状の集電用領域を有しており、前記集電用領域に、隣り合う前記発電素子の前記上部電極間を電気的に接続している上部電極延長部を有しており、前記集電用領域において、前記上部電極延長部が前記金属基材に接触し、かつ、前記上部電極延長部が前記金属基材に電気的に接続している太陽電池。【選択図】図1

Description

本発明は、非発電領域の割合が小さく、面積当たりの発電量が大きい太陽電池に関する。
近年、ペロブスカイト太陽電池が注目されている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。ペロブスカイト太陽電池は、高い光電変換効率が期待できるうえに、印刷法によって製造できることから製造コストを大幅に削減することができる。
一方、近年、ポリイミド、ポリエステル系の耐熱高分子材料や金属箔を基材とするフレキシブルな太陽電池が注目されるようになってきている。例えば、特許文献2には、シート状のアルミニウム基材を含む半導体装置用基板、及び、この半導体装置用基板を含む有機薄膜太陽電池が記載されている。
特開2014−72327号公報 特開2013−253317号公報
M.M.Lee,et al,Science,2012,338,643
発電量の増大のために、太陽電池の大面積化が進められている。大面積化された太陽電池においては、電子の移動距離が長くなって抵抗(電気抵抗)が増すため、如何にして電子の移動距離を短く抑え、効率的に電流を取出すかが重要な課題となる。
大面積化した場合にも効率的に電流を取出す方法として、薄膜太陽電池においては、例えば、上部電極上にバスバー電極、フィンガー電極等の集電用配線を張り巡らせる方法が採用されている。図3に、集電用配線を備えた従来の太陽電池の一例を部分的かつ模式的に示す。図3に示す太陽電池3は、基材32上に下部電極34、光電変換層35及び上部電極36をこの順で有しており、上部電極36上には集電用のバスバー電極37及びフィンガー電極38が張り巡らされている。
また、大面積化した場合にも効率的に電流を取出すために、CIGS等の無機太陽電池やペロブスカイト太陽電池等の有機又は有機無機太陽電池においては、例えば、基材上にそれぞれパターニングされた下部電極、光電変換層、上部電極等を順に積層していくことで得られる、溝により隔てられた太陽電池セル単位が集積した構造が採用されている。このような構造はモノリシック型構造とも呼ばれる。図2に、モノリシック型構造を有する従来の太陽電池の一例を部分的かつ模式的に示す。図2に示す太陽電池2は、基材22上にそれぞれパターニングされた下部電極24、光電変換層25及び上部電極26をこの順で有しており、溝により隔てられた太陽電池セル単位が集積した、モノリシック型構造を有している。図2に示す太陽電池2においては、隣接する太陽電池セル単位の下部電極24と上部電極26とが接続されており、太陽電池セル単位が直列に連なった構造となっている。
ここで、図3に示す太陽電池3において、集電用配線部分には光が入射せず、発電に寄与しない非発電領域となる。図2に示す太陽電池2においても、太陽電池セル単位を隔てている溝の周辺部分は、発電に寄与しない非発電領域となる。このような非発電領域の割合が大きくなると、太陽電池全体の面積当たりの発電量が低下してしまうことから、大面積化された太陽電池において発電量を増大させるためには、効率的に電流を取出しつつ非発電領域の割合を抑えることが求められている。
本発明は、非発電領域の割合が小さく、面積当たりの発電量が大きい太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、金属基材上に、絶縁層、下部電極、光電変換層及び上部電極をこの順で有する発電素子が2以上形成されている太陽電池であって、隣り合う前記発電素子の間に、溝状の集電用領域を有しており、前記集電用領域に、隣り合う前記発電素子の前記上部電極間を電気的に接続している上部電極延長部を有しており、前記集電用領域において、前記上部電極延長部が前記金属基材に接触し、かつ、前記上部電極延長部が前記金属基材に電気的に接続している太陽電池である。
以下、本発明を詳述する。
本発明によれば、非発電領域の割合が小さく、面積当たりの発電量が大きい太陽電池を提供することができる。
本発明の太陽電池の一例を部分的かつ模式的に示す斜視図である。 モノリシック型構造を有する従来の太陽電池の一例を部分的かつ模式的に示す斜視図である。 集電用配線を備えた従来の太陽電池の一例を部分的かつ模式的に示す斜視図である。 有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。
以下、本発明を実施の形態に即して説明する。
本発明者らは、金属基材を有するフレキシブルな太陽電池において、従来の太陽電池の構造とは異なる新たな構造として、隣り合う発電素子の上部電極間を電気的に接続している上部電極延長部を有し、該上部電極延長部が金属基材に接触するとともに電気的に接続している溝状の集電用領域を有する構造を採用することを検討した。本発明者らは、このような構造を採用することにより、非発電領域の割合を抑えることができると同時に、太陽電池内部で発生した電流が上部電極から上部電極延長部を通って金属基材へと流れるため、効率的に電流を取出すことができることを見出した。これにより、本発明を完成させるに至った。
本発明の太陽電池は、金属基材上に、絶縁層、下部電極、光電変換層及び上部電極をこの順で有する発電素子が2以上形成されているものである。発電素子の最小構成単位は、下部電極、光電変換層及び上部電極で構成される。
なお、本明細書中、「層」とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。なお、層の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
本発明の太陽電池は、隣り合う上記発電素子の間に、溝状の集電用領域を有しており、上記集電用領域に、隣り合う上記発電素子の上記上部電極間を電気的に接続している上部電極延長部を有している。上記集電用領域においては、上記上部電極延長部が上記金属基材に接触し、かつ、上記上部電極延長部が上記金属基材に電気的に接続している。
このような構造を採用することにより、非発電領域の割合を抑えることができると同時に、太陽電池内部で発生した電流が上部電極から上部電極延長部を通って金属基材へと流れるため、効率的に電流を取出すことができる。従って、太陽電池全体としての面積当たりの発電量を増大させることができる。
図1に、本発明の太陽電池の一例を部分的かつ模式的に示す。
図1に示す太陽電池1は、金属基材12上に、絶縁層13、下部電極14、光電変換層15及び上部電極16をこの順で有する発電素子が2以上形成されているものである。図1に示す太陽電池1は、隣り合う発電素子の間に、溝状の集電用領域を有しており、該集電用領域に、隣り合う発電素子の上部電極16間を電気的に接続している上部電極延長部16Aを有している。該集電用領域において、上部電極延長部16Aが金属基材12に接触し、かつ、上部電極延長部16Aが金属基材12に電気的に接続している。
このような構造を採用することにより、非発電領域の割合を抑えることができると同時に、太陽電池内部で発生した電流が上部電極16から上部電極延長部16Aを通って金属基材12へと流れるため、効率的に電流を取出すことができる。非発電領域の割合は特に限定されないが、例えば、集電用領域の溝方向に対して直行する方向に切断した太陽電池の断面において、発電領域の幅(図1中、b)0.1〜30mm程度に対して、集電用領域及びその周辺部分を含む非発電領域の幅(図1中、a)は20〜300μm程度である。
なお、図1に示す太陽電池1においては、絶縁層13の側面と、集電用領域における金属基材12の上面との形成する角度が90°を超えており、かつ、下部電極14は、端部が絶縁層13の端部よりも内側となるように形成されている。更に、下部電極14の一部が光電変換層15及び上部電極16で覆われておらず外部に露出している下部電極開口部14Aが設けられている。ただし、本発明の太陽電池はこのような態様に限定されない。
上記上部電極は特に限定されず、陰極になってもよく、陽極になってもよいが、透明電極であることが好ましい。
上記上部電極の材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物、金等の金属、CuI等が挙げられる。また、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記上部電極延長部は、上記上部電極と同様の材料からなることが好ましい。
上記金属基材を用いることにより、フレキシブル性に優れた太陽電池とすることができる。また、上記金属基材を用いることにより、耐熱性高分子を用いる場合と比べてコストを抑えられるとともに、高温処理を行うことができる。例えば、後述するように光電変換層が有機無機ペロブスカイト化合物を含む場合、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層形成時において耐光性(光劣化に対する耐性)を付与する目的で80℃以上の温度で熱アニール(加熱処理)を行っても、歪みの発生を最小限に抑えて、高い光電変換効率を得ることができる。
上記金属基材は特に限定されず、例えば、アルミニウム、チタン、銅、金等の金属や、ステンレス鋼(SUS)等の合金からなる金属基材が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、アルミニウム箔が好ましい。上記アルミニウム箔を用いることにより、他の金属基材を用いる場合と比べてもコストを抑えられ、また、柔軟性があることから作業性を向上できる。
上記金属基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限が5μm、好ましい上限が500μmである。上記金属基材の厚みが5μm以上であれば、より効率的に電流を取出すことができ、また、充分な機械的強度を持つ取扱い性に優れた太陽電池とすることができる。上記金属基材の厚みが500μm以下であれば、フレキシブル性に優れた太陽電池とすることができる。上記金属基材の厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は100μmである。
上記集電用領域において、上記上部電極延長部を上記金属基材に接触させ、かつ、電気的に接続させるためには、上記上部電極延長部と上記金属基材とが電気的に接続するようにこれらの材料を選択し、上記上部電極延長部を上記金属基材上に積層すればよい。
上記集電用領域においては、上記上部電極延長部と上記金属基材との間に、金属層が積層されていてもよい。上記金属層が積層されていることにより、上記上部電極延長部と上記金属基材との間の接触抵抗を低減することができ、より効率的に電流を取出すことができる。なお、上記金属層は、上記集電用領域以外においても積層されていてもよく、この場合、上記金属層は、上記金属基材と上記絶縁層との間に積層される。
上記金属層を構成する金属は特に限定されないが、酸化されにくい金属が好ましく、具体的には例えば、Ti、Mo、Cr、Ni、Al、W、Ta、Ag、Au及びPtの金属単体並びにこれらの金属を含む合金等が挙げられる。なかでも、Ti、Mo、Cr及びNiの金属単体並びにこれらの金属を含む合金が好ましい。
上記集電用領域の上記上部電極延長部が上記金属基材に接触している部分において、上記金属基材の表面の一部は、除去されていることが好ましい。
上記集電用領域の上記上部電極延長部が上記金属基材に接触している部分における上記金属基材の表面の一部が除去されていることにより、太陽電池の製造過程で上記金属基材の表面に残ったスクライブ残渣(有機物)が除去されるため、該スクライブ残渣による接触抵抗の増大を抑制することができ、より効率的に電流を取出すことができる。
より詳細には、上記金属基材上に上記絶縁層を形成する際には、上記金属基材全体に絶縁層を製膜した後、例えばメカニカルスクライブ、レーザースクライブ等のスクライブ方法により、製膜した絶縁層をスクライブする。これにより、上記集電用領域となる溝が形成される。この際、上記集電用領域における上記金属基材の表面からは上記絶縁層が削られるものの、表面にスクライブ残渣が残存することがある。従って、上記絶縁層の形成後に更に上記集電用領域の上記上部電極延長部が上記金属基材に接触しうる部分における上記金属基材の表面の一部を除去することにより、このような上記金属基材の表面に残ったスクライブ残渣を除去することができる。
上記集電用領域の上記上部電極延長部が上記金属基材に接触している部分における上記金属基材の表面の一部が除去されていることは、例えば、太陽電池の断面を電子顕微鏡(例えば、S−4800、HITACHI社製等)で観察し、得られた写真を解析することにより確認することができる。
上記絶縁層は特に限定されず、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛等からなる無機絶縁層、エポキシ樹脂、ポリイミド等からなる有機絶縁層が挙げられる。なかでも、上記金属基材がアルミニウム箔である場合には、上記絶縁層が酸化アルミニウム被膜であることが好ましい。
上記絶縁層として上記酸化アルミニウム被膜を用いることにより、有機絶縁層の場合と比べて、大気中の水分が絶縁層を透過して光電変換層を劣化させることを抑制することができる。
また、例えば、後述するように光電変換層が有機無機ペロブスカイト化合物を含む場合、上記絶縁層として上記酸化アルミニウム被膜を用いることにより、上記アルミニウム箔と接することで時間の経過とともに光電変換層に変色が生じ、腐食が起きるという現象を抑制することができる。なお、一般的な他の太陽電池では光電変換層がアルミニウムと反応して変色が生じること等は報告されておらず、上記のような腐食が起きるという現象は、光電変換層が有機無機ペロブスカイト化合物を含むペロブスカイト太陽電池に特有の問題として本発明者らが見出したものである。
上記酸化アルミニウム被膜を製膜する方法は特に限定されず、例えば、上記アルミニウム箔に陽極酸化を施す方法、上記アルミニウム箔の表面にアルミニウムのアルコキシド等を塗布する方法、上記アルミニウム箔の表面に熱処理による自然酸化被膜を形成する方法等が挙げられる。なかでも、上記アルミニウム箔の表面全体を均一に酸化させることができることから、上記アルミニウム箔に陽極酸化を施す方法が好ましい。即ち、上記酸化アルミニウム被膜は、陽極酸化被膜であることが好ましい。
上記アルミニウム箔に陽極酸化を施す場合には、陽極酸化における処理濃度、処理温度、電流密度、処理時間等を変更することにより、上記酸化アルミニウム被膜の厚みを調整することができる。上記処理時間は特に限定されないが、上記酸化アルミニウム被膜の作製の容易さの観点から、好ましい下限は5分、好ましい上限は120分であり、より好ましい上限は60分である。
上記絶縁層の側面と、上記集電用領域における上記金属基材の上面との形成する角度は、90°を超えることが好ましい。
上記角度が90°を超えることにより、上記絶縁層の側面の傾斜が緩やかになり、上記絶縁層の側面に積層される上記上部電極の厚みが薄くなることを抑制することができる。これにより、上記上部電極の厚みが薄くなることによる抵抗(電気抵抗)の増大を抑制することができ、より効率的に電流を取出すことができる。上記角度は100°以上がより好ましく、120°以上が更に好ましい。
上記絶縁層の側面と、上記集電用領域における上記金属基材の上面との形成する角度は、例えば、太陽電池の断面を電子顕微鏡(例えば、S−4800、HITACHI社製等)で観察し、得られた写真を解析することにより測定することができる。
上記絶縁層は、上層と下層とからなる2層構造を有していてもよい。この場合、上層の端部が下層の端部よりも内側となるように形成されていることが好ましい。上層の端部が下層の端部よりも内側であることにより、上記絶縁層上に積層される下部電極の側面が上記上部電極に接触して短絡が生じることを防ぐことができる。
上記絶縁層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限が0.1μm、好ましい上限が20μmである。上記絶縁層の厚みが0.1μm以上であれば、上記絶縁層が上記金属基材の表面を充分に覆うことができ、上記金属基材と下部電極との間の絶縁性が安定する。上記絶縁層の厚みが20μm以下であれば、上記金属基材を湾曲させても上記絶縁層にクラックが生じにくい。上記絶縁層の厚みのより好ましい下限は0.5μm、より好ましい上限は10μmである。
上記絶縁層の厚みは、例えば、太陽電池の断面を電子顕微鏡(例えば、S−4800、HITACHI社製等)で観察し、得られた写真のコントラストを解析することにより測定することができる。
上記下部電極は特に限定されず、陰極になってもよく、陽極になってもよい。
上記下部電極の材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、モリブデン、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物、金等の金属、CuI等が挙げられる。また、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記下部電極は、端部が上記絶縁層の端部よりも内側となるように形成されていることが好ましい。上記下部電極の端部が上記絶縁層の端部よりも内側であることにより、上記下部電極の側面が上記上部電極に接触して短絡が生じることを防ぐことができる。
上記下部電極の端部が上記絶縁層の端部よりも内側であることは、例えば、太陽電池の断面を電子顕微鏡(例えば、S−4800、HITACHI社製等)で観察し、得られた写真のコントラストを解析することにより確認することができる。
上記光電変換層は、上記下部電極と上記上部電極との間に配置されていればよいが、上記下部電極の上部だけでなく上記下部電極の側面を囲むように(周囲を囲むように)形成されていることが好ましい。上記光電変換層が上記下部電極の側面を囲むように形成されていることにより、上記下部電極の側面が上記上部電極に接触して短絡が生じることを防ぐことができる。
上記光電変換層は、有機無機ペロブスカイト化合物を含むことが好ましい。上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。上記有機無機ペロブスカイト化合物は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表されることが好ましい。
上記Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも正の整数)で示されることが好ましい。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、イミダゾリン、カルバゾール、メチルカルボキシアミン、エチルカルボキシアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ヘキシルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン、アニリン、ピリジン及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンがより好ましい。なかでも、高い光電変換効率が得られることから、メチルアミン、ホルムアミジニウム及びこれらのイオンが更に好ましい。
上記Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。なかでも、電子軌道の重なりの観点から、鉛又はスズが好ましい。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子が好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素がより好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。
図4は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とは、X線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。
上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。また、上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制されやすくなる。
また、結晶化の指標として結晶化度を評価することもできる。結晶化度は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。上記結晶化度が30%以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。また、上記結晶化度が30%以上であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制されやすくなる。上記結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール(加熱処理)、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
また、他の結晶化の指標として結晶子径を評価することもできる。結晶子径は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークの半値幅からhalder−wagner法で算出することができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶子径が5nm以上であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制される。また、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。上記結晶子径のより好ましい下限は10nm、更に好ましい下限は20nmである。
上記光電変換層は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物に加えて、更に、有機半導体又は無機半導体を含んでいてもよい。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
上記無機半導体として、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、CuSCN、CuO、CuI、MoO、V、WO、MoS、MoSe、CuS等が挙げられる。
上記光電変換層は、上記有機無機ペロブスカイト化合物と上記有機半導体又は上記無機半導体とを含む場合、薄膜状の有機半導体又は無機半導体部位と薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位とを積層した積層体であってもよいし、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜であってもよい。製法が簡便である点では積層体が好ましく、上記有機半導体又は上記無機半導体中の電荷分離効率を向上させることができる点では複合膜が好ましい。
上記薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが3000nm以下であれば、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
上記光電変換層は、光電変換層形成後に熱アニール(加熱処理)が施されていることが好ましい。熱アニール(加熱処理)を施すことにより、光電変換層中の有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができ、光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)をより抑制することができる。
従来の耐熱性高分子からなる基材を用いた太陽電池にこのような熱アニール(加熱処理)を行うと、基材と光電変換層等との熱膨張係数の差により、アニール時に歪みが生じ、その結果、高い光電変換効率を達成することが難しくなることがある。上記金属基材を用いた場合には、熱アニール(加熱処理)を行っても、歪みの発生を最小限に抑えて、高い光電変換効率を得ることができる。
上記熱アニール(加熱処理)を行う場合、上記光電変換層を加熱する温度は特に限定されないが、100℃以上、250℃未満であることが好ましい。上記加熱温度が100℃以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができる。上記加熱温度が250℃未満であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物を熱劣化させることなく加熱処理を行うことができる。より好ましい加熱温度は、120℃以上、200℃以下である。また、加熱時間も特に限定されないが、3分以上、2時間以内であることが好ましい。上記加熱時間が3分以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができる。上記加熱時間が2時間以内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物を熱劣化させることなく加熱処理を行うことができる。
これらの加熱操作は真空又は不活性ガス下で行われることが好ましく、露点温度は10℃以下が好ましく、7.5℃以下がより好ましく、5℃以下が更に好ましい。
本発明の太陽電池は、上記下部電極及び上記上部電極のうちの陰極となる側と、上記光電変換層との間に、電子輸送層を有してもよい。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられる。具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物等が挙げられる。また、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
上記電子輸送層は、薄膜状の電子輸送層(バッファ層)のみからなっていてもよいが、多孔質状の電子輸送層を含むことが好ましい。特に、上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物を複合化した複合膜である場合、より複雑な複合膜(より複雑に入り組んだ構造)が得られ、光電変換効率が高くなることから、多孔質状の電子輸送層上に複合膜が製膜されていることが好ましい。
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
本発明の太陽電池は、上記光電変換層と、上記下部電極及び上記上部電極のうちの陽極となる側との間に、ホール輸送層を有してもよい。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられる。具体的には例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、トリフェニルアミン骨格、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物等が挙げられる。更に、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物、カーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料等が挙げられる。
上記ホール輸送層は、その一部が上記光電変換層に浸漬していてもよい(上記光電変換層と入り組んだ構造を形成していてもよい)し、上記光電変換層上に薄膜状に配置されてもよい。上記ホール輸送層が薄膜状に存在する時の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
本発明の太陽電池においては、上記上部電極及び上記上部電極延長部により、上記発電素子の略全面が覆われていることが好ましい。
本発明の太陽電池は、上記下部電極の一部が上記光電変換層及び上記上部電極で覆われておらず外部に露出している下部電極開口部を有することが好ましい。上記下部電極開口部を有することにより、上記下部電極開口部から外部に電流を取出すことができる。
本発明の太陽電池は、更に、上記上部電極及び上記上部電極延長部を被覆するバリア層を有することが好ましい。これにより、太陽電池への大気中の水分の浸入をより充分に抑制することができる。
上記バリア層の材料としては水蒸気バリア性を有していれば特に限定されないが、無機材料が好ましい。上記無機材料としては、Si、Al、Zn、Sn、In、Ti、Mg、Zr、Ni、Ta、W、Cu若しくはこれらを2種以上含む合金の酸化物、窒化物又は酸窒化物が挙げられる。なかでも、上記バリア層に水蒸気バリア性及び柔軟性を付与するために、Zn、Snの両金属元素を含む金属元素の酸化物、窒化物又は酸窒化物が好ましい。
上記バリア層の材料が無機材料である場合、バリア層(無機層)の厚みは、好ましい下限が30nm、好ましい上限が3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、上記無機層が充分な水蒸気バリア性を有することができ、太陽電池の耐久性が向上する。上記厚みが3000nm以下であれば、上記無機層の厚みが増した場合であっても、発生する応力が小さいため、上記無機層と他の層との剥離を抑制することができる。上記厚みのより好ましい下限は50nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は100nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記無機層の厚みは、光学干渉式膜厚測定装置(例えば、大塚電子社製のFE−3000等)を用いて測定することができる。
上記バリア層の材料のうち、上記無機材料で上記上部電極及び上記上部電極延長部を被覆する方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、気相反応法(CVD)、イオンプレーティング法が好ましい。なかでも、緻密な層を形成するためにはスパッタリング法が好ましく、スパッタリング法のなかでもDCマグネトロンスパッタリング法がより好ましい。
上記スパッタリング法においては、金属ターゲット、及び、酸素ガス又は窒素ガスを原料とし、上記引出し配線上に原料を堆積して製膜することにより、無機材料からなる無機層を形成することができる。
本発明の太陽電池は、必要に応じて、更に、上記上部電極及び上記上部電極延長部と上記バリア層との間に配置された平坦化層を有していてもよい。
上記平坦化層の材料としては水蒸気バリア性を有していれば特に限定されないが、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が挙げられる。上記熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ブチルゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリイソブチレン等が挙げられる。
上記平坦化層の材料が熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂である場合、平坦化層(樹脂層)の厚みは、好ましい下限が100nm、好ましい上限が100000nmである。上記厚みのより好ましい下限は500nm、より好ましい上限は50000nmであり、更に好ましい下限は1000nm、更に好ましい上限は20000nmである。
上記平坦化層の材料のうち、上記熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂で上記上部電極及び上記上部電極延長部を被覆する方法は特に限定されず、例えば、シート状の平坦化層の材料を用いて上記上部電極及び上記上部電極延長部上をシールする方法が挙げられる。また、平坦化層の材料を有機溶媒に溶解させた溶液を上記上部電極及び上記上部電極延長部上に塗布する方法、平坦化層となる液状モノマーを上記上部電極及び上記上部電極延長部上に塗布した後、熱又はUV等で液状モノマーを架橋又は重合させる方法、平坦化層の材料に熱をかけて融解させた後に冷却させる方法等が挙げられる。
本発明の太陽電池においては、更に、上記バリア層上を、例えば樹脂フィルム、無機材料を被覆した樹脂フィルム等のその他の材料が覆っていてもよい。これにより、仮に上記バリア層にピンホールがあった場合にも充分に水蒸気をブロックすることができ、太陽電池の耐久性をより向上させることができる。
本発明の太陽電池を製造する方法は特に限定されず、例えば、下記の方法が挙げられる。
まず、上記金属基材全体に絶縁層、及び、下部電極を製膜した後、例えばメカニカルスクライブ、レーザースクライブ等のスクライブ方法により、製膜した下部電極をスクライブする。次いで、スクライブした下部電極上に光電変換層を製膜した後、下部電極をスクライブした部分に形成された光電変換層、及び、絶縁層をスクライブし、金属基材表面を露出させる。この際、金属基材の表面の一部が除去されてもよい。次いで、得られた積層体の全体に上部電極及び上部電極延長部を形成する。
本発明によれば、非発電領域の割合が小さく、面積当たりの発電量が大きい太陽電池を提供することができる。
1 太陽電池
a 非発電領域の幅
b 発電領域の幅
12 金属基材
13 絶縁層
14 下部電極
14A 下部電極開口部
15 光電変換層
16 上部電極
16A 上部電極延長部
2 太陽電池
22 基材
24 下部電極
25 光電変換層
26 上部電極
3 太陽電池
32 基材
34 下部電極
35 光電変換層
36 上部電極
37 バスバー電極
38 フィンガー電極

Claims (7)

  1. 金属基材上に、絶縁層、下部電極、光電変換層及び上部電極をこの順で有する発電素子が2以上形成されている太陽電池であって、
    隣り合う前記発電素子の間に、溝状の集電用領域を有しており、
    前記集電用領域に、隣り合う前記発電素子の前記上部電極間を電気的に接続している上部電極延長部を有しており、
    前記集電用領域において、前記上部電極延長部が前記金属基材に接触し、かつ、前記上部電極延長部が前記金属基材に電気的に接続している
    ことを特徴とする太陽電池。
  2. 集電用領域において、上部電極延長部と金属基材との間に、金属層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. 集電用領域の上部電極延長部が金属基材に接触している部分において、前記金属基材の表面の一部が除去されていることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池。
  4. 絶縁層の側面と、集電用領域における金属基材の上面との形成する角度が90°を超えることを特徴とする請求項1、2又は3記載の太陽電池。
  5. 下部電極は、端部が絶縁層の端部よりも内側となるように形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の太陽電池。
  6. 上部電極及び上部電極延長部により、発電素子の略全面が覆われていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の太陽電池。
  7. 下部電極の一部が光電変換層及び上部電極で覆われておらず外部に露出している下部電極開口部を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の太陽電池。
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