JP6592639B1 - 太陽電池の製造方法、及び、太陽電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造でき、光電変換層の断面が大気中に露出することによる光電変換効率の低下を抑制できる太陽電池の製造方法を提供する。また、該太陽電池の製造方法により得られた太陽電池を提供することを目的とする。本発明は、ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造する方法であって、基材上に下部電極、光電変換層、上部電極、及び、平坦化層がこの順でそれぞれ連続的な製膜方法により積層された長尺積層体(a)を得る工程(1)と、前記長尺積層体(a)を、最終的に個々の太陽電池に分割される部位における近接する少なくとも2箇所の位置において、前記長尺積層体(a)の幅方向を横切るように前記平坦化層の上面から少なくとも前記光電変換層の下面にまで達する深さで切削加工し、切削溝を形成する工程(2)と、前記切削溝を埋めるように前記平坦化層上をバリア層で覆い、長尺積層体(b)を得る工程(3)と、前記長尺積層体(b)を、前記近接する少なくとも2箇所の位置に形成された切削溝の間で切断し、個々の太陽電池に分割する工程(4)とを有する太陽電池の製造方法である。

Description

本発明は、ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造でき、光電変換層の断面が大気中に露出することによる光電変換効率の低下を抑制できる太陽電池の製造方法に関する。また、本発明は、該太陽電池の製造方法により得られた太陽電池に関する。
近年、中心金属に鉛、スズ等を用いたペロブスカイト構造を有する有機無機ペロブスカイト化合物を光電変換層に用いた、ペロブスカイト太陽電池が注目されている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。ペロブスカイト太陽電池は、高い光電変換効率が期待できるうえに、印刷法によって製造できることから製造コストを大幅に削減することができる。
一方、近年、ポリイミド、ポリエステル系の耐熱高分子材料や金属箔を基材とするフレキシブルな太陽電池が注目されるようになってきている。フレキシブル太陽電池は、薄型化や軽量化による運搬、施工の容易さや、衝撃に強い等の利点がある。例えば、特許文献2には、シート状のアルミニウム基材を含む半導体装置用基板、及び、この半導体装置用基板を含む有機薄膜太陽電池が記載されている。
特開2014−72327号公報 特開2013−253317号公報
M.M.Lee,et al,Science,2012,338,643
フレキシブルな太陽電池を製造する際、近年では、ロールトゥロール(RtoR)方式が用いられるようになっている。RtoR方式では、ロール状に巻かれた長尺状の基材を繰り出し、搬送しながら各層を順次積層する。複数の太陽電池を一括して製造した後で個々の太陽電池に分割するため、大量生産、生産効率等の観点で優れている。
各層を積層する際には、最終的に分割される個々の太陽電池ごとに、パターン製膜(例えば、パターン塗工)を行うことが多い。図1〜2に、ロールトゥロール方式でのパターン製膜を用いて複数の太陽電池を一括して製造する方法の一例を模式的に示す。図1(a)(断面図)及び(b)(上面図)に示すように、まず、基材1上に下部電極2、光電変換層3、上部電極4、及び、平坦化層5がこの順でそれぞれパターン製膜により積層された積層体を得る。次いで、図2(断面図)に示すように、得られた積層体をバリア層6で覆い、切断部Aにて切断し、個々の太陽電池に分割する。
一方、パターン製膜に対して、最終的に個々の太陽電池に分割される部位においても途切れることなく連続的に製膜していく方法が考えられる。連続的な製膜方法は、コスト、生産効率等の観点で優れており、例えば、塗工液の粘性に起因してパターン塗工が困難な場合であっても良好に塗工できる等の利点もある。図3に、ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造する方法の一例を模式的に示す。図3(断面図)に示すように、まず、基材1上に下部電極2、光電変換層3、上部電極4、及び、平坦化層5がこの順でそれぞれ連続的な製膜方法により積層された積層体を得る。更にバリア層6を積層し、切断部Aにて切断し、個々の太陽電池に分割する。しかしながら、このようにして得られた太陽電池は、その両端部において各層の断面が大気中に露出することになり、封止が不充分となる。特に光電変換層が有機無機ペロブスカイト化合物を含有するペロブスカイト太陽電池の場合には、光電変換層の断面が大気中に露出しているとその露出面から水分が浸入しやすく、光電変換効率が大きく低下する。
本発明は、ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造でき、光電変換層の断面が大気中に露出することによる光電変換効率の低下を抑制できる太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該太陽電池の製造方法により得られた太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造する方法であって、基材上に下部電極、光電変換層、上部電極、及び、平坦化層がこの順でそれぞれ連続的な製膜方法により積層された長尺積層体(a)を得る工程(1)と、前記長尺積層体(a)を、最終的に個々の太陽電池に分割される部位における近接する少なくとも2箇所の位置において、前記長尺積層体(a)の幅方向を横切るように前記平坦化層の上面から少なくとも前記光電変換層の下面にまで達する深さで切削加工し、切削溝を形成する工程(2)と、前記切削溝を埋めるように前記平坦化層上をバリア層で覆い、長尺積層体(b)を得る工程(3)と、前記長尺積層体(b)を、前記近接する少なくとも2箇所の位置に形成された切削溝の間で切断し、個々の太陽電池に分割する工程(4)とを有する太陽電池の製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
本発明の太陽電池の製造方法は、ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造する方法である。
本発明の太陽電池の製造方法では、まず、基材上に下部電極、光電変換層、上部電極、及び、平坦化層がこの順でそれぞれ連続的な製膜方法により積層された長尺積層体(a)を得る工程(1)を行う。なお、連続的な製膜方法とは、パターン製膜(例えば、パターン塗工)とは異なり、途切れることなく連続的に製膜していくことをいう。より具体的には、最終的に個々の太陽電池に分割される部位においても途切れることなく連続的に製膜していくことをいう。
図4に、本発明の太陽電池の製造方法における工程(1)の一例を模式的に示す断面図を示す。図4に示すように、上記工程(1)では、基材1上に下部電極2、光電変換層3、上部電極4、及び、平坦化層5がこの順でそれぞれ連続的な製膜方法により積層された長尺積層体(a)7を得る。
上記長尺積層体(a)は、基材上に下部電極、光電変換層、上部電極、及び、平坦化層がこの順で積層されたものである。
上記基材は特に限定されず、例えば、ポリイミド、ポリエステル系の耐熱性高分子からなる樹脂フィルム、金属箔、薄板ガラス等を有するものが挙げられる。なかでも、金属箔が好ましい。上記金属箔を用いることにより、耐熱性高分子を用いる場合と比べてコストを抑えられるとともに、高温処理を行うことができる。即ち、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層形成時において耐光性(光劣化に対する耐性)を付与する目的で80℃以上の温度で熱アニール(加熱処理)を行っても、歪みの発生を最小限に抑えて、高い光電変換効率を得ることができる。
上記金属箔は特に限定されず、例えば、アルミニウム、チタン、銅、金等の金属や、ステンレス鋼(SUS)等の合金からなる金属箔が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、アルミニウム箔が好ましい。上記アルミニウム箔を用いることにより、他の金属箔を用いる場合と比べてもコストを抑えられ、また、柔軟性があることから作業性を向上できる。
上記基材は、更に、上記金属箔上に形成された絶縁層を有していてもよい。即ち、上記基材は、金属箔と上記金属箔上に形成された絶縁層とを有するものであってもよい。
上記絶縁層は特に限定されず、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛等からなる無機絶縁層、エポキシ樹脂、ポリイミド等からなる有機絶縁層が挙げられる。なかでも、上記金属箔がアルミニウム箔である場合には、上記絶縁層が酸化アルミニウム被膜であることが好ましい。
上記絶縁層として上記酸化アルミニウム被膜を用いることにより、有機絶縁層の場合と比べて、大気中の水分が絶縁層を透過して光電変換層(特に、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層)を劣化させることを抑制することができる。また、上記絶縁層として上記酸化アルミニウム被膜を用いることにより、上記アルミニウム箔と接することで時間の経過とともに有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層に変色が生じ、腐食が起きるという現象を抑制することができる。
なお、一般的な他の太陽電池では光電変換層がアルミニウムと反応して変色が生じること等は報告されておらず、上記のような腐食が起きるという現象は、光電変換層が有機無機ペロブスカイト化合物を含むペロブスカイト太陽電池に特有の問題として本発明者らが見出したものである。
上記酸化アルミニウム被膜の厚みは特に限定されないが、好ましい下限が0.1μm、好ましい上限が20μmであり、より好ましい下限が0.5μm、より好ましい上限が10μmである。上記酸化アルミニウム被膜の厚みが0.5μm以上であれば、上記酸化アルミニウム被膜が上記アルミニウム箔の表面を充分に覆うことができ、上記アルミニウム箔と上記下部電極との間の絶縁性が安定する。上記酸化アルミニウム被膜の厚みが10μm以下であれば、上記基材を湾曲させても上記酸化アルミニウム被膜にクラックが生じにくい。また、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層形成時に加熱処理を行う際に、上記アルミニウム箔との熱膨張係数の差によって上記酸化アルミニウム被膜及び/又はその上に形成された層にクラックが生じることを抑制することができる。
上記酸化アルミニウム被膜の厚みは、例えば、上記基材の断面を電子顕微鏡(例えば、S−4800、HITACHI社製等)で観察し、得られた写真のコントラストを解析することにより測定することができる。
上記酸化アルミニウム被膜の厚みの比率は特に限定されないが、上記基材の厚み100%に対する好ましい下限が0.1%、好ましい上限が15%である。上記比率が0.1%以上であれば、上記酸化アルミニウム被膜の硬度が上がり、上記下部電極を切削加工する際に上記酸化アルミニウム被膜の剥離を抑制しつつ切削加工を良好に行うことができ、絶縁不良及び導通不良の発生を抑制することができる。上記比率が15%以下であれば、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層形成時に加熱処理を行う際に、上記アルミニウム箔との熱膨張係数の差によって上記酸化アルミニウム被膜及び/又はその上に形成された層にクラックが生じることを抑制することができる。これにより、太陽電池の抵抗値が上昇してしまったり、上記アルミニウム箔が露出して有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層に腐食が起きたりすることを抑制することができる。上記比率のより好ましい下限は0.5%、より好ましい上限は5%である。
上記酸化アルミニウム被膜を製膜する方法は特に限定されず、例えば、上記アルミニウム箔に陽極酸化を施す方法、上記アルミニウム箔の表面にアルミニウムのアルコキシド等を塗布する方法、上記アルミニウム箔の表面に熱処理による自然酸化被膜を形成する方法等が挙げられる。なかでも、上記アルミニウム箔の表面全体を均一に酸化させることができ、大量生産に適していることから、上記アルミニウム箔に陽極酸化を施す方法が好ましい。即ち、上記酸化アルミニウム被膜は、陽極酸化被膜であることが好ましい。
上記アルミニウム箔に陽極酸化を施す場合には、陽極酸化における処理濃度、処理温度、電流密度、処理時間等を変更することにより、上記酸化アルミニウム被膜の厚みを調整することができる。上記処理時間は特に限定されないが、上記基材の作製の容易さの観点から、好ましい下限は5分、好ましい上限は120分であり、より好ましい上限は60分である。
上記基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限が5μm、好ましい上限が500μmである。上記基材の厚みが5μm以上であれば、充分な機械的強度を持つ、取扱い性に優れた太陽電池とすることができる。上記基材の厚みが500μm以下であれば、フレキシブル性に優れた太陽電池とすることができる。上記基材の厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は100μmである。
上記基材の厚みとは、上記基材が上記金属箔と上記金属箔上に形成された絶縁層とを有する場合、上記金属箔と上記絶縁層とを含む上記基材全体の厚みを意味する。
上記下部電極及び上記上部電極は、どちらが陰極になってもよく、陽極になってもよい。上記下部電極及び上記上部電極の材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物、金等の金属が挙げられる。また、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記下部電極は、金属電極であってもよい。上記金属電極を構成する金属として、例えば、上述したようなアルミニウム等に加えて、チタン、モリブデン、銀、ニッケル、タンタル、金、SUS、銅等も挙げられる。これらの金属は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記下部電極及び上記上部電極を連続的な製膜方法により積層する方法は特に限定されず、例えば、RtoR装置を用いて、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等を連続的に行う方法が挙げられる。
上記光電変換層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含むことが好ましい。上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
なお、本明細書中、「層」とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。なお、層の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
上記Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも正の整数)で示されることが好ましい。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、イミダゾリン、カルバゾール、メチルカルボキシアミン、エチルカルボキシアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ヘキシルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン、アニリン、ピリジン及びこれらのイオンやフェネチルアンモニウム等が挙げられる。上記イオンとしては、例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンがより好ましい。なかでも、高い光電変換効率が得られることから、メチルアミン、ホルムアミジニウム及びこれらのイオンが更に好ましい。
上記Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。なかでも、電子軌道の重なりの観点から、鉛又はスズが好ましい。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子が好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素がより好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。
図8は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とは、X線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。
上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。また、上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制されやすくなる。
また、結晶化の指標として結晶化度を評価することもできる。結晶化度は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。上記結晶化度が30%以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。また、上記結晶化度が30%以上であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制されやすくなる。上記結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール(加熱処理)、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
また、他の結晶化の指標として結晶子径を評価することもできる。結晶子径は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークの半値幅からhalder−wagner法で算出することができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶子径の好ましい下限は5nmである。上記結晶子径が5nm以上であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制される。また、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。上記結晶子径のより好ましい下限は10nm、更に好ましい下限は20nmである。
上記光電変換層は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物に加えて、更に、有機半導体又は無機半導体を含んでいてもよい。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
上記無機半導体として、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、CuSCN、CuO、CuI、MoO、V、WO、MoS、MoSe、CuS等が挙げられる。
上記光電変換層は、上記有機無機ペロブスカイト化合物と上記有機半導体又は上記無機半導体とを含む場合、薄膜状の有機半導体又は無機半導体部位と薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位とを積層した積層体であってもよいし、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜であってもよい。製法が簡便である点では積層体が好ましく、上記有機半導体又は上記無機半導体中の電荷分離効率を向上させることができる点では複合膜が好ましい。
上記薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが3000nm以下であれば、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
上記光電変換層を連続的な製膜方法により積層する方法は特に限定されず、例えば、RtoR装置を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、気相反応法(CVD)、電気化学沈積法、印刷法等を連続的に行う方法が挙げられる。なかでも、印刷法を採用することで、高い光電変換効率を発揮できる太陽電池を大面積で簡易に形成することができる。印刷法として、例えば、スピンコート法、キャスト法等が挙げられる。
上記光電変換層は、光電変換層形成後に熱アニール(加熱処理)が施されていることが好ましい。熱アニール(加熱処理)を施すことにより、光電変換層中の有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができ、光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)をより抑制することができる。
なお、耐熱性高分子からなる樹脂フィルムを用いた太陽電池にこのような熱アニール(加熱処理)を行うと、樹脂フィルムと光電変換層等との熱膨張係数の差により、アニール時に歪みが生じ、その結果、高い光電変換効率を達成することが難しくなることがある。上記金属箔を用いた場合には、熱アニール(加熱処理)を行っても、歪みの発生を最小限に抑えて、高い光電変換効率を得ることができる。
上記熱アニール(加熱処理)を行う場合、上記光電変換層を加熱する温度は特に限定されないが、100℃以上、250℃未満であることが好ましい。上記加熱温度が100℃以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができる。上記加熱温度が250℃未満であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物を熱劣化させることなく加熱処理を行うことができる。より好ましい加熱温度は、120℃以上、200℃以下である。また、加熱時間も特に限定されないが、3分以上、2時間以内であることが好ましい。上記加熱時間が3分以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができる。上記加熱時間が2時間以内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物を熱劣化させることなく加熱処理を行うことができる。
これらの加熱操作は真空又は不活性ガス下で行われることが好ましく、露点温度は10℃以下が好ましく、7.5℃以下がより好ましく、5℃以下が更に好ましい。
上記長尺積層体(a)においては、上記下部電極、上記光電変換層、及び、上記上部電極がそれぞれ複数の溝を有しており、隣接する上記下部電極と上記上部電極とが接続したモノリシック構造を形成していてもよい。即ち、上記長尺積層体(a)は、複数の溝により隔てられた複数の単位セルが直列に接続したモノリシック構造を形成していてもよい。
上記モノリシック構造は、上記基材の幅方向に直列に接続する構造であってもよいし、上記基材の流れ方向に直列に接続する構造であってもよい。
上記モノリシック構造を形成する方法は特に限定されず、例えば、次の方法が挙げられる。即ち、まず、上記基材上に上記下部電極を連続的な製膜方法により積層した後、メカニカルスクライブ、レーザースクライブ等の切削加工により複数の溝を形成する。次いで、得られた下部電極上に、上記光電変換層を連続的な製膜方法により積層した後、メカニカルスクライブ、レーザースクライブ等の切削加工により複数の溝を形成する。次いで、得られた光電変換層上に、上記上部電極を連続的な製膜方法により積層した後、メカニカルスクライブ、レーザースクライブ等の切削加工により複数の溝を形成する。このようにして、上記下部電極、上記光電変換層、及び、上記上部電極がそれぞれ複数の溝を有しており、隣接する上記下部電極と上記上部電極とが接続したモノリシック構造を形成することができる。溝を形成する方向を調整することにより、上記基材の幅方向又は上記基材の流れ方向のいずれの方向に直列に接続する構造とするかを調整することができる。
上記長尺積層体(a)においては、更に、上記下部電極及び上記上部電極のうちの陰極となる側と、上記光電変換層との間に電子輸送層が積層されていてもよく、上記下部電極及び上記上部電極のうちの陽極となる側と、上記光電変換層との間にホール輸送層が積層されていてもよい。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられる。具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物等が挙げられる。また、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
上記電子輸送層は、薄膜状の電子輸送層(バッファ層)のみからなっていてもよいが、多孔質状の電子輸送層を含むことが好ましい。特に、上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、より複雑な複合膜(より複雑に入り組んだ構造)が得られ、光電変換効率が高くなることから、多孔質状の電子輸送層上に複合膜が製膜されていることが好ましい。
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられる。具体的には例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、トリフェニルアミン骨格、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物等が挙げられる。更に、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物、カーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料等が挙げられる。
上記ホール輸送層は、その一部が上記光電変換層に浸漬していてもよい(上記光電変換層と入り組んだ構造を形成していてもよい)し、上記光電変換層上に薄膜状に配置されてもよい。上記ホール輸送層が薄膜状に存在する時の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記平坦化層が積層されていることにより、太陽電池の耐湿性が向上する。上記平坦化層を構成する樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも光硬化性樹脂でもよい。上記熱可塑性樹脂として、例えば、ブチルゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリイソブチレン、シクロオレフィン樹脂等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。上記光硬化性樹脂として、例えば、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エン−チオール樹脂等が挙げられる。
上記平坦化層は、脂環式骨格を有する樹脂を含有することが好ましい。
上記脂環式骨格は特に限定されず、例えば、ノルボルネン、イソボルネン、アダマンタン、シクロヘキサン、ジシクロペンタジエン、ジシクロヘキサン、シクロペンタン等の骨格が挙げられる。これらの骨格は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記脂環式骨格を有する樹脂は、脂環式骨格を有していれば特に限定されず、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよいし、光硬化性樹脂であってもよい。これらの脂環式骨格を有する樹脂は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記脂環式骨格を有する樹脂は、反応性官能基を有する樹脂を製膜した後、上記反応性官能基を架橋反応させた樹脂であってもよい。
上記脂環式骨格を有する樹脂として、例えば、ノルボルネン樹脂(TOPAS6013、ポリプラスチックス社製)、TOPASシリーズ(ポリプラスチックス社製)、アダマンタンアクリレート(三菱ガス化学社製)の重合物等が挙げられる。
上記平坦化層において、上記脂環式骨格を有する樹脂は、脂環式骨格を有さない樹脂と混合して用いられてもよい。
上記平坦化層の厚みは、好ましい下限が100nm、好ましい上限が100000nmである。上記厚みが100nm以上であれば、上記平坦化層によって上記上部電極上を充分に覆いつくすことができる。上記厚みが100000nm以下であれば、上記平坦化層の側面から浸入してくる水蒸気を充分にブロックすることができる。上記厚みのより好ましい下限は500nm、より好ましい上限は50000nmであり、更に好ましい下限は1000nm、更に好ましい上限は2000nmである。
上記平坦化層を連続的な製膜方法により積層する方法は特に限定されず、例えば、RtoR装置を用いて、グラビアコート、ダイコート、ナイフコート等を連続的に行う方法が挙げられる。
本発明の太陽電池の製造方法では、次いで、上記長尺積層体(a)を、最終的に個々の太陽電池に分割される部位における近接する少なくとも2箇所の位置において、上記長尺積層体(a)の幅方向を横切るように上記平坦化層の上面から少なくとも上記光電変換層の下面にまで達する深さで切削加工し、切削溝を形成する工程(2)を行う。
図5に、本発明の太陽電池の製造方法における工程(2)の一例を模式的に示す断面図及び上面図を示す。図5(a)(断面図)及び(b)(上面図)に示すように、上記工程(2)では、長尺積層体(a)の幅方向を横切るように平坦化層5の上面から少なくとも光電変換層3の下面にまで達する深さで切削加工し、切削溝Bを形成する。
上記切削溝は、最終的に個々の太陽電池に分割される部位における近接する少なくとも2箇所の位置に形成される。即ち、上記切削溝は、それぞれの最終的に個々の太陽電池に分割される部位において、2本以上形成される。
これにより、後の工程(4)において、上記長尺積層体(b)を、上記近接する少なくとも2箇所の位置に形成された切削溝の間で切断し、個々の太陽電池に分割することにより、得られる太陽電池はその両端部に切れ端部分を有することになる。一方、得られる太陽電池の本体部分においては、上記光電変換層の断面はバリア層で覆われており、大気中に露出することがないため、上記光電変換層の断面が大気中に露出することによる光電変換効率の低下を抑制することができる。また、上記切れ端部分においては各層の断面が大気中に露出しており、その露出面から水分が吸収されやすいため、上記切れ端部分は水分をトラップする役割も果たすと考えられる。
上記切削溝は、それぞれの最終的に個々の太陽電池に分割される部位において2本以上形成されていればよく、その本数は特に限定されないが、光電変換効率を向上させつつ高い生産効率を得る観点から、好ましい上限は4本である。
上記切削溝の深さは、上記平坦化層の上面から少なくとも上記光電変換層の下面にまで達する深さであれば特に限定されず、上記光電変換層の下に位置する上記下部電極、上記絶縁層(例えば、酸化アルミニウム被膜)若しくは上記金属箔の途中部分又は下面にまで達する深さであってもよい。なかでも、切削圧力の制御による表面出しが容易であることから、上記光電変換層の下面にまで達する深さが好ましい。
上記切削溝の幅は特に限定されないが、好ましい下限は30μm、好ましい上限は1000μmであり、より好ましい下限は50μm、より好ましい上限は300μmである。
上記切削溝の上記基材の表面に対する角度は特に限定されないが、好ましい下限は70°、好ましい上限は90°であり、より好ましい下限は80°、より好ましい上限は85°である。
また、近接する切削溝と切削溝との間の距離は特に限定されないが、好ましい下限は10000μm、好ましい上限は300000μmである。上記近接する切削溝と切削溝との間の距離が上記範囲であることで、後述する工程(4)によって得られる太陽電池に充分な幅の切れ端部分が形成されるため、大気中の水分等の侵入をより確実に抑えることができ、光電変換効率の低下をより抑制することができる。上記近接する切削溝と切削溝との間の距離のより好ましい下限は15mm、より好ましい上限は200mmである。
上記切削溝の本数、深さ、幅及び角度、並びに、近接する切削溝と切削溝との間の距離は、例えば、マイクロスコープ(例えば、キーエンス社製、VN−8010)による三次元画像解析により確認することができる。
上記切削加工の方法は特に限定されず、例えば、メカニカルスクライブ、レーザースクライブ等が挙げられる。なかでも、比較的安価であることから、メカニカルスクライブが好ましい。メカニカルスクライブでは、メカニカルスクライブ機(例えば、三星ダイヤモンド工業社製、KMPD100等)を用いることができる。レーザースクライブでは、レーザースクライブ機(例えば、三星ダイヤモンド工業社製、MPV−LD)を用いることができる。
上記切削加工において、例えば、切削圧力、切削速度、切削ツール巾、切削ツール形状等を制御することにより、上記切削溝の深さ、幅及び角度、並びに、近接する切削溝と切削溝との間の距離を上記範囲に調整することができる。
本発明の太陽電池の製造方法では、次いで、上記切削溝を埋めるように上記平坦化層上をバリア層で覆い、長尺積層体(b)を得る工程(3)を行う。
図6に、本発明の太陽電池の製造方法における工程(3)の一例を模式的に示す断面図を示す。図6に示すように、上記工程(3)では、切削溝Bを埋めるように平坦化層5上をバリア層6で覆い、長尺積層体(b)8を得る。
上記バリア層の材料としてはバリア性を有していれば特に限定されないが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、無機材料等が挙げられる。上記バリア層の材料は、上記熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と、上記無機材料との組み合わせでもよい。なかでも、上記バリア層は、上記無機材料からなる無機層であることが好ましい。上記バリア層が無機層であることにより、太陽電池の耐湿性が向上するだけでなく、上記光電変換層の断面から上記バリア層への上記有機無機ペロブスカイト化合物を構成する成分(例えば、鉛等の金属)の溶出、拡散等も抑制されると考えられる。
上記熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。また、ブチルゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリイソブチレン等が挙げられる。
上記バリア層の材料が熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂である場合、バリア層(樹脂層)の厚みは、好ましい下限が100nm、好ましい上限が100000nmである。上記厚みのより好ましい下限は500nm、より好ましい上限は50000nmであり、更に好ましい下限は1000nm、更に好ましい上限は20000nmである。
上記無機材料としては、Si、Al、Zn、Sn、In、Ti、Mg、Zr、Ni、Ta、W、Cu若しくはこれらを2種以上含む合金の酸化物、窒化物又は酸窒化物が挙げられる。なかでも、上記バリア層に水蒸気バリア性及び柔軟性を付与するために、Zn、Snの両金属元素を含む金属元素の酸化物、窒化物又は酸窒化物が好ましい。
上記バリア層の材料が無機材料である場合、バリア層(無機層)の厚みは、好ましい下限が30nm、好ましい上限が3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、上記無機層が充分な水蒸気バリア性を有することができ、太陽電池の耐湿性が向上する。上記厚みが3000nm以下であれば、上記無機層の厚みが増した場合であっても、発生する応力が小さいため、上記無機層と上記長尺積層体(a)との剥離を抑制することができる。上記厚みのより好ましい下限は50nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は100nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記バリア層の材料のうち、上記熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂で上記切削溝を埋めるように上記平坦化層上を覆う方法は特に限定されず、例えば、シート状のバリア層の材料を用いて上記平坦化層上をシールする方法等が挙げられる。また、バリア層の材料を有機溶媒に溶解させた溶液を上記平坦化層上に塗布する方法、バリア層となる液状モノマーを上記平坦化層上に塗布した後、熱又はUV等で液状モノマーを架橋又は重合させる方法、バリア層の材料に熱をかけて融解させた後に冷却させる方法等が挙げられる。
上記バリア層の材料のうち、上記無機材料で上記切削溝を埋めるように上記平坦化層上を覆う方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、気相反応法(CVD)、イオンプレーティング法が好ましい。なかでも、緻密な層を形成するためにはスパッタリング法が好ましく、スパッタリング法のなかでもDCマグネトロンスパッタリング法がより好ましい。
上記スパッタリング法においては、金属ターゲット、及び、酸素ガス又は窒素ガスを原料とし、上記平坦化層上に原料を堆積して製膜することにより、無機材料からなる無機層を形成することができる。
上記バリア層は、例えば樹脂フィルム、無機材料を被覆した樹脂フィルム等のその他の材料で覆われていてもよい。これにより、仮に上記バリア層にピンホールがあった場合にも充分に水蒸気をブロックすることができ、太陽電池の耐湿性をより向上させることができる。
本発明の太陽電池の製造方法では、次いで、上記長尺積層体(b)を、上記近接する少なくとも2箇所の位置に形成された切削溝の間で切断し、個々の太陽電池に分割する工程(4)を行う。これにより、複数の太陽電池が得られる。切削溝が3本以上ある場合には、いずれかの切削溝と切削溝との間で切断すればよい。
図7に、本発明の太陽電池の製造方法における工程(4)の一例を模式的に示す断面図を示す。図7に示すように、上記工程(4)では、近接する少なくとも2箇所の位置に形成された切削溝の間(即ち、切断部A)で切断し、個々の太陽電池9に分割する。このようにして得られた太陽電池9は、本体部分9aを有し、かつ、その両端部に切れ端部分9bを有する。本体部分9aと切れ端部分9bとは、平坦化層5の上面から少なくとも光電変換層3の下面にまで達する深さの切削溝Bにより隔てられており、切削溝Bは、バリア層6により埋められている。
上記長尺積層体(b)を、上記近接する少なくとも2箇所の位置に形成された切削溝の間で切断し、個々の太陽電池に分割することにより、得られる太陽電池はその両端部に切れ端部分を有することになる。一方、得られる太陽電池の本体部分においては、上記光電変換層の断面はバリア層で覆われており、大気中に露出することがないため、上記光電変換層の断面が大気中に露出することによる光電変換効率の低下を抑制することができる。また、上記切れ端部分においては各層の断面が大気中に露出しており、その露出面から水分が吸収されやすいため、上記切れ端部分は水分をトラップする役割も果たすと考えられる。
上記切れ端部分の幅は特に限定されないが、好ましい下限が1mm、好ましい上限が100mmである。
上記切れ端部分の幅が上記範囲であることで、大気中の水分等をより確実に遮ることができ、得られる太陽電池の光電変換効率の低下をより抑制することができる。上記切れ端部分の幅のより好ましい下限は5mm、より好ましい上限は10mmである。
上記長尺積層体(b)を切断する方法は特に限定されず、例えば、スリッターカット、レーザーカット等が挙げられる。
以上のような本発明の太陽電池の製造方法によれば、複数の太陽電池を一括して製造することができ、また、光電変換層の断面が大気中に露出することによる光電変換効率の低下を抑制することができる。
本発明の太陽電池の製造方法により製造された太陽電池であって、前記太陽電池は、基材上に下部電極、光電変換層、上部電極、及び、平坦化層がこの順で積層された積層体と、前記平坦化層上を覆うバリア層とを有し、前記太陽電池は、本体部分を有し、かつ、一対の両端部にそれぞれ切れ端部分を有し、前記本体部分と前記切れ端部分とは、前記平坦化層の上面から少なくとも前記光電変換層の下面にまで達する深さの切削溝により隔てられており、前記切削溝は、前記バリア層により埋められている太陽電池もまた、本発明の1つである。
本発明の太陽電池がこのような構造を有することは、例えば、マイクロスコープ(例えば、キーエンス社製、VN−8010)による三次元画像解析により確認することができる。切削溝の本数(太陽電池の一方の端部における切削溝の本数)は、1本以上であれば特に限定されないが、光電変換効率を向上させつつ高い生産効率を得る観点から、好ましい上限は4本である。
本発明によれば、ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造でき、光電変換層の断面が大気中に露出することによる光電変換効率の低下を抑制できる太陽電池の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該太陽電池の製造方法により得られた太陽電池を提供することができる。
ロールトゥロール方式でのパターン製膜を用いて複数の太陽電池を一括して製造する方法の一例を模式的に示す断面図及び上面図である。 ロールトゥロール方式でのパターン製膜を用いて複数の太陽電池を一括して製造する方法の一例を模式的に示す断面図である。 ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造する方法の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池の製造方法における工程(1)の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池の製造方法における工程(2)の一例を模式的に示す断面図及び上面図である。 本発明の太陽電池の製造方法における工程(3)の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池の製造方法における工程(4)の一例を模式的に示す断面図である。 有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(工程1)
アルミニウム箔(UACJ社製、汎用アルミ材A1N30グレード、厚み100μm)に硫酸アルマイト処理により処理時間30分で陽極酸化を施すことにより、アルミニウム箔の表面に酸化アルミニウム被膜(厚み5μm、厚みの比率5%)を形成し、基材を得た。
RtoR装置(中外炉社製、SUPLaDUO)を用い、基材を搬送しながら、酸化アルミニウム被膜上に蒸着機によって厚み100nmのAl膜を形成し、更に、Al膜上に厚み100nmのTi膜を蒸着法によって形成した。更に、Ti膜上にTiO膜をスパッタリング法によって形成し、陰極とした。メカニカルスクライブ機(三星ダイヤモンド工業社製、KMPD100)を用いて陰極のパターニングを行った。
RtoR装置(ヒラノテクシード社製、TM−MC)を用い、陰極を形成したサンプルを搬送しながら、陰極上に有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布した。その後、200℃で30分間焼成し、厚み500nmの多孔質状の電子輸送層を形成した。
次いで、ハロゲン化金属化合物としてヨウ化鉛をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させて1Mの溶液を調製した。上記のRtoR装置(ヒラノテクシード社製、TM−MC)を用い、多孔質状の電子輸送層を形成したサンプルを搬送しながら、得られた溶液を多孔質状の電子輸送層上にスピンコート法によって製膜した。更に、アミン化合物としてヨウ化メチルアンモニウムを2−プロパノールに溶解させて1Mの溶液を調製した。この溶液内に上記のヨウ化鉛を製膜したサンプルを浸漬させることによって有機無機ペロブスカイト化合物であるCHNHPbIを含む層を形成した。その後、得られたサンプルに対して120℃にて30分間アニール処理を行った。
次いで、クロロベンゼン25μLにSpiro−OMeTAD(スピロビフルオレン骨格を有する)を68mM、t−ブチルピリジンを55mM、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド・銀塩を9mM溶解させた溶液を調製した。上記のRtoR装置(ヒラノテクシード社製、TM−MC)を用い、光電変換層を形成したサンプルを搬送しながら、得られた溶液を光電変換層上にスピンコート法によって塗布し、厚み150nmのホール輸送層を形成した。
その後、電子輸送層、光電変換層及びホール輸送層を合わせた層を、レーザースクライブ機(三星ダイヤモンド工業社製、MPV−LD)を用いてパターニングを行った。
上記のRtoR装置(中外炉社製、SUPLaDUO)を用い、ホール輸送層を形成したサンプルを搬送しながら、ホール輸送層上に陽極(透明電極)として蒸着法により厚み100nmのITO膜を形成した。メカニカルスクライブ機によりITO膜のパターニングを行った。
上記のRtoR装置(ヒラノテクシード社製、TM−MC)を用い、ITO膜を形成したサンプルを搬送しながら、ITO膜上にノルボルネン樹脂(TOPAS6013、Polyplastics社製)のシクロヘキサン溶液を積層し、溶媒を乾燥させ、厚み1μmの平坦化層を形成した。これにより、長尺積層体(a)を得た。
(工程2)
メカニカルスクライブ機(三星ダイヤモンド工業社製、KMPD100)を用いて長尺積層体(a)の幅方向を横切るように切削加工した。それぞれの最終的に個々の太陽電池に分割される部位において、2本の切削溝を形成した。切削溝の深さは光電変換層の下面にまで達する深さであり、切削溝の幅は30μmであり、2本の近接する切削溝と切削溝との間の距離は10mmであり、切削溝の基材の表面に対する角度は90°であった。
(工程3)
RtoR装置(東レエンジニアリング社製、RTC−S400)を用い、長尺積層体(a)を搬送しながら、切削溝を埋めるように平坦化層上にスパッタリング法により100nmのZnSnOからなるバリア層を形成した。これにより、長尺積層体(b)を得た。
(工程4)
長尺積層体(b)を2本の切削溝の中間で切断し、5mmの切れ端部分(9b)の幅を有する個々の太陽電池に分割した。
(実施例2〜11)
切削溝の深さ、幅、本数、2本の近接する切削溝と切削溝との間の距離、切れ端部分(9b)の幅又は角度を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例1)
切削溝を形成する工程(2)を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
(比較例2〜3)
切削溝の深さを表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた太陽電池について下記の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)光電変換効率評価
太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cmのソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用い、露光面積1cmで光電変換効率を測定した。
次いで、太陽電池について30℃80%の条件下に24時間置いて高湿時での耐久試験を行った。その後、上記と同様にして光電変換効率を測定した。耐久試験前の光電変換効率に対する、耐久試験後の光電変換効率の比率(%)を求めた。
○○:耐久試験後の光電変換効率/耐久試験前の光電変換効率の値が0.9以上、0.95未満
○:耐久試験後の光電変換効率/耐久試験前の光電変換効率の値が0.5以上、0.9未満
×:耐久試験後の光電変換効率/耐久試験前の光電変換効率の値が0.5未満
Figure 0006592639
本発明によれば、ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造でき、光電変換層の断面が大気中に露出することによる光電変換効率の低下を抑制できる太陽電池の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該太陽電池の製造方法により得られた太陽電池を提供することができる。
1 基材
2 下部電極
3 光電変換層
4 上部電極
5 平坦化層
6 バリア層
7 長尺積層体(a)
8 長尺積層体(b)
9 太陽電池
9a 本体部分
9b 切れ端部分
A 切断部
B 切削溝

Claims (5)

  1. ロールトゥロール方式での連続的な製膜方法を用いて複数の太陽電池を一括して製造する方法であって、
    基材上に下部電極、光電変換層、上部電極、及び、平坦化層がこの順でそれぞれ連続的な製膜方法により積層された長尺積層体(a)を得る工程(1)と、
    前記長尺積層体(a)を、最終的に個々の太陽電池に分割される部位における近接する少なくとも2箇所の位置において、前記長尺積層体(a)の幅方向を横切るように前記平坦化層の上面から少なくとも前記光電変換層の下面にまで達する深さで切削加工し、切削溝を形成する工程(2)と、
    前記切削溝を埋めるように前記平坦化層上をバリア層で覆い、長尺積層体(b)を得る工程(3)と、
    前記長尺積層体(b)を、前記近接する少なくとも2箇所の位置に形成された切削溝の間で切断し、個々の太陽電池に分割する工程(4)とを有する
    ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 長尺積層体(a)において、下部電極、光電変換層、及び、上部電極がそれぞれ複数の溝を有しており、隣接する前記下部電極と前記上部電極とが接続したモノリシック構造を形成していることを特徴とする請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  3. 光電変換層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池の製造方法。
  4. バリア層は、無機層であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の太陽電池の製造方法。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の太陽電池の製造方法により製造された太陽電池であって、
    前記太陽電池は、基材上に下部電極、光電変換層、上部電極、及び、平坦化層がこの順で積層された積層体と、前記平坦化層上を覆うバリア層とを有し、
    前記太陽電池は、本体部分を有し、かつ、一対の両端部にそれぞれ切れ端部分を有し、
    前記本体部分と前記切れ端部分とは、前記平坦化層の上面から少なくとも前記光電変換層の下面にまで達する深さの切削溝により隔てられており、
    前記切削溝は、前記バリア層により埋められている
    ことを特徴とする太陽電池。
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