JP2019064980A - 逆流性食道炎改善剤 - Google Patents

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文音 元満
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Abstract

【課題】食道を直接保護することができる逆流性食道炎改善剤の提供。【解決手段】キサンタンガム、グアガム、ジェランガム及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種を含有する逆流性食道炎改善剤。更に、カルメロースナトリウムを含有する逆流性食道炎改善剤。更に、粘膜修復成分、粘膜保護成分、胃酸中和成分及び胃機能向上成分からなる群より選択される少なくとも1種の薬効成分を含有する逆流性食道炎改善剤。【選択図】なし

Description

本発明は、逆流性食道炎改善剤に関する。
逆流性食道炎は、胃食道逆流症とも呼ばれる。逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することにより生じる症状であり、食道に胃酸が繰り返し逆流することにより症状が悪化する。逆流性食道炎は、食道と胃の間にある下部食道括約筋の機能低下、食道のぜん動運動の機能低下、胃酸の増加等の様々な要因によって引き起こされやすくなり、また、精神的ストレス、身体的ストレス、食べ過ぎ、加齢等が原因となりやすい。更に、近年は食の欧米化が進み、脂肪分の多い食事による肥満や胃酸の増加が、逆流性食道炎を引き起こすことも報告されている。
逆流性食道炎の治療薬として、胃内での胃酸分泌を抑制するプロトンポンプ阻害剤、ヒスタミンH2受容体拮抗薬、胃酸を中和するマーロックス細粒、胃腸の粘膜を保護するスクラルファート水和物等が知られている(非特許文献1)。しかしながら、これらは胃内での効果を期待するものであり、食道を直接保護するものではない。
第十六改正日本薬局方解説書、スクラルファート水和物、C−2143〜C2148、2011年
そこで、本発明は、食道を直接保護することができる逆流性食道炎改善剤を提供することを目的とする。
本発明者らが前記課題に鑑み鋭意検討を行ったところ、キサンタンガム、グアガム、ジェランガム及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種を含有する組成物を服用した場合、逆流性食道炎の症状を有するヒトの食道において該組成物が優れた残留性を示し、食道を直接保護することができることを見出した。本発明は該知見に基づき更に検討を重ねた結果完成されたものであり、次に掲げるものである。
項1.キサンタンガム、グアガム、ジェランガム及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種を含有する逆流性食道炎改善剤。
項2.更に、カルメロースナトリウムを含有する、項1に記載の逆流性食道炎改善剤。
項3.更に、粘膜修復成分、粘膜保護成分、胃酸中和成分及び胃機能向上成分からなる群より選択される少なくとも1種の薬効成分を含有する、項1または2に記載の逆流性食道炎改善剤。
本発明によれば、食道を直接保護し、逆流性食道炎を改善できる。
図1は、実施例及び比較例に示す組成物の、胃液との接触による増粘性及び付着性を示す。
本発明は、キサンタンガム、グアガム、ジェランガム及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種を含有する逆流性食道炎改善剤を提供する。以下、本発明についてより詳細に説明する。
キサンタンガム、グアガム、ジェランガム、カラギーナンはいずれも従来公知であり、可食性または薬学的に許容可能である限り制限されない。好ましくは、キサンタンガム及び/またはグアガムが例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の逆流性食道炎改善剤中、キサンタンガム、グアガム、ジェランガム及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種の含有量は、所望の効果が得られる限り制限されないが、その総量で、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.2〜10質量%が例示される。
該改善剤は、更にカルメロースナトリウムを含有してもよい。カルメロースナトリウムを含有する場合、その含有量は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、該改善剤中、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%が例示される。
該改善剤は、更に粘膜修復成分、粘膜保護成分、胃酸中和成分及び胃機能向上成分からなる群より選択される少なくとも1種の薬効成分を含有してもよい。これらの薬効成分として、可食性または薬学的に許容可能な従来公知の成分が例示される。本発明を制限するものではないが、より詳細な例として次の成分が挙げられる。
粘膜修復成分として、スクラルファート水和物、アルジオキサ、テプレノン、セトラキサート、ソファルコン、トロキシピド等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
粘膜保護成分として、スクラルファート水和物、アルジオキサ、アルギン酸ナトリウム、アズレン、L−グルタミン、メチルメチオニンスルホニウムクロライド等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
胃酸中和成分として、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、炭酸水素ナトリウム、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
胃機能向上成分として、コウボク、ソウジュツ、チンピ、ケイヒ、トウヒ、ハッカ、ウイキョウ、チョウジ、オウバク、センブリ、ゲンチアナ、ニガキ、ショウキョウ、サンショウ等が例示される。これらは、その全形、切断、粉末等のいずれの形態であってもよく、その抽出物であってもよく、固形状、液状も問わない。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
薬効成分を含有する場合、その含有量は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、該改善剤中、総量で、好ましくは0.5〜25質量%、より好ましくは0.5〜20質量%が例示される。本発明を制限するものではないが、例えば薬効成分としてスクラルファート水和物を含有する場合、スクラルファート水和物の含有量は、該改善剤中、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%が例示される。
該改善剤は、前述の各種成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、可食性または薬学的に許容可能な任意の成分を更に配合することができる。任意の成分として、溶剤(水、メタノール、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール等のアルコール類(無水、含水の別を問わない)等)、pH調整剤、賦形剤、安定化剤、乳化剤、緩衝剤、界面活性剤、分散剤、前記以外のゲル化剤、酸化防止剤、吸収促進剤、キレート剤、香料、着色料、甘味料、清涼剤、油分、糖質、果汁、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、各種有効成分等が例示される。任意の成分は目的に応じて1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。任意の成分の含有量も、使用する成分や目的に応じて適宜決定すればよい。
該改善剤のpHは、特に制限されないが、好ましくはpH6〜9が例示される。本発明においてpHは、室温25℃でpHメーター(F−52、株式会社堀場製作所製)を用いて測定される。
該改善剤の形態は、特に制限されず、固形状であっても液状であってもよい。
該改善剤は、この限りにおいて制限されないが、逆流性食道炎の症状を有するヒトの食道での該改善剤の残留性及び/または飲み込みやすさを一層高める観点から、該改善剤として、好ましくは次の粘度比(粘度(1)/粘度(2)の比)が1.5〜4.5であり、且つ、粘度(1)が500〜15000mPa・Sであるものが例示される。
粘度(1):25℃における回転数12rpmでの粘度(B型粘度計)
粘度(2):25℃における回転数60rpmでの粘度(B型粘度計)
粘度(1)は、25℃における回転数12rpmでの粘度(B型粘度計)を意味する。より具体的には、粘度(1)は、M−225のマヨネーズ瓶(柏洋硝子株式会社製)に逆流性食道炎改善剤200gを入れた際の、該改善剤の温度(品温)が25℃における1分間あたりの回転数12rpmで30秒間回転させた直後の該改善剤の粘度(B型粘度計(型番VISCOMETER TVB−10M、東機産業株式会社製))を意味する。ローターは測定する粘度範囲によって適宜選択する。該B型粘度計の使用書に従うローターNo.と粘度範囲の関係は次の通りである。
<回転数12rpm時>
TM1(M1ローター No.20):50〜500mPa・s
TM2(M2ローター No.21):250〜2500mPa・s
TM3(M3ローター No.22):1000〜10000mPa・s
TM4(M4ローター No.23):5000〜50000mPa・s
粘度(2)は、25℃における回転数60rpmでの粘度(B型粘度計)を意味する。より具体的には、粘度(2)は、M−225のマヨネーズ瓶(柏洋硝子株式会社製)に逆流性食道炎改善剤200gを入れた際の、該改善剤の品温が25℃における1分あたりの回転数60rpmで30秒間回転させた直後の該改善剤の粘度(B型粘度計(型番VISCOMETER TVB−10M、東機産業株式会社製))を意味する。ローターは測定する粘度範囲によって適宜選択する。該B型粘度計の使用書に従うローターNo.と粘度範囲の関係は次の通りである。
<回転数60rpm時>
TM1(M1ローター No.20):10〜100mPa・s
TM2(M2ローター No.21):50〜500mPa・s
TM3(M3ローター No.22):200〜2000mPa・s
TM4(M4ローター No.23):1000〜10000mPa・s
前記粘度の比(粘度(1)/粘度(2))として、より好ましくは2.5〜4.5が例示される。前記粘度(1)の条件で測定される粘度として、より好ましくは2000〜15000mPa・Sが例示される。また、前記粘度(2)の条件で測定される粘度として、好ましくは200〜3500mPa・S、より好ましくは600〜3500mPa・Sが例示される。
本発明を制限するものではないが、本発明の逆流性食道炎改善剤がこのような粘度比(粘度(1)/粘度(2)の比)及び粘度(1)を備えている場合、該改善剤はより好ましいチキソ性及び粘度を有しているといえる。この場合、該改善剤は、そのチキソ性のために、力を加えることにより軟化する。このため、逆流性食道炎改善剤を摂取する際、飲み込みや容器からの押し出し等により力が加わり改善剤が軟化し、改善剤が一層飲み込みやすくなる。一方、一旦飲み込みが完了するとこのような力から解放されるために、改善剤は速やかに元の粘度へ戻り、改善剤は食道に一層とどまりやすくなり、すなわち、食道での滞留時間が長くなる。
本発明の逆流性食道炎改善剤は、本分野で公知の製造手順に従い、キサンタンガム、グアガム、ジェランガム及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種、必要に応じてカルメロースナトリウム、薬効成分、任意の成分を適宜混合することにより製造することができる。
本発明の逆流性食道炎改善剤は、医薬品、医薬部外品等として調製することができる。
本発明の逆流性食道炎改善剤は、必要に応じて容器等に収容すればよい。例えば、該改善剤が前記粘度比及び/または粘度(1)を備えるなど液状の形態である場合、容器に収容することにより該改善剤の使い勝手が良くなる。容器は制限されず、従来公知のパウチ、カップ等の所望の容器を用いればよく、その大きさ、素材、形状等は目的に応じて適宜決定すればよい。該容器として、衛生面から密封容器が好ましく例示できる。また、更に加熱(殺菌)処理を行ってもよく、従来公知の方法に従い、ボイル、スチーム、レトルト殺菌等の方法を適宜選択すればよく、加熱温度、時間等も適宜設定すればよい。
本発明の逆流性食道炎改善剤の適用回数や適用量は特に制限されず、成分の種類や含有量、使用者の年齢、性別、症状の程度、適用形態、期待される効果等に応じて、一日に1回〜数回の頻度で適当量を摂取すればよい。一例として、該改善剤を一日に1〜3回摂取することが挙げられる。また、摂取時刻も制限されないが、一例として、食前、食間、食後が挙げられる。また、本発明を制限するものではないが一例として、成人(体重60kg)を対象とする場合、1日摂取量として、本発明の逆流性食道炎改善剤を好ましくは15〜50g、より好ましくは20〜40gを経口摂取することが挙げられる。
本発明の逆流性食道炎改善剤は、逆流性食道炎の症状を有するヒトの食道に対して高い残留性を有していることから、該改善剤の食道粘膜上での滞留時間をより長期化でき、食道の保護を一層高めることができる。
また、本発明の逆流性食道炎改善剤は、胃液と接触することにより粘度が高まり、好ましい付着性を示す。このことから、本発明の逆流性食道炎改善剤によれば、食道において逆流した胃液と接触することにより更に増粘し、食道粘膜上の滞留時間がより長くなり、粘膜上にゆっくり広がり、食道における保護効果を効果的に発揮でき、逆流性食道炎を改善することができる。
このことから、本発明の逆流性食道炎改善剤によれば、食道を胃酸から効果的に保護できるため、逆流性食道炎の改善や治療に有用である。また、該改善剤が薬効成分を含有する場合、残留性等により薬効成分を患部にとどめることができることから、該改善剤によれば、逆流性食道炎のより優れた改善や治療の効果が期待できる。また、該改善剤によれば、逆流性食道炎の改善により、胸やけ、胃のむかつき、胃酸過多、胃部不快感、胸つかえ、はきけ、嘔吐といった不快感を軽減することができる。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.逆流性食道炎改善剤の製造
次の表1に示す組成に従い、各成分を混合し、実施例7の組成物を製造した。具体的には、精製水にスクラルファート水和物を投入し、得られた混合物をホモディスパー(みずほ工業株式会社製)で攪拌して分散させながらカルメロースナトリウム、キサンタンガム及びグアガムを投入し、85℃に加温してこれらを溶解させてから冷却し、最後に残りの成分を添加して、逆流性食道炎改善剤を製造した(pHが7になるように、クエン酸及びクエン酸ナトリウムで調整した)。同様にして、表1に従い各実施例(実施例1〜6、8〜10)及び各比較例(比較例1〜6)の組成物を得た。
2.残留性
各組成物(10g)を、逆流性食道炎の症状を有する被験者5名に経口摂取してもらい、次の基準で、飲み込み後の喉元から胃上部へのとどまり感について評価した。評価は3点が最も高く、0点が最も低いことを示す。結果を平均し、小数点第二位を四捨五入することにより、平均値を算出した。その平均値が2.8以上を◎、2.5以上2.8未満を○、1.5以上2.5未満を△、1.5未満を×とした。
<評価基準>
3点:とどまり感がある
2点:どちらかといえばとどまり感がある
1点:ほとんどとどまり感がない
0点:とどまり感がない
3.服用性
各組成物(10g)を前記被験者5名に経口摂取してもらい、次の基準で飲み込みやすさを評価した。評価は3点が最も高く、0点が最も低いことを示す。結果を平均し、小数点第二位を四捨五入することにより、平均値を算出した。その平均値が2.5以上を○、1.5以上〜2.5未満を△、1.5未満を×とした。
<評価基準>
3点:なめらかで飲み込みやすい
2点:ざらつきなどが少し気になるが、どちらかといえば飲み込みやすい
1点:ざらつきなどが気になり、どちらかといえば飲み込みにくい
0点:ざらついて飲み込みにくい
4.安定性
各組成物(200g)をマヨネーズ瓶(M−225、柏洋硝子株式会社製)に入れ、室温25℃で1晩(12時間)静置し、その後の組成物の分散状態(沈殿が生じているか)を観察し、次の基準に従い評価した。
<評価基準>
○:沈殿を生じていない
△:ごく一部沈殿を生じているが、概ね問題ない
×:沈殿を生じている
5.胃液との接触
日本薬局方溶出試験第1液(塩化ナトリウム2.0gを塩酸7.0ml及び水に溶かして1000mlとしたもの(pH約1.2))を用いて、擬似胃液との接触による組成物の増粘性及び付着性について評価した。具体的には、アルミトレイに組成物1mlを置いたのち、約45度に傾け、直後に前記溶出試験第1液(擬似胃液)10mlを約10秒間、組成物上にかけた後の状態を、次の基準に従い目視にて評価した。
<評価基準>
○:胃液と接触後に増粘し、組成物がアルミトレイにほとんど付着している
△:胃液と接触後に増粘しないが、組成物がアルミトレイに少し付着している
×:胃液と接触後に増粘せず、組成物がアルミトレイにほとんど付着せずに流れ落ちている
6.pH
各組成物のpHを、室温25℃においてpHメーター(F−52、株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
7.粘度
実施例1〜8、比較例1〜6の各組成物の粘度を、次のようにして測定した。
組成物200gをマヨネーズ瓶(M−225、柏洋硝子株式会社製)に取り、組成物の品温25℃において、B型粘度計(型番VISCOMETER TVB−10M、東機産業株式会社製)を用いて、1分間あたりの回転数を12rpmとし、30秒間回転させた直後の組成物の粘度を測定した(自動測定)。ローターは、粘度計の使用書に従い、粘度領域に適切なものを選択して測定した。具体的には、表1に示すローターを用いて粘度を測定した。これを粘度(1)とした。表中、粘度の単位はmPa・Sである。なお、比較例1〜3及び6では、粘度の有効測定値を下回りエラーとなったため、表中に「<50」と記載した。
また、組成物200gをマヨネーズ瓶(M−225、柏洋硝子株式会社製)に取り、組成物の品温25℃において、B型粘度計(型番VISCOMETER TVB−10M、東機産業株式会社製)を用いて、1分間あたりの回転数を60rpmとし、30秒間回転させた直後の組成物の粘度を測定した(自動測定)。ローターは、粘度計の使用書に従い、粘度領域に適切なものを選択して測定した。具体的には、表1に示すローターを用いて粘度を測定した。これを粘度(2)とした。表中、粘度の単位はmPa・Sである。前記粘度(1)と同様に、粘度の有効測定値を下回りエラーとなった組成物については、表中に「<10」と記載した。
粘度(1)の測定値を粘度(2)の測定値で除することにより、粘度(1)と粘度(2)の比を算出した(粘度(1)/粘度(2))。表中、該粘度比は、小数点第2位を四捨五入して記載した。
8.結果
結果を表1に示す。
実施例1〜10の組成物は、飲み込み後に喉元から胃上部へのとどまり感を有しており、食道での残留性が優れていた。特に、キサンタンガム及びグアガムを含有する実施例5、7〜10においては、残留性が一層優れていた。また、実施例1〜10の組成物は、このように良好なとどまり感を有しながら、服用性に優れており飲み込みやすいものであり、特に、カルメロースナトリウムを含有させることで、服用性をより向上させることができた。
また、実施例1〜10の組成物は、安定性にも優れていた。表1に示す通り、実施例1〜10の組成物が比較例1〜6の組成物よりも安定性が優れていた理由として、実施例1〜10では組成物中のスクラルファート水和物の沈殿が抑制された結果、安定性が向上したことが挙げられる。このことから、実施例1〜10の逆流性食道炎改善剤では、改善剤中でのスクラルファート水和物といった薬効成分の偏在を抑制でき、改善剤が食道にいかなる向きで作用しても一定の保護効果や薬効効果が得られやすいことが分かった。また、このように安定性が向上していることから、製造時、成分が均一な逆流性食道炎改善剤を一層簡便に製造できる。
また、実施例1〜10の組成物では、胃液と接触することによる増粘や付着性の向上が認められた。より詳細に説明すると、図1は実施例7、比較例1、比較例5の結果を示し、実施例7の組成物では、胃液との接触により組成物が増粘し、また、トレイへの好ましい付着性が認められた。これに対して、比較例1及び5の組成物では、胃液と接触しても増粘が認められず、特に比較例1の組成物では組成物が速やかに流れ落ちた。実施例1〜6、8〜10でも実施例7と同様に増粘し、トレイへの良好な付着性が認められた。このことから、実施例1〜10に示す逆流性食道炎改善剤は、食道において逆流した胃酸と接触することにより更に増粘し、食道での滞留時間が一層長くなり、また、ゆっくり広がることが分かった。
これに対して、比較例1〜6の組成物では、飲み込み後に喉元から胃上部へのとどまり感を有意に感じられず、食道での残留性が劣っていた。また、比較例1〜6の組成物は、安定性も悪く、胃液と接触することによる増粘や付着性の向上もほとんど認められなかった。
また、実施例1〜8の組成物は、表1に示す粘度比(粘度(1)/粘度(2))や粘度(1)を備えており、すなわち、チキソ性を有し、特定範囲の粘度(1)を備えていた。このことから、実施例1〜8の組成物は、そのチキソ性のために、力を加えることにより軟化することが分かった。これらのことから、このような特性を有する逆流性食道炎改善剤を摂取する際、飲み込みや容器からの押し出し等により力が加わり改善剤が軟化するため、改善剤が一層飲み込みやすくなることが分かった。一方、一旦飲み込みが完了するとこのような力から解放されるために、改善剤は速やかに元の粘度へ戻り、改善剤は食道に一層とどまりやすくなり、すなわち、食道での滞留時間が長くなることが分かった。実施例9及び10の組成物でも同様の傾向が認められた。一方、比較例1〜6の組成物ではこのようなチキソ性等は認められなかった。
これらのことから、本発明の逆流性食道炎改善剤によれば、食道を胃酸から効果的に保護できるため、逆流性食道炎の改善や治療に有用であることが分かった。また、該改善剤が薬効成分を含有する場合、残留性等により薬効成分を患部にとどめることができることから、より優れた改善や治療の効果が期待できる。また、該改善剤によれば、逆流性食道炎の改善により、胸やけ、胃のむかつき、胃酸過多、胃部不快感、胸つかえ、はきけ、嘔吐といった不快感を軽減することができる。
処方例
表2に示す処方に従い逆流性食道炎改善剤を製造した(pHが7になるように、クエン酸及びクエン酸ナトリウムで調整した)。これらの逆流性食道炎改善剤によれば、前記実施例1〜10と同様に、食道を胃酸から効果的に保護できる。

Claims (3)

  1. キサンタンガム、グアガム、ジェランガム及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種を含有する逆流性食道炎改善剤。
  2. 更に、カルメロースナトリウムを含有する、請求項1に記載の逆流性食道炎改善剤。
  3. 更に、粘膜修復成分、粘膜保護成分、胃酸中和成分及び胃機能向上成分からなる群より選択される少なくとも1種の薬効成分を含有する、請求項1または2に記載の逆流性食道炎改善剤。
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