JP2019064110A - 太陽電池用フロントシート及び太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用フロントシート及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールの発電効率が経時により低下することを抑制しうる太陽電池用フロントシート、及び太陽電池モジュールを提供すること。【解決手段】バリア層、厚さ60μm〜380μmの樹脂基材、及び鉛筆硬度がHB以上であるハードコート層をこの順に積層してなり、ハードコート層側からの光の透過率が85%以上であって、太陽電池素子の太陽光が入射する面側にバリア層側が配置される、太陽電池用フロントシート、及び上記太陽電池用フロントシートを備える太陽電池モジュール。【選択図】なし

Description

本開示は、太陽電池用フロントシート及び太陽電池モジュールに関する。
従来、太陽電池素子を含む太陽電池モジュールには、太陽電池素子を含む素子構造部の太陽光が入射する面側に、太陽電池用フロントシートと呼ばれる保護シートが設けられている。
例えば、特許文献1には、第1のポリマーフィルム基材上に、バリアフィルム、感圧接着剤層、及び第2のポリマーフィルム基材がこの順に積層してなる、組立品が開示されている。
また、特許文献2には、無機酸化物層上に、ポリオルガノシロキサン層、基材、及びフッ素含有樹脂層がこの順に積層してなる、ガスバリア性フィルムが開示されている。
特表2013−531570号公報 特開2010−234600号公報
太陽電池用フロントシートとしては、太陽電池素子に対し、水(水蒸気)、ガス等の浸入を防止する機能を有するバリア層を有するものが知られている。
しかし、特許文献1に記載の組立品においては、バリアフィルム上に粘着剤層を介してエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)を含む第2のポリマーフィルム基材が貼り合わされているため、衝撃により第2のポリマーフィルム基材が破断したり、粘着剤層と第2のポリマーフィルム基材との界面が剥離してしまい、バリア層が外的影響を受け易くなり、ダメージを受けることがある。
また、特許文献2に記載のガスバリア性フィルムは、バリア層となる無機酸化物層上に、ポリオルガノシロキサン層、基材、及びフッ素含有樹脂層がこの順に積層してなるが、フッ素含有樹脂層と基材との密着性は低く、また、基材自体の強度が低く、衝撃に弱いこともあり、バリア層となる無機酸化物層が外的影響を受けやすくなり、ダメージを受けることがある。
これらのことから、上記の組立品又はガスバリア性フィルムを太陽電池用フロントシートとして用いると、バリア層がダメージを受け経時劣化してしまうことから、太陽電池モジュールの発電効率が経時により低下してしまう問題が生じる。
そこで、本開示に係る実施形態が解決する課題は、太陽電池モジュールの発電効率が経時により低下することを抑制しうる太陽電池用フロントシートを提供することである。
また、本開示に係る別の実施形態が解決する課題は、太陽電池モジュールの発電効率が経時により低下することが抑制された太陽電池モジュールを提供することである。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> バリア層、厚さ60μm〜380μmの樹脂基材、及び鉛筆硬度がHB以上であるハードコート層をこの順に積層してなり、ハードコート層側からの光の透過率が85%以上であって、太陽電池素子の太陽光が入射する面側にバリア層側が配置される、太陽電池用フロントシート。
<2> ハードコート層が、シロキサン樹脂及び架橋アクリル樹脂からなる群より選択される1種を含む、<1>に記載の太陽電池用フロントシート。
<3> ハードコート層側の最表面の凸部の最大高さが0.3μm以上ある、<1>又は<2>に記載の太陽電池用フロントシート。
<4> 樹脂基材が、環状3量体オリゴマーの含有量が1.0質量%以下のポリエチレンテレフタレートフィルムである、<1>〜<3>のいずれか1に記載の太陽電池用フロントシート。
<5> ポリエチレンテレフタレートフィルムにおける末端カルボン酸量が20eq/ton以下である、<4>に記載の太陽電池用フロントシート。
<6> 樹脂基材が、アクリル樹脂フィルムである、<1>〜<3>のいずれか1に記載の太陽電池用フロントシート。
<7> 樹脂基材の厚さが100μm〜350μmである、<1>〜<6>のいずれか1に記載の太陽電池用フロントシート。
<8> バリア層が、窒化ケイ素を含む、<1>〜<7>のいずれか1に記載の太陽電池用フロントシート。
<9> ハードコート層が、紫外線吸収剤を含有する、<1>〜<8>のいずれか1に記載の太陽電池用フロントシート。
<10> ハードコート層と樹脂基材との間に、少なくとも1層の中間層を有する、<1>〜<9>のいずれか1に記載の太陽電池用フロントシート。
<11> 中間層が紫外線吸収剤を含有する、<10>に記載の太陽電池用フロントシート。
<12> 太陽電池素子及び太陽電池素子を封止する封止材を含む素子構造部と、
バリア層、厚さ60μm〜380μmの樹脂基材、及び鉛筆硬度がHB以上であるハードコート層をこの順に積層してなり、ハードコート層側からの光の透過率が85%以上である太陽電池用フロントシートと、
を含み、素子構造部の太陽光が入射する面側に、太陽電池用フロントシートのバリア層側を配置して積層してなる、太陽電池モジュール。
本開示に係る実施形態によれば、太陽電池モジュールの発電効率が経時により低下することを抑制しうる太陽電池用フロントシートを提供することができる。
また、本開示に係る別の実施形態によれば、太陽電池モジュールの発電効率が経時により低下することが抑制された太陽電池モジュールを提供することができる。
本開示に係る太陽電池用フロントシートを備える太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。
本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。
本開示において、「太陽電池用フロントシート」とは、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子又は太陽電池素子を含む素子構造部から見て、太陽光が入射する側に配置されるシートを指す。
本開示において、「太陽電池用バックシート」とは、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子又は太陽電池素子を含む素子構造部から見て、太陽光が入射する側とは反対側に配置されるシートを指す。
本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
<太陽電池用フロントシート>
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、バリア層、厚さ60μm〜380μmの樹脂基材、及び鉛筆硬度がHB以上であるハードコート層をこの順に積層してなり、太陽電池素子の太陽光が入射する面側にバリア層側が配置される、太陽電池用フロントシートである。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、ハードコート層側からの光の透過率が85%以上である。ここで、光の透過率とは可視光(波長550nm)の透過率をいい、JIS A 5759−2008に準拠した方法で、測定される。
以降、太陽電池用フロントシートを単に「フロントシート」ともいう。
上記の構成を有するフロントシートは、バリア層の経時劣化が抑制されることから、太陽電池モジュールの発電効率が経時により低下することを抑制しうる。
かかる効果が奏される理由は以下のように推測される。但し、本開示に係る太陽電池用フロントシートは、以下の理由によって限定されることはない。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、厚さが60μm〜380μmの樹脂基材を中心に、一方の面にバリア層を有し、他方の面に硬度の高いハードコート層を有する層構成のフロントシートである。
この構成とすることで、ハードコート層、又は、ハードコート層と樹脂基材との間の中間層を、樹脂基材上に、直接、塗布/スパッタ等の手段により形成することができるため、樹脂基材界面での化学結合形成、界面混合等が生じることで、ハードコート層と樹脂基材との密着性が確保でき、かつ、高い硬度のハードコート層により耐傷性が高まる。
その結果、ハードコート層及び樹脂基材によって保護されたバリア層は、ダメージを受け難く、経時劣化が抑制されると考えられる。
また、樹脂基材は、厚さを60μm〜380μmとすることで、フロントシートの軽量化を維持でき、高透過率で高い発電効率を得られると共に、電気絶縁性が十分確保できる。特に、高湿熱下で長期間、太陽電池素子に電圧が印加された状態が継続された後も、高い発電効率が維持できる。
従って、本開示に係る太陽電池用フロントシートによれば、バリア層の経時劣化を抑制することができ、係る太陽電池用フロントシートを太陽電池モジュールに適用することで、太陽電池モジュールの発電効率が経時により低下することを抑制しうる。
ここで、本開示に係る太陽電池用フロントシートを備える太陽電池モジュールの一例について、図1を参照しながら説明する。
但し、本開示に係る太陽電池用フロントシート及び太陽電池モジュールは、以下の一例に限定されるものではない。
図1は、本開示に係る太陽電池用フロントシートを備える太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。
図1に示す太陽電池モジュールは、後述する本開示に係る太陽電池モジュールの一例でもある。
図1に示されるように、この一例に係る太陽電池モジュール100は、太陽電池素子32及び太陽電池素子32を封止する封止材34(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む封止材)を含む素子構造部36と、素子構造部36に対して矢印で示される太陽光60が入射される側に配置された太陽電池用フロントシート20と、素子構造部36に対して太陽光60が入射される側とは反対側に配置された太陽電池用バックシート40と、素子構造部36と太陽電池用バックシート40とを接着する接着層50と、を備える。
更に、素子構造部36の外周には、中間接着層52が設けられている。
太陽電池用フロントシート20は、本開示に係る太陽電池用フロントシートの一例である。
太陽電池用フロントシート20は、ポリエステルフィルムに代表される樹脂基材(基材フィルム)10と、基材フィルム10の片方の面(詳細には矢印で示される太陽光60が入射する側の面)上に配置された中間層11と、中間層の面上に配置されたハードコート層12と、基材フィルム10の片方の面(詳細には矢印で示される太陽光60が入射する側とは反対の面)上に配置されたバリア層13と、を備える。
なお、中間層11は、必須の層ではなく、省略されていてもよい。
また、基材フィルム10の中間層11側の表面及びバリア層13側の表面の少なくとも一方には、下塗り層が設けられていてもよい。
即ち、基材フィルム10は、後述する下塗り層付き基材フィルムであってもよい。
太陽電池モジュール100は、上述した各部材以外のその他の部材を備えていてもよい。
その他の部材としては、部材間に配置される接着層、太陽電池用バックシート40に対し素子構造部36側とは反対側に配置される端子ボックス、等が挙げられる。
太陽電池用フロントシート20は、矢印方向に太陽光60が直接入射する部材であり、かつ、風雨に曝される部材である。
このため、太陽電池用フロントシート20には、高い耐久性(例えば、湿熱環境に対する耐久性、紫外線照射に対する耐久性、及び砂塵に対する耐久性)が要求される。
この点に関し、太陽電池用フロントシート20では、上述の通り、硬度の高いハードコート層12を備え、ハードコート層12と樹脂基材10との密着性も低下しないことから、上記した高い耐久性が得られるものと考えられる。
そして、高い耐久性を有するハードコート層12及び樹脂基材10によって保護されたバリア層12は、ダメージを受け難く、経時劣化が抑制される。
その結果、太陽電池用フロントシート20を備えた太陽電池モジュール100は、経時により発電効率が低下することが抑制される。
本開示においては、樹脂基材の2つの表面のうち、ハードコート層又は中間層が形成される側の面を「オモテ面」ということがあり、バリア層が形成される面をオモテ面に対して反対側の面という意味で「ウラ面」ということがある。
以下、本開示に係る太陽電池用フロントシートの各要素について説明する。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、バリア層、樹脂基材、及び鉛筆硬度がHB以上であるハードコート層を有するが、この他に、任意の層を有していてもよい。任意の層としては、例えば、ハードコート層と樹脂基材との間に設けられる、少なくとも1層の中間層が挙げられる。
〔樹脂基材〕
樹脂基材は、バリア層と中間層又はハードコート層とを形成するための基材であって、透明性を有する基材であれば、公知の樹脂製のシート状物(以降、「基材フィルム」ともいう)を用いることができる。
ここで、透明性を有するとは、光の透過率が85%以上であることを指す。
基材フィルムの材料には、制限はなく、バリア層と中間層又はハードコート層とを形成可能であれば、各種の樹脂材料が利用できる。
具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリカーボネート;ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン;例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリフッ化ビニルなどのフッ素系樹脂等が挙げられる。
中でも、透明性が高い点、紫外線に対する耐性に優れる点、耐湿熱性に優れる点等から、ポリエステル、アクリル樹脂、又はポリカーボネートを含む樹脂基材が好ましい。
樹脂基材に含まれるポリエステルとしては、例えば、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが挙げられる。線状飽和ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。
このうち、力学的物性及びコストのバランスの点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、及びポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)が好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
ポリエステルは、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。
更に、樹脂基材にポリエステルを用いる場合には、ポリエステルに他の種類の樹脂、例えば、ポリイミド等を少量ブレンドしたものであってもよい。
ポリエステルの種類は、上記に限られるものではなく、公知のポリエステルを使用してもよい。公知のポリエステルとしては、ジカルボン酸成分と、ジオール成分とを用いて合成してもよいし、市販のポリエステルを用いてもよい。
樹脂基材(即ち、基材フィルム)としては、特に、機械的強度が高い点、バリア層の経時劣化をより抑制し易い点等から、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はアクリル樹脂フィルムが好ましい。
・ポリエチレンテレフタレートフィルム
更に、樹脂基材としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる場合、フロントシートの湿度に対する耐性を高めるため、ポリエステルを合成する際に副生する環状3量体オリゴマーの含有量が1.0質量%以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
ポリエチレンテレフタレートフィルム中の環状3量体オリゴマーの含有量は0.5質量%以下であることがより好ましい。
ポリエチレンテレフタレートフィルム中の環状3量体オリゴマーの含有量は、少なければ少ないほどよいが、環状3量体オリゴマーの除去処理等が煩雑化する点、製造効率の点等から、0.1質量%を下限とすることができる。
ポリエチレンテレフタレートフィルム中の環状3量体オリゴマーの含有量は、ポリエチレンテレフタレートの固相重合工程における加熱縮合条件(温度及び時間)を調製して、環状3量体オリゴマーを揮発除去させることにより調整することが可能である。
ポリエチレンテレフタレートフィルム中の環状3量体オリゴマーの含有量は、以下のようにして測定しうる。
即ち、樹脂基材の一部を切り取り、測定サンプル0.5gを得る。
測定サンプル0.5gをクロロホルムに溶解し、この溶液を高速液体クロマトグラフィーにて測定した。
以下に、本開示において適用する測定条件を示す。
装置:島津LC−10A
カラム:YMC−Pack ODS−A 150×4.6mm S−5μm
120A
カラム温度:40℃
流量:1.2ml/min
検出器:UV 240nm
また、ポリエチレンテレフタレートフィルム中の末端カルボキシ基の含有量は、末端カルボキシ基に起因する加水分解を抑制し、フロントシートの湿度に対する耐性を高める点から、20eq/ton(1トン当たりのモル当量)以下であることが好ましく、15eq/ton以下であることがより好ましい。
ポリエチレンテレフタレートフィルム中の末端カルボキシ基の含有量は、隣接する層(バリア層、中間層、又はハードコート層)との密着性発現の点から、5eq/tonを下限とすることが好ましい。
ポリエチレンテレフタレートフィルム中の末端カルボキシ基の含有量は、ポリエステルを合成する際の触媒種、製膜条件(製膜温度、製膜時間等)、固相重合により調整することが可能である。
ポリエチレンテレフタレートフィルム中の末端カルボキシ基の含有量は、以下の方法により測定される値である。
まず、樹脂基材の一部を切り取り、測定サンプル0.1gを得る。
測定サンプル0.1gをベンジルアルコール10mlに溶解後、更にクロロホルムを加えて混合溶液を得て、この混合溶液にフェノールレッド指示薬を滴下する。この溶液を、基準液(0.01mol/L KOH−ベンジルアルコール混合溶液)で滴定し、滴下量から末端カルボキシ基の含有量を求める。
ポリエチレンテレフタレートを重合する際には、末端カルボキシ基の含有量を20eq/ton以下に抑えるために、Sb系、Ge系、Ti系の化合物を触媒として用いることが好ましく、中でも特にTi系化合物が好ましい。
Ti系化合物を用いたポリエチレンテレフタレートの合成には、例えば、特公平8−301198号公報、特許第2543624号、特許第3335683号、特許第3717380号、特許第3897756号、特許第3962226号、特許第3979866号、特許第3996871号、特許第4000867号、特許第4053837号、特許第4127119号、特許第4134710号、特許第4159154号、特許第4269704号、特許第4313538号等に記載の方法を適用できる。
ポリエチレンテレフタレートは、重合後に固相重合されることが好ましい。
固相重合は、重合後のポリエステルを真空中或いは窒素ガス中で170℃〜240℃程度の温度で5時間〜100時間程度加熱して重合度を増大させる手法である。
具体的には、固相重合には、特許第2621563号、特許第3121876号、特許第3136774号、特許第3603585号、特許第3616522号、特許第3617340号、特許第3680523号、特許第3717392号、特許第4167159号等に記載の方法を適用することができる。
樹脂基材としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる場合、機械強度の点から、2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
・アクリル樹脂フィルム
樹脂基材としては、透明性に優れる点、紫外線に対する耐性にも優れる点から、アクリル樹脂フィルムが好適に用いられる。
特に、ポリメタクリル酸メチル樹脂フィルムが好ましい。
アクリル樹脂フィルムとしては、市販品を用いることができ、アクリプレン(登録商標)HBS010P(三菱ケミカル(株))、テクノロイ(登録商標)S001G(住友化学(株))等が挙げられる。
本開示において、樹脂基材の厚さは、フロントシートの軽量化を維持し、高透過率で高い発電効率を得るとともに、電気絶縁性、及び機械的強度を十分に確保する点等から、60μm〜380μmの範囲内とする。
樹脂基材の厚さは、75μm〜350μmがより好ましく、100μm〜350μmが更に好ましい。
(樹脂基材の作製方法の一例)
樹脂基材を作製する方法は特に限定されない。
例えば、特開2016−195165号公報に記載の基材フィルムの製造方法が挙げられる。
〔中間層〕
樹脂基材のオモテ面には、中間層を有していることが好ましい。
つまり、中間層は、樹脂基材とハードコート層との間に設けられる層である。
中間層は、バインダーポリマーを含むポリマー層であることが好ましい。
(バインダーポリマー)
中間層に含まれるバインダーポリマーとしては、特に限定されないが、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、シロキサン樹脂、及びフッ素ポリマーよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン及びポリオレフィンよりなる群から選ばれた少なくとも1種がより好ましく、アクリル樹脂が更に好ましい。
本開示において、アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステル化合物に由来する単量体単位を、ポリマーの全質量に対し、50質量%以上含有するポリマーをいう。
アクリル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、後述の紫外線吸収剤とポリマーとの複合粒子において用いられるアクリル樹脂が挙げられる。
また、特開2016−195165号公報に記載のシロキサン含有アクリル樹脂も好ましい。
シロキサン含有アクリル樹脂をポリオレフィン又はポリウレタンと併用することで、一般に極性的な紫外線吸収剤が中間層中に均一に分散しやすくなり、かつシロキサン成分は屋外での耐久性にも優れる点で好ましい。
また、バインダーポリマーとして、特開2016−195165号公報に記載のポリエステル樹脂、シロキサン樹脂、フッ素樹脂等を用いてもよい。
中間層は、バインダーポリマーを1種単独で含有してもよいし、2種以上併用してもよい。
中間層は、バインダーポリマーを、中間層の全質量に対し、10質量%〜90質量%含有することが好ましく、15質量%〜70質量%含有することがより好ましい。
(紫外線吸収剤)
中間層は、紫外線吸収剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、ハードコート層に含まれる紫外線吸収剤と同じものを用いることができる。
後述の紫外線吸収剤をそのまま含んでもよいが、紫外線吸収構造を有するポリマーであることが好ましい。
紫外線吸収構造を有するポリマーとしては、紫外線吸収剤を含むポリマー及び紫外線吸収構造を有する単量体単位を含むポリマーが挙げられる。
上記紫外線吸収剤及び上記紫外線吸収構造を含む単量体単位の合計含有量は、0.3g/m〜8.0g/mであることが好ましく、0.3g/m〜5.0g/mであることがより好ましい。
−紫外線吸収剤を含むポリマー−
紫外線吸収構造を有するポリマーとしては、紫外線吸収剤を有するポリマーであることが好ましい。
紫外線吸収剤を含むポリマーとしては、紫外線吸収剤が含まれていれば、特に形態は制限されないが、紫外線吸収剤がポリマーで被覆された複合粒子の形態であることが好ましい。言い換えれば、中間層は、紫外線吸収剤とポリマーとの複合粒子を少なくとも1種含有することが好ましい。
−紫外線吸収剤−
本開示において、紫外線吸収剤は、紫外線吸収性能を有する分子量が5,000未満の化合物である。上記分子量は、紫外線吸収剤が分子量分布を有する場合には、上述の方法により測定された重量平均分子量をいう。分子量分布を有しない場合、分子量は、例えばエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)を用いて測定される。
紫外線吸収剤としては、極大吸収波長を380nm以下に有する化合物が好ましく、極大吸収波長を250nm〜380nm(特に好ましくは270nm〜380nm)に有する化合物がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸化合物、金属酸化物粒子などが挙げられる。
紫外線吸収剤は、紫外線吸収性能の観点から、トリアジン化合物又はベンゾトリアゾール化合物を含むことが好ましく、トリアジン化合物を含むことがより好ましい。
紫外線吸収剤におけるトリアジン化合物及びベンゾトリアゾール化合物の総含有量は、紫外線吸収剤の全量に対し、80質量%以上であることが好ましい。
紫外線吸収剤におけるトリアジン化合物の含有量は、紫外線吸収剤の全量に対し、80質量%以上であることが好ましい。
トリアジン化合物としては、例えば、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ)フェニル−4,6−ビス(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)−5’−メチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]、等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノ−2’−ヘキシルオキシカルボニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシフェノキシ)ブタン、等が挙げられる。
サリチル酸化合物としては、例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、4−オクチルフェニルサリシレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシサリシレート、ヘキサデシル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシサリシレート、等が挙げられる。
シュウ酸ジアミド化合物としては、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブチルオキサニリド、等が挙げられる。
金属酸化物粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。
透明性の観点から、金属酸化物粒子の1次粒子径は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。
金属酸化物粒子の1次粒子径の下限は、3nmがよい。
−紫外線吸収剤とポリマーとの複合粒子−
上記複合粒子に含まれるポリマーは、複合粒子を構成する成分である点で、上述した中間層に含まれるバインダーポリマーとは異なる。
複合粒子に含まれるポリマーとしては、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、シロキサン樹脂、フッ素ポリマーなどが挙げられ、アクリル樹脂が好ましい。
紫外線吸収構造を有するポリマーが、紫外線吸収剤とアクリル樹脂との複合粒子であると、太陽電池モジュールの長期間の耐久性及び透明性が更に向上する。この理由は、複合粒子に含まれるポリマーがアクリル樹脂である場合には、複合粒子の水分散性が向上し、中間層中に均一に近い状態で分散されるためであると考えられる。
アクリル樹脂を形成するためのモノマーとしては、上述のバインダーポリマーにおけるアクリル樹脂を形成するためのモノマーが挙げられる。
紫外線吸収剤とポリマーとの複合粒子における紫外線吸収剤の含有量は、複合粒子の全量に対し、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましく、40質量%〜60質量%が特に好ましい。
紫外線吸収剤とポリマーとの複合粒子におけるポリマーの含有量は、複合粒子の全量に対し、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましく、40質量%〜60質量%が特に好ましい。
紫外線吸収剤とポリマーとの複合粒子に含まれるポリマー(例えばアクリル樹脂)の重量平均分子量は、長期間の耐久性をより向上する観点から、5,000〜200,000が好ましく、7,000〜150,000がより好ましく、10,000〜100,000が更に好ましい。
紫外線吸収剤とポリマーとの複合粒子のメジアン径(D50)は、500nm未満が好ましく、400nm未満がより好ましく、150nm未満が特に好ましい。
メジアン径の下限は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。
上記メジアン径は、動的光散乱測定による粒度分布から算出される。
〔紫外線吸収構造を有する単量体単位を含むポリマー〕
紫外線吸収構造を有するポリマーとしては、紫外線吸収構造を有する単量体単位を含むポリマーであってもよい。
紫外線吸収構造を有する単量体単位としては、上述のトリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸化合物等の構造の少なくとも一部を含む重合性化合物に由来する単量体単位が好ましく、トリアジン化合物の構造の少なくとも一部を含む重合性化合物に由来する単量体単位がより好ましい。
また、紫外線吸収構造を有する単量体単位を含むポリマーはアクリル樹脂であることが好ましく、上述のトリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸化合物等の構造の少なくとも一部を含むアクリル酸エステル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル樹脂であることがより好ましく、トリアジン化合物の構造の少なくとも一部を含むアクリル酸エステル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル樹脂であることがより好ましい。
また、上記アクリル樹脂は、上述の複合粒子におけるアクリル樹脂を形成するためのモノマーと同様のモノマーに由来する単量体単位を更に含む共重合体であってもよい。
紫外線吸収構造を有する単量体単位の含有量は、紫外線吸収構造を有する単量体単位を含むポリマーの全質量に対し、10質量%〜80質量%であることが好ましく、30質量%〜70質量%であることがより好ましい。
紫外線吸収構造を有する単量体単位を含むポリマーの重量平均分子量は、長期間の耐久性をより向上する観点から、5,000〜200,000が好ましく、7,000〜150,000がより好ましく、10,000〜100,000が更に好ましい。
中間層における、バインダーポリマーの含有量に対する紫外線吸収構造を有する単量体単位を含むポリマーの含有量の比(バインダーポリマー:紫外線吸収構造を有する単量体単位を含むポリマー)は、質量基準で、0.05〜0.60であることが好ましい。上記比が0.05以上であればより太陽電池の発電効率に優れ、0.60以下であればより長期間の耐光性に優れる。
紫外線吸収構造を有するポリマーとしては、市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、Tinuvin(登録商標)99−DW、400−DW、477−DW、479−DW(ともにBASF社製)、ニューコート(登録商標)UVA−204W、UVA−101、UVA−102、UVA−103、UVA−104、バナレジン(登録商標)UVA−5080、UVA−5080(OHV20)、UVA−55T、UVA−55MHB、UVA−7075、UVA−7075(OHV20)、UVA−73T(ともに新中村化学工業(株)製)RUVA−93(大塚化学(株)製)などが挙げられる。
中間層に含まれる上記紫外線吸収剤及び上記紫外線吸収構造を含む単量体単位の合計含有量は、上記中間層に含まれるポリマー成分の全質量に対し、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。
(架橋剤に由来する構造)
中間層は、硬度及び耐久性の観点から、架橋剤に由来する構造を含んでもよい。
架橋剤は1種のみであっても2種以上であってもよい。
架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、等が挙げられる。
中でも、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、又はイソシアネート系架橋剤が好ましく、オキサゾリン系架橋剤が特に好ましい。
オキサゾリン系架橋剤としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2、2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド、等が挙げられる。更に、これらの化合物の単独重合体又は共重合体も挙げられる。
オキサゾリン系架橋剤に由来する構造を含む中間層を形成するにあたり、オキサゾリン系架橋剤の希釈液の市販品を用いてもよい。
オキサゾリン系架橋剤の希釈液の市販品としては、例えば、エポクロス(登録商標)K−2010E、K−2020E、K−2030E、WS−500、WS−700〔いずれも(株)日本触媒製〕、等が挙げられる。
架橋剤に由来する構造を含む中間層を形成する場合の架橋剤の添加量は、中間層に含まれるバインダーポリマー100質量部に対して10質量部以上40質量部以下が好ましく、より好ましくは15質量部以上35質量部以下である。
架橋剤の添加量が10質量部以上であると、中間層の硬度及び接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られる。
架橋剤の添加量が40質量部以下であると、塗布液の保存安定性を長く保て、35質量部以下であると塗布面状を改良できる。
中間層が架橋剤に由来する構造を含む場合の架橋剤に由来する構造の含有量は、中間層に含まれるバインダーポリマー100質量部に対して10質量部以上40質量部以下が好ましく、より好ましくは15質量部以上35質量部以下である。
(架橋触媒)
中間層は、バインダーポリマーと架橋剤との架橋反応を促進する観点から、架橋触媒を少なくとも1種含有してもよい。
架橋触媒としては、公知の架橋触媒を特に制限なく使用することが可能であり、例えば、オニウム化合物等が挙げられる。
(界面活性剤)
中間層は、界面活性剤を少なくとも1種含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の公知の界面活性剤が挙げられる。
中間層が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、中間層の固形分量に対し、0.01質量%〜1質量%が好ましく、0.01質量%〜0.2質量%がより好ましい。
(その他の成分)
中間層は、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、無機粒子、光安定剤等が挙げられる。
無機粒子としては、後述するハードコート層に含有され得る無機粒子と同様のものが挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等の公知の光安定剤が挙げられる。
光安定剤の市販品としては、Tinuvin(登録商標)123−DW(BASF社製)、ユーダブル(登録商標)E−771SI(日本触媒社製)等を用いることができる。
(中間層の形成方法)
中間層の形成方法は、特に制限されない。
中間層の形成方法としては、例えば、溶媒及び上述した中間層の成分(固形分)を含有する中間層形成用塗布液を、基材の一方の面に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
中間層形成用塗布液に含まれる溶媒には特に制限はない。
溶媒は、水でもよいし、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶媒でもよい。環境負荷の観点から、水が好ましい。溶媒中の水の割合は60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
中間層形成用塗布液の固形分量に対する各成分の含有量の好ましい範囲は、中間層の固形分量に対する各成分の含有量の好ましい範囲と同様である。
中間層形成用塗布液を塗布する塗布方法には、特に制限はない。
塗布方法としては、グラビアコーター、バーコーター、ロールコーター、スピンコーター、カーテンコーターなどの塗布装置を用いた塗布方法が挙げられる。
中間層形成用塗布液を乾燥させる乾燥方法にも特に制限はなく、公知の方法を適宜適用できる。
乾燥温度として、好ましくは100℃〜200℃であり、より好ましくは140℃〜190℃である。
乾燥時間として、好ましくは0.1分間〜10分間であり、より好ましくは0.2分間〜5分間である。
また、中間層の形成前に、樹脂基材に表面処理(火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等)を実施してもよい。
中間層は、他の層(例えば、後述の下塗り層)を介して樹脂基材の上に配置されてもよい。
〔ハードコート層〕
ハードコート層は、鉛筆硬度がHB以上である層である。
このハードコート層の存在により、ハードコート層の下層の樹脂基材及びバリア層の経時劣化を抑制しうる。
ハードコート層は、上記の鉛筆硬度を得られれば特に制限はなく、有機層であってもよいし、無機層であってもよい。
ハードコート層の表面の鉛筆硬度は、耐傷性の更なる向上の点から、F以上であることがより好ましい。
ハードコート層の表面の鉛筆硬度の上限は特に制限はないが、ハードコート層の表面の鉛筆硬度の上限は、好ましくは4H以下であり、より好ましくは3H以下である。
なお、ハードコート層の表面の鉛筆硬度は、JIS K 5600−5−4:1999に基づいて測定された値を意味する。鉛筆としては、三菱鉛筆(株)製のハイユニを使用する。
ハードコート層側の最表面は、高耐傷性、防眩性が得られる観点から、凸部を有していることが好ましい。
最表面における凸部は、例えば、ハードコート層形成用組成物に、形成するハードコート層の厚み以上の粒径の粒子を混合することで形成することができる。混合する粒子としては、シリカ粒子の他、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂等の樹脂粒子が挙げられる。また、ハードコート層の光の透過率の維持の観点から、混合する粒子は、ハードコート層に用いているバインダー樹脂の屈折率に対し、±0.01の屈折率を有しているものが好ましい。
以上のことから、ハードコート層側の最表面の凸部の最大高さは、0.2μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることが好ましく、0.4μm以上であることが更に好ましい。
また、凸部の最大高さの上限は、例えば、2μmがよい。
ここで、凸部の最大高さとは、上述したように、ハードコート層の表面に形成された粒子成分に起因すると凸部の高さを指す。
凸部の最大高さの測定には、レーザー変位計(キーエンス社製 LT−8010)を用い、ハードコート層側の最表面を0.1mm角の範囲でスキャンし、その範囲における凸部の最大高さを測定すればよい。
ハードコート層としては、引っ掻き、擦過等の外力に対する耐傷性が良好な点から、シロキサン樹脂及び架橋アクリル樹脂からなる群より選択される1種を含むことが好ましい。
以下、シロキサン樹脂及び架橋アクリル樹脂について説明する。
(シロキサン樹脂)
ハードコート層に含まれるシロキサン樹脂は、分子鎖中に(ポリ)シロキサン構造を有するポリマーであって、ハードコート層の鉛筆硬度が達成しうるものであれば特に制限はないが、鉛筆硬度を高め易い点、透明性を確保し易い点等から、下記式S1により表される構成単位、及び、下記式S2により表される構成単位を含むシロキサン樹脂を少なくとも1種含有することが好ましい。
式S1 : [*−SiO3/2
式S2 : [SiO4/2
式S1中、*は他の構造との結合部位を表す。ただし、上記結合部位において、式S1中のSi原子が、O原子と直接結合することはない。
なお、本開示におけるシロキサン樹脂には、後記する無機粒子であるシリカ粒子は含まない。
ハードコート層に含まれるシロキサン樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
式S1により表される構成単位は、後述する3官能以下のアルコキシシランに含まれる、3官能のアルコキシシランに由来する構成単位であることが好ましい。すなわち、*に含まれる構造は、後述するRs3に由来する構造であることが好ましい。
式S2により表される構成単位は、後述する4官能のアルコキシシランに由来する構成単位であることが好ましい。
ハードコート層の鉛筆硬度が向上しやすい観点から、シロキサン樹脂における、式S1により表される構成単位中のSi原子モル量が、式S2により表される構成単位中のSi原子のモル量に対し、1.0〜7.5倍であることが好ましく、1.5倍〜4.5倍であることがより好ましい。
式S1により表される構成単位を2種以上含む場合には、「式S1により表される構成単位のSi原子モル量」は、2種以上の式S1により表される構成単位の合計Si原子モル量を意味する。
式S2により表される構成単位を2種以上含む場合には、「式S2により表される構成単位のSi原子モル量」は、2種以上の式S2により表される構成単位の合計Si原子モル量を意味する。
ハードコート層のシロキサン樹脂における、式S1により表される構成単位のSi原子モル量は、式S2により表される構成単位のSi原子モル量に対し、1.0倍以上であると、シロキサン樹脂の靱性が向上し、割れにくいハードコート層が得られる。
ハードコート層のシロキサン樹脂における、式S1により表される構成単位のSi原子モル量は、式S2により表される構成単位のSi原子モル量に対し、7.5倍以下であると、シロキサン樹脂の硬さが向上し、ハードコート層の鉛筆硬度が向上する。
ハードコート層のシロキサン樹脂に含まれる全Si原子モル量に対する、式S1により表される構成単位のSi原子モル量と、式S2により表される構成単位のSi原子モル量との合計値は、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、100モル%であることが特に好ましい。
ハードコート層のシロキサン樹脂における式S1により表される構成単位のSi原子モル量、及び、式S2により表される構成単位のSi原子モル量は、ハードコート層からシロキサン樹脂をサンプリングし、これを29Si−NMRにて分析し、三官能及び四官能シロキサンのピーク強度により測定可能である。
なお、測定サンプルは、ハードコート層の表面から膜厚の50%までの範囲を削り取り、そこから10mgを使用する。
ハードコート層に含有されるシロキサン樹脂は、シロキサン樹脂の架橋度合いをより調整しやすい点から、3官能以下のアルコキシシランと4官能のアルコキシシランとの加水分解縮合物を含むことが好ましい。
ハードコート層に含有されるシロキサン樹脂の少なくとも1種は、4官能のアルコキシシランと、この4官能のアルコキシシランの質量に対して1.4倍〜10倍の質量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物を含むことがより好ましく、4官能のアルコキシシランと、4官能のアルコキシシランの質量に対して2.0倍〜6.0倍の質量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物を含むことが更に好ましい。
この態様において、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシランは、それぞれ、1種のみであっても2種以上であってもよい。
4官能のアルコキシシランが2種以上である場合には、「4官能のアルコキシシランの量」は、2種以上の4官能のアルコキシシランの合計量を意味する。
3官能以下のアルコキシシランが2種以上である場合には、「3官能以下のアルコキシシランの量」は、2種以上の3官能以下のアルコキシシランの合計量を意味する。
以下、4官能のアルコキシシランと、この4官能のアルコキシシランの量に対してX質量倍〜Y質量倍(例えば、1.4質量倍〜10質量倍)の量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物であるシロキサン樹脂を、「質量比〔3官能以下/4官能〕がX〜Yであるシロキサン樹脂」(例えば、質量比〔3官能以下/4官能〕が1.4〜10であるシロキサン樹脂)ともいう。
質量比〔3官能以下/4官能〕が1.4以上であると、シロキサン樹脂の靱性が向上し、ハードコート層が割れにくくなる。
質量比〔3官能以下/4官能〕が10以下であると、シロキサン樹脂の硬さが向上し、ハードコート層の鉛筆硬度がより向上する。
ハードコート層に含有される全てのシロキサン樹脂に占める質量比〔3官能以下/4官能〕が1.4〜10であるシロキサンの割合は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
上述した質量比〔3官能以下/4官能〕が1.4〜10であるシロキサンにおける質量比〔3官能以下/4官能〕は、ハードコート層が割れにくくなる観点及び鉛筆硬度の向上の観点から、2.0〜6.0であることが好ましい。
言い換えれば、ハードコート層をより割れにくくし、鉛筆硬度をより向上させる観点から、ハードコート層に含有されるシロキサンの少なくとも1種は、4官能のアルコキシシランと、この4官能のアルコキシシランの全質量に対して2.0倍〜6.0倍の質量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物(即ち、質量比〔3官能以下/4官能〕が2.0〜6.0であるシロキサン)であることが好ましい。
この場合、ハードコート層に含有される全てのシロキサンに占める質量比〔3官能以下/4官能〕が2.0〜6.0であるシロキサンの割合は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
本明細書において、4官能のアルコキシシランとは、一分子中において、ケイ素原子に直接結合するアルコキシ基の数が4個であるアルコキシシランを意味する。
本明細書において、3官能以下のアルコキシシランとは、一分子中において、ケイ素原子に直接結合するアルコキシ基の数が1個以上3個以下であるアルコキシシランを意味する。
−4官能のアルコキシシラン−
4官能のアルコキシシランとしては特に制限はないが、下記一般式(a)で表されるアルコキシシランが好ましい。
一般式(a) : Si(ORS1
一般式(a)において、4つのRS1は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
4つのRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4(より好ましくは1〜3、特に好ましくは1又は2)のアルキル基が好ましい。
4官能アルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシラン、メトキシトリエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、メトキシトリプロポキシシラン、エトキシトリプロポキシシラン、プロポキシトリメトキシシラン、プロポキシトリエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられる。
中でも、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランが好ましい。
−3官能以下のアルコキシシラン−
3官能以下のアルコキシシランとしては特に制限はないが、下記一般式(b)で表されるアルコキシシランが好ましい。
一般式(b) : RS3 4−nSi(ORS2
一般式(b)において、nは、1〜3の整数を表す。
S2は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
nが2又は3である場合、複数のRS2は、同一であっても異なっていてもよい。
S3は、炭素数1〜15の有機基を表す。
4−nが2又は3である場合、複数のRS3は、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(b)中のRS2の好ましい態様は、一般式(a)中のRS1の好ましい態様と同様である。
一般式(b)中のnは、2又は3であることが好ましく、3であることが特に好ましい。
一般式(b)中のRS3は、炭素数1〜15の有機基を表す。
S3の炭素数が1〜15であることにより、ハードコート層の硬度、及び、ハードコート層と中間層との密着性が向上する。
S3で表される有機基は、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を有してもよい。RS3で表される有機基がヘテロ原子を有することにより、ハードコート層と中間層との密着性をより向上させることができる。
S3で表される有機基としては、
置換又は無置換の炭化水素基が好ましく、
置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は、置換若しくは無置換のアリール基がより好ましい。
S3で表される有機基は、エポキシ基を含むことが好ましい。
S3で表される有機基は、エポキシ基を含む置換基によって置換された炭化水素基であることがより好ましく、エポキシ基を含む置換基によって置換されたアルキル基であることが更に好ましい。
エポキシ基を含む置換基としては、エポキシ基、グリシジル基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、等が挙げられる。
S3で表される有機基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、(メタ)アクリロイル基などを含んでいてもよい。
S3で表される有機基は、アミノ基を含まないことが好ましい。
その理由は、RS3で表される有機基がアミノ基を含む場合において、4官能のアルコキシシランと3官能以下のアルコキシシランとを混合して加水分解すると、生成するシラノール同士で脱水縮合が促進され、反応液が不安定となる場合があるためである。
3官能以下のアルコキシシランは、上述の通り、エポキシ基を含むことが好ましい。
エポキシ基を含む3官能以下のアルコキシシランの具体例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、等が挙げられる。
エポキシ基を含む3官能以下のアルコキシシランの市販品としては、KBE−403(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
エポキシ基を含まない3官能以下のアルコキシシランの具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、等が挙げられる。
エポキシ基を含まない3官能以下のアルコキシシランの市販品としては、KBE−13(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
ハードコート層に含有されるシロキサン樹脂の含有量は、ハードコート層の固形分量に対し、20質量%〜80質量%が好ましく、20質量%〜70質量%がより好ましく、20質量%〜60質量%が特に好ましい。
(架橋アクリル樹脂)
ハードコート層に含まれる架橋アクリル樹脂は、架橋されたアクリル樹脂を意味し、例えば、2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマー等の重合性化合物を重合及び架橋してなる(メタ)アクリル樹脂(即ち、2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物に由来する構造単位を含む架橋(メタ)アクリル樹脂)が挙げられる。
架橋アクリル樹脂としては、ハードコート層の鉛筆硬度が達成しうるものであれば特に制限はないが、鉛筆硬度を高め易い点、透明性を確保し易い点等から、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(TMMT)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)等の重合性化合物に由来する構造単位を含む架橋(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
中でも、特に、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)に由来する構造単位を含む架橋(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
ハードコート層に含有される架橋アクリル樹脂の含有量は、ハードコート層の固形分量に対し、80質量%〜99.5質量%が好ましく、85質量%〜99質量%がより好ましく、90質量%〜98質量%が特に好ましい。
(無機化合物)
ハードコート層は、上記した鉛筆硬度が達成しうるのであれば、無機層であってもよい。
無機層に含まれる無機化合物としては、酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)の酸化物等が挙げられる。
(無機粒子)
ハードコート層は、ハードコート層の硬度をより向上させる観点から、無機粒子を少なくとも1種含有することが好ましい。
無機粒子としては、ハードコート層の硬度をより向上させる観点から、金属酸化物粒子及び無機窒化物粒子よりなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子が好ましい。
金属酸化物粒子としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子等が挙げられる。
無機窒化物粒子としては、窒化ホウ素粒子等が挙げられる。
無機粒子は、ハードコート層中にシロキサン樹脂が含まれる場合、シロキサン樹脂との架橋の観点から、シリカ粒子を含むことが好ましく、シリカ粒子からなることが特に好ましい。
シリカ粒子としては、四塩化ケイ素の燃焼によって製造される乾燥粉末状のシリカ;二酸化ケイ素又はその水和物が水に分散したコロイダルシリカ;等が挙げられる。
乾燥粉末状のシリカを用いる場合は、超音波分散機等を用いて水に分散させることで用いることができる。
シリカ粒子は特に限定されないが、具体的には、シーホスターKE−P10などのシーホスターシリーズ((株)日本触媒製)、スノーテックス(登録商標)OZL−35などのスノーテックス(登録商標)シリーズ(日産化学工業(株)製)、等が挙げられる。
無機粒子の数平均粒径は、300nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、100nm以下が特に好ましい。
無機粒子の数平均粒径が300nm以下であると、散乱による透過率低下も小さく、充填率を上げられるため、硬度の高いハードコート層が得られる。
一方、無機粒子の数平均粒径は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
無機粒子の数平均粒径が5nm以上であると、ハードコート層の硬度をより向上させることができる。
(紫外線吸収剤)
ハードコート層は紫外線吸収剤を含有してもよい。
有機、無機いずれの紫外線吸収剤も好適に使用できる。
ただし、発電効率の低下を抑制する観点から、1次粒子径が100nm未満である微粒子無機化合物が好ましく、微粒子酸化チタンが特に好ましい。
また、後述する中間層に用いられる紫外線吸収剤を用いてもよい。
(金属錯体)
ハードコート層は、硬化剤として金属錯体を含むことが好ましい。
金属錯体としては、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、チタン、銅、コバルト、亜鉛、ハフニウム及びジルコニウムよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む金属錯体が好ましい。
金属錯体は、金属アルコキシドにキレート化剤を反応させることにより容易に得ることができる。
キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン;アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ−ケト酸エステル;などを用いることができる。
金属錯体としては、アルミニウムキレート錯体が好ましい。
金属錯体の例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート錯体;
エチルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)等のマグネシウムキレート錯体;
ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート)等のジルコニウムキレート錯体;
マンガンアセチルアセトナート等のマンガンキレート錯体;
コバルトアセチルアセトナート等のコバルトキレート錯体;
銅アセチルアセトナート等の銅キレート錯体;
チタンアセチルアセトナート、チタンオキシアセチルアセトナート等のチタンキレート錯体;等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、又はジルコニウムテトラアセチルアセトナートである。保存安定性、入手容易さを考慮すると、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、又はアルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)が特に好ましい。
金属錯体の溶液の市販品としては、アルミキレートA(W)、アルミキレートD、アルミキレートM(川研ファインケミカル(株)製)などが挙げられる。
ハードコート層中における金属錯体の含有量は、シロキサン樹脂の全量に対して5質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%が更に好ましい。
金属錯体を上記下限値以上用いることにより、シラノールの脱水縮合の反応速度を適切な速度とすることができ、厚さの均一性に優れ、アルカリ耐性の高いハードコート層とすることができる。
(その他の成分)
ハードコート層は、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。
例えば、ハードコート層は、界面活性剤を少なくとも1種含有していてもよい。
これにより、ハードコート層の表面の滑り性が向上し、ハードコート層表面の摩擦が軽減される。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤の含有量は、ハードコート層の固形分量に対して、好ましくは0.001質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.01質量%〜5質量%であり、更に好ましくは0.1質量%〜1質量%である。
ハードコート層の厚さは、0.15μm〜3μmが好ましく、0.2μm〜2.5μmがより好ましく、0.3μm〜2μmが更に好ましい。
ハードコート層の厚さが0.15μm以上であると、バリア層へのダメージがより効果的に抑制され、ハードコート層表面の硬度の面でも有利である。
ハードコート層の厚さが3μm以下であると、太陽電池用フロントシートの透明性及び取り扱い性がより向上する。
ハードコート層の厚さは、ハードコート層を、ハードコート層膜面と垂直な方向に平行に切断し、切断面を任意の膜面方向20μmの範囲について走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、その範囲での最小膜厚を計測する。10枚のSEM像から各々の最小膜厚を計測し、得られた10個の計測値(膜厚)を平均することにより求められる。ハードコート層が基材上に形成されている場合、ハードコート層を基材ごと基材の基板面と直交する方向に切断して上記観察を行う。
(ハードコート層の形成)
ハードコート層の形成方法は、特に制限されない。
ここで、ハードコート層がシロキサン樹脂を含む場合の形成方法について説明する。
ハードコート層がシロキサン樹脂を含む場合の形成方法としては、例えば、溶媒及びアルコキシシランの加水分解物を含有するハードコート層形成用塗布液を、樹脂基材又は中間層上に塗布し、乾燥させることにより、アルコキシシランの加水分解縮合物であるシロキサン樹脂を含有するハードコート層を形成する方法が挙げられる。
ハードコート層形成用塗布液における溶媒、並びに、ハードコート層形成用塗布液の塗布方法及び乾燥方法については、上述した中間層形成用塗布液における溶媒、並びに、中間層形成用塗布液の塗布方法及び塗布方法と同様である。
ハードコート層がシロキサン樹脂を含む場合、ハードコート層形成用塗布液の調製方法としては、アルコキシシラン(例えば、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシラン)を加水分解させ、得られたアルコキシシランの加水分解物を含有するハードコート層形成用塗布液を得る方法が好ましい。
アルコキシシランの加水分解物以外の成分(例えば、無機粒子、金属錯体、界面活性剤、シリコーン粒子(例えば信越化学工業(株)製のシリコーンパウダー)等)を含むハードコート層形成用塗布液を調製する場合には、上記の調製方法において、アルコキシシランの加水分解前、アルコキシシランの加水分解中、及びアルコキシシランの加水分解後の少なくとも1つの段階(好ましくはアルコキシシランの加水分解後の段階)で、上記アルコキシシランの加水分解物以外の成分を添加する。
このハードコート層の形成方法の例では、得られたハードコート層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより、アルコキシシランの加水分解縮合物であるシロキサン樹脂(及び、必要に応じその他の成分)を含有するハードコート層を形成する。
ハードコート層形成用塗布液の調製時における、アルコキシシランの使用量(例えば、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシランの総使用量)は、ハードコート層形成用塗布液の固形分量に対し、20質量%〜80質量%が好ましく、20質量%〜70質量%がより好ましく、30質量%〜70質量%が特に好ましい。
ハードコート層形成用塗布液の調製時における、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシランの使用量比(質量比)の好ましい範囲は、上述のシロキサン樹脂(即ち、アルコキシシランの加水分解縮合物)の質量比〔3官能以下/4官能〕の好ましい範囲と同様である。
上述の無機粒子を含有するハードコート層を形成する場合、ハードコート層形成用塗布液における無機粒子の含有量は、ハードコート層形成用塗布液の固形分量に対し、5質量%〜60質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましく、20質量%〜50質量%であることが特に好ましい。
上述の金属錯体を含有するハードコート層を形成する場合、ハードコート層形成用塗布液における金属錯体の含有量は、ハードコート層形成用塗布液におけるアルコキシシランの総量に対し、5質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%が更に好ましい。金属錯体を上記下限値以上用いることにより、シラノールの脱水縮合の反応速度を適切な速度とすることができ、厚さが均一でアルカリ耐性の高いハードコート層を形成することができる。
上述の界面活性剤を含有するハードコート層を形成する場合、ハードコート層形成用塗布液における界面活性剤の含有量は、ハードコート層形成用塗布液の固形分量に対して、好ましくは0.001質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.01質量%〜5質量%であり、更に好ましくは0.1質量%〜1質量%である。
また、ハードコート層が架橋アクリル樹脂を含む場合、その形成方法としては、例えば、溶媒及び2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマー等の重合性化合物、及び、光重合開始剤又は熱重合開始剤を含有するハードコート層形成用塗布液を、樹脂基材又は中間層上に塗布し、乾燥させた後、熱又は紫外線照射により重合反応を起こし、硬化させることにより、架橋アクリル樹脂を含有するハードコート層を形成する方法が挙げられる。なお、重合反応は、紫外線照射を採用することが好ましい。
ここで、ハードコート層形成用塗布液中の重合性化合物に対する重合開始剤の割合は、反応性及び膜硬度の観点で、重合性化合物/重合開始剤がモル比で10/1〜200/1が好ましく、50/1〜100/1がより好ましい。
光重合開始剤としては、αヒドロキシケトン化合物、αアミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物等公知の光重合開始剤を用いることができ、好ましくは、ハードコート層のUV耐性に優れる観点で、αヒドロキシケトン化合物を用いることである。
熱重合開始剤としては、アゾビス系開始剤、過酸化ベンゾイル系開始剤を用いることができる。
ハードコート層形成用塗布液における溶媒、並びに、ハードコート層形成用塗布液の塗布方法及び乾燥方法については、上述した中間層形成用塗布液における溶媒、並びに、中間層形成用塗布液の塗布方法及び塗布方法と同様である。
〔バリア層〕
バリア層は、樹脂基材のウラ面に形成される層であり、太陽電池素子への水(水蒸気)、ガス等の浸入を防止する機能(即ち、バリア性)を有する層である。
バリア層は、上記の機能を有する層であれば特に制限はなく、無機層を含むことが好ましく、隣接する層との密着性、無機層の劣化抑制等の点からは、例えば、無機層と有機層とを含む積層体であることが好ましい。
以下、積層体からなるバリア層について、バリア積層体を称し、説明する。
バリア積層体としては、バリア層が隣接する層又は部材(具体的には、樹脂基材又は太陽電池素子を含む素子構造部)との密着性を高めるため、例えば、無機層を中心として、2つの有機層によって、挟持された積層体であることが好ましい。
なお、バリア層に含まれる無機層と隣接する層又は部材(具体的には、樹脂基材又は太陽電池素子を含む素子構造部)との密着性が得られれば、一方の有機層を省略してもよい。特に、第1有機層が樹脂基材側の層であって、第2有機層が太陽電池素子を含む素子構造部側の層である場合、第2有機層は省略することができる。
(第1有機層及び第2有機層)
第1有機層及び第2有機層は、例えば、モノマー、ダイマー、及びオリゴマー等を重合(架橋、硬化)した有機化合物を含む層であることが好ましい。
樹脂基材側の第1有機層は、樹脂基材の表面に設けられる層であることが好ましい。その場合、第1有機層は、無機層の下地となる層となるため、樹脂基材の表面の凹凸及び表面に付着する異物等を包埋し、無機層を適正に形成しうる層であることが好ましい。
なお、バリア層は、無機層と第1有機層との組み合わせを、複数組有していてもよい。
また、樹脂基材から最も離間する無機層の表面に形成される第2有機層は、無機層を保護するための層である。
無機層と第1有機層との組み合わせを、複数組有する場合には、第2有機層は、主に樹脂基材と最も離間する無機層を保護するための層となる。
このような第2有機層を有することにより、太陽電池素子を含む素子構造部との貼り合わせ前の無機層の損傷を防止して、バリア性の劣化を抑制しうる。
バリア積層体における第1有機層及び第2有機層は、同様の材料を用いた層であることが好ましい。
第1有機層と第2有機層とを特に区別する必要がない場合を除いて、以下の説明は単に有機層として説明する。
有機層は、例えば、重合性有機化合物(例えば、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー、及び、ポリマー等)を含有する有機層形成用組成物を硬化して形成される。
有機層形成用組成物は、重合性有機化合物を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでもよい。
有機層は、強度が優れる層を形成しうる点とガラス転移温度の観点とから、ラジカル重合性化合物及びエーテル基を有するカチオン重合性化合物からなる群より選択される少なくとも1種の重合性有機化合物の重合体を含むことが好ましい。
また、有機層は、有機層の屈折率を低くする観点から、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマー等の重合性有機化合物に由来する繰り返し単位を30モル%以上含む(メタ)アクリル樹脂を含むことが好ましい。
有機層は、屈折率を低くすることにより、透明性が高くなり、光透過性が向上する。
有機層は、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、ダイマー、及びオリゴマー等の重合性有機化合物に由来する繰り返し単位を40モル%以上含む(メタ)アクリル樹脂を含むことが好ましい。
更に、3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、ダイマー、及びオリゴマー等の重合性有機化合物に由来する繰り返し単位を30モル%以上含む(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
また、これらの(メタ)アクリル樹脂は、複数用いてもよい。
有機層形成用組成物は、重合性有機化合物に加え、有機溶剤、界面活性剤、光重合開始剤、及びシランカップリング剤等を含むことが好ましい。
なお、界面活性剤及び光重合開始剤は、環境への配慮の点から、ハロゲン原子を含まないものが好ましい。
第1有機層が複数設けられる場合、すなわち、第1有機層と無機層との組み合わせを複数組有する場合には、それぞれの第1有機層に含まれる有機化合物は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、第1有機層と第2有機層とに含まれる有機化合物についても、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1有機層の厚さには、制限はなく、有機層形成用組成物に含まれる成分及び用いられる樹脂基材等に応じて、適宜、設定できる。
第1有機層の厚さは、例えば、0.5μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。
第1有機層の厚さを0.5μm以上とすることにより、樹脂基材の表面の凹凸及び表面に付着した異物等を包埋して、第1有機層の表面を平坦化できる等の点で好ましい。
第1有機層の厚さを10μm以下とすることにより、第1有機層のクラックを防止できる点、バリア積層体の可撓性を高くできる点、バリア積層体の薄手化及び軽量化を図れる点等で好ましい。
第1有機層が複数設けられる場合、すなわち、無機層と第1有機層との組み合わせを複数組有する場合には、各第1有機層20の厚さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1有機層と第2有機層との厚さについても、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
有機層は、重合性有機化合物等に応じた公知の方法で形成できる。
例えば、第1有機層は、前述の有機層形成用組成物を塗布液として用い、塗布して、有機層形成用組成物を乾燥させる、塗布法で形成できる。
塗布法による第1有機層の形成では、必要に応じて、更に、乾燥した有機層形成用組成物に、紫外線を照射することにより、有機層形成用組成物中の重合性有機化合物を重合(架橋)させてもよい。
また、有機層は、いわゆるロール・トゥ・ロールによって形成してもよい。以下、「ロール・トゥ・ロール」を「RtoR」ともいう。
RtoRとは、長尺なシート状物を巻回してなるロールから、シート状物を送り出し、成膜対象シートを長手方向に搬送しつつ成膜を行い、成膜済のシート状物をロール状に巻回する製造方法である。
有機層を形成するにあたりRtoRを利用することで、高い生産性と生産効率が得られる。
(無機層)
無機層は、無機化合物を含む薄膜であり、主に、水(水蒸気)、ガス等の浸入を防止する機能(即ち、バリア性)を有する。
上述したバリア積層体では、無機層は、第1有機層の表面に設けられる。
樹脂基材の表面には、凹凸及び異物の影のような、無機化合物が着膜し難い領域がある場合があるが、樹脂基材上に第1有機層を介することで、無機層が適正に成膜される。
無機層に含まれる無機化合物としては、バリア性を発現する無機化合物であればよく、公知のバリア層に用いられる無機化合物が、各種、利用可能である。
無機層に含まれる無機化合物として、具体的には、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物;窒化アルミニウムなどの金属窒化物;炭化アルミニウムなどの金属炭化物;酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化窒化炭化ケイ素などのケイ素酸化物;窒化ケイ素、窒化炭化ケイ素などのケイ素窒化物;炭化ケイ素等のケイ素炭化物;これらの水素化物;これら2種以上の混合物;及び、これらの水素含有物等の無機化合物が挙げられる。
また、これらの2種以上の混合物も、利用可能である。
特に、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及びこれらの2種以上の混合物は、透明性が高く、かつ、優れたバリア性を発現できる点で、好適に利用される。中でも、特に、優れたバリア性を発現できる点で、窒化ケイ素は、好適に利用される。
無機層の厚さには、制限はなく、材料に応じて、目的とするバリア性を発現できる厚さを、適宜、設定できる。
無機層の厚さは、具体的には、10nm〜150nmが好ましく、12nm〜100nmがより好ましく、15nm〜75nmが更に好ましい。
無機層の厚さを10nm以上とすることにより、十分なバリア性能を安定して発現する無機層となる点で好ましい。
また、無機層は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れ、ヒビ、及び、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機層の厚さを150nm以下とすることにより、割れが発生することを防止できる。
なお、無機層が複数設けられる場合には、各無機層の厚さは、同じでもあってもよいし、異なっていてもよい。
無機層は、無機化合物に応じた公知の方法で形成できる。
例えば、CCP(Capacitively Coupled Plasma)−CVD(Chemical Vapor Deposition)、ICP(Inductively Coupled Plasm)−CVD等のプラズマCVD;原子層堆積法(ALD(Atomic Layer Deposition))、マグネトロンスパッタリング、反応性スパッタリング等のスパッタリング;真空蒸着などの各種の気相成膜法;等が好適に挙げられる。
なお、無機層も、RtoRで形成するのが好ましい。
(バリア積層体の製造)
以下、バリア積層体の製造方法の一例を説明する。
バリア積層体としては、例えば、樹脂基材上に、上述の形成方法を用い、第1有機層、無機層、及び第2有機層をこの順に形成することで、作製されることが好ましい。
〔下塗り層〕
上述の通り、樹脂基材のオモテ面(中間層又はハードコート層が形成される面)及びウラ面(バリア層が形成される面)の少なくとも一方には、下塗り層が設けられていてもよい。
下塗り層は、バインダーポリマーを含むことが好ましい。
下塗り層に含有され得るバインダーポリマーは、特に限定されない。
下塗り層に含有され得るバインダーポリマーとして、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、シロキサン樹脂などが挙げられる。
下塗り層は、アクリル樹脂を含むことが好ましい。
アクリル樹脂としては、上述した第3層に含有され得るアクリル樹脂と同様のものが挙げられる。
下塗り層に含まれるバインダーポリマー中に占めるアクリル樹脂含有比率が50質量%以上であることがより好ましい。
バインダーポリマーの50質量%以上がアクリル樹脂であると、下塗り層の弾性率を0.7GPa以上に調整しやすく、太陽電池用フロントシートとした場合の凝集破壊耐性がより向上する。
下塗り層は、架橋剤に由来する構造、架橋触媒、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤など含んでいてもよい。
架橋剤に由来する構造及び架橋触媒については、中間層の記載を適宜参照できる。
下塗り層の厚さは、0.01μm以上であることが好ましく、0.03μm以上であることがより好ましく、0.05μm以上であることが更に好ましい。
また、下塗り層の厚さは、1μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.7μm以下であることが更に好ましい。
下塗り層は、基材上に、溶媒及び下塗り層の固形分を含む下塗り層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成できる。
下塗り層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法については、上述した中間層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法と同様である。
また、下塗り層は、上記下塗り層形成用塗布液を用い、インラインコート法により形成されてもよい。
インラインコート法は、製造された基材を巻き取る前の段階で下塗り層形成用塗布液を塗布する方法である点で、製造された基材を巻き取ってから別途塗布を行うオフラインコート法と区別される。
インラインコート法により下塗り層を形成する態様として、第1方向に延伸されたフィルムの一方の面に、下塗り層形成用塗布液を塗布し、下塗り層形成用塗布液が塗布されたフィルムを、フィルム表面に沿って第1方向と直交する第2方向に延伸することにより、下塗り層付き基材を製造する態様が好適である(後述の実施例参照)。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、上述した層以外のその他の層を備えていてもよい。
(太陽電池用フロントシートの製造方法)
本開示に係る太陽電池用フロントシートの好ましい製造方法は、樹脂基材を準備する工程と、バリア層(例えば、バリア積層体)を準備する工程と、樹脂基材のオモテ面に中間層を形成する工程と、中間層の面上にハードコート層を形成する工程と、樹脂基材のウラ面にバリア層を形成する工程と、を有する。
かかる好ましい製造方法によれば、上述した本開示に係る太陽電池用フロントシートを製造し易い。
上記好ましい製造方法において、「準備する」の概念には、予め製造され保管されていた樹脂基材及びバリア層を単に準備すること、及び、樹脂基材及びバリア層を製造することの両方が包含される。
樹脂基材を準備する工程は、樹脂基材を製造する工程であってもよい。
樹脂基材を製造する方法の好ましい態様は上述の通りである。
樹脂基材を製造する工程は、下塗り層を形成するための下塗り層形成用組成物を製造する段階、及び、下塗り層付き基材フィルムを製造する段階を含んでいてもよい。
バリア層を準備する工程は、バリア層を製造する工程であってもよい。
バリア層の好ましい層構成及び製造する方法の好ましい態様は上述の通りである。
中間層を形成する工程は、中間層形成用塗布液を準備する工程を含んでいてもよい。中間層形成用塗布液を準備する工程は、中間層形成用塗布液を調製する工程であってもよい。
中間層形成用塗布液を調製する方法の好ましい態様は上述の通りである。
また、中間層形成用塗布液を塗布し、乾燥させて中間層を形成する工程の好ましい態様も上述の通りである。
ハードコート層を形成する工程は、ハードコート層形成用塗布液を準備する工程を含んでいてもよい。ハードコート層形成用塗布液を準備する工程は、ハードコート層形成用塗布液を調製する工程であってもよい。
ハードコート層形成用塗布液を調製する方法の好ましい態様は上述の通りである。
また、ハードコート層形成用塗布液を塗布し、乾燥させてハードコート層を形成する工程の好ましい態様も上述の通りである。
(太陽電池モジュール)
本開示に係る太陽電池モジュール(例えば、上述の太陽電池モジュール100)は、太陽電池素子(例えば、上述の太陽電池素子32)及び太陽電池素子を封止する封止材(例えば、上述の封止材34)を含む素子構造部(例えば、上述の素子構造部36)と、素子構造部に対して太陽光(例えば、上述の太陽光60)が入射される側に配置された、上述の本開示に係る太陽電池用フロントシート(例えば、上述の太陽電池用フロントシート20)と、を備える。
また、素子構造部36に対して太陽光が入射される側とは反対側に配置された太陽電池用バックシート(例えば、上述の太陽電池用バックシート40)を備えていてもよい。
本開示に係る太陽電池モジュールの一例(太陽電池モジュール100)については、既に、図1を参照して説明した通りである。
太陽電池用バックシートについては、例えば、特開2012−195583号公報、特開2015−186861号公報、特開2015−185687号公報、特開2015−146360号公報などの公知文献を適宜参照できる。
太陽電池モジュールの各部材については、例えば、「太陽光発電システム構成材料」(杉本栄一監修、(株)工業調査会、2008年発行)も参照できる。
太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどを含むシリコン太陽電池素子;銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などの化合物半導体を含む化合物半導体太陽電池素子;など、各種公知の太陽電池素子を適用することができる。
これらの中でも、本開示では、発電効率に優れる観点で、銅−インジウム−ガリウム−セレンを含む化合物半導体太陽電池素子を用いることが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
<太陽電池用フロントシートの作製>
本実施例では、ハードコート層/中間層/樹脂基材(基材フィルム)/下塗り層/バリア層で表される積層構造を有する太陽電池用フロントシートを作製した。
〔下塗り層付き基材フィルムの作製〕
以下のようにして、基材フィルムのウラ面に下塗り層が設けられた構造の下塗り層付き基材フィルムを作製した。
−ポリエチレンテレフタレートの合成−
高純度テレフタル酸(三井化学(株)製)100kgとエチレングリコール((株)日本触媒製)45kgのスラリーとを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×10Paに保持されたエステル化反応槽に、4時間かけて順次供給し、供給終了後も更に1時間かけてエステル化反応を行った。その後、得られたエステル化反応生成物123kgを重縮合反応槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された重縮合反応槽に、エチレングリコールを、得られるポリマーに対して0.3質量%添加した。5分間撹拌した後、酢酸コバルト及び酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対してそれぞれ30ppm、15ppmとなるように加えた。更に5分間撹拌した後、チタンアルコキシド化合物の2質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。その5分後、ジエチルホスホノ酢酸エチルの10質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。その後、低重合体を30rpmで撹拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の撹拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし、常圧に戻し、重縮合反応を停止した。そして、上述の重縮合反応により得られたポリマーを冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリマーのペレット(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。
なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
ここで、チタンアルコキシド化合物には、特開2005−340616号公報の段落〔0083〕の実施例1で合成しているチタンアルコキシド化合物(Ti含有量=4.44質量%)を用いた。
−固相重合−
上記で得られたペレットを、40Paに保たれた真空容器中、220℃の温度で30時間保持して、固相重合を行った。
固相重合の際の昇温速度は80℃/時間とした。
−ポリエチレンテレフタレートフィルムの作製−
以上のように固相重合を経た後のペレットを、280℃で溶融して金属ドラムの上にキャストし、厚さ約3mmの未延伸のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを作製した。
その後、未延伸のPETフィルムを、90℃で縦方向(MD:搬送方向、Machine Direction)に3.4倍に延伸した。次いで、MDに延伸された1軸延伸PETフィルムの一方の面に、下記組成の下塗り層形成用塗布液を塗布量が5.1mL/mとなるように、MD延伸後、横方向(TD:Transverse Direction)延伸前にインラインコート法にて塗布を行った。
下塗り層形成用塗布液が塗布されたPETフィルムをTD延伸し、厚さが0.1μm、弾性率が1.5GPaの下塗り層を形成した。なお、TD延伸は、温度105℃、延伸倍率4.5倍の条件で行った。
下塗り層が形成されたPETフィルムに対し、膜面190℃で15秒間の熱固定処理を行い、次いで、190℃で、MD緩和率5%、TD緩和率11%にて、MD方向及びTD方向に熱緩和処理を行うことにより、下塗り層付きの厚さ100μmの2軸延伸PETフィルム(下塗り層付き基材フィルム)を得た。
得られた下塗り層付き基材フィルムは、幅200mm、長さ2000mの長尺なシート状物であり、これを長尺なシート状物を巻回してなるロールを作製した。
なお、得られた下塗り層付き基材フィルムは、表1及び表2中では、固相重合PET(1)と表記する。
−下塗り層形塗布液の組成−
・アクリル樹脂水分散液 … 21.9部
〔AS−563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分:28質量%のスチレン骨格を有するラテックス〕
・オキサゾリン系架橋剤の水希釈液 … 4.9部
〔エポクロス(登録商標)WS−700、(株)日本触媒製、固形分:25質量%〕
・フッ素系界面活性剤の水希釈液 … 0.1部
〔ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6−ノナフルオロ)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカル(株)製、固形分:2質量%〕
・蒸留水 … 合計で100部となる残量
〔中間層の形成〕
次に、下塗り層付き基材フィルムのオモテ面(即ち、下塗り層の面上に)に、下記組成の中間層形成用塗布液を、固形分の塗布量が7.0g/mとなるよう塗布し、170℃で2分間乾燥させることにより、厚さ7.0μmの中間層を形成した。
−中間層形成用塗布液−
・シロキサン含有アクリル樹脂の水分散液 … 固形分として40部
〔セラネート(登録商標)WSA1070、DIC(株)製、固形分:38質量%〕・オキサゾリン系架橋剤の水希釈液 … 固形分として30部
〔エポクロス(登録商標)WS−700、(株)日本触媒製、固形分25質量%〕
・紫外線吸収剤 … 固形分として30部
〔Tinuvin(登録商標)479−DW、BASF社製〕
・フッ素系界面活性剤の水希釈液 … 1.1部
〔ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6−ノナフルオロ)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカル(株)製、固形分:2質量%〕
・水 … 合計で100部となる残量
Tinuvin(登録商標)479−DWの固形分である、トリアジン化合物とアクリル樹脂との複合粒子において、トリアジン化合物の含有量は、複合粒子全質量に対し、50質量%である。
Tinuvin(登録商標)479−DWの固形分である、トリアジン化合物とアクリル樹脂との複合粒子のメジアン径(D50)は、150nm未満である。
〔ハードコート層Aの形成〕
次に、上記中間層上に、下記ハードコート層形成用塗布液Aを塗布し、170℃にて2分間乾燥させることにより、厚さ1.0μmのハードコート層Aを形成した。
詳細には、上記乾燥により、アルコキシシラン(KBE−403及びKBE−04)の加水分解物を縮合させ、上記アルコキシシランの加水分解縮合物であるシロキサン樹脂を含有するハードコート層Aを形成した。
−ハードコート層形成用塗布液Aの組成−
・3官能アルコキシシラン … 8.5部
〔KBE−403(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製)〕
・4官能アルコキシシラン … 2.6部
〔KBE−04(テトラエトキシシラン)、信越化学工業(株)製)〕
・酢酸水溶液〔(株)ダイセル製、工業用酢酸〕 … 0.2部
・金属錯体溶液 … 2.5部
〔アルミキレートD、川研ファインケミカル製、76質量%イソプロピルアルコール(IPA)溶液〕
・無機粒子の水分散液 … 24.5部
〔スノーテックス(登録商標)OZL−35、平均粒子径400nm、日産化学工業(株)製、固形分35.5質量%〕
・界面活性剤の水希釈液 … 3.3部
〔ラピゾール(登録商標)A−90、日油(株)製、固形分1質量%、アニオン系界面活性剤〕
・界面活性剤の水希釈液 … 2.3部
〔ナロアクティー(登録商標)CL−95、三洋化成工業(株)製、固形分1質量%、ノニオン系界面活性剤〕
・水 … 合計で100部となる残量
なお、式S1により表される構成単位中のSi原子モル量は、式S2により表される構成単位中のSi原子のモル量に対し、2.4倍であった。
ハードコート層形成用塗布液の調製は、詳細には、以下の手順で行った。
酢酸水溶液にKBE−403を添加して十分に加水分解した後、KBE−04を添加して十分に加水分解させ、これらのアルコキシシラン(KBE−403及びKBE−04)の加水分解物を含む混合液を得た。次いで、この混合液に、アルミキレートD、スノーテックス(登録商標)OZL−35、界面活性剤(ラピゾール(登録商標)A−90)、界面活性剤(ナロアクティー(登録商標)CL−95)、及び水を添加することにより、ハードコート層形成用塗布液Aを得た。
〔バリア層の形成〕
下塗り層付き基材フィルムのウラ面(即ち、中間層及びハードコート層が形成された面とは反対の面)に、下記組成の第1有機層形成用塗布液を、固形分の塗布量が2.0g/mとなるよう塗布し、80℃で2分間乾燥させた後、紫外線照射することで、厚さ2.0μmの第1有機層を形成した。
以下に示す、有機化合物、界面活性剤、及び光重合開始剤を有機溶剤に投入、混合して、第1有機層形成用塗布液を調製した。
有機化合物にはトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、ダイセル・オルニクス社製)を用いた。全固形分に対する有機化合物の含有量は97質量%とした。
有機溶剤には、メチルエチルケトン(MEK)を用いた。
界面活性剤は、ケイ素系の界面活性剤(BYK378、ビックケミージャパン社製)を用いた。ケイ素系の界面活性剤の添加量は、全固形分に対して1質量%とした。
光重合開始剤には、Irg184(BASF社製)を用いた。光重合開始剤の添加量は、全固形分に対して1質量%とした。
なお、上記界面活性剤及び光重合開始剤は、ハロゲン原子を含有しない化合物である。 また、第1有機層形成用塗布液の固形分濃度は、15質量%とした。
次いで、第1有機層が形成された基材フィルムを、無機成膜装置に装填して、第1有機層表面に、CCP−CVDによって、膜厚50nmの窒化ケイ素膜を形成した。
成膜ガスは、シランガス(SiH)、アンモニアガス(NH)、窒素ガス(N)、及び水素ガス(H)を用いた。
供給量は、シランガスが100sccm、アンモニアガスが200sccm、窒素ガスが500sccm、水素ガスが500sccmとした。
また、成膜圧力は50Paとした。
シャワー成膜電極には、高周波電源から、周波数13.5MHzで3000Wのプラズマ励起電力を供給した。
更に、ドラムはステンレス製とし、バイアス電源(図示省略)から、500Wのバイアス電力を供給した。
また、成膜中は、ドラムの温度を−20℃に調整した。
次いで、形成された窒化ケイ素膜表面に、下記組成の第2有機層形成用塗布液を、固形分の塗布量が3.0g/mとなるよう塗布し、80℃で2分間乾燥させた後、紫外線照射することで、厚さ3.0μmの第2有機層を形成した。
以下に示す、有機化合物、界面活性剤、及び光重合開始剤を有機溶剤に投入、混合して、第2有機層形成用塗布液を調製した。
有機化合物にはトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、ダイセル・オルニクス社製)を用いた。全固形分に対する有機化合物の含有量は97質量%とした。
有機溶剤には、メチルエチルケトン(MEK)を用いた。
界面活性剤は、ケイ素系の界面活性剤(BYK378、ビックケミージャパン社製)を用いた。ケイ素系の界面活性剤の添加量は、全固形分に対して1質量%とした。
光重合開始剤には、Irg184(BASF社製)を用いた。光重合開始剤の添加量は、全固形分に対して1質量%とした。
なお、上記界面活性剤及び光重合開始剤は、ハロゲン原子を含有しない化合物である。 また、第2有機層形成用塗布液の固形分濃度は、15質量%とした。
以上の工程により、フロントシート1を得た。
得られたフロントシート1について、水蒸気透過率[g/(m・day)]を、カルシウム腐食法(特開2005−283561号公報に記載される方法)によって、測定した。
その結果、フロントシート1の水蒸気透過率が、5×10−5[g/(m・day)]であることを確認した。
また、フロントシート1について、JIS A 5759−2008に準拠して可視光透過率(550nm)を測定した。測定は、紫外可視近赤外分光機(日本分光(株)製、V−670、積分球ユニットISN−723使用)を用いて行った。
その結果、フロントシート1の光の透過率は91%であった。
更に、ハードコート層の鉛筆硬度について、前述の方法にて測定したところ、2Hであった。
加えて、ハードコート層の表面における凸部の最大高さは、前述の方法にて測定したところ、0.6μmであった。
〔太陽電池素子の作製〕
以下のようにして、銅−インジウム−ガリウム−セレン膜(以下、CIGS膜という)からなる化合物半導体太陽電池素子を作製した。
基板に、厚さ25μmのポリイミド基板(宇部興産製ユーピレックス(登録商標)−S)を用いた。
CIGS膜の成膜にRtoR成膜装置を用いるため、ポリイミド基板には、RtoR成膜装置の成膜可能な長さを有する長尺のものを用いた。
次に、ロールツーロール成膜装置を用いて、ポリイミド基板の表面に裏面電極として、スパッタ法により、総厚が600nmのMo膜(裏面電極)を形成した。Mo膜は、第1電極層、第2電極層、及び第3電極層の3層構造とし、第1電極層:0.2Pa、第2電極層:3Pa、第3電極層:3Paの成膜圧力にて形成した。
なお、第1電極層と第3電極層には、スパッタリングターゲットとして、モリブデンターゲットを用いた。
第2電極層には、スパッタリングターゲットとして、ナトリウムを含有するモリブデンターゲットを用いた。
なお、スパッタリングターゲットのナトリウム含有量は、Mo膜からなる裏面電極全体の平均ナトリウム濃度が1.7at%となるように、予め実験を行い決定した。
次に、ロールツーロール成膜装置を用いた3段階法により、膜厚が1.8μmのCIGS膜を成膜した。
CIGS膜の成膜については、まず、RtoR成膜装置の巻出し部から送り出された、上述のMo膜からなる裏面電極が形成されたポリイミド基板に対し、1段階目にて、基板温度を350℃に加熱した状態でIn,Ga,Seを蒸着して、(In,Ga)Se膜を形成した。その後、2段階目にて基板温度を550℃に加熱した状態でCu,Seを蒸着した。
ここで、Cu:(In+Ga):Se=1:1:2に達した時点で、カルコパイライト構造のCu(In,Ga)Se結晶が形成される。更に、Cu,Se蒸着を続けることで、最表面にCuSe層が生成され、Cu過剰組成となる。
3段階目にて基板温度を550℃に加熱した状態で、制御されたIn,Ga,Seを蒸着することで、Cu過剰組成からわずかにCu不足組成のCIGS膜を成膜することができた。
続いて、CIGS膜上にバッファ層として、厚さ50nmのCdS層を、CBD法により形成した。
そして、バッファ層形成後、スパッタリング法により、バッファ層(CdS層)上に窓層として、厚さ10nmのZnO層を形成し、連続して窓層(ZnO層)上に透明電極として、厚さ300nmのZnO:Al膜を連続製膜した。
次に、透明電極の表面に、スパッタ法にて、アルミニウムからなる上部電極を形成してCIGS膜(化合物半導体太陽電池素子)を作製した。
〔太陽電池モジュールの作製〕
図1に示す構成の太陽電池モジュールを作製した。
CIGS膜32の封止材34及び接着層50として、熱可塑性オレフィン系重合体樹脂封止材Z68(DNP社製)を用いた。
また、バックシート40には、反りを抑制するため、エム・エー・パッケージ社製のバックシート(PVF(ポリフッ化ビニル)/Al(アルミニウム)/PVF(ポリフッ化ビニル))、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)層、0.5mm厚のユーピロンNF−2000NSの3層構造のシートを用いた。
また、中間接着層52としては、横浜ゴム社製のホットメルトブチルゴム(M−155)のシート材を用い、中心に開口部を形成し、中間接着層の幅は5mmとし、中間接着層の外周と太陽電池モジュール周縁部との距離を10mmとした。
バックシート40上に接着層50を形成し、接着層50上に、100mm×1000mmに切断したCIGS膜32を載せ、CIGS膜32の周辺に封止材34を、また、CIGS膜の外周に、開口部を有する中間接着層52を配置した。更に、その上に、200mm×1000mmに切断したフロントシート1を載せた。
その後、これらの層が積層して配置した状態で、昇降手段、緩衝板、及び加熱手段を有する真空ラミネーターを用いて、140℃の温度で、真空、プレス、及び保持のトータル20分のラミネート条件で、ラミネートを行い、太陽電池モジュール1を作製した。
(実施例2)
実施例1におけるハードコート層Aの形成を、下記のハードコート層Bの形成に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、フロントシート2を作製した。
その後、フロントシート2を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール2を作製した。
〔ハードコート層Bの形成〕
下記組成のハードコート層形成用塗布液Bを、固形分の塗布量が5.0g/mとなるよう塗布し、80℃で2分間乾燥させた後、紫外線照射することで、厚さ5.0μmのハードコート層Bを形成した。
−ハードコート層形成用塗布液Bの調整−
以下に示す、有機化合物、界面活性剤、及び光重合開始剤を有機溶剤に投入、混合して、ハードコート層形成用塗布液Bを調製した。
有機化合物にはジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA、ダイセル・オルニクス社製)を用いた。全固形分に対する有機化合物の含有量は97質量%とした。
有機溶剤には、メチルエチルケトン(MEK)を用いた。
界面活性剤は、ケイ素系の界面活性剤(BYK378、ビックケミージャパン社製)を用いた。ケイ素系の界面活性剤の添加量は、全固形分に対して1質量%とした。
光重合開始剤には、Irg184(BASF社製)を用いた。光重合開始剤の添加量は、全固形分に対して1質量%とした。
なお、上記界面活性剤及び光重合開始剤は、ハロゲン原子を含有しない化合物である。 また、ハードコート層形成用塗布液Bの固形分濃度は、15質量%とした。
(実施例3)
実施例1において、中間層を設けず、且つ、ハードコート層Aの形成を、下記のハードコート層Cの形成に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、フロントシート3を作製した。
その後、フロントシート3を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール3を作製した。
〔ハードコート層Cの形成〕
次に、上記中間層上に、下記ハードコート層形成用塗布液Cを塗布し、170℃にて2分間乾燥させることにより、厚さ1μmのハードコート層Cを形成した。
詳細には、上記乾燥により、アルコキシシラン(KBE−403及びKBE−04)の加水分解物を縮合させ、上記アルコキシシランの加水分解縮合物であるシロキサン樹脂を含有するハードコート層Cを形成した。
−ハードコート層形成用塗布液Cの組成−
・3官能アルコキシシラン … 8.5部
〔KBE−403(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製)〕
・4官能アルコキシシラン … 2.6部
〔KBE−04(テトラエトキシシラン)、信越化学工業(株)製)〕
・酢酸水溶液〔(株)ダイセル製、工業用酢酸〕 … 0.2部
・金属錯体溶液 … 2.5部
〔アルミキレートD、川研ファインケミカル製、76質量%イソプロピルアルコール(IPA)溶液〕
・無機粒子の水分散液 … 24.5部
〔スノーテックス(登録商標)OZL−35、平均粒子径400nm、日産化学工業(株)製、固形分35.5質量%〕
・界面活性剤の水希釈液 … 3.3部
〔ラピゾール(登録商標)A−90、日油(株)製、固形分1質量%、アニオン系界面活性剤〕
・界面活性剤の水希釈液 … 2.3部
〔ナロアクティー(登録商標)CL−95、三洋化成工業(株)製、固形分1質量%、ノニオン系界面活性剤〕
・紫外線吸収剤 … 6.0部
〔Tinuvin(登録商標)479−DW、BASF社製〕
・水 … 合計で100部となる残量
なお、式S1により表される構成単位中のSi原子モル量は、式S2により表される構成単位中のSi原子のモル量に対し、2.4倍であった。
ハードコート層形成用塗布液の調製は、詳細には、以下の手順で行った。
酢酸水溶液にKBE−403を添加して十分に加水分解した後、KBE−04を添加して十分に加水分解させ、これらのアルコキシシラン(KBE−403及びKBE−04)の加水分解物を含む混合液を得た。次いで、この混合液に、アルミキレートD、スノーテックス(登録商標)OZL−35、界面活性剤(ラピゾール(登録商標)A−90)、界面活性剤(ナロアクティー(登録商標)CL−95)、紫外線吸収剤(Tinuvin(登録商標)479−DW)、及び水を添加することにより、ハードコート層形成用塗布液Cを得た。
(実施例4)
実施例1における樹脂基材(基材フィルム)を、アクリル樹脂フィルムであるアクリプレンHBS010P(厚さ125μm、三菱ケミカル社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、フロントシート4を作製した。
その後、フロントシート4を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール4を作製した。
(実施例5)
実施例1における樹脂基材(基材フィルム)を、アクリル樹脂フィルムであるアクリプレンHBS010P(厚さ125μm、三菱ケミカル社製)に変更し、且つ、中間層形成用塗布液から紫外線吸収剤を除いた外は、実施例1と同様にして、フロントシート5を作製した。
その後、フロントシート5を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール5を作製した。
(実施例6)
実施例1における樹脂基材(基材フィルム)を、ポリカーボネートフィルムであるカーボグラスC110C(100μm、旭硝子社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、フロントシート6を作製した。
その後、フロントシート6を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール6を作製した。
(実施例7)
実施例1におけるポリエチレンテレフタレートの合成において、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間を1時間としてPETフィルム(下塗り層付き基材フィルム)を作製した以外は、実施例1と同様にして、フロントシート7を作製した。
なお、実施例7で得られた下塗り層付き基材フィルムは、表1中では、固相重合PET(2)と表記する。
その後、フロントシート7を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール7を作製した。
(実施例8)
実施例1におけるポリエチレンテレフタレートの合成において、固層重合の際の昇温速度は200℃/hとし、ΔIV(固有粘度)/時間は0.020に調整した以外は、PETフィルム(下塗り層付き基材フィルム)を作製した以外は、実施例1と同様にして、フロントシート8を作製した。
なお、実施例8で得られた下塗り層付き基材フィルムは、表1中では、固相重合PET(3)と表記する。
その後、フロントシート8を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール8を作製した。
(実施例9〜12)
実施例1において形成されるハードコート層Aの厚さを下記表1に示す厚さにそれぞれ変えた以外は、実施例1と同様にして、フロントシート9〜12を作製した。
その後、フロントシート9〜12を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール9〜12を作製した。
(実施例13)
実施例1におけるハードコート層形成液A中に含まれるスノーテックス(登録商標)OZL−35の量を14.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして、フロントシート13を作製した。
その後、フロントシート13を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール13を作製した。
(実施例14)
実施例1におけるハードコート層形成液A中に含まれるスノーテックス(登録商標)OZL−35の量を18.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして、フロントシート14を作製した。
その後、フロントシート14を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール14を作製した。
(実施例15)
実施例1において、ハードコート層Aの形成を、以下のハードコート層Dの形成に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、フロントシート15を作製した。
その後、フロントシート15を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール15を作製した。
−ハードコート層Dの形成−
上記中間層上に、RFスパッタ法により酸化ケイ素膜からなるハードコート層Dを形成した。
スパッタガスとしてはArガスとOガスを用いた。基板温度を室温にて、Arガスの流量を30sccm、Oガスの流量を4.0sccm、ArガスとOガス導入時の圧力を0.16Paとし、成膜を行った。
ハードコート層Dの平均膜厚は100nmであった。
(実施例16〜20)
実施例1におけるポリエチレンテレフタレートフィルムの作製において、下記表2に記載の厚さの下塗り層付きの2軸延伸PETフィルムを作製した以外は、実施例1と同様にして、フロントシート16〜20を作製した。
その後、フロントシート16〜20を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール16〜20を作製した。
(実施例21)
実施例1におけるバリア層の形成において、窒化ケイ素膜の代わりに厚さ20nmの酸化ケイ素膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、フロントシート21を作製した。
その後、フロントシート21を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール21を作製した。
(比較例1)
ポリマー1と化合物4との重量比が60:40のところを75:25に変更し、ポリマー1の代わりに、ポリイソブチレン(Opanol B80、BASF社製)2部とポリイソブチレン(Opanol B50、BASF社製)1部との混合物を用いた以外は、国際公開2007/087281号の実施例4と同様にして、樹脂溶液(感圧接着剤)を作製した。
UVポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「XST−6578」、DuPont Teijin Films(Hopewell,VA))の一方の面に、実施例1と同様にして、バリア層(第1有機層/窒化ケイ素膜/第2有機層)を積層した。
なお、上記UVポリエチレンテレフタレートフィルムは、表2中「UV吸収入りPET」と表記する。
エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)フィルムとして、fluon(登録商標)ETFE(0.13mmインチ厚/旭硝子社製)を用意した。
なお、上記エチレン−テトラフルオロエチレンフィルムは、表2中「ETFE層」と表記する。
51μm厚の上記樹脂溶液層(即ち、感圧接着剤層)を用いて、UVポリエチレンテレフタレートフィルムを、1.3cm×10cm×0.13mmのエチレン−テトラフルオロエチレンフィルムに手で積層した。
具体的には、UVポリエチレンテレフタレートフィルムをテーブル上でバリア層が被覆した面を上に向けて置き、ここに、感圧接着剤層の片側からの一方のライナーを取り外し、新しく露出させた感圧接着剤層をバリア層に接触させながら、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に配置した。
次いで、感圧接着剤層に残存する他方のライナーを剥ぎとり、感圧接着剤層上に、0.13mm厚のエチレン−テトラフルオロエチレンフィルム(即ち、ETFE層)を配置した。
そして、ゴムのハンドローラーを得られた積層体上で前後に転がして、積層体の接着を促進した。
以上のようにしてフロントシートC1を得た。
フロントシートC1を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールC1を作製した。
(比較例2)
特開2010−234600号公報の実施例6と同様にして保護シートを作製し、この保護シートをフロントシートC2とした。
フロントシートC2を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールC2を作製した。
(比較例3)
実施例1において、下塗り層付き基材フィルムのオモテ面に中間層及びハードコート層の形成を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、フロントシートC3を得た。
フロントシートC3を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールC3を作製した。
(比較例4)
実施例1において、中間層の面上にハードコート層の形成を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、フロントシートC4を得た。
フロントシートC4を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールC4を作製した。
(比較例5)
実施例1において、下塗り層付き基材フィルムのウラ面にバリア層を形成せず、下塗り層付き基材フィルムのオモテ面に中間層の代わりにバリア層の形成を行い、形成されたバリア層の面上にハードコート層の形成を行った以外は、実施例1と同様にして、フロントシートC5を得た。
フロントシートC5を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールC5を作製した。
(比較例6)
特開2010−234600号公報の実施例6において、フッ素樹脂コーティング剤から酸化チタンを除いた以外は同様にして保護シートを作製し、この保護シートをフロントシートC6とした。
フロントシートC6を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールC6を作製した。
(比較例7〜8)
実施例1におけるポリエチレンテレフタレートフィルムの作製において、下記表2に記載の厚さの下塗り層付きの2軸延伸PETフィルムを作製した以外は、実施例1と同様にして、フロントシートC7、C8を作製した。
その後、フロントシートC7、C8を用いた以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールC7、C8を作製した。
<評価>
上記で得られた太陽電池モジュールについて、以下の評価を行った。
結果を表1及び表2に示す。
[初期発電効率〕
ソーラーシュミレーターでAM1.5、即ち100mW/cmの光を照射して、I−V測定を行い、変換効率を算出した。
算出された発電効率を、発電効率の「初期値」とした。
G1:変換効率が、12%以上のもの
G2:変換効率が、10%以上12%未満のもの
G3:変換効率が、10%未満のもの
〔太陽電池用フロントシートの耐久性〕
−湿熱耐性−
各例の太陽電池モジュールについて、モジュールに電圧(600V)を印加した状態で、ダンプヒートテスト(温度85℃、湿度85%RHの環境に2000時間放置)後の変換効率を測定した。
表中では、「耐湿熱」と表記する。
−評価基準−
G1:変換効率が初期値の90%以上を保持したもの
G2:変換効率が初期値の80%以上90%未満であったもの
G3:変換効率が初期値の60%以上80%未満であったもの
−紫外線耐性―
各例の太陽電池モジュールについて、25℃において、波長300nm〜400nmの強度が90mW/cmのメタルハライドランプを1000時間照射した後の変換効率を測定した。
表中では、「耐UV」と表記する。
−評価基準−
G1:変換効率が初期値の90%以上を保持したもの
G2:変換効率が初期値の80%以上90%未満であったもの
G3:変換効率が初期値の80%未満であったもの
−砂塵耐性−
各例の太陽電池モジュールについて、25℃において、平均粒子径150μmのフラクタルサンド(砂)を分速25m/s、5g/m、30時間吹き付けた後の変換効率を測定した。
表中では、「耐砂塵」と表記する。
−評価基準−
G1:変換効率が初期値の98%以上を保持したもの
G2:変換効率が初期値の95%以上98%未満であったもの
G3:変換効率が初期値の95%未満であったもの
上記表1及び表2に示すように、実施例1〜21は、いずれも、湿熱耐性、紫外線耐性、及び砂塵耐性の全てで良好な結果が得られた。
特に、実施例1〜21は、2000時間にも及ぶダンプヒートテストにおいても、変換効率の低下が見られ難く、発電効率が経時により低下することが抑制されていることが分かる。
一方、比較例1は、ダンプヒートテスト後、変換効率が劣化し、良好な結果が得られなかった。また、比較例1は、感圧接着剤層とバリアフィルムの間で剥離が生じていた。周縁からの水分拡散が大きくなり、バリアフィルムの劣化が大きいと推測される。
なお、比較例2は、可視光透過性が低いシートであったため、太陽電池モジュールとしての変換効率が得られていない。
以上の結果より、本実施例の効果は明らかである。
10 樹脂基材(基材フィルム)
11 中間層
12 ハードコート層
13 バリア層
20 太陽電池用フロントシート
32 太陽電池素子
34 封止材
36 素子構造部
40 太陽電池用バックシート
50 接着層
52 中間接着層
60 太陽光
100 太陽電池モジュール

Claims (12)

  1. バリア層、厚さ60μm〜380μmの樹脂基材、及び鉛筆硬度がHB以上であるハードコート層をこの順に積層してなり、ハードコート層側からの光の透過率が85%以上であって、太陽電池素子の太陽光が入射する面側にバリア層側が配置される、太陽電池用フロントシート。
  2. ハードコート層が、シロキサン樹脂及び架橋アクリル樹脂からなる群より選択される1種を含む、請求項1に記載の太陽電池用フロントシート。
  3. ハードコート層側の最表面の凸部の最大高さが0.3μm以上ある、請求項1又は請求項2に記載の太陽電池用フロントシート。
  4. 樹脂基材が、環状3量体オリゴマーの含有量が1.0質量%以下のポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
  5. ポリエチレンテレフタレートフィルムにおける末端カルボン酸量が20eq/ton以下である、請求項4に記載の太陽電池用フロントシート。
  6. 樹脂基材が、アクリル樹脂フィルムである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
  7. 樹脂基材の厚さが100μm〜350μmである、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
  8. バリア層が、窒化ケイ素を含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
  9. ハードコート層が、紫外線吸収剤を含有する、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
  10. ハードコート層と樹脂基材との間に、少なくとも1層の中間層を有する、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
  11. 中間層が紫外線吸収剤を含有する、請求項10に記載の太陽電池用フロントシート。
  12. 太陽電池素子及び太陽電池素子を封止する封止材を含む素子構造部と、
    バリア層、厚さ60μm〜380μmの樹脂基材、及び鉛筆硬度がHB以上であるハードコート層をこの順に積層してなり、ハードコート層側からの光の透過率が85%以上である太陽電池用フロントシートと、
    を含み、素子構造部の太陽光が入射する面側に、太陽電池用フロントシートのバリア層側を配置して積層してなる、太陽電池モジュール。
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