JP2013016626A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性、防湿性に優れ、長期の屋外使用で気泡の発生、接着性の低下による剥れや滑落等の不具合がなく、出力特性の低下が起こりにくく、さらに、軽量で割れにくい、形状自由度に優れる樹脂製太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】少なくとも、受光面側被覆材と、太陽電池素子と、裏面被覆材と、前記受光面側被覆材と前記裏面被覆材との間に前記太陽電池素子を埋設するための充填材と、からなる太陽電池モジュールにおいて、前記受光面側被覆材が透明樹脂からなり、前記受光面側被覆材の少なくとも片面に水蒸気バリア性を有する層が形成されてなる、太陽電池モジュール。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関するものである。
地球温暖化等の環境問題やエネルギー問題を解決するべく、近年特にエネルギー源として注目されているのが太陽エネルギーである。環境問題に対する意識の高まりは世界的に広がりを見せており、中でも、CO排出に伴う地球の温暖化現象に対する危惧感は深刻で、クリーンなエネルギーヘの希求はますます強まってきている。太陽電池は現在のところ、その安全性と扱いやすさから、クリーンなエネルギー源として期待されている。
現在、種々の形態からなる太陽電池モジュールが開発、提案されている。代表的なものとしては、以下に示すものが挙げられる。
(1)結晶シリコン太陽電池
(2)多結晶シリコン太陽電池
(3)アモルファスシリコン太陽電池
(4)銅インジウムセレナイド太陽電池
(5)化合物半導体太陽電池
(6)有機薄膜太陽電池
従来の太陽電池モジュールは、表面被覆材であるガラス板と防湿性のある裏面被覆材の間に、太陽電池素子が、EVA(エチレンビニルアセテート)等の透光性且つ絶縁性を有する樹脂(充填材)で封止された構造になっており、一般に、表面ガラス、EVA、太陽電池素子、EVA、防湿性のある裏面部材の順に積層し、真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を利用して積層され、サイド面を防湿性ブチルゴム等で封止して製造される。
太陽電池モジュール用表面被覆材には、太陽電池が太陽光を吸収して発電することから長期間に渡って太陽光透過性に富み(耐候性)、防湿性に優れ、自身の静的強度、衝撃強度、剛性に優れ、使用温度範囲における高湿度下でも表面被覆材と充填材との接着はがれがないことが必要とされている。
上述した特性を満たす太陽電池モジュール用表面被覆材として、現在、最も一般的に使用されているガラス板は、長期間の太陽光透過性、剛性、防湿性、充填材との接着性等各種諸特性に優れているが、軽量性、耐衝撃性、形状自由度に劣るという課題があった。実際に、ガラス板に用いたモジュールは、質量が重くなり、太陽電池モジュールを支える架台なども頑強なものとする必要があるためコストがかかっていた。特に、近年では自動車に太陽電池を搭載することもあり、重量のために燃費や走行安定性の低下が問題視されている。また、ガラスは割れ易く、飛散して怪我をする等の危険性がある。施工のときにも注意が必要であり、施工後も何らかの衝撃が加わった際に、割れて太陽電池の機能を果たさなくなる恐れがあった。
一方、被覆材に透明樹脂材料を用いた場合、ガラスに比べて軽量かつ割れにくいが、紫外線で劣化しやすい。また、化学的安定性、防湿性も低く、充填材との接着性の低下や気泡の発生、更には充填材層に水がたまり太陽電池素子の腐食等による出力低下を引き起こし、充填材層にヘイズが発生する等の問題があり、改良が強く望まれている。
特に、被覆材が樹脂材料の場合、使用環境や、使用する充填材の種類によっては被覆材の劣化を引き起こし、接着性の低下や気泡の原因になる。また、85℃85%のような高温高湿環境下では、被覆材や充填材中の添加剤や分解等による低分子量成分がブリードして接着性の低下や気泡の原因になることもある。
被覆材として、樹脂材料を使用する場合の問題点を改良すべく更に種々検討され、耐候性フィルムとバリアフィルムをラミネート積層した防湿性の高い透明複合フィルムからなる樹脂製の太陽電池モジュール用表面保護シートが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、剛性が求められた場合に高剛性化が困難であり、耐衝撃性も弱い。太陽電池モジュールに何らかの衝撃が加わった際には、フィルムに穴が空いて水分が浸入し、腐食等による太陽電池素子の出力低下を引き起こす場合や、セルそのものに傷がついて機能を果たさなくなる可能性もある。更には低コストが表面保護シートに求められる場合や、異なる用途に応じて表面保護シートを製造する際に、厚みの異なるフィルム材料が必要となるため、在庫管理が困難となり、低コスト化に欠ける等の問題が生じる。
太陽電池モジュールを衝撃から保護するための方法として、太陽電池セルの受光面側フィルムに予め充填材を仮ラミネートし、仮ラミネートされた充填材と受光面側の充填材との間にアクリルやポリカーボネート等の透明プラスチック板を挿入する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法で使用されている受光面側フィルムは、耐候性の高いフッ素系樹脂、例えばエチレン・テトラフルオロエチレン、エチレン/四フッ化エチレン共重合体)等よりなる保護フィルムであり、防湿性が改善されておらず、また、挿入した板に十分な紫外線からの保護をしていないために劣化する等の問題がある。さらに、材料や工数が増え、低コスト化に欠けるばかりでなく、フッ素フィルムという廃棄・処理方法によっては環境への高負荷も懸念される材料を使用している問題がある。
特許第3701398号公報 特開2006−173339号公報
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐候性、防湿性に優れ、長期の屋外使用で気泡の発生、接着性の低下による剥れや滑落等の不具合がなく、出力特性の低下が起こりにくく、さらに、軽量で割れにくい、形状自由度に優れる樹脂製太陽電池モジュールを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、太陽電池素子が、被覆材の間に充填材で封止された太陽電池モジュールにおいて、少なくとも被覆材と充填材との間に水蒸気バリア性を有する層を形成することで目的を達成できることを見出した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)少なくとも、受光面側被覆材と、太陽電池素子と、裏面被覆材と、前記受光面側被覆材と前記裏面被覆材との間に前記太陽電池素子を埋設するための充填材と、を備える太陽電池モジュールにおいて、前記受光面側被覆材が透明樹脂からなり、前記受光面側被覆材の少なくとも片面に水蒸気バリア性を有する層が形成されてなる、太陽電池モジュール。
(2)裏面被覆材が樹脂からなり、前記裏面被覆材の少なくとも片面に水蒸気バリア性を有する層が形成されてなる、(1)記載の太陽電池モジュール。
(3)前記透明樹脂が、ポリカーボネート樹脂である(1)または(2)に記載の太陽電池モジュール。
(4)水蒸気バリア性を有する層が形成された受光面側被覆材、又は、水蒸気バリア性を有する層が形成された裏面被覆材の水蒸気透過度が、0.1g/m/day以下である(1)〜(3)いずれかに記載の太陽電池モジュール。
(5)受光面側被覆材の全光線透過率が、70%以上且つヘイズ値が5以下である(1)〜(4)いずれかに記載の太陽電池モジュール。
(6)前記受光面側被覆材が、光入射側に紫外線吸収剤を含む層を設けたことを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の太陽電池モジュール。
本発明の太陽電池モジュールによれば、課題であった耐候性と防湿性を確保した、軽量で、耐衝撃性に優れた太陽電池モジュールを低コストで作製が可能である。また、加工性、取り扱い易さ等の利点を有する効果を奏し、要求に応じて容易に透明樹脂の形状、材質、厚みを変更することができ、種々の太陽電池モジュールに対応可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の太陽電池モジュールは、少なくとも、受光面側被覆材と、太陽電池素子と、裏面被覆材と、前記受光面側被覆材と前記裏面被覆材との間に前記太陽電池素子を埋設するための充填材と、を備える太陽電池モジュールにおいて、前記受光面側被覆材が透明樹脂からなり、前記受光面側被覆材の少なくとも片面に水蒸気バリア性を有する層が形成されてなるものである。また、裏面被覆材が樹脂からなり、前記裏面被覆材の少なくとも片面に水蒸気バリア性を有する層が形成されてなることが好ましい。また、前記受光面側被覆材が、光入射側に紫外線吸収剤を含む層を設けてなることが好ましい。
以下、太陽電池モジュールの各構成について説明する。
(太陽電池素子)
太陽電池素子には特に限定がなく、市販のセルを購入し、使用することが可能である。例えば、結晶シリコン太陽電池素子あるいはアモルファスシリコン太陽電池素子等挙げられ、光起電力素子として機能している。
(水蒸気バリア層)
受光面側被覆材、裏面被覆材に形成される、水蒸気バリア性を有する層(以下、水蒸気バリア層とする)の形成方法について、説明する。
水蒸気バリア層を設ける方法としては、水蒸気バリア性能を有する層を、コーティング法等の湿式成膜工法や、蒸着法等の乾式成膜工法によって被覆材表面に直接形成する方法と、水蒸気バリア性のあるフィルム等を被覆材表面に接着し、ラミネートする方法があるが、コストや形状自由度を考慮すると被覆材表面に直接形成する方法が好ましい。
なお、水蒸気バリア層は、受光面側被覆材や裏面被覆材の少なくとも片面に形成されるが、両面に形成してもよい。また、片面のみに形成される場合は、充填材と接する面に形成することが好ましい。充填材と接する面に形成することにより、水蒸気バリア性がより効果的に発揮される。
水蒸気バリア層を形成した被覆材の水蒸気透過度は、0.1g/m/day以下であることが好ましく、0.05g/m/day以下であることがより好ましく、更に0.03g/m/dayであることがより好ましい。水蒸気透過度が、0.1g/m/dayを超えると、充填材層に水がたまり、白濁して透過率が低下するおそれがある。そして、太陽電池素子が劣化するおそれがある。
また、水蒸気透過度は、例えば、米国MOCON社製水蒸気透過率測定装置を用い、40℃、100%RHの条件で測定することが可能である。
湿式成膜工法によって形成する方法としては、Si、Al、Mg、Ti、Zr等の金属酸化物をゾルゲル法によって形成する方法や、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト等の層状珪酸塩を分散した水溶性高分子の水性溶液よりなるコーティング液を用いて形成する方法等がある。
湿式成膜工法を具体的に例示すると、コーティング液を、ディップ法、フローコート法、スプレーコート法、バーコート法、グランビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、スリットコート法、マイクログラビアコート法等によってコーティングする方法が挙げられ、コーティング後、加熱乾燥やUV照射等によって塗膜が形成される。
湿式成膜工法によって形成される水蒸気バリア層の膜厚は、使用する材料の種類によって異なるが、例えば、100nm〜100μmの範囲内が好ましく、より好ましくは、100nm〜50μmの範囲内で任意に選択して形成する。100nm未満の場合は、水蒸気バリア性の効果を奏することが困難になり、100μmより厚い場合は、クラック等が発生し易くなることから、好ましくない。
乾式成膜工法によって形成する方法としては、Si、Al、Mg、Ca、K、Sn、Na、B、Ti、Pb、Zr、Y等の金属の酸化物を主成分とする膜、SiN、SiON、DLC膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)等を物理気相成長法(以下、「PVD」ともいう)や化学気相成長法(以下、「CVD」ともいう)によって1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成する方法がある。
前記乾式成膜工法を具体的に例示すると、以下のものが挙げられる。抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、分子線エピタキシー法、イオンビームデポジション、イオンプレーティング、スパッタリング等のPVD、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、エピタキシャルCVD、アトミックレイヤーCVD、catCVD等のCVDがある。
上記金属酸化物は、例えば、SiO、AlO、MgO等のようにMO(式中、Mは金属元素を表し、Xの値は金属元素によってそれぞれ範囲が異なる。)で表される。Xの値としては、Siは0〜2、Alは0〜1.5、Mgは0〜1、Caは0〜1、Kは0〜0.5、Snは0〜2、Naは0〜0.5、Bは0〜1.5、Tiは0〜2、Pbは0〜1、Zrは0〜2、Yは0〜1.5の範囲をとることができるが、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではないため使用することができない。また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。一般的に、Si、Al以外は、使用される例に乏しく、Xの値が、Siは1.0〜2.0、Alは0.5〜1.5の範囲内であることが好ましい。
例えばプラズマCVDでSiON、SiN膜を形成する場合、原料ガスとして、モノシランや有機シリコン化合物等のSi原料と、窒素、酸素等の混合ガスを使用する。DLC膜を形成する場合は、トルエン等の炭化水素系化合物を原料ガスとして使用する。形成された膜の性質は、ガス流量、成膜圧力、成膜高周波電力、成膜基板バイアス等の制御パラメータ等により決定され、目的によって調整が可能である。一般的に、成膜可能な範囲内の条件で、ガス流量が少なく、成膜圧力が低く、成膜高周波電力が高く、成膜基板バイアスが高い程、純度が高く、緻密かつ硬質で、防湿性の高い膜が出来る。
乾式成膜工法によって形成される水蒸気バリア層の膜厚は、使用する金属等の種類によって異なるが、例えば、SiO、AlO、MgO等の金属酸化物(MO)の場合、50〜8000Åの範囲内が好ましく、より好ましくは、100〜4000Åの範囲内で任意に選択して形成する。50Å未満の場合は、水蒸気バリア性の効果を奏することが困難になり、8000Åより厚い場合は、クラック等が発生し易くなることから、好ましくないものである。
水蒸気バリア性のあるフィルム等を被覆材に接着し、ラミネートする方法としては、例えば、水蒸気バリア性のあるフィルムとして三菱樹脂株式会社製の透明ハイガスバリアフィルムであるテックバリア(登録商標)を使用することが出来る。テックバリア(登録商標)とは、プラスチック基材フィルムにシリカ蒸着膜を形成したものであり、より高い防湿性を有するテックバリア(登録商標)は、シリカ蒸着膜の上にトップコート層が形成されている。製品としては、40℃90%RHでの水蒸気透過度が0.05〜0.7g/m/dayまでのものがある。例えば、水蒸気透過度が0.05g/m/dayのテックバリアHXは、PET基材にシリカ蒸着膜を形成し、さらにその上にトップコートしたものである。水蒸気透過度が0.7g/m/dayのテックバリアNYは、ナイロン基材にシリカ蒸着膜を形成したものである。このテックバリア(登録商標)を、例えば、透明接着剤である株式会社アーデル製クリアルーチェ(登録商標)を使用して被覆材に接着する。
その他、水蒸気バリア性のあるフィルムとして、オーバーフロー法によりシート化した、厚さ5〜300μmの超薄板ガラスやガラス製のフィルム等を使用することが出来る。なお、超薄板ガラスとしては、日本電気硝子株式会社製超薄板ガラス、旭硝子株式会社製超薄板ガラス、日本板硝子株式会社製超薄板ガラスNSG−GE、NSG−ST、NSG−EX(以上、商品名)等が挙げられる。使用方法としては、前記同様に接着剤を使用して被覆材に接着することが出来る。また、被覆材と太陽電池素子の間に充填材により埋設することも出来る。
また、水蒸気バリア層を形成する被覆材の表面は、水蒸気バリア層との密着性等を向上させるために、必要に応じて、あらかじめ、所望の表面処理層を設けることができる。上記表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスもしくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
表面前処理は、被覆材と水蒸気バリア層との密着性等を改善するための方法として実施するものであるが、密着性を改善する方法として、その他、例えば、基材フィルムの表面に、あらかじめ、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。上記表面処理層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンアルイハポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
(被覆材)
被覆材には、受光面側被覆材と裏面被覆材とがあるが、受光面側被覆材に用いられる透明樹脂は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂、フッ素樹脂等の群から選ばれた少なくとも1種の樹脂からなるものでよいが、耐衝撃性、耐熱性、透明性に優れるポリカーボネート樹脂を使用することが特に好ましい。さらに、前記透明樹脂が繊維、フィラー等で強化されているものや、層状ケイ酸塩等でナノコンポジット化されたものを使用してもよい。また、裏面被覆材は透明である必要はなく、この限りではない。
受光面側被覆材においては、受光面側被覆材単体、あるいは、水蒸気バリア層が形成された状態で、全光線透過率が70%以上且つヘイズ値(散乱光線透過率を全光線透過率で割ったものを百分率で表したもの)が5以下であることが好ましい。さらに、全光線透過率が80%以上であることがより好ましく、85%以上であることが特に好ましい。また、全光線透過率が70%未満の場合、太陽電池素子のエネルギー変換効率が大幅に低下する傾向がある。さらに、ヘイズ値が4以下であることがより好ましく、3以下であることが特に好ましい。また、ヘイズ値が5を超える場合、外観を損ねるばかりでなく、太陽電池素子のエネルギー変換効率の低下も引き起こすという不具合が発生するおそれがある。
よって、裏面被覆材の場合、前記透明樹脂の他に、透明樹脂を顔料、染料等で着色したものを使用してもよいし、非透明樹脂や市販の太陽電池用バックシートを使用してもよい。使用できる樹脂としては、特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ABS,フェノール樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、天然ゴムやその誘導体から成るものでも良く、または前記樹脂の2種類以上から成るものでもよい。また、2種類以上の樹脂板(または樹脂フィルム)を貼り合わせたものでもよい。
被覆材の形成方法は、板状であれば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出し成形法等、公知の手法により形成できる。また、射出成形法や射出圧縮成形法であれば、三次元形状形成が容易であるためより好ましい。一方で、フィルム状であれば、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて、樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、さらには、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等が挙げられる。さらに、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラー方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる樹脂フィルムを使用することができる。
透明樹脂による被覆材は、傷付きやすく、紫外線によって著しく劣化するものもあるため、受光面側被覆材の光入射側には被覆材の紫外線による劣化や傷つき防止のため、1層以上の保護層が形成されていることが好ましく、紫外線吸収剤が含まれている層が少なくとも1層形成されていることがより好ましく、紫外線吸収剤を含む層の劣化防止のため、さらに光安定剤が含まれていることが好ましい。
なお、紫外線吸収剤としては、太陽光中の有害な紫外線を吸収して、分子内で無害な熱エネルギへと変換し、高分子中の光劣化開始の活性種が励起されるのを防止するものであり、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ−ル系、サルチレ−ト系、アクリルニトリル系、金属錯塩系、超微粒子酸化チタン(粒子径、0.01〜0.06μm)あるいは超微粒子酸化亜鉛(0.01〜0.04μm)等の無機系等の紫外線吸収剤、その他等の1種ないしそれ以上を使用することができる。
例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、レベリング剤等を含有したアクリル樹脂等からなる湿式成膜工法により形成される樹脂層(保護層)が挙げられる。実際には、市販されている、自動車外装用のクリアコートとして使用されているアクリルメラミン塗料、ヘッドランプカバー用のアクリル系塗料、アクリル層を耐候性膜とし、ゾルゲル法によって得られるオルガノシロキサン層を耐傷付き性膜とした2コートタイプの塗料等を購入して使用してもよいが、目的に応じてモノマー、オリゴマー、ポリマーや各種添加剤を組み合わせ、必要に応じて溶剤を使用し、独自に配合して保護膜を形成してもよい。
使用できる市販品としては、藤倉化成株式会社製フジハードHH2561U(商品名)、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製UVHC3000やAS4700、帝人化成株式会社製DMT200やDMT250などが挙げられる。
紫外線吸収剤等を含む保護膜は、例えば以下のように形成してもよい。
水素化ビスフェノール−A−ジエチレングリコールジアクリレート(平均分子量424、官能基数2)30質量部、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(ダイセルユーシービー株式会社製、商品名;エベクリル1290K)50質量部、メチルメタクリレート重合体(平均分子量45000)20質量部、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)10質量部、紫外線吸収剤〔2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール10質量部+2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン5質量部〕15質量部を、攪拌混合して均一化し、保護膜用樹脂組成物を製造する。
また、保護膜、機能性膜を形成するための湿式成膜工法としては、ディップ法、フローコート法、スプレーコート法、バーコート法、グランビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、スリットコート法、マイクログラビアコート法等のコーティング液を用いた成膜工法が挙げられる。これらの方法で成膜された後、活性エネルギー線硬化、熱硬化、加圧硬化等により硬化が行われる。活性エネルギー線としては、紫外線のほか、電子線が代表的なものとして挙げられる。
上記で得た保護膜用樹脂組成物を、受光面側被覆材の受光面側に硬化後の塗膜厚が10μm以上となるように、バーコータ等を用いて塗布し、高圧水銀灯等により紫外線を照射し、塗布塗膜を硬化させ、保護膜を形成できる。なお、保護膜の厚みの上限は特に限定しないが、通常、200μmである。
更に、受光面側被覆材の光入射側には、要求に応じて種々の機能性膜を付与したものを使用してもよい。例えば、フッ化マグネシウム等の低屈折率膜を形成して反射防止機能を付与してもよいし、酸化チタン等の光触媒機能を付与してもよいし、その他、超撥水性、超親水性等の機能を付与してもよい。
本発明に用いられる被覆材の厚みは限定されず、太陽電池モジュールの構成、要求によって自由に選定が可能である。なお、被覆材がフィルム状の場合、厚みは50〜500μmが好ましく、被覆材が板状の場合、厚みは、0.5mm〜20mmが好ましい。
(充填材)
本発明に係る、太陽電池素子を埋設するための充填材に要求される特性としては、光透過性、耐候性、熱可塑性、熱接着性が挙げられる。その材料としては、例えばEVA(酢酸ビニル−エチレン共重合体)、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂などの透明な樹脂が好適に使用される。上記充填材に架橋剤を添加することにより、架橋することも可能である。特にモジュール成形性、コスト等の問題からEVAが好ましい。
以下、実施例について具体的に説明するが、本発明の一部であり、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(太陽電池モジュール用被覆材の作製)
厚さ2mmの帝人化成株式会社製ポリカーボネート(L−1125Z100;パンライト、登録商標)の平板(基板)の、光入射側に、藤倉化成株式会社製フジハードHH2561U(商品名)を、スプレーを用いて塗布し、高圧水銀灯により紫外線を照射し、塗布塗膜を硬化させ、厚さ10μmの紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成した。
次に、充填材と接する面に、株式会社セルバック製の誘導結合型プラズマCVD装置を用い、下記条件で、水蒸気バリア性を有する層として、SiON膜を約100nm形成し、受光面側被覆材Aを作製した。
また、紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成せず、充填材と接する面に、同条件でSiON膜を約100nm形成した裏面被覆材Aを作製した。
(SiON膜の成膜条件)
成膜速度:48nm/min
成膜時間:2.1min
成膜ガス/流量:SiH/O/N=30/100/150(sccm)
成膜圧力:1Pa
成膜高周波電力:750W
成膜基板バイアス:DC 0V
(水蒸気透過度測定)
前記太陽電池モジュール用受光面側被覆材Aを、米国MOCON社製水蒸気透過率測定装置を用い、40℃、100%RHで測定した結果、0.09g/m/dayであった。結果を表1に示した。
なお、同様に測定した結果、裏面被覆材Aの水蒸気透過率は、0.09g/m/dayであった。
(全光線透過率及びヘイズ値測定)
前記太陽電池モジュール用受光面側被覆材Aを、株式会社村上色彩技術研究所製ヘーズメータを使用し測定した結果、全光線透過率(Tt.)が88.1%、ヘイズ値(H)が0.9であった。同様に、結果を表1に示した。
(太陽電池モジュールの作製)
受光面側被覆材A、充填材である三井化学ファブロ株式会社製EVAシート(エチレン−酢酸ビニル共重合体、SC52B;商品名)、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子、前記EVAシート、裏面被覆材Aの順に積層し、エヌ・ピー・シー製ダイヤフラム式真空ラミネータでラミネートし、取り出し後、太陽電池モジュール防水保護用シーリング材である、テイパ化工株式会社製ホットメルトブチルPIB‐544を用いて3mm厚でサイド面をシールし、評価用サンプルを作製した。なお、ラミネート条件は、熱板温度145℃、真空時間20分、プレス時間30分、プレス圧力50kPaであった。
(太陽電池モジュールの評価)
出力特性低下率として、JIS規格C8917−1989に基づいて、85℃、85%RHに設定した恒温槽に投入し、初期(恒温槽投入前)と、1000時間後の光起電力の出力を測定した。なお、出力特性低下率とは、試験1000時間後の出力の低下率であり、結果を表2に示した。
また、前記試験1000時間後の評価用サンプル(太陽電池モジュール)の外観評価を目視にて行い、充填材白濁、気泡、充填材剥離の有無を確認した。結果は表2に示した。
(実施例2)
厚さ2mmの帝人化成株式会社製ポリカーボネート(L−1125Z100;パンライト、登録商標)の平板(基板)の、光入射側に、藤倉化成株式会社製フジハードHH2561U(商品名)を、スプレーを用いて塗布し、高圧水銀灯により紫外線を照射し、塗布塗膜を硬化させ、厚さ10μmの紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成した。
次に、充填材と接する面に、株式会社セルバック製の誘導結合型プラズマCVD装置を用い、下記条件で、水蒸気バリア性を有する層として、SiON膜を約100nm形成し、受光面側被覆材Bを作製した。また、紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成せず、充填材と接する面に、同条件でSiON膜を約100nm形成した裏面被覆材Bを作製した。
受光面側被覆材Bの水蒸気透過度は0.05g/m/day、全光線透過率は87.9%、ヘイズ値は1.1であった。結果は同様に表1に示した。
また、裏面被覆材Bの水蒸気透過度は0.05g/m/dayであった。
実施例1と同様に、太陽電池モジュール化して評価した。結果を表2に示した。
(SiON膜の成膜条件)
成膜速度:6.2nm/min
成膜時間:16.1min
成膜ガス/流量:SiH/O/N=5/6/5(sccm)
成膜圧力:1Pa
成膜高周波電力:400W
成膜基板バイアス:DC 500V
(実施例3)
厚さ2mmの帝人化成株式会社製ポリカーボネート(L−1125Z100;パンライト、登録商標)の平板(基板)の、光入射側に、藤倉化成株式会社製フジハードHH2561U(商品名)を、スプレーを用いて塗布し、高圧水銀灯により紫外線を照射し、塗布塗膜を硬化させ、厚さ10μmの紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成した。
次に、充填材と接する面に、株式会社セルバック製の誘導結合型プラズマCVD装置を用い、下記条件で、水蒸気バリア性を有する層として、SiON膜を約50nm形成し、受光面側被覆材Cを作製した。
また、紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成せず、充填材と接する面に、同条件でSiON膜を約50nm形成した裏面被覆材Cを作製した。
受光面側被覆材Cの水蒸気透過度は0.2g/m/day、全光線透過率は88.0%、ヘイズ値は0.8であった。結果は同様に表1に示した。また、裏面被覆材Cの水蒸気透過度は0.2g/m/dayであった。
実施例1と同様に、太陽電池モジュール化して評価した。結果を表2に示した。
(SiON膜の成膜条件)
成膜速度:48nm/min
成膜時間:1min
成膜ガス/流量:SiH/O/N=30/100/150(sccm)
成膜圧力:1Pa
成膜高周波電力:750W
成膜基板バイアス:DC 0V
(実施例4)
厚さ2mmの帝人化成株式会社製ポリカーボネート(L−1125Z100;パンライト、登録商標)の平板(基板)の、光入射側に、藤倉化成株式会社製フジハードHH2561U(商品名)を、スプレーを用いて塗布し、高圧水銀灯により紫外線を照射し、塗布塗膜を硬化させ、厚さ10μmの紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成した。
次に、充填材と接する面に、株式会社ユーテック製の平行平板型プラズマCVD装置を用い、下記条件で、水蒸気バリア性を有する層として、DLC膜を20nm形成し、受光面側被覆材Dを作製した。また、紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成せず、充填材と接する面に、同条件でDLC膜を約20nm形成した裏面被覆材Dを作製した。
受光面側被覆材Dの水蒸気透過度は0.05g/m/day、全光線透過率は80.9%、ヘイズ値は2.1であった。結果は同様に表1に示した。
また、裏面被覆材Dの水蒸気透過度は0.05g/m/dayであった。
実施例1と同様に、太陽電池モジュール化して評価した。結果を表2に示した。
(DLC膜の成膜条件)
成膜速度:6nm/min
成膜時間:3.3min
成膜ガス:トルエン=15(sccm)
成膜圧力:0.4Pa
成膜高周波電力:400W
(実施例5)
厚さ2mmの帝人化成株式会社製ポリカーボネート(L−1125Z100;パンライト、登録商標)の平板(基板)の、光入射側に、藤倉化成株式会社製フジハードHH2561U(商品名)を、スプレーを用いて塗布し、高圧水銀灯により紫外線を照射し、塗布塗膜を硬化させ、厚さ10μmの紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成した。
次に、充填材と接する面に、水蒸気バリア性を有する層として、三菱樹脂株式会社製テックバリアHX(厚み12μm、水蒸気透過度0.05g/m/day、登録商標)を、株式会社アーデル製クリアルーチェ(透明接着剤)により接着し、受光面側被覆材Eを作製した。また、紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成せず、充填材と接する面に、テックバリアHX(登録商標)を株式会社アーデル製クリアルーチェ(透明接着剤、登録商標)で接着した裏面被覆材Eを作製した。
受光面側被覆材Eの水蒸気透過度は0.04g/m/day、全光線透過率は82.4%、ヘイズ値は4.9であった。結果は同様に表1に示した。
また、裏面被覆材Eの水蒸気透過度は0.04g/m/dayであった。
実施例1と同様に、太陽電池モジュール化して評価した。結果を表2に示した。
(実施例6)
厚さ2mmの帝人化成株式会社製ポリカーボネート(L−1125Z100;パンライト、登録商標)の平板(基板)の、光入射側に、藤倉化成株式会社製フジハードHH2561U(商品名)を、スプレーを用いて塗布し、高圧水銀灯により紫外線を照射し、塗布塗膜を硬化させ、厚さ10μmの紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成した。次に、充填材と接する面に、水蒸気バリア性を有する層として、三菱樹脂株式会社製テックバリアNY(厚み15μm、水蒸気透過度0.70g/m/day、登録商標)を、株式会社アーデル製クリアルーチェ(透明接着剤、登録商標)により接着し、受光面側被覆材Fを作製した。また、紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成せず、充填材と接する面に、テックバリアNY(登録商標)を株式会社アーデル製クリアルーチェ(透明接着剤、登録商標)で接着した裏面被覆材Fを作製した。
受光面側被覆材Fの水蒸気透過度は0.6g/m/day、全光線透過率は83.4%、ヘイズ値は4.2であった。結果は同様に表1に示した。
また、裏面被覆材Fの水蒸気透過度は0.6g/m/dayであった。
実施例1と同様に、太陽電池モジュール化して評価した。結果を表2に示した。
(実施例7)
厚さ2mmの帝人化成株式会社製ポリカーボネート(L−1125Z100;パンライト、登録商標)の平板(基板)の、光入射側に、藤倉化成株式会社製フジハードHH2561U(商品名)を、スプレーを用いて塗布し、高圧水銀灯により紫外線を照射し、塗布塗膜を硬化させ、厚さ10μmの紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成した。次に、充填材側の面に、厚さ300μmの超薄板ガラス(日本電気硝子株式会社製、試供品)を、モメンティブ社製接着性シリコーンゴム(TSE3250、登録商標)を用いて接着し、受光面側被覆材Gを作製した。また、紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成せず、充填材側の面に、厚さ300μmの超薄板ガラス(日本電気硝子株式会社製、試供品)を、モメンティブ製接着性シリコーンゴム(TSE3250、登録商標)を用いて接着し、裏面被覆材Gを作製した。
受光面側被覆材Gの水蒸気透過度は0g/m/day、全光線透過率は87.4%、ヘイズ値は1.5であった。結果は同様に表1に示した。
また、裏面被覆材Gの水蒸気透過度は0g/m/dayであった。
(比較例1)
厚さ2mmの帝人化成株式会社製ポリカーボネート(L−1125Z100;パンライト、登録商標)の平板(基板)の、光入射側に、藤倉化成株式会社製フジハードHH2561U(商品名)を、スプレーを用いて塗布し、高圧水銀灯により紫外線を照射し、塗布塗膜を硬化させ、厚さ10μmの紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成し、受光面側被覆材Gを作成した。また、未処理のポリカーボネート板を裏面被覆材Hとした。
受光面側被覆材Hの水蒸気透過度は1.3g/m/day、全光線透過率は88.7%、ヘイズ値は0.4であった。結果は同様に表1に示した。
また、裏面被覆材Gの水蒸気透過度は1.3g/m/dayであった。
実施例1と同様に、太陽電池モジュール化して評価した。結果を表2に示した。
(比較例2)
厚さ1mmの帝人化成株式会社製ポリカーボネート(L−1125Z100;パンライト、登録商標)の平板(基板)の、光入射側に、藤倉化成株式会社製フジハードHH2561U(商品名)を、スプレーを用いて塗布し、高圧水銀灯により紫外線を照射し、塗布塗膜を硬化させ、厚さ10μmの紫外線吸収剤を含む透明保護膜層を形成し、受光面側被覆材Hを作成した。また、未処理のポリカーボネート板を裏面被覆材Iとした。
受光面側被覆材Hの水蒸気透過度は2.0g/m/day、全光線透過率は88.9%、ヘイズ値は0.3であった。結果は同様に表1に示した。
裏面被覆材Iの水蒸気透過度は2.0g/m/dayであった。
実施例1と同様に、太陽電池モジュール化して評価した。結果を表2に示した。
Figure 2013016626
Figure 2013016626
表1、表2の結果から、水蒸気バリア性が高い程、出力特性の低下が小さいことがわかるなど、水蒸気バリアの効果が顕著に表れた。比較例1および比較例2で大きく出力特性が低下した理由は、太陽電池素子の劣化だけでなく、ヘイズ発生による透過率低下も起因していると考えられる。なお、太陽電池モジュールの規格によって、出力特性の低下率は5%以内であると定められている。また、外観についても防湿性を高めることで改善することができ、0.1g/m/day以下にすることで機能を果たすことがわかった。実施例3および実施例6では防湿性(外観やや不良)を十分に高めることが出来なかったが、比較例に比べ、出力特性の低下率が小さく(5%以内)、また、はく離が起きない等の効果は確認できた。
以上説明したように、本発明の太陽電池モジュールによれば、課題であった耐候性と防湿性を確保した、軽量で、耐衝撃性に優れた太陽電池モジュールを低コストで作製が可能である。また、加工性、取り扱い易さ等の利点を有する効果を奏し、要求に応じて容易に透明樹脂の形状、材質、厚みを変更することができ、種々の太陽電池モジュールに対応可能である。

Claims (6)

  1. 少なくとも、受光面側被覆材と、太陽電池素子と、裏面被覆材と、前記受光面側被覆材と前記裏面被覆材との間に前記太陽電池素子を埋設するための充填材と、を備える太陽電池モジュールにおいて、前記受光面側被覆材が透明樹脂からなり、前記受光面側被覆材の少なくとも片面に水蒸気バリア性を有する層が形成されてなる、太陽電池モジュール。
  2. 裏面被覆材が、樹脂からなり、前記裏面被覆材の少なくとも片面に水蒸気バリア性を有する層が形成されてなる、請求項1記載の太陽電池モジュール。
  3. 透明樹脂が、ポリカーボネート樹脂である請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 水蒸気バリア性を有する層が形成された受光面側被覆材、又は、水蒸気バリア性を有する層が形成された裏面被覆材の水蒸気透過度が、0.1g/m/day以下である請求項1〜3いずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. 受光面側被覆材の全光線透過率が、70%以上且つヘイズ値が5以下である請求項1〜4いずれかに記載の太陽電池モジュール。
  6. 受光面側被覆材が、光入射側に紫外線吸収剤を含む層を設けたことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の太陽電池モジュール。
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