JP2019067924A - 太陽電池用フロントシート及び太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線耐性、ポリエステル基材とポリマー層との密着性、及び透明性に優れた太陽電池用フロントシート、及び、太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】紫外線吸収性化合物Aを、ポリエステル基材の全質量対して6質量%〜15質量%の範囲の含有量で含有するポリエステル基材と、ポリエステル基材に接して配置され、紫外線吸収性化合物Aと同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bを、ポリマー層の全質量に対して6質量%〜25質量%の範囲の含有量で含有するポリマー層とを有する、太陽電池用フロントシート20、及び、太陽電池用フロントシート20を備える太陽電池モジュール100。【選択図】図1
Description
本開示は、太陽電池用フロントシート及び太陽電池モジュールに関する。
従来より、太陽電池素子を含む太陽電池モジュール、及び、太陽電池モジュールの一部材である太陽電池用保護シートに関する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、基材フィルムと、紫外線吸収構造を有するポリマーA、及びバインダーポリマーBを含み、紫外線吸収構造を有するポリマーA及びバインダーポリマーBが、同種の構造単位を有する、上記基材フィルムの一方の面上に配置された第1のポリマー層と、を有する太陽電池用透明シートが記載されている。
特許文献2には、トリアジン系の紫外線吸収剤を0.2〜5.0重量%含有するポリエステルフィルムであり、ポリエステルフィルムの極限粘度が0.65dl/g以上であり、末端カルボキシル基量が26当量/t以下であることを特徴とする太陽電池フロントシート用ポリエステルフィルムが記載されている。
特許文献3には、少なくとも、ポリエステルとポリイミドを構成成分とするポリマーアロイ、および紫外線吸収剤から構成される2軸配向ポリエステルフィルムが記載されている。
太陽電池用保護シートのうち、太陽電池素子から見て太陽光が入射する側に配置されるシートは、「太陽電池用フロントシート」と称されている。太陽電池用フロントシートは、風雨に曝され、かつ、太陽光が直接入射するシートである。太陽電池用フロントシートとして、例えば、太陽電池保護シート自体の劣化、又は、基材等の劣化の原因となる紫外線を吸収する紫外線吸収性化合物を含むシートを用いることが知られている。
しかし、特許文献1に記載の太陽電池用透明シートは、紫外線耐性を有するが、基材フィルムとポリマー層との密着性については、さらなる改良が望まれる。また、特許文献1は、太陽電池用バックシートに着目する技術であり、フロントシート太陽電池用フロントシートとして用いた場合の課題についての記載はない。
特許文献2及び特許文献3に記載のポリエステルフィルムは、紫外線耐性が十分ではなく、太陽電池用フロントシートとして使用した場合、耐候性が得られない。
特許文献2及び特許文献3に記載のポリエステルフィルムは、紫外線耐性が十分ではなく、太陽電池用フロントシートとして使用した場合、耐候性が得られない。
本発明の一実施形態が解決する課題は、紫外線耐性、ポリエステル基材とポリマー層との密着性、及び透明性を備える太陽電池用フロントシートを提供することである。
本発明の別の一実施形態が解決する課題は、上記の太陽電池用フロントシートを備えた太陽電池モジュールを提供することである。
本発明の別の一実施形態が解決する課題は、上記の太陽電池用フロントシートを備えた太陽電池モジュールを提供することである。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Aを、ポリエステル基材の全質量に対して6質量%〜15質量%の範囲で含有するポリエステル基材と、ポリエステル基材に接して配置され、紫外線吸収性化合物Aと同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bを、ポリマー層の全質量に対して6質量%〜25質量%の範囲で含有するポリマー層とを有する、太陽電池用フロントシート。
<2> 紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造が、トリアジン構造、ベンゾトリアゾール構造又はベンゾフェノン構造である、<1>に記載の太陽電池用フロントシート。
<3> 紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造が、トリアジン構造である、<1>又は<2>に記載の太陽電池用フロントシート。
<4> ポリマー層は、紫外線吸収性化合物Bとアクリルポリマーとの複合粒子を含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<5> ポリマー層が塗布層である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<6> ポリマー層が、アクリルポリマー、ポリオレフィン、フッ素ポリマー、及びポリウレタンから選択される少なくとも1種のバインダーポリマーを含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<7> ポリマー層の厚みが、ポリエステル基材の厚みの30%以下である、<1>〜<6>のいずれ1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<8> ポリエステル基材が、ポリエチレンテレフタレート基材である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<9> ポリマー層が含有する紫外線吸収性化合物Bの含有量が、ポリエステル基材が含有する紫外線吸収性化合物Aの含有量よりも多い、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<10> 紫外線吸収性化合物Aの含有量が、ポリエステル基材の全質量に対して8質量%〜15質量%であり、紫外線吸収性化合物Bの含有量が、ポリマー層の全質量に対して12質量%〜25質量%である、<1>〜<9>いずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<11> 太陽電池素子及び太陽電池素子を封止する封止材を含む素子構造部と、素子構造部に対して太陽光が入射される側に配置された<1>〜<10>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシートと、 素子構造部に対して太陽光が入射される側とは反対側に配置された太陽電池用バックシートと、を備える太陽電池モジュール。
<1> 紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Aを、ポリエステル基材の全質量に対して6質量%〜15質量%の範囲で含有するポリエステル基材と、ポリエステル基材に接して配置され、紫外線吸収性化合物Aと同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bを、ポリマー層の全質量に対して6質量%〜25質量%の範囲で含有するポリマー層とを有する、太陽電池用フロントシート。
<2> 紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造が、トリアジン構造、ベンゾトリアゾール構造又はベンゾフェノン構造である、<1>に記載の太陽電池用フロントシート。
<3> 紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造が、トリアジン構造である、<1>又は<2>に記載の太陽電池用フロントシート。
<4> ポリマー層は、紫外線吸収性化合物Bとアクリルポリマーとの複合粒子を含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<5> ポリマー層が塗布層である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<6> ポリマー層が、アクリルポリマー、ポリオレフィン、フッ素ポリマー、及びポリウレタンから選択される少なくとも1種のバインダーポリマーを含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<7> ポリマー層の厚みが、ポリエステル基材の厚みの30%以下である、<1>〜<6>のいずれ1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<8> ポリエステル基材が、ポリエチレンテレフタレート基材である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<9> ポリマー層が含有する紫外線吸収性化合物Bの含有量が、ポリエステル基材が含有する紫外線吸収性化合物Aの含有量よりも多い、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<10> 紫外線吸収性化合物Aの含有量が、ポリエステル基材の全質量に対して8質量%〜15質量%であり、紫外線吸収性化合物Bの含有量が、ポリマー層の全質量に対して12質量%〜25質量%である、<1>〜<9>いずれか1つに記載の太陽電池用フロントシート。
<11> 太陽電池素子及び太陽電池素子を封止する封止材を含む素子構造部と、素子構造部に対して太陽光が入射される側に配置された<1>〜<10>のいずれか1つに記載の太陽電池用フロントシートと、 素子構造部に対して太陽光が入射される側とは反対側に配置された太陽電池用バックシートと、を備える太陽電池モジュール。
本発明の一実施形態によれば、紫外線耐性、ポリエステル基材とポリマー層との密着性、及び透明性に優れた太陽電池用フロントシートを提供することができる。
また、本発明の別の一実施形態によれば、上記の太陽電池用フロントシートを備えた太陽電池モジュールを提供することができる。
また、本発明の別の一実施形態によれば、上記の太陽電池用フロントシートを備えた太陽電池モジュールを提供することができる。
本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。 また、本開示中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。
本開示において、「太陽電池用フロントシート」とは、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子から見て、太陽光が入射する側に配置されるシートを指す。
本開示において、「太陽電池用バックシート」とは、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子から見て、太陽光が入射する側とは反対側に配置されるシートを指す。
本明細書において、「透明性に優れる」とは、全光線透過率が80%以上であることを意味する。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。 また、本開示中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。
本開示において、「太陽電池用フロントシート」とは、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子から見て、太陽光が入射する側に配置されるシートを指す。
本開示において、「太陽電池用バックシート」とは、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子から見て、太陽光が入射する側とは反対側に配置されるシートを指す。
本明細書において、「透明性に優れる」とは、全光線透過率が80%以上であることを意味する。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定された値を指す。
GPCによる測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super Multipore HZ−H(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)を3本用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、測定条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行うことができる。
検量線は、東ソー(株)製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、及び「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製できる。
GPCによる測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super Multipore HZ−H(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)を3本用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、測定条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行うことができる。
検量線は、東ソー(株)製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、及び「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製できる。
(太陽電池用フロントシート)
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、外線収性化合物Aを、ポリエステル基材の全質量対して6質量%〜15質量%の範囲の含有量で含有するポリエステル基材と、ポリエステル基材に接して配置され、紫外線吸収性化合物Aと同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bを、ポリマー層の全質量に対して6質量%〜25質量%の範囲の含有量で含有するポリマー層とを有する。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、外線収性化合物Aを、ポリエステル基材の全質量対して6質量%〜15質量%の範囲の含有量で含有するポリエステル基材と、ポリエステル基材に接して配置され、紫外線吸収性化合物Aと同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bを、ポリマー層の全質量に対して6質量%〜25質量%の範囲の含有量で含有するポリマー層とを有する。
紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Bは、互いに、同一の紫外線吸収構造を有するものであればよい。
ここで、「紫外線吸収構造」とは、トリアジン構造、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造等の紫外線を吸収しうる分子内構造を指す。「同一の紫外線吸収構造を有する」とは、分子中における紫外線吸収構造が同一であり、かつ分子全体の構造が同一の化合物である態様、及び、分子中の紫外線吸収構造が同一であり、かつ分子全体の構造は異なる化合物である態様の両方を包含する。
ここで、「紫外線吸収構造」とは、トリアジン構造、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造等の紫外線を吸収しうる分子内構造を指す。「同一の紫外線吸収構造を有する」とは、分子中における紫外線吸収構造が同一であり、かつ分子全体の構造が同一の化合物である態様、及び、分子中の紫外線吸収構造が同一であり、かつ分子全体の構造は異なる化合物である態様の両方を包含する。
紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Bは、いずれも紫外線吸収能を有する化合物であり、極大吸収波長を380nm以下に有する化合物が好ましく、極大吸収波長を250nm〜380nm(特に好ましくは270nm〜380nm)に有する化合物がより好ましい。
本開示において、紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Bは、同一の紫外線吸収構造を有し、かつ分子量が5,000未満の化合物であることが好ましい。
上記分子量は、紫外線吸収性化合物Aが分子量分布を有する場合には、上述する方法により測定された重量平均分子量をいう。分子量分布を有しない場合、分子量は、例えばエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)を用いて測定される。
また、紫外線吸収性化合物Bは、紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子の形態をとることも好ましい。
本開示において、紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Bは、同一の紫外線吸収構造を有し、かつ分子量が5,000未満の化合物であることが好ましい。
上記分子量は、紫外線吸収性化合物Aが分子量分布を有する場合には、上述する方法により測定された重量平均分子量をいう。分子量分布を有しない場合、分子量は、例えばエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)を用いて測定される。
また、紫外線吸収性化合物Bは、紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子の形態をとることも好ましい。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、必要に応じ、その他の層(例えば、後述の下塗り層、後述の第2層、後述の第3層、後述の第4層、等)を備えていてもよい。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、紫外線耐性、ポリエステル基材とポリマー層との密着性、及び透明性の全てにおいて優れた効果を発揮する。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、紫外線耐性、ポリエステル基材とポリマー層との密着性、及び透明性の全てにおいて優れた効果を発揮する。
本開示係る太陽電池用フロントシートにより、このような効果が奏される理由は、未だ明確ではないが、本発明者らは以下のように推測している。但し、本開示に係る太陽電池用フロントシートは、以下の理由によって限定されることはない。
太陽電池用フロントシートは、風雨に曝され、かつ、太陽光が直接入射するシートであることから、シート自体の劣化、又は、シートを構成する基材等の劣化の原因となる紫外線に対する耐性がより重要となる。
かかる観点から、従来より、太陽電池用フロントシートにおけるポリエステル基材等の構成要素に、紫外線を吸収する紫外線吸収性化合物を含有させる技術が知られている。
しかし、太陽電池用フロントシートの基材を構成するポリエステルフィルム自体に紫外線吸収性化合物を含有させるのみでは、基材表面において紫外線劣化が進行してしまい、十分な紫外性耐性は得られない。
また、太陽電池用フロントシートを基材とポリマー層との積層体に構成して、ポリマー層に紫外線吸収化合物を含有させて基材の紫外線劣化を抑制する技術もある。しかし、ポリマー層中に紫外線吸収性化合物を存在させると、基材とポリマー層との密着性が低下してしまう。これは、基材及びポリマー層に含まれるポリマー同士の界面混合が阻害されるためと考えられる。このような密着性の低下は、所望の紫外線耐性を得るべく、ポリマー層における紫外線吸収化合物の含有量を増加させると更に顕著になる。
また、基材及び/又はポリマー層に所望の紫外線耐性が得られる量で、紫外線吸収化合物を含有させると、太陽電池用フロントシートの透明性が低下し、延いては太陽電池素子の発電効率が低下する。
かかる観点から、従来より、太陽電池用フロントシートにおけるポリエステル基材等の構成要素に、紫外線を吸収する紫外線吸収性化合物を含有させる技術が知られている。
しかし、太陽電池用フロントシートの基材を構成するポリエステルフィルム自体に紫外線吸収性化合物を含有させるのみでは、基材表面において紫外線劣化が進行してしまい、十分な紫外性耐性は得られない。
また、太陽電池用フロントシートを基材とポリマー層との積層体に構成して、ポリマー層に紫外線吸収化合物を含有させて基材の紫外線劣化を抑制する技術もある。しかし、ポリマー層中に紫外線吸収性化合物を存在させると、基材とポリマー層との密着性が低下してしまう。これは、基材及びポリマー層に含まれるポリマー同士の界面混合が阻害されるためと考えられる。このような密着性の低下は、所望の紫外線耐性を得るべく、ポリマー層における紫外線吸収化合物の含有量を増加させると更に顕著になる。
また、基材及び/又はポリマー層に所望の紫外線耐性が得られる量で、紫外線吸収化合物を含有させると、太陽電池用フロントシートの透明性が低下し、延いては太陽電池素子の発電効率が低下する。
これに対し、本開示の太陽電池用保護シートは、ポリエステル基材及びポリエステル基材に接して配置されるポリマー層に、紫外線吸収性化合物を特定の範囲で含有させることで、基材に入射する紫外線が効果的に遮断され、基材の劣化が抑制され、優れた紫外線耐性が得られると考えられる。
また、ポリエステル基材及びポリマー層が、いずれも同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物を特定の含有量で含有することで、所望の紫外線耐性が得られながらも、密着性が顕著に向上する。密着性の向上効果は、ポリエステル基材及びポリマー層が含有する紫外線吸収性化合物が、同一の紫外線吸収構造を有することで、紫外線吸収性化合物同士の相互作用が発現することによるものと推測される。このような密着性の向上効果は、ポリエステル基材及びポリマー層が含有する紫外線吸収性化合物が、それぞれ異なる紫外線吸収構造を有する場合には得られない。
さらに、ポリエステル基材及びポリマー層が含有される紫外線吸収性化合物の含有量が、特定範囲であると、紫外線耐性及び密着性が得られ、かつ透明性にも優れる。優れた透明性は、紫外線吸収性化合物の含有量が特定範囲の含有量であることで、紫外線耐性及び密着性の向上効果を発揮しつつも、紫外線吸収性化合物のポリマー層における相分離又はブリードアウトが抑制されるためと推測される。
また、ポリエステル基材及びポリマー層が、いずれも同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物を特定の含有量で含有することで、所望の紫外線耐性が得られながらも、密着性が顕著に向上する。密着性の向上効果は、ポリエステル基材及びポリマー層が含有する紫外線吸収性化合物が、同一の紫外線吸収構造を有することで、紫外線吸収性化合物同士の相互作用が発現することによるものと推測される。このような密着性の向上効果は、ポリエステル基材及びポリマー層が含有する紫外線吸収性化合物が、それぞれ異なる紫外線吸収構造を有する場合には得られない。
さらに、ポリエステル基材及びポリマー層が含有される紫外線吸収性化合物の含有量が、特定範囲であると、紫外線耐性及び密着性が得られ、かつ透明性にも優れる。優れた透明性は、紫外線吸収性化合物の含有量が特定範囲の含有量であることで、紫外線耐性及び密着性の向上効果を発揮しつつも、紫外線吸収性化合物のポリマー層における相分離又はブリードアウトが抑制されるためと推測される。
次に、本開示に係る太陽電池用フロントシートを備える太陽電池モジュールの一例について、図1を参照しながら説明する。
但し、本開示に係る太陽電池用フロントシート及び太陽電池モジュールは、以下の一例に限定されるものではない。
但し、本開示に係る太陽電池用フロントシート及び太陽電池モジュールは、以下の一例に限定されるものではない。
図1は、本開示に係る太陽電池用フロントシートを備える太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。
図1に示す太陽電池モジュールは、後述する本開示に係る太陽電池モジュールの一例でもある。
図1に示す太陽電池モジュールは、後述する本開示に係る太陽電池モジュールの一例でもある。
図1に示されるように、この一例に係る太陽電池モジュール100は、太陽電池素子32及び太陽電池素子32を封止する封止材34(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む封止材)を含む素子構造部36と、素子構造部36に対して太陽光50が入射される側に配置された太陽電池用フロントシート20と、素子構造部36に対して太陽光50が入射される側とは反対側に配置された太陽電池用バックシート40と、を備える。
太陽電池用フロントシート20は、本開示に係る太陽電池用フロントシートの一例である。
太陽電池用フロントシート20は、ポリエステル基材である基材フィルム10と、基材フィルム10の片方の面(詳細には太陽光50が入射する側の面)上に配置された第1層11と、第1層の面上に配置された第2層12と、を備える。
第2層は、例えば、シロキサン樹脂を含有する。但し、第2層12は必須ではなく、省略されていてもよい。
第1層は、本開示に係る太陽電池用フロントシートにおけるポリマー層である。以下、本開示において用いられるポリマー層を「第1層」とも称する。
太陽電池用フロントシート20は、ポリエステル基材である基材フィルム10と、基材フィルム10の片方の面(詳細には太陽光50が入射する側の面)上に配置された第1層11と、第1層の面上に配置された第2層12と、を備える。
第2層は、例えば、シロキサン樹脂を含有する。但し、第2層12は必須ではなく、省略されていてもよい。
第1層は、本開示に係る太陽電池用フロントシートにおけるポリマー層である。以下、本開示において用いられるポリマー層を「第1層」とも称する。
太陽電池用フロントシート20は、更に、基材フィルム10から見て第1層11及び第2層12側とは反対側に、裏面層として、第3層13及び第4層14をこの順序で備える。これら第3層13及び第4層14は、素子構造部36との接着を容易とするための、易接着層の機能を有している。
但し、第3層13及び第4層14は必須ではなく、第3層13及び第4層14の少なくとも一方は省略されていてもよい。
また、基材フィルム10の第3層13側の表面には、下塗り層が設けられていてもよい。即ち、基材フィルム10は、後述する下塗り層付き基材フィルムであってもよい。
但し、第3層13及び第4層14は必須ではなく、第3層13及び第4層14の少なくとも一方は省略されていてもよい。
また、基材フィルム10の第3層13側の表面には、下塗り層が設けられていてもよい。即ち、基材フィルム10は、後述する下塗り層付き基材フィルムであってもよい。
太陽電池モジュール100は、上述した各部材以外のその他の部材を備えていてもよい。
その他の部材としては、部材間に配置される接着層、太陽電池用バックシート40に対し素子構造部36側とは反対側に配置される端子ボックス、等が挙げられる。
その他の部材としては、部材間に配置される接着層、太陽電池用バックシート40に対し素子構造部36側とは反対側に配置される端子ボックス、等が挙げられる。
太陽電池用フロントシート20は、太陽光50が直接入射する部材であり、かつ、風雨に曝される部材である。
このため、太陽電池用フロントシート20には、高い耐候性(例えば、紫外線耐性)が要求される。また、太陽電池用フロントシート20では、基材フィルム10上に第1層11(ポリマー層)等が積層された積層構造を有しており、基材フィルム10と第1層11(ポリマー層)との間の密着性も要求される。さらに、太陽電池用フロントシート20は、太陽電池モジュール100の受光面側に配置される部材であることから高い透明性も望まれる。この点に関し、太陽電池用フロントシート20では、前述の通り、ポリエステル基材及びポリマー層の両方が、同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物を、特定範囲の含有量にて含有することにより、紫外線耐性、密着性及び透明性のいずれについても優れた効果を発揮する。
このため、太陽電池用フロントシート20には、高い耐候性(例えば、紫外線耐性)が要求される。また、太陽電池用フロントシート20では、基材フィルム10上に第1層11(ポリマー層)等が積層された積層構造を有しており、基材フィルム10と第1層11(ポリマー層)との間の密着性も要求される。さらに、太陽電池用フロントシート20は、太陽電池モジュール100の受光面側に配置される部材であることから高い透明性も望まれる。この点に関し、太陽電池用フロントシート20では、前述の通り、ポリエステル基材及びポリマー層の両方が、同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物を、特定範囲の含有量にて含有することにより、紫外線耐性、密着性及び透明性のいずれについても優れた効果を発揮する。
本開示においては、基材の2つの表面のうち、ポリマー層(第1層)及び第2層が形成される側の面を「オモテ面」ということがあり、オモテ面に対して反対側の面(必要に応じ第3層及び第4層が形成される側の面)を「ウラ面」ということがある。
以下、本開示に係る太陽電池用フロントシートの各要素について説明する。
<ポリエステル基材>
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Aを、ポリエステル基材の全質量に対して6質量%〜15質量%の範囲の含有量で含有するポリエステル基材を有する。紫外線吸収性化合物Aが有する紫外線吸収構造は、後述するポリマー層が含有する紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造と同一である。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Aを、ポリエステル基材の全質量に対して6質量%〜15質量%の範囲の含有量で含有するポリエステル基材を有する。紫外線吸収性化合物Aが有する紫外線吸収構造は、後述するポリマー層が含有する紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造と同一である。
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの含有量は、ポリエステル基材の全質量に対して、ポリエステル基材の全質量に対して6質量%〜15質量%の範囲である。紫外線吸収性化合物Aの含有量が、6質量%以上であることでポリマー層との密着性がより向上し、15質量%以下であることで透明性がより向上する。
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの含有量は、紫外線耐性、密着性及び透明性の観点から、ポリエステル基材の全質量に対して8質量%〜15質量%であることが好ましい。
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの含有量は、紫外線耐性、密着性及び透明性の観点から、ポリエステル基材の全質量に対して8質量%〜15質量%であることが好ましい。
ポリエステル基材の少なくとも一方の面には、後述する下塗り層が設けられていてもよい。ポリエステル基材としては、フィルム状の基材(即ち、基材フィルム)が好ましい。
基材フィルムの厚さは、好ましくは30μm〜500μm、より好ましくは40μm〜450μm、さらに好ましくは45μm〜400μmである。
〔紫外線吸収性化合物A〕
紫外線吸収性化合物Aとしては、ポリマー層が含有する紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造と同一の紫外線吸収構造を有し、かつポリエステル基材に含有させうる紫外線吸収性化合物であれば、特に限定されない。
紫外線吸収性化合物Aとしては、ポリマー層が含有する紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造と同一の紫外線吸収構造を有し、かつポリエステル基材に含有させうる紫外線吸収性化合物であれば、特に限定されない。
ポリエステル基材に含まれる紫外線吸収性化合物Aは、紫外線吸収構造を有する1種類の紫外線吸収性化合物であってもよいし、同一の紫外線吸収構造を有する2種類以上の紫外線吸収性化合物であってもよい。
また、ポリエステル基材は、効果を損ねない範囲において、紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Aとは異なる紫外線吸収構造を有する化合物を含有してもよいが、密着性の観点からは、紫外線吸収性化合物Aのみを含有することが好ましい。
また、ポリエステル基材は、効果を損ねない範囲において、紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Aとは異なる紫外線吸収構造を有する化合物を含有してもよいが、密着性の観点からは、紫外線吸収性化合物Aのみを含有することが好ましい。
紫外線吸収性化合物Aが有する紫外線吸収構造としては、具体的には、トリアジン構造、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造、サリチル酸エステル構造、シュウ酸ジアミド構造等挙げられ、紫外線吸収性能の点からは、トリアジン構造、ベンゾトリアゾール構造、又はベンゾフェノン構造が好ましく、密着性の観点からは、トリアジン構造がより好ましい。
以下、上記の各構造を有する紫外線吸収性化合物を、それぞれ、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸エステル化合物、及びシュウ酸ジアミド化合物と称して説明する。
トリアジン構造を有する化合物は、ポリエステル基材又はポリマー層における分散性に優れるため、ポリエステル基材又はポリマー層における化合物の偏在が効果的に抑制される。これにより、ポリエステル基材とポリマー層との密着性がより向上すると考えられる。
以下、上記の各構造を有する紫外線吸収性化合物を、それぞれ、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸エステル化合物、及びシュウ酸ジアミド化合物と称して説明する。
トリアジン構造を有する化合物は、ポリエステル基材又はポリマー層における分散性に優れるため、ポリエステル基材又はポリマー層における化合物の偏在が効果的に抑制される。これにより、ポリエステル基材とポリマー層との密着性がより向上すると考えられる。
以下に、上記のトリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸エステル化合物、及びシュウ酸ジアミド化合物の具体例を挙げるが、紫外線吸収性化合物Aはこれらに限定されない。
トリアジン化合物としては、例えば、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ)フェニル−4,6−ビス(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、等が挙げられる。
トリアジン化合物としては、例えば、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ)フェニル−4,6−ビス(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)−5’−メチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]、等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノ−2’−ヘキシルオキシカルボニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシフェノキシ)ブタン、等が挙げられる。
サリチル酸エステル化合物としては、例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、4−オクチルフェニルサリシレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシサリシレート、ヘキサデシル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシサリシレート、等が挙げられる。
シュウ酸ジアミド化合物としては、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブチルオキサニリド、等が挙げられる。
紫外線吸収性化合物Aとしては、市販品を用いてもよい。
市販品の例としては、例えば、Tinuvin479、Tinuvin477、Tinuvin400、Tinuvin(登録商標)900、Tinuvin1600(ともにBASF社製、Tinuvinは登録商標)、ADK STAB 1413((株)ADEKA)などが挙げられる。
市販品の例としては、例えば、Tinuvin479、Tinuvin477、Tinuvin400、Tinuvin(登録商標)900、Tinuvin1600(ともにBASF社製、Tinuvinは登録商標)、ADK STAB 1413((株)ADEKA)などが挙げられる。
〔ポリエステル〕
ポリエステルとしては、例えば、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが挙げられる。線状飽和ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。このうち、力学的物性やコストのバランスの点で、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
ポリエステルとしては、例えば、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが挙げられる。線状飽和ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。このうち、力学的物性やコストのバランスの点で、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
ポリエステルは、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。更に、ポリエステルに他の種類の樹脂、例えばポリイミド等を少量ブレンドしたものであってもよい。
ポリエステルを合成する場合は、例えば、(a)ジカルボン酸成分と、(b)ジオール成分とを、周知の方法でエステル化反応及びエステル交換反応の少なくとも一方の反応をさせることによって得ることができる。
(a)ジカルボン酸成分としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類;アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルインダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等の芳香族ジカルボン酸;などのジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体が挙げられる。
(b)ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香族ジオール類;等のジオール化合物が挙げられる。
〔その他の成分〕
ポリエステル基材は、カルボジイミド化合物及びケテンイミン化合物の少なくとも一方を含んでもよい。カルボジイミド化合物及びケテンイミン化合物は各々単独で使用してよく、両者を併用して用いてもよい。これにより湿熱環境下におけるポリエステルの劣化を抑制し、湿熱環境下においても高い絶縁性を保つのに有効である。
ポリエステル基材は、カルボジイミド化合物及びケテンイミン化合物の少なくとも一方を含んでもよい。カルボジイミド化合物及びケテンイミン化合物は各々単独で使用してよく、両者を併用して用いてもよい。これにより湿熱環境下におけるポリエステルの劣化を抑制し、湿熱環境下においても高い絶縁性を保つのに有効である。
〔ポリエステル基材の製造方法の一例〕
ポリエステル基材を製造する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。ポリエステル基材を構成するフィルムは、未延伸フィルムでもよく、一軸延伸、二軸延伸などの延伸フィルムでもよい。寸法安定性の観点からは、ポリエステル基材としては、二軸延伸したポリエステルフィルムを用いることが好ましい
ポリエステル基材の製造方法の一例としては、未延伸のフィルムを第1方向に延伸する工程と、第1方向に延伸されたフィルムを第1方向と直交する第2方向に延伸する工程と、熱固定処理する熱固定工程と、を含む製造方法が挙げられる。この製造方法において、第1方向に延伸する工程と第2方向に延伸する工程との間に、第1方向に延伸されたフィルムの少なくとも一方の面に、下塗り層形成用塗布液を塗布する工程を含んでいてもよい。
本開示におけるポリエステル基材は、例えば、特開2016−195165号公報に記載の基材フィルムの製造方法に準じて製造することができる。
ポリエステル基材を製造する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。ポリエステル基材を構成するフィルムは、未延伸フィルムでもよく、一軸延伸、二軸延伸などの延伸フィルムでもよい。寸法安定性の観点からは、ポリエステル基材としては、二軸延伸したポリエステルフィルムを用いることが好ましい
ポリエステル基材の製造方法の一例としては、未延伸のフィルムを第1方向に延伸する工程と、第1方向に延伸されたフィルムを第1方向と直交する第2方向に延伸する工程と、熱固定処理する熱固定工程と、を含む製造方法が挙げられる。この製造方法において、第1方向に延伸する工程と第2方向に延伸する工程との間に、第1方向に延伸されたフィルムの少なくとも一方の面に、下塗り層形成用塗布液を塗布する工程を含んでいてもよい。
本開示におけるポリエステル基材は、例えば、特開2016−195165号公報に記載の基材フィルムの製造方法に準じて製造することができる。
紫外線吸収性化合物Aは、原料ポリエステルを溶融する際に添加することで、ポリエステル基材中に含有させることができる。紫外線吸収性化合物Aの添加態様は、原料ポリエステルを溶融する際に紫外線吸収性化合物Aを直接添加する態様であってもよいし、紫外線吸収性化合物Aとポリエステルとで予め作製したマスターバッチを用いる態様あってもよい。
紫外線吸収性化合物Aの添加には、紫外線吸収性化合物Aとポリマーとの複合粒子を用いてもよい。このような複合粒子としては、後述する、紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子と同様の複合粒子を用いることができる。また、複合粒子が分散液の態様である場合には、水分散液を乾燥して用いればよい。
<ポリマー層(第1層)>
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、ポリエステル基材に接して配置され、紫外線吸収性化合物Aと同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bを、ポリマー層の全質量に対して6質量%〜25質量%の範囲で含有するポリマー層を有する。ポリマー層は、更に、バインダーポリマーを含有することが好ましく、必要に応じて、その他の添加剤を含有してもよい。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、ポリエステル基材に接して配置され、紫外線吸収性化合物Aと同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bを、ポリマー層の全質量に対して6質量%〜25質量%の範囲で含有するポリマー層を有する。ポリマー層は、更に、バインダーポリマーを含有することが好ましく、必要に応じて、その他の添加剤を含有してもよい。
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Bの含有量は、ポリマー層の全質量に対して、ポリエステル基材の全質量に対して6質量%〜25質量%の範囲である。紫外線吸収性化合物Bの含有量が、6質量%以上であることで、紫外線耐性及びポリエステル基材との密着性がより向上し、25質量%以下であることで透明性がより向上する。
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Bの含有量は、紫外線耐性、密着性及び透明性の観点から、ポリエステル基材の全質量に対して12質量%〜25質量%であることが好ましい。
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Bの含有量は、紫外線耐性、密着性及び透明性の観点から、ポリエステル基材の全質量に対して12質量%〜25質量%であることが好ましい。
本開示におけるポリマー層は、太陽電池用フロントシートにおいて、ポリエステル基材よりも太陽光の入射側に配置される層である。このため、紫外線耐性をより向上させる観点から、ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量は、ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの含有量の範囲よりも多いことが好ましい。
また、本開示に係る太陽電池用フロントシートとしては、紫外線吸収性化合物Aの含有量が、ポリエステル基材の全質量に対して8質量%〜15質量%であり、紫外線吸収性化合物Bの含有量が、ポリマー層の全質量に対して12質量%〜25質量%である態様が好ましい。
紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Bの含有量が上記の範囲であることで、紫外線耐性、密着性、及び透明性により優れる。
また、本開示に係る太陽電池用フロントシートとしては、紫外線吸収性化合物Aの含有量が、ポリエステル基材の全質量に対して8質量%〜15質量%であり、紫外線吸収性化合物Bの含有量が、ポリマー層の全質量に対して12質量%〜25質量%である態様が好ましい。
紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Bの含有量が上記の範囲であることで、紫外線耐性、密着性、及び透明性により優れる。
〔紫外線吸収性化合物B〕
ポリマー層に含まれる紫外線吸収性化合物Bは、紫外線吸収構造を有する1種類の紫外線吸収性化合物であってもよいし、同一の紫外線吸収構造を有する2種類以上の紫外線吸収性化合物であってもよい。
紫外線吸収性化合物Bはポリマーとの複合粒子の形態をとっていることが好ましい。紫外線吸収性化合物Bがポリマーとの複合粒子の形態をとっていることで、ポリマー層からの紫外線吸収性化合物Bのブリードアウトが効果的に抑制されるため好ましい。
また、ポリエステル基材は、効果を損ねない範囲において、紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Aとは異なる紫外線吸収構造を有する化合物を含有してもよいが、密着性の観点からは、紫外線吸収性化合物Bのみを含有することが好ましい。
ポリマー層に含まれる紫外線吸収性化合物Bは、紫外線吸収構造を有する1種類の紫外線吸収性化合物であってもよいし、同一の紫外線吸収構造を有する2種類以上の紫外線吸収性化合物であってもよい。
紫外線吸収性化合物Bはポリマーとの複合粒子の形態をとっていることが好ましい。紫外線吸収性化合物Bがポリマーとの複合粒子の形態をとっていることで、ポリマー層からの紫外線吸収性化合物Bのブリードアウトが効果的に抑制されるため好ましい。
また、ポリエステル基材は、効果を損ねない範囲において、紫外線吸収性化合物A及び紫外線吸収性化合物Aとは異なる紫外線吸収構造を有する化合物を含有してもよいが、密着性の観点からは、紫外線吸収性化合物Bのみを含有することが好ましい。
紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造としては、具体的には、トリアジン構造、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造、サリチル酸エステル構造、シュウ酸ジアミド構造等挙げられ、紫外線吸収性能の点からは、トリアジン構造、ベンゾトリアゾール構造、又はベンゾフェノン構造が好ましく、密着性の観点からは、トリアジン構造がより好ましい。
紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bとしては、紫外線吸収性化合物Aとして説明した、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸エステル化合物、及びシュウ酸ジアミド化合物及びその具体例が同様に挙げられる。
また、既述のとおり、紫外線吸収性化合物Bのブリードアウトをより抑制する観点からは、紫外線吸収性化合物Bは、紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子の形態をとっていることが好ましい。言い換えれば、ポリマー層は、紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子を少なくとも1種含有することが好ましい。紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子は、紫外線吸収性化合物Bがポリマーにより被覆された複合粒子の形態であることが好ましい。
紫外線吸収性化合物Bが上記複合粒子の形態をとっている場合、ポリマー層(第1層)中における紫外線吸収性化合物の濃度の均一性がより向上する。その結果、紫外線吸収性化合物Bのポリマー層からのブリードアウトをより抑制できる。
上記複合粒子に含まれるポリマーは、複合粒子を構成する成分である点で、ポリマー層に含有されるバインダーポリマーとは異なる。
上記複合粒子に含まれるポリマーは、複合粒子を構成する成分である点で、ポリマー層に含有されるバインダーポリマーとは異なる。
複合粒子に含まれるポリマーとしては、アクリルポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、シリコーン、フッ素ポリマーなどが挙げられる。
複合粒子に含まれるポリマーとしては、アクリルポリマーが特に好ましい。即ち、複合粒子としては、紫外線吸収性化合物Bとアクリルポリマーとの複合粒子であることが特に好ましい。
複合粒子に含まれるポリマーがアクリルポリマーであると、太陽電池モジュールの耐候性及び透明性が更に向上する。この理由は、複合粒子に含まれるポリマーがアクリルポリマーである場合には、複合粒子とポリマー層中に含まれうるバインダーポリマー等の他の成分との相溶性が向上し、ポリマー層中に複合粒子が均一に近い状態で分散されるためであると考えられる。
複合粒子に含まれるポリマーがアクリルポリマーであると、太陽電池モジュールの耐候性及び透明性が更に向上する。この理由は、複合粒子に含まれるポリマーがアクリルポリマーである場合には、複合粒子とポリマー層中に含まれうるバインダーポリマー等の他の成分との相溶性が向上し、ポリマー層中に複合粒子が均一に近い状態で分散されるためであると考えられる。
アクリルポリマーの意味、及び、アクリルポリマーを形成するためのモノマーの具体例については、後述するバインダーポリマーの項にて説明する。
紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子における紫外線吸収性化合物Bの含有量は、複合粒子の全量に対し、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましく、40質量%〜60質量%が特に好ましい。
紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子におけるポリマーの含有量は、複合粒子の全量に対し、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましく、40質量%〜60質量%が特に好ましい。
紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子におけるポリマーの含有量は、複合粒子の全量に対し、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましく、40質量%〜60質量%が特に好ましい。
紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子に含まれるポリマー(例えばアクリルポリマー)の重量平均分子量は、耐候性の観点から、5,000〜200,000が好ましく、7,000〜150,000がより好ましく、10,000〜100,000が更に好ましい。ポリマーの重量平均分子量は、既述の方法により測定できる。
紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子のメジアン径(D50)は、500nm未満が好ましく、400nm未満がより好ましく、150nm未満が特に好ましい。
メジアン径の下限は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。
上記メジアン径は、動的光散乱測定による粒度分布から算出される。
メジアン径の下限は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。
上記メジアン径は、動的光散乱測定による粒度分布から算出される。
紫外線吸収性化合物Bとポリマーとの複合粒子としては、市販品を用いてもよい。
上記複合粒子である紫外線吸収剤の分散液の市販品としては、例えば、Tinuvin99−DW、400−DW、477−DW、479−DW、9945−DW(ともにBASF社製、Tinuvinは登録商標)、ニューコート(登録商標)UVA−204W、UVA−101、UVA−102、UVA−103、UVA−104、バナレジン(登録商標)UVA−5080、UVA−5080(OHV20)、UVA−55T、UVA−55MHB、UVA−7075、UVA−7075(OHV20)、UVA−73T、UVA−935LH(ともに新中村化学工業(株)製)RUVA−93(大塚化学(株)製)などが挙げられる。
上記複合粒子である紫外線吸収剤の分散液の市販品としては、例えば、Tinuvin99−DW、400−DW、477−DW、479−DW、9945−DW(ともにBASF社製、Tinuvinは登録商標)、ニューコート(登録商標)UVA−204W、UVA−101、UVA−102、UVA−103、UVA−104、バナレジン(登録商標)UVA−5080、UVA−5080(OHV20)、UVA−55T、UVA−55MHB、UVA−7075、UVA−7075(OHV20)、UVA−73T、UVA−935LH(ともに新中村化学工業(株)製)RUVA−93(大塚化学(株)製)などが挙げられる。
〔バインダーポリマー〕
ポリマー層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
バインダーポリマーとしては、アクリルポリマー、ポリエステル、オレフィンポリマー、フッ素ポリマー、ウレタンポリマー、シリコーン等が挙げられ、紫外線耐性、密着性、及び透明性の観点からは、アクリルポリマー、ポリオレフィン、フッ素ポリマー、及びポリウレタンから選択される少なくとも1種が好ましい。
アクリルポリマー、ポリオレフィン、フッ素ポリマー、及びポリウレタンは、いずれも、UV光の吸収が少ないポリマーであり、ポリマー層が太陽光に曝された場合においても、層中のポリマーの分子鎖が切断されにくい。そのため、ポリエステル基材とポリマー層との間に強い界面混合を維持しうることから、密着性をより向上させることができると考えられる。また、これらのポリマーは、透明性が高く、良好なヘイズにも寄与しうる。
ポリマー層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
バインダーポリマーとしては、アクリルポリマー、ポリエステル、オレフィンポリマー、フッ素ポリマー、ウレタンポリマー、シリコーン等が挙げられ、紫外線耐性、密着性、及び透明性の観点からは、アクリルポリマー、ポリオレフィン、フッ素ポリマー、及びポリウレタンから選択される少なくとも1種が好ましい。
アクリルポリマー、ポリオレフィン、フッ素ポリマー、及びポリウレタンは、いずれも、UV光の吸収が少ないポリマーであり、ポリマー層が太陽光に曝された場合においても、層中のポリマーの分子鎖が切断されにくい。そのため、ポリエステル基材とポリマー層との間に強い界面混合を維持しうることから、密着性をより向上させることができると考えられる。また、これらのポリマーは、透明性が高く、良好なヘイズにも寄与しうる。
−アクリルポリマー−
本開示において、「アクリルポリマー」は、アクリル酸に由来する構造単位、メタクリル酸に由来する構造単位、アクリル酸エステルに由来する構造単位、及びメタクリル酸エステルに由来する構造単位からなる群から選択される少なくとも1種の構造単位を含むポリマーを指す。
アクリルポリマーの概念には、例えば、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体、アクリル酸エステルの単独重合体、メタクリル酸エステルの単独重合体、アクリル酸と他のモノマーとの共重合体、メタクリル酸と他のモノマーとの共重合体、アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体、メタクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体などが包含される。
本開示において、「アクリルポリマー」は、アクリル酸に由来する構造単位、メタクリル酸に由来する構造単位、アクリル酸エステルに由来する構造単位、及びメタクリル酸エステルに由来する構造単位からなる群から選択される少なくとも1種の構造単位を含むポリマーを指す。
アクリルポリマーの概念には、例えば、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体、アクリル酸エステルの単独重合体、メタクリル酸エステルの単独重合体、アクリル酸と他のモノマーとの共重合体、メタクリル酸と他のモノマーとの共重合体、アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体、メタクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体などが包含される。
アクリルポリマーを形成するためのモノマーとしては、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
アクリルポリマーを形成するためのモノマーとして、より具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体のモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
アクリルポリマーを形成するためのモノマーとして、より具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体のモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
アクリルポリマーが2種以上のモノマーの共重合体である場合、上記のアクリルポリマーを形成するためのモノマー以外のモノマー(他のモノマー)を共重合成分としてもよい。
他のモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなどの窒素含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンなどのスチレン骨格を有するモノマー;後述のシロキサン構造を有するモノマー;プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;リン含有ビニルモノマー;塩化ビニル、塩化ビリデンなどのハロゲン化ビニル;ブタジエンなどの共役ジエン;等が挙げられる。
他のモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなどの窒素含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンなどのスチレン骨格を有するモノマー;後述のシロキサン構造を有するモノマー;プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;リン含有ビニルモノマー;塩化ビニル、塩化ビリデンなどのハロゲン化ビニル;ブタジエンなどの共役ジエン;等が挙げられる。
アクリルポリマーは、シロキサン構造を有するアクリルポリマーを包含する。本開示におけるバインダーポリマーとしては、ポリエステル基材などの隣接する構成要素とポリマー層との接着性、及び、太陽電池用フロントシートの湿熱環境下での耐久性の観点から、シロキサン構造を有するアクリルポリマーを含むことが好ましい。
シロキサン構造を有するアクリルポリマー(以下、「シロキサン含有アクリルポリマー」又は「シロキサン含有アクリル」と称することがある)は、アクリルポリマーを形成するためのモノマーと、シロキサン構造を有するモノマーと、の共重合体であることが好ましい。
「シロキサン構造を有するアクリルポリマー」及び「シロキサン構造を有するモノマー」における「シロキサン構造」は、下記一般式(1)で表されるシロキサン構造単位を含むことが好ましい。
シロキサン構造を有するアクリルポリマー(以下、「シロキサン含有アクリルポリマー」又は「シロキサン含有アクリル」と称することがある)は、アクリルポリマーを形成するためのモノマーと、シロキサン構造を有するモノマーと、の共重合体であることが好ましい。
「シロキサン構造を有するアクリルポリマー」及び「シロキサン構造を有するモノマー」における「シロキサン構造」は、下記一般式(1)で表されるシロキサン構造単位を含むことが好ましい。
一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。ここで、R1とR2とは同一でも異なってもよく、また、複数存在するR1及びR2は各々、互いに同一でも異なってもよい。nは、1以上の整数を表す。
R1及びR2で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
R1及びR2で表される「1価の有機基」は、Si原子と共有結合可能な基である。
1価の有機基としては、例えば、アルキル基(例:メチル基、エチル基など)、アリール基(例:フェニル基など)、アラルキル基(例:ベンジル基、フェニルエチル基など)、アルコキシ基(例:メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)、アリールオキシ基(例;フェノキシ基など)、メルカプト基、アミノ基(例:アミノ基、ジエチルアミノ基など)、アミド基等が挙げられる。
これらの基は、置換基を有していてもよい。
1価の有機基としては、例えば、アルキル基(例:メチル基、エチル基など)、アリール基(例:フェニル基など)、アラルキル基(例:ベンジル基、フェニルエチル基など)、アルコキシ基(例:メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)、アリールオキシ基(例;フェノキシ基など)、メルカプト基、アミノ基(例:アミノ基、ジエチルアミノ基など)、アミド基等が挙げられる。
これらの基は、置換基を有していてもよい。
R1及びR2としては、基材フィルムなどの隣接材料との接着性の点で、各々独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、無置換の若しくは置換された炭素数1〜4のアルキル基(特にメチル基及びエチル基)、無置換の若しくは置換されたフェニル基、無置換の若しくは置換されたアルコキシ基、メルカプト基、無置換のアミノ基、又はアミド基が好ましく、無置換の又は置換されたアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)がより好ましい。
nは、1〜5000であることが好ましく、1〜1000であることがより好ましい。
シロキサン含有アクリルポリマーにおける一般式(1)で表されるシロキサン構造単位の比率は、シロキサン含有アクリルポリマーの全質量に対し、15質量%〜85質量%が好ましく、20質量%〜80質量%の範囲がより好ましい。
一般式(1)で表される構造単位の比率が15質量%以上であると、第2層との密着性がより向上し、その結果、紫外線吸収性化合物のブリードアウトがより抑制される。
一般式(1)で表される構造単位の比率が85質量%以下であると、第1層形成用塗布液を用いて第1層を形成する場合において、第1層形成用塗布液の安定性がより向上する。
一般式(1)で表される構造単位の比率が15質量%以上であると、第2層との密着性がより向上し、その結果、紫外線吸収性化合物のブリードアウトがより抑制される。
一般式(1)で表される構造単位の比率が85質量%以下であると、第1層形成用塗布液を用いて第1層を形成する場合において、第1層形成用塗布液の安定性がより向上する。
シロキサン含有アクリルポリマーの特に好ましい態様は、一般式(1)で表されるシロキサン構造単位の比率が、シロキサン含有アクリルポリマーの全質量に対して15質量%〜85質量%(好ましくは20質量%〜80質量%)であり、かつ、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルに由来する構造単位の比率が、シロキサン含有アクリルポリマーの全質量に対して85質量%〜15質量%(好ましくは80質量%〜20質量%)である態様である。
シロキサン含有アクリルポリマーを製造する方法としては、(i)アクリルポリマーを形成するモノマーの単独重合体又は共重合体と、一般式(1)で表される構造単位を有するポリシロキサンとを反応させる方法、(ii)アクリルポリマーを形成するモノマーの単独重合体又は共重合体の存在下に、R1及び/又はR2が加水分解性基である一般式(1)で表される構造単位を有するシラン化合物を加水分解縮合させる方法、等の方法を利用することができる。
(ii)の方法で用いられるシラン化合物としては、各種シラン化合物が挙げられるが、アルコキシシランが特に好ましい。
(ii)の方法で用いられるシラン化合物としては、各種シラン化合物が挙げられるが、アルコキシシランが特に好ましい。
アクリルポリマーとしては、アクリルポリマーの分散液の市販品を用いてもよい。
アクリルポリマーの分散液の市販品としては、例えば、AS−563A(ダイセルファインケム(株)製)、ジュリマー(登録商標)ET−410、同SEK−301(ともに日本純薬工業(株)製)、等が挙げられる。
シロキサン含有アクリルポリマーの分散液の市販品としては、例えば、DIC(株)製のセラネート(登録商標)シリーズ(例えば、セラネート(登録商標)WSA1070、同WSA1060等)、旭化成ケミカルズ(株)製のH7600シリーズ(H7650、H7630、H7620等)、JSR(株)製の無機・アクリル複合エマルジョン、東亞合成(株)製のサイマック(登録商標)シリーズ(GS−30等)、等が挙げられる。
アクリルポリマーの分散液の市販品としては、例えば、AS−563A(ダイセルファインケム(株)製)、ジュリマー(登録商標)ET−410、同SEK−301(ともに日本純薬工業(株)製)、等が挙げられる。
シロキサン含有アクリルポリマーの分散液の市販品としては、例えば、DIC(株)製のセラネート(登録商標)シリーズ(例えば、セラネート(登録商標)WSA1070、同WSA1060等)、旭化成ケミカルズ(株)製のH7600シリーズ(H7650、H7630、H7620等)、JSR(株)製の無機・アクリル複合エマルジョン、東亞合成(株)製のサイマック(登録商標)シリーズ(GS−30等)、等が挙げられる。
−ポリエステル−
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等が好ましい。
ポリエステルの分散液の市販品としては、例えば、バイロナール(登録商標)MD−1245(東洋紡(株)製)を好ましく用いることができる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等が好ましい。
ポリエステルの分散液の市販品としては、例えば、バイロナール(登録商標)MD−1245(東洋紡(株)製)を好ましく用いることができる。
−ポリウレタン−
ポリウレタンとしては、特に制限されず、公知のポリウレタンを用いることが可能であるが、例えば、カーボネート系ウレタン樹脂が好ましい。
カーボネート系ポリウレタンは、例えば、ポリカーボネートポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物とを反応することにより得られる。
ポリウレタンとしては、例えば、シラノール基等の硬化性基を有するポリウレタンも使用可能である。
ポリウレタンの分散液の市販品としては、例えば、スーパーフレックス(登録商標)460(第一工業製薬(株)製)、タケラックWS5100、タケラックWS4000(三井化学(株)製)を好ましく用いることができる。
ポリウレタンとしては、特に制限されず、公知のポリウレタンを用いることが可能であるが、例えば、カーボネート系ウレタン樹脂が好ましい。
カーボネート系ポリウレタンは、例えば、ポリカーボネートポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物とを反応することにより得られる。
ポリウレタンとしては、例えば、シラノール基等の硬化性基を有するポリウレタンも使用可能である。
ポリウレタンの分散液の市販品としては、例えば、スーパーフレックス(登録商標)460(第一工業製薬(株)製)、タケラックWS5100、タケラックWS4000(三井化学(株)製)を好ましく用いることができる。
−ポリオレフィン−
ポリオレフィンとしては、例えば、変性ポリオレフィン共重合体が好ましい。
ポリオレフィンの分散液の市販品としては、例えば、アローベース(登録商標)SE−1013N、SD−1010、TC−4010、TD−4010(ともにユニチカ(株)製)、ハイテックS3148、S3121、S8512(ともに東邦化学(株)製)、ケミパール(登録商標)S−120、S−75N、V100、EV210H(ともに三井化学(株)製)などを挙げることができる。その中でも、低密度ポリエチレン、アクリル酸エステル、無水マレイン酸の三元共重合体である、アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製が好ましい。
また、特開2014−76632号公報の段落〔0022〕〜〔0034〕に記載の酸変性ポリオレフィンも好ましく用いることができる。
ポリオレフィンとしては、例えば、変性ポリオレフィン共重合体が好ましい。
ポリオレフィンの分散液の市販品としては、例えば、アローベース(登録商標)SE−1013N、SD−1010、TC−4010、TD−4010(ともにユニチカ(株)製)、ハイテックS3148、S3121、S8512(ともに東邦化学(株)製)、ケミパール(登録商標)S−120、S−75N、V100、EV210H(ともに三井化学(株)製)などを挙げることができる。その中でも、低密度ポリエチレン、アクリル酸エステル、無水マレイン酸の三元共重合体である、アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製が好ましい。
また、特開2014−76632号公報の段落〔0022〕〜〔0034〕に記載の酸変性ポリオレフィンも好ましく用いることができる。
−シリコーン−
シリコーンは、分子鎖中にシロキサン構造単位を有するポリマーであり、特に制限されるものではない。
シリコーンは、シロキサン構造単位を有する化合物の単独重合体(ホモポリマー)であってもよく、シロキサン構造単位と他の構造単位(ただし、アクリル酸又はメタクリル酸に由来の構造単位は含まない)とを含む共重合体であってもよい。シロキサン構造単位と共重合する他の構造単位は、非シロキサン系の構造単位である。シロキサン構造単位としては、前述の一般式(1)で表されるシロキサン構造単位が好ましい。
シリコーンは、分子鎖中にシロキサン構造単位を有するポリマーであり、特に制限されるものではない。
シリコーンは、シロキサン構造単位を有する化合物の単独重合体(ホモポリマー)であってもよく、シロキサン構造単位と他の構造単位(ただし、アクリル酸又はメタクリル酸に由来の構造単位は含まない)とを含む共重合体であってもよい。シロキサン構造単位と共重合する他の構造単位は、非シロキサン系の構造単位である。シロキサン構造単位としては、前述の一般式(1)で表されるシロキサン構造単位が好ましい。
シリコーンにおける共重合ポリマーとしては、シロキサン化合物(ポリシロキサンを含む)と、非シロキサン系モノマー又は非シロキサン系ポリマーから選ばれる化合物とが共重合し、前述の一般式(1)で表されるシロキサン構造単位と非シロキサン系の構造単位とを有するブロック共重合体であることが好ましい。この場合、シロキサン化合物及び共重合される非シロキサン系モノマー又は非シロキサン系ポリマーは、一種単独でもよく、二種以上であってもよい。
シロキサン構造単位と共重合する非シロキサン系構造単位(非シロキサン系モノマー又は非シロキサン系ポリマーに由来)は、シロキサン構造を有していないこと以外は特に制限されるものではなく、任意のポリマーに由来のポリマーセグメントのいずれであってもよい。ポリマーセグメントの前駆体である重合体(前駆ポリマー)としては、例えば、ビニル系重合体(前述のアクリルポリマーを形成するためのモノマーの単独重合体又は共重合体は含まない)、ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体等の各種の重合体等が挙げられる。中でも、調製が容易なこと及び耐加水分解性に優れる点から、ビニル系重合体及びポリウレタン系重合体が好ましく、ビニル系重合体が特に好ましい。
ビニル系重合体の代表的な例としては、カルボン酸ビニルエステル系重合体、芳香族ビニル系重合体、フルオロオレフィン系重合体等の各種の重合体が挙げられる。
なお、非シロキサン系構造単位を構成する重合体は、一種単独でもよいし、2種以上の併用であってもよい。
なお、非シロキサン系構造単位を構成する重合体は、一種単独でもよいし、2種以上の併用であってもよい。
シリコーンの前駆ポリマーは、例えば、特開2009−52011号公報の段落〔0021〕〜〔0078〕に記載の方法を利用して製造、入手することができる。
−フッ素ポリマー−
フッ素ポリマーとしては、−(CFX1−CX2X3)−で表される構造単位を有する樹脂であれば特に制限はない(但し、X1、X2、及びX3はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1から3のパーフルオロアルキル基を示す。)。
具体的な樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(以降、PTFEと表す場合がある)、ポリフッ化ビニル(以降、PVFと表す場合がある)、ポリフッ化ビニリデン(以降、PVDFと表す場合がある)、ポリ塩化3フッ化エチレン(以降、PCTFEと表す場合がある)、ポリテトラフルオロプロピレン(以降、HFPと表す場合がある)などがある。
フッ素ポリマーとしては、−(CFX1−CX2X3)−で表される構造単位を有する樹脂であれば特に制限はない(但し、X1、X2、及びX3はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1から3のパーフルオロアルキル基を示す。)。
具体的な樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(以降、PTFEと表す場合がある)、ポリフッ化ビニル(以降、PVFと表す場合がある)、ポリフッ化ビニリデン(以降、PVDFと表す場合がある)、ポリ塩化3フッ化エチレン(以降、PCTFEと表す場合がある)、ポリテトラフルオロプロピレン(以降、HFPと表す場合がある)などがある。
フッ素ポリマーは、単独のモノマーを重合したホモポリマーでもよいし、2種類以上を共重合したものでもよい。2種類以上を共重合したものの例として、テトラフルオロエチレンとテトラフルオロプロピレンを共重合したコポリマー(P(TFE/HFP)と略記)、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンを共重合したコポリマー(P(TFE/VDF)と略記)等を挙げることができる。
さらに、フッ素ポリマーとしては、−(CFX1−CX2X3)−で表されるフッ素系構造単位と、それ以外の構造単位とを共重合した樹脂でもよい。これらの例としてテトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(以下、P(TFE/E)と略記)、テトラフルオロエチレンとプロピレンの共重合体(P(TFE/P)と略記)、テトラフルオロエチレンとビニルエーテルの共重合体(P(TFE/VE)と略記)、テトラフルオロエチレンとパーフロロビニルエーテルの共重合体(P(TFE/FVE)と略記)、クロロトリフルオロエチレンとビニルエーテルの共重合体(P(CTFE/VE)と略記)、クロロトリフルオロエチレンとパーフロロビニルエーテルの共重合体(P(CTFE/FVE)と略記)等を挙げることができる。
さらに、フッ素ポリマーとしては、−(CFX1−CX2X3)−で表されるフッ素系構造単位と、それ以外の構造単位とを共重合した樹脂でもよい。これらの例としてテトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(以下、P(TFE/E)と略記)、テトラフルオロエチレンとプロピレンの共重合体(P(TFE/P)と略記)、テトラフルオロエチレンとビニルエーテルの共重合体(P(TFE/VE)と略記)、テトラフルオロエチレンとパーフロロビニルエーテルの共重合体(P(TFE/FVE)と略記)、クロロトリフルオロエチレンとビニルエーテルの共重合体(P(CTFE/VE)と略記)、クロロトリフルオロエチレンとパーフロロビニルエーテルの共重合体(P(CTFE/FVE)と略記)等を挙げることができる。
これらのフッ素ポリマーは、有機溶媒に溶解させて用いてもよいし、水に分散させて用いてもよい。環境負荷が小さい点から後者が好ましい。フッ素ポリマーの水分散物については、例えば特開2003−231722号公報、特開2002−20409号公報、特開平9−194538号公報等に記載されている。
フッ素系ポリマーとしては、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、オブリガード PW202(登録商標)(ACCコーテック)、等が挙げられる。
〔バインダーポリマーの含有量〕
本開示におけるポリマー層は、バインダーポリマーを1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
本開示におけるポリマー層は、バインダーポリマーを、ポリマー層の全質量に対し、10質量%〜90質量%含有することが好ましく、15質量%〜70質量%含有することがより好ましい。
本開示におけるポリマー層は、バインダーポリマーを1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
本開示におけるポリマー層は、バインダーポリマーを、ポリマー層の全質量に対し、10質量%〜90質量%含有することが好ましく、15質量%〜70質量%含有することがより好ましい。
〔架橋剤に由来する構造〕
ポリマー層は、硬度及び耐久性の観点から、架橋剤に由来する構造を含んでもよい。
架橋剤は1種のみであっても2種以上であってもよい。
架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、等が挙げられる。
中でも、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、又はイソシアネート系架橋剤が好ましく、オキサゾリン系架橋剤が特に好ましい。
ポリマー層は、硬度及び耐久性の観点から、架橋剤に由来する構造を含んでもよい。
架橋剤は1種のみであっても2種以上であってもよい。
架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、等が挙げられる。
中でも、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、又はイソシアネート系架橋剤が好ましく、オキサゾリン系架橋剤が特に好ましい。
オキサゾリン系架橋剤としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2、2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド、等が挙げられる。さらに、これらの化合物の単独重合体又は共重合体も挙げられる。
オキサゾリン系架橋剤に由来する構造を含むポリマー層を形成するにあたり、オキサゾリン系架橋剤の希釈液の市販品を用いてもよい。
オキサゾリン系架橋剤の希釈液の市販品としては、例えば、エポクロス(登録商標)K−2010E、K−2020E、K−2030E、WS−500、WS−700〔いずれも日本触媒化学工業(株)製〕、等が挙げられる。
オキサゾリン系架橋剤の希釈液の市販品としては、例えば、エポクロス(登録商標)K−2010E、K−2020E、K−2030E、WS−500、WS−700〔いずれも日本触媒化学工業(株)製〕、等が挙げられる。
架橋剤に由来する構造を含むポリマー層を形成する場合の架橋剤の添加量は、ポリマー層に含まれるバインダーポリマー100質量部に対して10質量部以上40質量部以下が好ましく、より好ましくは15質量部以上35質量部以下である。
架橋剤の添加量が10質量部以上であると、ポリマー層の硬度及び接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られる。
架橋剤の添加量が40質量部以下であると、塗布液の保存安定性を長く保て、35質量部以下であると塗布面状を改良できる。
架橋剤の添加量が10質量部以上であると、ポリマー層の硬度及び接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られる。
架橋剤の添加量が40質量部以下であると、塗布液の保存安定性を長く保て、35質量部以下であると塗布面状を改良できる。
〔架橋触媒〕
ポリマー層は、バインダーポリマーと架橋剤との架橋反応を促進する観点から、架橋触媒を少なくとも1種含有してもよい。
架橋触媒としては、公知の架橋触媒を特に制限なく使用することが可能であり、例えば、オニウム化合物等が挙げられる。
ポリマー層は、バインダーポリマーと架橋剤との架橋反応を促進する観点から、架橋触媒を少なくとも1種含有してもよい。
架橋触媒としては、公知の架橋触媒を特に制限なく使用することが可能であり、例えば、オニウム化合物等が挙げられる。
〔界面活性剤〕
ポリマー層は、界面活性剤を少なくとも1種含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の公知の界面活性剤が挙げられる。
ポリマー層が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、ポリマー層の固形分量に対し、0.01質量%〜1質量%が好ましく、0.01質量%〜0.2質量%がより好ましい。
ポリマー層は、界面活性剤を少なくとも1種含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の公知の界面活性剤が挙げられる。
ポリマー層が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、ポリマー層の固形分量に対し、0.01質量%〜1質量%が好ましく、0.01質量%〜0.2質量%がより好ましい。
〔その他の成分〕
ポリマー層は、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、無機粒子、光安定剤等が挙げられる。
無機粒子としては、後述の第2層に含有され得る無機粒子と同様のものが挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等の公知の光安定剤が挙げられる。
光安定剤の市販品としては、Tinuvin(登録商標)123−DW(BASF社製)、ユーダブル(登録商標)E−771SI(日本触媒社製)等を用いることができる。
ポリマー層は、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、無機粒子、光安定剤等が挙げられる。
無機粒子としては、後述の第2層に含有され得る無機粒子と同様のものが挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等の公知の光安定剤が挙げられる。
光安定剤の市販品としては、Tinuvin(登録商標)123−DW(BASF社製)、ユーダブル(登録商標)E−771SI(日本触媒社製)等を用いることができる。
〔ポリマー層の厚み〕
本開示に係るポリマー層の厚みは、2.0μm〜60μmであることが好ましく、7.0μm〜50μmであることがより好ましく、7.0μm〜30μmであることが特に好ましい。
ポリマー層の厚みが2.0μm以上であると、紫外線を吸収するに十分な紫外線吸収剤を添加することが可能となり、ポリマー層の厚みが60μm以下であると、ポリマー層の透明性により優れる。
本開示に係るポリマー層の厚みは、2.0μm〜60μmであることが好ましく、7.0μm〜50μmであることがより好ましく、7.0μm〜30μmであることが特に好ましい。
ポリマー層の厚みが2.0μm以上であると、紫外線を吸収するに十分な紫外線吸収剤を添加することが可能となり、ポリマー層の厚みが60μm以下であると、ポリマー層の透明性により優れる。
ポリマー層の厚みは、ポリエステル基材の厚みの30%以下であることが好ましい。
ポリマー層の厚みが、ポリエステル基材の厚みの30%以下であることで、ポリマー層の形成に塗布法を適用した場合においても、カールの発生が効果的に抑制され、太陽電池用フロントシートの平坦性により優れる。
ポリマー層の厚みが、ポリエステル基材の厚みの30%以下であることで、ポリマー層の形成に塗布法を適用した場合においても、カールの発生が効果的に抑制され、太陽電池用フロントシートの平坦性により優れる。
ポリマー層及びポリエステル基材の厚みは、太陽電池用フロントシートの切片を作製し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察することにより測定することが可能である。具体的には、まず、太陽電池用フロントシートを垂直に切断して断面切片を作製する。次に、この断面切片を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、その画像から厚みを求めることにより、ポリマー層及びポリエステル基材の厚みを測定する。本開示における、ポリマー層及びポリエステル基材の厚みは、任意に選択した3箇所の厚みの算術平均値とする。
〔ポリマー層の形成方法〕
ポリマー層の形成方法は、特に制限されない。
ポリマー層の形成方法の好適な例としては、塗布法により形成する態様が挙げられる。即ち、溶媒及び上述したポリマー層の成分(固形分)を含有するポリマー層形成用塗布液を、ポリエステル基材の一方の面に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
また、ポリマー層の形成方法の他の例としては、ポリエステル基材を製造する際に、ポリマー層を共押出し法により形成する態様が挙げられる
ポリマー層の形成方法は、特に制限されない。
ポリマー層の形成方法の好適な例としては、塗布法により形成する態様が挙げられる。即ち、溶媒及び上述したポリマー層の成分(固形分)を含有するポリマー層形成用塗布液を、ポリエステル基材の一方の面に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
また、ポリマー層の形成方法の他の例としては、ポリエステル基材を製造する際に、ポリマー層を共押出し法により形成する態様が挙げられる
本開示におけるポリマー層は、塗布層であることが好ましい。ポリマー層が塗布層であることで、ポリエステル基材とポリマー層との密着性がより向上する。これは、ポリマー層形成用塗布液に含まれる溶媒により、基材表面近傍に存在するポリエステルの分子鎖が膨張し、その結果、ポリエステル基材とポリマー層との界面において分子鎖同士の絡み合いが生じやすくなり、密着性がより向上するためと考えられる。
ポリマー層形成用塗布液に含まれる溶媒には特に制限はない。
溶媒は、水でもよいし、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶媒でもよい。環境負荷の観点から、水が好ましい。溶媒中の水の割合は60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
ポリマー層形成用塗布液の固形分量に対する各成分の含有量の好ましい範囲は、ポリマー層の固形分量に対する各成分の含有量の好ましい範囲と同様である。
溶媒は、水でもよいし、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶媒でもよい。環境負荷の観点から、水が好ましい。溶媒中の水の割合は60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
ポリマー層形成用塗布液の固形分量に対する各成分の含有量の好ましい範囲は、ポリマー層の固形分量に対する各成分の含有量の好ましい範囲と同様である。
ポリマー層形成用塗布液を塗布する塗布方法には、特に制限はない。
塗布方法としては、グラビアコーター、バーコーター、ロールコーター、スピンコーター、カーテンコーターなどの塗布装置を用いた塗布方法が挙げられる。
塗布方法としては、グラビアコーター、バーコーター、ロールコーター、スピンコーター、カーテンコーターなどの塗布装置を用いた塗布方法が挙げられる。
ポリマー層形成用塗布液を乾燥させる乾燥方法にも特に制限はなく、公知の方法を適宜適用できる。
乾燥温度として、好ましくは100℃〜200℃であり、より好ましくは140℃〜190℃である。
乾燥時間として、好ましくは0.1分間〜10分間であり、より好ましくは0.2分間〜5分間である。
乾燥温度として、好ましくは100℃〜200℃であり、より好ましくは140℃〜190℃である。
乾燥時間として、好ましくは0.1分間〜10分間であり、より好ましくは0.2分間〜5分間である。
また、ポリマー層の形成前に、基材に表面処理(火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等)を実施してもよい。
<第2層>
本開示の太陽電池用透明シートは、ポリマー層上に、さらに、第2層(例えば、上述の第2層12)を有することが好ましい。
第2層は、ポリマー層(第1層)上に配置される層(好ましくは最表面層)であり、ポリマー層及び基材を保護する(例えば、ポリマー層及び基材の傷つきを抑制する)機能を有する層(いわゆるハードコート層)であることが好ましい。
本開示の太陽電池用透明シートは、ポリマー層上に、さらに、第2層(例えば、上述の第2層12)を有することが好ましい。
第2層は、ポリマー層(第1層)上に配置される層(好ましくは最表面層)であり、ポリマー層及び基材を保護する(例えば、ポリマー層及び基材の傷つきを抑制する)機能を有する層(いわゆるハードコート層)であることが好ましい。
第2層は、シロキサン樹脂を少なくとも1種含有することが好ましい。
第2層がシロキサン樹脂を少なくとも1種含有することにより、第2層の耐傷性(例えば、引っ掻き、擦過等の外力に対する耐傷性)が確保され得る。また、第2層がシロキサン樹脂を含有することにより、第2層の透明性も確保され得る。
第2層がシロキサン樹脂を少なくとも1種含有することにより、第2層の耐傷性(例えば、引っ掻き、擦過等の外力に対する耐傷性)が確保され得る。また、第2層がシロキサン樹脂を含有することにより、第2層の透明性も確保され得る。
〔シロキサン樹脂〕
第2層に含有されるシロキサン樹脂としては、下記式S1により表される構成単位、及び、下記式S2により表される構成単位を含む化合物であることが好ましい。なお、本開示におけるシロキサンには、後記する無機粒子であるシリカ粒子は含まない。
第2層に含有されるシロキサン樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[*−SiO3/2] 式S1
[SiO4/2] 式S2
式S1中、*は他の構造との結合部位を表す。ただし、上記結合部位において、式S1中のSi原子が、O原子と直接結合することはない。
第2層に含有されるシロキサン樹脂としては、下記式S1により表される構成単位、及び、下記式S2により表される構成単位を含む化合物であることが好ましい。なお、本開示におけるシロキサンには、後記する無機粒子であるシリカ粒子は含まない。
第2層に含有されるシロキサン樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[*−SiO3/2] 式S1
[SiO4/2] 式S2
式S1中、*は他の構造との結合部位を表す。ただし、上記結合部位において、式S1中のSi原子が、O原子と直接結合することはない。
式S1により表される構成単位は、後述する3官能以下のアルコキシシランに含まれる、3官能のアルコキシシランに由来する構成単位であることが好ましい。すなわち、*に含まれる構造は、後述するRs3に由来する構造であることが好ましい。
式S2により表される構成単位は、後述する4官能のアルコキシシランに由来する構成単位であることが好ましい。
式S2により表される構成単位は、後述する4官能のアルコキシシランに由来する構成単位であることが好ましい。
第2層の鉛筆硬度が向上しやすい観点から上記シロキサン樹脂における、式S1により表される構成単位中のSi原子モル量が、式S2により表される構成単位中のSi原子のモル量に対し、1.0〜7.5倍であることが好ましく、1.5倍〜4.5倍であることがより好ましい。
式S1により表される構成単位を2種以上含む場合には、「式S1により表される構成単位のSi原子モル量」は、2種以上の式S1により表される構成単位の合計Si原子モル量を意味する。
式S2により表される構成単位を2種以上含む場合には、「式S2により表される構成単位のSi原子モル量」は、2種以上の式S2により表される構成単位の合計Si原子モル量を意味する。
第2層のシロキサン樹脂における、式S1により表される構成単位のSi原子モル量は、式S2により表される構成単位のSi原子モル量に対し、1.0倍以上であると、シロキサン樹脂の靱性が向上し、割れにくい第2層が得られる。
第2層のシロキサン樹脂における、式S1により表される構成単位のSi原子モル量は、式S2により表される構成単位のSi原子モル量に対し、7.5倍以下であると、シロキサン樹脂の硬さが向上し、第2層の鉛筆硬度が向上する。
第2層のシロキサン樹脂に含まれる全Si原子モル量に対する、式S1により表される構成単位のSi原子モル量と、式S2により表される構成単位のSi原子モル量との合計値は、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、100モル%であることが特に好ましい。
第2層のシロキサン樹脂における式S1により表される構成単位のSi原子モル量、及び、式S2により表される構成単位のSi原子モル量は、第2層からシロキサン樹脂をサンプリングし、これを29Si−NMRにて分析し、三官能および四官能シロキサンのピーク強度により測定可能である。なお測定サンプルは第2層の表面から膜厚の50%までの範囲を削り取り、そこから10mgを使用する。
式S1により表される構成単位を2種以上含む場合には、「式S1により表される構成単位のSi原子モル量」は、2種以上の式S1により表される構成単位の合計Si原子モル量を意味する。
式S2により表される構成単位を2種以上含む場合には、「式S2により表される構成単位のSi原子モル量」は、2種以上の式S2により表される構成単位の合計Si原子モル量を意味する。
第2層のシロキサン樹脂における、式S1により表される構成単位のSi原子モル量は、式S2により表される構成単位のSi原子モル量に対し、1.0倍以上であると、シロキサン樹脂の靱性が向上し、割れにくい第2層が得られる。
第2層のシロキサン樹脂における、式S1により表される構成単位のSi原子モル量は、式S2により表される構成単位のSi原子モル量に対し、7.5倍以下であると、シロキサン樹脂の硬さが向上し、第2層の鉛筆硬度が向上する。
第2層のシロキサン樹脂に含まれる全Si原子モル量に対する、式S1により表される構成単位のSi原子モル量と、式S2により表される構成単位のSi原子モル量との合計値は、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、100モル%であることが特に好ましい。
第2層のシロキサン樹脂における式S1により表される構成単位のSi原子モル量、及び、式S2により表される構成単位のSi原子モル量は、第2層からシロキサン樹脂をサンプリングし、これを29Si−NMRにて分析し、三官能および四官能シロキサンのピーク強度により測定可能である。なお測定サンプルは第2層の表面から膜厚の50%までの範囲を削り取り、そこから10mgを使用する。
シロキサン樹脂は、分子鎖中に(ポリ)シロキサン構造単位を有するポリマーであり、特に制限されるものではない。
第2層に含有されるシロキサン樹脂は、シロキサン樹脂の架橋度合いをより調整しやすい点から、3官能以下のアルコキシシランと4官能のアルコキシシランとの加水分解縮合物を含むことが好ましい。
第2層に含有されるシロキサン樹脂は、シロキサン樹脂の架橋度合いをより調整しやすい点から、3官能以下のアルコキシシランと4官能のアルコキシシランとの加水分解縮合物を含むことが好ましい。
第2層に含有されるシロキサン樹脂の少なくとも1種は、4官能のアルコキシシランと、この4官能のアルコキシシランの質量に対して1.4倍〜10倍の質量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物を含むことがより好ましく、4官能のアルコキシシランと、上記4官能のアルコキシシランの質量に対して2.0倍〜6.0倍の質量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物を含むことが更に好ましい。
この態様において、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシランは、それぞれ、1種のみであっても2種以上であってもよい。
4官能のアルコキシシランが2種以上である場合には、「4官能のアルコキシシランの量」は、2種以上の4官能のアルコキシシランの合計量を意味する。
3官能以下のアルコキシシランが2種以上である場合には、「3官能以下のアルコキシシランの量」は、2種以上の3官能以下のアルコキシシランの合計量を意味する。
この態様において、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシランは、それぞれ、1種のみであっても2種以上であってもよい。
4官能のアルコキシシランが2種以上である場合には、「4官能のアルコキシシランの量」は、2種以上の4官能のアルコキシシランの合計量を意味する。
3官能以下のアルコキシシランが2種以上である場合には、「3官能以下のアルコキシシランの量」は、2種以上の3官能以下のアルコキシシランの合計量を意味する。
以下、4官能のアルコキシシランと、この4官能のアルコキシシランの量に対してX質量倍〜Y質量倍(例えば、1.4質量倍〜10質量倍)の量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物であるシロキサン樹脂を、「質量比〔3官能以下/4官能〕がX〜Yであるシロキサン樹脂」(例えば、質量比〔3官能以下/4官能〕が1.4〜10であるシロキサン樹脂)ともいう。
質量比〔3官能以下/4官能〕が1.4以上であると、シロキサン樹脂の靱性が向上し、第2層が割れにくくなる。
質量比〔3官能以下/4官能〕が10以下であると、シロキサン樹脂の硬さが向上し、第2層の鉛筆硬度がより向上する。
第2層に含有される全てのシロキサン樹脂に占める質量比〔3官能以下/4官能〕が1.4〜10であるシロキサンの割合は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
質量比〔3官能以下/4官能〕が10以下であると、シロキサン樹脂の硬さが向上し、第2層の鉛筆硬度がより向上する。
第2層に含有される全てのシロキサン樹脂に占める質量比〔3官能以下/4官能〕が1.4〜10であるシロキサンの割合は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
上述した質量比〔3官能以下/4官能〕が1.4〜10であるシロキサンにおける質量比〔3官能以下/4官能〕は、第2層が割れにくくなる観点及び鉛筆硬度の向上の観点から、2.0〜6.0であることが好ましい。
言い換えれば、第2層をより割れにくくし、鉛筆硬度をより向上させる観点から、第2層に含有されるシロキサンの少なくとも1種は、4官能のアルコキシシランと、この4官能のアルコキシシランの全質量に対して2.0倍〜6.0倍の質量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物(即ち、質量比〔3官能以下/4官能〕が2.0〜6.0であるシロキサン)であることが好ましい。
この場合、第2層に含有される全てのシロキサンに占める質量比〔3官能以下/4官能〕が2.0〜6.0であるシロキサンの割合は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
言い換えれば、第2層をより割れにくくし、鉛筆硬度をより向上させる観点から、第2層に含有されるシロキサンの少なくとも1種は、4官能のアルコキシシランと、この4官能のアルコキシシランの全質量に対して2.0倍〜6.0倍の質量の3官能以下のアルコキシシランと、の加水分解縮合物(即ち、質量比〔3官能以下/4官能〕が2.0〜6.0であるシロキサン)であることが好ましい。
この場合、第2層に含有される全てのシロキサンに占める質量比〔3官能以下/4官能〕が2.0〜6.0であるシロキサンの割合は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
本明細書において、4官能のアルコキシシランとは、一分子中において、ケイ素原子に直接結合するアルコキシ基の数が4個であるアルコキシシランを意味する。
本明細書において、3官能以下のアルコキシシランとは、一分子中において、ケイ素原子に直接結合するアルコキシ基の数が1個以上3個以下であるアルコキシシランを意味する。
本明細書において、3官能以下のアルコキシシランとは、一分子中において、ケイ素原子に直接結合するアルコキシ基の数が1個以上3個以下であるアルコキシシランを意味する。
−4官能のアルコキシシラン−
4官能のアルコキシシランとしては特に制限はないが、下記一般式(a)で表されるアルコキシシランが好ましい。
4官能のアルコキシシランとしては特に制限はないが、下記一般式(a)で表されるアルコキシシランが好ましい。
Si(ORS1)4 … 一般式(a)
一般式(a)において、4つのRS1は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
4つのRS1は、それぞれ独立に、炭素数1〜4(より好ましくは1〜3、特に好ましくは1又は2)のアルキル基が好ましい。
4つのRS1は、それぞれ独立に、炭素数1〜4(より好ましくは1〜3、特に好ましくは1又は2)のアルキル基が好ましい。
4官能アルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシラン、メトキシトリエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、メトキシトリプロポキシシラン、エトキシトリプロポキシシラン、プロポキシトリメトキシシラン、プロポキシトリエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられる。
中でも、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランが好ましい。
中でも、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランが好ましい。
−3官能以下のアルコキシシラン−
3官能以下のアルコキシシランとしては特に制限はないが、下記一般式(b)で表されるアルコキシシランが好ましい。
3官能以下のアルコキシシランとしては特に制限はないが、下記一般式(b)で表されるアルコキシシランが好ましい。
RS3 4−nSi(ORS2)n … 一般式(b)
一般式(b)において、nは、1〜3の整数を表す。
RS2は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
nが2又は3である場合、複数のRS2は、同一であっても異なっていてもよい。
RS3は、炭素数1〜15の有機基を表す。
4−nが2又は3である場合、複数のRS3は、同一であっても異なっていてもよい。
RS2は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
nが2又は3である場合、複数のRS2は、同一であっても異なっていてもよい。
RS3は、炭素数1〜15の有機基を表す。
4−nが2又は3である場合、複数のRS3は、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(b)中のRS2の好ましい態様は、一般式(a)中のRS1の好ましい態様と同様である。
一般式(b)中のnは、2又は3であることが好ましく、3であることが特に好ましい。
一般式(b)中のRS3は、炭素数1〜15の有機基を表す。
RS3の炭素数が1〜15であることにより、第2層の硬度、及び、第2層とポリマー層との密着性が向上する。
RS3で表される有機基は、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を有してもよい。RS3で表される有機基がヘテロ原子を有することにより、第2層とポリマー層との密着性をより向上させることができる。
RS3で表される有機基としては、
置換又は無置換の炭化水素基が好ましく、
置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は、置換若しくは無置換のアリール基がより好ましい。
RS3の炭素数が1〜15であることにより、第2層の硬度、及び、第2層とポリマー層との密着性が向上する。
RS3で表される有機基は、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を有してもよい。RS3で表される有機基がヘテロ原子を有することにより、第2層とポリマー層との密着性をより向上させることができる。
RS3で表される有機基としては、
置換又は無置換の炭化水素基が好ましく、
置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は、置換若しくは無置換のアリール基がより好ましい。
RS3で表される有機基は、エポキシ基を含むことが好ましい。
RS3で表される有機基は、エポキシ基を含む置換基によって置換された炭化水素基であることがより好ましく、エポキシ基を含む置換基によって置換されたアルキル基であることが更に好ましい。
エポキシ基を含む置換基としては、エポキシ基、グリシジル基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、等が挙げられる。
RS3で表される有機基は、エポキシ基を含む置換基によって置換された炭化水素基であることがより好ましく、エポキシ基を含む置換基によって置換されたアルキル基であることが更に好ましい。
エポキシ基を含む置換基としては、エポキシ基、グリシジル基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、等が挙げられる。
RS3で表される有機基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、(メタ)アクリロイル基などを含んでいてもよい。
RS3で表される有機基は、アミノ基を含まないことが好ましい。
その理由は、RS3で表される有機基がアミノ基を含む場合において、4官能のアルコキシシランと3官能以下のアルコキシシランとを混合して加水分解すると、生成するシラノール同士で脱水縮合が促進され、反応液が不安定となる場合があるためである。
その理由は、RS3で表される有機基がアミノ基を含む場合において、4官能のアルコキシシランと3官能以下のアルコキシシランとを混合して加水分解すると、生成するシラノール同士で脱水縮合が促進され、反応液が不安定となる場合があるためである。
3官能以下のアルコキシシランは、上述のとおり、エポキシ基を含むことが好ましい。
エポキシ基を含む3官能以下のアルコキシシランの具体例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、等が挙げられる。
エポキシ基を含む3官能以下のアルコキシシランの市販品としては、KBE−403(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
エポキシ基を含む3官能以下のアルコキシシランの具体例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、等が挙げられる。
エポキシ基を含む3官能以下のアルコキシシランの市販品としては、KBE−403(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
エポキシ基を含まない3官能以下のアルコキシシランの具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、等が挙げられる。
エポキシ基を含まない3官能以下のアルコキシシランの市販品としては、KBE−13(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
エポキシ基を含まない3官能以下のアルコキシシランの市販品としては、KBE−13(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
第2層に含有されるシロキサン樹脂の含有量は、第2層の固形分量に対し、20質量%〜80質量%が好ましく、20質量%〜70質量%がより好ましく、20質量%〜60質量%が特に好ましい。
〔無機粒子〕
第2層は、第2層の硬度をより向上させる観点から、無機粒子を少なくとも1種含有することが好ましい。
無機粒子としては、第2層の硬度をより向上させる観点から、金属酸化物粒子及び無機窒化物粒子よりなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子が好ましい。
第2層は、第2層の硬度をより向上させる観点から、無機粒子を少なくとも1種含有することが好ましい。
無機粒子としては、第2層の硬度をより向上させる観点から、金属酸化物粒子及び無機窒化物粒子よりなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子が好ましい。
金属酸化物粒子としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子等が挙げられる。
無機窒化物粒子としては、窒化ホウ素粒子等が挙げられる。
無機窒化物粒子としては、窒化ホウ素粒子等が挙げられる。
無機粒子は、第2層中のシロキサン樹脂との架橋の観点から、シリカ粒子を含むことが好ましく、シリカ粒子からなることが特に好ましい。
シリカ粒子としては、四塩化ケイ素の燃焼によって製造される乾燥粉末状のシリカ;二酸化ケイ素又はその水和物が水に分散したコロイダルシリカ;等が挙げられる。
乾燥粉末状のシリカを用いる場合は、超音波分散機等を用いて水に分散させることで用いることができる。
シリカ粒子は特に限定されないが、具体的には、シーホスターKE−P10などのシーホスターシリーズ((株)日本触媒製)、スノーテックス(登録商標)OZL−35などのスノーテックス(登録商標)シリーズ(日産化学工業(株)製)、等が挙げられる。
乾燥粉末状のシリカを用いる場合は、超音波分散機等を用いて水に分散させることで用いることができる。
シリカ粒子は特に限定されないが、具体的には、シーホスターKE−P10などのシーホスターシリーズ((株)日本触媒製)、スノーテックス(登録商標)OZL−35などのスノーテックス(登録商標)シリーズ(日産化学工業(株)製)、等が挙げられる。
無機粒子の数平均粒径は、300nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、100nm以下が特に好ましい。
無機粒子の数平均粒径が300nm以下であると、表面が平滑な第2層が得られる。
一方、無機粒子の数平均粒径は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
無機粒子の数平均粒径が5nm以上であると、第2層の硬度をより向上させることができる。
無機粒子の数平均粒径が300nm以下であると、表面が平滑な第2層が得られる。
一方、無機粒子の数平均粒径は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
無機粒子の数平均粒径が5nm以上であると、第2層の硬度をより向上させることができる。
〔紫外線吸収性化合物〕
第2層は紫外線吸収性化合物を含有してもよい。有機、無機いずれの紫外線吸収性化合物も好適に使用できる。
第2層が含有する紫外線吸収性化合物は、ポリマー層(第1層)が含有する紫外線吸収性化合物と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし、発電効率の低下を抑制する観点から、1次粒子径が100nm未満である微粒子無機化合物が好ましく、微粒子酸化チタンが特に好ましい。
第2層は紫外線吸収性化合物を含有してもよい。有機、無機いずれの紫外線吸収性化合物も好適に使用できる。
第2層が含有する紫外線吸収性化合物は、ポリマー層(第1層)が含有する紫外線吸収性化合物と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし、発電効率の低下を抑制する観点から、1次粒子径が100nm未満である微粒子無機化合物が好ましく、微粒子酸化チタンが特に好ましい。
〔金属錯体〕
第2層は、硬化剤として金属錯体を含むことが好ましい。
金属錯体としては、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、チタン、銅、コバルト、亜鉛、ハフニウム及びジルコニウムよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む金属錯体が好ましい。
第2層は、硬化剤として金属錯体を含むことが好ましい。
金属錯体としては、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、チタン、銅、コバルト、亜鉛、ハフニウム及びジルコニウムよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む金属錯体が好ましい。
金属錯体は、金属アルコキシドにキレート化剤を反応させることにより容易に得ることができる。
キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン;アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ−ケト酸エステル;などを用いることができる。
金属錯体としては、アルミニウムキレート錯体が好ましい。
キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン;アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ−ケト酸エステル;などを用いることができる。
金属錯体としては、アルミニウムキレート錯体が好ましい。
金属錯体の例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート錯体;
エチルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)等のマグネシウムキレート錯体;
ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート)等のジルコニウムキレート錯体;
マンガンアセチルアセトナート等のマンガンキレート錯体;
コバルトアセチルアセトナート等のコバルトキレート錯体;
銅アセチルアセトナート等の銅キレート錯体;
チタンアセチルアセトナート、チタンオキシアセチルアセトナート等のチタンキレート錯体;
等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、又はジルコニウムテトラアセチルアセトナートである。保存安定性、入手容易さを考慮すると、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、又はアルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)が特に好ましい。
エチルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)等のマグネシウムキレート錯体;
ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート)等のジルコニウムキレート錯体;
マンガンアセチルアセトナート等のマンガンキレート錯体;
コバルトアセチルアセトナート等のコバルトキレート錯体;
銅アセチルアセトナート等の銅キレート錯体;
チタンアセチルアセトナート、チタンオキシアセチルアセトナート等のチタンキレート錯体;
等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、又はジルコニウムテトラアセチルアセトナートである。保存安定性、入手容易さを考慮すると、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、又はアルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)が特に好ましい。
金属錯体の溶液の市販品としては、アルミキレートA(W)、アルミキレートD、アルミキレートM(川研ファインケミカル(株)製)などが挙げられる。
第2層中における金属錯体の含有量は、シロキサン樹脂の全量に対して5質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%がさらに好ましい。
金属錯体を上記下限値以上用いることにより、シラノールの脱水縮合の反応速度を適切な速度とすることができ、厚さの均一性に優れ、アルカリ耐性の高い第2層とすることができる。
金属錯体を上記下限値以上用いることにより、シラノールの脱水縮合の反応速度を適切な速度とすることができ、厚さの均一性に優れ、アルカリ耐性の高い第2層とすることができる。
〔その他の成分〕
第2層は、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。
例えば、第2層は、界面活性剤を少なくとも1種含有していてもよい。
これにより、第2層の表面の滑り性が向上し、第2層表面の摩擦が軽減される。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
第2層は、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。
例えば、第2層は、界面活性剤を少なくとも1種含有していてもよい。
これにより、第2層の表面の滑り性が向上し、第2層表面の摩擦が軽減される。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤の含有量は、第2層の固形分量に対して、好ましくは0.001質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.01質量%〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1質量%〜1質量%である。
界面活性剤の含有量は、第2層の固形分量に対して、好ましくは0.001質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.01質量%〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1質量%〜1質量%である。
第2層(又は第2層形成用塗布液)は、pH調整剤を含有していてもよい。
pH調整剤としては、硝酸、シュウ酸、酢酸、蟻酸、塩酸などの酸、及び、アンモニア、トリエチルアミン、エチレンジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリが挙げられる。
pH調整剤としては、硝酸、シュウ酸、酢酸、蟻酸、塩酸などの酸、及び、アンモニア、トリエチルアミン、エチレンジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリが挙げられる。
第2層の厚さは、0.15μm〜3μmが好ましく、0.2μm〜2.5μmがより好ましく、0.3μm〜2μmがさらに好ましい。
第2層の厚さが0.15μm以上であると、ポリマー層中の紫外線吸収性化合物のブリードアウト抑制の効果がより効果的に得られ、太陽電池用フロントシートの長期間の耐候性がより向上する。また、第2層表面の硬度の面でも有利である。
第2層の厚さが3μm以下であると、太陽電池用フロントシートの透明性及び取り扱い性がより向上する。
第2層の厚さが0.15μm以上であると、ポリマー層中の紫外線吸収性化合物のブリードアウト抑制の効果がより効果的に得られ、太陽電池用フロントシートの長期間の耐候性がより向上する。また、第2層表面の硬度の面でも有利である。
第2層の厚さが3μm以下であると、太陽電池用フロントシートの透明性及び取り扱い性がより向上する。
〔第2層の形成方法〕
第2層の形成方法は、特に制限されない。
第2層の形成方法としては、例えば、溶媒及びアルコキシシランの加水分解物を含有する第2層形成用塗布液を、ポリマー層上に塗布し、乾燥させることにより、アルコキシシランの加水分解縮合物であるシロキサン樹脂を含有する第2層を形成する方法が挙げられる。
第2層形成用塗布液における溶媒、並びに、第2層形成用塗布液の塗布方法及び乾燥方法については、上述したポリマー層形成用塗布液における溶媒、並びに、ポリマー層形成用塗布液の塗布方法及び塗布方法と同様である。
第2層の形成方法は、特に制限されない。
第2層の形成方法としては、例えば、溶媒及びアルコキシシランの加水分解物を含有する第2層形成用塗布液を、ポリマー層上に塗布し、乾燥させることにより、アルコキシシランの加水分解縮合物であるシロキサン樹脂を含有する第2層を形成する方法が挙げられる。
第2層形成用塗布液における溶媒、並びに、第2層形成用塗布液の塗布方法及び乾燥方法については、上述したポリマー層形成用塗布液における溶媒、並びに、ポリマー層形成用塗布液の塗布方法及び塗布方法と同様である。
第2層形成用塗布液の調製方法としては、アルコキシシラン(例えば、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシラン)を加水分解させ、得られたアルコキシシランの加水分解物を含有する第2層形成用塗布液を得る方法が好ましい。
アルコキシシランの加水分解物以外の成分(例えば、無機粒子、金属錯体、界面活性剤、シリコーン粒子(例えば信越化学工業(株)製のシリコーンパウダー)等)を含む第2層形成用塗布液を調製する場合には、上記の調製方法において、アルコキシシランの加水分解前、アルコキシシランの加水分解中、及びアルコキシシランの加水分解後の少なくとも1つの段階(好ましくはアルコキシシランの加水分解後の段階)で、上記アルコキシシランの加水分解物以外の成分を添加する。
この第2層の形成方法の例では、得られた第2層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより、アルコキシシランの加水分解縮合物であるシロキサン樹脂(及び、必要に応じその他の成分)を含有する第2層を形成する。
アルコキシシランの加水分解物以外の成分(例えば、無機粒子、金属錯体、界面活性剤、シリコーン粒子(例えば信越化学工業(株)製のシリコーンパウダー)等)を含む第2層形成用塗布液を調製する場合には、上記の調製方法において、アルコキシシランの加水分解前、アルコキシシランの加水分解中、及びアルコキシシランの加水分解後の少なくとも1つの段階(好ましくはアルコキシシランの加水分解後の段階)で、上記アルコキシシランの加水分解物以外の成分を添加する。
この第2層の形成方法の例では、得られた第2層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより、アルコキシシランの加水分解縮合物であるシロキサン樹脂(及び、必要に応じその他の成分)を含有する第2層を形成する。
第2層形成用塗布液の調製時における、アルコキシシランの使用量(例えば、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシランの総使用量)は、第2層形成用塗布液の固形分量に対し、20質量%〜80質量%が好ましく、20質量%〜70質量%がより好ましく、30質量%〜70質量%が特に好ましい。
第2層形成用塗布液の調製時における、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシランの使用量比(質量比)の好ましい範囲は、上述のシロキサン樹脂(即ち、アルコキシシランの加水分解縮合物)の質量比〔3官能以下/4官能〕の好ましい範囲と同様である。
上述の無機粒子を含有する第2層を形成する場合、第2層形成用塗布液における無機粒子の含有量は、第2層形成用塗布液の固形分量に対し、5質量%〜60質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましく、20質量%〜50質量%であることが特に好ましい。
上述の金属錯体を含有する第2層を形成する場合、第2層形成用塗布液における金属錯体の含有量は、第2層形成用塗布液におけるアルコキシシランの総量に対し、5質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%がさらに好ましい。金属錯体を上記下限値以上用いることにより、シラノールの脱水縮合の反応速度を適切な速度とすることができ、厚さが均一でアルカリ耐性の高い第2層を形成することができる。
上述の界面活性剤を含有する第2層を形成する場合、第2層形成用塗布液における界面活性剤の含有量は、第2層の固形分量に対して、好ましくは0.001質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.01質量%〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1質量%〜1質量%である。
第2層形成用塗布液の調製時における、4官能のアルコキシシラン及び3官能以下のアルコキシシランの使用量比(質量比)の好ましい範囲は、上述のシロキサン樹脂(即ち、アルコキシシランの加水分解縮合物)の質量比〔3官能以下/4官能〕の好ましい範囲と同様である。
上述の無機粒子を含有する第2層を形成する場合、第2層形成用塗布液における無機粒子の含有量は、第2層形成用塗布液の固形分量に対し、5質量%〜60質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましく、20質量%〜50質量%であることが特に好ましい。
上述の金属錯体を含有する第2層を形成する場合、第2層形成用塗布液における金属錯体の含有量は、第2層形成用塗布液におけるアルコキシシランの総量に対し、5質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%がさらに好ましい。金属錯体を上記下限値以上用いることにより、シラノールの脱水縮合の反応速度を適切な速度とすることができ、厚さが均一でアルカリ耐性の高い第2層を形成することができる。
上述の界面活性剤を含有する第2層を形成する場合、第2層形成用塗布液における界面活性剤の含有量は、第2層の固形分量に対して、好ましくは0.001質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.01質量%〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1質量%〜1質量%である。
<裏面層>
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、基材のポリマー層側(即ち、基材のオモテ面側)とは反対側(即ち、基材のウラ面側)に、裏面層を備えていてもよい。
裏面層は、例えば、太陽電池モジュールにおける封止材(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む封止材)との密着用の層として機能する。
裏面層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
裏面層は、1層のみであっても2層以上であってもよい。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、基材のポリマー層側(即ち、基材のオモテ面側)とは反対側(即ち、基材のウラ面側)に、裏面層を備えていてもよい。
裏面層は、例えば、太陽電池モジュールにおける封止材(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む封止材)との密着用の層として機能する。
裏面層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
裏面層は、1層のみであっても2層以上であってもよい。
例えば、太陽電池用フロントシートは、基材のウラ面側に、裏面層として、第3層(例えば、上述の第3層13)及び第4層(例えば、上述の第4層14)をこの順に備えることができる。
以下、太陽電池用フロントシートに、必要に応じて備えられる第3層及び第4層について説明する。
以下、太陽電池用フロントシートに、必要に応じて備えられる第3層及び第4層について説明する。
<第3層>
第3層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
第3層に含有され得るバインダーポリマーとしては、ポリマー層におけるバインダーポリマーと同様のものが挙げられる。
第3層に含有され得るバインダーポリマーとしては、太陽電池モジュールに適用した場合における封止材との密着性の観点から、アクリルポリマーが好ましく、スチレン骨格を含むアクリルポリマーがより好ましい。
第3層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
第3層に含有され得るバインダーポリマーとしては、ポリマー層におけるバインダーポリマーと同様のものが挙げられる。
第3層に含有され得るバインダーポリマーとしては、太陽電池モジュールに適用した場合における封止材との密着性の観点から、アクリルポリマーが好ましく、スチレン骨格を含むアクリルポリマーがより好ましい。
スチレン骨格を含むアクリルポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する構造単位と、スチレン骨格を有するモノマー(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンなど)に由来する構造単位と、を含むポリマーが好ましい。
スチレン骨格を含むアクリルポリマーの分散液の市販品としては、例えば、AS−563A(ダイセルファインケム(株)製)、等が挙げられる。
スチレン骨格を含むアクリルポリマーの分散液の市販品としては、例えば、AS−563A(ダイセルファインケム(株)製)、等が挙げられる。
第3層は、紫外線吸収性化合物を含有してもよい。
第3層に含有され得る紫外線吸収性化合物としては、第2層の紫外線吸収性化合物と同様のものが挙げられる。
第3層に含有され得る紫外線吸収性化合物としては、第2層の紫外線吸収性化合物と同様のものが挙げられる。
第3層は、架橋剤に由来する構造、及び、架橋触媒を含有することができる。
架橋剤及び架橋触媒についても、ポリマー層における架橋剤及び架橋触媒と同様のものが挙げられる。
その他、第3層に含有され得る成分としては、ポリマー層の成分と同様の成分が挙げられる。
架橋剤及び架橋触媒についても、ポリマー層における架橋剤及び架橋触媒と同様のものが挙げられる。
その他、第3層に含有され得る成分としては、ポリマー層の成分と同様の成分が挙げられる。
第3層の厚さは、後述する易接着層である第4層の厚さよりも厚いことが、封止材との密着性向上の観点から好ましい。即ち、第3層の厚さを(b)、第4層の厚さを(c)とした場合に(b)>(c)の関係であることが好ましく、(b):(c)が、2:1〜15:1の範囲がより好ましい。
また、第3層の厚さは、0.5μm以上が好ましく、0.7μm以上がより好ましい。また、第3層の厚さは、7.0μm以下であることが好ましい。
また、第3層の厚さは、0.5μm以上が好ましく、0.7μm以上がより好ましい。また、第3層の厚さは、7.0μm以下であることが好ましい。
第3層の厚さ、及び第3層の厚さと第4層の厚さとの比が、上記範囲において、第3層の膜特性が良好に発現され、太陽電池用フロントシートと封止材との密着性、及び、太陽電池モジュールの耐久性がより優れたものとなる。
第3層の形成方法は、特に制限されない。
第3層の形成方法としては、例えば、溶媒及び上述した第3層の成分(固形分)を含有する第3層形成用塗布液を、基材のウラ面上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
第3層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法については、上述したポリマー層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法と同様である。
第3層の形成方法としては、例えば、溶媒及び上述した第3層の成分(固形分)を含有する第3層形成用塗布液を、基材のウラ面上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
第3層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法については、上述したポリマー層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法と同様である。
<第4層>
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、上記第3層上に、第4層(例えば、上述の第4層14)を備えていてもよい。
第4層は、太陽電池モジュールの封止材と直接接する層、即ち、太陽電池モジュールの封止材に対する易接着層として機能する層である。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、上記第3層上に、第4層(例えば、上述の第4層14)を備えていてもよい。
第4層は、太陽電池モジュールの封止材と直接接する層、即ち、太陽電池モジュールの封止材に対する易接着層として機能する層である。
第4層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
第4層に含有され得るバインダーポリマーとしては、ポリマー層におけるバインダーポリマーと同様のものが挙げられる。
第4層におけるバインダーポリマーとしては、封止材との密着力の観点から、ポリオレフィン、アクリルポリマー、ポリエステル、及びポリウレタンよりなる群から選択される少なくとも1種のポリマーが好ましい。
第4層におけるバインダーポリマーは、封止材との密着力の観点から、少なくともポリオレフィンを含むことが好ましく、ポリオレフィンであることがより好ましい。
第4層に含有され得るバインダーポリマーとしては、ポリマー層におけるバインダーポリマーと同様のものが挙げられる。
第4層におけるバインダーポリマーとしては、封止材との密着力の観点から、ポリオレフィン、アクリルポリマー、ポリエステル、及びポリウレタンよりなる群から選択される少なくとも1種のポリマーが好ましい。
第4層におけるバインダーポリマーは、封止材との密着力の観点から、少なくともポリオレフィンを含むことが好ましく、ポリオレフィンであることがより好ましい。
ポリオレフィンとしては、例えば、変性ポリオレフィンが好ましい。
ポリオレフィンを含有する第4層を形成する場合、ポリオレフィンの分散物の市販品を用いてもよい。
ポリオレフィンの分散物の市販品としては、例えば、アローベース(登録商標)SE−1013N、SD−1010、TC−4010、TD−4010(ともにユニチカ(株)製)、ハイテックS3148、S3121、S8512(ともに東邦化学(株)製)、ケミパール(登録商標)S−120、S−75N、V100、EV210H(ともに三井化学(株)製)、ユーメックス1001(三洋化成工業(株)製)等が挙げられる。
その中でも、低密度ポリエチレン、アクリル酸エステル、無水マレイン酸の三元共重合体である、アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製を用いることが、密着性を向上させる上で好ましい。
ポリオレフィンを含有する第4層を形成する場合、ポリオレフィンの分散物の市販品を用いてもよい。
ポリオレフィンの分散物の市販品としては、例えば、アローベース(登録商標)SE−1013N、SD−1010、TC−4010、TD−4010(ともにユニチカ(株)製)、ハイテックS3148、S3121、S8512(ともに東邦化学(株)製)、ケミパール(登録商標)S−120、S−75N、V100、EV210H(ともに三井化学(株)製)、ユーメックス1001(三洋化成工業(株)製)等が挙げられる。
その中でも、低密度ポリエチレン、アクリル酸エステル、無水マレイン酸の三元共重合体である、アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製を用いることが、密着性を向上させる上で好ましい。
第4層は、架橋剤に由来する構造、及び、架橋触媒を含有することができる。
架橋剤及び架橋触媒については、ポリマー層における架橋剤及び架橋触媒と同様のものが挙げられる。
その他、第4層に含有され得る成分としては、ポリマー層の成分と同様の成分が挙げられる。
架橋剤及び架橋触媒については、ポリマー層における架橋剤及び架橋触媒と同様のものが挙げられる。
その他、第4層に含有され得る成分としては、ポリマー層の成分と同様の成分が挙げられる。
第4層は、帯電防止剤、防腐剤等を含有してもよい。
帯電防止剤としては、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤、有機系導電性材料などが挙げられる。
第4層が含み得る帯電防止剤に用いられる界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などが好ましく、中でもノニオン系界面活性剤が好ましく、エチレングリコール鎖(ポリオキシエチレン鎖;−(CH2−CH2−O)n−)を有し且つ炭素−炭素三重結合(アルキン結合)を有さないノニオン系界面活性剤が好ましく挙げられる。さらに、エチレングリコール鎖が7〜30であるものが特に好ましい。
より具体的には、ヘキサエチレングリコールモノドデシルエーテル、3,6,9,12,15−ペンタオキサヘキサデカン−1−オール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルナフチルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されない。
帯電防止剤としての界面活性剤の含有量は、第4層の固形分量に対し、2.5質量%〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは5.0質量%〜35質量%であり、さらに好ましくは10質量%〜30質量%である。
この含有量の範囲であると、部分放電電圧の低下が抑制され、且つ、封止材との密着性が良好に維持される。
帯電防止剤としては、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤、有機系導電性材料などが挙げられる。
第4層が含み得る帯電防止剤に用いられる界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などが好ましく、中でもノニオン系界面活性剤が好ましく、エチレングリコール鎖(ポリオキシエチレン鎖;−(CH2−CH2−O)n−)を有し且つ炭素−炭素三重結合(アルキン結合)を有さないノニオン系界面活性剤が好ましく挙げられる。さらに、エチレングリコール鎖が7〜30であるものが特に好ましい。
より具体的には、ヘキサエチレングリコールモノドデシルエーテル、3,6,9,12,15−ペンタオキサヘキサデカン−1−オール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルナフチルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されない。
帯電防止剤としての界面活性剤の含有量は、第4層の固形分量に対し、2.5質量%〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは5.0質量%〜35質量%であり、さらに好ましくは10質量%〜30質量%である。
この含有量の範囲であると、部分放電電圧の低下が抑制され、且つ、封止材との密着性が良好に維持される。
有機系導電性材料としては、例えば、分子中にアンモニウム基、アミン塩基、四級アンモニウム基などのカチオン性の置換基を有するカチオン系導電性化合物;スルホン酸塩基、リン酸塩基、カルボン酸塩基などのアニオン性を有するアニオン系導電性化合物;アニオン性の置換基、カチオン系置換基の両方を有する両性系導電性化合物等のイオン性の導電性材料;共役したポリエン系骨格に由来するポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロールなどの導電性高分子化合物等が挙げられる。
第4層の形成方法は、特に制限されない。
第4層の形成方法としては、例えば、溶媒及び上述した第4層の成分(固形分)を含有する第4層形成用塗布液を、第3層上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
第4層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法については、上述したポリマー層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法と同様である。
第4層の形成方法としては、例えば、溶媒及び上述した第4層の成分(固形分)を含有する第4層形成用塗布液を、第3層上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
第4層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法については、上述したポリマー層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法と同様である。
<下塗り層>
ポリエステル基材ウラ面(任意の裏面層が形成される面)には、下塗り層が設けられていてもよい。
ポリエステル基材ウラ面(任意の裏面層が形成される面)には、下塗り層が設けられていてもよい。
下塗り層は、バインダーポリマーを含むことが好ましい。
下塗り層に含有され得るバインダーポリマーは、特に限定されない。
下塗り層に含有され得るバインダーポリマーとして、例えば、アクリルポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、シロキサン樹脂などが挙げられる。
下塗り層は、アクリルポリマーを含むことが好ましい。
アクリル樹脂としては、上述した第3層に含有され得るアクリルポリマーと同様のものが挙げられる。
下塗り層に含まれるバインダーポリマー中に占めるアクリルポリマーの含有比率が50質量%以上であることがより好ましい。
バインダーポリマーの50質量%以上がアクリルポリマーであると、下塗り層の弾性率を0.7GPa以上に調整しやすく、太陽電池用フロントシートとした場合の凝集破壊耐性がより向上する。
下塗り層に含有され得るバインダーポリマーは、特に限定されない。
下塗り層に含有され得るバインダーポリマーとして、例えば、アクリルポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、シロキサン樹脂などが挙げられる。
下塗り層は、アクリルポリマーを含むことが好ましい。
アクリル樹脂としては、上述した第3層に含有され得るアクリルポリマーと同様のものが挙げられる。
下塗り層に含まれるバインダーポリマー中に占めるアクリルポリマーの含有比率が50質量%以上であることがより好ましい。
バインダーポリマーの50質量%以上がアクリルポリマーであると、下塗り層の弾性率を0.7GPa以上に調整しやすく、太陽電池用フロントシートとした場合の凝集破壊耐性がより向上する。
下塗り層は、架橋剤に由来する構造、架橋触媒、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤など含んでいてもよい。
架橋剤に由来する構造及び架橋触媒については、ポリマー層の記載を適宜参照できる。
架橋剤に由来する構造及び架橋触媒については、ポリマー層の記載を適宜参照できる。
下塗り層の厚さは、0.01μm以上であることが好ましく、0.03μm以上であることがより好ましく、0.05μm以上であることがさらに好ましい。
また、下塗り層の厚さは、1μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.7μm以下であることがさらに好ましい。
また、下塗り層の厚さは、1μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.7μm以下であることがさらに好ましい。
下塗り層は、基材上に、溶媒及び下塗り層の固形分を含む下塗り層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成できる。
下塗り層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法については、上述したポリマー層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法と同様である。
また、下塗り層は、上記下塗り層形成用塗布液を用い、インラインコート法により形成されてもよい。
インラインコート法は、製造された基材を巻き取る前の段階で下塗り層形成用塗布液を塗布する方法である点で、製造された基材を巻き取ってから別途塗布を行うオフラインコート法と区別される。
インラインコート法により下塗り層を形成する態様として、第1方向に延伸されたフィルムの一方の面に、下塗り層形成用塗布液を塗布し、下塗り層形成用塗布液が塗布されたフィルムを、フィルム表面に沿って第1方向と直交する第2方向に延伸することにより、下塗り層付き基材を製造する態様が好適である(後述の実施例参照)。
下塗り層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法については、上述したポリマー層形成用塗布液における溶媒及び塗布方法と同様である。
また、下塗り層は、上記下塗り層形成用塗布液を用い、インラインコート法により形成されてもよい。
インラインコート法は、製造された基材を巻き取る前の段階で下塗り層形成用塗布液を塗布する方法である点で、製造された基材を巻き取ってから別途塗布を行うオフラインコート法と区別される。
インラインコート法により下塗り層を形成する態様として、第1方向に延伸されたフィルムの一方の面に、下塗り層形成用塗布液を塗布し、下塗り層形成用塗布液が塗布されたフィルムを、フィルム表面に沿って第1方向と直交する第2方向に延伸することにより、下塗り層付き基材を製造する態様が好適である(後述の実施例参照)。
本開示に係る太陽電池用フロントシートは、上述した層以外のその他の層を備えていてもよい。
また、本開示に係る太陽電池用フロントシートは、全光線透過率が、70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。上記全光線透過率は、ヘイズメーター(スガ試験機株式会社製のHZ−1)を用いて測定される。
また、本開示に係る太陽電池用フロントシートは、全光線透過率が、70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。上記全光線透過率は、ヘイズメーター(スガ試験機株式会社製のHZ−1)を用いて測定される。
(太陽電池用フロントシートの製造方法)
本開示に係る太陽電池用フロントシートの好ましい製造方法は、紫外線吸収性化合物Aを含有するポリエステル基材を準備する工程と、紫外線吸収性化合物Bを含むポリマー層形成用塗布液を準備する工程と、上記ポリエステル基材の片方の面上に上記ポリマー層形成用塗布液を塗布して、乾燥させることにより、ポリマー層を形成する工程と、を含む。
かかる好ましい製造方法によれば、上述した本開示に係る太陽電池用フロントシートを製造しやすい。
本開示に係る太陽電池用フロントシートの好ましい製造方法は、紫外線吸収性化合物Aを含有するポリエステル基材を準備する工程と、紫外線吸収性化合物Bを含むポリマー層形成用塗布液を準備する工程と、上記ポリエステル基材の片方の面上に上記ポリマー層形成用塗布液を塗布して、乾燥させることにより、ポリマー層を形成する工程と、を含む。
かかる好ましい製造方法によれば、上述した本開示に係る太陽電池用フロントシートを製造しやすい。
上記好ましい製造方法において、「準備する」の概念には、予め製造され保管されていた基材及び各塗布液を単に準備すること、及び、ポリエステル基材及び各塗布液を製造することの両方が包含される。
ポリエステル基材を準備する工程は、基材を製造する工程であってもよい。
ポリエステル基材を製造する方法の好ましい態様は上述のとおりである。
ポリエステル基材を製造する工程は、下塗り層を形成するための下塗り層形成用組成物を製造する段階、及び、下塗り層付き基材フィルムを製造する段階を含んでいてもよい。
ポリエステル基材を製造する方法の好ましい態様は上述のとおりである。
ポリエステル基材を製造する工程は、下塗り層を形成するための下塗り層形成用組成物を製造する段階、及び、下塗り層付き基材フィルムを製造する段階を含んでいてもよい。
ポリマー層形成用塗布液を準備する工程は、ポリマー層形成用塗布液を調製する工程であってもよい。ポリマー層形成用塗布液を調製する方法の好ましい態様は上述のとおりである。
また、ポリマー層形成用塗布液を塗布し、乾燥させてポリマー層を形成する工程の好ましい態様も上述のとおりである。
また、ポリマー層形成用塗布液を塗布し、乾燥させてポリマー層を形成する工程の好ましい態様も上述のとおりである。
上記好ましい製造方法は、ポリマー層上に、第2層を形成するための第2層形成用塗布液を準備する工程と、ポリマー層の面上に、上記第2層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより第2層を形成する工程と、を含んでいてもよい。
第2層形成用塗布液を準備する工程は、第2層形成用塗布液を製造する工程であってもよい。第2層形成用塗布液を製造する方法の好ましい態様は上述のとおりである。
また、第2層形成用塗布液を塗布し、乾燥させて第2層を形成する工程の好ましい態様も上述のとおりである。
また、第2層形成用塗布液を塗布し、乾燥させて第2層を形成する工程の好ましい態様も上述のとおりである。
上記好ましい製造方法は、上述の裏面層(例えば第3層及び第4層の少なくとも一方)を形成するための裏面層形成用塗布液を準備する工程、及び、基材のウラ面に、裏面層形成用塗布液を塗布し、乾燥させて裏面層を形成する工程を含んでいてもよい。
(太陽電池モジュール)
本開示に係る太陽電池モジュール(例えば、上述の太陽電池モジュール100)は、
太陽電池素子(例えば、上述の太陽電池素子32)及び太陽電池素子を封止する封止材(例えば、上述の封止材34)を含む素子構造部(例えば、上述の素子構造部36)と、
素子構造部に対して太陽光(例えば、上述の太陽光50)が入射される側に配置された、上述の本開示に係る太陽電池用フロントシート(例えば、上述の太陽電池用フロントシート20)と、
素子構造部に対して太陽光が入射される側とは反対側に配置された太陽電池用バックシート(例えば、上述の太陽電池用バックシート40)と、
を備える。
本開示に係る太陽電池モジュール(例えば、上述の太陽電池モジュール100)は、
太陽電池素子(例えば、上述の太陽電池素子32)及び太陽電池素子を封止する封止材(例えば、上述の封止材34)を含む素子構造部(例えば、上述の素子構造部36)と、
素子構造部に対して太陽光(例えば、上述の太陽光50)が入射される側に配置された、上述の本開示に係る太陽電池用フロントシート(例えば、上述の太陽電池用フロントシート20)と、
素子構造部に対して太陽光が入射される側とは反対側に配置された太陽電池用バックシート(例えば、上述の太陽電池用バックシート40)と、
を備える。
本開示に係る太陽電池モジュールの一例(太陽電池モジュール100)については、既に、図1を参照して説明したとおりである。
太陽電池用バックシートについては、例えば、特開2012−195583号公報、特開2015−186861号公報、特開2015−185687号公報、特開2015−146360号公報などの公知文献を適宜参照できる。
太陽電池モジュールの各部材については、例えば、「太陽光発電システム構成材料」(杉本栄一監修、(株)工業調査会、2008年発行)も参照できる。
太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどを含むシリコン太陽電池素子;銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などの化合物半導体を含む化合物半導体太陽電池素子;など、各種公知の太陽電池素子を適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
以下、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
<太陽電池用フロントシートの作製>
本実施例では、第2層/ポリマー層(第1層)/基材/下塗り層/第3層/第4層で表される積層構造を有する太陽電池用フロントシートを作製した。
<太陽電池用フロントシートの作製>
本実施例では、第2層/ポリマー層(第1層)/基材/下塗り層/第3層/第4層で表される積層構造を有する太陽電池用フロントシートを作製した。
〔下塗り層付き基材フィルムの作製〕
以下のようにして、基材フィルムのウラ面に下塗り層が設けられた構造の下塗り層付き基材フィルムを作製した。
以下のようにして、基材フィルムのウラ面に下塗り層が設けられた構造の下塗り層付き基材フィルムを作製した。
−ポリエステルの合成−
高純度テレフタル酸(三井化学(株)製)100kgとエチレングリコール(日本触媒(株)製)45kgのスラリーとを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に、4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行った。その後、得られたエステル化反応生成物123kgを重縮合反応槽に移送した。
高純度テレフタル酸(三井化学(株)製)100kgとエチレングリコール(日本触媒(株)製)45kgのスラリーとを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に、4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行った。その後、得られたエステル化反応生成物123kgを重縮合反応槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された重縮合反応槽に、エチレングリコールを、得られるポリマーに対して0.3質量%添加した。5分間撹拌した後、酢酸コバルト及び酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対してそれぞれ30ppm、15ppmとなるように加えた。更に5分間撹拌した後、チタンアルコキシド化合物の2質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。その5分後、ジエチルホスホノ酢酸エチルの10質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。その後、低重合体を30rpm(round per minute)で撹拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の撹拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし、常圧に戻し、重縮合反応を停止した。そして、上述の重縮合反応により得られたポリマーを冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてPET(ポリエチレンテレフタレート)のペレット(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
ここで、チタンアルコキシド化合物には、特開2005−340616号公報の段落〔0083〕の実施例1で合成しているチタンアルコキシド化合物(Ti含有量=4.44質量%)を用いた。
−固相重合−
上記で得られたペレットを、40Paに保たれた真空容器中、220℃の温度で30時間保持して、固相重合を行った。
上記で得られたペレットを、40Paに保たれた真空容器中、220℃の温度で30時間保持して、固相重合を行った。
−紫外線吸収性化合物A含有マスターバッチの作製−
上記にて得た固相重合後のPETペレットを110℃で2時間以上、紫外線吸収性化合物A(トリアジン化合物、Tinuvin 479、BASF社製)を40℃で2時間以上、それぞれ真空乾燥させた。
PETペレットに対して10質量%となる量の紫外線吸収性化合物Aを測り取り、PETペレット及び紫外線吸収性化合物Aを2軸混練押出機のフィーダーに投入した。
PETペレットと紫外線吸収性化合物Aとの混合物を、2軸混練押出機を用いて、280℃で溶融混練し、溶融体を得た。
溶融混練後の溶融体を、ヌードル状に水中に押出し、水中から取り出して裁断し、紫外線吸収性化合物Aのマスターバッチを作製した。
(表1中では、「Tinuvin 479」を「T479」と略称する。)
上記にて得た固相重合後のPETペレットを110℃で2時間以上、紫外線吸収性化合物A(トリアジン化合物、Tinuvin 479、BASF社製)を40℃で2時間以上、それぞれ真空乾燥させた。
PETペレットに対して10質量%となる量の紫外線吸収性化合物Aを測り取り、PETペレット及び紫外線吸収性化合物Aを2軸混練押出機のフィーダーに投入した。
PETペレットと紫外線吸収性化合物Aとの混合物を、2軸混練押出機を用いて、280℃で溶融混練し、溶融体を得た。
溶融混練後の溶融体を、ヌードル状に水中に押出し、水中から取り出して裁断し、紫外線吸収性化合物Aのマスターバッチを作製した。
(表1中では、「Tinuvin 479」を「T479」と略称する。)
−ポリエステルフィルムの作製−
以上の固相重合を経た後のペレット及びマスターバッチを、紫外線吸収性化合物Aの含有量が、表1に記載の含有量となるように押出機に供給し、280℃で溶融して金属ドラムの上にキャストし、厚さ約3mmの未延伸のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを作製した。
その後、未延伸のPETフィルムを、90℃で縦方向(MD:搬送方向、Machine Direction)に3.4倍に延伸した。次いで、MDに延伸された1軸延伸PETフィルムの一方の面に、下記組成の下塗り層形成用塗布液を塗布量が5.1mL/m2となるように、MD延伸後、横方向(TD:Transverse Direction)延伸前にインラインコート法にて塗布を行った。
下塗り層形成用塗布液が塗布されたPETフィルムをTD延伸し、厚さが0.1μm、弾性率が1.5GPaの下塗り層を形成した。なお、TD延伸は、温度105℃、延伸倍率4.5倍の条件で行った。
下塗り層が形成されたPETフィルムに対し、膜面190℃で15秒間の熱固定処理を行い、次いで、190℃で、MD緩和率5%、TD緩和率11%にて、MD方向及びTD方向に熱緩和処理を行うことにより、下塗り層付きの厚さ250μmの2軸延伸PETフィルム(下塗り層付き基材フィルム)を得た。
以上の固相重合を経た後のペレット及びマスターバッチを、紫外線吸収性化合物Aの含有量が、表1に記載の含有量となるように押出機に供給し、280℃で溶融して金属ドラムの上にキャストし、厚さ約3mmの未延伸のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを作製した。
その後、未延伸のPETフィルムを、90℃で縦方向(MD:搬送方向、Machine Direction)に3.4倍に延伸した。次いで、MDに延伸された1軸延伸PETフィルムの一方の面に、下記組成の下塗り層形成用塗布液を塗布量が5.1mL/m2となるように、MD延伸後、横方向(TD:Transverse Direction)延伸前にインラインコート法にて塗布を行った。
下塗り層形成用塗布液が塗布されたPETフィルムをTD延伸し、厚さが0.1μm、弾性率が1.5GPaの下塗り層を形成した。なお、TD延伸は、温度105℃、延伸倍率4.5倍の条件で行った。
下塗り層が形成されたPETフィルムに対し、膜面190℃で15秒間の熱固定処理を行い、次いで、190℃で、MD緩和率5%、TD緩和率11%にて、MD方向及びTD方向に熱緩和処理を行うことにより、下塗り層付きの厚さ250μmの2軸延伸PETフィルム(下塗り層付き基材フィルム)を得た。
−下塗り層形組成物の組成−
・アクリル樹脂水分散液 … 21.9部
〔AS−563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分:28質量%のスチレン骨格を有するラテックス〕
・オキサゾリン系架橋剤の水希釈液 … 4.9部
〔エポクロス(登録商標)WS−700、日本触媒(株)製、固形分:25質量%〕
・フッ素系界面活性剤の水希釈液 … 0.1部
〔ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6−ノナフルオロ)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカル(株)製、固形分:2質量%〕
・蒸留水 … 合計で100部となる残量
・アクリル樹脂水分散液 … 21.9部
〔AS−563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分:28質量%のスチレン骨格を有するラテックス〕
・オキサゾリン系架橋剤の水希釈液 … 4.9部
〔エポクロス(登録商標)WS−700、日本触媒(株)製、固形分:25質量%〕
・フッ素系界面活性剤の水希釈液 … 0.1部
〔ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6−ノナフルオロ)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカル(株)製、固形分:2質量%〕
・蒸留水 … 合計で100部となる残量
〔第3層の形成〕
上記で得られた下塗り層付き基材フィルムの下塗り層の表面に、下記組成の第3層形成用塗布液を塗布し、次いで170℃で2分間乾燥させることにより、厚さ4.7μmの第3層を形成した。
上記で得られた下塗り層付き基材フィルムの下塗り層の表面に、下記組成の第3層形成用塗布液を塗布し、次いで170℃で2分間乾燥させることにより、厚さ4.7μmの第3層を形成した。
−第3層形成用塗布液の組成−
・バインダーポリマーとしてのアクリルポリマーの水分散液(AS−563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分28質量%のスチレン骨格を有するラテックス)
… 52.1部
・オレフィンポリマーの水分散液(アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製、固形分20.2質量%)
… 8.0部
・オキサゾリン系架橋剤の水希釈液(エポクロス(登録商標)WS−700、日本触媒(株)製、固形分25質量%)
… 16.2部
・架橋触媒の水希釈液(第二リン酸アンモニウム水溶液、固形分35質量%)
… 1.3部
・フッ素系界面活性剤の水希釈液
〔ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6−ノナフルオロ)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカル(株)製、固形分:2質量%〕
… 0.5部
・水
… 合計で100部となる残量
・バインダーポリマーとしてのアクリルポリマーの水分散液(AS−563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分28質量%のスチレン骨格を有するラテックス)
… 52.1部
・オレフィンポリマーの水分散液(アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製、固形分20.2質量%)
… 8.0部
・オキサゾリン系架橋剤の水希釈液(エポクロス(登録商標)WS−700、日本触媒(株)製、固形分25質量%)
… 16.2部
・架橋触媒の水希釈液(第二リン酸アンモニウム水溶液、固形分35質量%)
… 1.3部
・フッ素系界面活性剤の水希釈液
〔ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6−ノナフルオロ)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカル(株)製、固形分:2質量%〕
… 0.5部
・水
… 合計で100部となる残量
〔第4層の形成〕
次に、第3層の表面に、下記組成の第4層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ0.5μmの第4層を形成した。
次に、第3層の表面に、下記組成の第4層形成用塗布液を塗布し、乾燥させることにより、厚さ0.5μmの第4層を形成した。
−第4層形成用塗布液−
・ポリオレフィン樹脂水分散液(アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製、固形分20質量%)
… 17.5部
・オキサゾリン系架橋剤の水希釈液(エポクロス(登録商標)WS−700、日本触媒(株)製、固形分25質量%)
… 3.5部
・ノニオン系界面活性剤の水希釈液(EMALEX(登録商標)110、日本エマルジョン(株)製、固形分10質量%)
… 4.3部
・水
… 合計で100部となる残量
・ポリオレフィン樹脂水分散液(アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製、固形分20質量%)
… 17.5部
・オキサゾリン系架橋剤の水希釈液(エポクロス(登録商標)WS−700、日本触媒(株)製、固形分25質量%)
… 3.5部
・ノニオン系界面活性剤の水希釈液(EMALEX(登録商標)110、日本エマルジョン(株)製、固形分10質量%)
… 4.3部
・水
… 合計で100部となる残量
以上により、ウラ面に、下塗り層、第3層、及び第4層がこの順に配置された基材フィルム(即ち、基材フィルム/下塗り層/第3層/第4層の積層構造を有する積層体)の基材フィルムを得た。
〔ポリマー層(第1層)の形成〕
次に、上記基材フィルムのオモテ面に、下記組成のポリマー層形成用塗布液を、乾燥後の膜厚(dry膜厚)が10μmとなるように塗布し、170℃で2分間乾燥してポリマー層を形成した。
次に、上記基材フィルムのオモテ面に、下記組成のポリマー層形成用塗布液を、乾燥後の膜厚(dry膜厚)が10μmとなるように塗布し、170℃で2分間乾燥してポリマー層を形成した。
−ポリマー層形成用塗布液−
・紫外線吸収性化合物B(トリアジン化合物)とアクリルポリマーとの複合粒子の水分散液〔Tinuvin(登録商標)479−DW、BASF社製、固形分40質量%〕(表1中では、「T479DW」と略称する。)
… 18.0部
・シロキサン含有アクリルポリマー(バインダーポリマー)の水分散液(セラネート(登録商標)WSA1070、DIC(株)製、固形分:38質量%)(表1中では、「WSA1070」と略称する)
… 43.0部
・フッ素系界面活性剤の水希釈液〔ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6−ノナフルオロ)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカル(株)製、固形分:2質量%〕
… 1.6部
・水
… 合計で100部となる残量
・紫外線吸収性化合物B(トリアジン化合物)とアクリルポリマーとの複合粒子の水分散液〔Tinuvin(登録商標)479−DW、BASF社製、固形分40質量%〕(表1中では、「T479DW」と略称する。)
… 18.0部
・シロキサン含有アクリルポリマー(バインダーポリマー)の水分散液(セラネート(登録商標)WSA1070、DIC(株)製、固形分:38質量%)(表1中では、「WSA1070」と略称する)
… 43.0部
・フッ素系界面活性剤の水希釈液〔ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6−ノナフルオロ)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカル(株)製、固形分:2質量%〕
… 1.6部
・水
… 合計で100部となる残量
Tinuvin(登録商標)479−DWの固形分である、トリアジン化合物とアクリル樹脂との複合粒子において、トリアジン化合物の含有量は、複合粒子全質量に対し、50質量%である。
Tinuvin(登録商標)479−DWの固形分である、トリアジン化合物とアクリル樹脂との複合粒子のメジアン径(D50)は、150nm未満である。
Tinuvin(登録商標)479−DWの固形分である、トリアジン化合物とアクリル樹脂との複合粒子のメジアン径(D50)は、150nm未満である。
〔第2層の形成〕
次に、下記組成の第2層形成用塗布液を調製した。
次に、下記組成の第2層形成用塗布液を調製した。
−第2層形成用塗布液の組成−
・3官能アルコキシシラン(KBE−403(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製)
… 15.0部
・4官能アルコキシシラン(KBE−04(テトラエトキシシラン)、信越化学工業(株)製)
… 3.0部
・酢酸水溶液((株)ダイセル製、工業用酢酸の1質量%水溶液)
… 28.7部
・金属錯体溶液(アルミキレートD、川研ファインケミカル製、76質量%イソプロピルアルコール(IPA)溶液)
… 4.1部
・無機粒子の水分散液(スノーテックス(登録商標)OZL−35、平均粒子径100nm、日産化学工業(株)製、固形分35.5質量%)
… 39.8部
・界面活性剤の水希釈液(ラピゾール(登録商標)A−90、日油(株)製、固形分1質量%、アニオン系界面活性剤)
… 5.5部
・界面活性剤の水希釈液(ナロアクティー(登録商標)CL−95、三洋化成工業(株)製、固形分1質量%、ノニオン系界面活性剤)
… 3.7部
・水
… 合計で100部となる残量
・3官能アルコキシシラン(KBE−403(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製)
… 15.0部
・4官能アルコキシシラン(KBE−04(テトラエトキシシラン)、信越化学工業(株)製)
… 3.0部
・酢酸水溶液((株)ダイセル製、工業用酢酸の1質量%水溶液)
… 28.7部
・金属錯体溶液(アルミキレートD、川研ファインケミカル製、76質量%イソプロピルアルコール(IPA)溶液)
… 4.1部
・無機粒子の水分散液(スノーテックス(登録商標)OZL−35、平均粒子径100nm、日産化学工業(株)製、固形分35.5質量%)
… 39.8部
・界面活性剤の水希釈液(ラピゾール(登録商標)A−90、日油(株)製、固形分1質量%、アニオン系界面活性剤)
… 5.5部
・界面活性剤の水希釈液(ナロアクティー(登録商標)CL−95、三洋化成工業(株)製、固形分1質量%、ノニオン系界面活性剤)
… 3.7部
・水
… 合計で100部となる残量
第2層形成用塗布液の調製は、詳細には、以下の手順で行った。
酢酸水溶液にKBE−403を添加して十分に加水分解した後、KBE−04を添加して十分に加水分解させ、これらのアルコキシシラン(KBE−403及びKBE−04)の加水分解物を含む混合液を得た。次いで、この混合液に、アルミキレートD、スノーテックス(登録商標)OZL−35、界面活性剤(ラピゾール(登録商標)A−90)、界面活性剤(ナロアクティー(登録商標)CL−95)、及び水を添加することにより、第2層形成用塗布液を得た。
第2層形成用塗布液の調製時における、4官能のアルコキシシラン(KBE−04)に対する3官能以下のアルコキシシラン(KBE−403)の使用量の比(質量比〔3官能以下/4官能〕)は5とした。
酢酸水溶液にKBE−403を添加して十分に加水分解した後、KBE−04を添加して十分に加水分解させ、これらのアルコキシシラン(KBE−403及びKBE−04)の加水分解物を含む混合液を得た。次いで、この混合液に、アルミキレートD、スノーテックス(登録商標)OZL−35、界面活性剤(ラピゾール(登録商標)A−90)、界面活性剤(ナロアクティー(登録商標)CL−95)、及び水を添加することにより、第2層形成用塗布液を得た。
第2層形成用塗布液の調製時における、4官能のアルコキシシラン(KBE−04)に対する3官能以下のアルコキシシラン(KBE−403)の使用量の比(質量比〔3官能以下/4官能〕)は5とした。
次に、上記で調製した第2層形成用塗布液を、上述のポリマー層の表面に塗布し、170℃にて2分間乾燥させることにより、厚さ1μmの第2層を形成した。詳細には、上記乾燥により、アルコキシシラン(KBE−403及びKBE−04)の加水分解物を縮合させ、上記アルコキシシランの加水分解縮合物であるシロキサン樹脂を含有する第2層を形成した。
以上により、第2層/ポリマー層(第1層)/基材フィルム/下塗り層/第3層/第4層で表される積層構造を有する太陽電池用フロントシートを得た。
以上により、第2層/ポリマー層(第1層)/基材フィルム/下塗り層/第3層/第4層で表される積層構造を有する太陽電池用フロントシートを得た。
<評価>
上記で得られた太陽電池用フロントシートについて、以下の評価を行った。
上記で得られた太陽電池用フロントシートについて、以下の評価を行った。
〔紫外線耐性〕
得られた太陽電池用フロントシートについて、第2層の側から、25℃50%の環境にて、波長280nm〜400nmの紫外線(強度1000W/m2)を300時間照射した。
次に、紫外線照射後の太陽電池用フロントシートの色度(L*a*b*)を測定した。
上述の紫外線照射前後の太陽電池用フロントシートの色度に基づき、紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*を求めた。
得られた結果に基づき、下記評価基準に従い、太陽電池用フロントシートのUV耐性を評価した。
下記評価基準において、AA、A、B、又はCであれば、太陽電池用フロントシートは実用上許容範囲内の紫外線耐性を有すると評価する。
得られた太陽電池用フロントシートについて、第2層の側から、25℃50%の環境にて、波長280nm〜400nmの紫外線(強度1000W/m2)を300時間照射した。
次に、紫外線照射後の太陽電池用フロントシートの色度(L*a*b*)を測定した。
上述の紫外線照射前後の太陽電池用フロントシートの色度に基づき、紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*を求めた。
得られた結果に基づき、下記評価基準に従い、太陽電池用フロントシートのUV耐性を評価した。
下記評価基準において、AA、A、B、又はCであれば、太陽電池用フロントシートは実用上許容範囲内の紫外線耐性を有すると評価する。
−紫外線耐性の評価基準−
AA: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が2未満であった。
A: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が2以上3未満であった。
B: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が3以上5未満であった。
C: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が5以上7未満であった。
D: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が7以上10未満であった。
E: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が10以上であった
AA: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が2未満であった。
A: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が2以上3未満であった。
B: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が3以上5未満であった。
C: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が5以上7未満であった。
D: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が7以上10未満であった。
E: 紫外線照射前後での太陽電池用フロントシートのb*値差Δb*が10以上であった
〔密着性〕
密着性は、クロスカットテープ密着試験で評価した。
得られた太陽電池用フロントシートのポリマー層側の表面から基材表面に至るまで、カッターを用いて1mm間隔で縦横それぞれ11本ずつの傷をつけ、100個のクロスカット片を形成した。この上にセロハン粘着テープ(セロテープ(登録商標)No.405、24mm幅、ニチバン(株)製)を貼って、垂直(90°)方向にすばやく引っ張って剥離した。このとき、剥離したクロスカット片の総面積によって、ポリエステル基材とポリマー層との密着性を、下記の評価基準に従って評価した。密着性の実用上の許容範囲はAA、A、B又はCであり、AA、A、又はBであることが好ましい。
密着性は、クロスカットテープ密着試験で評価した。
得られた太陽電池用フロントシートのポリマー層側の表面から基材表面に至るまで、カッターを用いて1mm間隔で縦横それぞれ11本ずつの傷をつけ、100個のクロスカット片を形成した。この上にセロハン粘着テープ(セロテープ(登録商標)No.405、24mm幅、ニチバン(株)製)を貼って、垂直(90°)方向にすばやく引っ張って剥離した。このとき、剥離したクロスカット片の総面積によって、ポリエステル基材とポリマー層との密着性を、下記の評価基準に従って評価した。密着性の実用上の許容範囲はAA、A、B又はCであり、AA、A、又はBであることが好ましい。
−密着性の評価基準−
AA: 剥離面積が5%未満
A: 剥離面積が5%以上、10%未満
B: 剥離面積が10%以上、20%未満
C: 剥離面積が20%以上、40%未満
D: 剥離面積が40%以上
AA: 剥離面積が5%未満
A: 剥離面積が5%以上、10%未満
B: 剥離面積が10%以上、20%未満
C: 剥離面積が20%以上、40%未満
D: 剥離面積が40%以上
〔透明性〕
得られた太陽電池用フロントシートの全光線透過率を、ヘイズメーター(スガ試験機株式会社製のHZ−1)を用いて測定した。
得られた結果に基づき、下記評価基準に従い、太陽電池用フロントシートの透明性を評価した。
下記評価基準において、AA、A、B又はCであれば、太陽電池用フロントシートの透明性が実用上許容範囲内であると評価する。評価結果は、表1に記載した。
得られた太陽電池用フロントシートの全光線透過率を、ヘイズメーター(スガ試験機株式会社製のHZ−1)を用いて測定した。
得られた結果に基づき、下記評価基準に従い、太陽電池用フロントシートの透明性を評価した。
下記評価基準において、AA、A、B又はCであれば、太陽電池用フロントシートの透明性が実用上許容範囲内であると評価する。評価結果は、表1に記載した。
−透明性の評価基準−
AA: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、88%以上であった。
A: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、86%以上88%未満であった。
B: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、83%以上86%未満であった。
C: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、80%以上83%未満であった。
D: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、77%以上80%未満であった。
E: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、74%以上77%未満であった。
F: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、74%未満であった。
AA: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、88%以上であった。
A: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、86%以上88%未満であった。
B: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、83%以上86%未満であった。
C: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、80%以上83%未満であった。
D: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、77%以上80%未満であった。
E: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、74%以上77%未満であった。
F: 太陽電池用フロントシートの全光線透過率が、74%未満であった。
〔平坦性〕
得られた太陽電池用フロントシートを、10cm×10cmの方形に裁断してサンプルを作製した。測定台の上に、ポリマー層を有さない側(裏面側)を下にしてサンプルを静置し、サンプルの一端において、測定台の表面とサンプルの裏面側とが成すカール角度(θ)(測定台からの浮き量)を、トラスコ中山(株)製のアングルゲージにより測定した。
得られた結果に基づき、下記評価基準に従い、太陽電池用フロントシートの平坦性を評価した。
なお、平坦性は、A、B又はCのいずれであっても、実用上は許容範囲内である。A又はBであることが好ましく、Aであることがより好ましい。
−平坦性の評価基準−
A: θ≦10°
B: 10°<θ≦20°
C: 20°<θ
得られた太陽電池用フロントシートを、10cm×10cmの方形に裁断してサンプルを作製した。測定台の上に、ポリマー層を有さない側(裏面側)を下にしてサンプルを静置し、サンプルの一端において、測定台の表面とサンプルの裏面側とが成すカール角度(θ)(測定台からの浮き量)を、トラスコ中山(株)製のアングルゲージにより測定した。
得られた結果に基づき、下記評価基準に従い、太陽電池用フロントシートの平坦性を評価した。
なお、平坦性は、A、B又はCのいずれであっても、実用上は許容範囲内である。A又はBであることが好ましく、Aであることがより好ましい。
−平坦性の評価基準−
A: θ≦10°
B: 10°<θ≦20°
C: 20°<θ
(実施例2)
紫外線吸収性化合物Aの種類を、Tinuvin 1600(トリアジン化合物、BASF社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2の太陽電池用フロントシートを得た。(表1中では、「Tinuvin 1600」を「T160」と略称する。)
紫外線吸収性化合物Aの種類を、Tinuvin 1600(トリアジン化合物、BASF社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2の太陽電池用フロントシートを得た。(表1中では、「Tinuvin 1600」を「T160」と略称する。)
(実施例3〜7)
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの含有量を表1に記載の含有量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例3〜7の太陽電池用フロントシートを得た。
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの含有量を表1に記載の含有量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例3〜7の太陽電池用フロントシートを得た。
(実施例8〜13)
ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量を表1に記載の含有量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例8〜13の太陽電池用フロントシートを得た。
ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量を表1に記載の含有量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例8〜13の太陽電池用フロントシートを得た。
(実施例14〜19)
実施例14〜19では、ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの含有量、及び、ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量を、表1に記載の含有量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例14〜19の太陽電池用フロントシートを得た。
実施例14〜19では、ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの含有量、及び、ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量を、表1に記載の含有量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例14〜19の太陽電池用フロントシートを得た。
(実施例20)
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの種類を、Tinuvin 900(ベンゾトリアゾール化合物、BASF社製)に変更し、ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの種類を、Tinuvin 9945DW(ベンゾトリアゾール化合物とアクリルポリマーとの複合粒子の水分散液、BASF社製)に変更て、ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物A及びポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量を表1に記載の含有量にしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例20の太陽電池用フロントシートを得た。(表1中では、「Tinuvin 9945DW」を「T9945DW」と略称する。)
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの種類を、Tinuvin 900(ベンゾトリアゾール化合物、BASF社製)に変更し、ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの種類を、Tinuvin 9945DW(ベンゾトリアゾール化合物とアクリルポリマーとの複合粒子の水分散液、BASF社製)に変更て、ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物A及びポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量を表1に記載の含有量にしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例20の太陽電池用フロントシートを得た。(表1中では、「Tinuvin 9945DW」を「T9945DW」と略称する。)
Tinuvin 9945DWの固形分である、ベンゾトリアゾール化合物とアクリル樹脂との複合粒子において、ベンゾトリアゾール化合物の含有量は、複合粒子の全質量に対し、50質量%である。
(実施例21)
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの種類を、ADK STAB 1413(ベンゾフェノン化合物とアクリル樹脂との複合粒子、(株)ADEKA製)に変更し、ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの種類を、UVA−935LH(ベンゾフェノン化合物とアクリルポリマーとの複合粒子の水分散液、中村化学工業(株)製)に変更て、ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物A及びポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量を表1に記載の含有量にしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例21の太陽電池用フロントシートを得た。
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの種類を、ADK STAB 1413(ベンゾフェノン化合物とアクリル樹脂との複合粒子、(株)ADEKA製)に変更し、ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの種類を、UVA−935LH(ベンゾフェノン化合物とアクリルポリマーとの複合粒子の水分散液、中村化学工業(株)製)に変更て、ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物A及びポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量を表1に記載の含有量にしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例21の太陽電池用フロントシートを得た。
ADK STAB 1413の固形分である、ベンゾフェノン化合物とアクリル樹脂との複合粒子において、ベンゾフェノン化合物の含有量は、複合粒子全質量に対し、50質量%である。(表1中では、「ADK STAB 1413」は、「1413」と略称する。)
UVA−935LHの固形分である、ベンゾフェノン化合物とアクリル樹脂との複合粒子において、ベンゾフェノン化合物の含有量は、複合粒子全質量に対し、30質量%である。
UVA−935LHの固形分である、ベンゾフェノン化合物とアクリル樹脂との複合粒子において、ベンゾフェノン化合物の含有量は、複合粒子全質量に対し、30質量%である。
(実施例22)
ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの種類を、Tinuvin 479(トリアジン化合物、BASF社製))に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例21の太陽電池用フロントシートを得た。(表1中では、「Tinuvin 479は、「T479」と略称する。)
ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの種類を、Tinuvin 479(トリアジン化合物、BASF社製))に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例21の太陽電池用フロントシートを得た。(表1中では、「Tinuvin 479は、「T479」と略称する。)
(実施例23)
ポリマー層を塗布にて形成せず、基材フィルムを作製する際の共押出しによるポリマー層の形成に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例23の太陽電池用フロントシートを得た。
具体的には、ポリマー層及び下塗り層付き基材フィルムを、下記のように作製した。
上記にて得た基材用PETペレット(固相重合後のPETペレット及びマスターバッチ)並びにポリマー層形成用塗布液を、それぞれ110℃で2時間以上真空乾燥させたものを、押し出し機に入れて溶融した。押し出し機とダイとの間に、スクリーンフィルター、ギアポンプ、及びリーフディスクフィルターをこの順に配置し、これらをメルト配管で連結した。幅450mm、リップギャップ1mmの2種2層の共押し出しダイから、ポリエステル基材とポリマー層とをシート状に共押し出しし、キャスティングドラム上で冷却固化することにより、PET基材フィルム/ポリマー層で表される積層構造を有する厚さ約3mmの未延伸の積層フィルムを作製した。
ポリマー層を塗布にて形成せず、基材フィルムを作製する際の共押出しによるポリマー層の形成に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例23の太陽電池用フロントシートを得た。
具体的には、ポリマー層及び下塗り層付き基材フィルムを、下記のように作製した。
上記にて得た基材用PETペレット(固相重合後のPETペレット及びマスターバッチ)並びにポリマー層形成用塗布液を、それぞれ110℃で2時間以上真空乾燥させたものを、押し出し機に入れて溶融した。押し出し機とダイとの間に、スクリーンフィルター、ギアポンプ、及びリーフディスクフィルターをこの順に配置し、これらをメルト配管で連結した。幅450mm、リップギャップ1mmの2種2層の共押し出しダイから、ポリエステル基材とポリマー層とをシート状に共押し出しし、キャスティングドラム上で冷却固化することにより、PET基材フィルム/ポリマー層で表される積層構造を有する厚さ約3mmの未延伸の積層フィルムを作製した。
その後、未延伸の積層フィルムを、90℃で縦方向(MD:搬送方向、Machine Direction)に3.4倍に延伸した。次いで、MDに延伸された1軸延伸フィルムのポリマー層とは反対側の面に、下記組成の下塗り層形成用塗布液を塗布量が5.1mL/m2となるように、MD延伸後、横方向(TD:Transverse Direction)延伸前にインラインコート法にて塗布を行った。
下塗り層形成用塗布液が塗布されたフィルムをTD延伸し、厚さが0.1μm、弾性率が1.5GPaの下塗り層を形成した。なお、TD延伸は、温度105℃、延伸倍率4.5倍の条件で行った。
下塗り層形成用塗布液が塗布されたフィルムをTD延伸し、厚さが0.1μm、弾性率が1.5GPaの下塗り層を形成した。なお、TD延伸は、温度105℃、延伸倍率4.5倍の条件で行った。
ポリマー層及び下塗り層が形成されたPETフィルムに対し、膜面190℃で15秒間の熱固定処理を行い、次いで、190℃で、MD緩和率5%、TD緩和率11%にて、MD方向及びTD方向に熱緩和処理を行うことにより、ポリマー層及び下塗り層付きの厚さ260μmの2軸延伸PETフィルム(ポリマー層及び下塗り層付き基材フィルム)を得た。
(実施例24)
ポリマー層が含有するバインダーポリマーの種類を、AS−563A(アクリルポリマーの分散液、ダイセルファインケム(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例24の太陽電池用フロントシートを得た。(表1中では、「AS−563A」は、「AS563A」と略称する。)
ポリマー層が含有するバインダーポリマーの種類を、AS−563A(アクリルポリマーの分散液、ダイセルファインケム(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例24の太陽電池用フロントシートを得た。(表1中では、「AS−563A」は、「AS563A」と略称する。)
(実施例25)
ポリマー層が含有するバインダーポリマーの種類を、タケラックWS5100(ポリウレタンの分散液、三井化学(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例25の太陽電池用フロントシートを得た。
(表1中では、「タケラックWS5100」は、「WS5100」と略称する。)
ポリマー層が含有するバインダーポリマーの種類を、タケラックWS5100(ポリウレタンの分散液、三井化学(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例25の太陽電池用フロントシートを得た。
(表1中では、「タケラックWS5100」は、「WS5100」と略称する。)
(実施例26)
ポリマー層が含有するバインダーポリマーの種類を、アローベース(登録商標)SE−1013N(ポリオレフィン:低密度ポリエチレン、アクリル酸エステル、無水マレイン酸の三元共重合体の分散液、ユニチカ(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例26の太陽電池用フロントシートを得た。
(表1中では、「アローベースSE−1013N」は、「SE1013N」と略称する。)
ポリマー層が含有するバインダーポリマーの種類を、アローベース(登録商標)SE−1013N(ポリオレフィン:低密度ポリエチレン、アクリル酸エステル、無水マレイン酸の三元共重合体の分散液、ユニチカ(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例26の太陽電池用フロントシートを得た。
(表1中では、「アローベースSE−1013N」は、「SE1013N」と略称する。)
(実施例27)
ポリマー層が含有するバインダーポリマーの種類を、オブリガード PWD202(登録商標)(フッ素ポリマー、ACCコーテック)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例27の太陽電池用フロントシートを得た。
(表1中では、「オブリガード PW202」は、「PW202」と略称する。)
ポリマー層が含有するバインダーポリマーの種類を、オブリガード PWD202(登録商標)(フッ素ポリマー、ACCコーテック)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例27の太陽電池用フロントシートを得た。
(表1中では、「オブリガード PW202」は、「PW202」と略称する。)
(実施例28)
ポリマー層が含有するバインダーポリマーの種類を、ケミパール(登録商標)EV210H88(ポリオレフィン:エチレン−酢酸ビニル共重合体、三井化学(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例28の太陽電池用フロントシートを得た。
(表1中では、「ケミパールEV210H」は、「EV210H」と略称する。)
ポリマー層が含有するバインダーポリマーの種類を、ケミパール(登録商標)EV210H88(ポリオレフィン:エチレン−酢酸ビニル共重合体、三井化学(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例28の太陽電池用フロントシートを得た。
(表1中では、「ケミパールEV210H」は、「EV210H」と略称する。)
(実施例29〜31)
ポリエステル基材の厚さ、又は、ポリエステル基材の厚さとポリマー層の厚さの両方を、表2に記載の厚さに変更することで、ポリエステル基材の厚さに対するポリマー層の厚さ比率を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例29〜31の太陽電池用フロントシートを得た。
ポリエステル基材の厚さ、又は、ポリエステル基材の厚さとポリマー層の厚さの両方を、表2に記載の厚さに変更することで、ポリエステル基材の厚さに対するポリマー層の厚さ比率を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例29〜31の太陽電池用フロントシートを得た。
(実施例32)
ポリエステル基材におけるポリエステル種を、ポリエチレンテレフタレート(PET)から、ポリエチレンナフタレート(PEN)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例32の太陽電池用フロントシートを得た。
ポリエチレンナフタレート(PEN)のペレットは、下記のように作製した。
撹拌装置、精留塔、及び凝縮器を備えたエステル交換反応器に、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル100部、エチレングリコール50部、二酸化ゲルマニウム0.002部、及び酢酸マグネシウム4水塩0.06部を供給した後、180℃〜240℃まで徐々に昇温し、同時に生成したメタノールは連続的に反応系外へ留出させながらエステル交換反応を行った。こうして得られた反応物に、リン酸トリメチルエステル0.02部を添加し15分間反応させた。引き続いてエチレングリコールを連続的に留出させながら290℃まで昇温し同時に0.2mmHgまで減圧を進めて重縮合反応を行い、ダイヘッド、冷却水槽、カッターを通してペレットとした。
ポリエステル基材におけるポリエステル種を、ポリエチレンテレフタレート(PET)から、ポリエチレンナフタレート(PEN)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例32の太陽電池用フロントシートを得た。
ポリエチレンナフタレート(PEN)のペレットは、下記のように作製した。
撹拌装置、精留塔、及び凝縮器を備えたエステル交換反応器に、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル100部、エチレングリコール50部、二酸化ゲルマニウム0.002部、及び酢酸マグネシウム4水塩0.06部を供給した後、180℃〜240℃まで徐々に昇温し、同時に生成したメタノールは連続的に反応系外へ留出させながらエステル交換反応を行った。こうして得られた反応物に、リン酸トリメチルエステル0.02部を添加し15分間反応させた。引き続いてエチレングリコールを連続的に留出させながら290℃まで昇温し同時に0.2mmHgまで減圧を進めて重縮合反応を行い、ダイヘッド、冷却水槽、カッターを通してペレットとした。
(比較例1〜16)
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの含有量、及び/又は、ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量を、表2に記載されるように変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例1〜16の太陽電池用フロントシートを得た。
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aの含有量、及び/又は、ポリマー層における紫外線吸収性化合物Bの含有量を、表2に記載されるように変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例1〜16の太陽電池用フロントシートを得た。
(比較例17)
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aを、ADK STAB 1413(ベンゾフェノン化合物、(株)ADEKA製)変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例17の太陽電池用フロントシートを得た。
ポリエステル基材における紫外線吸収性化合物Aを、ADK STAB 1413(ベンゾフェノン化合物、(株)ADEKA製)変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例17の太陽電池用フロントシートを得た。
表1及び表2中、「複合粒子」の欄では、使用した紫外線吸収性化合物Bが、ポリマーとの複合粒子の形態である場合を「Y」と表示し、複合粒子の形態ではない場合を「N」と表示する。
表1及び表2中、「厚さ比率(%」の欄は、下記式Aにより算出したポリエステル基材の厚さに対するポリマー層の厚さの比率(%)を示す。
式A: (ポリマー層の厚さ(μm)/基材フィルムの厚さ(μm))×100
各実施例及び各比較例の結果を、表1及び表2に示す。
表1及び表2中、「厚さ比率(%」の欄は、下記式Aにより算出したポリエステル基材の厚さに対するポリマー層の厚さの比率(%)を示す。
式A: (ポリマー層の厚さ(μm)/基材フィルムの厚さ(μm))×100
各実施例及び各比較例の結果を、表1及び表2に示す。
表1及び表2に示すように、実施例1〜32の太陽電池用フロントシートは、いずれも紫外線耐性、ポリエステル基材とポリマー層との密着性、及び透明性のずべてに優れていることがわかる。
一方、ポリエステル基材及び/又はポリマー層における紫外線吸収性化合物の含有量が、本開示の太陽電池用フロントシートの範囲外である比較例1〜16の太陽電池用フロントシートは、紫外線耐性、ポリエステル基材とポリマー層との密着性、及び透明性の少なくとの一つに劣ることが分かる。
また、ポリエステル基材及びポリマー層に、紫外線吸収構造が異なる紫外線吸収性化合物を、それぞれ含有させた比較例17の太陽電池用フロントシートは、ポリエステル基材とポリマー層との密着性が顕著に劣ることが分かる。
一方、ポリエステル基材及び/又はポリマー層における紫外線吸収性化合物の含有量が、本開示の太陽電池用フロントシートの範囲外である比較例1〜16の太陽電池用フロントシートは、紫外線耐性、ポリエステル基材とポリマー層との密着性、及び透明性の少なくとの一つに劣ることが分かる。
また、ポリエステル基材及びポリマー層に、紫外線吸収構造が異なる紫外線吸収性化合物を、それぞれ含有させた比較例17の太陽電池用フロントシートは、ポリエステル基材とポリマー層との密着性が顕著に劣ることが分かる。
10 基材フィルム
11 ポリマー層(第1層)
12 第2層
13 第3層
14 第4層
20 太陽電池用フロントシート
32 太陽電池素子
34 封止材
36 素子構造部
40 太陽電池用バックシート
50 太陽光
100 太陽電池モジュール
11 ポリマー層(第1層)
12 第2層
13 第3層
14 第4層
20 太陽電池用フロントシート
32 太陽電池素子
34 封止材
36 素子構造部
40 太陽電池用バックシート
50 太陽光
100 太陽電池モジュール
Claims (11)
- 紫外線吸収性化合物Aを、ポリエステル基材の全質量に対して6質量%〜15質量%の範囲で含有するポリエステル基材と、前記ポリエステル基材に接して配置され、前記紫外線吸収性化合物Aと同一の紫外線吸収構造を有する紫外線吸収性化合物Bを、ポリマー層の全質量に対して6質量%〜25質量%の範囲で含有するポリマー層とを有する、太陽電池用フロントシート。
- 前記紫外線吸収性化合物A及び前記紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造が、トリアジン構造、ベンゾトリアゾール構造又はベンゾフェノン構造である、請求項1に記載の太陽電池用フロントシート。
- 前記紫外線吸収性化合物A及び前記紫外線吸収性化合物Bが有する紫外線吸収構造が、トリアジン構造である、請求項1又は請求項2に記載の太陽電池用フロントシート。
- 前記ポリマー層は、前記紫外線吸収性化合物Bとアクリルポリマーとの複合粒子を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
- 前記ポリマー層が塗布層である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
- 前記ポリマー層が、アクリルポリマー、ポリオレフィン、フッ素ポリマー、及びポリウレタンから選択される少なくとも1種のバインダーポリマーを含有する、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
- 前記ポリマー層の厚みが、前記ポリエステル基材の厚みの30%以下である、請求項1〜請求項6のいずれ1項に記載の太陽電池用フロントシート。
- 前記ポリエステル基材が、ポリエチレンテレフタレート基材である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
- 前記ポリマー層が含有する前記紫外線吸収性化合物Bの含有量が、前記ポリエステル基材が含有する前記紫外線吸収性化合物Aの含有量よりも多い、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
- 前記紫外線吸収性化合物Aの含有量が、ポリエステル基材の全質量に対して8質量%〜15質量%であり、前記紫外線吸収性化合物Bの含有量が、ポリマー層の全質量に対して12質量%〜25質量%である、請求項1〜請求項9いずれか1項に記載の太陽電池用フロントシート。
- 太陽電池素子及び前記太陽電池素子を封止する封止材を含む素子構造部と、
前記素子構造部に対して太陽光が入射される側に配置された請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の太陽電池用フロントシートと、
前記素子構造部に対して太陽光が入射される側とは反対側に配置された太陽電池用バックシートと、
を備える太陽電池モジュール。
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Cited By (1)
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WO2024070641A1 (ja) * | 2022-09-29 | 2024-04-04 | 富士フイルム株式会社 | 光学フィルム、偏光板、配向膜形成用組成物、偏光板の製造方法 |
-
2017
- 2017-09-29 JP JP2017191956A patent/JP2019067924A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024070641A1 (ja) * | 2022-09-29 | 2024-04-04 | 富士フイルム株式会社 | 光学フィルム、偏光板、配向膜形成用組成物、偏光板の製造方法 |
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