JP2012231029A - 太陽電池用保護シート及びその製造方法並びに太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用保護シート及びその製造方法並びに太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】部分放電電圧が良好で、湿熱経時後の層間の密着性が良好であり、破断伸度伸び率が良好である太陽電池用保護シート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】単層であり、かつ厚みが220μm以上のポリマー支持体と、フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層と、を含有し、前記ポリマー支持体が下記式(1)を満たす、太陽電池用保護シートを用いる。
1/L0×100≧60(%)・・・式(1)
(式(1)において、L1は85℃、相対湿度85%の条件で2000時間後のポリマー支持体の破断伸びを表す。L0は25℃、相対湿度60%の条件でのポリマー支持体の破断伸びを表す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池用保護シート及びその製造方法並びに太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュールは、一般に、太陽光が入射するガラスまたはフロントシートの上に/封止剤/太陽電池素子/封止剤/バックシート(以下、BSとも言う)がこの順に積層された構造を有している。具体的には、太陽電池素子は一般にEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の樹脂(封止材)で包埋し、更にこの上に太陽電池用保護シートを貼り付けた構造に構成される。また、この太陽電池用保護シートとしては、従来、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PET)フィルムが使用されている。
しかし、一般的なPETフィルムは太陽電池用保護シート、その中でも特に最外層となる太陽電池用のバックシート(BS)として長期間使用した際に、太陽電池上で剥がれが発生しやすく、PETフィルム単層のBSでは、屋外等の風雨に曝されるような環境下に長期間置かれるとBSとEVA等の封止材との間で剥がれを生じやすい。この耐候性の問題に対し、従来、主として耐候性フィルムをPETなどの基材フィルムの最外層側に張り合わせた積層体タイプのBSが用いられていた。張り合わせ方式の積層体の中でも最も汎用されていたのは、ポリフッ化ビニルフィルム等のフッ素系ポリマーフィルムであった。
しかしながら、フッ素系ポリマーフィルムを積層体タイプの太陽電池用バックシートとして用いた場合、ポリエステルフィルムとフッ素系ポリマーフィルムとの層間の密着性(接着性)が弱く、特に長期間使用すると層間剥離しやすい問題があった。これに対し、近年、フッ素系ポリマーを含む組成物をPET基材フィルム上に塗布した塗布型バックシートが開発されてきた(特許文献1〜5参照)。例えば、特許文献2等には、特定の厚みのポリエチレンテレフタレート支持体と、含フッ素ポリマー層である耐候性層を塗布により積層したポリマーシートが開示されている。
一方、耐候性層の他、太陽電池用バックシートには、様々な他の機能層も積層されてきている。例えば、特許文献5にはバックシートに酸化チタン等の白色無機微粒子を添加し、光反射性能を持たせた白色層を積層し、セルを素通りした光を乱反射ししてセルに戻すことで発電効率を向上させる方法等が記載されている。更に、バックシートとEVA封止材との間の強固な接着を得るために、バックシートの最表層に易接着層などのポリマー層を設ける場合がある。この点について、白色のポリエチレンテレフタレートフィルムの上に熱接着層を設ける技術が特許文献5に記載されている。以上のような機能を付与するためには、バックシートは、基材ポリマー上に他の機能を有する各種機能層が積層された構造になる。
さらに、基材ポリマー自体を多層化しようとする方法も知られている。例えば、特許文献1には、3層構造のポリマー支持体と、フッ素系樹脂とを含有する積層フィルムが開示されている。前記特許文献1では、3層構造のポリマー支持体を用いており、層構成が多層化している。
このように多層化が進む傾向にある太陽電池用保護シートは、積層数が増すに連れて、ますます各層間の密着性の問題が生じやすくなってきているのが現状である。
しかしながら、さらに近年では、太陽電池の発現効率をより高める観点や集積して設置してコストを低減させる観点などから、屋外などの過酷な場所で太陽電池を利用することが求められており、太陽電池の長寿命化に伴って高温多湿環境での長期間保存性を改善することが求められている。
しかしながら、前記文献のいずれにも、高温多湿環境での長期保存性に関しては、何ら検討されていない。
特開2010−95640号公報 特開2010−53317号公報 特開2007−35694号公報 国際公開WO2008/143719号公報 特開2003−060218号公報
このような状況のもと、本発明者らが特許文献2に記載の積層フィルムや、特許文献1に記載の積層構造の支持体を用いてその密着性を検討した結果、通常の環境下での層間の密着性についてはある程度問題が生じにくいものの、屋外などでの使用を想定した加速試験である高温高湿環境下で湿熱経時後の層間の密着性は悪く、近年太陽電池に求められる高温多湿環境での長期保存性の観点からはまだ不十分であることがわかった。特に、積層数を増やすほど高湿熱環境下に適さない接着剤層が増えるため、長寿命化を想定した場合に接着層が剥離してしまう傾向があり、改良の余地があることがわかった。そのため、少なくともポリマー支持体を単層化してポリマー支持体中には接着剤層を設けないことが必要となることがわかった。
一方、太陽電池には家庭用とメガソーラー用の二種類があり、家庭用のタイプでは使用電力量が少ないため部分放電電圧は600V以上あれば問題がないとされている。しかしながら、メガソーラーになると1000V以上の部分放電電圧が必要となる。このようなメガソーラー用レベルの部分放電電圧を有する太陽電池に対応しつつ、高温多湿環境での長期保存性が良好である太陽電池用保護シートはまだあまり検討されておらず、部分放電電圧に関しても、改良の余地があることがわかった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、良好な部分放電電圧を有し、湿熱経時後の層間の密着性が良好であり、破断伸度伸び率が良好である太陽電池用保護シート及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、単層であり、かつ厚みが220μm以上のポリマー支持体と、フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層とを含有し、前記ポリマー支持体が下記式(1)を満たす、太陽電池用保護シートで、上記課題を解決することができることを見出した。
1/L0×100≧60(%)・・・式(1)
(式(1)において、L1は85℃、相対湿度85%の条件で2000時間後のポリマー支持体の破断伸びを表す。L0は25℃、相対湿度60%の条件でのポリマー支持体の破断伸びを表す。)
すなわち、その具体的手段である本発明は以下のとおりである。
項1.単層であり、かつ厚みが220μm以上のポリマー支持体と、フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層と、を含有し、前記ポリマー支持体が下記式(1)を満たす、太陽電池用保護シート。
1/L0×100≧60(%)・・・式(1)
(式(1)において、L1は85℃、相対湿度85%の条件で2000時間後のポリマー支持体の破断伸びを表す。L0は25℃、相対湿度60%の条件でのポリマー支持体の破断伸びを表す。)
項2.前記ポリマー支持体が、220〜350μmである、項1に記載の太陽電池用保護シート。
項3.前記ポリマー支持体が、チタン触媒下で重合されたポリマーを含む、項1又は項2に記載の太陽電池用保護シート。
項4.前記ポリマー支持体が、ポリエチレンテレフタレートを含む、項1〜項3のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
項5.前記ポリマー支持体中の前記ポリエチレンテレフタレートのカルボキシル基含有量が、前記ポリマー支持体に対して、2〜35当量/tである、項4に記載の太陽電池用保護シート。
項6.前記ポリマー支持体が、180℃〜220℃の温度で熱処理されてなる、項1〜項5のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
項7.前記第一のポリマー層が、カルボジイミド又はオキサゾリン架橋剤由来の架橋構造を含む、項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
項8.前記ポリマー支持体が、固層重合されてなる、項1〜項7のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
項9.前記ポリマー支持体と、第一のポリマー層との間に、更に第二のポリマー層を有する、項1〜項8のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
項10.前記第二のポリマー層が、前記第二のポリマー層の主バインダーに対して0.5〜50質量%の架橋剤による架橋構造を含む、項9に記載の太陽電池用保護シート。
項11.前記第二のポリマー層の前記架橋構造が、カルボジイミド又はオキサゾリン架橋剤由来の架橋構造を含む、項10に記載の太陽電池用保護シート。
項12.前記第二のポリマー層が、更に有機又は無機の微粒子を含有する、項11に記載の太陽電池用保護シート。
項13.前記有機又は無機の微粒子の、第二のポリマー層の主バインダーに対する含有量が、25質量%以下である、項12に記載の太陽電池用保護シート。
項14.前記ポリマー支持体の前記第一のポリマー層が設けられている側の反対側に着色層を有する、項1〜項13のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
本発明によれば、部分放電電圧が良好で、湿熱経時後の層間の密着性が良好であり、破断伸度伸び率が良好である太陽電池用保護シート及びその製造方法を提供することができる。
太陽電池モジュールの構成例を示す概略断面図である。
以下、本発明の太陽電池用保護シート及びその製造方法について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
<太陽電池用保護シート>
本発明に係る太陽電池用保護シート(以下、単に「保護シート」とも称する。)は、単層であり、かつ厚みが220μm以上のポリマー支持体と、フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層と、を含有し、前記ポリマー支持体が下記式(1)を満たすものである。
1/L0×100≧60(%)・・・式(1)
(式(1)において、L1は85℃、相対湿度85%の条件で2000時間後のポリマー支持体の破断伸びを表す。L0は25℃、相対湿度60%の条件でのポリマー支持体の破断伸びを表す。)
本発明の太陽電池用保護シートは、下記式(2)を満たすことが好ましい。
L1/L0×100≧60(%)・・・式(2)
(式(2)において、L1は85℃、相対湿度85%の条件で2000時間後の太陽電池用保護シートの破断伸びを表す。L0は25℃、相対湿度60%の条件での破断伸びを表す。)
前記式(2)におけるL1/L0×100は湿熱処理した太陽電池用保護シートの処理前後における破断伸びの保持率(以下、単に「破断伸び保持率」とも称する。)を表す。
本発明の太陽電池用保護シートは、破断伸び率が60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
以下、本発明の太陽電池用保護シートに関して、ポリマー支持体、第一のポリマー層、層構成、及び太陽電池用保護シートの特性の順に説明をする。
―ポリマー支持体―
本発明の太陽電池用保護シートは、単層であり、かつ厚みが220μm以上のポリマー支持体を含み、前記ポリマー支持体が前記式(1)を満たす。以下、前記ポリマー支持体について説明をする。
ポリマー支持体(基材)としては、ポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、又はポリフッ化ビニルなどのフッ素系ポリマー等が挙げられる。これらの中では、ポリエステルが好ましく、中でも力学的物性やコストのバランスの点でポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
前記ポリマー支持体として用いるポリエチレンテレフタレートのカルボキシル基含有量は2〜35当量/tが好ましく、5〜25当量/tが更に好ましく、7〜25当量/tが特に好ましい。カルボキシル基含有量は2〜35当量/tとすることで、耐加水分解性を保持し、湿熱経時したときの強度低下を小さく抑制することができる。
前記ポリマー支持体は、破断伸び率が60%以上であり、65%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
前記ポリマー支持体に用いるポリエステルを重合する際には、カルボキシル基含有量を所定の範囲以下に抑える観点から、Sb系、Ge系、Ti系の化合物を触媒として用いることが好ましく、中でも特にTi系化合物が好ましい。Ti系化合物を用いたポリエステルの合成には、例えば、特公平8−301198号公報、特許第2543624号、特許第3335683号、特許第3717380号、特許第3897756号、特許第3962226号、特許第3979866号、特許第3996871号、特許第4000867号、特許第4053837号、特許第4127119号、特許第4134710号、特許第4159154号、特許第4269704号、特許第4313538号各公報等に記載の方法を適用できる。
本発明のポリマー支持体は、チタン触媒下で重合されたポリマーを含むポリマー支持体であることがより好ましい。
前記ポリマー支持体を構成するポリエステルは、重合後に固相重合されていることが好ましい。これにより、好ましいカルボキシル基含有量を達成することができる。固相重合は、重合後のポリエステルを真空中あるいは窒素ガス中で170℃〜240℃程度の温度で5〜100時間程度加熱して重合度を増大させる手法である。具体的には、固相重合には、特許第2621563号、特許第3121876号、特許第3136774号、特許第3603585号、特許第3616522号、特許第3617340号、特許第3680523号、特許第3717392号、特許第4167159号等に記載の方法を適用することができる。
前記ポリマー支持体に用いるポリエステルは、機械強度の点から2軸延伸したものであることが好ましい。
本発明のポリマー支持体は、180℃〜220℃の温度で熱処理されてなることが好ましく、190℃〜215℃の温度で熱処理されてなることが更に好ましく、195℃〜215℃の温度で熱処理されてなることが特に好ましい。熱処理温度を180℃以上とすることが、延伸後のポリマー支持体の歪みを緩和させてポリマー支持体の寸度変化を改善する観点から好ましく、220℃以下とすることが、延伸後のポリマー支持体の歪みを緩和させたときにポリマーの配向が進み過ぎないように制御してポリマー支持体の耐加水分解性と寸度変化を同時に改善する観点から好ましい。
本発明のポリマー支持体は、固層重合されてなることが好ましい。前記固層重合としては、例えば、ポリマーを耐真空容器に投入し、容器内を真空にし、攪拌しながら反応させる重合方法等を指す。
(厚み)
ポリマー支持体の厚みは、220μm以上であり、220μm〜350μmであることが好ましい。
−第一のポリマー層−
本発明の太陽電池用保護シートは、フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層を含む。
前記フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層は、フッ素系ポリマー(以下、含フッ素ポリマーとも言う)を主バインダーとして構成される。前記主バインダーとは、第一のポリマー層において含有量が最も多いバインダーである。以下に前記フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層について具体的に説明する。
(フッ素系ポリマー)
前記フッ素系ポリマーを含有する第一のポリマー層に用いるフッ素系ポリマーとしては−(CFX1−CX23)−で表される繰り返し単位を有するポリマーであれば特に制限はない(ただしX1、X2、X3は水素原子、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1から3のパーフルオロアルキル基を示す。)。具体的なポリマーの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(以降、PTFEと表す場合がある)、ポリフッ化ビニル(以降、PVFと表す場合がある)、ポリフッ化ビニリデン(以降、PVDFと表す場合がある)、ポリ塩化3フッ化エチレン(以降、PCTFEと表す場合がある)、ポリテトラフルオロプロピレン(以降、HFPと表す場合がある)などがある。
これらのポリマーは単独のモノマーを重合したホモポリマーでも良いし、2種類以上を共重合したものでもよい。この例として、テトラフルオロエチレンとテトラフルオロプロピレンを共重合したコポリマー(P(TFE/HFP)と略記)、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンを共重合したコポリマー(P(TFE/VDF)と略記)等を挙げることができる。
さらに、前記フッ素系ポリマーを含有する第一のポリマー層に用いるポリマーとしては−(CFX1−CX23)−で表されるフッ素系モノマーと、それ以外のモノマーを共重合したポリマーでもよい。これらの例としてテトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(P(TFE/E)と略記)、テトラフルオロエチレンとプロピレンの共重合体(P(TFE/P)と略記)、テトラフルオロエチレンとビニルエーテルの共重合体(P(TFE/VE)と略記)、テトラフルオロエチレンとパーフロロビニルエーテルの共重合体(P(TFE/FVE)と略記)、クロロトリフルオロエチレンとビニルエーテルの共重合体(P(CTFE/VE)と略記)、クロロトリフルオロエチレンとパーフロロビニルエーテルの共重合体(P(CTFE/FVE)と略記)等を挙げることができる。
これらのフッ素系ポリマーとしてはポリマーを有機溶剤に溶解して用いるものでも、ポリマー微粒子を水に分散して用いるものでもよい。環境負荷が小さい点から後者が好ましい。フッ素系ポリマーの水分散物については例えば特開2003−231722号公報、特開2002−20409号公報、特開平9−194538号公報等に記載されている。
前記フッ素系ポリマーを有する第一のポリマー層のバインダーとしては上記のフッ素系ポリマーを単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。また、全バインダーの50質量%を超えない範囲でアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂などのフッ素系ポリマー以外の樹脂を併用してもよい。
前記第一のポリマー層に対する、前記フッ素系ポリマーの含有量は、60〜95質量%が好ましく、75〜95質量%が更に好ましく、80〜93質量%が特に好ましい。
前記フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層には、必要に応じて、架橋剤、界面活性剤、フィラー等を添加してもよい。
(架橋剤)
前記フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層に用いることができる前記架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。この中でカルボジイミド系、オキサゾリン系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の例としては例えばカルボジライトV−02−L2(日清紡績(株)製)、オキサゾリン系架橋剤の例としては例えばエポクロスWS−700、エポクロスK−2020E(いずれも日本触媒(株)製)などがある。
前記第一のポリマー層は、前記架橋剤による架橋構造を含むことが好ましい。
前記第一のポリマー層が架橋剤による架橋構造を含む場合、第一のポリマー層が前記第一のポリマー層の主バインダーに対して0.5〜50質量%の架橋剤による架橋構造を含むことが好ましく、3〜30質量%の架橋剤による架橋構造を含むことが更に好ましく、5〜20質量%の架橋剤による架橋構造を含むことが特に好ましい。架橋剤の添加量は、0.5質量%以上であると、フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層の強度及び接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られ、50質量%以下であると、塗布液のポットライフを長く保てる。
前記架橋剤による架橋構造としては、前記カルボジイミド又はオキサゾリン架橋由来の架橋構造であることが好ましい。
(界面活性剤)
前記フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層に用いることができる前記界面活性剤としては、アニオン系やノニオン系等の公知の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤を添加する場合、その添加量は0.1〜15mg/m2が好ましく、より好ましくは0.5〜5mg/m2である。界面活性剤の添加量は、0.1mg/m2以上であると、ハジキの発生を抑えて良好な層形成が得られ、15mg/m2以下であると、接着を良好に行なうことができる。
(フィラー)
前記フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層には、更に、フィラーを添加してもよい。フィラーとしてはコロイダルシリカ、二酸化チタンなどの公知のフィラーを用いることができる。フィラーの添加量は、フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層のバインダー当たり20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下である。フィラーの添加量が20質量%以下であると、フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層の面状がより良好に保てる。
(厚み)
本発明のフッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層の厚みは0.8〜12μmの範囲が好ましく、特に1.0〜10μm程度の範囲が好ましい。
(位置)
本発明の太陽電池用保護シートは、フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層の上にさらに別の層を積層してもよいが、保護シートの耐久性の向上、軽量化、薄型化、低コスト化などの観点から、前記フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層が本発明の太陽電池用保護シートの最外層であることが好ましい。
(形成方法)
前記フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層は、前記第一のポリマー層を構成するフッ素系ポリマー等を含む塗布液を前記ポリマー支持体または前記第二のポリマー層上に塗布して塗膜を乾燥させることにより形成することができる。乾燥後、加熱するなどして硬化させてもよい。塗布方法や塗布液の溶媒には、特に制限はない。
塗布方法としては、例えばグラビアコーターやバーコーターを利用することができる。
塗布液に用いる溶媒は、水でもよいし、トルエンやメチルエチルケトン等の有機溶媒でもよい。溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。ただし、フッ素系ポリマー等のバインダー等を水分散した水系塗布液を形成して、これを塗布する方法が好ましい。この場合、溶媒中の水の割合は60質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上である。フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層を形成する塗布液に含まれる溶媒の60質量%以上が水であれば、環境負荷が小さくなるので好ましい。
本発明の太陽電池用保護シートは、必要に応じて他の層を有してもよい。例えば、前記ポリマー支持体の前記第一のポリマー層側に、下塗り層を設けることができる。また、前記ポリマー支持体の前記第一のポリマー層が設けられている側の反対側に着色層を設けることができる。
−第二のポリマー層−
本発明の第二のポリマー層とは、前記ポリマー支持体と、前記第一のポリマー層との間に任意に含まれる層のことを指す。前記第二のポリマー層はバインダーを含有し、ポリマー層とフッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層との接着性を高める層、すなわちいわゆる下塗り層であることが好ましい。以下に第二のポリマー層について具体的に説明する。
(バインダー)
前記第二のポリマー層を主に構成するバインダー(結着樹脂)としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。これらの中でも、前記ポリマー支持体(基材)及び前記第一のポリマー層との高い接着性を確保する観点から、ポリオレフィン、アクリル樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂がより好ましい。また。複合樹脂を用いてもよく、例えばアクリル/シリコーン複合樹脂も好ましいバインダーである。
(その他の添加剤)
前記第二のポリマー層には、必要に応じて、架橋剤、界面活性剤、フィラー等を添加してもよい。
(架橋剤)
前記第二のポリマー層に含まれていてもよい架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。これらの中でカルボジイミド系及びオキサゾリン系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系、オキサゾリン系架橋剤の具体例としては、カルボジイミド系架橋剤としては例えばカルボジライトV−02−L2(日清紡績(株)製)、オキサゾリン系架橋剤の例としては例えばエポクロスWS−700、エポクロスK−2020E(いずれも日本触媒(株)製)などがある。
前記第二のポリマーは、前記架橋剤による架橋構造を含むことが好ましい。
前記第二のポリマー層が架橋剤による架橋構造を含む場合、第二のポリマー層が前記第二のポリマー層の主バインダーに対して0.5〜50質量%の架橋剤による架橋構造を含むことが好ましく、3〜30質量%の架橋剤による架橋構造を含むことが更に好ましく、5〜20質量%の架橋剤による架橋構造を含むことが特に好ましい。架橋剤の添加量は、前記第二のポリマー層の主バインダーに対して0.5質量%以上であると、第二のポリマー層の強度及び接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られ、50質量%以下であると、塗布液のポットライフを長く保てる。
前記架橋剤による架橋構造としては、前記カルボジイミド又はオキサゾリン架橋由来の架橋構造であることが好ましい。
(界面活性剤)
前記界面活性剤としては、アニオン系やノニオン系等の公知の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤を添加する場合、その添加量は0.1〜10mg/m2が好ましく、より好ましくは0.5〜3mg/m2である。界面活性剤の添加量は、0.1mg/m2以上であると、ハジキの発生を抑えて良好な層形成が得られ、10mg/m2以下であると、ポリマー支持体及び第一のポリマー層との接着を良好に行なうことができる。
(フィラー)
前記第二のポリマー層には、更に、フィラーを添加してもよい。フィラーとしては白色顔料が好ましく、コロイダルシリカ又は二酸化チタンが好ましく、二酸化チタンが特に好ましい。本発明の太陽電池保護シートは、前記第二のポリマー層中に白色顔料を含むことにより、後述する着色層の機能も兼ねることが、積層数を減らし太陽電池保護シート全体としての湿熱環境下での密着性を高める観点から好ましい。
前記フィラーの添加量は、前記第二のポリマー層の主バインダーに対して25質量%以下が好ましく、3〜20質量%が更に好ましく、5〜10質量%が特に好ましい。フィラーの添加量が前記第二のポリマー層の主バインダーに対して25質量%以下であると、第二のポリマー層の面状がより良好に保てる。
(厚み)
前記第二のポリマー層の厚みは0.05〜10μmであることが好ましい。第二のポリマー層の厚みが0.05μm以上であれば耐久性が十分となり、前記ポリマー支持体と前記第一のポリマー層との接着力を十分に確保できる。一方、第二のポリマー層の厚みが10μm以下であると面状が悪化し難く、前記第一のポリマー層との接着力も十分となる。前記第二のポリマー層の厚みが0.05〜10μmの範囲にあると第二のポリマー層の耐久性と面状を両立し、ポリマー支持体と第一のポリマー層との接着性を高めることができ、特に1.0〜10μm程度の範囲が好ましい。
(形成方法)
前記第二のポリマー層は、バインダー等を含む塗布液を前記ポリマー支持体上に塗布して乾燥させることにより形成することができる。乾燥後、加熱するなどして硬化させてもよい。塗布方法や用いる塗布液の溶媒には、特に制限はない。
塗布方法としては、例えばグラビアコーターやバーコーターを利用することができる。
塗布液に用いる溶媒は、水でもよいし、トルエンやメチルエチルケトン等の有機溶媒でもよい。溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。バインダーを水分散した水系塗布液を形成して、これを塗布する方法が好ましい。この場合、溶媒中の水の割合は60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
また、ポリマー支持体が2軸延伸フィルムである場合は、2軸延伸した後のポリマー支持体に第二のポリマー層を形成するための塗布液を塗布した後、塗膜を乾燥させてもよいし、1軸延伸後のポリマー支持体に塗布液を塗布して塗膜を乾燥させた後に、初めの延伸と異なる方向に延伸する方法でもよい。さらに、延伸前のポリマー支持体に塗布液を塗布して塗膜を乾燥させた後に2方向に延伸してもよい。
−着色層−
着色層は、少なくとも顔料とバインダーを含有し、必要に応じて、さらに各種添加剤などの他の成分を含んで構成されてもよい。
着色層の機能としては、第1に、入射光のうち太陽電池セルを通過して発電に使用されずにバックシートに到達した光を反射させて太陽電池セルに戻すことにより、太陽電池モジュールの発電効率を上げること、第2に、太陽電池モジュールを太陽光が入射する側(オモテ面側)から見た場合の外観の装飾性を向上すること、等が挙げられる。一般に太陽電池モジュールをオモテ面側(ガラス基板側)から見ると、太陽電池セルの周囲にバックシートが見えており、バックシート用ポリマーシートに着色層を設けることによりバックシートの装飾性を向上させて見栄えを改善することができる。
(顔料)
着色層は、顔料の少なくとも一種を含有することができる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、群青、紺青、カーボンブラック等の無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料を、適宜選択して含有することができる。
着色層を、太陽電池に入射して太陽電池セルを通過した光を反射して太陽電池セルに戻す反射層として構成する場合、前記顔料の中でも白色顔料を用いることが好ましい。前記白色顔料としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク等が好ましく、二酸化チタンがより好ましい。
前記顔料の着色層中における含有量は、2.5〜8.5g/m2の範囲が好ましい。顔料の含有量が2.5g/m2以上であると、必要な着色が得られ、反射率や装飾性を効果的に与えることができる。また、着色層中における顔料の含有量が8.5g/m2以下であると、着色層の面状を良好に維持しやすく、膜強度により優れる。中でも、顔料の含有量は、4.5〜8.0g/m2の範囲がより好ましい。
前記顔料の平均粒径としては、体積平均粒径で0.03〜0.8μmが好ましく、より好ましくは0.15〜0.5μm程度である。平均粒径が前記範囲内であると、光の反射効率が高い。平均粒径は、レーザー解析/散乱式粒子径分布測定装置LA950〔(株)堀場製作所製〕により測定される値である。
前記着色層を構成するバインダーとしては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。これらの中でも、高い接着性を確保する観点から、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂が好ましい。また。複合樹脂を用いてもよく、例えばアクリル/シリコーン複合樹脂も好ましいバインダーである。
前記バインダー成分の含有量は、顔料に対して、15〜200質量%の範囲が好ましく、17〜100質量%の範囲がより好ましい。バインダーの含有量は、15質量%以上であると、着色層の強度が充分に得られ、また200質量%以下であると、反射率や装飾性を良好に保つことができる。
(添加剤)
前記着色層には、必要に応じて、架橋剤、界面活性剤、フィラー等を添加してもよい。
−易接着性層−
本発明の太陽電池保護シートには、さらに易接着性層(特に着色層の上に)が設けられていることも好ましい。前記易接着性層は、太陽電池保護シートを電池側基板(電池本体)の太陽電池素子(以下、発電素子ともいう)を封止する封止材(好ましくはEVA)と強固に接着するための層である。
前記易接着性層は、バインダー、無機微粒子を用いて構成することができ、必要に応じて、さらに添加剤などの他の成分を含んで構成されてもよい。易接着性層は、電池側基板の発電素子を封止するエチレン−ビニルアセテート(EVA;エチレン−酢酸ビニル共重合体)系封止材に対して、10N/cm以上(好ましくは20N/cm以上)の接着力を有するように構成されていることが好ましい。接着力が10N/cm以上であると、接着性を維持し得る湿熱耐性が得られやすい。
なお、接着力は、易接着性層中のバインダー及び無機微粒子の量を調節する方法、太陽電池保護シートの封止材と接着する面にコロナ処理を施す方法などにより調整が可能である。
(バインダー)
前記易接着性層は、バインダーの少なくとも一種を含有することができる。
易接着性層に好適なバインダーとしては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリオレフィン等が挙げられ、中でも耐久性の観点から、アクリル樹脂、ポリオレフィンが好ましい。また、アクリル樹脂として、アクリルとシリコーンとの複合樹脂も好ましい。
好ましいバインダーの例としては、ポリオレフィンの具体例としてケミパールS−120、S−75N(ともに三井化学(株)製)、アクリル樹脂の具体例としてジュリマーET−410、SEK−301(ともに日本純薬(株)製)、アクリルとシリコーンとの複合樹脂の具体例としてセラネートWSA1060、WSA1070(ともにDIC(株)製)とH7620、H7630、H7650(ともに旭化成ケミカルズ(株)製)などを挙げることができる。
バインダーの易接着性層中における含有量は、0.05〜5g/m2の範囲とすることが好ましい。中でも、0.08〜3g/m2の範囲がより好ましい。バインダーの含有量は、0.05g/m2以上であると所望とする接着力が得られやすく、5g/m2以下であるとより良好な面状が得られる。
(微粒子)
前記易接着性層は、無機微粒子の少なくとも一種を含有することができる。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化錫等が挙げられる。中でも、湿熱雰囲気に曝されたときの接着性の低下が小さい点で、酸化錫、シリカの微粒子が好ましい。
前記無機微粒子の粒径は、体積平均粒径で10〜700nm程度が好ましく、より好ましくは20〜300nm程度である。粒径がこの範囲内であると、より良好な易接着性を得ることができる。粒径は、レーザー解析/散乱式粒子径分布測定装置LA950〔(株)堀場製作所製〕により測定される値である。
前記無機微粒子の形状には、特に制限はなく、球形、不定形、針状形等のいずれのものを用いることができる。
前記無機微粒子の含有量は、易接着性層中のバインダーに対して、5〜400質量%の範囲とする。無機微粒子の含有量は、5質量%未満であると、湿熱雰囲気に曝されたときに良好な接着性が保持できず、400質量%を超えると、易接着性層の面状が悪化する。
中でも、無機微粒子の含有量は、50〜300質量%の範囲が好ましい。
(架橋剤)
前記易接着性層には、架橋剤の少なくとも一種を含有することができる。
前記易接着性層に好適な架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。中でも、湿熱経時後の接着性を確保する観点から、オキサゾリン系架橋剤が特に好ましい。
前記オキサゾリン系架橋剤の具体例としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2、2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等が挙げられる。さらに、これらの化合物の(共)重合体も好ましく用いられる。
また、オキサゾリン基を有する化合物として、エポクロスK2010E、同K2020E、同K2030E、同WS−500、同WS−700(いずれも日本触媒化学工業(株)製)等も利用できる。
前記架橋剤の前記易接着性層中における含有量としては、前記易接着性層中のバインダーに対して、5〜50質量%が好ましく、中でもより好ましくは20〜40質量%である。架橋剤の含有量は、5質量%以上であると、良好な架橋効果が得られ、着色層の強度や接着性を保持することができ、50質量%以下であると、塗布液のポットライフを長く保つことができる。
(添加剤)
前記易接着性層には、必要に応じて、更に、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリカ等の公知のマット剤、アニオン系やノニオン系などの公知の界面活性剤などを添加してもよい。
(易接着性層の形成方法)
前記易接着性層の形成は、易接着性を有するポリマーシートを支持体に貼合する方法や、塗布による方法が挙げられる。中でも、塗布による方法は、簡便であると共に、均一性で薄膜での形成が可能である点で好ましい。塗布方法としては、例えば、グラビアコーターやバーコーターなどの公知の塗布法を利用することができる。塗布液の調製に用いる塗布溶媒は、水でもよいし、トルエンやメチルエチルケトン等の有機溶媒でもよい。塗布溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(物性)
前記易接着性層の厚みには、特に制限はないが、通常は0.05〜8μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmの範囲である。易接着性層の厚みは、0.05μm以上であると必要な易接着性を好適に得ることができ、8μm以下であると面状がより良好になる。また、本発明の易接着性層は、着色層の効果を低減させないために、透明であることが必要である。
<太陽電池用保護シートの製造方法>
本発明の太陽電池用保護シートを製造する方法は特に限定されるものではないが、以下の本発明の太陽電池用保護シートの製造方法(以下、本発明の製造方法とも言う)により好適に製造することができる。
すなわち、本発明の製造方法は、単層であり、かつ厚みが220μm以上のポリマー支持体を用意する工程と、フッ素系樹脂を含む第一のポリマー層を前記ポリマー支持体上に付与する工程と、を有する。
前記ポリマー支持体上に付与する工程は、塗布工程により付与されることが好ましい。更に、ポリマー支持体を用意する工程の後に、第二のポリマー層を塗布する工程と、前記第二のポリマー層上に塗布した塗布液を乾燥させる工程と、を更に有していてもよい。
また、前記第二のポリマー層上に塗布した塗布液を乾燥させて前記第一のポリマー層を形成した後、該第一のポリマー層を硬化させれば、湿熱経時後の接着性を高めることができる。
本発明のポリマーシートは、既述のように、さらに、必要に応じて他の層(易接着性層等)を有していてもよい。従って、本発明のポリマーシートの製造方法は、上記の必須の工程に加えて、他の層を形成する工程を有していてもよい。
他の層の形成態様の例としては、例えば、(1)他の層を構成する成分を含有する塗布液を被形成面(例えば、本発明の太陽電池保護シートの前記ポリマー支持体の、第二のポリマー層や第一のポリマー層が形成されている面とは反対の面)に塗布することにより形成する方法が挙げられ、その例としては、易接着性層、及び着色層の形成方法として既述した方法が挙げられる。
このような方法で形成された本発明のポリマーシートの具体例としては、本発明のポリマーシートの第一のポリマー層が形成されている面とは反対の面に白色顔料を含有する反射層を塗設したもの、本発明のポリマーシートの第一のポリマー層が形成されている面とは反対の面に着色顔料を含有する着色層を塗設したもの、本発明のポリマーシートの第一のポリマー層が形成されている面とは反対の面に、白色顔料を含有する反射層と易接着層を塗設したものなどを挙げることができる。
また、他の層の形成態様の他の例としては、(2)他の層として所望される機能を発揮する層を1層又は2層以上有するシートを被形成面に貼合する方法が挙げられる。
上記(2)の方法が適用された場合において用いられるシートは、他の層を1層又は2層以上有するシートであり、その例としては、例えば、本発明のポリマーシートの第一のポリマー層が形成されている面とは反対の面に白色顔料を含有するポリマーフィルムを貼合したもの、本発明のポリマーシートの第一のポリマー層が形成されている面とは反対の面に着色顔料を含有する着色フィルムを貼合したもの、本発明のポリマーシートのフッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層が形成されている面とは反対の面にアルミニウム薄膜と白色顔料を含有するポリマーフィルムを貼合したもの、本発明のポリマーシートのフッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層が形成されている面とは反対の面に無機バリア層を有するポリマーフィルムと白色顔料を含有するポリマーフィルムを貼合したものの如き構成のシートが挙げられる。
<太陽電池モジュール>
図1は、本発明の太陽電池モジュールの構成の一例を概略的に示している。この太陽電池モジュール10は、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子20を、太陽光が入射する透明性の基板24と既述の本発明の太陽電池用保護シートとの間に配置し、該基板と保護シートとの間をエチレン−ビニルアセテート系封止材22で封止して構成されている。本実施形態の保護シートは、ポリマー支持体16の一方の面側に第二のポリマー層14に接してフッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層12が設けられ、他方の面側(太陽光が入射する側)に、他の層として、白色の反射層18が設けられていてもよいが、白色の反射層を例えば、ポリマー支持体16と、易接着層の間に有していてもよい。その中でも、本発明の太陽電池モジュールは、前記第二のポリマー層が前記反射層の機能も備えることが、積層数を減らして太陽電池保護シート全体の密着性の湿熱耐久性を高める観点から好ましい。
太陽電池モジュール、太陽電池セル、太陽電池保護シート以外の部材については、例えば、「太陽光発電システム構成材料」(杉本栄一監修、(株)工業調査会、2008年発行)に詳細に記載されている。
透明性の基板24は、太陽光が透過し得る光透過性を有していればよく、光を透過する基材から適宜選択することができる。発電効率の観点からは、光の透過率が高いものほど好ましく、このような基板として、例えば、ガラス基板、アクリル樹脂などの透明樹脂などを好適に用いることができる。
太陽電池素子20としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などのIII−V族やII−VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子を適用することができる。
このような構成の太陽電池モジュール10であれば、裏面側に第二のポリマー層を介して最外層となるフッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層が設けられており、高い耐久性を有するとともに高い接着性が保たれるため、屋外でも長期にわたって使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
[実施例1]
−ポリエチレンテレフタレートの合成−
高純度テレフタル酸〔三井化学社製〕100kgとエチレングリコール〔日本触媒社製〕45kgのスラリーを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に、4時間かけて順次供給した。供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行なった。その後、得られたエステル化反応生成物123kgを重縮合反応槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された重縮合反応槽に、エチレングリコールを、得られるポリマーに対して0.3質量%添加した。5分間撹拌した後、酢酸コバルト及び酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対してそれぞれ30ppm、15ppmとなるように加えた。更に5分間撹拌した後、チタンアルコキシド化合物の2質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。前記チタンアルコキシド化合物は、特開2005−340616号公報の段落番号[0083]の実施例1の合成されているチタンアルコキシド化合物(Ti含有量=4.44質量%)を用いた。チタンアルコキシド化合物を添加した5分後、ジエチルホスホノ酢酸エチルの10質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし、常圧に戻し、重縮合反応を停止した。そして、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリマーのペレット(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
(固相重合)
重合したポリエチレンテレフタレートのペレットについて、下記方法(バッチ法)で固相重合を実施した。
ペレットを耐真空容器に投入した後、容器内を真空にし、撹拌しながら、210℃で20時間保持して固相重合した。
−ポリマー支持体の形成−
上記で得られたペレットを、280℃で溶融して金属ドラムの上にキャストし、厚さ約3mmの未延伸ポリマー支持体を作成した。その後、90℃で縦方向に3倍に延伸し、更に120℃で横方向に3.3倍に二軸延伸し、215℃で10分熱固定した後、210℃で10分熱緩和し、厚み350μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を形成した。
<破断伸び保持率>
用いたポリマー支持体について、以下の測定方法により得られた破断伸びの測定値L0及びL1に基づいて、下記式にて示される破断伸び保持率(%)を算出した。実用上許容できるものは、破断伸び保持率が60%以上のものである。
破断伸び保持率(%)=L1/L0×100
−第二のポリマー層の塗布液の調製−
ポリシロキサン−アクリルハイブリッドラテックス 46.8重量%
(セラネート WSA−1070、DIC、固形分40%)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 2.0重量%
(ナロアクティーCL−95、三洋化成工業、固形分:1%)
カルボジイミド化合物 13.1重量%
(カルボジライト V−02−L2、日清紡、固形分:10%)
オキサゾリン化合物 2.2重量%
(エポクロスWS700、日本触媒、固形分:25%)
フィラー分散液 4.7重量%
蒸留水 全体で100重量%となるように添加
(第二のポリマー層の塗布)
上記第二のポリマー層の塗布液を表面処理したPETフィルムの片面に塗布し、175℃で30秒間乾燥させ、3.5μmの第二のポリマー層を塗布した。
−フィラー分散液の調製−
二酸化チタン(白色顔料、体積平均粒径0.3μm) 39.7重量%
〔タイペークR−780−2、石原産業(株)製、固形分100%〕
ポリビニルアルコール 49.7重量%
〔PVA−105、(株)クラレ製、固形分10%〕
界面活性剤 0.5重量%
〔デモールEP、花王(株)製、固形分25%〕
蒸留水 全体で100重量%となるように添加
上記処方のフィラー分散液をダイノミル型分散器により分散処理を施し、フィラー分散液を調製した。
−フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層用の塗布液の調製−
クロロトリフルオロエチレン−ビニルエーテル共重合体 30.2重量%
(オブリガート SW0011F、AGCコーテック、固形分39%)
ポリシロキサン−アクリルハイブリッドラテックス 1.7重量%
(セラネート WSA−1070、DIC、固形分40%)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 2.0重量%
(ナロアクティーCL−95、三洋化成工業、固形分:1%)
カルボジイミド化合物 12.4重量%
(カルボジライト V−02−L2、日清紡、固形分:10%)
蒸留水 全体で100重量%となるように添加
上記第一のポリマー層用の塗布液を第二のポリマー層の上に塗布し、175℃で30秒間乾燥させ、2.0μmの第一のポリマー層を塗布し、実施例1の太陽電池保護シートを作成した。
[実施例2]
実施例1と同様の方法でPETフィルムを製膜し、第二のポリマー層の架橋剤をカルボジイミド化合物のみに変更した以外は実施例1と同様の方法で塗布し、保護シートを作成した。
[実施例3]
実施例1と同様の方法でPETフィルムを製膜し、第二のポリマー層の架橋剤をオキサゾリン化合物のみに変更した以外は実施例1と同様の方法で塗布し、保護シートを作成した。
[実施例4]
実施例1と同様の方法でPETフィルムを製膜し、フィラー量を25重量%添加した以外は実施例2と同様の方法で塗布し、保護シートを作成した。
[実施例5]
表面処理(コロナ処理)を行わない以外は実施例2と同様の方法で保護シートを作成した。
[実施例6]
固層重合の工程を省略する以外は実施例2と同様の方法で保護シートを作成した。
[実施例7]
製膜時の熱固定温度を200℃にした以外は実施例6と同様の方法で保護シートを作成した。
[実施例8]
製膜時の熱固定温度を220℃にした以外は実施例6と同様の方法で保護シートを作成した。
[実施例9]
実施例1と同様にPETフィルムを製膜し、第二のポリマー層のフィラーを除いた以外は実施例2と同様の方法で塗布し、保護シートを作成した。
[実施例10]
PETフィルムの厚みを220μmにした以外は実施例1と同様の方法で、PETフィルムを製膜し、実施例2と同様に塗布し、保護シートを作成した。
[実施例11]
実施例1と同様の方法でPETフィルムを製膜し、第二のポリマー層にセラネートWSA−1070(DIC(株)製)のみを塗布した以外は実施例2と同様の方法で塗布し、保護シートを作成した。
[実施例12]
実施例1と同様の方法でPETフィルムを製膜し、第二のポリマー層なしで第一のポリマー層を実施例2と同様の方法で塗布し、保護シートを作成した。
[実施例13]
塗布前に表面処理を行わない以外は実施例12と同様の方法で保護シートを作成した。
[実施例14]
固層重合の工程を行わずに、熱固定温度を220℃にした以外は実施例12と同様の方法で、製膜、塗布し、保護シートを作成した。
[比較例1]
厚みが100μmであるSb触媒PETフィルムを用いたこと以外は実施例2と同様の方法で製膜、塗布し、保護シートを作成した。
[比較例2]
支持体にルミラーE6SQを用いた以外は実施例2と同様の方法で製膜、塗布し、保護シートを作成した。
[比較例3]
厚みが100μmであるTi触媒PETフィルムを用いたこと以外は実施例2と同様の方法で製膜、塗布し、保護シートを作成した。
[比較例4]
ポリエチレンテレフタレートを重合する際の添加触媒をGeに変更し、固層重合工程を行わなかった以外は実施例2と同様の方法で製膜、塗布し、保護シートを作成した。
[比較例5]
破断伸び保持率が35%のポリマー支持体を用いた以外は実施例7と同様の方法で製膜、塗布し、保護シートを作成した。
−評価方法−
<部分放電電圧>
上記のように作成したサンプルをIE60664に準拠した方法で部分放電電圧を測定した。このうちメガソーラー用太陽電池としては1000V以上がメガソーラー用太陽電池で実用上許容のレベルである。なお、部分放電電圧は600V以上が家庭用太陽電池で実用上許容のレベルであり、本発明の太陽電池保護シートは必要に応じてシートの厚みを薄くする事で、家庭用の太陽電池用の保護シートまたはバックシートとしても使用できる。
<密着評価>
上記のように作成したサンプルを初期密着と湿熱試験後密着と称し、塗布後のサンプルと120℃、100%Rhの環境下で50時間静置させたサンプルを2mm四方の25マスにカットし、テープ剥離による密着評価を実施した。剥離量を指標に下記の評価基準を基に評価した。A及びBが実用上許容のレベルである。
≪評価基準≫
◎:全く剥離なし
○:カット部位が剥離
△:カット部位から一部剥離(剥離面積が4/25以内)
×:剥離(剥離面積が5/25以上)
<磨耗試験>
上記のようにして作製したサンプルシートを、25℃、相対湿度65%の雰囲気で2時間保存した後、1kg/cm巾の荷重をかけた黒色紙と速度2460mm/分で擦り合わせる擦り試験を実施した。擦り試験後の黒色紙の上に付着した塗布層の粉落ちの程度を目視で観察し、粉落ちの程度を指標に下記の評価基準にしたがって評価した。このうち、A及びBが実用上許容のレベルである。
なお、白色顔料を用いていないサンプルについても、同様にして塗布層の粉落ちを確認した。
≪評価基準≫
◎:全く粉落ちがなかった。
○:粉落ちが極僅かにみられた。
△:粉落ちがみられた。
×:強い粉落ちがみられた。
<破断伸び保持率>
得られた太陽電池保護シートのサンプル試料について、以下の測定方法により得られた破断伸びの測定値L0及びL1に基づいて、下記式にて示される破断伸び保持率(%)を算出した。実用上許容できるものは、破断伸び保持率が60%以上のものである。
破断伸び保持率(%)=L1/L0×100
(破断伸びの測定方法)
各実施例及び比較例の条件にて、試料を2枚作製した。試料を、幅10mm×長さ200mmに裁断して、測定用の試料A及びBとした。
試料Aに対して、25℃、相対湿度60%の雰囲気で24時間調湿した後、テンシロン(ORIENTEC製 RTC−1210A)で引っ張り試験を行う。なお、延伸される試料の長さは10cm、引っ張り速度は20mm/分である。この評価で得られた試料Aの破断伸びをL0とする。
別途、試料Bに対して、120℃、相対湿度100%の雰囲気で50時間湿熱処理した後、試料Aと同様にして引っ張り試験を行う。この時の試料Bの破断伸びをL1とする。
Figure 2012231029
表1より、各実施例の太陽電池保護シートは、いずれも部分放電圧、湿熱経時後の層間の密着性、磨耗性および破断伸度伸び率が良好であった。
が良好であった。
比較例1の太陽電池保護シートは、支持体の厚みが100μmであると耐電圧性能が悪化し、太陽電池保護シートとして最低必要な600Vにも対応できなかった。加えて、耐久性もないため、太陽電池保護シートとしての性能を発現できなかった。比較例2の太陽電池保護シートは、支持体の耐久性が無いため太陽電池保護シートとしての性能を発現できなかった。比較例3の保護シートは、ポリマー支持体の厚みが薄いため、耐電圧性能が低く、耐久性が良くても比較例1と同様に保護シートとしての600V対応ができず、性能発現できなかった。比較例1、2および4の太陽電池保護シートは、破断伸び保持率を評価するときに、上記の方法で引っ張る前に割れてしまい、測定不可であった。比較例5の太陽電池保護シートは、破断伸び保持率が低かった。
熱固定温度をあげる事でPETの耐久性が低下し、太陽電池保護シートとしての性能を長期間発現する事ができなかった。
なお、表1における、(A−1)はセラネートWSA−1070を表し、(A−2)はオブリガード SW0011Fを表す。
[実施例101〜114]
<下塗層用塗布液の調製>
−下塗層の調製−
下記組成中の成分を混合し、下塗層用塗布液を調製した。
<下塗層用塗布液の組成>
・ポリエステル樹脂 ・・・1.7質量%
(バイロナールMD−1200、東洋紡(株)製、固形分:17質量%)
・ポリエステル樹脂 ・・・3.8質量%
(ペスレジンA−520、高松油脂(株)製、固形分:30質量%)
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・1.5質量%
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%)
・無機酸化物フィラー ・・・1.6質量%
(スノーテックスC、日産化学(株)製、固形分:20質量%)
・カルボジイミド化合物 ・・・4.3質量%
(カルボジライトV−02−L2、日清紡(株)製、固形分:10質量%、架橋剤)
・蒸留水 ・・・87.1質量%
<白色顔料層用塗布液の調製>
−白色顔料分散物の調製−
下記組成中の成分を混合し、その混合物をダイノミル型分散機により1時間、分散処理を施した。
<顔料分散物の組成>
・二酸化チタン(体積平均粒子径=0.42μm) ・・・44.9質量%
(タイペークR−780−2、石原産業(株)製、固形分100質量%)
・ポリビニルアルコール ・・・8.0質量%
(PVA−105、(株)クラレ製、固形分:10質量%)
・界面活性剤(デモールEP、花王(株)製、固形分:25質量%)・・・0.5質量%
・蒸留水 ・・・46.6質量%
−白色顔料層用塗布液の調製−
下記組成中の成分を混合し、白色顔料層用塗布液を調製した。
<白色顔料層用塗布液の組成>
・上記の顔料分散物 ・・・70.9質量%
・ポリオレフィン樹脂水分散液 ・・・19.2質量%
(バインダー:アローベースSE−1010、ユニチカ製、固形分:20質量%)
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・3.0質量%
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%)
・オキサゾリン化合物 ・・・6.9質量%
(エポクロスWS−700、日本触媒(株)製、固形分:25質量%、架橋剤)
<太陽電池裏面保護シートの作製>
前記下塗層用塗布液を、上記にて作製した実施例1〜14の太陽電池保護シートの耐候性層が設けられている側の反対側に塗布した。その後、180℃で1分間乾燥させて、塗設量が0.1g/m2の下塗層(厚み:0.1μm)を形成した。
更に、乾燥させた下塗層の上に、二酸化チタン量が8.5g/m2になるように前記白色顔料層用塗布液を塗布し、180℃で1分間乾燥させて、白色顔料層(反射層)(厚み:10μm)を形成した。
得られた実施例101〜114の太陽電池裏面保護シートは、いずれも部分放電電圧、湿熱経時後の層間の密着性、磨耗性および破断伸度伸び率が良好であった。
10 太陽電池モジュール
12 フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層
14 第二のポリマー層
16 ポリマー支持体
18 易接着層
20 太陽電池素子
22 封止材
24 透明性の基板

Claims (14)

  1. 単層であり、かつ厚みが220μm以上のポリマー支持体と、
    フッ素ポリマーを含有する第一のポリマー層と、
    を含有し、前記ポリマー支持体が下記式(1)を満たす、太陽電池用保護シート。
    L1/L0×100≧60(%)・・・式(1)
    (式(1)において、L1は85℃、相対湿度85%の条件で2000時間後のポリマー支持体の破断伸びを表す。L0は25℃、相対湿度60%の条件でのポリマー支持体の破断伸びを表す。)
  2. 前記ポリマー支持体が、220〜350μmである、請求項1に記載の太陽電池用保護シート。
  3. 前記ポリマー支持体が、チタン触媒下で重合されたポリマーを含む、請求項1又は請求項2に記載の太陽電池用保護シート。
  4. 前記ポリマー支持体が、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
  5. 前記ポリマー支持体中の前記ポリエチレンテレフタレートのカルボキシル基含有量が、前記ポリマー支持体に対して、2〜35当量/tである、請求項4に記載の太陽電池用保護シート。
  6. 前記ポリマー支持体が、180℃〜220℃の温度で熱処理されてなる、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
  7. 前記第一のポリマー層が、カルボジイミド又はオキサゾリン架橋剤由来の架橋構造を含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
  8. 前記ポリマー支持体が、固層重合されてなる、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
  9. 前記ポリマー支持体と、第一のポリマー層との間に、更に第二のポリマー層を有する、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
  10. 前記第二のポリマー層が、前記第二のポリマー層の主バインダーに対して0.5〜50質量%の架橋剤による架橋構造を含む、請求項9に記載の太陽電池用保護シート。
  11. 前記第二のポリマー層の前記架橋構造が、カルボジイミド又はオキサゾリン架橋剤由来の架橋構造を含む、請求項10に記載の太陽電池用保護シート。
  12. 前記第二のポリマー層が、更に有機又は無機の微粒子を含有する、請求項9〜11のいずれか一項に記載の太陽電池用保護シート。
  13. 前記有機又は無機の微粒子の、第二のポリマー層の主バインダーに対する含有量が、25質量%以下である、請求項12に記載の太陽電池用保護シート。
  14. 前記ポリマー支持体の前記第一のポリマー層が設けられている側の反対側に着色層を有する、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の太陽電池用保護シート。
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