JP2019060356A - 撓み噛合い式歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撓み噛合い式歯車装置の更なる軽量化及び低イナーシャ化を図る。【解決手段】この撓み噛合い式歯車装置(1)は、起振体(10)と、起振体により撓み変形される外歯歯車(21)と、外歯歯車と噛合う内歯歯車(22、23)と、起振体と外歯歯車との間に配置される起振体軸受け(30)とを備える。そして、起振体(10)の外周面は、起振体軸受けの転動体(31)が転走する転走面を構成し、起振体(10)は、樹脂部材(j)と金属部材(m)とを軸方向に連結して構成され、金属部材(m)は転走面に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、撓み噛合い式歯車装置に関する。
従来、起振体と、起振体により撓み変形される外歯歯車と、外歯歯車と噛合う内歯歯車と、起振体と外歯歯車との間に配置される起振体軸受けとを備えた撓み噛合い式歯車装置がある。
特許文献1には、ウェーブジェネレータのウェーブプラグを有する波動歯車装置が開示されている。このウェーブプラグは、ウェーブプラグの外周面が形成された金属製の外側中空体と、ウェーブプラグの内周面が形成された金属製の内側中空体と、外側中空体と内側中空体との間に挟まれた中間中空体とを有する。さらに、中間中空体はCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)層を備え、ウェーブプラグの軽量化が図られている。
国際公開第2015/151146号
撓み噛合い式歯車装置は、起振体の重量が大きいと、起振体の慣性が増すため、大きな始動トルクが必要となり、また、回転速度を変化させる際に応答性が低下するという課題が生じる。
特許文献1の技術は、ウェーブプラグ(起振体に相当)の軽量化を図るものである。しかし、特許文献1のウェーブプラグは、軸方向の一端から他端までを金属部材が占め、十分な軽量化が得られていない。
本発明は、撓み噛合い式歯車装置の更なる軽量化及び低イナーシャ化を図ることを目的とする。
本発明は、起振体と、前記起振体により撓み変形される外歯歯車と、前記外歯歯車と噛合う内歯歯車と、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受けと、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
前記起振体の外周面は、前記起振体軸受けの転動体が転走する転走面を構成し、
前記起振体は、樹脂部材と金属部材とを軸方向に連結して構成され、
前記金属部材は、前記転走面に配置されている構成とした。
本発明によれば、撓み噛合い式歯車装置の更なる軽量化及び低イナーシャ化を図ることができる。
本発明の実施形態1に係る撓み噛合い式歯車装置を示す断面図(a)及びその部分拡大図(b)である。 図1の起振体の詳細を示す説明図である。 本発明の実施形態2に係る撓み噛合い式歯車装置を示す断面図(a)及びその部分拡大図(b)である。 本発明の実施形態3に係る撓み噛合い式歯車装置を示す断面図(a)及びその部分拡大図(b)である。 図4の起振体の一例を示す分解斜視図である。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る撓み噛合い式歯車装置を示す断面図(a)及びその部分拡大図(b)である。以下、撓み噛合い式歯車装置1の回転軸O1に沿った方向を軸方向、回転軸O1に直交する方向を径方向、回転軸O1を中心とする回転方向を周方向と定義する。
本発明の実施形態1に係る撓み噛合い式歯車装置1は、起振体10、起振体10により撓み変形される外歯歯車21、外歯歯車21と噛合う2つの内歯歯車22、23、及び、起振体10と外歯歯車21との間に配置される起振体軸受け30を備える。また、撓み噛合い式歯車装置1は、第1連結部材41、第2連結部材42、ケーシング部材43、蓋部材44、45、主軸受け51及び軸受け52、53を備える。
起振体軸受け30は、環状の玉軸受けであり、転動体である複数の玉31と、複数の玉31の周方向の間隔及び軸方向の位置を保持する図示略の保持器と、外歯歯車21の内周面と複数の玉31との間に挟まれる外輪32とを有する。起振体軸受け30は、起振体10の外周面と外歯歯車21の内周面との間に配置され、起振体10を外歯歯車21に対して相対的に回転可能に支持する。複数の玉31は周方向に列を成し、さらに、この列が軸方向に二列設けられる。なお、外輪32が省略されて外歯歯車21の内周面に複数の玉31が接触する構成としてもよい。
起振体10は、中空軸状であり、回転軸O1に垂直な断面の外周線が非円形(楕円状など)である起振体本体13と、起振体本体13の軸方向の両側に設けられ、回転軸O1に垂直な断面の外周線が円形である軸部11、12とを有する。起振体本体13は起振体軸受け30を挟んで外歯歯車21の内周側に配置され、回転することで、外歯歯車21を撓み変形させる。起振体10の外周面は、起振体軸受け30の内輪を兼ねており、起振体軸受け30の玉31が接触して転走する転走面を有する。
図2は、図1の起振体の詳細を示す説明図である。図2は起振体10の各部材を軸方向に分離して示した図である。
起振体10は、図2にも示すように、樹脂部材jと金属部材mとを軸方向に連結して構成される。金属部材mは、径方向において起振体10の外周面から内周面に渡る範囲を占める。樹脂部材jも、径方向において起振体10の外周面から内周面に渡る範囲を占める。また、径方向に見て、金属部材mと樹脂部材jとは重ならないように設けられる。
金属部材mは、図1(b)に示すように、起振体10の外周面に形成された玉31を受けるための溝15の最小径部に配置され、玉31と接触する。起振体10には、二列の玉31に対応する配置で、二列の溝15と2つの金属部材mとが設けられている。1つの金属部材mは、溝15の幅よりも小さい幅を有する。
樹脂部材jは、起振体10における金属部材mの配置箇所以外の部分を構成する。すなわち、樹脂部材jは、溝15における最小径部以外の部分と、溝15以外の部分と、軸部11、12の部分とを構成する。樹脂部材jとしては、例えばFRP(Fiber Reinforced Plastic)又はCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)など、高い剛性を有する樹脂材料を適用できる。
起振体軸受け30に大きなスラスト荷重が加わらないことが担保されれば、玉31は溝15内で金属部材mの外周面に接触して荷重を及ぼし、玉31は樹脂部材jに強く接触することがない。それ故、樹脂部材jが玉31の接触で摩耗するといった不都合が生じない。したがって、この金属部材mの配置は、起振体軸受け30が主にラジアル荷重を受け、大きなスラスト荷重が加わらない場合に適している。
金属部材mと樹脂部材jとから構成される起振体10は、金属と樹脂の一体接合技術を用いて製造できる。一例としては、先ず、環状の金属部材mを成形し、金属部材mの軸方向側面に樹脂を接合可能にする表面処理(プライマー加工等)を行う。その後、金属部材mを型に固定し樹脂部材jをインサート成形する。これにより、金属部材mと樹脂部材jとが強固に接合され、起振体10を製造できる。
或いは、起振体10は、各樹脂部材jと各金属部材mとを別々に成形した後、これらを接着剤で接着することで製造することもできる。
その他の構成は、これに制限されないが、以下の通りである。第1連結部材41は、環状の形態を有し、内周面の一部に一方の内歯歯車23が設けられている。第2連結部材42は、環状の形態を有し、内周面の一部に他方の内歯歯車22が設けられている。内歯歯車22、23は、剛性を有し、外歯歯車21の一部と噛合い、外歯歯車21の撓み変形により噛合う箇所が変化することで回転運動が伝達される。ケーシング部材43は、第1連結部材41に連結されて、第2連結部材42の外周部を覆う。一方の蓋部材44は、環状の形態を有し、第1連結部材41に連結されて、起振体軸受け30及び外歯歯車21の軸方向の一方を覆う。また、蓋部材44は、起振体10の一方の軸部12の外周側を覆う。もう一方の蓋部材45は、環状の形態を有し、第2連結部材42に連結されて、起振体軸受け30及び外歯歯車21の軸方向のもう一方を覆う。また、蓋部材45は、起振体10のもう一方の軸部11の外周側を覆う。主軸受け51は、ケーシング部材43と第2連結部材42との間に配置され、ケーシング部材43に対して回転可能に第2連結部材42を支持する。軸受け52、53は、蓋部材44、45と起振体10の軸部11、12との間にそれぞれ配置され、蓋部材44、45に対して回転可能に起振体10を支持する。第1連結部材41、第2連結部材42及び起振体10は、装置外部のベース部、出力軸及び入力軸がそれぞれ連結される。これらの接続関係は任意である。
上記構成の撓み噛合い式歯車装置1においては、典型的には、起振体10に入力軸が接続され、一方の内歯歯車22に出力軸が接続され、他方の内歯歯車23に支持部材が固定される。さらに、一方の内歯歯車22の歯数と外歯歯車21の歯数が同数に設定され、他方の内歯歯車23の歯数と外歯歯車21の歯数とが異なるように設定される。このような構成により、入力軸の回転駆動により起振体10が回転すると、起振体軸受け30を介して起振体10の運動が外歯歯車21に伝わる。外歯歯車21は、固定された内歯歯車23に一部が噛合っているので、起振体10の回転に追従するように外歯歯車21が回転することはなく、外歯歯車21に対して起振体10が相対的に回転する運動が得られる。このとき、外歯歯車21は起振体本体13の外周面に沿った形状に規制されているため、外歯歯車21は起振体10の回転に従って撓み変形する。この変形の周期は、起振体10の回転周期に比例する。起振体10の回転により外歯歯車21が変形すると、起振体本体13の径が大きい部分が回転方向に移動し、これにより外歯歯車21と内歯歯車23との噛合う位置が回転方向に変化する。外歯歯車21と内歯歯車23との歯数に違いがあるため、噛合う位置が一周するごとに、外歯歯車21と内歯歯車23との噛合う歯がずれていき、これにより外歯歯車21が回転する。例えば、内歯歯車23の歯数が102で、外歯歯車21の歯数が100であれば、起振体10の回転運動は減速比100:2で減速されて外歯歯車21に伝達される。一方、外歯歯車21は内歯歯車22とも同様に噛合っているため、起振体10の回転によって外歯歯車21と内歯歯車22との噛合う位置も同様に回転方向に変化する。内歯歯車22の歯数と外歯歯車21の歯数とは同数であるので、外歯歯車21と内歯歯車22とは相対的に回転せずに、外歯歯車21の回転運動が減速比1:1で内歯歯車22へ伝達される。これにより、内歯歯車22が回転して出力軸から減速された回転運動が出力される。なお、減速比は、外歯歯車21と内歯歯車23、22との歯数の設定により変えることができる。また、入力軸と出力軸とに接続される部材、支持部材へ固定される部材は、上記の例に限られず、起振体10及び一方と他方の内歯歯車22、23の間で任意に変更されてもよい。
以上のように、実施形態1の撓み噛合い式歯車装置1によれば、起振体10が樹脂部材jと金属部材mとを軸方向に連結して構成される。そして、起振体10の軸方向の一端から他端までを金属部材が占めない。また、金属部材mは起振体軸受け30の玉31の転走面に配置される。したがって、起振体10の大幅な軽量化を図ることができ、かつ、起振体10の転走面の耐摩耗性を損なうことがない。特に、軸部11、12を有するような軸方向に長い起振体10において、大幅に軽量化できる。これにより、撓み噛合い式歯車装置1が低イナーシャ化し、始動トルクの軽減及び加減速時の応答性の向上を実現できる。撓み噛合い式歯車装置1が、同じ動作を周期的に繰り返す用途で利用される場合には、加減速時の応答性が向上されることから、周期的な動作のサイクルタイムの短縮を図ることができる。
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2に係る撓み噛合い式歯車装置を示す断面図(a)及びその部分拡大図(b)である。
実施形態2の撓み噛合い式歯車装置1Aは、起振体10Aを構成する金属部材mの配置及び個数を異ならせたもので、その他の構成要素は実施形態1と同様である。実施形態1と同一の構成要素については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態2の起振体10Aは、樹脂部材j,j1と金属部材mとが軸方向に連結されて構成される。金属部材mは径方向において起振体10Aの外周面から内周面に渡る範囲を占める。樹脂部材j、j1も径方向において起振体10Aの外周面から内周面に渡る範囲を占める。また、径方向に見て、金属部材mと樹脂部材j、j1とは重ならないように設けられる。
実施形態2では、溝15の最小径部には樹脂部材j1が配置される。また、最小径部を占める樹脂部材j1の軸方向の両側に金属部材mが配置される。樹脂部材j1の外周面は僅かに小径に形成され、玉31が接触しないように間隙が設けられる。最小径部を占める樹脂部材j1とその両側の金属部材mとを足した幅は溝15の幅以下にするとよい。
樹脂部材j、j1と金属部材mとの接合は、実施形態1に示した方法により実現できる。
このような起振体10Aによれば、起振体10Aが回転し、起振体軸受け30の玉31が転走する際、溝15の軸方向両側から金属部材mが玉31に接触して荷重を受け、溝15内の樹脂部材jは玉31に接触しない、或いは、強く接触しない。
以上のように、実施形態2の撓み噛合い式歯車装置1Aによれば、起振体10Aが樹脂部材j、j1と金属部材mとを軸方向に連結して構成される。そして、起振体10の軸方向の一端から他端までを金属部材が占めない。また、金属部材mは起振体軸受け30の玉31の転走面に配置される。したがって、起振体10の大幅な軽量化を図ることができ、かつ、起振体10の転走面の耐摩耗性を損なうことがない。これにより、撓み噛合い式歯車装置1Aが低イナーシャ化し、始動トルクを軽減し、また、加減速時の応答性を向上できる。
さらに、実施形態2の撓み噛合い式歯車装置1Aによれば、溝15において2つの金属部材mが軸方向両側から玉31に接触して荷重を受ける。したがって、起振体軸受け30にラジアル荷重及びスラスト荷重が加わる場合にも、高い耐摩耗性を維持することができる。
(実施形態3)
図4は、本発明の実施形態3に係る撓み噛合い式歯車措置を示す断面図(a)及びその部分拡大図(b)である。
実施形態3の撓み噛合い式歯車装置1Bは、起振体軸受け30Bの転動体としてコロ31Bを採用し、起振体10Bの金属部材m1をこれに対応させたものであり、その他の構成要素については実施形態1と同様である。同様の構成要素については、実施形態1と同一符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態3の起振体軸受け30Bは、環状のコロ軸受けであり、転動体である複数のコロ31Bと、複数のコロ31Bに対して周方向の間隔及び軸方向の位置を保持する図示略の保持体と、外輪32Bとを有する。複数のコロ31Bは周方向に列を成し、さらに、この列が軸方向に二列設けられる。コロ31Bは、起振体10Bの外周面に接触して転走する。
実施形態3の起振体10Bは、樹脂部材j、j2と金属部材m1とが軸方向に連結されて構成される。金属部材m1は径方向において起振体10Bの外周面から内周面に渡る範囲を占める。樹脂部材j、j2も径方向において起振体10Bの外周面から内周面に渡る範囲を占める。また、径方向に見て、金属部材m1と樹脂部材j、j2とは重ならないように設けられる。
図4(b)に示すように、金属部材m1の軸方向の幅寸L1は、コロ31Bの接触面の幅寸L2(コロ31Bが転走面に接触する部分における軸方向の幅寸を意味する)よりも大きい。具体的には、幅寸L1は、コロ31Bの接触面の幅寸L2に、コロ31Bがクリアランスにより軸方向に動ける長さを加えた長さ以上、かつ、この長さとほぼ同等に設定するとよい。金属部材m1は、コロ31Bの接触面の軸方向の全域と重なるように配置される。二列のコロ31Bに対応して、2つの金属部材m1が設けられる。なお、金属部材m1の幅寸L1は、コロ31Bの軸方向長さよりも大きくしてもよい。
図5は、図4の起振体の一例を示す分解斜視図である。
樹脂部材j、j2と金属部材m1との接合は、実施形態1に示した方法により実現できる。或いは、起振体10Bは、図5に示すような部材同士の嵌合により、樹脂部材j、j2と金属部材m1とを接合することもできる。図5の例では、金属部材m1、m1の軸方向の側部、及び、樹脂部材j、j2の軸方向の側部に、軸方向に延びる複数の嵌合孔dを設ける一方、これらの嵌合孔dにそれぞれ嵌合する複数の棒材fを用意する。棒材fは、軽量化の点から樹脂により構成するとよいが、これに限られない。そして、金属部材m1、m1及び樹脂部材j、j2を通すように、複数の嵌合孔dに複数の棒材fを嵌合させることで、金属部材m1、m1と樹脂部材j、j2とを接合することができる。また、このような嵌合構造と接着剤による接合とを併合してもよい。このような嵌合構造により強固な接合を容易な製造工程で達成できる。
このような起振体10Bによれば、起振体10Bが回転し、起振体軸受け30Bのコロ31Bが転走する際、金属部材m1がコロ31Bに接触して荷重を受け、樹脂部材j、j2はコロ31Bに接触しない。
以上のように、実施形態3の撓み噛合い式歯車装置1Bによれば、起振体10Bが樹脂部材j、j2と金属部材m1とを軸方向に連結して構成され、起振体10の軸方向の一端から他端までを金属部材が占めない。また、金属部材m1は起振体軸受け30Bのコロ31Bの転動面に配置される。したがって、起振体10Bの大幅な軽量化を図ることができ、かつ、起振体10Bの転動面の耐摩耗性を損なうことがない。これにより、撓み噛合い式歯車装置1Bが低イナーシャ化し、始動トルクの軽減及び加減速時の応答性の向上を実現できる。
さらに、実施形態3の撓み噛合い式歯車装置1Bによれば、コロ31Bの外周面のうち軸方向の全域と重なるように金属部材m1が配置され、コロ31Bから荷重を受ける。したがって、起振体軸受け30に非常に大きなラジアル荷重が加わる場合にも、円滑な起振体10Bの回転を実現でき、さらに、起振体10Bの転動面において高い耐摩耗性を維持することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記実施形態では、軸部11、12と起振体本体13とを有する起振体10を例にとって説明したが、起振体は軸部11、12を有さない構成であってもよい。また、上記実施形態では、二列の転動体を有する起振体軸受けを例にとって説明したが、転動体は一列の構成でもよいし、三列以上の構成であってもよい。また、上記実施形態では、フラット型の撓み噛合い式歯車装置を例にとって説明したが、本発明の撓み噛合い式歯車装置は、例えばカップ型、シルクハット型など、様々な形式の撓み噛合い式歯車装置に適用可能である。また、起振体の樹脂部材と金属部材との接合は、突起とこれと嵌合する溝とを対向する一対の接合面に設けて両者を接合するインロー構造により実現してもよい。この場合、径方向から見たときに、樹脂部材と金属部材の一部同士が重なるが、樹脂部材と金属部材とのうち一方の軸方向の全範囲が他方に重なることはない。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1、1A、1B 撓み噛合い式歯車装置
10、10A、10B 起振体
11、12 軸部
13 起振体本体
15 溝
21 外歯歯車
22、23 内歯歯車
30、30B 起振体軸受け
31 玉(転動体)
31B コロ(転動体)
52、53 軸受け
j、j1、j2 樹脂部材
m、m1 金属部材
f 棒材
d 嵌合孔

Claims (7)

  1. 起振体と、前記起振体により撓み変形される外歯歯車と、前記外歯歯車と噛合う内歯歯車と、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受けと、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
    前記起振体の外周面は、前記起振体軸受けの転動体が転走する転走面を構成し、
    前記起振体は、樹脂部材と金属部材とを軸方向に連結して構成され、
    前記金属部材は、前記転走面に配置されている、
    撓み噛合い式歯車装置。
  2. 前記金属部材は、前記起振体の内周面から外周面に渡る範囲に設けられる、
    請求項1記載の撓み噛合い式歯車装置。
  3. 前記転動体は玉であり、
    前記金属部材は、前記玉が嵌る溝の最小径部に配置されている、
    請求項1又は請求項2記載の撓み噛合い式歯車装置。
  4. 前記転動体は玉であり、
    前記金属部材は、前記玉が嵌る溝の最小径部に配置された樹脂部材の両側に配置され、
    前記最小径部に配置された樹脂部材は玉に接触しない径を有する、
    請求項1又は請求項2記載の撓み噛合い式歯車装置。
  5. 前記転動体はコロであり、前記金属部材の外周面の前記軸方向における長さは前記コロの接触面の前記軸方向における長さより大きい、
    請求項1又は請求項2記載の撓み噛合い式歯車装置。
  6. 前記起振体は、
    前記起振体軸受けの内側に配置され、断面の外周線が非円形の起振体本体と、
    前記起振体本体の軸方向両側に設けられ、断面の外周線が円形の軸部と、
    を備え、
    前記軸部は前記樹脂部材により構成され軸受けにより支持される、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の撓み噛合い式歯車装置。
  7. 前記樹脂部材と前記金属部材とは嵌合孔を有し、
    前記樹脂部材の前記嵌合孔と前記金属部材の前記嵌合孔とに棒材が嵌合して前記樹脂部材と前記金属部材とが連結している、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の撓み噛合い式歯車装置。
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