JPH051048U - 調和変速装置の波動発生器 - Google Patents
調和変速装置の波動発生器Info
- Publication number
- JPH051048U JPH051048U JP4927491U JP4927491U JPH051048U JP H051048 U JPH051048 U JP H051048U JP 4927491 U JP4927491 U JP 4927491U JP 4927491 U JP4927491 U JP 4927491U JP H051048 U JPH051048 U JP H051048U
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- wave generator
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ボールベアリングのボール軌道溝が、波動発
生器の楕円形カム板の外周面に形成された構成の調和変
速装置において、ボールベアリングのボール組み込みを
容易に行うことの可能な構造を実現すること。 【構成】 波動発生器の楕円形カム板41には、その外
周面にボール軌道溝412が形成されている。このボー
ル軌道溝412は、カム板の短軸41aの両端の一方の
側に位置する部分が部分的に浅くなるように設定されて
いる。ボールの組み込みは、この浅くなっている軌道溝
の部分から行う。
生器の楕円形カム板の外周面に形成された構成の調和変
速装置において、ボールベアリングのボール組み込みを
容易に行うことの可能な構造を実現すること。 【構成】 波動発生器の楕円形カム板41には、その外
周面にボール軌道溝412が形成されている。このボー
ル軌道溝412は、カム板の短軸41aの両端の一方の
側に位置する部分が部分的に浅くなるように設定されて
いる。ボールの組み込みは、この浅くなっている軌道溝
の部分から行う。
Description
【0001】
本考案は調和変速装置の波動発生器に関するものである。さらに詳しくは、本 考案は、波動発生器を構成するボールベアリングにおけるボール組み込みのため の構造に関するものである。
【0002】
調和変速装置としては一般的に歯車式の調和減速装置が知られている。この形 式の減速装置は、環状の剛性内歯歯車の内側に、環状の可撓性外歯歯車が配置さ れており、この外歯歯車が、楕円形をした波動発生器によって楕円形状に撓めら れて、その長軸方向の両端位置で内歯歯車に噛み合わされている。波動発生器を 回転させることにより、これらの噛み合わせ位置が周方向に移動して、外歯と内 歯の歯数差に応じてこれら外歯歯車と内歯歯車との間には相対回転が発生する。
【0003】 通常は、内歯歯車を固定して、波動発生器の側から高速回転を入力して、外歯歯 車の側から減速回転を取り出す形態で使用される。
【0004】 波動発生器は、楕円形状をしたカム板と、その外周面に嵌めたボールベアリン グとから構成されている。ボールベアリングの内輪がカム板の外周面に嵌め込ま れ、その外輪が可撓性外歯歯車の内周面に嵌め込まれる。
【0005】
この構成の減速装置において、その構造の簡素化および部品点数の削減を図る ために、カム板の外周面にボール軌道溝を形成して、ボールベアリングの内輪を 省略することが考えられる。この構成を採用した場合には、ボールベアリングの ボールの組み込み作業が困難となる。すなわち、通常のボールベアリングにおい ては、ある程度の可撓性を有する外輪および内輪の間にボールを組み込めばよい ので、ボールの組み込み作業はそれほど困難ではない。しかし、内輪の代わりに カム板に形成した軌道溝を利用する場合は、カム板が、剛体から形成されている と共に楕円形状をしているので、ここにボールを組み込む作業は困難になる。
【0006】 本考案の課題は、この点に鑑みて、波動発生器のカム板にボールベアリングの 軌道溝が形成された構成の調和変速装置において、ボールベアリングのボールの 組み込みを容易に行うことの可能な構造を実現することにある。
【0007】
上記の課題を解決するために、本考案の調和変速装置においては、その波動発 生器を構成する楕円形カム板の外周面に形成したボール軌道溝の深さを次のよう に設定している。楕円形カム板の短軸方向の端に位置する部分の軌道溝の深さを 、その長軸方向の両端に位置する軌道溝の深さよりも浅く設定している。例えば 、短軸方向の両端のうちの一方の側に位置する部分の軌道深さのみを部分的に浅 く設定し、その他の部分の深さを一定となるように設定する。あるいは、長軸側 の両端に位置する軌道深さを最も深くなるように設定し、短軸側の両端に位置す る軌道深さを最も浅くなるように設定し、長軸側から短軸側に向けて除々に軌道 深さが浅くなるように設定してもよい。
【0008】
以下に図面を参照して本考案の実施例を説明する。
【0009】 図1には本例の歯車式調和減速装置の断面構成を示してある。この図に示すよ うに、減速装置1は、同心状態に、外側から、環状をした剛性の内歯歯車部材2 、環状をした可撓性の外歯歯車部材3、楕円形状をした波動発生器4がこの順序 で組付けられている。波動発生器4は楕円形状をした剛性のカム板41と、この カム板の外周と外歯歯車部材3の内周との間に配置されたボールベアリング42 とから構成されている。ボールベアリング42は、カム板の外周面に形成したボ ール軌道溝421と、外歯歯車部材の内周面31に嵌め込まれた外輪422と、 これらの間に組み込まれたボール423から構成されている。
【0010】 図2、図3および図4には、カム板外周面に形成したボール軌道溝421の深 さを示してある。図2に示すようにボール軌道溝421は、全体としてはカム板 の外周面において一定の深さで形成されている。すなわち、図3に示すように、 カム板外周面411において、その中央には一定の曲率の軌道溝421が形成さ れている。しかし、カム板の短軸41aの一方の端の側に位置する部分において はカム板の外周面411が、僅かに削り取られた輪郭形状をしており、その分だ け軌道溝の深さが浅くなっている。すなわち、図4に示すように、この部分にお いては、カム外周面411が想像線で示す楕円形の輪郭線412に対して楕円形 状の中心寄りに位置しており、その分だけ軌道面421の深さが浅い。
【0011】 このように構成した本例の調和減速装置において、ボールベアリングのボール は、軌道溝421の浅くなっている部分から、この軌道面と外輪との間に挿入さ れる。軌道溝が部分的に浅くなっているので、この組み込み作業は従来に較べて 容易に行うことができる。なお、図5に示すように、軌道溝の片側部分のカム外 周面を僅かに削り取ってもよい。本考案における軌道溝を浅くするという構成は 、このような場合も含んだ意味で使用している。
【0012】 軌道溝は、カム板の短軸側に位置する部分が長軸側に位置する部分に較べて相 対的に浅くなるように設定されていればよい。従って、上述したように軌道溝を 構成する代わりに、図6に示すように軌道溝の深さを設定してもよい。図6に示 す例では、軌道溝421の深さは、カム板の長軸41bの両端部分の位置におい て最も深く、その短軸41aの両端部分の位置において最も浅くなっている。そ して、これらの間においては、長軸側から短軸側に向けて除々に深さが浅くなっ ている。この例においては、カム板の外周面411の形状はそのままに保持され ている。本例の変形例としては、短軸41aの両端のうちの一方の側に位置する 部分の軌道溝だけを浅くするようにしてもよい。
【0013】
【考案の効果】 以上説明したように、本考案の調和変速装置においては、その波動発生器を構 成するボールベアリングのボール軌道溝を楕円形カム板の外周面に形成し、この 軌道溝を、楕円形の短軸側の部分においてその他の部分よりも浅くなるように設 定してある。従って、本考案によれば、外輪と、楕円形カム板に形成した軌道溝 との間にボールを組み込む作業を、浅い軌道溝の部分から容易に行うことが可能 になる。
【図1】本考案の実施例の歯車式調和減速装置の断面構
成を示す概略構成図である。
成を示す概略構成図である。
【図2】図1の減速装置の波動発生器のカム板に形成さ
れたボール軌道溝の深さを誇張して示す説明図である。
れたボール軌道溝の深さを誇張して示す説明図である。
【図3】図2のIII−III線で切断した部分を示す
部分断面図である。
部分断面図である。
【図4】図2のIV−IV線で切断した部分を示す部分
断面図である。
断面図である。
【図5】軌道溝の別の例を示す部分断面図である。
【図6】本考案の別の実施例におけるカム板に形成され
たボール軌道溝の深さを誇張して示す説明図である。
たボール軌道溝の深さを誇張して示す説明図である。
1・・・歯車式調和減速装置 2・・・内歯歯車 3・・・外歯歯車 4・・・波動発生器 41・・・楕円形カム板 41a・・・短軸 41b・・・長軸 411・・・カム板外周面 42・・・ボールベアリング 421・・・ボール軌道溝 422・・・外輪 423・・・ボール
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 環状の剛性部材と、この内側に配置され
た環状の可撓性部材と、この可撓性部材の内側に配置さ
れた波動発生器とを有し、この波動発生器は、楕円形の
カム板と、このカム板の外周面と前記可撓性部材の内周
面の間に配置されたボールベアリングとを備え、この波
動発生器により前記可撓性部材は楕円形に撓まされて、
楕円形の長軸方向の両端位置で前記剛性部材の内周面に
係合し、これらの係合位置が前記波動発生器のカム板の
回転により周方向に移動することにより前記剛性部材と
前記可撓性部材の間に相対回転が発生する調和変速装置
において、前記ボールベアリングは、前記カム板の外周
面に形成したボール軌道溝と、前記可撓性部材の内周に
嵌め込まれた外輪と、これらの間に組み込まれた複数個
のボールから構成されており、前記ボール軌道溝は、カ
ム板の短軸方向の両端に位置する部分のうちの少なくと
も一方の部分が、少なくとも長軸方向の両端に位置する
部分に較べて浅くなるように設定されていることを特徴
とする調和変速装置の波動発生器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4927491U JP2520437Y2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 調和変速装置の波動発生器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4927491U JP2520437Y2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 調和変速装置の波動発生器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH051048U true JPH051048U (ja) | 1993-01-08 |
JP2520437Y2 JP2520437Y2 (ja) | 1996-12-18 |
Family
ID=12826273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4927491U Expired - Lifetime JP2520437Y2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 調和変速装置の波動発生器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2520437Y2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011001474A1 (ja) * | 2009-07-02 | 2011-01-06 | 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ | 非円形ベアリング、波動発生器および波動歯車装置 |
JP2019060356A (ja) * | 2017-09-25 | 2019-04-18 | 住友重機械工業株式会社 | 撓み噛合い式歯車装置 |
JP2021055767A (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | Ntn株式会社 | 玉軸受 |
-
1991
- 1991-06-27 JP JP4927491U patent/JP2520437Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011001474A1 (ja) * | 2009-07-02 | 2011-01-06 | 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ | 非円形ベアリング、波動発生器および波動歯車装置 |
JPWO2011001474A1 (ja) * | 2009-07-02 | 2012-12-10 | 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ | 非円形ベアリング、波動発生器および波動歯車装置 |
JP2019060356A (ja) * | 2017-09-25 | 2019-04-18 | 住友重機械工業株式会社 | 撓み噛合い式歯車装置 |
JP2021055767A (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | Ntn株式会社 | 玉軸受 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2520437Y2 (ja) | 1996-12-18 |
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