JP2520437Y2 - 調和変速装置の波動発生器 - Google Patents
調和変速装置の波動発生器Info
- Publication number
- JP2520437Y2 JP2520437Y2 JP4927491U JP4927491U JP2520437Y2 JP 2520437 Y2 JP2520437 Y2 JP 2520437Y2 JP 4927491 U JP4927491 U JP 4927491U JP 4927491 U JP4927491 U JP 4927491U JP 2520437 Y2 JP2520437 Y2 JP 2520437Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cam plate
- wave generator
- peripheral surface
- raceway groove
- ball
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は調和変速装置の波動発生
器に関するものである。さらに詳しくは、本考案は、波
動発生器を構成するボールベアリングにおけるボール組
み込みのための構造に関するものである。
器に関するものである。さらに詳しくは、本考案は、波
動発生器を構成するボールベアリングにおけるボール組
み込みのための構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】調和変速装置としては一般的に歯車式の
調和減速装置が知られている。この形式の減速装置は、
環状の剛性内歯歯車の内側に、環状の可撓性外歯歯車が
配置されており、この外歯歯車が、楕円形をした波動発
生器によって楕円形状に撓められて、その長軸方向の両
端位置で内歯歯車に噛み合わされている。波動発生器を
回転させることにより、これらの噛み合わせ位置が周方
向に移動して、外歯と内歯の歯数差に応じてこれら外歯
歯車と内歯歯車との間には相対回転が発生する。
調和減速装置が知られている。この形式の減速装置は、
環状の剛性内歯歯車の内側に、環状の可撓性外歯歯車が
配置されており、この外歯歯車が、楕円形をした波動発
生器によって楕円形状に撓められて、その長軸方向の両
端位置で内歯歯車に噛み合わされている。波動発生器を
回転させることにより、これらの噛み合わせ位置が周方
向に移動して、外歯と内歯の歯数差に応じてこれら外歯
歯車と内歯歯車との間には相対回転が発生する。
【0003】通常は、内歯歯車を固定して、波動発生器
の側から高速回転を入力して、外歯歯車の側から減速回
転を取り出す形態で使用される。
の側から高速回転を入力して、外歯歯車の側から減速回
転を取り出す形態で使用される。
【0004】波動発生器は、楕円形状をしたカム板と、
その外周面に嵌めたボールベアリングとから構成されて
いる。ボールベアリングの内輪がカム板の外周面に嵌め
込まれ、その外輪が可撓性外歯歯車の内周面に嵌め込ま
れる。
その外周面に嵌めたボールベアリングとから構成されて
いる。ボールベアリングの内輪がカム板の外周面に嵌め
込まれ、その外輪が可撓性外歯歯車の内周面に嵌め込ま
れる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】この構成の減速装置に
おいて、その構造の簡素化および部品点数の削減を図る
ために、カム板の外周面にボール軌道溝を形成して、ボ
ールベアリングの内輪を省略することが考えられる。こ
の構成を採用した場合には、ボールベアリングのボール
の組み込み作業が困難となる。すなわち、通常のボール
ベアリングにおいては、ある程度の可撓性を有する外輪
および内輪の間にボールを組み込めばよいので、ボール
の組み込み作業はそれほど困難ではない。しかし、内輪
の代わりにカム板に形成した軌道溝を利用する場合は、
カム板が、剛体から形成されていると共に楕円形状をし
ているので、ここにボールを組み込む作業は困難にな
る。
おいて、その構造の簡素化および部品点数の削減を図る
ために、カム板の外周面にボール軌道溝を形成して、ボ
ールベアリングの内輪を省略することが考えられる。こ
の構成を採用した場合には、ボールベアリングのボール
の組み込み作業が困難となる。すなわち、通常のボール
ベアリングにおいては、ある程度の可撓性を有する外輪
および内輪の間にボールを組み込めばよいので、ボール
の組み込み作業はそれほど困難ではない。しかし、内輪
の代わりにカム板に形成した軌道溝を利用する場合は、
カム板が、剛体から形成されていると共に楕円形状をし
ているので、ここにボールを組み込む作業は困難にな
る。
【0006】本考案の課題は、この点に鑑みて、波動発
生器のカム板にボールベアリングの軌道溝が形成された
構成の調和変速装置において、ボールベアリングのボー
ルの組み込みを容易に行うことの可能な構造を実現する
ことにある。
生器のカム板にボールベアリングの軌道溝が形成された
構成の調和変速装置において、ボールベアリングのボー
ルの組み込みを容易に行うことの可能な構造を実現する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本考案の調和変速装置においては、その波動発生
器を構成する楕円形カム板の外周面に形成したボール軌
道溝の深さを次のように設定している。楕円形カム板の
短軸方向の端に位置する部分の軌道溝の深さを、その長
軸方向の両端に位置する軌道溝の深さよりも浅く設定し
ている。例えば、短軸方向の両端のうちの一方の側に位
置する部分の軌道深さのみを部分的に浅く設定し、その
他の部分の深さを一定となるように設定する。あるい
は、長軸側の両端に位置する軌道深さを最も深くなるよ
うに設定し、短軸側の両端に位置する軌道深さを最も浅
くなるように設定し、長軸側から短軸側に向けて除々に
軌道深さが浅くなるように設定してもよい。
めに、本考案の調和変速装置においては、その波動発生
器を構成する楕円形カム板の外周面に形成したボール軌
道溝の深さを次のように設定している。楕円形カム板の
短軸方向の端に位置する部分の軌道溝の深さを、その長
軸方向の両端に位置する軌道溝の深さよりも浅く設定し
ている。例えば、短軸方向の両端のうちの一方の側に位
置する部分の軌道深さのみを部分的に浅く設定し、その
他の部分の深さを一定となるように設定する。あるい
は、長軸側の両端に位置する軌道深さを最も深くなるよ
うに設定し、短軸側の両端に位置する軌道深さを最も浅
くなるように設定し、長軸側から短軸側に向けて除々に
軌道深さが浅くなるように設定してもよい。
【0008】
【実施例】以下に図面を参照して本考案の実施例を説明
する。
する。
【0009】図1には本例の歯車式調和減速装置の断面
構成を示してある。この図に示すように、減速装置1
は、同心状態に、外側から、環状をした剛性の内歯歯車
部材2、環状をした可撓性の外歯歯車部材3、楕円形状
をした波動発生器4がこの順序で組付けられている。波
動発生器4は楕円形状をした剛性のカム板41と、この
カム板の外周と外歯歯車部材3の内周との間に配置され
たボールベアリング42とから構成されている。ボール
ベアリング42は、カム板の外周面に形成したボール軌
道溝421と、外歯歯車部材の内周面31に嵌め込まれ
た外輪422と、これらの間に組み込まれたボール42
3から構成されている。
構成を示してある。この図に示すように、減速装置1
は、同心状態に、外側から、環状をした剛性の内歯歯車
部材2、環状をした可撓性の外歯歯車部材3、楕円形状
をした波動発生器4がこの順序で組付けられている。波
動発生器4は楕円形状をした剛性のカム板41と、この
カム板の外周と外歯歯車部材3の内周との間に配置され
たボールベアリング42とから構成されている。ボール
ベアリング42は、カム板の外周面に形成したボール軌
道溝421と、外歯歯車部材の内周面31に嵌め込まれ
た外輪422と、これらの間に組み込まれたボール42
3から構成されている。
【0010】図2、図3および図4には、カム板外周面
に形成したボール軌道溝421の深さを示してある。図
2に示すようにボール軌道溝421は、全体としてはカ
ム板の外周面において一定の深さで形成されている。す
なわち、図3に示すように、カム板外周面411におい
て、その中央には一定の曲率の軌道溝421が形成され
ている。しかし、カム板の短軸41aの一方の端の側に
位置する部分においてはカム板の外周面411が、僅か
に削り取られた輪郭形状をしており、その分だけ軌道溝
の深さが浅くなっている。すなわち、図4に示すよう
に、この部分においては、カム外周面411が想像線で
示す楕円形の輪郭線412に対して楕円形状の中心寄り
に位置しており、その分だけ軌道面421の深さが浅
い。
に形成したボール軌道溝421の深さを示してある。図
2に示すようにボール軌道溝421は、全体としてはカ
ム板の外周面において一定の深さで形成されている。す
なわち、図3に示すように、カム板外周面411におい
て、その中央には一定の曲率の軌道溝421が形成され
ている。しかし、カム板の短軸41aの一方の端の側に
位置する部分においてはカム板の外周面411が、僅か
に削り取られた輪郭形状をしており、その分だけ軌道溝
の深さが浅くなっている。すなわち、図4に示すよう
に、この部分においては、カム外周面411が想像線で
示す楕円形の輪郭線412に対して楕円形状の中心寄り
に位置しており、その分だけ軌道面421の深さが浅
い。
【0011】このように構成した本例の調和減速装置に
おいて、ボールベアリングのボールは、軌道溝421の
浅くなっている部分から、この軌道面と外輪との間に挿
入される。軌道溝が部分的に浅くなっているので、この
組み込み作業は従来に較べて容易に行うことができる。
なお、図5に示すように、軌道溝の片側部分のカム外周
面を僅かに削り取ってもよい。本考案における軌道溝を
浅くするという構成は、このような場合も含んだ意味で
使用している。
おいて、ボールベアリングのボールは、軌道溝421の
浅くなっている部分から、この軌道面と外輪との間に挿
入される。軌道溝が部分的に浅くなっているので、この
組み込み作業は従来に較べて容易に行うことができる。
なお、図5に示すように、軌道溝の片側部分のカム外周
面を僅かに削り取ってもよい。本考案における軌道溝を
浅くするという構成は、このような場合も含んだ意味で
使用している。
【0012】軌道溝は、カム板の短軸側に位置する部分
が長軸側に位置する部分に較べて相対的に浅くなるよう
に設定されていればよい。従って、上述したように軌道
溝を構成する代わりに、図6に示すように軌道溝の深さ
を設定してもよい。図6に示す例では、軌道溝421の
深さは、カム板の長軸41bの両端部分の位置において
最も深く、その短軸41aの両端部分の位置において最
も浅くなっている。そして、これらの間においては、長
軸側から短軸側に向けて除々に深さが浅くなっている。
この例においては、カム板の外周面411の形状はその
ままに保持されている。本例の変形例としては、短軸4
1aの両端のうちの一方の側に位置する部分の軌道溝だ
けを浅くするようにしてもよい。
が長軸側に位置する部分に較べて相対的に浅くなるよう
に設定されていればよい。従って、上述したように軌道
溝を構成する代わりに、図6に示すように軌道溝の深さ
を設定してもよい。図6に示す例では、軌道溝421の
深さは、カム板の長軸41bの両端部分の位置において
最も深く、その短軸41aの両端部分の位置において最
も浅くなっている。そして、これらの間においては、長
軸側から短軸側に向けて除々に深さが浅くなっている。
この例においては、カム板の外周面411の形状はその
ままに保持されている。本例の変形例としては、短軸4
1aの両端のうちの一方の側に位置する部分の軌道溝だ
けを浅くするようにしてもよい。
【0013】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の調和変速
装置においては、その波動発生器を構成するボールベア
リングのボール軌道溝を楕円形カム板の外周面に形成
し、この軌道溝を、楕円形の短軸側の部分においてその
他の部分よりも浅くなるように設定してある。従って、
本考案によれば、外輪と、楕円形カム板に形成した軌道
溝との間にボールを組み込む作業を、浅い軌道溝の部分
から容易に行うことが可能になる。
装置においては、その波動発生器を構成するボールベア
リングのボール軌道溝を楕円形カム板の外周面に形成
し、この軌道溝を、楕円形の短軸側の部分においてその
他の部分よりも浅くなるように設定してある。従って、
本考案によれば、外輪と、楕円形カム板に形成した軌道
溝との間にボールを組み込む作業を、浅い軌道溝の部分
から容易に行うことが可能になる。
【図1】本考案の実施例の歯車式調和減速装置の断面構
成を示す概略構成図である。
成を示す概略構成図である。
【図2】図1の減速装置の波動発生器のカム板に形成さ
れたボール軌道溝の深さを誇張して示す説明図である。
れたボール軌道溝の深さを誇張して示す説明図である。
【図3】図2のIII−III線で切断した部分を示す
部分断面図である。
部分断面図である。
【図4】図2のIV−IV線で切断した部分を示す部分
断面図である。
断面図である。
【図5】軌道溝の別の例を示す部分断面図である。
【図6】本考案の別の実施例におけるカム板に形成され
たボール軌道溝の深さを誇張して示す説明図である。
たボール軌道溝の深さを誇張して示す説明図である。
1・・・歯車式調和減速装置 2・・・内歯歯車 3・・・外歯歯車 4・・・波動発生器 41・・・楕円形カム板 41a・・・短軸 41b・・・長軸 411・・・カム板外周面 42・・・ボールベアリング 421・・・ボール軌道溝 422・・・外輪 423・・・ボール
Claims (1)
- 【請求項1】 環状の剛性部材と、この内側に配置され
た環状の可撓性部材と、この可撓性部材の内側に配置さ
れた波動発生器とを有し、この波動発生器は、楕円形の
カム板と、このカム板の外周面と前記可撓性部材の内周
面の間に配置されたボールベアリングとを備え、この波
動発生器により前記可撓性部材は楕円形に撓まされて、
楕円形の長軸方向の両端位置で前記剛性部材の内周面に
係合し、これらの係合位置が前記波動発生器のカム板の
回転により周方向に移動することにより前記剛性部材と
前記可撓性部材の間に相対回転が発生する調和変速装置
において、前記ボールベアリングは、前記カム板の外周
面に形成したボール軌道溝と、前記可撓性部材の内周に
嵌め込まれた外輪と、これらの間に組み込まれた複数個
のボールから構成されており、前記ボール軌道溝は、カ
ム板の短軸方向の両端に位置する部分のうちの少なくと
も一方の部分が、少なくとも長軸方向の両端に位置する
部分に較べて浅くなるように設定されていることを特徴
とする調和変速装置の波動発生器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4927491U JP2520437Y2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 調和変速装置の波動発生器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4927491U JP2520437Y2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 調和変速装置の波動発生器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH051048U JPH051048U (ja) | 1993-01-08 |
JP2520437Y2 true JP2520437Y2 (ja) | 1996-12-18 |
Family
ID=12826273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4927491U Expired - Lifetime JP2520437Y2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 調和変速装置の波動発生器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2520437Y2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120085188A1 (en) * | 2009-07-02 | 2012-04-12 | Harmonic Drive Systems Inc. | Noncircular bearing, wave generator, and wave gear device |
JP6910904B2 (ja) * | 2017-09-25 | 2021-07-28 | 住友重機械工業株式会社 | 撓み噛合い式歯車装置 |
JP2021055767A (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | Ntn株式会社 | 玉軸受 |
-
1991
- 1991-06-27 JP JP4927491U patent/JP2520437Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH051048U (ja) | 1993-01-08 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
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