JP2019060235A - 意匠性を付与した熱膨張材 - Google Patents

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明良 上田
秀明 矢野
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秀明 矢野
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Masaki Tono
正樹 戸野
俊隆 吉武
Toshitaka Yoshitake
俊隆 吉武
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Abstract

【課題】取り付けが容易かつ意匠性を高めた防火材を提供すること。【解決手段】防火材1は、熱膨張材2と、熱膨張材2の少なくとも一部を被覆し、かつ加熱に伴う熱膨張材2の膨張を許容する被覆部材3とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、建築材料の間隙又は開口部の防火に使用される防火材に関する。
防火地域又は準防火地域における、例えば窓、戸、扉(ドア)等の開口部装置の部材間又は開口部装置と屋根材、壁材、モール材及び床材等の構造材との間における間隙又は開口部には、通常の窓と異なり、隣家の火災から自家への延焼を防いだり、あるいは自家の火災から隣家への延焼を防いだりするような設計がされている。
例えば、特許文献1には、引き違い窓の外障子召し合せ框と内障子召し合わせ框の近接する内壁面に熱膨張性耐火材層を、閉窓時に各召し合わせ框の壁部を挟んで対面するように内設した合成樹脂製引き違い窓が開示されている。
特許文献2には、防火ドアの互いに対抗する一対の表面材の間に構造材を備え、この構造材の見込み面に加熱膨張性を有した延焼防止材を配設した防火ドアが開示されている。
このように、従来は加熱時に膨張する防火材(熱膨張材)を取り付け、火災時に膨張材が開口部装置の部材間の間隙を塞ぐことで防火性能を発現していた。
特開2005-351008 特開2013-91916
また、特許文献1及び2の構造では、熱膨張材を窓枠の中に内設するか、防火ドアの部材間に挟む構造となっており、熱膨張材の配設に手間がかかる。また、特許文献1及び2の熱膨張材は、熱膨張材を単体で使用しており、このような熱膨張材を開口部装置の部材間の間隙に設けると露出した状態で視認され、見栄えが悪く意匠性を損ねる。
本発明の目的は、取り付けが容易かつ意匠性を高めた防火材を提供することにある。
本発明者らは、熱膨張材を、加熱に伴う熱膨張材の膨張を許容する被覆部材で覆うことで、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]熱膨張材と、熱膨張材の少なくとも一部を被覆し、かつ加熱に伴う熱膨張材の膨張を許容する被覆部材とを備えた防火材。
[2]前記被覆部材が、
(i)熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム、若しくはこれらの組み合わせ、又は
(ii)金属、金属合金、若しくは金属と上記(i)との組み合わせ
からなる項1に記載の防火材。
[3]熱膨張材が熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と、熱膨張性黒鉛と、無機充填剤とを含む項1又は2に記載の防火材。
[4]前記被覆部材が前記熱膨張材の長手方向に沿った全周を被覆する項1〜3のいずれか一項に記載の防火材。
[5]前記防火材が取り付けられる被取付体と同系色である項1〜4のいずれか一項に記載の防火材。
[6]項1〜5のいずれか一項に記載の防火材を取り付けた開口部装置。
[7]開口部装置における隙間、又は開口部装置と構造材との間の隙間に項1〜4のいずれかに記載の防火材が配置された建築材料の耐火防止構造。
本発明によれば、防火材を被取付体へ容易に取り付け可能であると共に、熱膨張材を、窓の意匠性を損なわない色及び/又はデザインの被覆部材で覆うため、意匠性も向上する。
(A)本発明の防火材の斜視図、(B)図1(A)の防火材を反転させた場合の斜視図。 引き違い窓の正面図。 (A)図2の引違い窓の3−3線における略断面図、(B)火災が生じた場合の図3(A)の防火材の防火性能を示す略断面図。 片開き窓の斜視図。 (A)図4の片開き窓の略断面図、(B)火災が生じた場合の図5(A)の防火材の防火性能を示す略断面図。 (A),(B),(C)本発明の防火材の別例を示す略図。 本発明の防火材を被取付体から延設したホルダー部材で保持した耐火防止構造を示す略断面図。 図6(C)に断面図を示した防火材1の斜視図。
以下、本発明の防火材、防火材を取り付けた開口部装置、及び建築材料の耐火防止構造を、図面を参照しながら説明する。本明細書において「開口部装置」は建築材料のうち、開口部を備えた装置を指す。
図1(A)を参照すると、本発明の防火材1は、長尺板状の熱膨張材2と、熱膨張材2を収容する被覆部材3とを備えている。被覆部材3は被覆部材3の内部を長手方向に沿って延びる貫通孔4を有する略直方体であり、熱膨張材2の全周囲を長手方向に沿って被覆している。図1(B)において、図1(A)の防火材1を反転させると、被覆部材3の長手方向に延びる表面、すなわち図において上面には熱膨張材2の長手方向に沿って接着手段としての粘着テープ5が貼り付けられている。粘着テープ5にはさらに剥離紙(図示せず)が貼付されていてもよく、かかる剥離紙は防火材1を被取付体に取り付けるときに剥離される。粘着テープ5の使用により、防火材1は被取付体に容易に取り付けられる。なお、本明細書において「長尺」とはある部材が第1の寸法と、第1の寸法に垂直な第1の寸法よりも長い第2の寸法とを有することを指す。
熱膨張材2及び被覆部材3の形状及び寸法、すなわち長さ、幅、厚みは特に限定されないが、熱膨張材2の長さは通常10cm〜3m、被覆部材3の長さも通常10cm〜3m程度である。一例として、熱膨張材2の長さは1m、熱膨張材2の幅は10mm、厚さは1mmである。熱膨張材2の長さは通常被覆部材3の長さと同じかそれより短く、例えば、被覆部材3の内部に被覆部材3と同じ長さの熱膨張材2が収容されてもよいし、3mの被覆部材3の内部に1mの3つの熱膨張材2が端部を突き合わせて一直線上に配置されるように、1つの被覆部材3の内部に複数個の熱膨張材2が配置されてもよい。熱膨張材2の長さが短くても、それよりも長い被覆部材3と一体化することで外見上継ぎ目がなく防火材1の長尺化が可能である。
熱膨張材2は、膨張性黒鉛を混練した合成樹脂等の、加熱により膨張する熱膨張材料から形成される。熱膨張材を構成する樹脂は熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。熱膨張材料を構成する耐火性樹脂組成物は通常、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と、熱膨張性黒鉛と、無機充填剤とを含み、これらの成分の割合は特に限定されないが、例えば熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂100重量部に対して熱膨張性黒鉛が10〜300重量部、無機充填剤が30〜500重量部である。このような熱膨張材料を構成する耐火性樹脂組成物は種々のものが公知であり、例えば熱可塑性樹脂に、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び無機充填剤を含有し、それぞれの含有量が、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、リン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量が20〜200重量部、無機充填剤が50〜500重量部であり、中和処理された熱膨張性黒鉛:リン化合物の重量比が、9:1〜1:100であることを特徴とする耐火性樹脂組成物(特開平9-227716);エポキシ樹脂100重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛10〜300重量部及び無機充填剤50〜500重量部からなることを特徴とする耐火性樹脂(特開2000-143941);エポキシ樹脂100重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛15〜150重量部及び無機充填剤30〜500重量部からなる厚み0.3〜6mmのシート中に、1m2 当たりの重量が25〜2000gの不燃性繊維状材料からなるネット又はマットが含浸されてなることを特徴とする耐火シート組成物(特開2002-12678);非架橋ゴム及び/又は部分架橋ゴムからなるゴム成分(A)に、熱膨張性無機物(特には、中和処理された熱膨張性黒鉛)(B)、無機充填材(C)及び平均分子量2000〜4000の液状樹脂(D)を配合してなることを特徴とする粘着性耐火性ゴム組成物(特開2003-192840);及びポリ塩化ビニル系樹脂に熱膨張性黒鉛を含有させた耐火性樹脂組成物であって、配合比がポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛が1〜10重量部である耐火性樹脂組成物(特開2008-180068)等が挙げられる。
被覆部材3は、加熱に伴う熱膨張材2の膨張を許容する任意の材料から構成されてもよい。本明細書において、「加熱に伴う熱膨張材2の膨張を許容する」とは、熱膨張材2が過熱されたときに、被覆部材3が溶融、分解、及び/又は破断することにより、熱膨張材2の膨張を可能にする、つまり妨げないことを指す。一実施形態では、被覆部材3を形成する材料の軟化点は、熱膨張材2が膨張を開始する温度よりも低い。好ましくは被覆部材3は、熱膨張材2が膨張を開始する200℃以上の温度で軟化又は損傷し、熱膨張材2の膨張を妨げない材料から形成される。また、被覆部材3は、熱膨張材2の膨張を妨げないようにするため、予め切れ込み又は孔加工を施してもよい。
被覆部材3は可燃性材料から形成されても不燃性材料から形成されてもよい。被覆部材3が可燃性材料の場合、熱膨張材2の膨張をより容易にし、所定の耐火性能が良好に発現される。
可燃性材料は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム、又はこれらの組み合わせを使用することが好ましく、熱可塑性樹脂の例としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエン、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、及びAS樹脂等が挙げられ、エラストマーの例としてはオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、及び塩化ビニル系エラストマー等が挙げられ、ゴムの例の例としては、天然ゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、及びフッ素ゴム等が挙げられる。
被覆部材3は金属、金属合金、又は金属と上記の可燃性材料との組み合わせから構成されてもよいが、この場合、被覆部材3は好ましくは、金属箔、特にはアルミニウム箔等の薄膜として被覆部材3の厚みを比較的小さくしたり、被覆部材3に切れ込み又は孔加工を施したりすることで、加熱に伴う熱膨張材2の膨張を許容する構成とする。金属箔の厚みは特に限定されないが、通常1μm〜100μmである。
また、被覆部材3の外観は任意のものであってよく、色や模様は目的に応じて決定し得る。一実施形態では、被覆部材3の色、すなわち防火材1の色は、防火材1が取り付けられる被取付体と同系色である。例えば、例えば、アルミ製の窓枠に防火材1が取り付けられる、覆部材3の色もアルミ色とし得る。同系色とは、色の特性で表される3要素、すなわち色相、明度、彩度の内、色相が同一又は近いもののことを意味する。具体的には、暖色同士、寒色同士、白色と乳白色、透明と半透明などを、互いに同系色として規定することができる。また、被覆部材3には木目調として視覚的に暖かみを演出する等、任意の模様を施して意匠性を付与することができる。このように、黒灰色の意匠性を熱膨張材2を被覆部材3で被覆することにより意匠性を高めることが可能である。さらに、被覆部材3を被覆することにより、熱膨張材2の耐候性が向上し、防火材1の長期耐久性も向上する。
本発明の防火材1を取り付ける被取付体は、任意の建築材料における防火材1を取り付ける任意の部分であってよく、建築材料は好ましくは窓、障子、扉、雨戸、ふすま、及び欄間等の建具を含む開口部装置、並びに屋根材、壁材、モール材及び床材等の構造材である。防火材1を開口部装置又は構造材に取り付けることで、開口部装置における隙間(又は開口部とも称する)、又は開口部装置と構造材との間の隙間からの延焼を防止することができる。防火材1が取り付けられる開口部装置の部分の材質は特に限定されないが、例えばアルミニウム製、アルミニウム樹脂複合製、樹脂製、木質製、及び鋼製等であってよい。
よって、本発明の防火材を取り付けた開口部装置、並びに開口部装置における隙間、又は開口部装置と構造材との間の隙間に本発明の防火材が配置された建築材料の耐火防止構造も包含も本発明に包含される。
本発明の防火材1は、熱膨張材2を製造し、被覆部材3を別途製造し、熱膨張材2と被覆部材3を組み合わせることで製造することが可能である。防火材1の製造方法は特に限定されないが、例えば、被覆部材3が熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム、又はこれらの組み合わせの場合、被覆部材3を公知の方法により成形し、被覆部材3の中空部分に熱膨張材2を挿入して防火材1を製造させてもよいし、あるいは被覆部材3の上半分の部材と下半分の部材を製造し、その間に熱膨張材2を配置し、被覆部材3の上半分の部材と下半分の部材を接合して防火材1を製造させてもよい。熱膨張材2が粘着性を有する場合(例えば、熱膨張材がブチル系材料を含む場合等)は、熱膨張材2自体の粘着性により被覆部材3が張り付けられる。また、本発明の防火材1は、共押出成形、二色成形により熱膨張材2と被覆部材3とを一体として成形することによって製造させてもよい。被覆部材3が金属箔等の薄膜の場合、被覆部材3に任意選択で切り込みや複数の孔を施した後、熱膨張材2の周囲を被覆部材3で被覆して防火材1を製造させてもよい。
次に、本発明の防火材1を開口部装置に取り付けた例を説明する。図2は閉窓時に室内側から見た典型的な引違い窓の正面図である。図示の引違い窓の構造では、建造物躯体である構造体( 非図示) の開口部に適宜の様式によって窓枠10が取付けられ、これに合成樹脂製の外障子窓框11及び内障子窓框11' が、それぞれ引違い状態にて建て込まれている。これら窓框11,11' は、外障子召合せ框13,内障子召合せ框13' 、外障子戸先框14、内障子戸先框14'、外障子上框15、内障子上框15' 、外障子下框16、及び内障子下框16' の各枠材が、四周枠組みされることにより形成されている。なお、窓枠10及び各枠材の構成は周知の形態であってよく、また窓枠10及び各枠材は、アルミを初めとする金属製、木製、合成樹脂製等、任意の材料から形成されてよい。窓框11,11' の枠内には、ガラス12,12' が固定されている。鍵17を下方向に回動させて開錠すると窓框11,11'は左右方向にスライド可能となる。
図3(A)は図2の引違い窓の3−3線における略断面図である。図3(B)火災が生じた場合の図3(A)の防火材1の防火性能を示す略断面図である。なお、図3(A),(B)では本発明の説明に必要な部材のみを模式的に示し、外障子窓框11及び内障子窓框11'の内部構造等の詳細は省略している。図3(A)の構成では、閉窓時に、外障子召合せ框13及び内障子召合せ框13'のそれぞれの対向面13a及び対向面13'aの間に間隙15が存在し、対向面13'aには防火材1が、粘着テープ5を接着させた状態で被取付体としての内障子召合せ框13の長手方向に沿って、好ましくは内障子召合せ框13の長手方向の全長に延びるように配置されている。
図3(B)に示されるように、矢印の方向から火災が発生すると防火材1の熱膨張材2が火の熱により膨張し、間隙15を塞ぐ。これにより、窓框11と窓框11'(外障子召合せ框13と内障子召合せ框13)の間からの火災や煙の侵入が低減又は防止され、引き違い窓の防火性が大きく改善される。なお、防火材1は、対向面13aに配置してもよいし、対向面13aと対向面13'aの両方に配置してもよい。
図4及び図5(A),(B)は別の開口部装置に防火材1を取り付けた例であり、図4は片開き窓の斜視図、図5(A)は図4の片開き窓の略断面図、図5(B)は火災が生じた場合の図5(A)の防火材の防火性能を示す略断面図である。なお、図5(A),(B)では本発明の説明に必要な部材のみを模式的に示し、窓枠30の内部構造等の詳細は省略している。
図4及び図5(A)において、図示の片開き窓の構造では、建造物躯体である構造体( 図示していない) の開口部に適宜の様式によって断面L字形の窓枠20が取付けられ、これに合成樹脂製の四周枠の窓框30が建て込まれている。窓框30は先端側框31及び基端側框32を備え、なお、窓枠20及び窓框30の構成は周知の形態であってよく、また窓枠20及び窓框30は、アルミを初めとする金属製、木製、合成樹脂製等、任意の材料から形成されてよい。開錠時には、ハンドル37を右回りに回して窓框30が実線で示した位置から点線で示した位置へと回動可能である。閉窓時に、窓框30と重なって延びる窓枠20の部分21と先端側框31の対向面21a,31a、並びに窓框30と重なって延びる窓枠20の部分22と基端側框32の対向面22a,32aの間に間隙35が存在し、対向面21a,22aには防火材1が、粘着テープ5を接着させた状態で被取付体としての部分21,22の長さに沿って、好ましくは部分21,22の長手方向の全長に延びるように配置されている。
図5(B)に示されるように、矢印の方向から火災が発生すると防火材1の熱膨張材2が火の熱により膨張し、間隙35を塞ぐ。これにより、窓框30と窓枠20の間からの火災や煙の侵入が低減又は防止され、片開き窓の防火性が大きく改善される。なお、防火材1は、対向面31a及び/又は32aに配置してもよいし、対向面21a,22aと対向面31a,32aの両方に配置してもよい。
ここまで、本発明を上記の実施形態を例にとって説明してきたが、本発明はこれに限られず、以下のような種々の変形が可能である。
・被覆部材3は、防火材1が防火性能を発揮できる限り、熱膨張材2の少なくとも一部を覆えばよい。例えば、図1(A),(B)では被覆部材3が熱膨張材2の全周囲を長手方向に沿って被覆しているが、長手方向の両端をさらに被覆してもよいし、図6(A)に示されるように、被覆部材3は、被取付体40に粘着テープ5を介して取り付けられた熱膨張材2の左右と上側の3面を被覆してもよいし、又は図6(B)に示されるように、被覆部材3は、被取付体40に粘着テープ5を介して取り付けられた熱膨張材2の左側と上側の2面を被覆してもよい。また、図6(C)に示されるように、被覆部材3は、被取付体40に粘着テープ5を介して取り付けられた熱膨張材2の上側1面を被覆してもよい(尚、図6(C)に断面図を示した防火材1の斜視図を図8に示す)。被覆部材3は人目に曝されている面のみに施されるだけでも良いが、熱膨張材2の熱膨張を妨げなければ熱膨張材2のより多くの面に被覆部材3が施されても良い。
・防火材1を被取付体に取り付ける接着手段は粘着テープ5に限られず、接着剤、ねじなどの物理固定や、図7に示すように被取付体40から延設したホルダー42,44を設け、その中に防火材1を取り付けても良い。
本明細書中に引用されているすべての特許出願および文献の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(評価方法)
図3に示した通りの高さ1100mm×幅1700mmのアルミニウム製引き違い窓を用いた。引き違い窓の各窓ガラスは、屋外側に厚6.8ミリの網入り板ガラス及び屋内側に厚4ミリのフロート板ガラスからなり、両板ガラスの間に9ミリの空気層が存在する複層ガラスから構成される。実施例1、実施例2、及び比較例2の防火材は引き違い窓の2つの召し合わせ框の対向面の一方に、召し合わせ框の長手方向に沿って召し合わせ框の全体に延びるように粘着テープにて貼り付けた。
上記の引き違い窓にてISO834に準拠し20分間の加熱試験を実施し、20分間で下記判定1.〜3.のすべてに適合したものを○とした。
1.加熱裏面側において10秒以上の継続した発炎がない
2.加熱裏面側へ10秒以上の継続した火炎の噴出がない
3.亀裂あるいは損傷、隙間などが発生しない
実施例1
厚さ1mmのオレフィン系エラストマー(商品名サーモラン、三菱樹脂製)からなる被覆部材3で被覆された厚さ1mm、幅10mmのエポキシ樹脂系熱膨張材2(商品名フィブロック、積水化学工業製)からなる防火材を用いたところ、試験結果は○であった。
実施例2
厚さ20μmのアルミニウム箔からなる被覆部材3で被覆された厚さ1mm、幅10mmのエポキシ樹脂系熱膨張材2(商品名フィブロック、積水化学工業製)からなる防火材を用いたところ、試験結果は○であった。
比較例1
暑さ0.3mmのアルミ鋼板からなる被覆部材3で被覆された厚さ1mm、幅10mmのエポキシ樹脂系熱膨張材2(商品名フィブロック、積水化学工業製)からなる防火材を用いたところ、試験結果は15分で炎が召し合わせ框間の間隙を燃え抜け、×であった。
1・・・防火材、2・・・熱膨張材、3・・・被覆部材、13,21,22,40…被取付体。

Claims (7)

  1. 熱膨張材と、熱膨張材の少なくとも一部を被覆し、かつ加熱に伴う熱膨張材の膨張を許容する被覆部材とを備えた防火材。
  2. 前記被覆部材が、
    (i)熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム、若しくはこれらの組み合わせ、又は
    (ii)金属、金属合金、若しくは金属と上記(i)との組み合わせ
    からなる請求項1に記載の防火材。
  3. 熱膨張材が熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と、熱膨張性黒鉛と、無機充填剤とを含む請求項1又は2に記載の防火材。
  4. 前記被覆部材が前記熱膨張材の長手方向に沿った全周を被覆する請求項1〜3のいずれか一項に記載の防火材。
  5. 前記防火材が取り付けられる被取付体と同系色である請求項1〜4のいずれか一項に記載の防火材。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の防火材を取り付けた開口部装置。
  7. 開口部装置における隙間、又は開口部装置と構造材との間の隙間に請求項1〜4のいずれか一項に記載の防火材が配置された建築材料の耐火防止構造。
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