JP6752747B2 - 戸体および建具 - Google Patents
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Description
建具本体において、前記複層ガラスが装着される開口部には、開口部の周縁部に沿って延設されたガラス廻り補強芯材が設けられている。このガラス廻り補強芯材は、金属材で構成され、扉の外側表面材および内側表面材の間に配置され、各表面材に対して加熱発泡材を挟んで取り付けられている。
また、開口部には、複層ガラスを保持する額縁として、アルミニウム製の屋外側ガラス押さえ部材と、樹脂製の屋内側ガラス押さえ部材が設けられている。
また、アルミニウム製の屋外側ガラス押さえ部材は、複層ガラスよりも屋内側まで延長されているため、額縁部分においても、断熱性能が低下する。
このため、採光窓部分において、防火性能を維持しつつ、断熱性能を向上することが難しいという課題がある。
本発明によれば、戸体の採光部となる戸体本体の開口部の内周面に沿って配置される骨材を、樹脂骨材および金属骨材を備えて構成し、戸体の屋外面材および屋内面材は、樹脂骨材の屋外片部および屋内片部に沿って配置し、金属骨材は、屋内片部から屋外側に離れた位置に配置している。金属骨材は、屋内面材から離れて配置されるため、屋内面材および金属骨材間での熱流出を低減でき、金属製のガラス廻り補強芯材が屋外面材、屋内面材に近接配置された前記特許文献1の建具に比べて断熱性能を向上できる。
また、ガラスの外周面に沿って配置される樹脂製見込み面部を設けたので、樹脂製見込み面部を少なくともガラスの屋内面よりも屋外側に突出して設けることができる。このため、金属製額縁との連結位置を、ガラスの屋内面よりも屋外側に配置させることができ、金属製額縁の配置位置を屋外側にできるため、額縁の断熱性能を向上できる。
さらに、骨材において、額縁に対向する面に加熱発泡材が設けられているので、加熱発泡材が発泡した際に、骨材および額縁間の隙間を塞ぐことができる。これにより、例えば、火災が発生した場合に、火炎や煙が骨材および額縁間の隙間を介して屋内外に流入することを防止できる。したがって、戸体の採光窓における防火性能を向上できる。
このように本発明の戸体によれば、採光窓を有しつつ、断熱性能および防火性能を向上できる。
本発明によれば、金属骨材の屋内側に不燃断熱材が配置されているので、断熱性能をさらに向上できる。また、不燃断熱材は、燃えにくい材質で構成されているので、火災時に焼失し難い。このため、加熱発泡材と組み合わせることで、防火性能を向上できる。特に、開口部の内周面に沿って配置される骨材には、金属骨材や不燃断熱材の見込み面に面して加熱発泡材が配置されている。このため、加熱発泡材を前記見込み面に直交する方向に発泡させやすくでき、加熱発泡材で骨材および額縁間を確実に塞ぐことができる。
さらに、樹脂骨材に区画片部が設けられていれば、区画片部を基準に金属骨材や不燃断熱材の見込み方向の位置を決めることができる。このため、開口部の内周面に配置される各骨材において、金属骨材および不燃断熱材は、各骨材で同じ位置に配置できるため、骨材における断熱ラインも共通化できる。したがって、例えば、各骨材で金属骨材の見込み方向の配置位置がずれている場合に比べて、戸体の断熱性能を向上できる。
金属骨材と金属製のブラケットとは連結されており、屋外面材は、リベットやネジなどの屋外接合金具で金属骨材に固定され、屋内面材は、リベットやネジなどの屋内接合金具でブラケットに固定されている。このため、火災時に樹脂骨材が焼失しても、屋外面材、金属骨材、ブラケット、屋内面材は互いに連結された状態を維持できる。したがって、樹脂骨材が焼失しても、戸体としての形状や構造を維持でき、戸体による遮炎性能も維持できるため、戸体の防火性能を向上できる 。
さらに、屋外接合金具は金属製額縁で覆われ、屋内接合金具は屋内側化粧額縁で覆われているので、リベット等の接合金具が戸体表面に露出することを防止でき、戸体の外観および内観を向上できる。
このような建具によれば、採光窓を有しつつも、断熱性能および防火性能に優れた建具を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3に示すように、本発明の建具である玄関ドア1は、いわゆる片開きドアであり、建物の外壁開口部に固定される建具枠であるドア枠2と、このドア枠2に開閉可能に支持される戸体である扉10とを備えて構成されている。
ドア枠2は、上枠3、下枠4および左右の縦枠5,6を有する。なお、図1の右側に配置される縦枠5が吊元側とされてピボットヒンジ7が取り付けられ、図1の左側に配置される縦枠6が戸先側とされている。また、以下の説明において、ドア枠2(上枠3、下枠4、縦枠5、6)や扉10の見込み方向とは屋内外方向(奥行き方向)を意味し、上枠3、下枠4の見付け方向とは上下方向を意味し、縦枠5、6の見付け方向とはドア枠2を正面(室外面や室内面)から見た際の左右方向を意味する。このため、図1〜3に示すように、玄関ドア1の上下方向をY軸とし、Y軸に対して直交し、かつ、扉10の表面に平行な左右方向をX軸とし、X軸およびY軸に直交する方向をZ軸とすると、見込み方向はZ軸方向であり、上枠3、下枠4の見付け方向はY軸方向であり、縦枠5、6の見付け方向はX軸方向となる。
なお、図2、3においては、上枠3、下枠4、縦枠5、6の屋外部材、屋内部材、メインタイト材8、サブタイト材9に関しては、図を見やすくするためにハッチングを省略している。
サブタイト材9は、TPO(サーモポリオレフィン)等の建築用ガスケットとして利用される一般的な合成樹脂材であり、縦枠5、6の屋外部材に嵌合され、扉10を閉めた際に扉10の側面(見込み方向に沿った見込み面)に当接する。
扉10は、図1に示すように、左右方向における中央部に上下方向に沿って縦長の採光窓20を備えている。図1においては、縦枠5側つまり右側が扉10の吊元側であり、縦枠6側つまり左側が扉10の戸先側である。また、扉10の戸先側には、操作ハンドル17が設けられている。
採光窓20は、開口部11Aに配置される複層ガラス21と、複層ガラス21を保持する額縁22とを備える。
戸体本体11は、図2,3に示すように、外骨12と、内骨13と、外骨12および内骨13の屋外側に固定された屋外面材14と、外骨12および内骨13の屋内側に固定された屋内面材15と、屋外面材14および屋内面材15の間に設けられた断熱芯材16とを備えている。
扉10の屋外面材14、屋内面材15、断熱芯材16には、採光窓20を形成するための前記開口部11Aが設けられ、内骨13は、開口部11Aの内周面に沿って設けられている。
断熱芯材16は、EPS(発泡ビーズ法ポリスチレン)製の断熱材で構成されている。なお、断熱芯材16は、フェノール樹脂系の断熱材を用いてもよいし、ハニカム材(水酸化アルミハニカム、セラミックハニカム、ペーパーハニカム)、フォーム材(イソシアヌレートフォーム、ウレタンフォーム、フェノール樹脂フォーム)等の断熱材が使用されてもよい。
内骨13は、開口部11Aの上面、下面、左右の側面に沿って配置された上骨13A、下骨13B、左右の縦骨13C,13Dを備えている。
これらの各骨は、採光窓20部分を拡大した図4、5に示すように、樹脂骨材130と、金属骨材140と、金属製ピース材であるブラケット150と、不燃断熱材160とを備え、ほぼ同じ構成とされている。樹脂骨材130、金属骨材140、ブラケット150の詳細な構成については、図6に拡大して示す下骨13Bを例に説明する。
樹脂骨材130は、図6にも示すように、PVC等の合成樹脂材で断面略E字状に形成された押出成形品である。樹脂骨材130は、扉10の見込み方向に沿って形成された連結片部131と、連結片部131の屋外側から見付け方向(複層ガラス21に向かう方向)に延長された屋外片部132と、連結片部131の屋内側から前記見付け方向に延長された屋内片部133と、屋外片部132、屋内片部133間において連結片部131から前記見付け方向に突出する区画片部134とを備えている。
樹脂骨材130の屋外片部132は屋外面材14に沿って配置され、屋内片部133は屋内面材15に沿って配置されている。
金属骨材140は、スチールなどの鋼材で構成されたチャンネル材(軽量溝形鋼)であり、樹脂骨材130を補強する。金属骨材140は、ウェブ141と、ウェブ141の屋外端部に連続する屋外フランジ142と、ウェブ141の屋内端部に連続する屋内フランジ143とを備える。ウェブ141は、樹脂骨材130の連結片部131と同じく見込み方向に沿って配置され、屋外フランジ142は屋外片部132の内面(屋内面)に沿って配置され、屋内フランジ143は区画片部134の屋外面に沿って配置されている。
ブラケット150は、スチールなどの鋼材で構成された短尺のチャンネル材であり、連結片部131に沿って配置された受け片部151と、受け片部151の屋外端部から直交方向に連続する固定片部152と、受け片部151の屋内端部から直交方向に連続する屋内片部153とを備える。
ブラケット150の固定片部152は、金属骨材140の屋内フランジ143に当接され、金属骨材140に金属製の連結具であるリベット155で連結されている。ブラケット150は複数個用意されており、区画片部134の切欠部分、すなわち、樹脂骨材130の長手方向において、例えば2〜5箇所程度にそれぞれ配置されている。
区画片部134および屋内片部133の間には、不燃性、難燃性、自己消火性、遅燃性等の燃えにくい材質で構成された断熱材(以下、不燃断熱材という)160が配置されている。不燃断熱材160は、例えば、不燃性ポリウレタンや、炭化するMDF(medium density fiberboard、中密度繊維板)等で構成されている。したがって、不燃断熱材160は、少なくともEPS製の断熱芯材16よりも燃えにくい材質で構成されている。
本実施形態の不燃断熱材160は、樹脂骨材130の長手方向に沿った長尺の角柱材とされ、各ブラケット150の受け片部151に沿って配置されている。つまり、不燃断熱材160は、各ブラケット150に跨がって設けられている。
なお、区画片部134および屋内片部133間には、金属部品である複数のブラケット150も配置されているが、大部分は不燃断熱材160が配置されているため、断熱性能を向上できる。
金属骨材140は、ウェブ141が開口部11A側に配置され、屋外フランジ142および屋内フランジ143は、樹脂骨材130の連結片部131側つまり断熱芯材16側に突出する向きで配置されている。
ブラケット150は、受け片部151が連結片部131に沿って配置され、固定片部152、屋内片部153は、受け片部151から開口部11Aに向かって突出する向きで配置されている。
屋外面材14は、樹脂骨材130の屋外片部132の屋外面に沿って配置され、金属製の屋外接合金具であるリベット135により、屋外片部132を介して金属骨材140に固定されている。
屋内面材15は、樹脂骨材130の屋内片部133の屋内面に沿って配置され、金属製の屋内接合金具であるリベット135により、屋内片部133を介してブラケット150に固定されている。
なお、屋外面材14および屋内面材15は、断熱芯材16の屋外面、屋内面に対しては、両面テープや接着剤を用いて接着されている。また、樹脂骨材130に対しても、リベット135に代えて、あるいはリベット135に加えて、両面テープや接着剤を用いて接着してもよい。
金属骨材140のウェブ141の開口部11A側の面には、2本の加熱発泡材171、172が両面テープなどで貼られている。
加熱発泡材171は、内骨13において金属製額縁30の金属製見込み面部(後述する見込み面部31A〜31D)に対向して設けられている。このため、加熱発泡材171によって、金属製見込み面部に対向する設けられる第1加熱発泡材が構成される。
加熱発泡材172は、内骨13において金属製額縁30の金属製見込み面部と、樹脂製額縁40の樹脂製見込み面部(後述する見込み面部41)に対向して設けられている。すなわち、加熱発泡材172は、見込み方向(Z軸方向)において、金属製額縁30および樹脂製額縁40に跨がって配置されている。このため、加熱発泡材172によって、金属製見込み面部および樹脂製見込み面部に対向して設けられる第2加熱発泡材が構成される。
樹脂骨材130の連結片部131には、加熱発泡材173が両面テープなどで貼られている。加熱発泡材173は、区画片部134および屋内片部133間に配置され、連結片部131およびブラケット150の受け片部151間に配置されている。加熱発泡材173は、樹脂骨材130の長手方向に沿って連続するテープ状の部材であり、樹脂骨材130の長手方向の全長に渡って貼られている。このため、ブラケット150が配置されていない部分では、不燃断熱材160に対向して配置されている。この加熱発泡材173は、ブラケット150および不燃断熱材160と、屋内面材15との隙間などを塞ぐために設けられている。
これらの加熱発泡材171、172、173は、熱膨張性黒鉛などを含んで構成され、火災時などに温度が所定温度(例えば200度)以上になると、発泡して約20〜40倍程度に膨張し、遮炎材として機能するものである。以下で説明する他の加熱発泡材も同じ材質で構成されている。
図4に示すように、上骨13Aは、下骨13Bと同一の構造であり、下骨13Bの上下を逆にした向き、つまり樹脂骨材130の連結片部131を上側(断熱芯材16側)、金属骨材140のウェブ141を開口部11A(複層ガラス21側)に配置している。
図5に示すように、縦骨13C、13Dも、上骨13A、下骨13Bと同一の構造であり、樹脂骨材130の連結片部131を戸体本体11の外側(断熱芯材16側)、金属骨材140のウェブ141を開口部11A側(複層ガラス21側)に配置している。
したがって、上骨13A、縦骨13C、13Dの詳細な説明は省略する。
採光窓20は、図1〜3に示すように、複層ガラス21と、複層ガラス21を保持する額縁22とを備える。
複層ガラス21は、図4〜6に示すように、屋外側に配置された防火ガラス(網入りガラス)211と、屋内側に配置された板ガラス212と、各ガラス211、212間に配置された板ガラス213の3枚のガラスを備えたトリプルガラスである。
各ガラス211〜213は、スペーサー215、216を介して接合され、各ガラス211〜213間には中空部が設けられている。この中空部には、通常、乾燥空気を封入するが、断熱性能をより高める場合には、アルゴンガスを封入したり、中空部を真空状態にしてもよい。
複層ガラス21は、網入りガラスからなる防火ガラス211を備えているため、防火性能を確保することができる。また、3枚のガラス211〜213は、中空部を介して配置されているので、断熱性も向上できる。
図6に示すように、複層ガラス21の屋外面21Aは、防火ガラス211の屋外面であり、複層ガラス21の屋内面21Bは、板ガラス212の屋内面である。複層ガラス21の外周面21Cは、内骨13に対向する面であり、防火ガラス211、板ガラス212、213の外周面と、スペーサー215、216の外周面とを含んでいる。複層ガラス21の外周面21Cは、複層ガラス21の面内方向に直交する面、つまり複層ガラス21の見込み方向(Z軸方向)に沿った面である。
額縁22は、図2,3に示すように、複層ガラス21の屋外側を保持する金属製額縁30と、複層ガラス21の屋内側を保持する樹脂製額縁40と、樹脂製額縁40の屋内側を覆う屋内側化粧額縁である額縁カバー材50とを備えて構成されている。本実施形態では、金属製額縁30と額縁カバー材50は、アルミニウム製であり、樹脂製額縁40は、EPDM(エチレンプロピレンゴム)やPVC(ポリ塩化ビニル)などで構成されている。
金属製額縁30は、図1に示すように、複層ガラス21の上側に配置される金属製の上額縁30Aと、複層ガラス21の下側に配置される金属製の下額縁30Bと、複層ガラス21の左右に配置される金属製の縦額縁30C,30Dとを備えている。
縦額縁30C,30Dは、戸体本体11の上端から下端まで全長に渡って配置されている。また、上額縁30Aは、開口部11Aから戸体本体11の上端まで配置され、下額縁30Bは、開口部11Aから戸体本体11の下端まで配置されている。
したがって、各額縁30A〜30Dは、複層ガラス21を保持するだけでなく、戸体本体11の意匠パーツとしても利用されている。
上額縁30A、下額縁30Bは、図2,4に示すように、断面形状(縦断面形状)が同一のアルミ押出形材であり、互いの上下が逆になるように配置されている。なお、額縁30A、30Bでは、Y軸方向(上下方向)において複層ガラス21側を内側、断熱芯材16側を外側とする。
溝形成部34A、34Bの見込み方向の位置は、複層ガラス21のほぼ中間部つまり板ガラス213が配置された位置であり、また、金属骨材140のウェブ141が設けられた範囲(屋外フランジ142と屋内フランジ143との間)に重なっている。
溝形成部34A、34Bの溝には、後述するように、樹脂製額縁40との連結用のタッピングねじ49がねじ込まれる。
縦額縁30C、30Dは、図3、5に示すように、断面形状(横断面形状)が同一のアルミ押出形材であり、互いの左右が逆になるように配置されている。
縦額縁30C、30Dでは、見付け方向(X軸方向)において、複層ガラス21側を内側、断熱芯材16側を外側として説明する。
縦額縁30C、30Dは、上額縁30A、下額縁30Bと同様に、図5に示すように、戸体本体11の見込み方向に沿って設けられた金属製見込み面部である見込み面部31C、31Dと、金属製保持部である屋外保持部32C、32Dと、化粧面部33C、33Dとを備えている。
また、見込み面部31C、31Dの見込み方向中間部には、図示略の貫通穴が形成され、この貫通穴から前記ビスホール部35A、35Bにネジ(図示略)をねじ込むことで、上額縁30A、下額縁30Bと、縦額縁30C、30Dとが連結されている。
化粧面部33C、33Dは、中空形状とされ、裏面側は屋外面材14に当接している。このため、屋外面材14を縦骨13C、13Dに固定するリベット135は、化粧面部33C、33Cで覆われ、屋外側に露出しない。
樹脂製額縁40は、複層ガラス21を囲むように設けられ、図4,5に示すように、複層ガラス21の上側および下側に配置される上額縁40A、下額縁40Bと、複層ガラス21の左右に配置される縦額縁40C、40Dとを備えている。
各額縁40A〜40Dは、同一断面形状の樹脂押出形材で構成されている。また、各額縁40A〜40Dの長手方向の端部は、45度の角度で切断され、その端面同士を突き合わせ、溶着や接着によって接合されている。
なお、各額縁40A〜40Dは、同一断面形状であるため、図6に示す下額縁40Bを例に構造を説明する。
下額縁40Bは、複層ガラス21の外周面21Cに沿って配置される樹脂製見込み面部である見込み面部41と、複層ガラス21の屋内側に配置される樹脂製保持部である屋内側保持部42と、屋内面材15に当接される屋内当接部43とを備えている。
見込み面部41は、見込み方向に沿って配置されて、複層ガラス21の外周面21Cに対向する第1見込み面部411と、見込み方向に沿って配置されて、内骨13(下骨13B)に対向する第2見込み面部412と、第1見込み面部411および第2見込み面部412を連結する3つの連結部413〜415とを備えている。
連結部413〜415は、屋外側から順に、第1連結部413、第2連結部414、第3連結部415とされている。なお、第3連結部415は、強度を向上するため、他の連結部413、414に比べて見込み方向の寸法が大きくされ、ホロー部が形成されている。
また、連結部413には、金属製額縁30に当接する軟質当接部413Aが一体に設けられている。
なお、見込み面部41において、樹脂製額縁40の内周側に位置する第1見込み面部411は、第2見込み面部412に比べて屋外側に突出しており、その先端は傾斜面411Aとされている。
中空部422の屋外面には、中空部422に比べて軟質なシール材424が設けられている。
中空部422の屋内面には、額縁カバー材50に対向する対向部425と、額縁カバー材50が係合される係合部426とが形成されている。
下額縁40Bの見込み面部41の第1見込み面部411には、加熱発泡材45が設けられている。また、屋内側保持部42の見付け面部421には、加熱発泡材47が設けられている。
加熱発泡材47は、見付け面部421における内側に配置され、シール材424に隣接して配置されている。
すなわち、図4、6に示すように、加熱発泡材45は、板ガラス212の外周面21Cに対向し、さらに板ガラス212と屋内側保持部42との隙間に設けられたシール材424に対向する位置に設けられている。
加熱発泡材47は、板ガラス212の外周部の屋内面21Bと、板ガラス212および第1見込み面部411間の空間に対向する位置に設けられている。
上額縁40A、縦額縁40C、40Dは、図4、5に示すように、下額縁40Bと同一の構成であるため、説明を省略する。
上額縁40A、下額縁40B、縦額縁40C、40Dを矩形枠状に組み合わせて構成される樹脂製額縁40は、金属製額縁30に連結されている。すなわち、樹脂製額縁40は、鋼板48から上額縁40A、下額縁40B、縦額縁40C、40Dの見込み面部41に形成された貫通穴を介して、上額縁30A、下額縁30B、縦額縁30C、30Dの溝形成部34A、34B、34C、34Dにねじ込まれる複数本のタッピングねじ49によって金属製額縁30に連結されている。
タッピングねじ49を締め付けることで、金属製額縁30および樹脂製額縁40で複層ガラス21を挟み込んで保持できる。この際、シール材36およびシール材424は、複層ガラス21に当接し、シール材434は屋内面材15に当接し、気密性を向上する。
また、樹脂製額縁40は、軟質当接部413Aが金属製額縁30に当接するため、タッピングねじ49を締め付けた際には軟質当接部413Aが変形し、樹脂製額縁40に応力が加わることを低減できる。
屋内側化粧額縁である額縁カバー材50は、図4、5に示すように、樹脂製額縁40が屋内側に露出しないように覆うカバーであり、アルミ押出形材で構成されている。額縁カバー材50は、樹脂製額縁40の係合部426に係合する内側係合部51と、当接部433に係合する外側係合部52とを備えている。
額縁カバー材50は、上額縁40A、下額縁40B、縦額縁40C、40Dをそれぞれ被覆しており、その長手方向の端面は、45度に切断されており、その端面を突き合わせて接着することで枠状に組まれている。
なお、額縁カバー材50は、樹脂製額縁40を隠して玄関ドア1の屋内面の意匠性を向上させるものである。したがって、樹脂製額縁40で意匠性を確保できる場合には、額縁カバー材50は設けなくてもよい。
また、屋内面材15を上骨13A、下骨13B、縦骨13C、13Dに固定するリベット135は、額縁カバー材50で覆われ、屋内側に露出しない。なお、額縁カバー材50の外側係合部52において、リベット135に干渉する部分は、適宜切り欠いてリベット135に干渉しないように構成すればよい。
図4、5に示すように、金属製額縁30および樹脂製額縁40で構成される額縁22の内側(複層ガラス21側)には、ガラス保持金具60が設けられている。ガラス保持金具60は、火災時に、樹脂製額縁40が溶融したり、金属製額縁30が熱変形することで、金属製額縁30および樹脂製額縁40で複層ガラス21を保持できなくなった場合に、複層ガラス21を保持するものである。このため、ガラス保持金具60は、金属製額縁30の材料(アルミニウム)に比べて融点が高いスチール等の金属材料で構成されている。
第1保持金具61は、複層ガラス21の外周面21Cに沿って連続する長尺材で構成されている。なお、第1保持金具61は、図4,5に示すように、防火ガラス211の上面に沿って配置される上面保持金具61Aと、防火ガラス211の下面に沿って配置される下面保持金具61Bと、防火ガラス211の左右の側面に沿って配置される側面保持金具61C,61Dとを備える。
なお、第2保持金具62をピース材ではなく、第1保持金具61と同様に複層ガラス21の外周面21Cに沿って連続する長尺材で構成してもよい。ただし、ピース状の第2保持金具62を用いたほうが、長尺の第2保持金具62を用いた場合よりも断熱性能を向上できる。
第1保持金具61は、第1見込み面部611と、第1見付け面部612と、第1対向面部613とを備える。
第1見込み面部611は、防火ガラス(網入りガラス)211の外周面21Cと、下額縁30Bの見込み面部31Bとの間に配置され、見込み面部31Bにネジ614で締結されている。第1見込み面部611の屋外側端縁の見込み方向の位置は、シール材36の配置位置とほぼ一致し、防火ガラス211よりも屋外側の位置とされている。
また、第1見込み面部611の屋内側端縁の位置は、見込み面部31Bの屋内側端縁よりも屋外側であり、防火ガラス211よりも屋内側の位置とされている。
第1対向面部613は、第1見付け面部612よりも突出寸法が短くされ、複層ガラス21の外周面21Cに当接しないように構成されている。
第2見込み面部621は、複層ガラス21の板ガラス212および板ガラス213の外周面21Cと、下額縁30Bの見込み面部31Bおよび下額縁40Bの見込み面部41との間に配置されている。このため、第2見込み面部621は、金属製額縁30および樹脂製額縁40に跨がって設けられている。
第2見付け面部622は、第2見込み面部621の屋外側端縁から内側に突設されており、板ガラス212の屋内側に配置される。第2見付け面部622は、見付け方向内側(複層ガラス21側)の位置が第1見付け面部612と同程度となる位置まで延長されており、見込み方向において板ガラス212の屋内面21Bと重なる位置まで設けられている。
なお、図4,5に示すように、上額縁30A、縦額縁30C、30Dに取り付けられるガラス保持金具60も、下額縁30Bに取り付けられたガラス保持金具60と同じ構成であるため、説明を省略する。
第1保持金具61の第1見込み面部611には、防火ガラス211の外周面21Cに対向する加熱発泡材631が接着され、第1見付け面部612の屋内面には、防火ガラス211の屋外面21Aに対向する加熱発泡材632が接着されている。また、第1見付け面部612の屋外面には、第1見込み面部611との連結部に近接する位置に加熱発泡材633が接着されている。
なお、図4に示すように、上面保持金具61A、下面保持金具61Bの第1見込み面部611に接着された加熱発泡材631の見込み方向の寸法は、第1見込み面部611の見込み方向の寸法とほぼ同じとされている。
一方、図5に示すように、側面保持金具61C、61Dの第1見込み面部611に接着された加熱発泡材631の見込み方向の寸法は、第1見込み面部611の見込み方向の寸法よりも小さい寸法とされている。このため、側面保持金具61C、61Dでは、第1対向面部613の屋外面にも加熱発泡材635が接着されている。
第2保持金具62の第2見付け面部622の屋外面には、板ガラス212に対向する加熱発泡材634が接着されている。
下額縁30Bおよび左右の縦額縁30C、30Dと複層ガラス21との間には、セッティングブロック25が配置されている。セッティングブロック25は、短尺のピース状に形成されており、下額縁30Bや縦額縁30C、30Dの長手方向に沿って複数(例えば2個)配置されている。また、下額縁30Bおよび縦額縁30C、30Dに固定された第1保持金具61の第1見込み面部611、第1対向面部613には、セッティングブロック25が配置される位置に合わせて切欠きが形成され、この切欠部分にセッティングブロック25が配置されている。第2保持金具62はピース材であるため、セッティングブロック25とは異なる位置に配置されている。なお、第1保持金具61の第1見込み面部611に切欠きを形成せずに、第1見込み面部611にセッティングブロック25を載置してもよい。
セッティングブロック25には、図6に示すように、樹脂製額縁40を金属製額縁30に連結する際に、第1見込み面部411の先端を案内する傾斜面251と、傾斜面251に連続して形成されて第1見込み面部411を案内する案内面252とを備えている。
図5に示すように、縦額縁30C、30Dと、縦骨13C、13Dとの間には、これらの相対的な移動を規制する差込金具26が設けられている。すなわち、縦額縁30C、30Dの長手方向(上下方向)の複数箇所には、見込み面部31C、31Dおよび第1見込み面部611を貫通する貫通孔が形成されている。また、縦骨13C、13Dの金属骨材140のウェブ141には、前記貫通孔に対応する角穴が形成されている。そして、縦額縁30C、30Dと縦骨13C、13Dとは、前記貫通孔に差し込まれた差込金具26によって見込み方向および上下方向に位置決めされている。このため、火災時には、金属骨材140に対するガラス保持金具60の相対位置が差込金具26によって規制される。
次に、外骨12の構成について、図7,8をも参照して説明する。図7は、図2に示す上骨12Aおよび下骨12B部分を拡大した縦断面図であり、図8は、図3に示す縦骨12C、12D部分を拡大した横断面図である。
外骨12は、断熱芯材16の上面、下面、左右の側面に沿って配置された上骨12A、下骨12B、左右の縦骨12C,12Dを備えている。
上骨12A、下骨12B、縦骨12C、12Dは、下骨13Bとは、樹脂骨材130、金属骨材140の向きや、ブラケット150の形状等で一部相違するが、基本的な構造は同じである。このため、各部品で対応する構成には同一符号を付し、説明を簡略する。
上骨12A、下骨12Bは、図2、7に示すように、上骨13Aや下骨13Bと同様に、樹脂骨材130、金属骨材140、ブラケット150、不燃断熱材160を備えて構成されている。ただし、上骨13Aや下骨13Bとは、樹脂骨材130に対する金属骨材140の向きが異なる点と、ブラケット150が受け片部および連結片部のみを備えて断面略L字状に形成されている点で相違する。
上骨12Aでは、樹脂骨材130は、連結片部131が扉10の上面に露出し、屋外片部132、屋内片部133、区画片部134が下方つまり断熱芯材16に向かって突出する向きに配置されている。金属骨材140は、ウェブ141が連結片部131に沿って配置され、屋外フランジ、屋内フランジが下方に向かって突出する向きに配置されている。
ブラケット150は、受け片部が連結片部に沿って配置され、固定片部が下方に向かって突出している。
下骨12Bは、上骨12Aの上下を逆にした向きで配置されている。
縦骨12C,12Dは、図3、8に示すように、上骨12A、下骨12Bと同様に、樹脂骨材130、金属骨材140、ブラケット150、不燃断熱材160を備えて構成されている。縦骨12C、12Dは、上骨12A、下骨12Bとは、樹脂骨材130に後述するエッジ材55およびカバー材56を取り付けるための断面略L字状の係合突部が形成されている点で相違するが、その他の構成は同一であるため、説明を省略する。
屋内面材15は、断熱芯材16の屋内面に沿って配置され、その外縁部は、樹脂骨材130の屋内片部133から連結片部131に沿って屋外側に折り曲げられ、樹脂骨材130およびブラケット150にリベットで固定されている。
図7に示すように、外骨12の上骨12A、下骨12Bには、加熱発泡材181、182が設けられている。加熱発泡材181は、樹脂骨材130の連結片部131における区画片部134の屋外側の位置に両面テープなどで接着されている。加熱発泡材181は、連結片部131と、金属骨材140のウェブ141との間に設けられる。
加熱発泡材181は、火災によって加熱されると発泡して膨張し、連結片部131が溶融した場合に、金属骨材140と上枠3、下枠4との隙間を塞ぐ。特に、加熱発泡材181のパネル内部側は金属骨材140のウェブ141が配置されているため、加熱発泡材181は上枠3、下枠4側に向かって発泡し、上枠3、下枠4との隙間に充填して塞ぐことができる。
加熱発泡材182は、火災によって加熱されると発泡して膨張し、連結片部131が溶融した場合に、不燃断熱材160と屋内面材15との隙間に充填して塞ぎ、さらに加熱発泡材182の一部は、不燃断熱材160と上枠3、下枠4との隙間に充填して塞ぐことができる。
図8に示すように、外骨12の縦骨12C、12Dには、上骨12A、下骨12Bと同じ加熱発泡材182の他、金属骨材140の屋外フランジ142、屋内フランジ143に接着された加熱発泡材183、184を備えている。
[エッジ材]
縦骨12C、12Dの樹脂骨材130の表面には、アルミ製のエッジ材55が取り付けられている。エッジ材55の樹脂骨材130に対向する面には加熱発泡材58が貼られている。
カバー材56は、PVCなどの熱可塑性樹脂で構成され、エッジ材55の屋内側に配置されている。
カバー材56の裏面、つまり樹脂骨材130に対向する面には、加熱発泡材565,566が設けられている。カバー材56と、加熱発泡材565,566とは、同時押出成型することで一体に製造されている。
カバー材56は、扉10を閉めた際に、前記サブタイト材9が当接する位置に配置されている。
縦枠5、6には、屋外部材および断熱部材に跨がって貼り付けられた加熱発泡材37と、屋内部材および断熱部材に跨がって貼り付けられた加熱発泡材38と、メインタイト材8の保持片部に貼られた加熱発泡材39とが設けられている。
玄関ドア1における防火構造について、火災によって発泡する加熱発泡材の機能について説明する。
火災時の熱で採光窓20の周囲の温度が上昇し、図4、5に示す各加熱発泡材が発泡温度(例えば200℃)に到達すると、各加熱発泡材が発泡して膨張する。
複層ガラス21と額縁22との間では、防火ガラス211の外周面21Cに対向する加熱発泡材631が発泡して膨張するため、第1保持金具61の第1見込み面部611と防火ガラス211の外周面21Cとの間を塞ぐ。なお、縦額縁30C、30Dに設けられた加熱発泡材631は、上額縁30A、下額縁30Bに設けられた加熱発泡材631に比べて体積が小さいが、加熱発泡材635が設けられているので、第1保持金具61で囲まれる空間内の加熱発泡材の体積はほぼ同じである。そして、加熱発泡材631、635は、第1保持金具61の内側の面に接着されており、主に第1保持金具61で塞がれていない防火ガラス211側に向かって膨張し、防火ガラス211と第1保持金具61との間を確実に塞ぐことができる。
また、防火ガラス211の屋外面21Aに対向する加熱発泡材632が発泡し、第1見付け面部612と防火ガラス211の屋外面21Aとの隙間を塞ぐことができる。さらに、加熱発泡材631、加熱発泡材635は、スペーサー215に対向する位置に設けられているので、スペーサー215部分も覆うことができる。
第1保持金具61の屋外面に設けられた加熱発泡材633は、加熱発泡材171とともに隙間を塞ぎ、第1保持金具61の屋外面を覆って第1保持金具61等の温度上昇を抑制する。
屋内側保持部42に設けられた加熱発泡材47は、複層ガラス21の屋内面21Bに向かって発泡し、屋内側保持部42と複層ガラス21との隙間を塞ぐことができる。
加熱発泡材481は、鋼板48と屋内面材15との隙間を塞ぎ、ガス等の流出を防止する。
火災時の熱でドア枠および扉の外骨部分の温度が上昇し、図7、8に示す各加熱発泡材が発泡温度(例えば200℃)に到達すると、各加熱発泡材が発泡して膨張する。
図7に示すように、加熱発泡材181、182は、発泡して膨張すると、上枠3と上骨12Aとの隙間および下枠4と下骨12Bとの隙間を塞ぐ。また、加熱発泡材320は、上枠3と上骨12Aの隙間を塞ぐ。
(1)戸体である扉10は、戸体本体11の開口部11Aの内周面に沿って配置される内骨13を備え、この内骨13を、樹脂骨材130および金属骨材140を備えて構成している。そして、扉10の屋外面材14および屋内面材15は、樹脂骨材130の屋外片部132および屋内片部133に沿って配置し、金属骨材140は、屋内片部133から屋外側に離れた位置に配置している。金属骨材140は、屋内面材15から離れて配置されるため、屋内面材15および金属骨材140間での熱流出を低減でき、金属骨材に各面材を取り付ける場合に比べて断熱性能を向上できる。
特に、本実施形態では、金属骨材140と屋内面材15とは扉10の見込み寸法の1/3程度の寸法分、離れているので、金属骨材140および屋内面材15間での熱流出を低減でき、断熱性能を向上できる。
また、樹脂製額縁40に、複層ガラス21の外周面21Cに沿って配置される見込み面部41を設けたので、樹脂製額縁40の見込み面部41を少なくとも複層ガラス21の屋内面21Bよりも屋外側に突出して設けることができる。このため、金属製額縁30と樹脂製額縁40との連結位置を、前記屋内面21Bよりも屋外側に配置させることができ、金属製額縁30の配置位置を屋外側にできるため、額縁22の断熱性能を向上できる。
さらに、金属骨材140のウェブ141において、額縁22の見込み面部31A〜31Dおよび見込み面部41の第2見込み面部412に対向する面に加熱発泡材171、172が設けられているので、加熱発泡材171,172が発泡した際に、金属骨材140および額縁22間の隙間を塞ぐことができる。これにより、採光窓20における防火性能を向上できる。
したがって、採光窓20を有しつつ、断熱性能および防火性能を向上できる戸体である扉10と、建具である玄関ドア1を提供できる。
また、不燃断熱材160は、少なくとも複数のブラケット150間に跨がって配置されているので、ブラケット150間の空間を不燃断熱材160で塞ぐことができる。このため、不燃断熱材160に面して設けられた加熱発泡材173が発泡時に塞ぐ必要がある空間の体積が、不燃断熱材160を設けない場合に比べて小さくなり、加熱発泡材173の量を大幅に少なくでき、コストも低減できる。
さらに、区画片部134を基準に金属骨材140や不燃断熱材160の見込み方向の位置を決めることができるため、内骨13における断熱ラインも共通化できる。したがって、例えば、各内骨13で金属骨材140の見込み方向の配置位置がずれている場合に比べて、扉10の断熱性能を向上できる。
金属骨材140およびブラケット150をリベット155で連結し、さらに、屋外面材14および屋内面材15を、樹脂骨材130を介して、金属骨材140およびブラケット150にリベット135で固定しているので、火災時に樹脂骨材130が焼失したとしても、屋外面材14、金属骨材140、ブラケット150、屋内面材15が連結された状態を維持できる。したがって、火災時に扉10の形態を維持でき、遮炎性能も向上できる。
さらに、リベット135は金属製額縁30および額縁カバー材50で覆われ、扉10の屋外面や屋内面にリベット135が露出することを防止できるため、扉10の外観および内観を向上できる。
また、加熱発泡材172は、金属製額縁30および樹脂製額縁40に対向するため、発泡時には、金属製額縁30および樹脂製額縁40に跨がって覆うことができ、防火性能をさらに向上できる。
また、ガラス保持金具60は、金属製額縁30と防火ガラス211との間に配置されている。このため、扉10の採光窓20では、金属製額縁30、第1保持金具61、加熱発泡材631、防火ガラス211によって、採光窓20部分で屋内外方向に火炎や煙が流れることを防止する遮炎ラインを形成することができる。したがって、採光窓20の防火性能を向上できる。
また、上面保持金具61A、下面保持金具61Bにおいても、第1対向面部613を備えているため、防火ガラス211の上面および下面と第1保持金具61との間を加熱発泡材631で確実に塞ぐことができ、防火性能をより一層向上できる。
第1見付け面部612の加熱発泡材632は、防火ガラス211の屋外面21Aに対向する位置に設けられているので、発泡時には対向する屋外面21Aに向かって膨張し、短時間でこれらの隙間を塞ぐことができる。
したがって、火災時には、第1保持金具61と、防火ガラス211の屋外面21Aおよび外周面21Cとを、各加熱発泡材631、632で迅速に塞ぐことができる。さらに、第1見付け面部612に加熱発泡材632を設けているので、特に屋外側で火災が発生した際に、第1見付け面部612と防火ガラス211の屋外面21Aとの間を加熱発泡材632で迅速に塞ぐことができ、防火性能をより一層向上できる。
その上、ドア枠2(上枠3、下枠4、縦枠5、6)を断熱形材で構成し、断熱形材における断熱部材を見込み方向の位置も、前記扉10の断熱ラインにほぼ揃っているため、扉10からドア枠2まで面内方向に連続する断熱ラインを形成でき、玄関ドア1の断熱性能も向上できる。
なお、本発明は以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、ガラス保持金具としては、図9に示すような上面保持金具61E、下面保持金具61Fを用いてもよい。これらの上面保持金具61E、下面保持金具61Fは、第1対向面部を備えずに、第1見込み面部611、第1見付け面部612のみで構成されている。なお、防火ガラス211の側面に配置される側面保持金具61C、61Dは、図10に示すように、前記実施形態と同じく第1見込み面部611、第1見付け面部612、第1対向面部613を備えている。
この場合、第2保持金具62は、側面保持金具61C、61Dのみに連結され、複層ガラス21の上面および下面には配置されない。
このような構成によれば、前記実施形態に比べて、第2保持金具62の数を減らすことができ、コストを低減できる。また、玄関ドア1の採光窓20は、上下方向の寸法は大きいが、左右の幅方向の寸法は小さいため、複層ガラス21の上面および下面に第2保持金具が設けられていなくても、複層ガラス21の倒れを防止できる。また、複層ガラス21の上面、下面では、第1対向面部613や第2保持金具62が設けられていないため、断熱性能を向上できる。
さらに、内骨13としては、図9,10に示すように、ブラケット150を備えていない内骨13E、13F、13G、13Hを用いてもよい。この場合、屋内面材15は内骨13Eに対して接着剤などで取り付ければ良い。
また、樹脂製額縁40では、2つのホロー部416、417を設けていたが、1つのホロー部のみを設けてもよいし、3つの以上のホロー部を設けてもよい。ホロー部の大きさや数は、見込み面部41の見込み方向の寸法などに応じて設計すればよい。
扉10において、金属製額縁30や樹脂製額縁40の構成は、前記実施形態に限定されない。例えば、金属製額縁30は、樹脂製額縁40と同様に、複層ガラス21の周囲のみに設けてもよいし、その形状も玄関ドア1のデザインなどに応じて適宜設定すれば良い。
同様に、金属骨材140やブラケット150の形状も前記実施形態に限定されない。
また、ドア枠としては、アルミ製の屋外部材と、樹脂製の屋内部材とで構成したドア枠でもよいし、アルミ製のドア枠でもよい。さらに、ドア枠としては、上枠3、縦枠5、6を備え、下枠を備えないドア枠も用いることができる。
また、各加熱発泡材は、それぞれ発泡倍率の異なる加熱発泡材で構成しても良いし、それぞれ発泡開始温度が異なるもので構成しても良い。
Claims (6)
- 開口部を有する戸体本体と、
前記開口部に取り付けられた額縁と、
前記額縁に保持されて前記開口部に配置されたガラスと、を備え、
前記戸体本体は、
金属製の屋外面材および屋内面材と、
前記屋外面材および前記屋内面材間に配置された断熱芯材と、
前記開口部に沿って配置された骨材と、を備え、
前記額縁は、金属製額縁と、前記金属製額縁の屋内側に配置される樹脂製額縁とを備えて構成され、
前記金属製額縁は、前記ガラスの屋外側に配置される金属製保持部と、前記ガラスの外周面に沿って配置される金属製見込み面部とを備え、
前記樹脂製額縁は、前記ガラスの屋内側に配置される樹脂製保持部と、前記ガラスの前記外周面に沿って配置されて前記金属製見込み面部に連結される樹脂製見込み面部とを備え、
前記骨材は、樹脂骨材と金属骨材とを備え、
前記樹脂骨材は、前記屋外面材に沿って配置された屋外片部と、前記屋内面材に沿って配置された屋内片部と、前記屋外片部および前記屋内片部を連結する連結片部とを備え、
前記金属骨材は、前記屋内片部から屋外側に離れた位置に配置され、
前記骨材において、前記額縁に対向する面には、加熱発泡材が設けられている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1に記載の戸体において、
前記金属骨材の屋内側には不燃断熱材が配置されている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項2に記載の戸体において、
前記樹脂骨材は、前記屋外片部および前記屋内片部間において前記連結片部から突出して設けられた区画片部を備え、
前記金属骨材は、前記樹脂骨材の前記屋外片部および前記区画片部間に配置され、
前記不燃断熱材は、前記樹脂骨材の前記屋内片部および前記区画片部間に配置されている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の戸体において、
前記金属骨材と、前記樹脂骨材の前記屋内片部との間には、前記樹脂骨材の長手方向に沿って間隔を空けて複数個配置されて前記金属骨材に連結された金属製のブラケットが設けられ、
前記屋外面材は、前記金属骨材に屋外接合金具で固定され、
前記屋内面材は、前記ブラケットに屋内接合金具で固定され、
前記屋外接合金具は、前記金属製額縁で覆われ、
前記屋内接合金具を覆う屋内側化粧額縁を備える
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の戸体において、
前記金属製見込み面部と前記樹脂製見込み面部との見込み方向の連結位置は、前記金属骨材の屋外側端部および屋内側端部間であり、
前記骨材の前記額縁に対向する面には、第1加熱発泡材および第2加熱発泡材が設けられ、
前記第1加熱発泡材は、前記金属製見込み面部に対向して設けられ、
前記第2加熱発泡材は、前記金属製見込み面部および前記樹脂製見込み面部に対向して設けられている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の戸体と、
前記戸体を開閉可能に設けた建具枠とを備える建具。
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