JP2019060201A - 壁用目地カバー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中央カバー板の支持安定性を向上すると共に、該中央カバー板の表裏方向の揺動を抑え得る壁用目地カバー装置を提案する。【解決手段】伸縮リンク体11の中央部の枢結点に枢支された中央カバー板31の左右両側に夫々配設された、該伸縮リンク体11の左右の枢結点15bに枢支された左右一対の中間カバー板41が、該左右の枢結点15bに回動可能に連結された左右一対のカバー支持体45の外端固定部48bに夫々固定されてなり、各カバー支持体45の内端部に、中央カバー板31と伸縮リンク体11との間に移動可能に介装されて、該中央カバー板31の背方への撓みを制限するスペーサ部47が形成されたものである。このスペーサ部47により、中央カバー板31の支持安定性を向上できると共に、目地を通過する風や振動などによる該中央カバー板31の表裏方向への揺動を可及的に抑制できる。【選択図】図6

Description

本発明は、隣接する建造物の壁相互間の目地を覆う壁用目地カバー装置に関する。
隣接する建造物の壁相互間の目地には、該目地を覆う壁用目地カバー装置が配設される。こうした壁用目地カバー装置としては、例えば特許文献1のように、左右の建造物の側壁面に両端部が枢支された伸縮アームによって、中央カバー板と左右一対の中間カバー板と左右一対の端部カバー板を支持するようにしたものが知られている。かかる構成は、図15に示すように、左右方向へ伸縮可能な複数のパンタグラフ状の伸縮アーム111が、左右の側壁面102,102に、ヒンジ部材104,104を介して枢支され、中央カバー板121が、該伸縮アーム111の中央の枢支部115aに支持される。さらに、左右一対の中間カバー板125,125が、前記伸縮アーム111の枢支部115aの両側方に位置する枢支部115b,115bに夫々支持されて、前記中央カバー板121に対してスライド可能に配設されると共に、左右一対の端部カバー板128,128が、前記伸縮アーム111の両端部に支持されて、前記中間カバー板125,125に対してスライド可能に配設される。そして、地震時において、隣接する建造物101,101同士が横方向に大きく相対変位した場合には、伸縮アーム111が該相対変位に追従して伸縮すると共に、左右の中間カバー板125,125および左右の端部カバー板128,128が該伸縮アーム111の伸縮に追従して左右にスライドする。これにより、地震の揺れを吸収でき、該地震による破損を防止できる。
特許3028507号公報
ところで、上述した従来構成(特許文献1)にあっては、中央カバー板121が、その中央部を伸縮アーム111の中央の枢支部115aに支持されたのみで、該伸縮アーム111に取り付けられていることから、該中央カバー板121の支持安定性が比較的弱く、目地を吹き抜ける風や付近を走行する車両の振動などによって、該中央カバー板121が揺動し易くなっていた。そして、中央カバー板121が表裏方向に揺動すると、中間カバー板125や伸縮アーム111と接触することにより接触音が発生する虞があった。
本発明は、中央カバー板の支持安定性を向上すると共に、該中央カバー板の表裏方向の揺動を抑えて、該揺動による接触音の発生を抑制し得る壁用目地カバー装置を提案するものである。
本発明は、目地を介して隣接する左右の建造物の側縁に夫々配設された連結基体と、中央部に位置する枢結点と該中央部の左右両側方で左右方向へ変位可能な左右の枢結点とを備え、該左右方向に伸縮可能に構成されて、両端部が前記左右の連結基体に夫々枢結された伸縮リンク体と、前記伸縮リンク体の表方に配されて、該伸縮リンク体の中央部の枢結点に枢支され、目地の略中央に配設された中央カバー板と、前記伸縮リンク体の左右の枢結点に夫々支持され、内端部を前記中央カバー板の表面上に摺動可能に重ねて、該中央カバー板の左右両側に夫々配設された左右一対の中間カバー板と、前記左右の連結基体に外端部が夫々固定され、内端部を前記中間カバー板の表面上に摺動可能に重ねて、該中間カバー板の左右両側に夫々配設された左右一対の端部カバー板とを備えてなる壁用目地カバー装置において、前記各中間カバー板の背方に夫々配設されたものであって、該中間カバー板に夫々固定された外端固定部と、前記伸縮リンク体の左右の枢結点に回動可能に夫々連結された枢支部とを備え、各中間カバー板を当該枢結点に夫々支持する左右一対のカバー支持体を備えてなり、前記カバー支持体は、その内端部に、前記中央カバー板と伸縮リンク体との間に移動可能に介装されて、介装された状態で該中央カバー板の背方への撓みを制限するスペーサ部を備えてなるものであることを特徴とする壁用目地カバー装置である。
かかる構成にあっては、中央部を支持された中央カバー板が、伸縮リンク体との間に介装されたカバー支持体のスペーサ部によって、背方への撓みを制限されることから、該中央カバー板の表裏方向への揺動を抑制でき、該揺動による接触音の発生を可及的に防ぎ得る。ここで、中央カバー板は、中央部の左右両側部が、その表面に重なる中間カバー板の内端部によって表方への撓みを制限されるため、総じて、表裏方向への揺動を可及的に抑制する効果が高い。こうしたことから、本構成によれば、前記接触音の発生を防ぐ効果を著しく向上できる。
さらに、スペーサ部は、伸縮リンク体の左右の枢結点に支持されたカバー支持体の内端部に設けられていることから、該伸縮リンク体との間に安定して配置され得る。こうした左右のスペーサ部により、中央カバー板の左右両側部が撓み難くなっていることから、中央カバー板を支持した状態の安定性が向上する。尚ここで、本発明にあって、左右のスペーサ部が中央カバー板の左右両側部の背面に当接される構成が好適である。この構成によれば、中央カバー板を一層安定して支持できると共に、該中央カバー板の背方への撓みを制限する効果が一層高くなる。
上述した本発明の壁用目地カバー装置にあって、カバー支持体のスペーサ部は、その内端に、背方へ下る形状の案内縁が形成されてなるものである構成が提案される。ここで、案内縁としては、背方へ傾斜する形状、背方へ湾曲状に下る形状などが好適である。
かかる構成にあっては、中間カバー板の左右方向への相対移動に伴って、カバー支持体のスペーサ部が、中央カバー板の外端部よりも外側方への移動した後に、該外端部よりも内方へ移動した場合に、該スペーサ部が、その案内面によって比較的容易に中央カバー板と伸縮リンク体との間に進入できる。このようにカバー支持体のスペーサ部が、中央カバー板の外端部の内外へスムーズに移動できることから、左右への揺れの大きな地震の際にも、中間カバー板が中央カバー板に対してスムーズに相対移動できる。
上述した本発明の壁用目地カバー装置にあって、伸縮リンク体は、二本のリンク杆を交差させて螺子杆により互いの中央部で枢結された複数のリンク要素部が、隣合うリンク要素部の各リンク杆の端部同士を螺子杆により夫々枢結させて、左右方向に列設されてなるものであって、前記枢結されるリンク杆同士を、該リンク杆の間に皿バネを介装させて、前記螺子杆により回動可能に締結してなるものである構成が提案される。ここで、皿バネには、一般的な金属製のものに限らず、金属部分の一側にゴムを加硫結合させた構成のものを適用できる。
一般的に、リンク杆同士を螺子杆(ボルトなど)により枢結させる場合には、該リンク杆同士が相対的に回動できるように、該リンク杆との間に極僅かな隙間を設けた状態で該螺子杆を螺合させる。この構成では、リンク杆同士が前記隙間によりガタツキを生ずる。また、前記隙間を正確かつ安定して設けることは難しく、施工作業者によって異なる隙間が生じ易く、リンク杆同士の枢結状態にバラツキが生ずる。さらに、前記隙間のために螺子杆を締結できない場合には、該螺子杆が緩み易いという問題もあった。
こうした問題点を、かかる本構成によれば解決することができる。すなわち、本構成にあっては、リンク杆の間に皿バネを介装させて螺子杆を締結させることから、該リンク杆同士を、ガタツキを生ずること無く且つ相対的に回動可能に枢結できる。詳述すると、皿バネの介装により、リンク杆同士を締結させる方向にバネ作用が生ずると共に、該リンク杆との接触面積も極めて小さくなることから、螺子杆を締結させた状態で、前記のようにリンク杆同士をガタツキ無く相対的に回動可能に締結できる。また、皿バネを介装することで、螺子杆を所定の力で締結できることから、リンク杆同士を安定して枢結させることができ、上記した施工作業者による枢結状態のバラツキを可及的に抑制できる。さらに、螺子杆が緩んでしまうという上記の問題も可及的に防止し得る。
尚、本構成にあって、伸縮リンク体の中央部に配設されるリンク要素部の、二本のリンク杆を交差状に枢結する螺子杆により、中央部の枢結点が構成される一方、当該リンク要素部の左右側方に夫々配設されるリンク要素部の、二本のリンク杆を交差状に枢結する螺子杆により、左右方向へ変位可能な左右の枢結点が構成される。
上述の構成にあって、螺子杆により枢結させるリンク杆の間に、二個の皿バネを背中合わせで介装させた構成が提案される。
かかる構成にあっては、リンク杆の間に、背中合わせとした二個の皿バネを対称状に介装させることから、該リンク杆同士を一層安定して枢結できると共に、回動時の安定性も向上して、該回動し易くなる。
本発明の壁用目地カバー装置は、上述したように、左右一対の中間カバー板を夫々支持するカバー支持体が、中央カバー板と伸縮リンク体との間に介装されて、該中央カバー板の背方への撓みを制限するスペーサ部を備えた構成としたから、該中央カバー板の支持安定性を向上できる。そして、目地を通過する風や付近を走行する車両の振動などによって、中央カバー板が表裏方向へ揺動することを可及的に抑制でき、該揺動による接触音の発生を防止でき得る。
本実施例の壁用目地カバー装置1の施工状態を示す横断面図である。 同上の壁用目地カバー装置1の施工状態を示す正面図である。 壁用目地カバー装置1を構成する左右の連結基体2,2と複数の伸縮リンク体11との組み付け状態を示す正面図である。 伸縮リンク体11の斜視図である。 中央カバー板31の一部分を拡大して示す横断面図である。 中間カバー板41を拡大して示す横断面図である。 端部カバー板51と連結基体2との連結状態を拡大して示す横断面図である。 伸縮リンク体11を構成するリンク要素部12の分解斜視図である。 隣合うリンク要素部12,12の分解斜視図である。 建造物x,xが近接方向に相対変位した場合の、壁用目地カバー装置1の作用説明図である。 建造物x,xが離間方向に相対変位した場合の、壁用目地カバー装置1の作用説明図である。 建造物x,xが表裏方向に相対変位した場合の、壁用目地カバー装置1の作用説明図である。 建造物x,xが近接方向に相対変位した場合の、カバー支持体45の作動態様を示す説明図である。 建造物x,xが離間方向に相対変位した場合の、カバー支持体45の作動態様を示す説明図である。 従来の壁用目地カバー装置の施工状態を示す横断面図である。
本発明にかかる実施例を添付図面に従って説明する。
本発明の壁用目地カバー装置1は、図1,2に示すように、目地sを介して隣接する左右の建造物x,x間に配設されて、両建造物x,xの側壁面y、y間の目地sを遮蔽するものである。尚、本実施例にあって、壁用目地カバー装置1における左右方向が、目地sの幅(建造物x,xの間隔)の方向であり、表裏方向が、該目地sの奥行き方向である。
建造物x,xの、互いに対向する側壁面y,yには、壁用目地カバー装置1を構成する左右の連結基体2,2が上下方向に延在させて夫々配設されている。連結基体2は、図7に示すように、側壁面yに固定される断面L形の固定枠3と、該固定枠3にヒンジ4を介して表裏方向に回動可能に枢結される断面L形のブラケット6と、該固定枠3の表面側に配設された見切りカバ−体7とを備えている。ここで、固定枠3は、図示しないアンカーボルトにより側壁面yに強固に固定されている。また、ヒンジ4は、上下方向に所定間隔をおいて複数設けている。
左右のブラケット6,6には、断面コ字形に形成された長尺状の取付金具5,5が互いに対向するように夫々設けられている。そして、左右の取付金具5,5に、上下方向に所定間隔をおいて、複数の伸縮リンク体11が、両端部を上下方向に回動可能に夫々枢結されている。
伸縮リンク体11は、図3,4に示すように、互いの中央部を交差させたリンク杆13a,13bを、該中央部で回動可能に枢結したリンク要素部12が、左右方向に複数連結された構成を有するものであり、隣合うリンク要素部12,12の各リンク杆13a,13bの端部同士が回動可能に夫々枢結されている。本実施例では、三個のリンク要素部12が連結されており、左右両端に位置するリンク杆13a,13bの各端部に、該リンク杆13a,13bの略半分の長さをなす短尺リンク杆14a,14bの一端が回動可能に夫々枢結されている。そして、左右両側で、上下の短尺リンク杆14a,14b他端が、上記した取付金具5に回動可能に夫々枢結される(図1,7参照)。こうした伸縮リンク体11は、前記各リンク杆13a,13bと短尺リンク杆14a,14bとを夫々枢結した構成によって、左右方向に伸縮可能である。
ここで、各リンク要素部12を構成する二個のリンク杆13a,13bは、図4,8に示すように、その中央部で長尺の螺子杆21とナット22との螺合により枢結されている。さらに、隣合うリンク杆13a,13bの端部同士は、図4,9に示すように、短尺の螺子杆23とナット24との螺合により枢結されている。同様に、左右両端に位置するリンク杆13a,13bの各端部と短尺リンク杆14a,14bの一端部とは、図4に示すように、前記螺子杆23とナット24との螺合により枢結されると共に、左右両側で、短尺のリンク杆14a,14bと取付金具5とも、前記螺子杆21とナット22との螺合により枢結される。尚、螺子杆21,23による各リンク杆13a,13b,14a,14bの枢結は、本発明の要部にかかるため、詳細を後述する。
そして、中央のリンク要素部12にあって、図3,4に示すように、二個のリンク杆13a,13bを枢結する上記の螺子杆21が、当該リンク杆13a,13bの枢結軸であり、左右方向の中央に位置する枢結点15aを構成する。同様に、左右のリンク要素部12にあって、夫々二個のリンク杆13a,13bを枢結する上記の螺子杆21が、当該リンク杆13a,13bの枢結軸であり、左右の枢結点15bを夫々構成する。さらに、左右両端で、二個の短尺リンク杆14a,14bと取付金具5とを枢結する上記の螺子杆21が、これらの枢結軸であり、左右の端部の枢結点15cを夫々構成する。これら中央の枢結点15aと、その左右側方に位置する枢結点15b,15bと、さらに外方に位置する枢結点15c,15cとが略横一列に並ぶ。そして、この伸縮リンク体11は、どのように伸縮しても、前記枢結点15aが中央に位置する。尚、前記枢結点15aが、本発明にかかる中央部の枢結点に相当し、左右の枢結点15b,15bが、本発明にかかる左右の枢結点に相当する。
一方、上記した中央のリンク要素部12の螺子杆21には、図1に示すように、中央カバー板31が取り付けられている。中央カバー板31は、図5に示すように、壁用目地カバー装置1の上端から下端に亘る上下方向に長い形状を成す主カバー板32と、該主カバー板32よりも若干短い中央板支持体35とを備え、該中央板支持体35が主カバー板32の背面に夫々固定されて一体化されてなる。中央板支持体35は、上下方向に複数配設された伸縮リンク体11の中央に位置する各螺子杆21に、夫々枢結される。このように中央カバー板31は、各伸縮リンク体11の中央の螺子杆21(枢結点15a)に取り付けられていることによって、該伸縮リンク体11により目地sの略中央に常時位置するように配設される。
また、上記の中央カバー板31の左右両側には、図1,2に示すように、左右一対の中間カバー板41,41が該中央カバー板31の表方に配設されている。各中間カバー板41は、中央カバー板31と上下方向の長さが略同じに形成されており、図6に示すように、各伸縮リンク体11を構成する左右のリンク要素部12の螺子杆21(枢結点15b)に、カバー支持体45を介して夫々取り付けられている。そして、左右の中間カバー板41は、夫々内端部が中央カバー板31の表面に重ねられて配設される。一方、前記カバー支持体45は、上記した中央板支持体35の左右両側に夫々配設されており、前記各螺子杆21(枢結点15b)に、回動可能に夫々連結されている。そして、カバー支持体45は、その上下方向の長さが、前記中央板支持体35とほぼ同じ長さに形成されている(図2参照)。
さらにまた、上記した左右の中間カバー板41,41の外側には、図1,2に示すように、左右一対の端部カバー板51,51が該中間カバー板41,41の表方に配設されている。各端部カバー板51は、上記した中央カバー板31および中間カバー板41と上下方向の長さが略同じに形成されている。そして、左右の端部カバー板51は、図7に示すように、夫々の外端部が上記のブラケット6に取り付けられており、夫々の内端部が中間カバー板41の表面に重ねられて配設される。
尚、上述した中央カバー板31、中間カバー板41、カバー支持体45、および端部カバー板51の詳細は、本発明の要部にかかることから、後述する。
こうした壁用目地カバー装置1は、図10,11に示すように、地震時に建造物x,xが左右方向(目地sの幅を変化させる方向)に相対変位した場合に、該建造物x,xの側壁面y,yに配設された連結基体2,2が左右方向に移動すると、該連結基体2,2に両端部が連結された各伸縮リンク体11が伸縮する。これに伴って、上記中央カバー板31は、各伸縮リンク体11の中央に位置する枢結点15a(中央の螺子杆21)に支持されていることから、常に目地sの中央に移動する。一方、中央カバー板31の左右に配設された中間カバー板41,41は、各伸縮リンク体11の左右に位置する枢結点15b,15b(左右の螺子杆21,21)に支持されていることから、該中央カバー板31に対して左右に移動する。さらに、左右の端部カバー板51,51は、側壁面y,yに連結基体2,2を介して支持されていることから、前記中央カバー板31および左右の中間カバー板41,41に対して左右に移動する。
ここで、建造物x,xが目地sの幅を狭める方向に相対変位した場合には、図10に示すように、該建造物x、xの変位に従って、左右の端部カバー板51,51が目地sの中央に向かって(内方に向かって)夫々移動すると共に、左右の中間カバー板41,41が、各伸縮リンク体11の短縮変形に従って、目地sの中央に向かって夫々移動する。ここで、伸縮リンク体11の左右に位置する枢結点15b,15bの中央への移動量が、建造物x、xの変位量よりも短いことから、左右の端部カバー板51,51が、左右の中間カバー板41,41よりも中央へ大きく移動する。これにより、各端部カバー板51,51が中間カバー板41,41の表面に重なる範囲が増える。さらに、左右の中間カバー板41,41が、中央カバー板31に対して中央へ移動し、これに伴って各中間カバー板41,41が中央カバー板31の表面に重なる範囲が増える。このように、左右の中間カバー板41,41および端部カバー板51,51が移動することにより、建造物x,xの相対的に近づく方向への変位を吸収できる。
逆に、建造物x,xが目地sの幅を広げる方向に相対変位した場合には、図11に示すように、該建造物x、xの変位に従って、左右の端部カバー板51,51が外方に向かって夫々移動すると共に、左右の中間カバー板41,41が、各伸縮リンク体11の伸長変形に従って、外方に向かって夫々移動する。ここで、上記のように、伸縮リンク体11の枢結点15b,15bの外方への移動量が、建造物x,xの変位量よりも短いことから、左右の端部カバー板51,51が、左右の中間カバー板41,41よりも外方へ大きく移動する。これにより、各端部カバー板51,51が中間カバー板41,41に重なる範囲が減少する。さらに、左右の中間カバー板41,41が、中央カバー板31に対して外方へ移動し、これに伴って各中間カバー板41,41が該中央カバー板31に重なる範囲が減少する。このように、左右の中間カバー板41,41および端部カバー板51,51が移動することにより、建造物x,xの相対的に離間する方向への変位を吸収できる。
一方、建造物x,xが表裏方向(目地sの前後方向)に相対変位した場合には、図12に示すように、側壁面yに固定される固定枠3と、伸縮リンク体11の端部を取り付けたブラケット6とを連結したヒンジ4が表裏方向に回動することにより、かかる相対変位を吸収できる。
また、建造物x,xが上下方向に相対変位した場合(図示せず)には、連結基体2,2の取付金具5,5に両端部が枢結された各伸縮リンク体11が、左右の連結基体2,2の上下方向の相対移動に伴って傾動する。これにより、中央カバー板31が、上下移動の略中央で支持されるすると共に、各伸縮リンク体11に支持された左右の中間カバー板41,41が、中央カバー板31に対して上下に移動し、左右の端部カバー板51,51が、建造物x,xの上下移動に従って、上下に移動する。これにより、建造物x,xの上下方向への変位を吸収できる。
次に、本発明の要部について説明する。
上記した中央カバー板31を構成する主カバー板32は、図5に示すように、平板状の主板部33と、該主板部33の左右両側端から夫々連成された傾斜外縁部34とを備える。ここで、傾斜外縁部34は、主板部33から表方へ傾斜する形状を成し、主カバー板32の上下方向に亘って形成されている。一方、前記中央カバー板31を構成する中央板支持体35は、その中央部に形成された背方へ凹む連結凹部36と、該連結凹部36の左右両端から外方へ夫々延成された平板状の主支持板部37と、各主支持板部37の外端から夫々連成された固定外端部38とを備える。ここで、連結凹部36が、上記した中央に位置する螺子杆21(中央の枢結点15a)に回動可能に枢結される。固定外端部38は、前記主カバー板32の傾斜外縁部34に夫々重なり合うように、主支持板部37から表方へ傾斜する形状を成し、該傾斜外縁部34に夫々固結される。かかる複数の中央板支持体35は、夫々の固定外端部38が主カバー板32の傾斜外縁部34に固結された状態で、主支持板部37,37が主カバー板32の主板部33に重ね合わされる。これにより、主カバー板32と中央板支持体35が一体化されて、中央カバー板31が構成される。そして、こうした中央カバー板31は、中央板支持体35を介して、中央に位置する夫々の枢結点15a(螺子杆21)に枢結される。
また、上記した左右の中間カバー板41は、図6に示すように、平板状の主板部42と、該主板部42の内端から連成された傾斜内縁部43と、該主板部42の外端から連成された外端傾斜部44とを備える。ここで、外端傾斜部44は、主板部42の外端から表方へ傾斜する形状を成し、中間カバー板41の上下方向に亘って形成されている。傾斜内縁部43は、主板部42の内端から背方へ傾斜する形状を成し、中間カバー板41の上下方向に亘って形成されている。そして、この傾斜内縁部43は、その内端が、外側に折り返されて中央カバー板31の表面に当接される。この傾斜内縁部43は、主板部42から背方へ突出する高さ寸法が、上記した中央カバー板31を構成する主カバー板32の傾斜外縁部34の、主板部33から表方へ突出する高さ寸法と、同じとなっている。これにより、傾斜内縁部43の内端を中央カバー板31の主カバー板32の表面に当接させ、かつ該中央カバー板31の傾斜外縁部34の外端を中間カバー板41の主板部42の背面に当接させることで、左右の中間カバー板41の各主板部42が、中央カバー板31の主板部33と略並行に配設される。
こうした左右の中間カバー板41は、上述したように、カバー支持体45を夫々介して、伸縮リンク体11に支持される。カバー支持体45は、平板状の主板部46と、該主板部46の内端に連成されたスペーサ部47と、該主板部46の外端に連成された外端部48とを備える。
ここで、カバー支持体45は、その主板部46の内端寄り部位(以下、枢支部という)46aで、前記した枢結点15bを構成する螺子杆21に回転可能に枢結される。また、カバー支持体45の外端部48は、主板部46の外端から表方へ折曲された立ち上がり部48aと、該立ち上がり部48aの上端から外方へ傾斜する外端固定部48bとを備える。そして、この外端固定部48bに、中間カバー板41の外端傾斜部44に重ね合わされて固結される。また、上記のスペーサ部47は、主板部46の内端から表方へ山形状に屈曲形成されて、該主板部46よりも表方に隆起してなり、背方へ傾斜する傾斜案内縁47aを備えてなる。尚、本実施例にあっては、前記外端固定部48bと中間カバー板41の外端傾斜部44とが固結された状態で、スペーサ部47が、該中間カバー板41の傾斜内縁部43よりも外側方に位置する。すなわち、カバー支持体45(主板部46)は、左右方向の長さが、中間カバー板41(主板部42)の左右方向の長さよりも短い。
こうしたカバー支持体45は、前記のように、主板部46の枢支部46aで枢結点15bの螺子杆21に連結され、かつ外端固定部48bが中間カバー板41の外端傾斜部44に固定されることにより、該中間カバー板41を支持する。そして、この状態で、カバー支持体45のスペーサ部47が、中央カバー板31と伸縮リンク体11との間に介装されて、該中央カバー板31の背面に当接される。この状態で、中央カバー板31は、その左右の側端寄りの部位が、前記左右のスペーサ部47により背方から支持されると共に、当該左右の部位と中央の枢結点15aに連結された中央部との間で、中間カバー板41の傾斜内縁部43により表側から支持されることから、目地sの中央で安定して保たれ得る。
また、上記した左右の端部カバー板51は、平板状の主板部52と、該主板部52の内端から連成された傾斜内縁部53とを備える。ここで、主板部52の外縁部が、上記した連結基体2のブラケット6に固定される。傾斜内縁部53は、主板部52の内端から背方へ傾斜する形状を成し、端部カバー板51の上下方向に亘って形成されている。そして、この傾斜内縁部53は、その内端が、外側に折り返されて中間カバー板41の表面に当接される。この傾斜内縁部53は、主板部52から背方へ突出する高さ寸法が、上記した中間カバー板41の外端傾斜部44の、主板部42から表方へ突出する高さ寸法と、同じとなっている。これにより、傾斜内縁部53の内端を中間カバー板41の主板部42の表面に当接させ、かつ該中間カバー板41の外端傾斜部44を主板部52の背面に当接させることで、左右の端部カバー板51の各主板部52が、中間カバー板41の主板部42と略並行に配設される。
一方、伸縮リンク体11は、上述したように、二本のリンク杆13a,13bを交差させたリンク要素部12を、左右方向に三個連結され、さらに、左右のリンク要素部12,12の外側に、夫々二個の短尺リンク杆14a,14bが連結されてなるものである。ここで、各リンク杆13a,13b,14a,14bは、角パイプにより構成されており、リンク要素部12を構成するリンク杆13a,13bには、図8,9に示すように、その中央部に、螺子杆21の軸部を表裏方向に貫通する第一貫通孔16が夫々形成されている。そして、リンク要素部12を構成する二個のリンク杆13a,13bのうち、裏側に配設される一方のリンク杆13bには、その両端部に、螺子杆21(又は螺子杆23)の軸部を表裏方向に貫通する第一貫通孔16が形成されている。さらに、表側に配設される他方のリンク杆13aには、その両端部に、表面部に形成された挿通孔17aと裏面部に形成された貫通孔(図示せず)とから構成された第二貫通孔17が配設されている。ここで、前記挿通孔17aと貫通孔とは対向状に設けられており、該挿通孔17aがナット24を挿通可能であり、該貫通孔が、該ナット24を挿通不能かつ螺子杆23の軸部を貫通可能である。また、図4に示すように、裏側に配設される一方の短尺リンク杆14bは、その両端部に、図示しない第一貫通孔(前記したリンク杆13bの第一貫通孔16と同じ構成)が形成されている。さらに、表側に配設される他方の短尺リンク杆14aは、その一端部に、裏側の短尺リンク杆14bと同じ第一貫通孔(図示せず)が形成され、他端部に、前記したリンク杆13aと同じ第二貫通孔17が形成されている。
リンク要素部12は、図4,8,9に示すように、二本のリンク杆13a,13bが、その中央部に形成された第一貫通孔16,16に、表方から螺子杆21の軸部を貫通させて、裏側でナット22により螺合して枢結する。この枢結状態では、螺子杆21の頭部が表側に突出し、かつナット22(および螺子杆21の軸部の先端部)が裏側に突出する。また、隣合うリンク要素部12,12は、表側のリンク杆13aの一端部と裏側のリンク杆13bの他端部とが、該表側の第二貫通孔17と該裏側の第一貫通孔16とを同心状に重ね合わせた状態で、裏方から螺子杆23の軸部を通して、該第二貫通孔17の挿通孔17aからリンク杆13aに進入させたナット24により螺合して枢結する。この枢結状態では、螺子杆23の頭部が裏側に突出するものの、ナット24(および螺子杆23の軸部の先端部)がリンク杆13aの内部に収容されるため、表側に突出しない。一方、短尺リンク杆14a,14bにあっても、前記した取付金具5と枢結される一端部同士は、前記したリンク杆13a,13bの中央部の枢結と同様に、表方から螺子杆21の軸部を挿通させてナット22により螺合して枢結される。また、裏側の短尺リンク杆14bは、前記したリンク杆13a,13bの端部同士の枢結と同様に、その他端部の第一貫通孔16と、表側のリンク杆13aの一端部の第二貫通孔17とを通した螺子杆23とナット24とにより枢結される。さらに、表側の短尺リンク杆14aは、前記したリンク杆13a,13bの端部同士の枢結と同様に、その一端部の第二貫通孔17と、裏側のリンク杆13bの他端部の第一貫通孔16とを通した螺子杆23とナット24とにより枢結される。
さらに、伸縮リンク体11は、図8,9に示すように、螺子杆21により枢結されるリンク杆13a,13bの中央部の間、該リンク杆13a,13bの端部の間、該リンク杆13a,13bの端部と短尺リンク杆14a,14bの端部の間、および短尺リンク杆14a,14bの端部の間に、夫々二個の皿バネ61,61を背中合わせで介装されて、夫々が該螺子杆21により締結されている。
ここで、皿バネ61は、一般的な構成のものであり、中央に螺子杆21,23を挿通可能な挿通孔62を備え、その周囲に外方へ傾斜する環状側部63を備える。そして、二個の皿バネ61,61を、夫々の挿通孔62,62を重ねて背中合わせてとし、前記のようにリンク杆13a,13bの間、リンク杆13a,13bと短尺リンク杆14a,14bとの間、リンク杆14a,14bの間に夫々介装される。
リンク要素部12を構成するリンク杆13a,13bは、図8に示すように、各中央部の間に皿バネ61,61が介装されて、上記のように螺子杆21により枢結されている。すなわち、伸縮リンク体11を構成する夫々のリンク要素部12では、交差されたリンク杆13a,13bの各中央部の間に、背中合わせとした二個の皿バネ61,61が介装され、該中央部の各第一貫通孔16,16と該皿バネ61,61の挿通孔62,62とに挿通された螺子杆21の軸部とナット22とが締結される。ここで、リンク杆13a,13bの各中央部には、各皿バネ61,61の環状側部63,63の外周縁が接触することから、接触面積が可及的に小さくなる。そして、前記螺子杆21とナット22とは、前記皿バネ61,61のバネ作用を介して締結される。こうしたことから、螺子杆21とナット22との締結によって、リンク杆13a,13bの中央部同士が固結されず、該リンク杆13a,13bが回動可能に枢結される。さらに、螺子杆21とナット22とを、皿バネ61,61を介して締め付けることによって、交差したリンク杆13a,13b同士をガタツキ無く安定して枢結できる。
尚、こうした螺子杆21とナット22との締め付け作業は、トルクレンチ等を使用することにより、予め設定した力で実施できる。これにより、施工作業者による作業のバラツキを無くすことができ、リンク杆13a,13b同士を前記した回動可能な所望の状態で正確且つ安定して枢結させることができる。
同様に、隣合うリンク要素部12は、隣合うリンク杆13a,13bの各端部の間に、背中合わせとした二個の皿バネ61,61が介装され、該端部の各第一貫通孔16と第二貫通孔17と該皿バネ61,61の挿通孔62,62とに挿通された螺子杆23の軸部とナット24とが締結される。こうしたリンク杆13a,13bの端部同士にあっても、該端部と皿バネ61,61との接触面積が可及的に小さく、かつ該皿バネ61,61のバネ作用を介して締結されることから、該リンク杆13a,13bが回動可能に安定して枢結される。
さらに、左右のリンク要素部12,12の両端に位置するリンク杆13a,13bの端部と、短尺リンク杆14a,14bの端部との間にも、背中合わせとした二個の皿バネ61,61を介装され、両端部の第一貫通孔16と第二貫通孔17と該皿バネ61,61の挿通孔62,62とに挿通された螺子杆23の軸部とナット24とが締結される。また、左右の取付金具5に枢結される短尺リンク杆14a,14bの各他端部の間にも、背中合わせとした二個の皿バネ61,61を介装され、両端部の各第一貫通孔16,16と該皿バネ61,61の挿通孔62,62とに挿通された螺子杆21とナット22とが締結される。これらいずれにあっても、上述のリンク杆13a,13bの中央部同士の枢結構造と同様に、リンク杆13a,13b,14a,14bと皿バネ61との接触面積が可及的に小さく、かつ該皿バネ61,61のバネ作用を介して締結されることから、該リンク杆13a,13b,14a,14bが回動可能に安定して枢結される。
次に、上述した壁用目地カバー装置1の作動態様について説明する。
図1,5〜7に示す標準位置では、上述したように、中央カバー板31は、その中央部が各伸縮リンク体11の中央に位置する枢結点15a(螺子杆21)に枢結されて配設され、さらに、左右の側端寄りの部位で、左右のカバー支持体45のスペーサ部47により背方から支持されると共に、該左右の部位と中央部との間で、中間カバー板41の傾斜内縁部43より表側から支持される。また、左右の中間カバー板41は、その傾斜内縁部43が中央カバー板31の表面に当接され、外端傾斜部44がカバー支持体45の外端固定部48bに固定されている。また、左右の端部カバー板51は、傾斜内縁部53が中間カバー板41の表面に当接され、主板部52の外縁部が連結基体2のブラケット6に固定されている。こうした構成により、中央カバー板31、左右の中間カバー板41,41、および左右の端部カバー板51,51は、互いの自由端(中央カバー板31の左右の側端部、中間カバー板41の内端部、および端部カバー板51の内端部)を支え合うようにして、取り付けられていることから、所望の位置に安定して保たれ得る。そして、目地sを通る風や、付近を通過する自動車の振動等によって、中央カバー板31、左右の中間カバー板41,41、および左右の端部カバー板51,51が表裏に撓むことを可及的に抑制できる。
地震時に、建造物x,xが目地sの幅を広げる方向に相対変位すると、上述したように、目地sの中央に常時位置する中央カバー板31に対して、左右の中間カバー板41,41が外方へ夫々移動すると共に、左右の端部カバー板51,51が外方へ夫々移動する(図11参照)。この際に、前記相対変位の変位量が比較的小さい場合には、カバー支持体45のスペーサ部47が、中央カバー板31の背面に当接したままで摺動することから、該スペーサ部47による中央カバー板31の支持状態が保たれる。しかし、図11,14に示すように、前記相対変位の変位量が大きくなると、スペーサ部47が、中央カバー板31の側端よりも外方へ移動してしまう。この後に、建造物x,xが目地sの幅を狭くする方向に相対変位すると、中央カバー板31に対して、左右の中間カバー板41,41が内方へ夫々移動する(図10参照)。これにより、カバー支持体45のスペーサ部47は、中間カバー板41と伸縮リンク体11との間に進入する。この際に、スペーサ部47の傾斜案内縁47aにより、比較的容易に中央カバー板31と伸縮リンク体11との間に進入でき、図13に示すように、該スペーサ部47が、該中央カバー板31の背面に当接する。このように、本実施例では、スペーサ部47が傾斜案内縁47aを備えていることにより、該スペーサ部47が、中央カバー板31の背方にある位置と外方へ離間した位置とに繰り返し移動しても、該移動をスムーズに行うことができる。
また、地震時に、建造物x,xが上下方向や表裏方向に相対変位する場合にあっても、目地sの幅方向への相対変位を伴うときには、上述と同様に、各伸縮リンク体11が伸縮して、中間カバー板41,41と端部カバー板51,51とが移動することから、上記スペーサ部47の傾斜案内縁47aにより同様の作用効果を奏し得る。
このように本実施例の壁用目地カバー装置1によれば、左右の中間カバー板41,41を支持するカバー支持体45,45のスペーサ部47,47が、中央部のみで伸縮リンク体11に枢支される中央カバー板31の左右両側縁を、背面から支持することから、該中央カバー板31の左右両側縁が背方へ撓むことを抑制できる。そのため、目地sを通る風や付近を走行する車両の振動等によっても、前記中央カバー板31の背方への撓み変位を可及的に抑制でき、該撓み変位によって、該中央カバー板31と伸縮リンク体11または中間カバー板41との接触を防止でき、該接触による接触音の発生を防止できる。
さらに、カバー支持体45のスペーサ部47は、その内端に、背方へ下る形状の傾斜案内縁47aを備えていることにより、地震時に、目地sの幅を広くする方向に比較的大きく相対変位して、中央カバー板31よりも外方へ移動しても、該幅を狭くする方向に相対変位する際に、該傾斜案内縁47aにより比較的容易に該中央カバー板31の背方へ進入できる。このように目地sの幅方向に比較的大きく相対変位した場合に、スペーサ部47が、中央カバー板31の内外にスムーズに移動できる。
また、本実施例は、伸縮リンク体11を構成する交差する二個のリンク杆13a,13bの間、隣合うリンク杆13a,13bの間、リンク杆13a,13bと短尺リンク杆14a,14bとの間、および取付金具5に枢結する短尺リンク杆14a,14bの間に、二個の皿バネ61,61を背中合わせで介装させて、夫々螺子杆21,23とナット22、24とにより締め付けていることから、各リンク杆13a,13b同士、リンク杆13a,13bと短尺リンク杆14a,14b、および短尺リンク杆14a,14b同士が、回動可能に枢結され、上述の地震時に、伸縮リンク体11が比較的スムーズかつ安定して伸縮できる。ここで、螺子杆21,22とナット22,24とを締め付けて枢結することから、リンク杆13a,13b,14a,14bの各枢結する同士を、ガタツキを生ずることなく枢結できると共に、施工作業者によるバラツキも生じない。
尚、本実施例にあって、中央のリンク要素部12の枢結点15aが、本発明にかかる中央部の枢結点に相当し、左右のリンク要素部12,12の枢結点15b,15bが、本発明にかかる左右の枢結点に相当する。また、傾斜案内縁47aが、本発明にかかる案内縁に相当する。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、この実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。
例えば、伸縮リンク体11の配設個数は、上記実施例に限定されず、適宜変更することが可能である。また、実施例の伸縮リンク体11は、三個のリンク要素部12を左右方向に連結した構成であるが、これに限らず、リンク要素部12の配設個数を適宜変更することが可能である。例えば、五個のリンク要素部12を左右方向に連結した構成とすることも可能である。
また、上述の実施例にあっては、中間カバー板41のスペーサ部47を、山形に隆起した形状としたものであるが、この形状に限定されず、様々な形状とすることが可能である。例えば、表方へ湾曲状に隆起する形状としたり、台形状に隆起する形状などとできる。さらに、スペーサ部の傾斜案内縁は、平面状(直線状)に傾斜する形状に限らず、湾曲状に傾斜する形状や、平面と湾曲面とを組み合わせた形状とすることも可能である。
また、本実施例では、スペーサ部47を、中央カバー板31の背面に当接する構成としたが、これに限らず、中央カバー板31の背面と間隙をおいて配される構成としても良い。この場合には、中央カバー板31が背方へ撓み変位できるものの、その変位量を抑制でき、かつ伸縮リンク体11との接触を防止できる。そのため、実施例と同様に、該接触による接触音の発生を防止できる。尚、中央カバー板31の背面との前記間隙は、可及的に小さくすることによって、前記撓み変位を抑制する効果が向上する。
また、上述の実施例にあっては、リンク杆13a,13bの間、リンク杆13a,13bと短尺リンク杆14a,14bの間、および短尺リンク杆14a,14bの間に、二個の皿バネ61,61を背中合わせに介装させた構成であるが、この他の構成として、各間に、一個の皿バネ61を介装させた構成としても良い。又は、金属製の皿バネ61に代えて、金属製の皿部(実施例の皿バネと同形状のもの)とその一側に結合されたゴム部とからなる構成(本発明にかかる皿バネに相当)を、適用することも可能である。
1 壁用目地カバー装置
2 連結基体
5 取付金具
11 伸縮リンク体
12 リンク要素部
13a,13b リンク杆
14a,14b 短尺リンク杆
15a,15b 枢結点
21,23 螺子杆
31 中央カバー板
41 中間カバー板
45 カバー支持体
46a 枢支部
47 スペーサ部
47a 傾斜案内縁
48b 外端固定部
51 端部カバー板
61 皿バネ
s 目地
x 建造物
y 側壁面

Claims (4)

  1. 目地を介して隣接する左右の建造物の側縁に夫々配設された連結基体と、
    中央部に位置する枢結点と該中央部の左右両側方で左右方向へ変位可能な左右の枢結点とを備え、該左右方向に伸縮可能に構成されて、両端部が前記左右の連結基体に夫々枢結された伸縮リンク体と、
    前記伸縮リンク体の表方に配されて、該伸縮リンク体の中央部の枢結点に枢支され、目地の略中央に配設された中央カバー板と、
    前記伸縮リンク体の左右の枢結点に夫々支持され、内端部を前記中央カバー板の表面上に摺動可能に重ねて、該中央カバー板の左右両側に夫々配設された左右一対の中間カバー板と、
    前記左右の連結基体に外端部が夫々固定され、内端部を前記中間カバー板の表面上に摺動可能に重ねて、該中間カバー板の左右両側に夫々配設された左右一対の端部カバー板と
    を備えてなる壁用目地カバー装置において、
    前記各中間カバー板の背方に夫々配設されたものであって、該中間カバー板に夫々固定された外端固定部と、前記伸縮リンク体の左右の枢結点に回動可能に夫々連結された枢支部とを備え、各中間カバー板を当該枢結点に夫々支持する左右一対のカバー支持体を備えてなり、
    前記カバー支持体は、
    その内端部に、前記中央カバー板と伸縮リンク体との間に移動可能に介装されて、介装された状態で該中央カバー板の背方への撓みを制限するスペーサ部を備えてなるものであることを特徴とする壁用目地カバー装置。
  2. カバー支持体のスペーサ部は、その内端に、背方へ下る形状の案内縁が形成されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の壁用目地カバー装置。
  3. 伸縮リンク体は、
    二本のリンク杆を交差させて螺子杆により互いの中央部で枢結された複数のリンク要素部が、隣合うリンク要素部の各リンク杆の端部同士を螺子杆により夫々枢結させて、左右方向に列設されてなるものであって、
    前記枢結されるリンク杆同士を、該リンク杆の間に皿バネを介装させて、前記螺子杆により回動可能に締結してなるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の壁用目地カバー装置。
  4. 螺子杆により枢結させるリンク杆の間に、二個の皿バネを背中合わせで介装させたことを特徴とする請求項3に記載の壁用目地カバー装置。
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