JP6329388B2 - 免震構造物 - Google Patents
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Description
上部構造物と下部構造物の間で相対的な変位が生じたとき、壁状部材を移動可能とする技術としては、例えば特許文献1がある。
これにより、地震等によって擁壁と構造物の間で相対的な変位が生じても、水切り屋根と構造物の衝突が回避され、水切り屋根の損傷が抑制される。
また、可動体が上部構造物と下部構造物の間に設けられていても、地震時等の上部構造物と下部構造物の間の相対的な変位に追随し、可動体の損傷を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る免震構造物10について、図1〜図4を用いて説明する。
第1実施形態は、免震構造物10の建物(構造物)12への適用例である。
免震装置14は、一般的な市販品であり説明は省略する。免震装置14は、下部建物12Dの上部と、上部建物12Uの下部の間に取付けられ、下部建物12Dにより支持され、上部建物12Uを支持している。
また、ブレース24の下部建物12D側の端部は、下部建物12Dの側壁に自在継手20で、水平方向と鉛直方向へ回転可能に連結されている。これにより、ブレース24は、自在継手20の位置を中心にして矢印R2の方向へ回転できる。
このように、プレート16の取付け部が、上部建物12Uと対面して配置されていなくても、地震時に、プレート16の損傷を抑制することができる。
なお、上部建物12Uと下部建物12Dの間の三次元方向の相対的な変位については、便宜上、上部建物12Uを静止させ、下部建物12Dのみを移動させた状態を例にとり説明する。静止する部位と移動する部位が逆であっても、本実施形態における作用は同じである。
プレート16は、下部建物12Dの移動に対応して、ブレース24で矢印X1の方向へ移動させられる。このとき、上部建物12Uは静止している。これにより、プレート16は、継手18を中心に矢印R4の方向へ回転して、下部建物12Dと上部建物12Uの相対的な移動を吸収する。この結果、プレート16の損傷が抑制される。
プレート16は、下部建物12Dの移動に対応して、ブレース24で矢印X2の方向へ移動させられる。このとき、上部建物12Uは静止している。これにより、プレート16は、継手18を中心に矢印R5の方向へ回転して、下部建物12Dと上部建物12Uの相対的な移動を吸収する。この結果、プレート16の損傷が抑制される。
例えば、図3(A)に示すように、プレート17の一部に、プレート17の平面部を上部建物12Uから離す方向の折曲げ部26を設ける。これにより、図3(B)に示すように、下部建物12DがX1方向に移動しても、ブレース24の両端部の回転方向が十分に確保され、下部建物12DのX1方向への移動にスムーズに対応することができる。
また、本構成とすることにより、図3(C)に示すように、下部建物12DがX2方向に移動しても、ブレース24の両端部の回転方向が十分に確保され、下部建物12Dの移動にスムーズに対応することができる。なお、図示は省略するが、以下に説明する他の方向の移動においても問題は生じない。
プレート16は、下部建物12Dの移動に対応してブレース24で矢印Z1の方向へ移動させられる。このとき、上部建物12Uは静止している。これにより、プレート16は、継手18を中心に矢印R6の方向へ回転して、下部建物12Dと上部建物12Uの相対的な移動を吸収する。この結果、プレート16の損傷が抑制される。
プレート16は、下部建物12Dの移動に対応してブレース24で矢印Z2の方向へ移動させられる。このとき、上部建物12Uは静止している。これにより、プレート16は、継手18を中心に矢印R7の方向へ回転して、下部建物12Dと上部建物12Uの相対的な移動を吸収する。この結果、プレート16の損傷が抑制される。
プレート16は、上部建物12Uと共に静止しており、下部建物12Dと共に、ブレース24の下部建物12D側の自在継手20は、矢印Y1の方向へ移動させられる。ここに、ブレース24の両端には自在継手22が取り付けられているので、ブレース24の横方向の回転が許容される。この結果、下部建物12Dと上部構造物12Uの矢印Y1の方向の相対的な移動が吸収され、プレート16の損傷が抑制される。
プレート16は、上部建物12Uと共に静止しており、下部建物12Dと共に、ブレース24の下部建物12D側の自在継手20は、矢印Y2の方向へ移動させられる。ここに、ブレース24の両端には自在継手22が取り付けられているので、ブレース24の横方向の回転が許容される。この結果、下部建物12Dと上部構造物12Uの矢印Y2の方向の相対的な移動が吸収され、プレート16の損傷が抑制される。
本発明の第2実施形態に係る免震構造物30について、図6〜図8を用いて説明する。
第2実施形態は、免震構造物30のスタジアム(競技用施設)34への適用例である。第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図6の斜視図に示すように、スタジアム34は、グラウンド42を囲んで観客席44が設けられ、観客席44の一部(四隅部)が屋根38で覆われた構成である。
屋根38は、スタジアム34の四隅部に4か所形成され、いずれの屋根38も、観客席44の上に設けられたトラス梁46で、グラウンド42側の端部が高い位置で支持され、四隅部に向けて下り勾配とされている。
また、ブレース24は、柱36側の端部が、自在継手20を介して、柱36の側壁に連結されている。これにより、ブレース24は、自在継手20の位置で矢印R2の方向へ回転できる。
プレート32は、柱36の移動に対応して、ブレース24で矢印Xの方向へ移動させられる。このとき、屋根38は静止している。これにより、プレート32は、継手18を中心に矢印R5の方向へ回転して、柱36と屋根38の相対的な移動を吸収する。この結果、プレート16の損傷が抑制される。
なお、柱36が、矢印Xと反対方向(X軸方向)へ移動した場合については、プレート32の移動方向が異なるのみであり、説明は省略する。
柱36の、矢印Zの方向への移動により、自在継手20が矢印Zの方向へ移動させられる。このとき、屋根38は静止している。これにより、プレート32は、継手18を中心に矢印R6の方向へ回転して、柱36と屋根38の相対的な移動を吸収する。この結果、プレート16の損傷が抑制される
なお、柱36が、矢印Zと反対の方向(Z軸方向)へ移動した場合については、ブレース24の支持角度が異なるのみであり、説明は省略する。
柱36の移動に対応して、プレート32は屋根38と共に静止しており、柱36と共に、ブレース24の柱36側の自在継手20は、矢印Yの方向へ移動させられる。ここに、ブレース24の両端には自在継手22が取り付けられているので、ブレース24の横方向(矢印Yの方向)への回転を許容する。この結果、ブレース24の横方向の回転で柱36の移動が吸収され、プレート16の損傷が抑制される。
なお、柱36が、矢印Yと反対の方向(Y軸方向)へ移動した場合については、ブレース24の支持方向が異なるのみであり、説明は省略する。
他の構成は第1実施形態と同じであり、説明は省略する。
12 建物(構造物)
12U 上部建物(上部構造物)
12D 下部建物(下部構造物)
14 免震装置
16 プレート(可動体)
18 継手
20 自在継手
22 自在継手
24 ブレース(棒状部材)
32 プレート(壁状部材、可動体)
34 スタジアム(競技用施設、構造物)
36 柱(下部構造物)
38 屋根(上部構造物)
Claims (3)
- 免震装置が設けられた構造物の柱と、
前記免震装置で支持された屋根と、
前記屋根に回転可能に連結され、前記屋根から下方へ張り出すと共に前記屋根の動きに追随して移動する壁状部材と、
一端が前記壁状部材に水平方向と鉛直方向へ回転可能に連結され、他端が前記柱に水平方向と鉛直方向へ回転可能に連結された棒状部材と、
を有する免震構造物。 - 前記棒状部材の両端は、自在継手で回転可能に連結されている請求項1に記載の免震構造物。
- 前記構造物は競技用施設である、請求項1又は2に記載の免震構造物。
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