JP2010285850A - 振動低減用の変形部付きフレーム構造及びフレーム構造に用いる減振器具 - Google Patents

振動低減用の変形部付きフレーム構造及びフレーム構造に用いる減振器具 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構造でありながら、十分に地震力や風力による振動に対して制振又は耐震性能を発揮でき、設計上の自由度の大きい変形部付きフレーム構造を提案する。
【解決手段】構造物の柱・梁のように相互に交差する各方向2条の構造材で形成するフレーム2と、このフレーム構造の対向角部8,8から、両角部を結ぶ仮想線Lに対して互い違いの突出角度で、それぞれの先部12aが行き違うように突出させた1対の斜材12,12と、各斜材の先部12aの間に、これら先部に両端部を接合した複数の剛性を有するブリッジ24を架設してなる減振手段20と、を具備し、この減振手段20と2つの斜材12の先部12aとで形成する変形部18がフレームの揺れに応じて変形し、少なくともブリッジ24の両端付近の変形部分が屈曲することによりフレームの揺れを低減するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動低減用の変形部付きフレーム構造、特に梯子状変形部付きフレーム構造、及びこのフレーム構造に用いる減振器具に関する。
地震や風による振動を抑制するために、塑性変形可能な低降伏点鋼製のブレースが知られているが(特許文献1)、大地震などに遭うとダメージがブレース全体に及ぶ。
そこで下梁と柱との間に制振材を、この制振材と上梁との間にブレース材をそれぞれ斜めに架設し、制振材を交換可能とした構造も提案されている(特許文献2)。しかしこれではブレース材以外に大掛かりな仕組みが必要となり、施工コストが高くなる。
より簡単な構造のブレースとして柱・梁で形成するブレースの4隅から中央へ延びる4本の斜材の先端を4本の金属帯板で連結したものが提案されている(特許文献3)。
また耐震構造として、2つの平行な鋼材の長手方向複数個所を中細棒状の弾塑性ダンパーで連結したもの(特許文献4)が知られている。
特開平10−306615号 特開平10−317711号 特開2000−027483 特開2000−234454
特許文献3の制振ブレースは、4枚の金属帯板がそれぞれ斜材に連結してあるだけで全体として制振部として機能するものではなかった。本出願人は、柱・梁で形成する大型フレームと、その内側に一定割合で縮小したスケーリングフレームとの対応する角部を斜材で連結し、十分な制振性能を発揮するものを提案した(特願2008−267444号)。このスケーリングフレームは、制振手段として性能がいいが、大形フレームの相似形でなければならないという設計上の制約がある。
特許文献4の耐震構造は、2本の鋼材の複数個所を弾塑性ダンパーで連結したから、特定の建物の所定の場所に用いる製品として設計する必要がある。
本発明の第1の目的は、簡易な構造でありながら、十分に地震力や風力による振動に抵抗できる変形部付きフレーム構造を提案することである。
本発明の第2の目的は、設計の自由度が大きく変形部の設定により制振及び耐震のいずれにも対応できる変形部付きフレーム構造を提案することである。
本発明の第3の目的は、常用の鉄骨材料のみを用い、形状コントロール手法により、効率の良い制振又は耐震構造を実現したフレーム構造を提案することである。
本発明の第4の目的は、安全かつ恒久の制振及び耐震性能を有し、特大地震の場合を除き原則的に交換不要な構造の減振器具を提案することである。
第1の手段は、振動低減用の変形部付きフレーム構造であり、
構造物の柱・梁のように相互に交差する各方向2条の構造材で形成するフレーム2と、
このフレーム構造の対向角部8,8から、両角部を結ぶ仮想線Lに対して互い違いの突出角度で、それぞれの先部12aが行き違うように突出させた1対の斜材12,12と、
各斜材の先部12aの間に、これら先部に両端部を接合した複数の剛性を有するブリッジ24を架設してなる減振手段20と、を具備し、
この減振手段20と2つの斜材12の先部12aとで形成する変形部18がフレームの揺れに応じて変形し、少なくともブリッジ24の両端付近の変形部分が屈曲することによりフレームの揺れを低減するように構成している。
本手段では、斜材を図1に示すようにフレームの両角部を結ぶ仮想線Lに対して互い違いに突出し、斜材の先部の間にブリッジ及び接合部で形成する減振手段を設けることを提案している。減振手段と2つの斜材の先部とは、全体として振動を制動し又はこれに抵抗する変形部に形成する。本明細書において「減振」とは、制振(物が塑性変形を繰り返して振動エネルギーを吸収すること)と、耐震(物の強度や靭性を高めて振動を防止すること)とを含む。図5に示す原理図においてブリッジの巾をsとすると、2つの斜材の連結箇所の強度はsの3乗に反比例する(後述の数式3参照)。従って巾sを小さくすれば、ブリッジは硬く、すぐに降伏するので“制振”に利用することができ、また巾sを大きくすればブリッジはなかなか降伏しないので、“耐震”に利用することができる。本発明の特色の一つは、フレームの対向角部からの斜材の突出角度の調整により、ブリッジの巾や個数などの設計が容易であることである。換言すれば材料の形状をコントロールする手法により所要の設計性能を実現できる。
「減振手段」は、正面方向から見て図1又は図10に示す連続波形とすることができるが、両端に接合部を有するブリッジを不連続に複数個配置してもよい。「対向角部」とはフレームの角だけでなく、角の近傍の構造材(柱・梁)の端部を含む。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記2つの斜材12,12を相互に平行とするとともに、これら斜材に対してブリッジ24を直角に接合させることで、変形部18を略梯子状に形成している。
本手段では、上述の形状コントロールの手法の一つとして、斜材の先部と減振手段とで形成する変形部を略梯子状に形成することを提案している(図1及び図7参照)。「梯子状」とは、平行な2本の長い材の間に複数段の短い材(ブリッジ)を架設したものをいう。短い材は等間隔に架設することが好適である。梯子の段であるブリッジの数・間隔・厚さなどを自由に変えることができるので、特殊な材料を使用しなくても形状の設計だけで所望の性能が得られる。梯子状の変形部は、2つの斜材の間に複数の板状のブリッジを接合したから、図10の如く曲線波板材を斜材間に挟持させる形状に比べて潰れにくい。従ってフレームが揺動したときに一度に圧潰するおそれが少なく、一方向及び他方向へ交互に傾きながら、制振又は耐震効果が十分に得られる。
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ
上記減振手段20は、2つの斜材の先部12aに取り付けた減振器具22を含み、この減振器具は、各斜材の長手方向に垂直な平行板状のブリッジ24と、各ブリッジの端部から斜材12の長手方向へ延びる接合板26とを正面方向から見て矩形波状に繰り返して、波板材に形成している。
本手段では、図1に示すように、減振器具を複数の板状ブリッジと複数の接合板とからなる波板材に形成している。複数のブリッジを個々に取り付ける場合と比較して、減振手段を容易に取り付けることが容易となる。波板材は、正面から見て矩形波状であり、規則正しく変角運動することで制動又は耐震性能を発揮する。波板材は、連続した一枚の板材として形成することが好適である。
第4の手段は、第2の手段を有し、かつ
上記減振手段20は、各斜材の長手方向に垂直な平行板状のブリッジ24の両部を、各斜材12の内側から外側へ貫通させ、その貫通箇所に一体的に接合させてなる。
本手段では、斜材に開口させた嵌挿孔内に板状のブリッジの両端部を挿入し、貫通箇所に接合することを提案している。ブリッジの両端部と貫通箇所とは溶接などにより剛接合するとよい。この構成ではブリッジ全体が湾曲し、制振又は耐震性能を発揮する。
第5の手段は、第2の手段を有し、かつ
上記各斜材の基端部を、フレーム2の対向角部の取付け箇所に、フレーム構面内での斜材12の回動自在に連結したように設けている。
本手段では、各斜材の基端部を図1に矢示する如くフレームの対向角部の取付け箇所に回転可能に連結することを提案している。この構成によれば、2つの連結箇所を結ぶ仮想の線Lに対する斜材の角度αを、減振手段の巾に応じて調整することで多様なサイズの減振手段を2つの斜材に対して取り付けることができる。
第6の手段は、第2の手段から第5の手段を有し、かつ
上記2つの斜材12の先部12aの二箇所に対して、両斜材12に両端を枢着させた等長の一対の剛性リンク34を設けている。
本手段では、図1に示す如く行き違う2つの斜材の先部の一箇所に、一つの剛性リンクの両端を、他の箇所に別の剛性リンクの両端をそれぞれピン連結している。地震に遭うと、平行な2つの斜材が例えば同図に矢示する如く開いて、一部のブリッジが局部的に破損してしまう可能性がある。本手段の構成は、地震力や風力によりフレームが揺動するときに斜材同士の平行状態を維持し、梯子状の変形部が規則正しく揺動するように動きを整える。これにより、複数のブリッジに均等に力が働くので、減振効果がさらに高まる。
第7の手段は、第3の手段のフレーム構造に適した減振器具であって、
ブリッジに相当する縦板部24Aと接合部に相当する横板部26Aとを、正面方向から見て矩形波状に連続させるとともに、上方から見てその連続方向に細長い波板材に形成し、
さらに全ての縦板部24Aの両端に横板部26Aが連続しているように構成し、かつ上記フレームが有する斜材へ固定させるための固定手段である貫通孔27を各横板部26Aに形成している。
本手段は、図6に示す減振器具を提案しており、これは正面方向から見て矩形波形であり、上方から見て細長い波板材である。「矩形」とは直角四辺形(正方形又は長方形)であり、横板部を2つの斜材に固定させた状態で、地震動などに対応して矩形から平行四辺形に変形することで、振動を軽減する。各横板部には斜材へ固定させるための固定孔を穿設している。
第1の手段に係る発明によれば、フレーム2の対向角部8から互い違いに突出する斜材12の先部12aの間に、複数のブリッジ24を含む減振手段20を設けたから、ブリッジ24の巾・数などを適宜選択することができ、設計の自由度が大きい。
第2の手段に係る発明によれば、斜材の先部12aと減振手段20とで形成する変形部18を梯子状に形成したから、何度変形しても制振性能を発揮できる。
第3の手段に係る発明によれば、減振器具22を波板材に形成したから、取付け及び交換が容易である。
第4の手段に係る発明によれば、板状のブリッジ24の両部を、各斜材の内側から外側へ貫通させ、その貫通箇所へ接合させたから、接合強度を高めることができる。
第5の手段に係る発明によれば、各斜材12,12をフレームに回動自在に連結したから、斜材の先部12a間の距離をブリッジの巾sに合わせて適宜調整することができる。
第6の手段に係る発明によれば、上記2つの斜材12の先部12aの二箇所に対して、両斜材12に両端を枢着させた等長の一対の剛性リンク34を設けたから、変形部18の不慮の変形を防止することができる。
第7の手段に係る発明によれば、縦板部24Aと横板部26Aとを、正面方向から見て矩形波状に連続させるとともに、上方から見てその連続方向に細長い波板材に形成したから、簡単に製造することができる。
本発明の第1の実施形態に係るフレーム構造の正面図である。 図1のフレーム構造の一部拡大図である。 図1のフレーム構造のA−A方向断面図である。 図1のフレーム構造の変形状態の正面図である。 図1のフレーム構造の作用を説明するための図である。 図1のフレーム構造の減振器具の斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るフレーム構造の要部拡大正面図である。 図7の要部をB−B方向から見た断面図である。 図7のフレーム構造の変形状態の説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るフレーム構造の正面図である。
図1から図5は、本発明の第1の実施形態に係るフレーム構造を示している。このフレーム構造は、フレーム2と、斜材12と、減振手段20と、変形制御手段32とで形成している。これら各部材は、いずれも常用の鉄材料、特に鋼材で製造することができる。
フレーム2は、相互に交差する一対の柱4と上下一対の梁6とが形成する、長方形状のフレームである。フレーム2の2つの対向角部8,8には柱4乃至梁6に連続させて取付け用基板10が付設されている。
斜材12、12は、フレーム2の対向角部8,8から両角部を結ぶ仮想の線Lに対して互い違いに一定の角度αをずらして突出する。本明細書ではこの仮想の線を簡単のために対角線というが、この線はフレームの角付近の柱部分又は梁部分を通過すればよいものとする。2つの斜材は対角線Lの半分よりも長く、互いの先部12aが行き違うように設ける。本実施形態では、斜材12の基端部を、上記取付け用基板10に基端部を枢着させて、この枢着部を回転中心C、Cとしてフレーム2の構面内を回動することが可能に形成している。また好適な図示例では、斜材12を、図3に示すようにフレーム構面と平行な第1板部14と構面に垂直な第2板部16とからなるL字鋼とし、かつ、図1に示す如く、2つの斜材の先部12aにおいて第2板部16の対向側面17同志が接近するように第1板部14を取付け用基板10に枢着している。2つの斜材12,12の先部12aは下記の減振手段により連結され、両先部と減振手段とで変形部18を形成している。斜材12の先部12aと基部12bとの長さの割合は、図示の例に限らず、適宜変更できる。
減振手段20は、減振器具22と、補助板28と、第1締結具30とで形成している。減振器具22は、図2に示すように斜材12の長手方向に垂直な板状のブリッジ24と長手方向に平行な接合板26とを交互に繰り返して矩形波形状に形成している。上記接合板26の外面は2つの斜材の先部12aの第2板部16に当接されており、また接合板26の内面にはそれぞれ補助板28を取り付けている。そしてこれら接合板26及び補助板28を貫通して、ボルト及びナットで形成する第1締結具30で固定させている。図示例では、減振器具22を一枚の板材を屈折させた、一体のパーツとして形成しているが、必ずしもそうする必要はない。
上記制振器具22は、前述の如く図5に示す巾sを大きくすることで、耐震性能を発揮し、またsを小さくすることで、前述のスケーリングフレームと同じように制振器具として機能する。しかしながら、本発明の制振器具は、ブリッジ24の数を比較的自由に増やすことができるから、形状を設計する上での自由度が大きく、形状コントロールにより所望の性能を実現することが容易である。
上記斜材12の第2板部16と接合板26と補助板28とには、それぞれ予め第1の貫通孔13、第2の貫通孔27、及び第3の貫通孔29を穿設するとよい(図2参照)。なお、本実施形態では、第2の実施形態に比べて斜材12に大きな嵌挿孔を穿設する必要がないから、斜材の強度の設定が容易である。
変形制御手段32は、減振手段20の両側にそれぞれ一対形成する。変形制御手段32は、同じ長さの剛性リンク34の両端部を、図3に示す如く斜材12の先部12aにボルト・ナットなどの第2締結具36で取り外し可能にピン連結すればよい。
上記構成において、図1の状態から地震に遭遇したときには、図4に示すようにフレーム2が傾き、これにより梯子状の変形部18が図4に示すように変角運動する。変角運動とは図示のように接合板26に対して各ブリッジ24が一定角度(図示例ではβ)傾くことをいうものとする。図4に示す向きと反対側にフレーム2が傾いたときには梯子状の変形部18も同様に変形する。減振手段20が制振用として設計されているときには、上記梯子状変形部18は斜材12の長手方向両側に交互に揺動しながら降伏し、振動エネルギーを吸収する。減振手段20が耐震用として設計されているときには、減振手段はフレームの振動を抑えようと抵抗する。いずれの態様でも剛性リンク34が2つの斜材12に対して揺動しながら、2つの斜材12の平行状態を保持しようとして、梯子状変形部18の局部的な破損を防止する。
上記減振器具22は、地震により塑性変形しても大きく性能を低下させることがなく、ブリッジ及び接合板が切断されてしまうことがない限り、引き続き使用することができる。
減振器具22を最初に取り付けるときには、対角方向に対して2つの斜材22を開いた状態で、減振器具22を第1締結具30で固定し、次に2つの斜材を平行にして第2締結具36で剛性リングを2つの斜材に架設すればよい。このときに減振器具22の波高方向の巾sがいろいろでも同じ手順で2つの斜材12に取り付けることが可能である。これは、予め巾sの異なる複数種類の減振器具を製造しておき、現場の仕様により第1の貫通孔13付きの斜材12と組み合わせて使用することができることを意味する。この場合において、斜材の先部の第1貫通孔13と減振器具の第2の貫通孔27とはそれぞれ等間隔に設けるものとする。
図5は、その変形部の剛性を計算するための説明図である。図5(A)に示す如く梁に対する斜材12に作用する剪断力をT、ブリッジの数をn、一つのブリッジに作用する剪断力をQ,曲げモーメントをMとする。
図5(B)に示すようにブリッジ24の巾sとし、ブリッジの奥行きをb、厚さをtとすると、断面2次モーメントI(=bt/12)を用いて、曲げモーメントMは次のようになる。M=6E・(I/s)・(δ/s)=6EI・g/s
この式にM=Ts/(2n)を適用して、Ts/(2n)=6E・I/s・δ
であるから、軸剛性は次式で与えられる。
[数式1]K=T/δ=12・n・E・I/s
また対角線Lに対する斜材の角度をθとすると、水平剛性は次式で与えられる。
[数式2]K=K・cosθ=(12・n・E・I/s)・cosθ
また、耐力はM=Z・であるから、T=2・n・z・/S、P=2・n・z・/s・cosθとなる。
降伏時の変位は次の通りである。
[数式3]δJy=T/K=(2・n・z・/s)×(s3/12・n・E・
I)=s・z・/(bEI)
[数式4]δHy=P/K=s・z・/(6・E・I・cosθ)
さらに降伏時の層間変形角は、δ/H=s・z・/b・E・I・H・cosθとなる。但し、Hはフレームの梁間距離である。
図6は、本発明に係る減振器具22を示す斜視図である。この減振器具は、ブリッジに対応する縦板部24A及び接合板に対応する横板部26Aを有し、これら縦板部及び横板部を正面方向から見て矩形波形状に連続させて波板材としている。この波板材は鋼材として形成することが好適である。波板材の奥行きbは一般的な市販の鋼材のフランジ(図3に示す第2板部16)の巾と同程度とすると、市販の鋼材に組み付けるときに好適である。波板材の連続方向の長さは、十分な制振性能・耐震性能を実現するために必要な個数の矩形が得られるように設計する。なお、波板材を必要により適当な長さに切断して使用してもよい。波板材の波高方向の巾sは所要の剛性を上記数式1に当てはめて求める。
上記の構成において全ての縦板部24Aの両端は横板部26Aに連続し、かついずれの横板部26Aにも固定手段である第2の貫通孔27が穿設してあり、この孔を通じて斜材側に第1締結具で連結している。換言すれば波板材の両端部は横板部26Aで終わっている。こうすることで各縦板部の両端部を曲げ変形させ、制振又は耐震性能を確実にすることができる。
以下本発明の他の実施形態を説明する。これらの説明において第1の実施形態と同じ構成については、解説を省略する。
図7から図9は、本発明の第2の実施形態に係るフレーム構造の要部を示している。この実施形態では、減振器具22を、斜材12の先部12aに架設させた複数のブリッジ24で形成している。具体的には、各先部12aの第2板部16部分に、複数の嵌挿孔31を穿設するとともに、これら嵌挿孔の内から外へブリッジ24の両端部を貫通させ、嵌挿孔31の外方へ突出した各端部分を溶接している。ブリッジ24は、第2板部16に垂直な柱状でもよいが、第2板部に垂直で正面方向に長い板状とすることが好適である。嵌挿孔31は、第2板部16の巾方向(正面方向)に長い長孔としている。また嵌挿孔の孔縁はブリッジ24の外表面を抱持している。
この構成では、フレーム全体が揺動すると、図9に示すように各ブリッジ24全体が変曲変形により弯曲し、斜材の動きに抵抗する。弯曲の程度が大きいとブリッジが降伏し、フレームの揺動を制振する。
図10は、本発明の第3の実施形態に係るフレーム構造を示している。本実施形態では、減振器具22を曲線波板状に形成し、この曲線波板材を補助板28を介して斜材12の先部12aの対向側面17に第1締結具30で連結している。減振器具22は、一方の斜材から他方の斜材へ至る弯曲板形のブリッジ24を含み、そのブリッジの両端の接合部26を斜材に接合している。
2…フレーム 4…柱 6…梁 8…対向角部 10…取付け用基板
12…斜材 12a…先部 12b…基部 13…第1の貫通孔
14…第1板部 16…第2板部
17…対向側面 18…変形部
20…減振手段 22…減振器具 24…ブリッジ(挟み板) 24A…縦板部
26…接合部(接合板) 26A…横板部 27…第2の貫通孔
28…補助板 29…第3の貫通孔 30…第1締結具 31…嵌挿孔
32…変形制御手段 34…剛性リンク 36…第2締結具
40…溶接部
L…対角線 C、C…回転中心

Claims (7)

  1. 構造物の柱・梁のように相互に交差する各方向2条の構造材で形成するフレーム2と、
    このフレーム構造の対向角部8,8から、両角部を結ぶ仮想線Lに対して互い違いの突出角度で、それぞれの先部12aが行き違うように突出させた1対の斜材12,12と、
    各斜材の先部12aの間に、これら先部に両端部を接合した複数の剛性を有するブリッジ24を架設してなる減振手段20と、を具備し、
    この減振手段20と2つの斜材12の先部12aとで形成する変形部18がフレームの揺れに応じて変形し、少なくともブリッジ24の両端付近の変形部分が屈曲することによりフレームの揺れを低減するように構成したことを特徴とする、振動低減用の変形部付きフレーム構造。
  2. 上記2つの斜材12,12を相互に平行とするとともに、これら斜材に対してブリッジ24を直角に接合させることで、変形部18を略梯子状に形成したことを特徴とする、請求項1記載の振動低減用の変形部付きフレーム構造。
  3. 上記減振手段20は、2つの斜材の先部12aに取り付けた減振器具22を含み、この減振器具は、各斜材の長手方向に垂直な平行板状のブリッジ24と、各ブリッジの端部から斜材12の長手方向へ延びる接合板26とを正面方向から見て矩形波状に繰り返して、波板材に形成したことを特徴とする、請求項2記載の振動低減用の変形部付きフレーム構造。
  4. 上記減振手段20は、各斜材の長手方向に垂直な平行板状のブリッジ24の両部を、各斜材12の内側から外側へ貫通させ、その貫通箇所に一体的に接合させてなることを特徴とする、請求項2記載の振動低減用の変形部付きフレーム構造。
  5. 上記各斜材の基端部を、フレーム2の対向角部の取付け箇所に、フレーム構面内での斜材12の回動自在に連結したように設けたことを特徴とする、請求項2記載の振動低減用の変形部付きフレーム構造。
  6. 上記2つの斜材12の先部12aの二箇所に対して、両斜材12に両端を枢着させた等長の一対の剛性リンク34を設けたことを特徴とする、請求項2から請求項5のいずれかに記載の振動低減用の変形部付きフレーム構造。
  7. 上記請求項3のフレーム構造に適した減振器具であって、
    ブリッジに相当する縦板部24Aと接合部に相当する横板部26Aとを、正面方向から見て矩形波状に連続させるとともに、上方から見てその連続方向に細長い波板材に形成し、
    さらに全ての縦板部24Aの両端に横板部26Aが連続しているように構成し、かつ上記フレームが有する斜材へ固定させるための固定手段である貫通孔27を各横板部26Aに形成したことを特徴とする、鋼製の減振器具。
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