JP5073633B2 - フレーム状制振器具 - Google Patents

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Description

本発明はフレーム状制振器具に関する。
従来、地震力や風力による振動を抑制するようにしたブレースが提案されている。この種のブレースとして、ブレース材自体に塑性変形可能な低降伏点鋼材を用いて、塑性変形により振動エネルギーを吸収するようにしたものがある(特許文献1)。
しかし、この構成ではブレース材全体が塑性変形をするので、大地震などによってブレース全体がダメージを受けてしまう。
これに対してブレース材とは別に制振部材を組み込んだブレースシステムも提案されている。例えばブレースの斜材と梁との接続部に弾塑性ダンパー及び粘性ダンパーを直列に配置したものが知れている(特許文献2)。また上梁の中間部から下梁及び柱の交差箇所へ延びるブレース材の先端を、下梁と柱との間に架設した斜めの制振材に連結したものが知られている(特許文献3)。
しかしながら、これらのシステムは、ブレース材以外に大掛かりな制振構造が必要となり、普通のブレースに比べて施工コストが高くなる。
もっとシンプルな制振ブレースとして、柱及梁で区画される構面の四隅から中央へ延びる4本の斜材の先端部を、4本の帯状金属板で連結したものが提案されている(特許文献4)。ブレースの先端部は、2枚の帯状金属片の各端部の間に挟まれ、ボルト止めされている。
特開平10−306615号 特開平11−022238号 特開平10−317711号 特開2000−027483
特許文献4の制振ブレースは、4本の斜材の先端部を、それぞれ帯状金属板を介して接合しただけであり、制振部である4枚の帯状金属板が相互に直接連結されていない。従って一個の制振部として振動エネルギーを吸収する構造ではなく、十分な制振機能を期待しにくい。斜材の先端部を、隣接する2つの帯状金属板の端部の間に挟んで、現場で施工するという構造であるが、作業の迅速を求められる現場作業で制振部の要部が形成されるため、施工不良により制振作用を発揮できない可能性もある。また特許文献4では、上記構成の変形例としてボックス材を輪切りにして4角形の枠体とし、この枠体の各角部に連結部を溶接した構造をも提案している(同文献段落0013及び図4)。しかし、この構造では角部の強度が弱く、十分な剛性が得られない。
本発明の第1の目的は、構造物の相互に交差する各2条の構造材で形成する大形フレームに対して、一定縮小率で縮小した小形のスケーリングフレームを、斜材を介して連結してなる2重フレーム構造に用いられ、簡単な構造でありながら、十分な強度と制振性能を有するフレーム状制振器具を提案することである。
まず発明の理解に資するため、本発明のフレーム状制振器具を用いる、2重フレーム構造について説明する。
この2重フレーム構造は
構造物の柱・梁のように相互に交差する各方向2条の構造材で形成する、正面方向から見て平行四辺形状の大形フレームと、
この大形フレームを一定比率で相似的に縮小した小形のスケーリングフレームとを含み、
これら両フレームの角部を対角方向の斜材で繋ぐことで、大形フレームに応じてスケーリングフレームが変角的に塑性変形するように形成した制振型2重フレームであって、
上記スケーリングフレームを、斜材6とは別体である剛性フレーム12とし、
かつこの剛性フレームは、上記平行四辺形の各辺に対応する軸棒部16を有し、かつ隣り合う軸棒部16同士を、直接連結するか或いは一体として連続させることで、それら軸棒部16の間の各角部を、剛性フレーム12の変角運動に抵抗する剛性角部14として、この剛性角部の外方から斜材との継手18を外方へ突出し、
さらに大形フレーム3の寸法に対する剛性フレーム12の寸法の縮小率を、0.02〜0.1とした。
本手段では、図1に示すように、構造物の縦・横の構造材で形成される大形フレームの内側に、この大形フレームを相似的に一定の縮小率でスケーリングして小形のフレームを、斜材を介して連結した制振型の2重フレームを提案している。「スケーリング」とは、原型に対して、それを模した型を一定縮尺で設計することをいう。また、「フレーム」とは、複数の軸を、軸の端部を節点として直接接合され、閉図形を形成するものをいう。
本手段の第1の特徴は、大小の2つのフレームをほぼ相似形として、大きなフレームに追従して小さなフレームが変角運動するようにしたことである。そしてこの小さなフレームが塑性変形により振動エネルギーを吸収し、変形に抵抗するために、制振機能が発揮される。「相似的」の意味は後で述べる。
「相似的」という用語に対しては、2点ほど解説を加える。第1に、図11A及び図12Aに示すように正面方向から見て相似的ということである。側方から見て大形フレームとスケーリングフレームとが一定縮尺であることまでは要求されない(図11B及び図12B参照)。2つのフレームが変角運動をするためには、正面方向から見た両フレームの寸法が相似的であれば足り、側方から見た形状は関係がないからである。第2に、2つのフレームの正面形状が相似的であると言っても、対応する軸部の長さ(図11A及び図12AのHとh、及びWとw)が一定の縮尺であり、対応する角度が等しければよいという意味である。換言すれば、フレームの輪郭、あるいは力の作用線であるフレームの中心線(図11A及び図12AのF及びf)が相似すればよく、正面方向から各フレームの巾(図11B及び図12BのT及びt)の比が同じ縮尺でなくても構わない。その理由は、各フレームの巾に関しては、所要強度を実現するために設計上の自由度を残しておく必要があるからである。
本手段の第2の特徴は、大形フレームに対するスケーリングフレームの正面方向から見たサイズの縮小率(α)を0.02〜0.としたことである。2重フレーム構造の剛性は、大形フレームの寸法に対するスケーリングフレームの寸法の縮小率αの3乗に反比例し、またスケーリングフレームの厚さtの3乗に比例する。この関係に基づいて外力と変位量との関係をシミュレーションした一例の結果を図13に示す。こうした強度計算のシミュレーションを重ねた結果、大形フレームに対するスケーリングフレームのサイズの縮小率として最も好適な数値はα=0.05である。縮小率の上限値は、強度計算の結果から0.1である。縮小率の下限値は0.02としている。この下限値は理論的に導かれた数値というよりは実施上の制約に基づく。一般的な大形フレームのサイズを上下3m、左右2mとし、これに縮小率0.02を乗ずると、スケーリングフレームのサイズは、上下長さ60mm、左右長さ40mmということになる。これよりも小さいサイズとなると、スケーリングフレームの単位断面積に生ずる負荷も大きくなるし、加工も難しくなるからである。
本手段の第3の特徴は、スケーリングフレームを、剛性角部を有する剛性フレームとしたことである。これについては後述する。
「構造物の相互に交差する各2条の構造材」とは、構造物の一つの構面において一方向に延びる2条の構造材、及びこれらと交差する方向に延びる2条の構造材をいう。本発明を垂直壁の構面に適用するときには、2条の柱及び2条の梁とすることができる。本明細書では主要な適用例を垂直壁の構面としているが、発明の趣旨からは垂直壁でなければ適用できないというものではない。
さらに本明細書において、「斜材」とは、鉄筋、鋼管などの如く張力に耐え得る材料であれば足りるものとする。
本発明の第1の手段は、柱・梁で構成される大形フレームに斜材を経て連続する小形のスケーリングフレーム部分を構成するためのフレーム状制振器具において、
正面方向から見て平行四辺形状の剛性フレーム12の各角部を、剛性フレーム12の変形運動に抵抗する剛性角部14として、この剛性角部の外側から、上記斜材との継手18を外方へ連続的に突設し、
かつ各剛性角部14間の軸棒部16同士を、直接連結するか或いは一体として連続させることで、継手付きの剛性フレームとして一体的に構成することで、継手付きの剛性フレームとして一体的に構成し、
上述の継手18付きの剛性フレーム12全体を、塑性変形可能な4本の線状部材24を合体させることで形成し、
各線状部材24は、上記平行四辺形の少なくとも一辺に対応する枠形成部分26と、各枠形成部分の両側から、平行四辺形の対角方向外方へ突出する連結部分28とを有し、
隣接する線状部材24の連結部分28を連結させるとともに、これら連結した2つの連結部分の一方から対角方向外方へ継手18を延長した。
本手段は、上記の制振式2重フレーム構造のスケーリングフレーム部分を形成するのに適当なフレーム状制振器具を提案している(図2・図5〜図9参照)。この制振器具は、スケーリングフレームに相当する平行四辺形状の剛性フレームと継手とを含む。この継手付きの剛性フレームは全体として一体的に構成されている。なお、本明細書では、「一体的」という用語を、最初から一体に成形する態様と、複数のパーツを合体させ、連結する態様とを含むものとし、単に「一体に」という場合と区別している。具体的には、剛性フレームの各軸棒部を、本願図5から図8の如く相互に直接に連結させるか、あるいは本願図2から図3の如く互いに連続させており、特許文献4のように斜材の先端部を介在させていない。このようにすることで、斜材とは別体の製品として十分な制振機能を有するように設計・製造することができる。さらに本手段の剛性フレームは、角部の強度を強化して変角運動に抵抗する剛性角部としている。
「剛性フレーム」は、角部が屈曲する変角運動をすることが可能な寸法と太さとを有し、その運動の際に塑性変形することで振動エネルギーを吸収する。「剛性」という言葉は、本明細書において、外力に対する各部分の変形のし易さを表す言葉である。一般的にフレーム構造において、平行四辺形の辺部である軸棒部に比べて角部は応力が集中するので、変形し易い。従って図4のように本発明の制振器具を、軸(軸棒部)と節点(角部)とでなる長方形の軸構造として表すと、正立の状態から斜めに傾斜した状態へ、軸の長さが変わらずに節点の角度が変わる変角運動する。この変角運動を実現する条件の一つとして、剛性フレームの形状を平行四辺形としている。典型的な形は長方形又は正方形である。
「剛性角部」とは、“剛性フレーム12の変形運動に抵抗する”という機能を有し、さらに、主として剛性角部における塑性変形により振動エネルギーを吸収するものである。これらの機能を実現するために、剛性角部は、上述の変角運動が可能なフレーム構造の特性を損なわない程度に強化された角部となっている。その強度は、単に軸棒部を屈折して得られる角部の強度よりも大とするものとする。少なくとも特許文献4のようにボックス材を輪切りにしただけではそうした強度が得られない。角部を強化する方法としては、角部を形成する部分の材厚を大にすることが考えられる。例えば図2と図3の例のように角部から突出する継手を、軸棒部と連続形成することで、角部から継手の基部への連続部分を肉厚にすることができる。さらに図5と図6の例、及び図7と図8の例では軸棒部を形成する枠形成部分から連続部分を一体に突出し、2枚の連続部分を重ねて接合することで角部の強度を高めている。図9と図10の例では、剛性フレームを上下2段の枠体で形成し、一方の枠体について枠形成部分から突出する2つの連続部分を重ねて強度を確保している。
「継手」は、斜材と連結するための部分である。連結の方法は、溶接・ボルト止め・ねじ止めなど確実に連結できるならば何でもよい。もっとも本発明のフレーム状制振器具が震災などによりダメージを受けたときに容易に交換できるように、斜材に対して継手を着脱自在な構造とすることが有利である。継手は剛性角部の外側から一体として連続的に突出することが望ましい。
また本手段では、本発明の制振器具の形態である継手付き剛性フレームをどのように構成するかを提案している(図5〜図10参照)。普通の設計思想では、本発明の制振器具を、機能の面から、制動部である剛性フレームと、フレーム材との継手との2パーツに分け、各パーツの構造を考えるであろう。しかしながら、本発明では、シンプルな構成で大きな強度を実現するために、剛性フレームのフレーム構成部分から連結部分を経て継手に至る線状部材を複数組み合わせて接合することで上記制振器具を形成している。
「線状部材」とは、棒材や帯板材などの細長い材料であって、引っ張り力及び屈曲力に対して対抗できるものをいう。
「連結部分」は、線状部材を連結するのに十分な巾及び長さを有する。ボルト止めする場合には、図5に示す如く連結部分の基端部(フレーム側の端部)近くで固定することが望ましい。
の手段は、第の手段を有し、かつ
上記各線状部材24の枠形成部分26は、上記平行四辺形の一辺に対応しており、4つの線状部材24を正面方向から見て上下及び左右の四方に配して、隣り合う連結部分を連結させている。
本手段では、各線状部材を四方に配して各端部を連結した構造を提案している(図5〜図8参照)。構造が単純なので作用上の不都合を生じにくく、期待した制振機能を得やすい。線状部材は後述の好適な実施例の如く帯板状に形成するとよく、主にその板厚の設計により剛性の大きさを設計し易い。また、なお、本手段において、上・下・左・右という言葉は相互の相対的な位置を特定するために用いている。
の手段は、第の手段を有し、かつ
上記線状部材24の枠形成部分26は、上記平行四辺形の二辺に対応しており、
2本の線状部材24を、継手18が平行四辺形の一方の対角方向に向くように連結させて第1の枠体32とし、
他の2本の線状部材24を、継手18が平行四辺形の他方の対角方向に向くように連結させて第2の枠体34とし、
これら第1の枠体32と第2の枠体34とを前後方向に重ねて接合することで、剛性フレーム12の各剛性角部14において、一方の枠体の線状部材24が継ぎ目なく通過している。
本手段では、線状部材が平行四辺形状の剛性フレームの隣り合う2辺に対応しており、2本一組の線状部材を連結して、対角方向に継手を突出した枠体を構成している(図9〜図10参照)。これら枠体を、両対角方向に継手を配向するように重ね合わせ、接合させている。線状部材は棒材とし、これを上記平行四辺形の2辺に対応するように屈曲することで形成すればよい。比較的容易に製造可能な構造でありながら、強度の面でも優れている。何故ならば、剛性フレームの各剛性角部を何れかの線状部材が連続しているからである。
の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○剛性フレーム12は、全体として変形に抵抗するように、隣り合う軸棒部16同士を、直接連結するか或いは一体として連続させたから、十分な制振機能を発揮する。
○従来のブレースでは鉄筋全体が損傷するのに対して、本発明のフレーム状制振器具と大形フレームとを斜材を介して連結した構造では、フレーム状制振器具に破壊が集中するから、このフレーム状接続部を鉄筋から切離して、フレーム状制振器具を交換すればよく、有利である。
の手段に係る発明によれば、4本の線状部材を合体させて形成するから、また、連結部分28から継手18を延長しているから、構造がシンプルとなり、容易に製造することができる。
の手段に係る発明によれば、4つの線状部材24の連結部分を連結させた簡易な構造だから、安定して制振機能を発揮できる。
の手段に係る発明によれば、第1の枠体32と第2の枠体34とを重ね合わせて接合し、各剛性角部14において一方枠体の線状部材24が継ぎ目なく通過するようにしたから、安価な構成でありながら十分な強度が得られる。
図1から図4は、本発明の参考例に係るフレーム状制振器具付きの制振式2重フレーム構造を示している。
この制振式2重フレーム構造2は、大形フレーム3と、斜材6と、スケーリングフレームを含むフレーム状制振器具10とで構成されている。
大形フレーム3は、相互に交差する一対の柱4と上下一対の梁5とが形成する、長方形状のフレームである。
斜材6は、大形フレーム3の構面9内を、柱及び梁の交差箇所8である四隅から内方へ延びており、その先端部をフレーム状制振器具10によって固定されている。図示例の斜材の中間部にはターンバックル7が付設されている。もっともターンバックルを省略することもできる。
フレーム状制振器具10は、剛性フレーム12と4つの継手18とで形成している。フレーム状制振器具は、鋼材などの塑性変形可能な素材で形成する。
上記剛性フレーム12は、屈曲可能な4つの剛性角部14と、各剛性角部の間の軸棒部16とを有している。剛性フレーム12は、上記大形フレーム3と相似な長方形に形成されている。図示例では、作図上の都合から、大形フレーム3に対する剛性フレーム12の寸法比がα=0.1程度としているが、図13に示すようにα=0.05とすると、剛性は著しく向上する。もっとも大形フレーム3の大きさは一定であるので、αを極端に小さくすると、剛性フレームの寸法も小さくなり、フレームの厚さを十分に確保しにくい。そこでαの下限値を一応0.02としている。図示の剛性フレームは、一体型の角形リング状であり、この構成では強度が大きい反面、加工しにくく、例えば金型で成形すると金型の製作にコストがかかる。より製作し易い実用的な形態については、後の実施形態で説明する。
上記継手18は、剛性フレーム12の各剛性角部14から対角方向外方へ突出している。各継手は、斜材を接合するのに十分な面積の取付け面(溶接面)20を有する(図3参照)。
上記構成を組み立てるときには、まず斜材6のターンバックルを緩めた状態で、各継手18の取付け面20に斜材6の先端部を溶接する。そして継手と斜材とが確実に固定された後に上記ターンバックルを締めればよい。図1の状態から地震動を受けると、図4に示すように柱・梁が揺れ、これにより斜材6に引っ張られて剛性フレーム12が変角運動する。これにより主に剛性フレームの剛性角部14において塑性変形が生じ、振動エネルギーが吸収される。地震などによりフレーム状制振器具がダメージを受けたときには、斜材6の先端からフレーム状制振器具の継手18を適当な切離手段で切除して、新しいフレーム状制振器具と交換すればよい。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。これらの説明において、第1の実施形態と同じ構成については、同一の符号を用いることで解説を省略する。
図5及び図6は、本発明の第の実施形態に係るフレーム状制振器具10を示している。この実施形態では、フレーム状制振器具10を4つの線状部材24で形成している。各線状部材24は、帯板形状であり、その帯板の巾方向を正面方向に向けて、これら線状部材を、剛性フレームの輪郭である長方形の各辺に対応して設置する。この長方形の長辺に対応する2つの線状部材同士、及び短辺に対応する2つの線状部材同士はそれぞれ同一形状である。また図6に示す線状部材24の材厚t及び正面方向の奥行きdは、いずれの線状部材についても同じである。各線状部材24は、枠形成部分26の両端から連結部分28を突出している。枠形成部分26に対する連結部分28の突出角度は何れも鈍角である。従ってこれら線状部材2を一枚の板材から屈曲させても屈曲部分が弱くなることがない。各連結部分の隣り合う剛性フレームの連結部分28を重ね合わせ、これら連結部分のうちフレーム近くの基端部分に予め穿設した貫通孔に挿通して、ボルト(高力ボルト)とナット30とで固定する。この構成では、2枚の板状の連結部分28の基部で剛性角部14を形成しており、第1の実施形態の如く単一のリング状の枠板で剛性フレームを形成する態様と比較する場合、板厚が同じとすると、より大きな剛性が得られる。
また、重ね合わせた2枚の連結部分28の一方の先端から継手18を一体に延長する。この構成では、予め線状部材24である帯板にボルト挿通用の孔を穿設する必要がある。ある程度製造コストがかかる反面、溶接などの手段を用いる場合に比べて安定した品質が期待できる。好適な図示例では、相互に組み付ける前の平板状の帯板の剛性角部対応箇所に、巾方向に板材を横断する溝29を穿設している。そしてこの溝穿設箇所を内側にして折り曲げると、両端部が屈曲した線状部材24の形状が得られるようにしている。
上記構成によれば、各線状部材24の枠形成部分26が、フレームの輪郭である長方形の一辺に対応している。そして枠形成部分26から連結部分が一体的に連続し、さらにこの連結部分の一方から継手18が連続している。従って継手から連結部分を経て、剛性フレームを構成する枠形成部分26まで、構造的な不連続点がないから、斜材からの張力によって破損しにくい。さらに剛性角部は2枚の連結部分の基部で形成しているから、変角運動に対する抵抗が大きい。
図7及び図8は、本発明の第の実施形態に係るフレーム状制振器具10を示している。この実施形態では、第2の実施形態のように連結部分28をボルト止めする替わりに、連結部分を相互に溶接している。ボルト止め用の貫通孔を穿設する手間が必要ないので安価に製造することができる。
図9及び図10は、本発明の第の実施形態に係るフレーム状制振器具10を示している。この実施形態では、線状部材24を棒状部材としている。図示例では丸棒を使用している。そして線状部材24は、剛性フレームの輪郭である長方形の隣接2辺に相当する枠形成部分26を有し、さらに枠形成部分26の両端から対角方向外側へ連結部分28を連続させている。隣り合う2本の線状部材24の連結部分28を相互に溶接などにより接合して第1の枠体32を形成する。同様に隣り合う2本の線状部材24の連結部分28を相互に接合して第2の枠体34を形成する。そうして相互に重ねた連結部分の一方から継手18を延長している。第1の枠体32と第2の枠体34とは、図10に示すように正面方向に重ね合わせて接合する。重ね合わせる際には、第1の枠体からの継手18が上記長方形の対角方向一方へ、第2の枠体からの継手18が上記長方形の対角方向他方へそれぞれ配向させるように、両枠体を重ねる。尚、図面では、継手18の外面に、斜材との接続用のネジ部36を形成している。
本実施形態においては、曲げやすい丸棒を線状部材としているので、廉価に製造することができる。また、線状部材24を長方形の2辺に亘って延長し、剛性フレームの剛性角部14において一方枠体の線状部材24が切れずに通過するようにしたから、引っ張り力に対して十分な強度を確保することができる。さらにまた各剛性角部14において他方枠体の2つの線状部材24の連続部分28を重ね合わせ、接合させたから、変角運動に対する抵抗力も確保できる。
図11及び図12は、第2実施形態に対応する具体的な実施例を示している。本実施例では、2本の柱及び2本の梁で形成される大形フレーム3と、スケーリングフレームである剛性フレーム12との縮小率をα=0.05としている。つまり大形フレームの巾方向中心線Fのうち長辺相当部分の長さをH,短辺相当部分の長さをW,剛性フレームの巾方向中心線fのうち長辺相当部分の長さをh、短辺相当部分の長さをwとすると、α=h/H=w/W=0.05である。しかしながら、大形フレームの奥行き距離をD,剛性フレームの奥行き距離をdとするとき、これらの距離の比(d/D)は必ずしもαと一致しない。好適な一例として、本実施例では大形フレームのサイズをH=3000mm、W=2000mm、奥行きをD=200mmとする。この場合に、上記縮小率を奥行き距離にまで当てはめると、剛性フレームのそれは10mmとなる。しかし、それでは斜材を取り付けるスペースもなく、また制振機能を発揮するための強度も確保できない。そこで図示例では、奥行き距離を100mmとしている。同様に大形フレームの巾Tとスケーリングフレームとの巾tとの比も、上記縮小率αには従わない。本実施例では大形フレームの巾をT=200mmとする。この巾に上記縮小率を当てはめるとt=10mmとなる。この巾は実現不可能ではないが、本実施例では好適な巾として、t=12mmとt=24mmとしている。剛性フレームと継手とからなるフレーム状制振器具は鋼材などで形成することができる。
図13は、本実施例において材厚を変えて剛性フレームに対してかかる荷重と変位との変化をシミュレーションしたものである。条件としては、構面に対する剛性フレームの寸法比(縮小率)をα=0.1及びα=0.05と、また材厚をt=12mm及びt=24mmと代えて4つのパターンで考察した。同図に示す各パターンを表すラインのうち水平部分は、降伏後の状態なので考慮から外す。そうすると、同じ荷重に対して、αが小さいほど変位も減少することが分かり、剛性が大きくなっていることが分る。また同じαでは、材厚が大きいほど、同一の荷重に対して変位が少なくなり、剛性が増大する。
本発明の参考例に係る制振式2重フレーム構造の正面図である。 図1の2重フレーム構造のフレーム状制振器具の正面図である。 図2のフレーム状制振器具の斜視図である。 図1の制振式2重フレーム構造の作用説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るフレーム状制振器具の正面図である。 図5のフレーム状制振器具の斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るフレーム状制振器具の正面図である。 図7のフレーム状制振器具の斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るフレーム状制振器具の正面図である。 図9のフレーム状制振器具の斜視図である。 本発明の参考例に係る制振式2重フレーム構造の実施例の正面図(同A)及び縦断面図(同B)である。 図10の実施例の要部の正面図(同A)及び縦断面図(同B)である。 図11及び図12の実施例において接続具の条件を変えた場合の荷重と変位との関係を示すグラフである。
符号の説明
2…制振式2重フレーム構造 3…大形フレーム 4…柱 5…梁
6…斜材 7…ターンバックル
8…交差箇所 9…構面
10…フレーム状制振器具 12…剛性フレーム 14…剛性角部 16…軸棒部
18…継手 20…取付け面
24…線状部材 26…枠形成部分 28…連結部分
29…溝 30…ナット
32…第1の枠体 34…第2の枠体 36…ネジ部

Claims (3)

  1. 柱・梁で構成される大形フレームに斜材を経て連続する小形のスケーリングフレーム部分を構成するためのフレーム状制振器具において、
    正面方向から見て平行四辺形状の剛性フレーム(12)の各角部を、剛性フレーム(12)の変形運動に抵抗する剛性角部(14)として、この剛性角部の外側から、上記斜材との継手(18)を外方へ連続的に突設し、
    かつ各剛性角部(14)間の軸棒部(16)同士を、直接連結するか或いは一体として連続させることで、継手付きの剛性フレームとして一体的に構成することで、継手付きの剛性フレームとして一体的に構成し、
    上述の継手(18)付きの剛性フレーム(12)全体を、塑性変形可能な4本の線状部材(24)を合体させることで形成し、
    各線状部材(24)は、上記平行四辺形の少なくとも一辺に対応する枠形成部分(26)と、各枠形成部分の両側から、平行四辺形の対角方向外方へ突出する連結部分(28)とを有し、
    隣接する線状部材(24)の連結部分(28)を連結させるとともに、これら連結した2つの連結部分の一方から対角方向外方へ継手(18)を延長したことを特徴とする、フレーム状制振器具。
  2. 上記各線状部材(24)の枠形成部分(26)は、上記平行四辺形の一辺に対応しており、4つの線状部材(24)を正面方向から見て上下及び左右の四方に配して、隣り合う連結部分を連結させたことを特徴とする、請求項記載のフレーム状制振器具。
  3. 上記線状部材(24)の枠形成部分(26)は、上記平行四辺形の二辺に対応しており、
    2本の線状部材(24)を、継手(18)が平行四辺形の一方の対角方向に向くように連結させて第1の枠体(32)とし、
    他の2本の線状部材(24)を、継手(18)が平行四辺形の他方の対角方向に向くように連結させて第2の枠体(34)とし、
    これら第1の枠体(32)と第2の枠体(34)とを前後方向に重ねて接合することで、剛性フレーム(12)の各剛性角部(14)において、一方の枠体の線状部材(24)が継ぎ目なく通過していることを特徴とする、請求項記載のフレーム状制振器具。
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