JP2019059925A - インクジェット用水性インク組成物、固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法及び固体製剤 - Google Patents

インクジェット用水性インク組成物、固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法及び固体製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】医薬品や食品等の固体製剤表面における印刷画像の褪色及び変色を抑制することが可能なインクジェット用水性インク組成物、固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法及び固体製剤を提供する。【解決手段】インクジェット用水性インク組成物は、可食性のレーキ顔料と、褪色抑制剤とを含む。レーキ顔料は、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号、青色1号及び青色2号からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む染料からなる特定レーキ顔料を含む。褪色抑制剤は、単糖類、二糖類、デキストリン類及び糖アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。褪色抑制剤の含有量は、前記水性インク組成物の全質量に対し50質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット用水性インク組成物、固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法及び固体製剤に関する。より詳細には、本発明は、医薬品や食品等の固体製剤表面に形成された印刷画像の褪色や変色を抑制することが可能なインクジェット用水性インク組成物、固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法及び固体製剤に関する。
錠剤やカプセル剤等に対するインクジェット用インクは、顔料を分散させた顔料インクと、染料を用いた染料インクとに大別される。染料インクは、発色性に優れるが、耐湿性及び耐光性に課題がある。具体的には、染料インクには、湿気によるにじみの発生や光による褪色等の課題がある。それに対して、顔料インクは、耐湿性及び耐光性では優れるが、染料と比較すると発色性に劣る。
特許文献1は、上述の染料と顔料の両方の利点を持つ可食性のインクを開示している。具体的には、特許文献1は、レーキ顔料を分散させたレーキ顔料インクを開示している。レーキ顔料とは、水に可溶性である染料を不溶化して、顔料化したものである。したがって、レーキ顔料インクは、染料インクのような鮮やかさを持ちつつ、かつ、顔料化されているため耐湿性を併せ持つ。
しかし、レーキ顔料インクに含まれているレーキ顔料は、元が染料であるため、耐光性の点で課題が残る。すなわち、レーキ顔料の構成成分として含まれる染料の光分解により印刷画像が褪色し、彩度が低下する。
特表2000−507820号公報
本発明の一つの目的は、医薬品や食品等の固体製剤表面における印刷画像の褪色を抑制することが可能なインクジェット用水性インク組成物、固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法及び固体製剤を提供することにある。
本発明の一実施形態は、固体製剤への印刷に用いられるインクジェット用水性インク組成物を提供する。このインクジェット用水性インク組成物は、可食性のレーキ顔料と、褪色抑制剤とを含む。前記レーキ顔料は、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号、青色1号及び青色2号からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む染料からなる特定レーキ顔料を含む。前記褪色抑制剤は、単糖類、二糖類、デキストリン類及び糖アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。前記褪色抑制剤の含有量は、前記水性インク組成物の全質量に対し50質量%以下である。前記レーキ顔料は、任意成分として、前記特定レーキ顔料以外のレーキ顔料を含んでいてもよい。
前記の構成において、特定レーキ顔料の構成成分である染料は、光照射により分解(光分解)する性質を有している。しかし、褪色抑制剤は、そのような染料を含む特定レーキ顔料に対して光分解を抑制する機能を発揮する。そのため、前記構成の水性インク組成物においては、印刷画像が褪色により劣化することを低減することができる。
さらに、褪色抑制剤の含有量が水性インク組成物の全質量に対し50質量%以下であるので、当該褪色抑制剤が水性インク組成物中に十分に溶解することができずに析出するのを抑制または防止することができる。
前記の構成に於いては、前記単糖類が、ガラクトース又はフルクトースの少なくとも何れかを含むことが好ましい。
前記の構成に於いては、前記二糖類が、マルトース又はトレハロースの少なくとも何れかを含むことが好ましい。
前記の構成に於いては、前記デキストリン類が、シクロデキストリンを含むことが好ましい。
前記の構成に於いては、前記糖アルコール類が、還元イソマルツロース、キシリトール及びソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、本発明の一実施形態は、固体製剤に印刷される印刷画像の褪色抑制方法を提供する。この方法は、インクジェット用水性インクを準備する準備工程と、前記インクジェット用水性インクを用いてインクジェット方式により前記固体製剤の表面に前記印刷画像を形成する印刷工程と、褪色抑制工程とを含む。前記インクジェット用水性インクは、可食性のレーキ顔料と、褪色抑制剤とを含む。前記レーキ顔料は、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号、青色1号及び青色2号からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む染料からなる特定レーキ顔料を含む。前記褪色抑制剤は、単糖類、二糖類、デキストリン類及び糖アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。前記褪色抑制剤の含有量は、前記水性インク組成物の全質量に対し50質量%以下である。前記レーキ顔料は、任意成分として、前記特定レーキ顔料以外のレーキ顔料を含んでいてもよい。
前記褪色抑制工程は、前記印刷画像中の褪色抑制剤が、前記特定レーキ顔料の光分解を抑制する工程である。
この方法においては、単糖類等の褪色抑制剤を含有した水性インク組成物を含むインクジェット用水性インクを準備し(準備工程)、当該水性インクを用いてインクジェット方式により固体製剤表面に印刷を行う(印刷工程)。さらに、印刷画像中の褪色抑制剤が、特定レーキ顔料の光分解を抑制する(褪色抑制工程)。これにより、水性インク組成物中の特定レーキ顔料の光分解に起因した印刷画像の褪色を抑制することができる。すなわち、前記の方法であると、インクジェット方式により固体製剤に印刷された印刷画像の光分解に起因した褪色を抑制し、印刷画像の視認性を良好なものに維持することができる。その結果、例えば、製品情報が固体製材表面に印刷される場合に、調剤ミスや誤飲等を防止することができる。
一つの実施形態に於いて、前記褪色抑制工程は、印刷工程直後の固体製剤における印刷画像を基準に、積算光量が120万ルクスの可視光を照射した後の固体製剤における印刷画像の、JIS Z 8781に準拠するL表色系の色差ΔE(ab)を17以下(より好ましくは9以下)にすることが好ましい。
前記の方法に於いては、前記単糖類が、ガラクトース又はフルクトースの少なくとも何れかを含むことが好ましい。
前記の方法に於いては、前記二糖類が、マルトース又はトレハロースの少なくとも何れかを含むことが好ましい。
前記の方法に於いては、前記デキストリン類が、シクロデキストリンを含むことが好ましい。
前記の方法に於いては、前記糖アルコール類が、還元イソマルツロース、キシリトール及びソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、本発明の一実施形態は、インクジェット用水性インクの乾燥皮膜を表面に有する固体製剤を提供する。前記インクジェット用水性インクは、前記の水性インク組成物を含む。
前記の構成によれば、インクジェット用インクの乾燥皮膜中には褪色抑制剤が含まれている。当該褪色抑制剤は、前述の通り、光照射により特定レーキ顔料が光分解することを抑制するので、乾燥皮膜が形成する印刷画像の褪色を低減することができる。それにより、印刷画像の視認性低下を抑制することができる。その結果、調剤ミスや誤飲等を防止することが可能な固体製剤を提供することができる。
本発明によれば、単糖類、二糖類、デキストリン類及び糖アルコール類からなる退色抑制剤が、赤色2号等の染料を含む特定レーキ顔料への光照射に起因した印刷画像の褪色を低減することができる。
すなわち、本発明によれば、医薬品や食品等の固体製剤における印刷画像の褪色を抑制することできる。それにより、印刷画像の耐光性を向上させることが可能なインクジェット用水性インク組成物、固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法及び固体製剤を提供することができる。
本発明における上述の、またはさらに他の目的、特徴及び効果は、次に述べる実施形態の説明により明らかにされる。
(インクジェット用水性インク組成物)
一実施形態に係るインクジェット用水性インク組成物(以下、「水性インク組成物」という。)について、以下に説明する。
本実施形態の水性インク組成物は、可食性のレーキ顔料と褪色抑制剤とを少なくとも含み、主溶媒が水である水性インクである。また、本実施形態の水性インク組成物は、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合した材料を用いることにより、可食性を有することができ、かつ、インクジェット記録に好適に用いられ得る。インクジェット記録とは、水性インク組成物を微細なインクジェットヘッドより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に定着させ、画像形成させる画像記録方式である。
レーキ顔料が有する「可食性」とは、医薬品若しくは医薬品添加物として経口投与が認められている物質、及び/又は食品若しくは食品添加物として認められていることを意味する。
レーキ顔料は、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号、青色1号及び青色2号からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む染料からなる特定レーキ顔料を含む。また、レーキ顔料は、特定レーキ顔料以外に、必要に応じて他のレーキ顔料を含んでもよい。他のレーキ顔料としては可食性を有するものであれば特に限定されない。具体例としては、アルミニウムレーキからなるレーキ顔料が挙げられる。
水性インク組成物を構成するレーキ顔料が特定レーキ顔料のみである場合、特定レーキ顔料の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し、0.5質量%〜12質量%の範囲内であることが好ましく、1質量%〜5質量%の範囲内であることがより好ましい。特定レーキ顔料の含有量が0.5質量%以上であると、印刷画像の濃度が不十分となるのを防止することができる。特定レーキ顔料の含有量が12質量%以下であると、インクジェットヘッドのノズルにおいて、レーキ顔料成分がノズルに析出することによって発生する吐出不良を防止することができる。
また、水性インク組成物を構成するレーキ顔料に特定レーキ顔料以外の他のレーキ顔料を含む場合、他のレーキ顔料の含有量は、その種類等に応じて適宜設定することができる。
褪色抑制剤は、自然光等の光照射により特定レーキ顔料が光分解するのを抑制する機能を有する。特定レーキ顔料の構成成分に含まれる染料は光照射により光分解するので、特定レーキ顔料だけでは、印刷画像が光褪色(褪色)するおそれがある。しかし、褪色抑制剤は、そのような特定レーキ顔料の光分解を抑制するので、印刷画像の褪色を低減することができる。
「褪色」とは、自然光等の影響により印刷画像中に含まれる特定レーキ顔料が光分解し、これにより印刷画像の色調が不可逆的に変化し、あるいは印刷画像が劣化することを意味する。
褪色抑制剤は、単糖類、二糖類、デキストリン類及び糖アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
単糖類は、特に限定されず、具体例としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース等が挙げられる。これらのうち、本実施形態においてはガラクトース及びフルクトースが好ましい。
二糖類は、特に限定されず、具体例としては、ショ糖(スクロース、砂糖)、ラクトース(乳糖)、マルトース、トレハロース、パラチノース(イソマルツロース)等が挙げられる。これらのうち、本実施形態においてはマルトース及びトレハロースが好ましい。
デキストリン類は、特に限定されず、具体例としては、シクロデキストリン等が挙げられる。前記シクロデキストリンは、特に限定されず、具体例としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン等が挙げられる。
糖アルコール類は、特に限定されず、具体例としては、マンニトール、エリスリトール、還元イソマルツロース、キシリトール、ソルビトール等が挙げられる。さらに、前記還元イソマルツロースは、イソマルツロースを水素化等することにより還元して得られる化合物である。還元イソマルツロースは、α−D−グルコピラノシル−1,1−マンニトール(以下、「GPM」という。)と、α−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトール(以下、「GPS−6」という。)との混合物である。GPMとGPS−6の混合比は、特に限定されないが、通常は略等モル量で両者は混合される。前記糖アルコール類のうち、本実施形態においては還元イソマルツロース、キシリトール及びソルビトールが好ましい。
上記例示した各褪色抑制剤は1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
褪色抑制剤の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し50質量%以下であり、好ましくは1質量%〜15質量%、より好ましくは5質量%〜10質量%である。特に、褪色抑制剤としてデキストリン類又は糖アルコール類を用いる場合、これらの含有量は、水性インク組成物の全質量に対し20質量%以下であることが好ましく、好ましくは1質量%〜15質量%、より好ましくは3質量%〜8質量%である。褪色抑制剤の含有量を50質量%以下にすることにより、当該褪色抑制剤が水性インク組成物中に析出するのを防止することができる。
本実施形態の水性インク組成物は、水(主溶媒としての水)を含有する。水としては、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去した水を用いるのが好ましい。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間にわたってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、水の含有量は、特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
また、本実施形態の水性インク組成物においては、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものであれば、その他の添加剤が配合されていてもよい。添加剤の例としては、表面張力調整剤、湿潤剤、水溶性樹脂、有機アミン、界面活性剤、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤、粘度調整剤、消泡剤等が挙げられる。表面張力調整剤及び湿潤剤を除き、これらの添加剤の含有量は、特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。表面張力調整剤及び湿潤剤の含有量については、それぞれ後述する。
表面張力調整剤の例としては、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。グリセリン脂肪酸エステルの例としては、カプリル酸デカグリセリル、ラウリン酸ヘキサグリセリンエステル、オレイン酸ヘキサグリセリンエステル、縮合リノレン酸テトラグリセリンエステル、HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値が15以下のラウリン酸デカグリセリル、HLB値が13未満のオレイン酸デカグリセリル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
カプリル酸デカグリセリルとしては、市販品を用いることが可能であり、そのような市販品の例としては、リョートー(登録商標)ポリグリエステル CE19D(商品名、三菱化学フーズ株式会社製、HLB値15)、SYグリスターMCA750(商品名、阪本薬品工業株式会社製、HLB値16)等が挙げられる。
尚、HLB値は、グリフィン法によるHLB値であり、下記式によって定義される。
HLB値=20×(親水基の式量の和/分子量)
HLB値は0〜20の範囲内の値となり、HLB値が大きいほど親水性が強くなり、HLB値が小さいほど疎水性が強くなる。
ラウリン酸デカグリセリルとしては、HLB値が15以下のものを用いることができる。HLB値が15を超えるラウリン酸デカグリセリルを用いると、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりに起因してかすれ等が発生するなど、吐出安定性が低下する。HLB値の下限は、水溶媒に対する溶解度の観点からは、10以上であることが好ましい。HLB値が15以下のラウリン酸デカグリセリルとしては、市販品を用いることが可能であり、そのような市販品の例としては、NIKKOL(登録商標) DECAGLYN 1−L(商品名、日光ケミカルズ株式会社製、HLB値14.5)、SYグリスターML−750(商品名、阪本薬品工業株式会社製、HLB値14.8)等が挙げられる。
オレイン酸デカグリセリルとしては、HLB値が13未満のものを用いることができる。HLB値が13以上のものを用いると、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりに起因してかすれ等が発生するなど、吐出安定性が低下する。HLB値の下限は、水溶媒に対する溶解度の観点からは、10以上であることが好ましい。HLB値が13未満のオレイン酸デカグリセリルとしては、市販品を用いることが可能であり、そのような市販品の例としては、NIKKOL(登録商標) DECAGLYN 1−OV(商品名、日光ケミカルズ株式会社製、HLB値12)、SYグリスターMO−7S(商品名、阪本薬品工業株式会社製、HLB値12.9)等が挙げられる。
ラウリン酸ヘキサグリセリンエステルとしては、市販品を用いることが可能であり、そのような市販品の例としては、NIKKOL(登録商標) HEXAGLYN 1−L(商品名、日光ケミカルズ株式会社製、HLB値14.5)、SYグリスターML−500(商品名、阪本薬品工業株式会社製、HLB値13.5)等が挙げられる。
オレイン酸ヘキサグリセリンエステルとしては、市販品を用いることが可能であり、そのような市販品の例としては、SYグリスターMO−5S(商品名、阪本薬品工業株式会社製、HLB値11.6)等が挙げられる。
縮合リノレン酸テトラグリセリンエステルとしては、市販品を用いることが可能であり、そのような市販品の例としては、SYグリスターCR−310(商品名、阪本薬品工業株式会社製)等が挙げられる。
表面張力調整剤の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し、0.1質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%の範囲内であることがより好ましい。表面張力調整剤の含有量が0.1質量%以上であると、インクジェット方式で印刷を行った場合に、インクジェットヘッドにおけるノズルでのメニスカス形成不良等による吐出不良を防止し、当該ノズルの目詰まりが発生するのを防止することができる。その結果、吐出安定性の向上が図れる。その一方、表面張力調整剤の含有量が10質量%以下であると、表面張力調整剤の不溶分や乳化不良による吐出への悪影響を防止することができる。
湿潤剤は、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体例としては、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
湿潤剤の添加量は、水性インク組成物の全質量に対し、3質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。湿潤剤の含有量を3質量%以上にすることにより、インクジェットヘッドのノズル近傍での目詰まりを防止し、吐出性能の一層の向上が図れる。その一方、湿潤剤の含有量を50質量%以下にすることにより、水性インク組成物の粘度を適性に制御することができる。
(固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法)
本実施形態の固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法は、前述の水性インク組成物を含むインクジェット用水性インク(以下、「水性インク」という場合がある。)を準備する準備工程と、水性インクを用いて固体製剤に対しインクジェット方式印刷する印刷工程と、印刷画像の褪色を抑制する褪色抑制工程とを少なくとも含む。
水性インクの準備工程は、水性インク組成物の製造工程を含み得る。この場合、水性インク組成物の製造工程は、前述の各成分を適宜な方法で混合することよって実施可能である。即ち、レーキ顔料、褪色抑制剤、水及び必要に応じて添加剤を混合し、十分に撹拌する。さらに、必要に応じて目詰まりの原因となる粗大粒子及び異物を除去するための濾過を行う。これにより、本実施形態に係る水性インク組成物を得ることができる。
各材料の混合方法は、特に限定されず、例えば、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合を行うことができる。また、濾過方法は、特に限定されず、例えば、遠心濾過、フィルター濾過等を採用することができる。
印刷工程は、インクジェット方式により固体製剤表面に画像印刷を行う工程である。より具体的には、微細なノズルより固体製剤に水性インクをインク滴として吐出し、インク滴を固体製剤表面に付着させて画像印刷を行う。吐出方法は、特に限定されず、例えば、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型等)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等)等の公知の方法を採用することができる。インク滴の吐出量、印刷速度等の印刷条件は、特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
印刷工程は、固体製剤の表面に付着したインク滴を乾燥させる乾燥工程を含む。乾燥方法は、特に限定されず、熱風乾燥の他、自然乾燥等を行うことができる。また、乾燥時間や乾燥温度等の乾燥条件も、特に限定されず、インク滴の吐出量や水性インク組成物の種類等に応じて適宜設定することができる。
褪色抑制工程は、光照射に起因して特定レーキ顔料が光分解するのを、印刷画像中に含まれる褪色抑制剤によって抑制する工程である。例えば、固体製剤表面の印刷画像に積算光量が120万luxの可視光(波長域380nm〜750nm)を照射した場合に、印刷画像の色の変化を、印刷直後の印刷画像を基準にして、L表色系における色差ΔE(ab)で表す。褪色抑制工程は、色差ΔE(ab)を17以下、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜5に抑制することができる。色差ΔE(ab)を17以下にすることにより、印刷画像の褪色を低減し、良好な視認性を維持することができる。その結果、固体製剤表面に製品情報等を印刷する場合に、当該製品情報の誤認を防止し、調剤ミスや誤飲の発生を低減することができる。印刷直後の印刷画像とは、前述と同様、乾燥後の印刷画像を意味する。
ΔE(ab)は、JIS Z8781に準拠する色差であり、下記一般式(1)で表される。すなわち、ΔE(ab)は、印刷直後の印刷画像からの色の変化を表す。
ΔE*(ab)=((ΔL* 2)2+(Δa* 2)2+(Δb* 2)2)1/2 (1)
但し、ΔL* 2、Δa* 2及びΔb* 2は、それぞれ以下の通り表される。
ΔL* 2=L* 2−L* 0
* 0は固体製剤の印刷画像における印刷工程直後のL***表色系の明度を表し、L* 2は固体製剤の印刷画像における積算光量120万luxの可視光を照射した後のL***表色系の明度を表す。
Δa* 2=a* 2−a* 0
* 0は、固体製剤の印刷画像における印刷工程直後のL***表色系の値を表し、a* 2は、固体製剤の印刷画像における積算光量120万luxの可視光を照射した後のL***表色系の値を表す。
Δb* 2=b* 2−b* 0
* 0は固体製剤の印刷画像における印刷工程直後のL**b*表色系の値を表し、b* 2は、固体製剤の印刷画像における積算光量120万luxの可視光を照射した後のL***表色系の値を表す。
(固体製剤)
本明細書において、「固体製剤」とは食品製剤及び医薬製剤を包含する用語であり、固体製剤の形態の例としては、OD錠(口腔内崩壊錠)、素錠、FC(フィルムコート)錠、糖衣錠等の錠剤又はカプセル剤が挙げられる。また、固体製剤は、医薬品用途であってもよく、食品用途であってもよい。食品用途の錠剤の例としては、錠菓やサプリメント等の健康食品が挙げられる。
固体製剤の表面には、水性インク組成物を含む水性インクを用いて、インクジェット記録方法により直接印刷された乾燥皮膜からなる印刷画像が形成される。乾燥皮膜は、水性インク組成物中に含まれていたレーキ顔料と、褪色抑制剤とにより少なくとも構成される。
本実施形態の固体製剤においては、乾燥皮膜からなる印刷画像が、自然光等の光照射に起因して褪色するのを低減することができる。そのため、製品情報など使用者に対し識別性を向上させるために印刷した各種情報の劣化を防止することが可能であり、これにより、長期にわたって良好な視認性を維持し、調剤ミスや誤飲の防止を可能にする。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、下記の実施例に記載されている材料や含有量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。また、インクジェット用水性インク組成物の各材料は何れも薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものである。
(実施例1)
下記表1に示す通り、特定レーキ顔料として3.34質量%の青色2号(染料)よりなるレーキ顔料(商品名:青色2号アルミニウムレーキ、ダイワ化成株式会社製)、褪色抑制剤として5質量%の還元イソマルツロース(商品名:パラチニット、三井製糖株式会社製)、表面張力調整剤として1.66質量%のポリグリセリン脂肪酸エステル類(商品名:SYグリスター、阪本薬品工業株式会社製)、湿潤剤として25質量%のプロピレングリコール、及び65質量%のイオン交換水を混合して、青色のインクジェット用水性インク組成物を作製した。
この実施例の水性インク組成物を用いて、インクジェット記録方法により、FC錠の一方の面に印刷を行った。印刷は、インクジェットプリンタ(PX−105、セイコーエプソン株式会社製)を用いてマルチパス方式にて行った。また、印刷は気温25℃、相対湿度40%の環境下で行った。その後、ドライヤーにて熱風を直接当て、印刷面を十分に乾燥させた。
(比較例1)
比較例1として用いた水性インク組成物は、上記表1に示す通りとした。
さらに、比較例1の水性インク組成物を用いて、前述の実施例と同様にして、インクジェット記録方法によりFC錠に印刷を行った。これにより、比較例1のサンプルを作製した。
(光褪色抑制性に関する評価)
実施例1及び比較例1のサンプルにおける水性インク組成物の褪色抑制性については、以下の試験を行うことにより評価した。すなわち、実施例1及び比較例1に係る水性インク組成物によるインクジェット印刷後のFC錠(サンプル)について、それぞれ色彩色差計(型番:VSS7700、日本電色工業株式会社製)を用いて、L表色系におけるL* 0、a* 0、b* 0をそれぞれ測定した。これらは、測定結果を示す下記の表2では、積算光量0luxでのL、a、bの値にそれぞれ対応している。
続いて、ICH(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)のガイドラインに準拠した光安定性試験装置(ナガノサイエンス株式会社製)を用いて、密閉したガラス製瓶内に保存した印刷後のサンプルに対し光照射を行った。このときの積算光量は30万ルクス、60万ルクス、120万ルクス(120万ルクスは、室内蛍光灯下換算で50日分)とした。その後、再び色彩色差計を用いて、各サンプルのL表色系におけるL* 2、a* 2、b* 2をそれぞれ測定した。これらは、測定結果を示す下記の表2では、積算光量30万lux、60万lux、120万luxでのL、a、bの値にそれぞれ対応している。
各表中に示す色差ΔE*(ab)2、明度差ΔL* 2、色度差Δa* 2及びΔb* 2、彩度差ΔC*(ab)2、ならびに色相差ΔH*(ab)2は、それぞれ下記一般式(2)〜(7)により算出した。
ΔE*(ab)2=((ΔL* 2)2+(Δa* 2)2+(Δb* 2)2)1/2 (2)
ΔL* 2=L* 2−L* 0 (3)
Δa* 2=a* 2−a* 0 (4)
Δb* 2=b* 2−b* 0 (5)
ΔC*(ab)2=((Δa* 2)2+(Δb* 2)2)1/2 (6)
ΔH*(ab)2=(ΔE*(ab)2 2−ΔL* 2 2−ΔC*(ab)2 2)1/2 (7)
(結果)
表2に示す通り、比較例1のサンプルにおいては、色差ΔE*(ab)2が、印刷直後と比較していずれも大きくなり、印刷画像が大幅に光褪色していることが確認された。その一方、実施例1のサンプルにおいては、FC錠に印刷された印刷画像の色差ΔE*(ab)2の増加が大幅に抑制され、全て9以下(より具体的には5以下、詳細には3以下、より詳細には1.5以下、さらに詳細には1.2以下)となった。これにより、実施例1においては、印刷画像中のレーキ顔料の構成成分である青色2号(染料)の光分解を低減することができ、褪色の低減が可能であることが確認された。
(実施例2)
表3に示す通り、特定レーキ顔料として8質量%の黄色4号(染料)よりなるレーキ顔料(商品名:黄色4号アルミニウムレーキ、ダイワ化成株式会社製)、顔料分散剤として1質量%のポリアクリル酸ナトリウム(商品名:TEGO(登録商標) Dispers 715W、Evonik社製、質量平均分子量3000)、分散安定剤として1質量%のリンゴ酸二ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)、及び分散媒として50質量%のイオン交換水を容器中で混合し、混合液を分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて分散させ、特定レーキ顔料の分散液を作製した。続いて、作製した特定レーキ顔料の分散液に、褪色抑制剤として12質量%の還元イソマルツロース(商品名:パラチニット、三井製糖株式会社製)、湿潤剤として15質量%のプロピレングリコール、及び表面張力調整剤として2質量%のモノカプリル酸デカグリセリル(商品名:SYグリスターMCA750、阪本薬品工業株式会社製、HLB値16)を添加し、さらに11質量%のイオン交換水を加えて混合し、黄色のインクジェット用水性インク組成物を作製した。
(実施例3)
表3に示す通り、褪色抑制剤をガラクトース(和光純薬工業株式会社製)に変更し、それ以外は実施例2と同じとした。
(実施例4)
表3に示す通り、褪色抑制剤をマルトース(和光純薬工業株式会社製)に変更し、それ以外は実施例2と同じとした。
(比較例2)
表3に示す通り、褪色抑制剤を添加せず、イオン交換水の合計含有量73質量%とし、それ以外は実施例2と同じとした。
(結果)
前述の実施例1及び比較例1の場合と同様に、それぞれの水性インク組成物を用いて、インクジェット記録方法により、素錠の一方の面に印刷を行い、その後、印刷面を充分に乾燥させた。そして、水性インク組成物の褪色抑制性について、実施例1及び比較例1の場合と同様の試験を行って評価した。下記の表4は、積算光量120万luxでのL、a、bの測定値に対応する測定結果を示す。
表4に示す通り、比較例2のサンプルにおいては、色差ΔE*(ab)2が、印刷直後と比較して大きくなり、印刷画像が大幅に光褪色していることが確認された。その一方、実施例2〜4のサンプルにおいては、素錠に印刷された印刷画像の色差ΔE*(ab)2の増加が大幅に抑制され、全て9以下(より具体的には5以下、詳細には3以下)となった。これにより、実施例2〜4においては、印刷画像中のレーキ顔料の構成成分である黄色4号(染料)の光分解を低減することができ、褪色の低減が可能であることが確認された。
(実施例5)
表5に示すとおり、特定レーキ顔料を赤色102号よりなるレーキ顔料(商品名:赤色102号アルミニウムレーキ、ダイワ化成株式会社製)に変更し、赤色のインクジェット用水性インクとした。それ以外は実施例2と同じとした。
(実施例6)
表5に示すとおり、褪色抑制剤をガラクトース(和光純薬工業株式会社製)に変更し、それ以外は実施例5と同じとした。
(実施例7)
表5に示すとおり、褪色抑制剤をマルトース(和光純薬工業株式会社製)に変更し、それ以外は実施例5と同じとした。
(比較例3)
表5に示すとおり、褪色抑制剤を添加せず、イオン交換水の合計含有量73質量%とした。それ以外は実施例5と同じとした。
(結果)
前述の実施例1及び比較例1の場合と同様に、それぞれの水性インク組成物を用いて、インクジェット記録方法により、素錠の一方の面に印刷を行い、その後、印刷面を充分に乾燥させた。そして、水性インク組成物の褪色抑制性について、実施例1及び比較例1の場合と同様の試験を行って評価した。下記の表6は、積算光量120万luxでのL、a、bの測定値に対応する測定結果を示す。
表6に示す通り、比較例3のサンプルにおいては、色差ΔE*(ab)2が、印刷直後と比較して大きくなり、印刷画像が大幅に光褪色していることが確認された。その一方、実施例5〜7のサンプルにおいては、素錠に印刷された印刷画像の色差ΔE*(ab)2の増加が大幅に抑制され、全て9以下(より具体的には7.5以下)となった。これにより、実施例5〜7においては、印刷画像中のレーキ顔料の構成成分である赤色102号(染料)の光分解を低減することができ、褪色の低減が可能であることが確認された。
上記の実施例1〜7で示した青色2号、黄色4号及び赤色102号の染料のみならず、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号、青色1号及び青色2号からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む染料からなる特定レーキ顔料を用いた場合にも同様の効果が得られる。レーキ顔料が、これらの特定レーキ顔料以外にも、任意成分として他のレーキ顔料、たとえばアルミニウムレーキからなるレーキ顔料を含んでいても、特定レーキ顔料に関して同様の褪色抑制効果が得られることは当業者には自明である。
褪色抑制剤の含有量は、前述の実施例サンプルでは、5質量%であるが、50質量%までの含有量であれば、析出を生じることなく溶解可能であることが確認できた。したがって、50質量%以下であれば、上記実施例と同等以上の褪色抑制効果を実現できる。含有量の下限については、0.5質量%以上であれば、同様の褪色抑制効果を確認できている。褪色抑制材の含有量が1質量%〜15質量%(より好ましくは5質量%〜10質量%)であれば、ノズル詰まり等の不具合の発生を抑制することができる。
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (12)

  1. 固体製剤への印刷に用いられるインクジェット用水性インク組成物であって、
    可食性のレーキ顔料と、褪色抑制剤とを含み、
    前記レーキ顔料が、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号、青色1号及び青色2号からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む染料からなる特定レーキ顔料を含み、
    前記褪色抑制剤が、単糖類、二糖類、デキストリン類及び糖アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記褪色抑制剤の含有量が前記水性インク組成物の全質量に対し50質量%以下である、インクジェット用水性インク組成物。
  2. 前記単糖類が、ガラクトース又はフルクトースの少なくとも何れかを含む、請求項1に記載のインクジェット用水性インク組成物。
  3. 前記二糖類が、マルトース又はトレハロースの少なくとも何れかを含む、請求項1又は2に記載のインクジェット用水性インク組成物。
  4. 前記デキストリン類が、シクロデキストリンを含む、請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク組成物。
  5. 前記糖アルコール類が、還元イソマルツロース、キシリトール及びソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク組成物。
  6. 固体製剤に印刷される印刷画像の褪色抑制方法であって、
    インクジェット用水性インク組成物を含むインクジェット用水性インクを準備する準備工程であって、前記インクジェット用水性インク組成物が、可食性のレーキ顔料と、褪色抑制剤とを含み、前記レーキ顔料が、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号、青色1号及び青色2号からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む染料からなる特定レーキ顔料を含み、前記褪色抑制剤が単糖類、二糖類、デキストリン類及び糖アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、前記褪色抑制剤の含有量が前記水性インク組成物の全質量に対し50質量%以下である、工程と、
    前記インクジェット用水性インクを用いて、インクジェット方式により前記固体製剤の表面に前記印刷画像を形成する印刷工程と、
    前記印刷画像中の褪色抑制剤が、前記特定レーキ顔料の光分解を抑制する褪色抑制工程と、
    を含む固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法。
  7. 前記褪色抑制工程は、印刷工程直後の固体製剤における印刷画像を基準に、積算光量が120万ルクスの可視光を照射した後の固体製剤における印刷画像の、JIS Z 8781に準拠するL表色系の色差ΔE(ab)を9以下にする、請求項6に記載の固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法。
  8. 前記単糖類が、ガラクトース又はフルクトースの少なくとも何れかを含む、請求項6又は7に記載の固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法。
  9. 前記二糖類が、マルトース又はトレハロースの少なくとも何れかを含む、請求項6〜8の何れか1項に記載の固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法。
  10. 前記デキストリン類が、シクロデキストリンを含む、請求項6〜9の何れか1項に記載の固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法。
  11. 前記糖アルコール類が、還元イソマルツロース、キシリトール及びソルビトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項6〜10の何れか1項に記載の固体製剤の印刷画像の褪色抑制方法。
  12. インクジェット用水性インクの乾燥皮膜を表面に有する固体製剤であって、
    前記インクジェット用水性インクは、請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク組成物を含む、固体製剤。
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