JP2019053334A - 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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章照 藤井
宏恵 渕上
Hiroe Fuchigami
宏恵 渕上
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Abstract

【課題】合成が容易で安価な、分子量600以下の比較的低分子量の正孔輸送材料を用いた場合にも初期帯電不良を起こさず、初期画像が良好な正帯電用単層型電子写真感光体、及びその製造方法、前記感光体を備えた画像形成装置、カートリッジを提供する。【解決手段】導電性支持体上に、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を同一層内に含有する感光層を最表面に備えた正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法において、前記正孔輸送材料が分子量600以下であり、前記感光層を塗布、乾燥後に表面を接触処理によって表面成分の少なくとも一部を取り除く除去工程を経ることを特徴とする、正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。【選択図】なし

Description

電子写真技術は、高速で高品質な画像が得られること等から、複写機、プリンター、複
合機、デジタル印刷等の分野で広く使われている。電子写真技術の中核となる電子写真感
光体(以下、単に「感光体」ともいう)については、無公害で成膜が容易、製造が容易で
ある等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が主に使用されている。
有機系電子写真感光体においては、電荷の発生と移動の機能を別々の化合物に分担させ
る、いわゆる機能分離型の感光体が、材料選択の余地が大きく、感光体の特性の制御がし
易いことから主流となっている。層構成の観点からは、電荷発生材料と電荷輸送材料を同
一の層中に有する単層型の電子写真感光体(以下、単層型感光体という)と、電荷発生材
料と電荷輸送材料を別々の層(電荷発生層と電荷輸送層)中に分離、積層する積層型の電
子写真感光体(以下、積層型感光体という)が知られている。
このうち積層型感光体は、感光体設計上からは、層ごとに機能の最適化が図り易く、特
性の制御も容易なことから、現行感光体の大部分はこのタイプになっている。積層型感光
体のほとんどのものは、基体上に電荷発生層、電荷輸送層をこの順序で有している。電荷
輸送層においては、好適な電子輸送材料が極めて少ないのに対して、正孔輸送材料は特性
良好な材料が数多く知られていることから、基体上に電荷発生層、電荷輸送層がこの順で
積層され、負帯電で使用される。
一方、単層型感光体においては、原理的には負帯電方式及び正帯電方式のいずれも利用
可能であるが、正帯電方式の方が、前述の積層型感光体において問題となるオゾン発生を
抑制することができ、かつ負帯電系より一般に高感度にし易いことから、有利である。ま
た、塗布工程が少なく、解像度面で有利である利点も有しており、電気特性面では負帯電
の積層型感光体よりも劣る点を有するものの、一部実用化され、現在に至るまで様々な改
良検討がなされている(特許文献1〜5)。
特開平5−92936号公報 特開平2−228670号公報 特開2001−33997号公報 特開2005−331965号公報 特開2013−231866号公報
しかしながら、単層型感光体において、合成が容易で安価な、比較的低分子量の正孔輸
送材料を用いた場合には、感光体製造後にプリンターに装着して画像出力を行うと、10
枚程度の初段階の印刷工程において、白地に微細な黒点が生成するいわゆるカブリや、ハ
ーフトーン画像の一部の濃度が濃化する黒帯といった画像欠陥が生じる問題が有った。こ
の現象は、10枚程度の印刷といった初期画像にのみ起き、以降は発生しないことから、
感光体の表面に何らかの過渡的な異常部位が形成されたためと推定された。感光体の電気
特性を測定したところ、図1(A)に示すように、そのようなカブリを生じる感光体は、
初期的に帯電不良状態となっており、10枚程度の印刷をしないと、その帯電不良が改善
されないことが分かった。一方、初期的な帯電不良は、比較的分子量の大きな正孔輸送材
料を用いた場合や、電子移動材料を含有しない場合は発生しなかった(図1(B))。そ
こで、飛行時間型二次イオン質量分析法(略称:TOF−SIMS)によって最表面およ
び表面近傍深さ方向の分析を行ったところ、感光層表面にブリードアウトした、低分子量
の正孔輸送材料と、同じくブリードアウトした電子輸送材料によって形成された電荷移動
錯体によって、そのような初期的な帯電不良が引き起こされていることを突き止めた。し
かし、感光体を塗布により製造した際には、特に低分子量の正孔輸送材料は塗布から乾燥
までの工程で感光体の表面にブリードアウトするのを抑制することが困難なことから、改
良が求められていた。
本発明の目的は、低分子量の正孔輸送材料を用いて製造される正帯電用単層型電子写真
感光体を用いた場合においても、初期的な帯電不良を発生せず、印刷一枚目から良好な画
像出力を可能とすることにある。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、導電性支持体上に、結着樹脂、電荷発生材料、分
子量600以下の正孔輸送材料、及び電子輸送材料を同一層内に含有する感光層を最表面
に備えた正帯電用単層型電子写真感光体において、該感光層を塗布、乾燥後、プリンター
およびカートリッジに装着する前に、感光層表面を機械的な接触処理によって表面成分の
少なくとも一部を取り除く、除去工程を経て製造することにより、初期的な帯電不良を改
良することを見出し、以下の本発明の完成に至った。本発明の要旨は下記の<1>〜<8
>に存する。
<1>導電性支持体上に、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料
を同一層内に含有する感光層を最表面に備えた正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法
において、前記正孔輸送材料が分子量600以下であり、前記感光層を塗布、乾燥後に表
面を接触処理によって表面成分の少なくとも一部を取り除く除去工程を経ることを特徴と
する、正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。
<2>前記除去工程が、可撓性媒体による表面拭き取り処理であることを特徴とする、
<1>に記載の正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。
<3>前記除去工程が、有機溶媒を含んだ媒体による表面拭き取り処理であることを特
徴とする、<1>に記載の正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。
<4>前記除去工程が、ブラシによる表面拭き取り処理であることを特徴とする、<1
>に記載の正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。
<5>接触処理によって除去される表面成分が、正孔輸送材料と電子輸送材料を含有す
る、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。
<6> <1>〜<5>のいずれか1つに記載の方法により製造される、正帯電用単層
型電子写真感光体。
<7> <6>に記載の電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を帯電させる帯電
装置、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、及び、該電
子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置からなる群から選ばれる少なく
とも1つを備えたことを特徴とする、電子写真感光体カートリッジ。
<8> <6>に記載の電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を帯電させる帯電
装置と、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、および、
該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置を備えたことを特徴とする
画像形成装置。
本発明は、合成が容易で安価な、低分子量の正孔輸送材料を用いた正帯電単層型電子写
真感光体を使用した場合にも、良好な初期画像を出力することが可能な電子写真感光体の
製造方法、電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置の提供を可
能とする。
初期的な帯電不良が悪い場合(A)、良い場合(B)の印刷枚数に対する表面帯電電位の推移を示したグラフである。 本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は
本発明の実施形態の代表例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形し
て実施することができる。
<電子写真感光体>
本発明の感光体は、導電性支持体上に、必要に応じて下引き層を形成し、その上に結着
樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、電子輸送材料を同一層内に含有する単層型感光層が
最表面層として形成される。感光体としては、初期電気特性の観点から、前記正孔輸送材
料が分子量600以下の化合物、前記電子輸送材料がジフェノキノン系化合物であり、感
光層中の分子量600以下の化合物がバルク部分と比較して、最表面に濃化していないこ
とが好ましい。
1.導電性支持体
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ス
テンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を
添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウ
ム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として
使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率
で併用してもよい。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などの
ものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御
や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いてもよい。
また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜
を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合には、公知の方法により封孔処理
を施すのが望ましい。支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり
、粗面化処理を施したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成
する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでもよい。また
、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能であ
る。
2.下引き層
導電性支持体と感光層との間には、接着性、ブロッキング性等の改善のため、下引き層
を設けてもよい。下引き層としては、樹脂単独、あるいは、樹脂に金属酸化物等の粒子や
有機顔料等を分散したもの等が用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例として
は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等
の1 種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウ
ム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。このよう
に、一種類の粒子のみを用いてもよいし複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。これ
らの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタ
ンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチ
モン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコ
ーン等の有機物による処理が施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ル
チル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の
結晶状態のものが含まれていてもよい。
また、金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性及び液
の安定性の面から、平均一次粒径として1nm以上100nm以下が好ましく、特に好ま
しくは、10nm以上50nm以下である。
下引き層は、金属酸化物粒子を結着樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き
層に用いられる結着樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリ
ビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポ
リウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用
できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な
分散性、塗布性を示すので好ましい。
積層型感光体を構成する電荷発生層に相当する層を単層型感光体の下引き層とすること
もできる。この場合は、フタロシアニン顔料、アゾ顔料やペリレン顔料を結着樹脂中に分
散して塗布したもの等が好適に用いられる。結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹
脂類が好ましく用いられ、電気特性の観点から、ポリビニルブチラール樹脂が特に好まし
い。
結着樹脂に対する粒子や顔料等の分散剤の添加比は任意に選べるが、10質量%以上、
500質量% 以下の範囲で使用することが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性から0.1μmか
ら25μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加してもよい。下引
き層として、構成の異なる層をいくつか設けることも可能である。
3.感光層
[電荷発生材料]
電荷発生材料としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材
料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好まし
く、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔
料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン
顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイ
ミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料
が好ましい。電荷発生材料として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微
粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
電荷発生材料としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシア
ニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマ
ニウム、アルミニウムなどの金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシ
ドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子とし
て用いたフタロシアニンダイマー類などが使用される。特に、感度の高い結晶型であるX
型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型
)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフ
タロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン
、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン
、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−ア
ルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
また、これらフタロシアニンの中でも、A型(別称β型)、B型(別称α型)、及び粉
末X線回折の回折角2θ(±0.2゜)が27.1゜、もしくは27.3゜に明瞭なピー
クを示すことを特徴とするD型(Y型)チタニルフタロシアニン、II型クロロガリウム
フタロシアニン、V型及び28.1゜にもっとも強いピークを有すること、また26.2
゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが0.
1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ
−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、X型無金属フタロシアニンが特に好ましい。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のものを用いてもよいし、幾つかの混合又は混晶
状態のものを用いてもよい。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混
合状態としては、それぞれの構成要素を後から混合したものを用いてもよいし、合成、顔
料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じさせた
ものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知ら
れている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように
、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結
晶状態に変換する方法が挙げられる。
電荷発生材料の粒子径は、通常1μm以下であり、好ましくは0.5μm以下で使用さ
れる。感光層内に分散される電荷発生材料は、通常、結着樹脂100質量部に対して0.
1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。
また、感度の観点から、通常20質量部以下、好ましくは15質量部以下、より好ましく
は10質量部以下である。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料としては、例えば、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾー
ル誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラ
ン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、
アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれ
らの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖、もしく
は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中で、合成の容易さ
、コスト面から、分子量600以下のものが用いられる。また、溶解性や更なる合成の容
易さの観点からは分子量520以下がより好ましく、分子量480以下が特に好ましい。
正孔輸送材料として好適な構造の一般式の例を以下に示す。
Figure 2019053334
Figure 2019053334
感光層を構成する結着樹脂と前記正孔輸送材料との配合割合は、通常は結着樹脂100
質量部に対して正孔輸送材料を20質量部以上の比率で配合する。中でも、残留電位低減
の観点からは、結着樹脂100質量部に対して正孔輸送材料を30質量部以上の割合で配
合することが好ましく、更に繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点からは、正
孔輸送材料を40質量部以上の割合で配合することがより好ましい。一方、感光層の熱安
定性の観点からは、結着樹脂100質量部に対して正孔輸送材料を200質量部以下の割
合で配合することが好ましく、更に正孔輸送材料と結着樹脂との相溶性の観点からは、正
孔輸送材料を150質量部以下の割合で配合することがより好ましく、耐摩耗性の観点か
らは、120質量部以下の割合で配合することが特に好ましい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料としては、下記式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 2019053334
(式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい
炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基
表し、RとR同士、またはRとR同士は互いに結合して環状構造を形成してもよ
い。Xは分子量120以上250以下の有機残基を表す。)
〜Rはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の
アルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基を表す。置換基を有していてもよい炭素数1
〜20のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、ヘキシル基等の直鎖アルキル基
、iso−プロピル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等の分岐アルキル基、
シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状アルキル基が挙げられる。これらの中でも
原料の汎用性の面から炭素数1〜15のアルキル基が好ましく、製造時の取り扱い性から
は、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が更に好ま
しい。また、電子輸送能力の面から直鎖アルキル基、分岐アルキル基が好ましく、中でも
メチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基がより好ましく、塗布液に用いる有
機溶剤への溶解性の面から、tert−ブチル基、tert−アミル基が更に好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基の例としては、エテニル基等
の直鎖アルケニル基、2−メチル−1−プロペニル基等の分岐アルケニル基、シクロヘキ
セニル基等の環状アルケニル基等が挙げられる。これらの中でも、感光体の光減衰特性の
面から、炭素数1〜10の直鎖アルケニル基が好ましい。
前記置換基R〜Rは、RとR同士、またはRとR同士は互いに結合して環
状構造を形成してもよい。電子移動度の観点から、RとRが共にアルケニル基である
場合、お互いに結合して芳香環を形成することが好ましく、RとRが共にエテニル基
で、お互いに結合し、ベンゼン環構造を有することがより好ましい。
前記式(1)中、Xは分子量120以上250以下の有機残基を表し、感光体の光減衰
特性の観点から、Xが下記式(3)〜(6)で表されるいずれかの有機残基であることが
好ましい。
Figure 2019053334
(式(3)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を
表す。)
Figure 2019053334
式(4)中、R〜R11はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6
のアルキル基を表す。)
Figure 2019053334
(式(5)中、R12は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子を表す。
Figure 2019053334
(式(6)中、R13及びR14はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキ
ル基、炭素原子6〜12のアリール基を表す。)
〜R14における、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ヘ
キシル基等の直鎖アルキル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、tert−ア
ミル基等の分岐アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる。電子輸
送能力の面から、メチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基がより好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、電子輸送能力の面から
、塩素が好ましい。炭素原子6〜12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、
等が挙げられ、感光層の膜物性の観点から、フェニル基、ナフチル基好ましく、より好ま
しくはフェニル基である。Xは、前記式(3)〜(6)の中でも、繰り返し画像形成した
際の画質安定性の観点から、式(3)のジナフトキノン系化合物又は式(4)のジフェノ
キノン系化合物であることが好ましく、式(3)であることがより好ましい。
また、式(1)で表される化合物を単独で用いてもよいし、構造の異なる式(1)で表
される化合物を併用してもよく、その他の電子輸送材料と併用することもできる。
以下に本発明に好適な電子輸送材料の構造を例示する。以下の構造は本発明をより具体
的にするために例示するものであり、本発明の概念を逸脱しない限りは下記構造に限定さ
れるものではない。
Figure 2019053334
感光層中の結着樹脂と電子輸送材料との割合は、結着樹脂100質量部に対して、電子
輸送材料を通常5質量部以上で使用する。残留電位低減の観点から10質量部以上が好ま
しく、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から20質量部以上がより好まし
い。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送材料を通常100質量部以下で使用す
る。電子輸送材料と結着樹脂との相溶性の観点から、80質量部以下が好ましく、より好
ましくは60質量部以下であり、更に好ましくは50質量部以下である。
感光層を構成する結着樹脂と上記電荷輸送材料(電子輸送材料及び正孔輸送材料)との
配合割合は任意であるが、通常は結着樹脂100質量部に対して電荷輸送材料を25質量
部以上の比率で配合する。中でも、残留電位低減の観点からは、結着樹脂100質量部に
対して電荷輸送材料を35質量部以上の割合で配合することが好ましく、更に繰り返し使
用した際の安定性や電荷移動度の観点からは、電荷輸送材料を45質量部以上の割合で配
合することがより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点からは、結着樹脂100質量
部に対して電荷輸送材料を200質量部以下の割合で配合することが好ましく、更に電荷
輸送材料と結着樹脂との相溶性の観点からは、電荷輸送材料を150質量部以下の割合で
配合することが好ましく、より好ましくは125質量部以下、更に好ましくは100質量
部以下である。
[結着樹脂]
結着樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビ
ニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、
ポリエステルポリカーボネート、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂
等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これら樹脂の中でも感光体と
しての光減衰特性、機械強度の面から、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂
が好ましい。
前記結着樹脂に好適な繰り返し構造単位の具体例を以下に示す。これら具体例は例示の
ために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の結着樹脂を混合
して用いてもよい。
Figure 2019053334
結着樹脂の粘度平均分子量は、機械的強度の観点から、通常20,000以上、好まし
くは30,000以上、より好ましくは40,000以上、更に好ましくは50,000
以上、また、感光層形成のための塗布液作成の観点から、通常150,000以下、好ま
しくは120,000以下、より好ましくは100,000以下である。
[その他の添加物]
感光層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させる目
的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可
視光遮光剤、空間充填剤等の添加物を含有させてもよい。また、感光体表面の摩擦抵抗や
、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、フ
ッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂等からなる粒子や、無機化合物の粒子を
含有させてもよい。
<各層の形成方法>
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られ
た塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロー
ルコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返
すことにより形成される。
塗布液の作製に用いられる溶媒又は分散媒に特に制限は無いが、具体例としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢
酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メト
キシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2
−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジ
クロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプ
ロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエ
チレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられ
る。また、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせ及び種類
で併用してもよい。
溶媒又は分散媒の使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の
性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整
するのが好ましい。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲
で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱
温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行ってもよい。
<除去工程>
本発明においては、分子量600以下の低分子量の正孔輸送材料を使用するため、塗布
、乾燥後に感光層表面にこれらがブリードアウトし易い。また、電子輸送材料が存在しな
いと初期帯電性低下が起きないことから、感光層表面にブリードアウトしている、電荷輸
送材料と電子輸送材料から形成される電荷移動錯体が帯電性低下をもたらしていることが
判明した。なお、上記「ブリードアウト」とは、通常のバインダー樹脂を含んだ層の上に
、バインダー樹脂をほとんど含まない、低分子量の成分や、流動性の高い成分だけが存在
している状態を示す。バインダー樹脂がほとんど含まれないことから、ブリードアウトし
た成分は、機械的な強度は強くなく、通常のバインダー樹脂を含んだ感光層よりも機械的
に除去し易い。
前記電荷移動錯体が初期帯電不良を引き起こすメカニズムは必ずしも明らかではないが
、以下のように推定する。電子写真プロセス中、正帯電系においては、高電圧のマイナス
転写電圧が、感光体に直接、あるいは紙/トナーを介して印加される。感光体最表面に前
記電荷移動錯体が存在すると、電子輸送材料がアニオンラジカルになり易い状態であるこ
とから、電荷移動錯体が最表面にブリードアウトしていない場合に比べて、転写時に印加
されるマイナス電荷が感光層に注入されやすいと考えられる。一旦注入されたマイナス電
荷は、電子輸送材料の電荷移動度が、一般的には正孔輸送材料の電荷移動度よりも3桁程
度小さい(遅い)ことから、次帯電までに基体まで移動できずに表面近傍に滞留し、次帯
電(プラス帯電)の表面電荷の一部をキャンセルするために帯電性が低下すると考えられ
る。
そのような帯電不良を抑えるためには、前記電荷移動錯体を、塗布/乾燥後に、接触処
理によって感光層表面から取り除く、除去工程を実施するのが有効である。
除去工程に用いる除去手段としては、感光層表面のブリードアウトした成分の少なくと
も一部、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上を取り除く手段であ
る。除去工程によってどの程度の成分が除去されたかは、前述の飛行時間型二次イオン質
量分析法(略称:TOF−SIMS)によって定量出来る。その際は、除去工程前のブリ
ードアウト成分のTOF−SIMSシグナル強度と、除去工程後のシグナル強度の比を算
出すればよい。また、最表面のシグナル強度と、バルクのシグナル強度を比較するには、
最表面のシグナル強度測定後、アルゴンクラスター等のマイルドなスパッタリングによっ
て感光層を深さ方向に掘った後に、TOF−SIMSシグナルを測定し、比較すればよい
接触処理の具体例としては、感光層表面に、画像に影響が出るような傷、スジ、クラッ
クを形成しなければ特に制約は無いが、可撓性媒体による表面拭き取り処理、有機溶媒を
含んだ媒体による表面拭き取り処理、ブラシによる表面拭き取り処理等が挙げられる。拭
き取られた成分を、可視吸収スペクトルメーター等で定量することにより、適切な拭き取
り量を検知出来る。その際は、正孔輸送材料と電子輸送材料が共に除去され、減少したこ
とが、吸収スペクトルで確認できることが好ましい。
可撓性媒体による表面拭き取り処理においては、ウエス、不織布、コットン、綿、ゴム
、紙等の材質を、回転している感光体の感光層表面に、均一に感光層表面に押し当て、表
面のブリードアウト物を除く等の方法が例として挙げられる。この際、可撓性媒体の、感
光層に対する押し当て圧を調整し、適切に除去工程が実施されるように条件を設定する。
有機溶媒を含んだ媒体による表面拭き取り処理においては、上記可撓性媒体に加えて、
スポンジロール等の、押し当て圧が弱い媒体も使用する事が出来る。なお、好適な有機溶
媒としては、感光層内部を侵食しないよう、アルコール系溶剤が使用され、特に好ましく
はメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、およびそれらを主成
分として含んだ、工業用、医療用アルコール等である。また、アルコールに対して、水を
添加してもよい。
なお、上記除去工程は、独立して実施してもよいし、複数の手段を組み合せてもよい。
また、感光体を搭載可能なプリンターを必要に応じて一部改造するなどして、上記除去工
程を組み込んでも用いてもよい。
<画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施
の形態について、装置の要部構成を示す図2を用いて説明する。但し、実施の形態は以下
の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施す
ることができる。
図2に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3及び
現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び
定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図
2ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム
状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装
置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定
電位に均一帯電させる。一般的な帯電装置としては、コロトロンやスコロトロン等の非接
触のコロナ帯電装置、あるいは電圧印加された帯電部材を感光体表面に接触させて帯電さ
せる接触型帯電装置(直接型帯電装置)が挙げられる。接触帯電装置の例としては、帯電
ローラー、帯電ブラシ等が挙げられる。なお、図2では、帯電装置2の一例としてローラ
ー型の帯電装置(帯電ローラー)を示している。通常帯電ローラーは樹脂、及び可塑剤等
の添加剤を金属シャフトと一体成型して製造され、必要に応じて積層構造を取ることも有
る。なお、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直流に交流を重畳
させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行って電子写真感光体1の感光面に静電潜像
を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハ
ロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LED等が
挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行うようにしてもよい。露光を行
う際の光は任意であるが、例えば、波長が780nmの単色光、波長600nm〜700
nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光等で露光
を行えばよい。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法等を用いた
重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm
程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものから棒状等
の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転
写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラー転写、ベルト転写等
の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等、任意の方式を用いた装置を使用することがで
きる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー
、転写ローラー、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーT
の帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成され
たトナー像を記録紙(用紙、媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナ
ー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー等、任意のク
リーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している
残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。但し、
感光体表面に残留するトナーが少ないか、ほとんど無い場合には、クリーニング装置6は
無くても構わない。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行われる。即
ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば600V
)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳
させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露
光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜
像の現像を、現像装置4で行う。
現像装置4は、供給ローラー43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレー
ド)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性
であり、正極性)に摩擦帯電させ、現像ローラー44に担持しながら搬送して、感光体1
の表面に接触させる。
現像ローラー44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像
に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置
5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留してい
るトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱
定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行うことができる構成
としてもよい。除電工程は、電子写真感光体に露光を行うことで電子写真感光体の除電を
行う工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用
いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い
。小型化、省エネの観点からは、除電工程を有さないことが好ましい。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工
程等の工程を行うことができる構成としたり、オフセット印刷を行う構成としたり、更に
は複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリ
ーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカー
トリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写
真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対し
て着脱可能な構成にしてもよい。
以下、実施例により本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。ただし、以下の実施
例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその要旨を逸脱しない限り
、以下に示した実施例に限定されるものではなく任意に変形して実施することができる。
また、以下の実施例、及び比較例中の「部」の記載は、特に指定しない限り「質量部」を
示す。
<電子写真感光体の作成>
[実施例1]
Y型オキシチタニウムフタロシアニン10質量部を1,2−ジメトキシエタン150質
量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理し、顔料分散液を作製した。こうし
て得られた160質量部の顔料分散液を、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製
、商品名#6000C)の5質量%1,2−ジメトキシエタン溶液100質量部と適量の
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンに加え、最終的に固形分濃度4.0質量%の
下引き用塗布液を作製した。この下引き用塗布液に表面が粗切削された外径24mm、長
さ244mm、肉厚0.72mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーを浸漬塗布し、
乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように下引き層を形成した。
次に、X型無金属フタロシアニン4.0質量部をトルエン60質量部と共にサンドグラ
インドミルにより分散した。一方、前記構造式(HTM−1)で示される正孔輸送材料を
80質量部と、前記構造式(ETM−2)で示される電気輸送材料を30質量部と下記構
造式(P−1)で示されるポリカーボネート樹脂[粘度平均分子量:Mv=39,600
]100質量部をテトラヒドロフラン590質量部とトルエン90質量部の混合溶媒に溶
解し、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05部を加え、これに上記分散液を追加
し、ホモジナイザーにより均一になるように混合し、単層型感光層用塗布液を調製した。
このように調製した単層型感光層用塗布液を、上述の下引き層上に、乾燥後の膜厚が22
μmになるように塗布し、125℃で24分間乾燥した。乾燥後、室温まで放冷後に、感
光層の表面を、不織布により摺擦し、最表面の成分(主として正孔輸送材料と電子輸送材
料を含む成分)を除去し、正帯電単層型の電子写真感光体を得た。
Figure 2019053334
[実施例2]電子輸送材料をETM−2からETM−4に変更した以外は、実施例1と
同様の操作を行うことにより、感光体を製造した。
[実施例3]電子輸送材料をETM−2に加えて、更にETM−4を30質量部追加し
た以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、感光体を製造した。
[実施例4]感光層の表面を、不織布に代えて、綿で摺擦した以外は、実施例1と同様
の操作を行うことにより、感光体を製造した。
[実施例5]感光層の表面を、不織布に代えて、2−プロパノールを含んだウエスで摺
擦した以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、感光体を製造した。
[実施例6]感光層の表面を、不織布に代えて、ブラシで摺擦した以外は、実施例1と
同様の操作を行うことにより、感光体を製造した。
[実施例7]正孔輸送材料をHTM−1に代えて、前記HTM−4を使用した以外は、
実施例5と同様に感光体を製造した。
[実施例8]正孔輸送材料をHTM−1に代えて、前記HTM−7を使用した以外は、
実施例5と同様に感光体を製造した。
[実施例9]正孔輸送材料をHTM−1に代えて、前記HTM−10を使用した以外は
、実施例5と同様に感光体を製造した。
[比較例1]除去工程を実施しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行うことによ
り、比較感光体を製造した。
[比較例2]除去工程を実施しなかった以外は、実施例7と同様の操作を行うことによ
り、比較感光体を製造した。
[比較例3]除去工程を実施しなかった以外は、実施例8と同様の操作を行うことによ
り、比較感光体を製造した。
[比較例4]除去工程を実施しなかった以外は、実施例9と同様の操作を行うことによ
り、比較感光体を製造した。
[参考例1]正孔輸送材料をHTM−1に代えて、下記の構造式(HTM−A)で示さ
れる化合物を使用し、かつ除去工程を実施しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行
うことにより、参考感光体を製造した。
Figure 2019053334
[参考例2]正孔輸送材料をHTM−1に代えて、下記の構造式(HTM−B)で示さ
れる化合物を使用し、かつ除去工程を実施しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行
うことにより、参考感光体を製造した。
Figure 2019053334
<画像試験>
前記実施例1〜9,比較例1〜4,参考例1〜3で得られた電子写真感光体を、A4モ
ノクロレーザー複合機[パナソニックシステムネットワークス社製 KX−MB2080
(印刷速度:モノクロA4縦24ppm 解像度:600dpi 露光源:レーザー 帯
電方式:スコロトロン)]のドラムカートリッジに装着し、上記複合機にセットした。
印刷の入力として、ハーフトーンのベタ画像パターンをパソコンからプリンターに送り
、その結果得られる出力画像を目視評価した。同時に、感光体の帯電電位(白地電位)を
測定した。印刷1枚目の帯電電位をVo(1) [V]、10枚目の帯電電位をVo(10) [V]とし、V
o(10)- Vo(1)を算出してΔVとした。結果を表−1に示す。
Figure 2019053334
表−1から分かるように、実施例1〜9では印刷一枚目から表面電位が十分上がって良
好な画像が得られたのに対し、比較例1〜4では、1枚目の帯電電位が低く、カブリや画
像ムラ(黒帯状)が生じた。また、参考例3のように、電子輸送材料を使用しない場合は
、初期帯電電位は上がるものの、光減衰が不十分で、結果的に画像濃度が低くなる不具合
が生じた。なお、分子量の大きな正孔輸送材料を使用した参考例1,2では、除去工程を
経ずとも初期から良好な画像が得られたが、これは当該正孔輸送材料が表面にほとんどブ
リードアウトしなかったため(TOF−SIMSで確認)と考えられる。しかし、このよ
うな分子量の大きな正孔輸送材料は高コストで有ることから、汎用的に使用するには制約
がある。

Claims (8)

  1. 導電性支持体上に、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を同一
    層内に含有する感光層を最表面に備えた正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法におい
    て、前記正孔輸送材料が分子量600以下であり、前記感光層を塗布、乾燥後に表面を接
    触処理によって表面成分の少なくとも一部を取り除く除去工程を経ることを特徴とする、
    正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記除去工程が、可撓性媒体による表面拭き取り処理であることを特徴とする、請求項
    1に記載の正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記除去工程が、有機溶媒を含んだ媒体による表面拭き取り処理であることを特徴とす
    る、請求項1に記載の正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記除去工程が、ブラシによる表面拭き取り処理であることを特徴とする、請求項1に
    記載の正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。
  5. 接触処理によって除去される表面成分が、正孔輸送材料と電子輸送材料を含有する、請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の正帯電用単層型電子写真感光体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により製造される、正帯電用単層型電子写真
    感光体。
  7. 請求項6に記載の電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置、
    該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、及び、該電子写真
    感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置からなる群から選ばれる少なくとも1
    つを備えたことを特徴とする、電子写真感光体カートリッジ。
  8. 請求項6に記載の電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と
    、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、および、該電子
    写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置を備えたことを特徴とする画像形
    成装置。
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