JPH09244276A - 潜像転写方式の電子写真方法およびその装置 - Google Patents

潜像転写方式の電子写真方法およびその装置

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JPH09244276A
JPH09244276A JP5217296A JP5217296A JPH09244276A JP H09244276 A JPH09244276 A JP H09244276A JP 5217296 A JP5217296 A JP 5217296A JP 5217296 A JP5217296 A JP 5217296A JP H09244276 A JPH09244276 A JP H09244276A
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JP5217296A
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Hiroyuki Sugimoto
浩之 杉本
Takeo Yamaguchi
剛男 山口
Hiroyuki Takahashi
裕幸 高橋
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 長時間にわたって安定した転写電位の得られ
る潜像転写方式の電子写真方法と装置を得る。 【解決手段】 逐次潜像転写方式の電子写真方法におい
て、感光体が導電性基体上に直接または下引き層を介し
て単層の有機感光層を設けてなり、感光層は少なくとも
電荷発生顔料、有機正孔移動物質および下記化1で表さ
れる有機アクセプタ性化合物が結着剤中に分散された構
成からなるとともに潜像転写を繰り返すごとに感光層表
面を摺擦研磨することを特徴とする潜像転写方式の電子
写真方法。また、感光体表面に接離する摺擦研磨手段を
設けた電子写真装置。 例えば

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は潜像転写方式の電子
写真方法、特に、長時間にわたって安定した転写電位の
得られる潜像転写方式の電子写真方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法の一方式であるカールソンプ
ロセスに用いられる感光体として多くの感光体方式と構
成材料が知られている。望まれる要求品質を達成するた
め、感光体の機能を分離し組成や成分を変えたいくつか
の層にそれらの機能を分担させた、いわゆる機能分離方
式が現在の感光体の主方式となっている。
【0003】この方式により、帯電性、感度、機械的強
度やこれらの繰り返し性、使用性が実用上十分な程度に
満足されてきている。その背景には数多〈の材料の開発
がある。とりわけ、有機材料は材料種類が豊富であり、
また電気絶縁性にも優れていることから多くの材料出願
がなされている。
【0004】電荷発生物質としては、例えばフタロシア
ニンとして特公昭49−4338号公報にX型の無金属
フタロシアニン、特開昭48−724号公報にはπ型の
無金属フタロシアニン、特開昭58−182639号公
報にはτ型の無金属フタロシアニン、特開昭51−23
738号公報にはε型の銅フタロシアニン、特開昭59
−49544号公報にはチタニルフタロシアニン結晶、
特開昭61−239248号公報にはα型チタニルフタ
ロシアニン、特開昭62−67094号公報にはβ型チ
タニルフタロシアニンが、ジスアゾ顔料として特開昭4
7−37543号公報、特開昭52−4241号公報、
特開昭53−95033号公報、特開昭54−727号
公報が提案されている。
【0005】正孔移動材料の例としては、特開昭52−
124330号公報、特開昭52−139064号公報
にオキサジアゾール化合物、特開昭55−46760、
55−46761にヒドラゾン化合物、特開昭56−1
19132号公報にベンジジン系のジアミン化合物、特
開昭58−65440号公報、特開昭58−19804
3号公報にスチリルトリアリールアミン化合物、特開平
3−107860号公報にブタジエン系化合物が開示さ
れている。
【0006】また、感光体の構成としてよく知られてい
る機能分離型の積層構成のほか、特開昭54−1633
では電荷発生顔料を電荷輸送物質であるドナーとアクセ
プタと共に樹脂中に分散した単層感光体が、さらに特開
平3−256050号公報ではアクセブタ性化合物とし
てジフェノキノン誘導体を用いた上記と同様の構成の単
層感光体の出願がなされている。
【0007】一方、電子写真法の一方式である潜像転写
方式は、上述のカールソン法と異なり、感光体と静電潜
像の保持が可能な静電記録体との間に電圧を印加するこ
とにより、感光体上に形成された静電潜像を静電記録体
上に転写し、しかる後に転写された静電潜像を現像し可
視化するものである。
【0008】この方式は古くから知られ、例えばR.
M.シャファート著「電子写真」(共立出版、昭和48
年)、70頁にTES1(潜像転写)法の記載がある。
それによると、潜像転写法には、感光体上に先ず静電潜
像が作られ、次に静電記録体上に該静電潜像を転写する
逐次法と、静電記録体と感光体を接触した状態で静電潜
像を作る直接法がある。本発明はこの内、主として逐次
法に好適な電子写真感光体に関するものである。
【0009】潜像転写法はカールソン法と比べ、記録体
として導電層と誘電層が必要であるため普通紙を用いる
ことができない欠点があるが、感光体上の静電潜像を直
接現像する必要がないため、電子写真プロセスに必要な
各種ユニットを電子写真感光体の周りに配置する装置設
計の余裕度が高いメリットがある。このようなメリット
を生かし、電子写真装置の創製期の頃には逐次潜像転写
法を採用した複写機が市販されたこともあった。
【0010】このような複写機に用いられた電子写真感
光体として、蒸着Se層を電荷発生層とし、ポリビニル
カルバゾールを電荷輸送層に用いた積層型感光体があ
る。しかしながら、このような逐次転写方式を用いた複
写機に適用可能な感光体は、特殊な特性を持つ必要はな
く、上記カールソン法用の電子写真用感光体をそのまま
逐次転写方式の潜像転写プロセス用の感光体として用い
ることが可能である。これに対し、同時転写方式では感
光体に対する工夫が逐次転写方式以上に要求されるた
め、例えば特開昭56−43665号公報では高耐圧要
請に対し絶縁層を設ける等の出願がなされている。
【0011】しかしながら最近では、このようなカール
ソン法の適用範囲の中でカールソン法と対抗するのでは
なく、カールソン法では困難な高品質な電子写真画像出
力用に潜像転写法の見直しが検討されている。潜像転写
方式では現像後の転写工程が必要でないため、カールソ
ン法と比べ本質的に高精細な高品質画像が得られる可能
性を有しているからである。
【0012】このような高品質画像出力装置に用いられ
る潜像転写方式用の感光体としては、静電記録体上の転
写電位が高くとれて、しかも、経時変化がないことであ
る。記録体上への転写電位が低いと出力画像の濃度が低
くなる。記録体の誘電層を厚くすると記録体の電位が向
上するが、これは誘電層の静電容量が小さくなった効果
であり、記録体誘電層上の電荷量そのものは増大してい
ない。高画質化のためプロセス速度を遅くしたシステム
では現像濃度は主として記録体の表面電荷量で決定され
るため、このような方策では画像濃度を高くすることが
できない。
【0013】記録体電位を高くするために感光体として
要求される特性としては、帯電性がよく高感度であるこ
とであり、カールソンプロセス用に要求される特性と何
ら矛盾しない。これは感光体上での画像部と非画像部の
電位コントラストを大きくすることで、最適なプロセス
条件の設定により、記録体上での転写電位を大きくする
ことが可能になるためである。
【0014】しかしながら、従来用いられてきた電子写
真感光体を潜像転写プロセスに用いた場合、直ちに高い
転写電位が得られるかどうかは不明であった。実際に、
積層型感光体を該プロセスに適用した場合には転写電位
としては、かなり低いものしか得られなかった。そこ
で、記録体の表面電荷量を高めるには、潜像転写時に感
光体の電位と記録体の電位の差を大きくするように転写
電圧を印加すればよいが、転写電圧を高くし過ぎると画
像抜けのような異常画像が発生する問題が生じる。ま
た、本発明者らの検討によると、記録体の表面電荷量が
大きくなるような感光体構成およびプロセス条件では、
初期では記録体電位が減少しやすくなることが明らかに
なった。この理由は現在明瞭ではないが、転写される電
荷量の増加に伴って感光体が受ける何らかの静電的ダメ
ージが大きくなり、潜像転写に寄与する特性が劣化して
いるものと考えられる。そこで、記録体電位の減少に伴
って転写電位を増加させるように調整を行うと、前述し
た異常画像という問題が発生してしまう。従って、従来
の技術では記録体電位を大きくし、かつ、経時でも一定
に保つことがプロセス上困難であることが明らかになっ
た。さらに、経時での帯電電位の低下、あるいは、暗減
衰の増加という問題も発生する。この理由も現在明瞭で
はないが、感光体の表面、あるいは、バルクの抵抗値が
低下しているものと考えられる。暗減衰の増加は感光体
上の潜像の電位コントラストを低下させることになり、
画像濃度の低下や地肌汚れの原因となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記状況に鑑
みてなされたもので、長期的に安定した画像濃度が得ら
れる潜像転写方式の電子写真方法と装置を得ることを課
題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、電子写真感光体上に静電潜像を形成した後に、該感
光体の表面側に静電記録体を接触させ、該感光体と該記
録体との間に電圧を印加して該記録体上に該感光体に対
応した静電潜像を転写し、しかる後に該記録体上の静電
潜像を可視化する潜像転写方式の電子写真方法におい
て、前記感光体が導電性基体上に直接または下引き層を
介して単層の有機感光層を設けてなり、該感光層は少な
くとも電荷発生顔料、有機正孔移動物質および下式化1
で表される有機アクセプタ性化合物が結着剤中に分散さ
れた構成からなるとともに潜像転写を繰り返すごとに該
感光体表面を摺擦研磨することを特徴とする潜像転写方
式の電子写真方法が提供される。
【0017】
【化1】
【0018】上式中、R1、R4は同一または異なる、水
素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしく
は無置換の芳香族基、置換もしくは無置換の複素環基、
置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換も
しくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換の
アシル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子より
なる群から選ばれた少なくとも1種の基を表す。
【0019】また、R2とR3は同一まはた異なる、水素
原子、置換もしくはアルキル基、置換もしくは無置換の
芳香族基および置換もしくは無置換の複素環基から選ば
れた少なくとも1種の基を表す。
【0020】また、R1とR2は結合して環を形成しても
よく、同様にR3とR4は結合して複素環を形成してもよ
く、さらに、これらの環は置換されていてもよい。Xは
=O、下式化2および化3で表される基よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の基を表す。
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】上式化2において、A1、B1は同一または
異なる、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もし
くは無置換の芳香族基および−COOR6よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の基を表す。また、上式化3
において、R5は置換もしくは無置換のアルキル基、置
換もしくは無置換の芳香族基またはシアノ基を表す。前
記R6は置換もしくは無置換のアルキル基または置換も
しくは無置換の芳香族基を表す。
【0024】第二に、上記第一に記載した潜像転写方式
の電子写真方法において、有機アクセプタ性化合物とし
て下記式化4で表される化合物を用いることを特徴とす
る潜像転写方式の電子写真方法が提供される。
【0025】
【化4】
【0026】上式中、Xは=O、下式化5および化6で
表される基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基
を表す。
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】上式化5において、A2、B2は同一または
異なる、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もし
くは無置換の芳香族基および−COOR8よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の基を表す。上式化6におい
て、R7は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もし
くは無置換の芳香族基またはシアノ基を表す。また、R
8は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしく
は無置換の芳香族基を表す。
【0030】第三に、上記第一に記載した潜像転写方式
の電子写真方法において、有機アクセプタ性化合物とし
て下記式化7で表される化合物を用いることを特徴とす
る潜像転写方式の電子写真方法が提供される。
【0031】
【化7】
【0032】上式中、Wは同一または異なる水素原子、
ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、シア
ノ基およびニトロ基よりなる群から選ばれた少なくとも
1種の基を表す。nは0〜4の整数を表す。上式中、X
は=O、下式化5および化6で表される基よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の基を表す。
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】
【0035】上式化5において、A2、B2は同一または
異なる、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もし
くは無置換の芳香族基および−COOR8よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の基を表す。上式化6におい
て、R7は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もし
くは無置換の芳香族基またはシアノ基を表す。また、R
8は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしく
は無置換の芳香族基を表す。
【0036】第四に、上記第一に記載した潜像転写方式
の電子写真方法において、有機アクセプタ性化合物とし
て下記式化8で表される化合物を用いることを特徴とす
る潜像転写方式の電子写真方法が提供される。
【0037】
【化8】
【0038】上式中、R9、R10はそれぞれアルキル
基、アルコキシ基、エステル基、ハロゲン原子、シアノ
基またはニトロ基を表す。また、nは0〜4の整数を表
す。
【0039】第五に、上記第一に記載した潜像転写方式
の電子写真方法において、有機アクセプタ性化合物とし
て下記式化9で表される化合物を用いることを特徴とす
る潜像転写方式の電子写真方法が提供される。
【0040】
【化9】
【0041】上式中、R9はアルキル基、アルコキシ
基、エステル基、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ
基を表し、R10はアルキル基、置換アルキル基、フェニ
ル基、置換フェニル基を表し、これら置換基はアルキル
基、アルコキシ基、エステル基、ハロゲン原子、シアノ
基またはニトロ基である。また、nは0〜4の整数を表
す。
【0042】第六に、上記第一に記載した潜像転写方式
の電子写真方法において、有機アクセプタ性化合物とし
て下記式化10で表される化合物を用いることを特徴と
する潜像転写方式の電子写真方法が提供される。
【0043】
【化10】
【0044】上式中、Rはアルキル基、置換アルキル
基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、フェニ
ル基、置換フェニル基を表し、Xは水素原子またはメチ
ル基であり、Yはアルコキシ基、置換アルコキシ基、シ
クロアルコキシ基、置換シクロアルコキシ基、カルバモ
イル基または置換カルバモイル基を表す。
【0045】第七に、上記第一に記載した潜像転写方式
の電子写真方法において、有機アクセプタ性化合物とし
て下記式化11で表される化合物を用いることを特徴と
する潜像転写方式の電子写真方法が提供される。
【0046】
【化11】
【0047】上式中、R9、R10はそれぞれアルキル
基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロア
ルキル基、フェニル基または置換フェニルを表し、Xは
O、=N(CN)または=C(Y)(Z)を表す。ま
た、YおよびZは水素原子、フェニル基、置換フェニル
基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニ
ル基またはシアノ基を表す。
【0048】上記第八に、第一、第二、第三、第四、第
五、第六または第七に記載した潜像転写方式の電子写真
方法において、感光体表面の摺擦研磨は、感光体の停止
時および画像形成動作時には摺擦部材を感光体から離間
させ、画像形成動作以外の感光体回転時に摺擦部材を感
光体に当接させることにより行うことを特徴とする潜像
転写方式の電子写真方法が提供される。
【0049】上記第九に、電子写真感光体と静電記録体
が、両者の表面が接触しうる位置に配置され、該感光体
表面に形成する静電潜像を該記録体表面に転写するため
の該感光体表面と該記録体表面との間に電圧を印加する
手段と該記録体表面に転写された静電潜像を可視化する
現像手段が設けられた潜像転写方式の電子写真装置にお
いて、前記感光体が導電性基体上に直接または下引き層
を介して単層の有機感光層を設けてなり、該感光層が少
なくとも電荷発生顔料、有機正孔移動物質および前記式
化1、化4、化7、化8、化9、化10、化11でそれ
ぞれ表される有機アクセプタ性化合物のいずれかが結着
剤中に分散された構成からなるとともに該感光体表面に
接離する摺擦研磨手段を設けたことを特徴とする潜像転
写方式の電子写真装置が提供される。
【0050】第十に、上記第九に記載した潜像転写方式
の電子写真装置において、摺擦研磨手段が摺擦部材と接
離手段からなることを特徴とする潜像転写方式の電子写
真装置が提供される
【0051】以下に本発明を図面に従い詳細に説明す
る。図1に潜像転写方式の電子写真装置の説明図を示
す。図中、6は感光体表面の摺擦部材、7は摺擦部材と
感光体表面が当接した状態と離間した状態を切り換える
ための接離手段である。図2は静電記録体の説明図であ
る。記録体10は誘電層12、導電性支持層13から構
成される。なお、本発明では、感光体の非帯電部あるい
は低帯電部が静電記録体上に転写されるモード(ネガ転
写)を選択した。
【0052】本発明によれば、感光体1として単層有機
感光体を用いた潜像転写プロセスにおいて、感光体表面
を摺擦研磨することによって、繰り返し使用による記録
体電位の安定性を向上させることができる。従来の積層
感光体では記録体電位を高く取れないという欠点がある
ものの、経時での安定性は優れている。従って、経時で
の特性の劣化は単層感光体に特有の問題であり、単層感
光体を使用する上では感光体表面の摺擦研磨が必要であ
ることが明らかになった。また、感光体表面の摺際研磨
によって繰り返し使用による帯電電位の低下率(暗減衰
の増加率)を減少させることが出来ることを見出した。
【0053】これらの現象の理由は明らかではないが、
潜像転写の繰り返しに伴って感光体の表層が何らかのダ
メージを受けており、表面の摺擦研磨によって劣化した
層を除去することによって、潜像転写性や帯電性を維持
することができるものと考えられる。
【0054】ところで、感光体表面に摺擦部材6を当接
した場合、感光体回転の負荷が増加してしまう。感光体
の表面性のムラや感光体ドラムの偏心がある場合、負荷
変動が大きくなり、デジタル書き込み画像ではハーフト
ーン画像上にバンディングとして現れてしまう。また、
感光体1に摺擦部材6が当接した状態で長時間放置した
場合、摺擦部材で削り取った物質が感光体側に再付着
し、当接部分の特性が劣化してしまう。
【0055】そのため、本発明では、感光体1の停止時
および画像形成動作時には、摺擦部材6を感光体から離
間させておき、画像形成動作以外の感光体回転時にソレ
ノイド等の接離手段7によって摺擦部材6を当接させ
る。摺擦部材の例としては、フェルト、布、ブラシ、ゴ
ムローラ、ゴムブレードなどが挙げられる。また、この
時の当接圧力は、摺擦部材の材質、感光体回転速度など
に応じて最適化される。
【0056】次に本発明で用いられる感光体について説
明する。図3に単層型有機感光体の概略を示す。図3に
おいて、21は導電性基体、22は感光層、23は電荷
発生顔料、24は結着剤26に分子状に分散された有機
正孔輸送物質、25は分子状に分散された有機アクセプ
タ性化合物を表している。
【0057】高画質化を目指した場合には、顕像化まで
の各プロセスを緩やかな条件で実施する必要があり、遅
いプロセス速度となる。このような場合、帯電から転写
までの時間を要すことになる。帯電性が不良な感光体を
用いた場合には、暗減衰速度が速いため、画像部と非画
像部の電位コントラストが低下し、転写後の静電記録体
上の電位コントラストも低くなってしまう。また、感度
が優れていることは、感光体上での電位コントラストが
大きくとれ、静電記録体上での電位コントラストも高く
とれることにつながる。
【0058】正帯電で使用する場合、暗減衰を生じる主
な原因は基体からの電子注入であるが、この帯電極性で
使用する感光体は正孔移動機能がはるかに勝り、基体か
らの電子注入性は低いため帯電性が確保される。また、
ビスアゾ顔料や無金属フタロシアニン顔料の光電荷発生
効率が良好なことに加え、発生した正孔が正孔輸送物質
が分子状に分散されたマトリックスに効率よく注入され
高速に移動するため高感度が発現すると考えられる。
【0059】有機アクセプタ性化合物を使用した場合の
利点は、正孔輸送物質と有機アクセプタ性化合物の組成
を変えることで、正負両方の帯電極性に対応できること
である。有機アクセプタ性化合物の使用は、また、残留
電位の低下と感光体の静電的特性の長寿命化をもたら
す。これらの改良の原因の1つとして、光照射により電
荷発生顔料で発生した正孔と電子のうち電子を引き抜く
ことで電荷発生顔料の内部電界の低減の防止と電気抵抗
の低下を防止することが考えられる。
【0060】
【発明の実施の形態】本発明では電荷発生顔料として、
ビスアゾ顔料や無金属フタロシアニン顔料が用いられ
る。電荷発生顔料の組成は0.3〜10wt%が適当で
ある。これよりも多い場合には、帯電電位が低下し、こ
れよりも少ないと、感光体の光吸収特性が悪化して感度
が低下する。
【0061】本発明に用いられる有機アクセプタ性化合
物の組成は6〜60wt%が適当であり、有機正孔輸送
物質と有機アクセプタ性化合物の重量組成比はが50/
1〜1/5である。これは、有機アクセプタ性化合物の
含有量がこれよりも少ない場合には、残留電位の増加や
感度低下が発生する。これよりも多い場合には、基体か
らの電子注入量が増加し、帯電性が低下してしまう。
【0062】本発明に使用される有機正孔輸送物質とし
ては公知のものが使用でき、例えば、分子中にトリフェ
ニルアミン部位を有する化合物、ヒドラゾン系化合物、
トリフェニルメタン系化合物、オキサジアゾール系化合
物、力ルバゾール基を含む化合物、ピラゾリン系化合
物、スチリル系化合物、ブタジエン系化合物、線状の主
鎖がSiよりなるポリシラン系化合物、ポリビニルカル
バゾール等高分子ドナー性化合物などが挙げられる。
【0063】感光体における結着剤の役割は電荷発生顔
料の良好な分散と、有機正孔輸送物質の分子状の分散ば
かりでなく、複写プロセスで必要とされる感光体の機械
的強度も担っている。しかしながら本感光体が用いられ
るプロセスは感光体上での現像が必要でないため、クリ
ーニングもカールソンプロセスと比べはるかに弱いもの
でよい。従って、カールソンプロセス用感光体と比べ、
本発明の感光体では結着剤の組成を低くすることができ
る。
【0064】本発明で用いることができる結着剤として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、
シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重
付加型樹脂、重縮合型樹脂並びにこれらの繰り返し単位
のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体樹脂を挙げることができる。これ
ら結着剤の感光層全体に占める量は20〜90%、好ま
しくは30〜70重量%である。
【0065】本発明の感光層の厚さは5〜30μmが好
ましい。これより薄いと帯電性が低下し厚いと感光体の
静電容量が低下し転写電位の低下を来す。
【0066】本発明で用いることができる導電性基体と
しては、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の
金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化
スズ、ヨウ化銅の薄膜を塗布したプラスチックフィルム
あるいはガラス等が挙げられる。
【0067】本発明の感光体では帯電性を改良する目的
で感光層と導電性基体の間に下引き層を設けることがで
きる。これらの材料としては前記結着剤材料の他に、ポ
リアミド樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリ
ビニルピロリドン等を用いることができる。
【0068】本発明の感光体をつくるには、前記の材料
を有機溶媒中に溶解または、ボールミル、超音波等で分
散して調整した感光層形成液を浸漬法やブレード塗布、
スプレー塗布等で基体上に塗布し感光層を形成すればよ
い。
【0069】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、これ
により本発明の態様が限定されるものではない。 〔実施例1〕感光体の組成比が 電荷発生顔料/結着剤
(Pc−Z)/有機正孔輸送物質/有機アクセプタ性化
合物の順番に3/50/29/18wt%となるよう
に、テトラヒドロフラン中に下記式化12のフタロシア
ニン顔料、下記式化13のポリカーボネート(Pc−
Z)、下記式14の有機正孔輸送物質、下記式15の有
機アクセプタ性化合物を各々適量づつ加えて塗布液を作
製した。この液をドラム状のアルミニウム基体上にデイ
ッピング塗布法により塗付し、加熱乾燥して約14μm
の単層型感光体を作製した。
【0070】
【化12】
【0071】
【化13】
【0072】
【化14】
【0073】
【化15】
【0074】〔評価〕潜像転写特性および画像品質の評
価は、図1の潜像転写方式の電子写真装置で行った。感
光体ドラムを約+800Vにコロナ帯電した後、波長6
70nmのレーザ光で露光し、ネガ/ポジの潜像パター
ンを作製した。すなわち、画像部の感光体電位は露光に
より約10Vに光減衰する。非画像部の感光体電位は転
写部までの間の暗減衰で減少し、転写部直前の感光体電
位Vsは約790Vとなる。
【0075】アースした導電性の転写ドラムに巻き付け
た静電記録紙を感光体に接触させ、感光体基板側に−7
50Vの転写電圧Vbを印加すると、感光体の露光部と
静電記録紙の間に約−740Vの電位差が生じ、両者の
剥離後に、記録紙上に記録紙電位Vpが転写される。未
露光部は、+790V帯電しているところに−750V
の転写電圧を印加しているので、差し引き+40Vの電
位差になり、電荷の転写は発生しないためVpは0Vと
なる。感光体と記録紙の接触部でのニツプ幅が約5m
m、移動速度を約20mmとした場合、実施例1の感光
体では初期の記録紙電位Vpは−76Vが得られた。
【0076】上記の転写動作を1000回繰り返した後
の記録紙電位Vpおよび帯電電位Vsを測定した。本実
施例では、繰り返し動作の間、常に感光体表面にフェル
ト部材を摺擦させていた。その結果、繰り返しによる残
留電位の上昇によって露光部の電位が約20Vになった
ため、転写の電位差が−730Vに低下し、約1K(1
000枚複写)後のVpは−71Vとなった。また、1
K後のVsは770Vであった。測定誤差なども含め
て、1000回連続繰り返し前後での記録紙電位の変化
率が±10%以内、帯電電位の変化量が±10%以内な
らば、湿式現像による現像特性などから考えて実用上問
題ないと判断した。
【0077】繰り返し試験後、フェルトを離間させた状
態で装置を約12時間停止させた後、フェルトを離間さ
せた状態で1200dpiの網点によるハーフトーン画
像を出力した。その結果、A3サイズの大きさの画像に
おいて、ハーフトーンの均一性は問題ないレベルであっ
た。
【0078】〔比較例1〕繰り返し試験時、感光体表面
にフェルト部材を摺擦させなかった以外は、実施例1と
同様に行った。その結果、1K後のVpは−60V、1
K後のVsは610Vに低下した。また、繰り返し試験
後のべタ画像濃度はID値1.30まで低下してしまっ
た。
【0079】また、繰り返し試験後、フェルトを当接さ
せたままの状態で、さらに約12時間停止させた後、フ
ェルトを当接させたままの状態で1200dpiの網点
によるハーフトーン画像を出力した。
【0080】その結果、A3サイズの大きさの画像にお
いて、感光体の負荷変動によるものと思われるバンデイ
ング画像(感光体回転方向での網点間隔のムラによる縞
状の濃度ムラ)が発生した。また、そのムラ中には感光
体の回転周期で、フェルト当接部に対応すると思われる
帯状の地汚れ部が発生した。これは、装置停止時にフェ
ルトが当接していた部分の感光体表面が何らかの変質を
し、帯電性が低下したためと考えらる。
【0081】〔実施例2〜10〕有機アクセプタ性化合
物を下記式化16から化24までのものにそれぞれ変え
た以外は実施例1と同様にして、計9個の感光体を作製
し、経時の安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0082】
【化16】
【0083】
【化17】
【0084】
【化18】
【0085】
【化19】
【0086】
【化20】
【0087】
【化21】
【0088】
【化22】
【0089】
【化23】
【0090】
【化24】
【0091】〔比較例2〜10〕繰り返し試験時、感光
体表面にフェルト部材を摺擦させなかった以外は、実施
例2〜10と同様に行い、経時の安定性を評価した。結
果を表1示す。
【0092】
【表1】
【0093】〔実施例11〜14〕電荷発生顔料として
下記化式25のジスアゾ顔料を用い、有機アクセプタ性
化合物として下記式化26ないし化29のものをそれぞ
れ用い、感光体の組成比を電荷発生顔料/結着剤(Pc
−Z)/有機正孔輸送物質/有機アクセプタ性化合物の
順番に3/50/27/20wt%とした以外は、実施
例1と同様にして、計4個の感光体を作製し経時の安定
性を評価した。結果を表2に示す。
【0094】
【化25】
【0095】
【化26】
【0096】
【化27】
【0097】
【化28】
【0098】
【化29】
【0099】〔比較例11〜14〕繰り返し試験時、感
光体表面にフェルト部材を摺擦させなかった以外は、実
施例11〜14と同様に行い、経時の安定性を評価し
た。結果を表2に示す。なお、いずれの感光体も繰り返
し使用による残留電位の上昇は無かった。
【0100】〔比較例15〕有機アクセプタ性化合物と
して下記式化30のものを用いた以外は、実施例1と同
様にして感光体を作製し経時の安定性を評価した。結果
を表2に示す。
【0101】
【化30】
【0102】
【表2】
【0103】上記表1および表2の結果から、特定の有
機アクセプタ性化合物を用いた単層の有機感光体表面を
潜像転写を繰り返すごとに摺擦研磨することによって、
繰り返し使用における記録紙電位と帯電電位を安定化さ
せることができることが分かる。
【0104】
【発明の効果】以上のように上記第一ないし第十に記載
した潜像転写方式の電子写真方法およびその装置によれ
ば、特定の有機アクセプタ性化合物を用いた単層の感光
体を用いて潜像転写を繰り返すごとに感光体表面を摺擦
研磨することによって、経時で安定化した静電記録体へ
の転写電位とべタ画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による潜像転写方式の電子写真装置の一
例を示す説明図である。
【図2】静電記録体の構成を示す説明図である。
【図3】本発明による使用される単層型感光体の説明図
である。
【符号の説明】
1 感光体ドラムまたは感光体 2 帯電器 3 レーザ書き込み光 4 感光体表面電位計 5 除電ランプ 6 摺擦部材 7 摺擦部材の接離手段 8 転写電圧電源 9 導電性の転写ドラム 10 静電記録体 11 静電記録体の表面電位計 12 誘電層 13 導電性支持層 21 導電性基体 22 感光層 23 電荷発生顔料 24 分子状に分散された有機正孔輸送物質 25 分子状に分散された有機アクセプタ性化合物 26 結着剤
【化1】
【化2】=C(A)(B
【化3】=N−R
【化4】
【化5】=C(A)(B
【化6】=N−R
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【表1】
【表2】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体上に静電潜像を形成した
    後に、該感光体の表面側に静電記録体を接触させ、該感
    光体と該記録体との間に電圧を印加して該記録体上に該
    感光体に対応した静電潜像を転写し、しかる後に該記録
    体上の静電潜像を可視化する潜像転写方式の電子写真方
    法において、前記感光体が導電性基体上に直接または下
    引き層を介して単層の有機感光層を設けてなり、該感光
    層は少なくとも電荷発生顔料、有機正孔移動物質および
    下式化1で表される有機アクセプタ性化合物が結着剤中
    に分散された構成からなるとともに潜像転写を繰り返す
    ごとに該感光体表面を摺擦研磨することを特徴とする潜
    像転写方式の電子写真方法。 【化1】上式中、R1、R4は同一または異なる、水素原
    子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無
    置換の芳香族基、置換もしくは無置換の複素環基、置換
    もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしく
    は無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアシ
    ル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子よりなる
    群から選ばれた少なくとも1種の基を表す。また、R2
    とR3は同一まはた異なる、水素原子、置換もしくはア
    ルキル基、置換もしくは無置換の芳香族基および置換も
    しくは無置換の複素環基から選ばれた少なくとも1種の
    基を表す。また、R1とR2は結合して環を形成してもよ
    く、同様にR3とR4は結合して複素環を形成してもよ
    く、さらに、これらの環は置換されていてもよい。Xは
    =O、下式化2および化3で表される基よりなる群から
    選ばれた少なくとも1種の基を表す。 【化2】 【化3】上式化2において、A1、B1は同一または異な
    る、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは
    無置換の芳香族基および−COOR6よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の基を表す。また、上式化3にお
    いて、R5は置換もしくは無置換のアルキル基、置換も
    しくは無置換の芳香族基またはシアノ基を表す。前記R
    6は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしく
    は無置換の芳香族基を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1において、有機アクセプタ性化
    合物として下記式化4で表される化合物を用いることを
    特徴とする潜像転写方式の電子写真方法。 【化4】上式中、Xは=O、下式化5および化6で表さ
    れる基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基を表
    す。 【化5】 【化6】上式化5において、A2、B2は同一または異な
    る、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは
    無置換の芳香族基および−COOR8よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の基を表す。上式化6において、
    7は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは
    無置換の芳香族基またはシアノ基を表す。また、R8
    置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無
    置換の芳香族基を表す。
  3. 【請求項3】 請求項1において、有機アクセプタ性化
    合物として下記式化7で表される化合物を用いることを
    特徴とする潜像転写方式の電子写真方法。 【化7】上式中、Wは同一または異なる、水素原子、ハ
    ロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、シアノ
    基およびニトロ基よりなる群から選ばれた少なくとも1
    種の基を表す。nは0〜4の整数を表す。上式中、Xは
    =O、下式化5および化6で表される基よりなる群から
    選ばれた少なくとも1種の基を表す。 【化5】 【化6】上式化5において、A2、B2は同一または異な
    る、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは
    無置換の芳香族基および−COOR8よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の基を表す。上式化6において、
    7は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは
    無置換の芳香族基またはシアノ基を表す。また、R8
    置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無
    置換の芳香族基を表す。
  4. 【請求項4】 請求項1において、有機アクセプタ性化
    合物として下記式化8で表される化合物を用いることを
    特徴とする潜像転写方式の電子写真方法。 【化8】上式中、R9、R10はそれぞれアルキル基、ア
    ルコキシ基、エステル基、ハロゲン原子、シアノ基また
    はニトロ基を表す。また、nは0〜4の整数を表す。
  5. 【請求項5】 請求項1において、有機アクセプタ性化
    合物として下記式化9で表される化合物を用いることを
    特徴とする潜像転写方式の電子写真方法。 【化9】上式中、R9はアルキル基、アルコキシ基、エ
    ステル基、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基を表
    し、R10はアルキル基、置換アルキル基、フェニル基、
    置換フェニル基を表し、これら置換基はアルキル基、ア
    ルコキシ基、エステル基、ハロゲン原子、シアノ基また
    はニトロ基である。また、nは0〜4の整数を表す。
  6. 【請求項6】 請求項1において、有機アクセプタ性化
    合物として下記式化10で表される化合物を用いること
    を特徴とする潜像転写方式の電子写真方法。 【化10】上式中、Rはアルキル基、置換アルキル基、
    シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、フェニル
    基、置換フェニル基を表し、Xは水素原子またはメチル
    基であり、Yはアルコキシ基、置換アルコキシ基、シク
    ロアルコキシ基、置換シクロアルコキシ基、カルバモイ
    ル基または置換カルバモイル基を表す。
  7. 【請求項7】 請求項1において、有機アクセプタ性化
    合物として下記式化11で表される化合物を用いること
    を特徴とする潜像転写方式の電子写真方法。 【化11】上式中、R9、R10はそれぞれアルキル基、
    置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキ
    ル基、フェニル基または置換フェニルを表し、XはO、
    =N(CN)または=C(Y)(Z)を表す。また、Y
    およびZは水素原子、フェニル基、置換フェニル基、ア
    ルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基ま
    たはシアノ基を表す。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6または7
    において、感光体表面の摺擦研磨は、感光体の停止時お
    よび画像形成動作時には摺擦部材を感光体から離間さ
    せ、画像形成動作以外の感光体回転時に摺擦部材を感光
    体に当接させることにより行うことを特徴とする潜像転
    写方式の電子写真方法。
  9. 【請求項9】 電子写真感光体と静電記録体が、両者の
    表面が接触しうる位置に配置され、該感光体表面に形成
    する静電潜像を該記録体表面に転写するための該感光体
    表面と該記録体表面との間に電圧を印加する手段と該記
    録体表面に転写された静電潜像を可視化する現像手段が
    設けられた潜像転写方式の電子写真装置において、前記
    感光体が導電性基体上に直接または下引き層を介して単
    層の有機感光層を設けてなり、該感光層が少なくとも電
    荷発生顔料、有機正孔移動物質および前記式化1、化
    4、化7、化8、化9、化10、化11でそれぞれ表さ
    れる有機アクセプタ性化合物のいずれかが結着剤中に分
    散された構成からなるとともに該感光体表面に接離する
    摺擦研磨手段を設けたことを特徴とする潜像転写方式の
    電子写真装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、摺擦研磨手段が摺
    擦部材と接離手段からなることを特徴とする潜像転写方
    式の電子写真装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019053334A (ja) * 2019-01-11 2019-04-04 三菱ケミカル株式会社 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置

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JP2019053334A (ja) * 2019-01-11 2019-04-04 三菱ケミカル株式会社 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置

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