JPH07287405A - 潜像転写用電子写真感光体 - Google Patents

潜像転写用電子写真感光体

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JPH07287405A
JPH07287405A JP10495994A JP10495994A JPH07287405A JP H07287405 A JPH07287405 A JP H07287405A JP 10495994 A JP10495994 A JP 10495994A JP 10495994 A JP10495994 A JP 10495994A JP H07287405 A JPH07287405 A JP H07287405A
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organic
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JP10495994A
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Hiroshi Kondo
浩 近藤
Masao Yoshikawa
雅夫 吉川
Masayuki Shiyoji
正幸 所司
Tetsuo Suzuki
哲郎 鈴木
Takeo Yamaguchi
剛男 山口
Masahiro Yanagisawa
匡浩 柳澤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電性および感度に優れ、しかも潜像転写電
位が高くとれる潜像転写用電子写真感光体を得る。 【構成】 単層の有機感光層が少なくとも粒子状の電荷
発生顔料と下記一般式(I)で表わされる有機アクセプ
タ性化合物が結着剤中に分散されてなる主として逐次法
潜像転写に好適な電子写真感光体。 式中、R1およびR2はそれぞれ(置換)アルキル基、
(置換)フェニル基、置換もしくは無置換の多環芳香族
基、置換もしくは無置換の複素環基、アルコキシ基、エ
ステル基、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基を表
わす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は潜像転写方式に用いら
れ、特に高精細な画像出力用の潜像転写方式に好適な単
層型の(感光層が一層からなる)有機電子写真感光体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法の一方式であるカールソンプ
ロセスに用いられる感光体として多くの感光体方式と構
成材料が知られている。望まれる要求品質を達成するた
め、感光体の機能を分離し、組成や成分を変えたいくつ
かの層にそれらに機能を分担させた、いわゆる機能分離
方式が現在の感光体の主方式となっている。この方式に
より、帯電性、感度、機械的強度やこれらの繰り返し性
使用性が実用上十分な程度に満足されてきている。その
背景には数多くの材料の開発がある。とりわけ、有機材
料は材料種類が豊富であり、また電気絶縁性にも優れて
いることから多くの材料出願がなされている。電荷発生
物質としては、例えばフタロシアニンについて、として
特公昭49−4338号公報にX型の無金属フタロシア
ニン、特開昭48−724号公報にはπ型の無金属フタ
ロシアニン、特開昭58−182639号公報にはτ型
の無金属フタロシアニン、特開昭51−23738号公
報にはε型の銅フタロシアニン、特開昭59−4954
4号公報にはチタニルフタロシアニン結晶、特開昭61
−239248号公報にはα型チタニルフタロシアニ
ン、特開昭62−67094号公報にはβ型チタニルフ
タロシアニン、ジスアゾ顔料について、特開昭47−3
7543、52−4241、53−95033、54−
727号公報に開示されている。
【0003】正孔移動物質として、特開昭52−124
330号公報、52−139064号公報にオキサジア
ゾール化合物、特開昭55−46760号公報、55−
46761号公報にヒドラゾン化合物、特開昭56−1
19132号公報にベンジジン系のジアミン化合物、特
開昭58−65440号公報、58−198043号公
報にスチリルトリアリールアミン化合物、特開平3−1
07860号公報にブタジエン系化合物が開示されてい
る。また、感光体の構成としてよく知られている機能分
離型の積層構成のほか、特開昭54−1633号公報で
は電荷発生顔料を電荷輸送物質であるドナーとアクセプ
タとともに樹脂中に分散した単層感光体が、さらに特開
平3−256050号公報ではアクセプタとしてジフェ
ノキノン誘導体を用いた上記と同様の構成の単層感光体
の提案がなされている。
【0004】一方、電子写真法の一方式である潜像転写
方式は、上記用いられるカールソン法と異なり、感光体
と静電潜像保持が可能な静電記録体の間に電圧を印加す
ることにより、感光体上に形成された静電潜像を静電記
録体上に転写し、しかる後に転写された静電潜像を現像
し可視化するものである。この方式は古くから知られて
いて、例えばR.M.シャファート著「電子写真」(共
立出版、昭和48年)、70頁にTESI(潜像転写)
法の記載がある。それによると、潜像転写法には、感光
体上に先ず静電潜像が作られ次に静電記録体上に該静電
像を転写する逐次法と、静電記録体と感光体を接触した
状態で静電製造を作る直接法がある。潜像転写法はカー
ルソン法と比べ、記録体として導電層と誘電層が必要で
あるため普通紙を用いることができない欠点があるが、
感光体上に静電潜像を直接現像する必要がないため、電
子写真プロセスに必要な各種ユニットを電子写真感光体
回りに配置する装置設計の余裕度が高いメリットがあ
る。このようなメリットを生かし、電子写真装置の創生
期の頃には逐次潜像転写法を採用した複写機が市販され
たこともあった。このような複写機に用いられた電子写
真感光体として、蒸着Se層を電荷発生層とし、ポリビ
ニルカルバゾールを電荷輸送層に用いた積層型感光体が
ある。しかしながら、このような逐次転写方式を用いた
複写機に適用可能な感光体は、特殊な特性を持つ必要は
なく、上記カールソン法用の電子写真用感光体をそのま
ま逐次転写方式の潜像転写プロセス用の感光体として用
いることが可能である。
【0005】これに対し、同時転写方式では感光体に対
する工夫が逐次転写以上に要求されるため、例えば特開
昭56−43665号公報では高耐圧の要請に対し絶縁
性を設ける等の出願がなされている。しかしながら最近
では、このようなカールソン法の適用範囲の中でカール
ソン法と対抗するのではなく、カールソン法では困難な
高品質な電子写真画像出力用に潜像転写法を見直しの検
討がなされている。逐次転写方式では現像後の転写工程
が必要でないため、カールソン法と比べ本来的に高精細
な高品質画像が得られる可能性を有しているからであ
る。このような高品質画像出力装置に用いられる潜像転
写方式用の感光体としては、感度が高く、繰り返しによ
る電位の安定が重要な要素であるが、とりわけ、高い転
写電位が達成できるものを使用する必要がある。転写電
位が低いと出力画像の濃度が低くなる。転写電位を高め
るには、潜像転写時に感光体の電位と記録体導電層の電
位の差を大きくするよう転写電圧を印加すればよいが、
転写電圧を高くし過ぎると、画像抜けのような異常画像
が発生する問題が生じる。また、記録体の誘電層を厚く
すると記録体の電位が向上するが、この場合でも、転写
された電荷量は増大しない。高画質化のためプロセス速
度を遅くしたシステムでは、現像濃度は主として記録体
の表面電荷量で決定されるため、このような方策では画
像濃度を高くすることができないことが理解される。以
上の問題を考慮すると、高画質潜像転写プロセスには、
静電記録体の転写電位を高く確保できる電子写真感光体
が望まれていることが理解される。しかしながら、従来
用いられてきた電子写真感光体を潜像転写プロセスに用
いた場合、直ちに高い転写電位が得られるかどうかは不
明であった。実際に、積層型感光体を該プロセスに適用
した場合には転写電位としては、かなり低いものしか得
られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、帯電
性、感度に優れ、しかも潜像転写電位が高くとれる潜像
転写用の電子写真感光体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、電子写真感光体上に静電潜像を形成した後に、該感
光体の表面側に静電記録体を接触させ、該感光体と該静
電記録体の間に電圧を印加して静電記録体上に感光体に
対応した静電潜像を転写し、しかる後、該静電記録体上
の静電潜像を可視化する潜像転写方式の電子写真法に用
いられる電子写真感光体において、導電性基体上に直接
または下引き層を介して単層の有機感光層を設けてな
り、該感光層は少なくとも粒子状で分散された電荷発生
顔料と下記一般式(I)で表わされる有機アクセプタ性
化合物を含有する潜像転写用電子写真感光体が提供され
る。 上式中、R1およびR2はそれぞれアルキル基、置換アル
キル基、フェニル基、置換フェニル基、置換もしくは無
置換の多環芳香族基、置換もしくは無置換の複素環基、
アルコキシ基、エステル基、ハロゲン原子、シアノ基ま
たはニトロ基を表わす。またこれらの置換基としてはア
ルキル基、アルコキシ基、エステル基、ハロゲン原子、
シアノ基またはニトロ基が挙げられる。また本発明によ
れば、第二に、上記第一に記載した潜像転写用電子写真
感光体において、感光層の結着剤中に、さらに有機正孔
輸送物質が分散されてなる潜像転写用電子写真感光体が
提供され、第三に、上記第二に記載した潜像転写用電子
写真感光体において、有機アクセプタ化合物と有機正孔
輸送物質の重量組成比が1/50〜5/1の範囲にある
潜像転写用電子写真感光体が提供される。
【0008】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の単層型感光体における有機アクセプタ性化合物の役
割は、残留電位の低下と感光体の静電的特性の長寿命化
である。有機アクセプタ性化合物によりこれらの特性が
改良される原因は明確ではないが、その一つとして光照
射により顔料で発生した正孔と電子のうち電子を引きぬ
くことで顔料の内部電界の低減の防止と電気抵抗の低下
を防止することが考えられる。本発明で用いる有機アク
セプタ性化合物の具体例を表1に示す。
【0009】
【表1−(1)】
【0010】
【表1−(2)】
【0011】
【表1−(3)】
【0012】
【表1−(4)】
【0013】
【表1−(5)】
【0014】
【表1−(6)】
【0015】
【表1−(7)】
【0016】
【表1−(8)】
【0017】
【表1−(9)】
【0018】
【表1−(10)】
【0019】
【表1−(11)】
【0020】
【表1−(12)】
【0021】
【表1−(13)】
【0022】
【表1−(14)】
【0023】
【表1−(15)】
【0024】
【表1−(16)】
【0025】
【表1−(17)】
【0026】本発明で用いることができる電荷発生顔料
としては、例えば、X型の無金属フタロシアニン、π型
の無金属フタロシアニン、τ型の無金属フタロシアニ
ン、ε型の銅フタロシアニン、α型チタニルフタロシア
ニン、β型チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン
顔料やジスアゾまたはトリスアゾ系顔料、アントラキノ
ン系顔料、多環キノン系顔料、インジゴ顔料、ジフェニ
ルメタン、トリメチルメタン系顔料、シアニン系顔料、
キノリン系顔料、ベンゾフェノン、ナフトキノン系顔
料、ペリレン顔料、フルオレノン系顔料、スクアリリウ
ム系顔料、アズレニウム系顔料、ペリレン系顔料、キナ
クリドン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、ポルフィリ
ン系顔料が使用できる。前記有機アクセプタ性化合物と
組み合わせて使用が可能なこれら電荷発生顔料の感光層
全体に占める量は、0.1〜40重量%、好ましくは
0.3〜25重量%である。
【0027】本発明で使用する有機正孔輸送物質として
は従来公知のものが利用でき、例えば、分子中にトリフ
ェニルアミン部位を有する化合物、ヒドラゾン系化合
物、トリフェニルメタン系化合物、オキサジアゾール系
化合物、カルバゾール基を含む化合物、ピラゾリン系化
合物、スチリル系化合物、ブタジエン系化合物、線状の
主鎖がSiよりなるポリシラン系化合物、ポリビニルカ
ルバゾール等の高分子ドナー性化合物等が挙げられる。
感光層全体に占める該有機正孔輸送物質の量は10%重
量以上、好ましくは20〜60重量%である。
【0028】次に本発明を添付の図面に従いながら更に
詳細に説明する。図1(a)において、1は導電性基
体、2は感光層、21は電荷発生顔料、22は結着剤2
3に分子状に分散された有機アクセプタ性化合物を表わ
している。また、図1(b)は、分子状に分散された有
機正孔輸送物質24が添加された感光体を表わしてい
る。また、図2は逐次転写方式における静電潜像の転写
を表わしている。図中、3は静電記録体、31は静電記
録体の誘電層、32は静電記録体の導電層、4は導電ロ
ーラ、5は転写時の電圧印加を示している。なお、印加
電圧値の設定により感光体の帯電部が転写されるモード
(ポジ転写)と感光体の非帯電部あるいは低帯電部が転
写されるモード(ネガ転写)が選択できる。
【0029】本発明のこのような感光体は帯電性と感度
に優れ、逐次転写プロセスに用いると白抜けのような異
常画像が出現しない転写条件で、記録体の転写電位を充
分な現像濃度が達成できるところまで高くとれる。この
理由は現時点では明瞭ではないが帯電性と感度が高いこ
とも次の理由から転写電位が高くとれることにつながっ
ているものと推定される。
【0030】すなわち、高画質化を目指した場合には、
顕像化までの各プロセスを緩やかな条件で実施する必要
があり、遅いプロセス速度となる。このような場合、帯
電から転写までの時間を要することになる。帯電性が不
良な感光体を用いた場合には、暗減衰速度が遅いため、
画像部と非画像部の電位コントラストが低下し、転写後
の静電記録体上の電位コントラストも低くなってしま
う。また、感度が優れていることは、感光体上での電位
コントラストが大きくとれ、静電記録体上での電位コン
トラストも高くとれることにつながる。また、有機アク
セプタ性化合物を使用した場合の利点は、正孔輸送物質
と有機アクセプタ性化合物の組成を変えることで、正負
両方の帯電極性に対応できることである。有機アクセプ
タ性化合物の使用は、また、残留電位の低下と感光体の
静電的特性の長寿命化をもたらす。これらの改良の原因
は明確ではないが、その一つとして光照射により電荷発
生顔料で発生した正孔と電子のうち電子を引きぬくこと
で電荷発生顔料の内部電界の低減の防止と電気抵抗の低
下を防止することが考えられる。
【0031】有機アクセプタ性化合物を使用した場合、
有機アクセプタ性化合物と正孔輸送物質の重量組成比は
1/50〜5/1である。有機アクセプタ性化合物の含
有量がこれよりも少ない場合には静電特性の繰り返しが
低下し、これよりも多い場合には帯電性が劣化する。
【0032】感光体における結着剤の役割は電荷発生顔
料の良好な分散と、正孔輸送材料の分子状の分散ばかり
でなく、複写プロセスで必要とされる感光体の機械的強
度も担っている。しかしながら、本発明の感光体が用い
られるプロセスは感光体上での現像が必要でないため、
クリーニングもカールソンプロセスと比べ、はるかに弱
いものでよい。従って、カールソンプロセス用感光体と
比べ、本発明の感光体では結着剤の使用量を低くするこ
とができる。
【0033】本発明で用いることができる結着剤として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、
シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重
付加型樹脂、重縮合型樹脂並びにこれらの繰り返し単位
のうち二つ以上を含む共重合体樹脂、例えば、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体樹脂を挙げることができる。これ
ら結着剤の感光体全体に占める量は20〜90重量%、
好ましくは30〜70重量%である。
【0034】本発明の感光層の厚さは5〜30μmが好
ましい。これより薄いと帯電性が低下し、厚いと感光体
の静電容量が低下し転写電位の低下を来たす。本発明で
用いることができる導電性基体としては、アルミニウ
ム、ニッケル、銅、ステンレス等の金属板、金属ドラム
もしくは金属箔、また、アルミニウム、酸化スズ、ヨウ
化銅の薄膜を塗布したプラスチックフィルムあるいはガ
ラス等が挙げられる。
【0035】本発明の感光体では帯電性を改良する目的
で感光層と導電性基体の間に下引き層を設けることがで
きる。これらの材料としては前記結着剤材料の他に、ポ
リアミド樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリ
ビニルピロリドン等を用いることができる。本発明の感
光体を作製するには、前記の材料を有機溶媒中に溶解ま
たはボールミル、超音波等で分散して調製した感光層形
成液を浸漬法やブレード塗布、スプレー塗布等の公知の
方法で基体上に塗布し感光層を形成すればよい。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、こ
れにより本発明の態様が限定されるものではない。
【0037】実施例1 下記構造式(A)のフタロシアニン顔料1gをポリカー
ボネート(PC)溶液10g(テトラヒドロフラン中に
10重量%溶解したもの)、テトラヒドロフラン9gと
ともにボールミリングした後、顔料組成30重量%、P
C組成が50重量%、表1のNo.25の有機アクセプ
タ性化合物が20重量%となるよう15重量%のPC溶
液、アクセプタ性化合物を加え感光体の塗布液を調製し
た。この液をアルミニウム基体上にブレードコート法に
て塗布し加熱乾燥して約13μmの単層型感光体を作製
した。この感光体を暗中で+6.5KVでコロナ帯電
し、暗減衰後の表面電位が600Vになったところで、
30luxのタングステン光を1秒間照射した。光照射
後静電記録紙を感光体の表面に張り付け、導電ローラに
より+800Vの電圧を静電記録紙の導電層に印加しな
がら記録紙を感光体から剥離した。静電記録紙上の表面
電位を測定したところ、−180Vが得られた。静電記
録紙の静電容量より、この電位は、表面電荷密度7.7
×10-8C/cm2に相当し現像に対して充分な表面電
荷密度に達していることがわかった。また、未露光部に
対して同様の条件で転写電位を測定したところ、転写電
位は0Vであった。また、本測定を100回繰り返して
転写電位の変化を調べたが、転写電位の低下は5V未満
であった。
【化1】
【0038】実施例2 上記構造式(A)のフタロシアニン顔料1gをポリカー
ボネート(PC)溶液10g(テトラヒドロフラン中に
10重量%溶解したもの)、テトラヒドロフラン9gと
ともにボールミリングした後、顔料組成3重量%、PC
組成が50重量%、表1のNo.25の有機アクセプタ
性化合物が18重量%、さらに下記構造式(B)の正孔
輸送物質が29重量%となるように15重量%のPC溶
液、アクセプタ性化合物、正孔輸送物質を加え感光体の
塗布液を調製した。以下、実施例1と同様に感光層を作
製し、転写特性を測定した。転写電位は露光部で−18
0V、未露光部で0Vで、100回繰り返し後の転写電
位の低下も5V未満であった。
【化2】
【0039】実施例3〜7 実施例2の有機アクセプタ性化合物を表2記載のものに
代えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し、転写特
性を測定した。結果を表2に示す。
【表2】
【0040】実施例8 実施例2の顔料を下記構造式(C)で表わされるビスア
ゾ系顔料に代え、さらに構造式(B)で示された正孔輸
送物質を添加して、顔料組成6重量%、PC組成が50
重量%、有機アクセプタ性化合物が18重量%、正孔輸
送物質が26重量%となるように塗布液を調製し、以下
実施例2と同様にして感光体を作製し、転写特性を測定
した。転写電位は、露光部で−175V、未露光部で0
Vで、100回繰り返し後の転写電位の低下も5V未満
であった。
【化3】
【0041】実施例9〜14 実施例8の有機アクセプタ性化合物を表3記載のものに
代えた以外は実施例8と同様に感光体を作製し、転写特
性を測定した。結果を表3に示す。
【表3】
【0042】比較例1 実施例2の有機アクセプタ性化合物を除いた以外は実施
例2と同様の方法で感光体を作製した。実施例1と同様
の評価を行なったところ、初期の転写電位は未露光部で
0Vで、露光部で−70Vであったが、100回繰り返
したところ、露光部の転写電位が−60Vにまで低下す
ることが判った。
【0043】比較例2 実施例1の基体上に実施例1で使用したフタロシアニン
と樹脂(重量比で1/1)からなる電荷発生層を厚さ約
0.5μm設けた。その上に実施例1で使用した有機ア
クセプタ性化合物1gと樹脂1gをテトラヒドロフラン
18gに溶解した液を塗布し12μmの電荷輸送層を設
けた。この感光体を実施例1と同様に転写電位の測定を
行なったところ、未露光部で−50V、露光部で0Vの
結果となった。
【0044】
【発明の効果】本発明の単層型電子写真感光体は、少な
くとも電荷発生顔料と有機アクセプタ性化合物とが結着
剤中に分散され、あるいはさらにこれらに加えて有機正
孔輸送物質が添加された構成からなり、該有機アクセプ
タ性化合物として一般式(I)で表わされる化合物を用
いたことから、これを静電転写プロセスに用いた場合、
高い転写電位が得られ、しかも耐久性に優れたものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明にかかわる単層型電子写真感光体
の感光層内部に含有された材料を概念的に示した説明図
である。 (b)本発明にかかわる単層型電子写真感光体の感光層
内部に含有された材料を概念的に示した説明図である。
【図2】逐次転写における潜像転写の例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 導電性基体 2 感光層 21 電荷発生顔料 22 有機アクセプタ性化合物 23 結着剤 24 有機正孔輸送物質 3 静電記録体、 31 誘電層 32 導電層 4 導電ローラ 5 転写時の電圧印加
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 哲郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山口 剛男 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 柳澤 匡浩 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体上に静電潜像を形成した
    後に、該感光体の表面側に静電記録体を接触させ、該感
    光体と該静電記録体の間に電圧を印加して静電記録体上
    に感光体に対応した静電潜像を転写し、しかる後、該静
    電記録体上の静電潜像を可視化する潜像転写方式の電子
    写真法に用いられる電子写真感光体において、導電性基
    体上に直接または下引き層を介して単層の有機感光層を
    設けてなり、該感光層は少なくとも粒子状で分散された
    電荷発生顔料と下記一般式(I)で表わされる有機アク
    セプタ性化合物を含有する潜像転写用電子写真感光体。 (式中、R1およびR2はそれぞれアルキル基、置換アル
    キル基、フェニル基、置換フェニル基、置換もしくは無
    置換の多環芳香族基、置換もしくは無置換の複素環基、
    アルコキシ基、エステル基、ハロゲン原子、シアノ基ま
    たはニトロ基を表わす。)
  2. 【請求項2】 感光層の結着剤中に、さらに有機正孔輸
    送物質が分散された請求項1の潜像転写用電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 有機アクセプタ化合物と有機正孔輸送物
    質の重量組成比が1/50〜5/1の範囲にある請求項
    1又は2の潜像転写用電子写真感光体。
JP10495994A 1994-04-19 1994-04-19 潜像転写用電子写真感光体 Pending JPH07287405A (ja)

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