JP3458255B2 - 潜像転写方式による電子写真プロセス - Google Patents

潜像転写方式による電子写真プロセス

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JP3458255B2 JP12300695A JP12300695A JP3458255B2 JP 3458255 B2 JP3458255 B2 JP 3458255B2 JP 12300695 A JP12300695 A JP 12300695A JP 12300695 A JP12300695 A JP 12300695A JP 3458255 B2 JP3458255 B2 JP 3458255B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高繊細な画像出力用と
して好適な潜像転写方式による電子写真プロセスに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法の一方式であるカールソンプ
ロセスに用いられる感光体には多くの感光体方式と構成
材料が知られている。構成材料による分類としては無機
系と有機系の二つに大別され、無機系感光体としては、
現在、a−Se、a−Si等を真空成膜法を適用して感
光体ドラムを作製している。また、有機系感光体として
は、感光体の機能を分離し、組成や成分を変えた、いく
つかの層により、帯電性、感度、機械的強度やこれらの
繰り返し性、使用性が実用上十分な程度に満足されてき
ている。その背景には数多くの材料開発がある。とりわ
け、有機材料は種類が豊富であり、また電気絶縁性にも
優れていることから多くの提案がなされている。
【0003】それらのうち電荷発生物質として、例え
ば、フタロシアニンに関するものとして特公昭49−4
338号公報にはX型無金属フタロシアニンが、特開昭
48−724号公報にはπ型の無金属フタロシアニン
が、特開昭58−182639号公報にはτ型の無金属
フタロシアニンが、特開昭51−23738号公報には
ε型の銅フタロシアニンが、特開昭59−49544号
公報にはチタニルフタロシアニン結晶が、特開昭61−
239248号公報にはα型チタニルフタロシアニン、
特開昭62−67094号公報にはβ型チタニルフタロ
シアニンが開示され、また、ジスアゾ顔料に関するもの
として特開昭47−37543、同52−4241、同
53−95033、同54−727号公報等がある。
【0004】また、正孔移動材料の例として、特開昭5
2−124330、同52−139064号公報にオキ
サジアゾール化合部が、特開昭55−46760、同5
6−46761号公報にヒドラゾン化合物が、特開昭5
6−119132号公報にベンジジン系のジアミン化合
物が、特開昭58−65440、同58−198043
号公報にスチリルトリアリールアミン化合物が、特開平
3−107860号公報にブタジエン系化合物が開示さ
れている。
【0005】また、感光体の構成としてよく知られてい
る機能分離型の積層構成のほか、特開昭54−1633
号公報では電荷発生顔料を電荷輸送物質であるドナーと
アクセプタと共に樹脂中に分散した単層感光体が、さら
に特開平3−256050号公報ではアクセプタ性化合
物としてジフェノキノン誘導体を用いた上記と同様の構
成の単層感光体の提案がなされている。
【0006】一方、電子写真法の一方式である潜像転写
方式は、上述のカールソン法と異なり、感光体と静電潜
像保持が可能な静電記録体との間に電圧を印加すること
により、感光体上に形成された静電潜像を静電記録体上
に転写し、しかる後に転写された静電潜像を現像し可視
化するものである。この方式は古くから知られ、例えば
R.M.シャファート著「電子写真」(共立出版、昭和
48年)、70頁にTES1(潜像転写)法の記載があ
る。それによると、潜像転写法には、感光体上に先ず静
電潜像が作られ、次に静電記録体上に該静電潜像を転写
する逐次法と、静電記録体と感光体を接触した状態で静
電潜像を作る直接法がある。本発明はこの内、主として
逐次法に好適な電子写真感光体に関するものである。
【0007】潜像転写法はカールソン法と比べ、記録体
として導電層と誘電層が必要であるため普通紙を用いる
ことができない欠点があるが、感光体上の静電潜像を直
接現像する必要がないため、電子写真プロセスに必要な
各種ユニットを電子写真感光体周りに配置する装置設計
の余裕度が高いメリットがある。このようなメリットを
生かし、電子写真装置の創製期の頃には逐次先祖んしゃ
法を採用した複写機が市販されたこともあった。このよ
うな複写機に用いられた電子写真感光体として、蒸着S
e層を電荷発生層とし、ポリビニルカルバゾールを電荷
輸送層に用いた積層型感光体がある。しかしながら、こ
のような逐次転写方式を用いた複写機に適用可能な感光
体は、特殊な特性を持つ必要はなく、上記カールソン法
用の電子写真用感光体をそのまま逐次転写方式の潜像転
写プロセス用の感光体として用いることが可能である。
これに対し、同じ転写方式では感光体に対する工夫が逐
次転写方式以上に要求されるため、例えば特開昭56−
43665号公報では高耐圧の要請に対し絶縁層を設け
るなどの提案がなされている。しかしながら、最近で
は、このようなカールソン法の適用範囲の中でカールソ
ン法と対抗するのではなく、カールソン法では困難な高
品質な電子写真画像出力用に潜像転写法を見直す検討が
なされている。潜像転写方式では現像後の転写工程が必
要でないため、カールソン法と比べ本質的に高精細な高
品質画像が得られる可能性を有しているからである。
【0008】このような高品質画像出力装置に用いる潜
像転写方式用の感光体としては、高画質化に対応しうる
静電特性、繰り返しによる電位の安定が重要な要素であ
るが、とりわけ、転写電位が高くとれる必要がある。静
電記録体上への転写電位が低いと出力画像の濃度が低く
なる。
【0009】転写電位を高める一つの方法として、記録
体の誘電層を厚くすることが挙げられる。しかし、この
場合、記録体の電位は向上するが、記録体の静電容量は
それと反比例する形で小さくなるため、転写された電荷
量は増大しない。高画質化のためにプロセス速度を遅く
したシステムでは、現像濃度は主として記録体の表面電
荷量で決定されるため、このような方策では画像濃度を
高くすることができないことが理解される。また、他の
方法として、潜像転写時に感光体の電位と記録体導電層
の電位の差を大きくするような転写電圧を印加すること
が挙げられる。しかし、転写電圧を高くしすぎると画像
ぬけのような異状画像が発生する問題が生じる。感光体
の面から転写電位を高める方法として、感光層の薄膜化
により静電容量を増加することが挙げられる。しかし、
感光層の薄膜化は帯電性の低下を招くだけでなく感光体
の電気的耐圧性を下げることになり、この場合、感光層
の破壊などにより異状画像が発生する問題が生じる。以
上の問題を考慮すると、高画質潜像転写プロセスには、
ある一定の膜厚を有し、ある程度以下の低い転写電圧で
記録体上に転写電位を高く確保できる感光体が望まれて
いる。しかしながら、高い転写電位を得るためのメカニ
ズムは完全には理解されておらず、このため、前記の条
件を満足するような感光体の開発は非常に困難であっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みてなされたもので、潜像転写電位の高い電子写
真感光体が得られる潜像転写方式による電子写真プロセ
スを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、電子写真感光体上に静電潜像を形成した後に該感光
体の表面に静電記録体を接触させ、該感光体と該記録体
の間に電圧を印加して該記録体上に該感光体に対応した
静電潜像を転写し、しかる後、前記記録体上の静電潜像
を可視化する潜像転写方式による電子写真プロセスにお
いて、潜像転写におけるプロセスとして感光体露光部を
転写するプロセスを用い、かつ、静電記録体上に電荷を
転写する方法として負電荷を転写する方法を用い、使用
する電子写真感光体の感光層には少なくとも正孔輸送物
質を含有させることを特徴とする潜像転写方式による電
子写真プロセスが提供される。第二に、上記第一に記載
した潜像転写方式による電子写真プロセスにおいて、正
孔輸送物質の感光層全体に占める組成比が15重量%以
上であることを特徴とする潜像転写方式による電子写真
プロセスが提供される。第三に、上記第一又第二に記載
した潜像転写方式による電子写真プロセスにおいて、正
孔輸送物質の電子供与性が飽和カロメル電極に対する酸
化電位の値として0.9V vs SCE.以下である
ことを特徴とする潜像転写方式による電子写真プロセス
が提供される。第四に、上記第一に記載した潜像転写方
式による電子写真プロセスにおいて、負電荷に代えて正
電荷を転写する方法を用い、感光層に正孔輸送物質に代
えて電子輸送物質を含有させることを特徴とする潜像転
写方式による電子写真プロセスが提供される。第五に、
上記第四に記載した潜像転写方式による電子写真プロセ
スにおいて、電子輸送物質の感光層全体に占める組成比
が15重量%以上であることを特徴とする潜像転写方式
による電子写真プロセスが提供される。第六に、上記第
四又は第五に記載した潜像転写方式による電子写真プロ
セスにおいて、電子輸送物質の電子供与性が飽和カロメ
ル電極に対する還元電位の値として−0.9V vs
SCE.以上であることを特徴とする潜像転写方式によ
る電子写真プロセスが提供される。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明者らは、電子写真感光体上に静電潜
像を形成した後に、該感光体の表面側に静電記録体を接
触させ、該感光体と該記録体の間に電圧を印加して該記
録体上に感光体を対応した静電潜像を転写し、しかる後
に、前記静電記録体上の静電潜像を可視化する潜像転写
方式による電子写真プロセスにおいて、潜像転写におけ
るプロセスとして感光体露光部を転写するプロセスを用
い、かつ、該静電記録体上に電荷を転写する方法として
負電荷を転写する場合において、高い転写電位を得るた
めのモデルを以下のように考え、これを検証することに
より所望の感光体を得るに至った。この転写条件におけ
る静電記録体上への負電荷の転写は、静電記録体と感光
体との間の放電現象による電荷の誘起であるが、この時
感光体側には正電荷が誘起され、これらの電荷量は通常
バイアス印加電圧、感光体及び静電記録体の静電容量に
よって決定される。放電がある程度継続し、感光体表層
と静電記録体表層にそれぞれ所定の電荷量が誘起される
と、感光体と静電記録体の間の電界強度はこの間の空気
層の絶縁破壊電圧を下回り、放電は停止し電荷の転写は
行われなくなる。ここで、感光体表層に誘起された正電
荷の一部が感光層内部へ注入した場合も上記と同様に、
感光体と静電記録体の間の電界強度が空気層の絶縁破壊
電圧を下回った時放電が停止するのであるが、この時正
電荷の注入がない場合と比較しさらなる放電の継続が行
われるものと考えられ、この場合、より大きな電荷が静
電記録体上に誘起されるものと考えられる。本発明者ら
は、この転写モデルの検証のため感光層に正孔輸送物質
を用い転写を行ったところ、正孔輸送物質がない系より
も高い転写電位が得られることが判明した。これは感光
体表層の正電荷が正孔輸送物質によって感光層へ注入さ
れたためであると考えられる。よって本発明では、潜像
転写方式による電子写真プロセスにおいて、潜像転写時
におけるプロセスとして感光体露光部を転写するプロセ
スを用い、かつ、該静電記録体上に負電荷を転写する場
合において、使用する電子写真感光体の感光層に少なく
とも正孔輸送物質が用いられていることを特徴とする潜
像転写用方式による電子写真プロセスが提供される。こ
の転写条件において、正孔輸送物質を含有していない場
合、感光体表層の正電荷の感光層への注入が行われ難
く、高い転写電位を得ることが出来ず、この場合、所望
の画像濃度を得ることが出来ないため、実用上不適当で
ある。
【0014】また、本発明では前記正孔輸送物質の感光
層全体に占める組成比が15重量%以上であることを特
徴とする上記電子写真プロセスが提供され、この値以上
のとき高い転写電位が得られる。重量組成比がこれ未満
の場合、前記と同様感光体表層の正電荷の感光層への注
入が行われ難く、十分な転写電位を得ることが出来ない
と考えられる。また、本発明では前記施工輸送物質の電
子供与性が飽和カロメル電極に対する酸化電位の値とし
て0.9V vs SCE.以下であることを特徴とす
る上記電子写真プロセスが提供され、電子供与性がこの
値以下のとき高い転写電位が得られる。電子供与性の値
がこれを越える正孔輸送物質を用いた感光体では感光体
表層の正電荷の感光層への注入が行われ難く、十分な転
写電位を得ることが出来ないと考えられる。ここで規定
した酸化電位の値とは、その数値が小さくなるほど電子
供与性が強くなることを示す。
【0015】本発明に利用される正孔輸送物質としては
公知のものが利用でき、無機系物質の例としては前記a
−Se、a−Si等が挙げられる。有機物質の例として
は分子中にトリフェニルアミン部位の有する化合物、ヒ
ドラゾン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、オキ
サアジアゾール系化合物、カルバゾール基を含む化合
物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、ブタジエ
ン系化合物、線状の主鎖がSiよりなるポリシラン化合
物、ポリビニルカルバゾール等高分子ドナー性化合物等
が挙げられる。また、本発明では前記正孔輸送物質は単
独または数種を組み合わせて使用することができる。さ
らに、本発明者らは、上述した潜像転写方式による電子
写真プロセスにおいて、静電記録体上に負帯電を転写す
る方法に代えて正電荷を転写する場合において、高い転
写電位を得るためのモデルを以下のように考え、これを
検証することで所望の感光体を得るに至った。この転写
条件における静電記録体上への正電荷の転写は、静電記
録体と感光体との間の放電現象による電荷の誘起である
が、この時感光体側には負電荷が誘起され、これらの電
荷量は通常バイアス印加電圧、感光体及び静電記録体の
静電容量によって決定される。放電がある程度継続し、
感光体表層と静電記録体表層にそれぞれ所定の電荷量が
誘起されると、感光体と静電記録体の間の電界強度はこ
の間の空気層の絶縁破壊電圧を下回り、放電は停止し電
荷の転写は行われなくなる。ここで、感光体表層に誘起
された負電荷の一部が感光素内部へ注入した場合も上記
と同様に、感光体と静電記録体の間の電界強度が空気層
の絶縁破壊電圧を下回った時放電が停止するのである
が、この時負電荷の注入がない場合と比較し、さらなる
放電の継続が行われるものと考えられ、この場合、より
大きな電荷が静電記録体上に誘起されるものと考えられ
る。本発明者らは、この転写モデルの検証のため感光層
に電子輸送物質を用い転写を行ったところ、電子輸送物
質がない系よりも高い転写電位が得られることが判明し
た。これは感光体表層の負電荷が電子輸送物質によって
感光層へ注入されたためであると考えられる。
【0016】よって、本発明では、潜像転写方式による
電子写真プロセスにおいて、潜像転写時におけるプロセ
スとして感光体露光部を転写するプロセスを用い、か
つ、該静電記録体上に正電荷を転写する方法を用い、該
電子写真感光体の感光層に正孔輸送物質に代えて少なく
とも電子輸送物質を含有させることを特徴とする潜像転
写方式による電子写真プロセスが提供される。この転写
条件において電子輸送物質を含有していないときは、感
光体表層の負電荷の感光層への注入が行われ難く高い転
写電位を得ることが出来ず、この場合は、所望の画像濃
度を得ることが出来ないため、実用上不適当である。
【0017】また、本発明では前記電子輸送物質の感光
層全体に占める組成比が15重量%以上であることを特
徴とする上記電子写真プロセスが提供され、この値以上
のとき高い転写電位が得られる。重量組成比がこれ未満
の場合、前記と同様感光体表層の負電荷の感光層への注
入が行われ難く、十分な転写電位を得ることが出来な
い。
【0018】また、本発明では前記電子輸送物質の電子
受容性が飽和カロメル電極に対する還元電位の値として
−0.9V vs SCE.以上であることを特徴とす
る上記電子写真プロセスが提供され、電子受容性がこの
値以上のとき高い転写電位が得られる。電子受容性がこ
の値未満の電子輸送物質を用いた感光体では感光体表層
の負電荷の感光層への注入が行われ難く、十分な転写電
位を得ることが出来ない。ここで規定した還元電位の値
とは、その数値が大きくなるほど電子受容性が強くなる
ことを示す。
【0019】本発明に利用される電子輸送物質としては
公知のものを利用でき、例えば、分子中にフルオレノン
骨格を有する化合物、インデノン系化合物、インデノキ
ノキサリン系化合物、フタルイミド、ナフタルイミド系
化合物、ピラジン系化合物、インデノピラジン系化合
物、ベンゾフルオレノン系化合物、ペンタジエノン系化
合物、ジフェノキノン系化合物、ベンゾキノン、ナフト
キノン系化合物等が挙げられる。また本発明では前記の
電子輸送物質は単独もしくは数種を組み合わせて使用す
ることが出来る。
【0020】図1は逐次転写方式における負電荷の静電
潜像の転写を表している。図中、3は静電記録体、31
は静電記録体の誘電層、32は静電記録体の導電層、4
は導電ローラ、5は転写時の印加電圧を示している。感
光体における結着剤の役割は、電荷発生顔料の良好な分
散と輸送材料の分子状の分散ばかりでなく、複写プロセ
スで必要とされる感光体の機械的強度も担っている。し
かしながら、本感光体が用いられるプロセスは感光体上
での現像が必要でないため、クリーニングもカールソン
プロセスと比べ、はるかに弱いものでよい。従って、本
発明の感光体で結着剤を用いる場合はカールソンプロセ
ス用感光体と比べ、その組成を低くすることができる。
【0021】本発明で用いることのできる結着剤として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、
シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重
付加型樹脂、重縮合型樹脂並びにこれらの繰り返し単位
のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体樹脂を挙げることができる。本発
明において前記結着剤を用いる場合、感光層全体に占め
る量は20〜90重量%、好ましくは30〜70重量%
である。本発明の感光層の厚さは5〜30μmが好まし
い。これより薄いと帯電性が低下し、厚いと感光体の静
電容量が低下し転写電位の低下を来す。
【0022】本発明で用いることができる導電性基体と
しては、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の
金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化
スズ、ヨウ化銅の薄膜を塗布したプラスチックフィルム
あるいはガラス等が挙げられる。また、本発明の感光体
はその感光層に電荷発生顔料を用いることができ、例え
ば、X型の無金属フタロシアニン、π型の無金属フタロ
シアニン、τ型の無金属フタロシアニン、ε型の銅フタ
ロシアニン、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニ
ルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料やジスアゾ、
トリスアゾ系顔料、アントラキノン系顔料、多環キノン
系顔料、インジゴ顔料、ジフェニルメタン、トリメチル
メタン系顔料、シアニン系顔料、キノリン系顔料、ベン
ゾフェノン、ナフトキノン系顔料、ペリレン顔料、フル
オレノン系顔料、スクアリリウム系顔料、アズレニウム
系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ナフタ
ロシアニン系顔料、ポルフィリン系顔料が使用できる。
本発明で用いる感光体では帯電性を改良する目的で感光
層と導電性基体の間に下引き層を設けることができる。
これらの材料としては前記結着剤材料の他に、ポリアミ
ド樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニル
ピロリドン等を用いることができる。本発明で用いる感
光体をつくるには、前記の材料を蒸着、スパッタリング
等の真空成膜法、薄膜塗布やブレード塗布、スプレー塗
布等の湿式成膜法等の公知の方法で基体上に感光層を形
成すればよい。
【0023】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、これ
により本発明の態様が限定されるものではない。
【0024】実施例1 下記構造式(A)のフタロシアニン顔料1gをポリカー
ボネート(PC)溶液10g(テトラヒドロフラン中に
10wt%溶解したもの)、テトラドヒドロフラン9g
とともにボールミリングした後、顔料組成2wt%、P
C組成が50wt%、下記構造式(B)の有機正孔輸送
物質(酸化電位:0.73V vs SCE.)が36
wt%、下記構造式(C)の有機電子輸送物質が12w
t%となるよう15wt%のPC溶液、有機正孔輸送物
質、有機電子輸送物質を加え感光体の塗布液を作製し
た。この液をアルミニウム基体上にブレードコート法に
て塗布し加熱乾燥して約13μmの単層型感光体を作製
した。
【化1】
【化2】
【化3】 この感光体を暗中で+6.5KVでコロナ帯電し、暗減
衰の表面電位が600Vになったところで、301lu
xのタングステン光を1秒間照射した。光照射後静電記
録紙を巻き付けた導電ローラに+900Vの電圧を静電
記録紙の導電層に印加しながら図1のように転写を行っ
た。静電記録紙上の表面電位を測定したところ、−13
0Vが得られた。静電記録紙の静電容量より、この電位
は、表面電荷密度8.4×10-8C/cm2に相当し現
像に対して十分な表面電荷密度に達していることがわか
った。また、未露光部に対して同様の条件で転写電位を
測定したところ、転写電位は0Vであった。
【0025】実施例2 実施例1の有機正孔輸送物質を下記構造式(D)の化合
物(酸化電位:0.86V vs SCE.)とした以
外は実施例1と同様に感光体の作製し、電荷の転写、記
録紙電位の測定を行った。結果を表1に示す。
【化4】
【0026】実施例3 実施例1の有機正孔輸送物質を下記構造式(E)の化合
物(酸化電位:0.66V vs SCE.)とした以
外は実施例1と同様に感光体を作製し、電荷の転写、記
録紙電位の測定を行った。結果を表1に示す。
【化5】
【0027】実施例4 実施例1の正孔輸送物質の組成を20wt%、電子輸送
物質の組成を28wt%とした以外は実施例1と同様に
感光体の作製し、電荷の転写、記録紙電位の測定を行っ
た。結果を表1に示す。
【0028】実施例5 前記構造式(A)のフタロシアニン顔料1gをポリカー
ボネート(PC)溶液10g(テトラヒドロフラン中に
10wt%溶解したもの)、テトラヒドロフラン9gと
ともにボールミリングした後、顔料組成2wt%、PC
組成が50wt%、下記構造式(F)の有機電子輸送物
質(還元電位−62V vs SCE.)が36wt
%、下記構造式(G)の正孔輸送物質が12wt%とな
るよう15wt%のPC溶液、有機電子輸送物質、正孔
輸送物質を加え感光体の塗布液を作製した。この液をア
ルミニウム基体上にブレードコート法にて塗布し加熱乾
燥して約13μmの単層型感光体を作製した。得られた
感光体を暗中で−6.5KVでコロナ帯電し、暗減衰後
の表面電位が−600Vになったところで30luxの
タングステン光を1秒間照射した。光照射後、静電記録
紙を巻き付けた導電ローラーに−900Vの電圧を静電
記録紙の導電層に印加しながら図2のように転写を行っ
た。結果を表1に示す。
【化6】
【化7】
【0029】実施例6 実施例5の有機電子輸送物質を下記構造式(H)の化合
物(還元電位:−0.55V vs SCE.)とした
以外は実施例5と同様に感光体を作製し、電荷の転写、
記録紙電位の測定を行った。結果を表1に示す。
【化8】
【0030】実施例7 実施例5の有機電子輸送物質を下記構造式(I)の化合
物(還元電位:−0.45V vs SCE.)とした
以外は実施例5と同様に感光体を作製し、電荷の転写、
記録紙電位の測定を行った。結果を表1に示す。
【化9】
【0031】実施例8 実施例5の電子輸送物質の組成を20wt%、正孔輸送
物質の組成を28wtt%とした以外は実施例5と同様
に感光体を作製し、電荷の転写、記録紙電位の測定を行
った。結果を表1に示す。
【0032】比較例1 実施例の有機正孔輸送物質を下記構造式(J)の化合物
(酸化電位:0.94V vs SCE.)とした以外
は実施例1と同様に感光体を作製し、電荷の転写、記録
紙電位の測定を行った。結果を表1に示す。
【化10】
【0033】比較例2 実施例1の有機正孔輸送物質の組成を10wt%、有機
電子輸送物質の組成を38wt%とした以外は同様に感
光体を作製し、電荷の転写、記録紙電位の測定を行っ
た。結果を表1に示す。
【0034】比較例3 実施例1の有機正孔輸送物質の組成を0wt%、有機電
子輸送物質の組成を48wt%とした以外は同様に感光
体を作製し、電荷の転写、記録紙電位の測定を行った。
結果を表1に示す。
【0035】比較例4 実施例5の有機電子輸送物質を下記構造式(K)の化合
物(還元電位:−0.91V vs SCE.)とした
以外は実施例5と同様に感光体を作製し、電荷の転写、
記録紙電位の測定、画像評価を行った。結果を表1に示
す。
【化11】
【0036】比較例5 実施例5の有機電子輸送物質の組成を10wt%、有機
正孔輸送物質の組成を38wt%とした以外は実施例5
と同様に感光体を作製し、電荷の転写、記録紙の測定を
行った。結果を表1に示す。
【0037】比較例6 実施例5の有機電子輸送物質の組成を0wt%、有機正
孔輸送物質の組成を48wt%とした以外は実施例5と
同様に感光体を作製し、電荷の転写、記録紙電位の測定
を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、潜像転写
方式による電子写真プロセスにおいて、潜像転写時のプ
ロセスとして反転現像プロセスを用い、かつ、静電記録
体上に電荷を転写する方法として負電荷を転写する場合
は、電子写真感光体の感光層に少なくとも正孔輸送物質
を含有させることにより、また、前記負電荷に代えて正
電荷を転写する場合は感光層に少なくとも電子輸送物質
を含有させることにより高い転写電位のとれる電子写真
感光体が得られる。さらに、前者の方法において、正孔
輸送物質の組成比および/または酸化電位を規定するこ
とで、また、後者の方法において、電子輸送物質の組成
および/または還元電位を規定することで、より高い転
写電位のとれる感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する潜像転写方式の概略説明図であ
る。
【図2】本発明に関する潜像転写方式の概略説明図であ
る。
【符号の説明】
3 静電記録体 31 静電記録体の誘電層 32 静電記録体の導電層 4 導電ローラ 5 転写時の印加電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 浩之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 柳澤 匡浩 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平6−175516(JP,A) 特開 平6−202359(JP,A) 特開 平6−266136(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/18 G03G 5/02 101 G03G 5/06 311 G03G 13/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体上に静電潜像を形成した
    後に該感光体の表面に静電記録体を接触させえ、該感光
    体と該記録体の間に電圧を印加して該記録体上に該感光
    体を対応した静電潜像を転写し、しかる後、前記記録体
    上の静電潜像を可視化する潜像転写方式による電子写真
    プロセスにおいて、潜像転写におけるプロセスとして感
    光体露光部を転写するプロセスを用い、かつ、静電記録
    体上に電荷を転写する方法として負電荷を転写する方法
    を用い、使用する電子写真感光体の感光層には少なくと
    も正孔輸送物質を含有させることを特徴とする潜像転写
    方式による電子写真プロセス。
  2. 【請求項2】 正孔輸送物質の感光層全体に占める組成
    比が15重量%以上であることを特徴とする請求項1記
    載の潜像転写方式による電子写真プロセス。
  3. 【請求項3】 正孔輸送物質の電子供与性が飽和カロメ
    ル電極に対する酸化電位の値として0.9V vs S
    CE.以下であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の潜像転写方式による電子写真プロセス。
  4. 【請求項4】負電荷に代えて正電荷を転写する方法を用
    い、感光層に正孔輸送物質に代えて電子輸送物質を含有
    させることを特徴とする請求項1記載の潜像転写方式に
    よる電子写真プロセス。
  5. 【請求項5】 電子輸送物質の感光層全体に占める組成
    比が15重量%以上であることを特徴とする請求項4記
    載の潜像転写方式による電子写真プロセス。
  6. 【請求項6】 電子輸送物質の電子供与性が飽和カロメ
    ル電極に対する還元電位の値として−0.9V vs
    SCE.以上であることを特徴とする請求項4又は5記
    載の潜像転写方式による電子写真プロセス。
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