JP2019051896A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた乗り心地性を発揮しつつ、ノイズ性能又は操縦安定性を向上させたタイヤを提供する。【解決手段】車両への装着の向きが指定されたトレッド部2を有するタイヤである。トレッド部2は、外側トレッド端Toと、内側トレッド端Tiと、複数の主溝3と、複数の陸部4とを含む。陸部4は、外側ショルダー陸部11と、外側ミドル陸部12と、内側ショルダー陸部13と、内側ミドル陸部14とを含む。外側ショルダー陸部11、内側ショルダー陸部13及び内側ミドル陸部14には、それぞれ、陸部をタイヤ軸方向に完全に横切る複数の横溝20が設けられる。外側ミドル陸部12には、外側ミドル陸部12の外側トレッド端To側のエッジから前記内側トレッド端Ti側に延びる複数の外側ミドル横溝23が設けられる。各外側ミドル横溝23は、タイヤ周方向に対して前記横溝20よりも小さい角度で傾斜している。【選択図】図1

Description

本発明は、優れた乗り心地性を発揮しつつ、ノイズ性能又は操縦安定性を向上させたタイヤに関する。
従来から、車両への装着の向きが指定されたトレッド部を有するタイヤが種々提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。この種のタイヤ、とりわけ乗用車用空気入りタイヤは、乗り心地性、ノイズ性能及び操縦安定性について、さらなる向上が望まれている。
特開2016−101804号公報
本発明は、以上のような問題に鑑み案出されたもので、優れた乗り心地性を発揮しつつ、ノイズ性能又は操縦安定性を向上させたタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明の第1の態様は、車両への装着の向きが指定されたトレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、車両装着時に車両外側に位置する外側トレッド端と、車両装着時に車両内側に位置する内側トレッド端と、タイヤ周方向に連続して延びる複数の主溝と、前記主溝で区分された複数の陸部とを含み、前記陸部は、最も前記外側トレッド端側に配された外側ショルダー陸部と、前記外側ショルダー陸部に隣り合う外側ミドル陸部と、最も前記内側トレッド端側に配された内側ショルダー陸部と、前記内側ショルダー陸部に隣り合う内側ミドル陸部とを含み、前記外側ショルダー陸部、前記内側ショルダー陸部及び前記内側ミドル陸部には、それぞれ、陸部をタイヤ軸方向に完全に横切る複数の横溝が設けられ、前記外側ミドル陸部には、前記外側ミドル陸部の前記外側トレッド端側のエッジから前記内側トレッド端側に延びる複数の外側ミドル横溝が設けられ、前記各外側ミドル横溝は、タイヤ周方向に対して前記横溝よりも小さい角度で傾斜している。
本発明の第2の態様は、車両への装着の向きが指定されたトレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、車両装着時に車両外側に位置する外側トレッド端と、車両装着時に車両内側に位置する内側トレッド端と、タイヤ周方向に連続して延びる複数の主溝と、前記主溝で区分された複数の陸部とを含み、前記陸部は、最も前記外側トレッド端側に配された外側ショルダー陸部と、前記外側ショルダー陸部に隣り合う外側ミドル陸部と、最も前記内側トレッド端側に配された内側ショルダー陸部と、前記内側ショルダー陸部に隣り合う内側ミドル陸部とを含み、前記外側ショルダー陸部、前記内側ショルダー陸部及び前記内側ミドル陸部には、それぞれ、陸部をタイヤ軸方向に完全に横切る複数の横溝が設けられ、前記外側ミドル陸部は、前記主溝よりも小さい溝幅でタイヤ周方向で連続して延びる外側ミドル縦細溝と、前記外側ミドル縦細溝の前記内側トレッド端側に区分されかつタイヤ周方向に連続して延びる内側部とを含む。
本発明のタイヤにおいて、前記トレッド部は、前記外側トレッド端とタイヤ赤道との間の外側トレッド部と、前記内側トレッド端とタイヤ赤道との間の内側トレッド部とを含み、前記外側トレッド部は、前記内側トレッド部よりも大きいランド比を有するのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記外側ショルダー陸部、前記内側ショルダー陸部及び前記内側ミドル陸部には、それぞれ、前記横溝よりも小さい溝幅を有しかつ陸部を完全に横切る複数の横細溝が設けられているのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記横細溝は、前記トレッド部の踏面での開口幅が1.5mm未満の横サイプを含むのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記外側ショルダー陸部、前記内側ショルダー陸部及び前記内側ミドル陸部には、それぞれ、前記横溝と前記横細溝とがタイヤ周方向に交互に設けられているのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記陸部は、前記外側ミドル陸部と前記内側ミドル陸部との間のクラウン陸部を含み、前記クラウン陸部には、前記外側トレッド端側のエッジから前記内側トレッド端側に延びかつ前記クラウン陸部内で途切れる外側凹部と、前記内側トレッド端側のエッジから前記外側トレッド端側に延びかつ前記クラウン陸部内で途切れる内側スロットとが設けられているのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記外側凹部は、前記内側スロットよりも小さいタイヤ軸方向の長さを有しているのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記外側凹部のタイヤ軸方向の長さは、前記内側スロットのタイヤ軸方向の長さの0.15〜0.30倍であるのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記横溝は、前記内側ミドル陸部に配された内側ミドル横溝を含み、前記内側スロットは、前記主溝を介して前記内側ミドル横溝と滑らかに連続しているのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記複数の横溝のタイヤ周方向のピッチは、トレッド幅の0.12〜0.18倍であるのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記外側ミドル陸部には、前記外側ミドル陸部の前記外側トレッド端側のエッジから前記内側トレッド端側に延びる複数の外側ミドル横溝が設けられ、前記外側ミドル横溝は、タイヤ周方向に対して30〜45°の角度で傾斜しているのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記外側ミドル陸部は、前記主溝よりも小さい溝幅でタイヤ周方向で連続して延びる外側ミドル縦細溝を含み、前記外側ミドル縦細溝は、前記外側ミドル陸部のタイヤ軸方向の中心位置よりも前記内側トレッド端側に設けられているのが望ましい。
本発明のタイヤは、トレッド部に、複数の陸部を含んでいる。陸部は、外側ショルダー陸部と、外側ミドル陸部と、内側ショルダー陸部と、内側ミドル陸部とを含んでいる。外側ショルダー陸部、内側ショルダー陸部及び内側ミドル陸部には、それぞれ、陸部をタイヤ軸方向に完全に横切る複数の横溝が設けられている。このような横溝は、各陸部の剛性を適度に緩和し、優れた乗り心地性を発揮することができる。
本発明のタイヤの第1の態様では、外側ミドル陸部には、外側ミドル陸部の外側トレッド端側のエッジから内側トレッド端側に延びる複数の外側ミドル横溝が設けられている。各外側ミドル横溝は、タイヤ周方向に対して前記横溝よりも小さい角度で傾斜している。このような外側ミドル横溝は、これ以外の横溝とは異なる周波数帯域の音を発生させるため、各横溝が発生する音をホワイトノイズ化することができる。
本発明のタイヤの第2の態様では、外側ミドル陸部は、主溝よりも小さい溝幅でタイヤ周方向で連続して延びる外側ミドル縦細溝と、外側ミドル縦細溝の内側トレッド端側に区分されかつタイヤ周方向に連続して延びる内側部とを含む。このような内側部は、外側ミドル陸部の剛性を適度に高め、ひいては優れた操縦安定性を発揮することができる。
以上のように、本発明のタイヤは、優れた乗り心地性を発揮しつつ、ノイズ性能又は操縦安定性を向上させることができる。
本発明の一実施形態のタイヤのトレッド部の展開図である。 図1の内側ショルダー陸部及び内側ミドル陸部の拡大図である。 図1のA−A線断面図である。 図1の外側ミドル陸部の拡大図である。 図1のクラウン陸部の拡大図である。 比較例のタイヤのトレッド部の展開図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の一実施形態を示すタイヤ1のトレッド部2の展開図である。本実施形態のタイヤ1は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤとして好適に使用される。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、重荷重用の空気入りタイヤや、タイヤの内部に加圧された空気が充填されない非空気式タイヤ等の様々なタイヤに用いることができる。
図1に示されるように、タイヤ1は、車両への装着の向きが指定されたトレッド部2を有する。本実施形態のトレッド部2は、例えば、タイヤ赤道Cに対して非対称のトレッドパターンを具える。トレッド部2は、タイヤ1の車両装着時に車両外側に位置する外側トレッド端Toと、車両装着時に車両内側に位置する内側トレッド端Tiとを有する。車両への装着の向きは、例えば、サイドウォール部(図示省略)に、文字又は記号で表示される。
各トレッド端To、Tiは、空気入りタイヤの場合、正規状態のタイヤ1に正規荷重が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置である。正規状態とは、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、正規状態で測定された値である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。
トレッド部2は、タイヤ周方向に連続して延びる複数の主溝3と、前記主溝3で区分された複数の陸部4とを含む。本実施形態のトレッド部2は、例えば、4本の主溝3で区分された5本の陸部4を有している。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。
主溝3は、例えば、外側ショルダー主溝5と、内側ショルダー主溝6と、外側クラウン主溝7と、内側クラウン主溝8とを含んでいる。外側ショルダー主溝5は、複数の主溝3の内、最も外側トレッド端To側に設けられている。内側ショルダー主溝6は、複数の主溝3の内、最も内側トレッド端Ti側に設けられている。外側クラウン主溝7は、例えば、外側ショルダー主溝5とタイヤ赤道Cとの間に設けられている。内側クラウン主溝8は、例えば、内側ショルダー主溝6とタイヤ赤道Cとの間に設けられている。
外側ショルダー主溝5及び内側ショルダー主溝6は、例えば、タイヤ赤道Cから溝中心線までの距離L1がトレッド幅TWの0.25〜0.35倍であるのが望ましい。外側クラウン主溝7及び内側クラウン主溝8は、例えば、タイヤ赤道Cから溝中心線までの距離L2がトレッド幅TWの0.05〜0.15倍であるのが望ましい。トレッド幅TWは、前記正規状態における外側トレッド端Toから内側トレッド端Tiまでのタイヤ軸方向の距離である。
望ましい態様では、外側ショルダー主溝5は、例えば、他の主溝6乃至8よりも小さい溝幅W1を有している。外側ショルダー主溝5の溝幅W1は、例えば、トレッド幅TWの4.0%〜6.0%であるのが望ましい。内側ショルダー主溝6の溝幅W2、外側クラウン主溝7の溝幅W3及び内側クラウン主溝8の溝幅W4は、例えば、トレッド幅TWの5.5%〜7.5%であるのが望ましい。各主溝5乃至8は、例えば、5.0〜12.0mmの溝深さを有しているのが望ましい。
上記陸部4は、外側ショルダー陸部11と、外側ミドル陸部12と、内側ショルダー陸部13と、内側ミドル陸部14とを含んでいる。さらに、本実施形態の陸部4は、クラウン陸部15を含んでいる。外側ショルダー陸部11は、複数の陸部4の内、最も外側トレッド端To側に配されている。内側ショルダー陸部13は、複数の陸部4の内、最も内側トレッド端Ti側に配されている。外側ミドル陸部12は、外側ショルダー陸部11の内側トレッド端Ti側に隣り合っている。内側ミドル陸部14は、内側ショルダー陸部13の外側トレッド端To側に隣り合っている。クラウン陸部15は、外側ミドル陸部12と内側ミドル陸部14との間に配されている。
外側ショルダー陸部11、内側ショルダー陸部13及び内側ミドル陸部14には、それぞれ、陸部をタイヤ軸方向に完全に横切る複数の横溝20が設けられている。このような横溝20は、各陸部の剛性を適度に緩和し、優れた乗り心地性を発揮することができる。
図2には、横溝20の一態様を示す図として、内側ショルダー陸部13及び内側ミドル陸部14の拡大図が示されている。図2に示されるように、横溝20は、例えば、トレッド幅TW(図1に示され、以下、同様である。)の1.0%〜2.0%の溝幅W5を有しているのが望ましい。横溝20は、例えば、3.0〜8.0mmの溝深さを有しているのが望ましい。横溝20は、例えば、タイヤ周方向に対して75〜90°の角度θ1で設けられているのが望ましい。
複数の横溝20のタイヤ周方向のピッチP1は、例えば、トレッド幅TWの好ましくは0.10倍以上、より好ましくは0.12倍以上であり、好ましくは0.20倍以下、より好ましくは0.18倍以下である。このような横溝20は、乗り心地と操縦安定性とをバランス良く高めるのに役立つ。
さらに望ましい態様では、内側ショルダー陸部13に設けられた内側ショルダー横溝21は、内側ショルダー主溝6を介して、内側ミドル陸部14に設けられた内側ミドル横溝22と滑らかに連続しているのが望ましい。これにより、内側ショルダー陸部13及び内側ミドル陸部14の剛性がさらに緩和され、優れた乗り心地性が得られる。
図1に示されるように、外側ショルダー陸部11、内側ショルダー陸部13及び内側ミドル陸部14には、それぞれ、横溝よりも小さい溝幅を有しかつ陸部を完全に横切る複数の横細溝25が設けられているのが望ましい。望ましい態様では、各陸部において、横溝20と横細溝25とがタイヤ周方向に交互に設けられている。このような横細溝25は、さらに乗り心地性を高めることができる。
横細溝25は、例えば、トレッド部2の踏面での開口幅が1.5mm未満の横サイプ26を含むのが望ましい。本実施形態では、図2に示されるように、内側ショルダー陸部13及び内側ミドル陸部14に設けられた横細溝25は、上述の横サイプ26として構成されている。一方、図1に示されるように、外側ショルダー陸部11に設けられた横細溝25は、トレッド部2の踏面での開口幅が1.5mm以上とされている。このような横細溝25の配置は、内側ショルダー陸部13及び内側ミドル陸部14の過度な剛性低下を防ぎ、乗り心地性と操縦安定性とをバランス良く高めることができる。なお、本明細書において、「サイプ」とは、幅が1.5mm未満の切れ込みを意味する。
外側ショルダー陸部11に設けられた横細溝27(以下、外側ショルダー横細溝27という場合がある。)は、例えば、トレッド部2の踏面での開口幅が、外側トレッド端To側に向かって漸増しているのが望ましい。
図3には、外側ショルダー横細溝27のA−A線断面図が示されている。本実施形態の外側ショルダー横細溝27は、例えば、上述の開口幅を有する開口部28と、1.5mm未満の幅でタイヤ半径方向に延びるサイプ部29とを含んでいる。このような外側ショルダー横細溝27は、外側ショルダー陸部11の過度な剛性低下を防ぎ、乗り心地性と操縦安定性とをバランス良く高めることができる。
図4には、外側ミドル陸部12の拡大図が示されている。図4に示されるように、本発明の第1の態様では、外側ミドル陸部12には、外側ミドル陸部12の外側トレッド端To側のエッジ12aから内側トレッド端Ti側に延びる複数の外側ミドル横溝23が設けられている。各外側ミドル横溝23は、タイヤ周方向に対して前記横溝20よりも小さい角度θ2で傾斜している。このような外側ミドル横溝23は、これ以外の横溝20とは異なる周波数帯域の音を発生させるため、各横溝が発生する音をホワイトノイズ化することができる。
上述の効果をさらに発揮させるために、外側ミドル横溝23の上記角度θ2は、例えば、30〜45°であるのが望ましい。また、外側ミドル横溝23の上記角度θ2は、外側トレッド端To側に向かって漸減しているのが望ましい。
外側ミドル横溝23は、例えば、トレッド幅TWの0.8%〜1.6%の溝幅W6を有しているのが望ましい。このような外側ミドル横溝23は、乗り心地性及び操縦安定性をバランス良く高めるのに役立つ。
本実施形態の外側ミドル横溝23は、例えば、外側ミドル陸部12内で途切れているのが望ましい。このような外側ミドル横溝23は、ポンピング音が小さくなり、ノイズ性能をさらに高めることができる。
本発明の第2の態様では、外側ミドル陸部12は、主溝よりも小さい溝幅でタイヤ周方向で連続して延びる外側ミドル縦細溝30と、外側ミドル縦細溝30の内側トレッド端Ti側に区分されかつタイヤ周方向に連続して延びる内側部31とを含む。このような内側部31は、外側ミドル陸部12の剛性を適度に高め、ひいては優れた操縦安定性を発揮することができる。
本実施形態の外側ミドル陸部12は、上述した本発明の第1の態様の構成及び第2の態様の構成の両方を含んでいる。従って、本実施形態のタイヤは、優れた乗り心地性を発揮しつつ、ノイズ性能及び操縦安定性を向上させることができる。
本実施形態の外側ミドル縦細溝30には、例えば、各外側ミドル横溝23が連なっている。これにより、外側ミドル縦細溝30の外側トレッド端To側に区分された外側部32の剛性がさらに緩和され、ひいてはさらに優れた乗り心地性が得られる。
外側ミドル縦細溝30は、外側ミドル陸部12のタイヤ軸方向の中心位置よりも内側トレッド端Ti側に設けられているのが望ましい。
外側ミドル縦細溝30は、例えば、タイヤ周方向に沿って直線状に延びているのが望ましい。外側ミドル縦細溝30は、例えば、トレッド幅TWの0.5%〜1.0%の溝幅W7を有しているのが望ましい。外側ミドル縦細溝30は、例えば、主溝3の0.30〜0.50倍の溝深さを有しているのが望ましい。
本実施形態の内側部31は、例えば、溝やサイプが設けられていないプレーンリブとして構成されているのが望ましい。このような内側部31は、さらに優れた操縦安定性を発揮するのに役立つ。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
乗り心地と操縦安定性とをバランス良く高めるために、内側部31のタイヤ軸方向の幅W9は、例えば、外側ミドル陸部12のタイヤ軸方向の幅W8の0.25〜0.35倍であるのが望ましい。
図5には、クラウン陸部15の拡大図が示されている。図5に示されるように、クラウン陸部15は、例えば、タイヤ周方向に連続して延びているのが望ましい。このようなクラウン陸部15は、上述した外側ミドル陸部12の内側部31とともに、トレッド部2のタイヤ赤道C付近の剛性を高め、とりわけ直進時及び小さい操舵角での旋回時の操縦安定性を高めることができる。
クラウン陸部15には、例えば、複数の外側凹部33及び複数の内側スロット34が設けられているのが望ましい。外側凹部33は、クラウン陸部15の外側トレッド端To側のエッジ15aから内側トレッド端Ti側に延びかつクラウン陸部15内で途切れている。内側スロット34は、クラウン陸部15の内側トレッド端Ti側のエッジ15bから外側トレッド端To側に延びかつクラウン陸部15内で途切れている。このような外側凹部33及び内側スロット34は、クラウン陸部15が接地するときの打音を低減し、ノイズ性能を高めることができる。
本実施形態では、クラウン陸部15がタイヤ赤道C上に設けられており、内側スロット34は、タイヤ赤道Cを横切ることなく途切れている。内側スロット34は、例えば、クラウン陸部15のタイヤ軸方向の幅W10の0.30〜0.45倍のタイヤ軸方向の長さL3を有している。
図1に示されるように、内側スロット34は、内側クラウン主溝8を介して内側ミドル横溝22と滑らかに連続しているのが望ましい。このような横溝及びスロットの配置は、乗り心地性を高めるのに役立つ。
図5に示されるように、外側凹部33は、例えば、内側スロット34よりも小さいタイヤ軸方向の長さを有しているのが望ましい。具体的には、外側凹部33のタイヤ軸方向の長さL4は、好ましくは内側スロット34のタイヤ軸方向の長さL3の0.15倍以上、より好ましくは0.20倍以上であり、好ましくは0.30倍以下、より好ましくは0.25倍以下である。このような外側凹部33は、操縦安定性を維持しつつ、クラウン陸部15が接地するときの打音を低減することができる。
図1に示されるように、トレッド部2のランド比LTは、例えば、60%〜70%であるのが望ましい。なお、本明細書において、「ランド比」とは、トレッド部2に設けられた溝、サイプ及びスロットを全て埋めた仮想接地面の全面積Saに対する、実際の合計接地面積Sbの比Sb/Saである。
トレッド部2は、外側トレッド端Toとタイヤ赤道Cとの間の外側トレッド部2Aと、内側トレッド端Tiとタイヤ赤道Cとの間の内側トレッド部2Bとを含む。外側トレッド部2Aは、内側トレッド部2Bよりも大きいランド比を有するのが望ましい。具体的には、外側トレッド部2Aのランド比LAは、例えば、60%〜80%であるのが望ましい。内側トレッド部2Bのランド比LBは、例えば、55%〜75%であるのが望ましい。このようなトレッド部2は、乗り心地性と操縦安定性とをバランス良く高めることができる。
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
図1の基本パターンを有するサイズ215/60R16のタイヤが試作された。比較例として、図6に示されるように、外側ミドル陸部に、他の横溝と同じ角度で延びかつ陸部を完全に横切る複数の横溝が設けられたタイヤが試作された。各テストタイヤの乗り心地性、操縦安定性及びノイズ性能がテストされた。各テストタイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
装着リム:16×6.5J
タイヤ内圧:210kPa
テスト車両:排気量2500cc、後輪駆動車
タイヤ装着位置:全輪
<乗り心地性及び操縦安定性>
上記テスト車両でドライ路面を走行したときの乗り心地性及び操縦安定性が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例を100とする評点であり、数値が大きい程、乗り心地性又は操縦安定性が優れていることを示す。
<ノイズ性能>
上記テスト車両でドライ路面を速度60km/hで走行したときの車内騒音が測定された。結果は、比較例の値を100とする指数であり、数値が小さい程、車内騒音が小さく良好であることを示す。
テストの結果が表1に示される。
Figure 2019051896
Figure 2019051896
テストの結果、実施例のタイヤは、優れた乗り心地性を発揮しつつ、ノイズ性能又は操縦安定性を向上させていることが確認できた。
2 トレッド部
3 主溝
4 陸部
11 外側ショルダー陸部
12 外側ミドル陸部
13 内側ショルダー陸部
14 内側ミドル陸部
20 横溝
23 外側ミドル横溝
To 外側トレッド端
Ti 内側トレッド端

Claims (13)

  1. 車両への装着の向きが指定されたトレッド部を有するタイヤであって、
    前記トレッド部は、車両装着時に車両外側に位置する外側トレッド端と、車両装着時に車両内側に位置する内側トレッド端と、タイヤ周方向に連続して延びる複数の主溝と、前記主溝で区分された複数の陸部とを含み、
    前記陸部は、最も前記外側トレッド端側に配された外側ショルダー陸部と、前記外側ショルダー陸部に隣り合う外側ミドル陸部と、最も前記内側トレッド端側に配された内側ショルダー陸部と、前記内側ショルダー陸部に隣り合う内側ミドル陸部とを含み、
    前記外側ショルダー陸部、前記内側ショルダー陸部及び前記内側ミドル陸部には、それぞれ、陸部をタイヤ軸方向に完全に横切る複数の横溝が設けられ、
    前記外側ミドル陸部には、前記外側ミドル陸部の前記外側トレッド端側のエッジから前記内側トレッド端側に延びる複数の外側ミドル横溝が設けられ、
    前記各外側ミドル横溝は、タイヤ周方向に対して前記横溝よりも小さい角度で傾斜している、
    タイヤ。
  2. 車両への装着の向きが指定されたトレッド部を有するタイヤであって、
    前記トレッド部は、車両装着時に車両外側に位置する外側トレッド端と、車両装着時に車両内側に位置する内側トレッド端と、タイヤ周方向に連続して延びる複数の主溝と、前記主溝で区分された複数の陸部とを含み、
    前記陸部は、最も前記外側トレッド端側に配された外側ショルダー陸部と、前記外側ショルダー陸部に隣り合う外側ミドル陸部と、最も前記内側トレッド端側に配された内側ショルダー陸部と、前記内側ショルダー陸部に隣り合う内側ミドル陸部とを含み、
    前記外側ショルダー陸部、前記内側ショルダー陸部及び前記内側ミドル陸部には、それぞれ、陸部をタイヤ軸方向に完全に横切る複数の横溝が設けられ、
    前記外側ミドル陸部は、前記主溝よりも小さい溝幅でタイヤ周方向で連続して延びる外側ミドル縦細溝と、前記外側ミドル縦細溝の前記内側トレッド端側に区分されかつタイヤ周方向に連続して延びる内側部とを含む、
    タイヤ。
  3. 前記トレッド部は、前記外側トレッド端とタイヤ赤道との間の外側トレッド部と、前記内側トレッド端とタイヤ赤道との間の内側トレッド部とを含み、
    前記外側トレッド部は、前記内側トレッド部よりも大きいランド比を有する請求項1又は2記載のタイヤ。
  4. 前記外側ショルダー陸部、前記内側ショルダー陸部及び前記内側ミドル陸部には、それぞれ、前記横溝よりも小さい溝幅を有しかつ陸部を完全に横切る複数の横細溝が設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 前記横細溝は、前記トレッド部の踏面での開口幅が1.5mm未満の横サイプを含む請求項4記載のタイヤ。
  6. 前記外側ショルダー陸部、前記内側ショルダー陸部及び前記内側ミドル陸部には、それぞれ、前記横溝と前記横細溝とがタイヤ周方向に交互に設けられている請求項4又は5記載のタイヤ。
  7. 前記陸部は、前記外側ミドル陸部と前記内側ミドル陸部との間のクラウン陸部を含み、
    前記クラウン陸部には、前記外側トレッド端側のエッジから前記内側トレッド端側に延びかつ前記クラウン陸部内で途切れる外側凹部と、前記内側トレッド端側のエッジから前記外側トレッド端側に延びかつ前記クラウン陸部内で途切れる内側スロットとが設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤ。
  8. 前記外側凹部は、前記内側スロットよりも小さいタイヤ軸方向の長さを有している請求項7記載のタイヤ。
  9. 前記外側凹部のタイヤ軸方向の長さは、前記内側スロットのタイヤ軸方向の長さの0.15〜0.30倍である請求項7又は8記載のタイヤ。
  10. 前記横溝は、前記内側ミドル陸部に配された内側ミドル横溝を含み、
    前記内側スロットは、前記主溝を介して前記内側ミドル横溝と滑らかに連続している請求項7乃至9のいずれかに記載のタイヤ。
  11. 前記複数の横溝のタイヤ周方向のピッチは、トレッド幅の0.12〜0.18倍である請求項1乃至10のいずれかに記載のタイヤ。
  12. 前記外側ミドル陸部には、前記外側ミドル陸部の前記外側トレッド端側のエッジから前記内側トレッド端側に延びる複数の外側ミドル横溝が設けられ、
    前記外側ミドル横溝は、タイヤ周方向に対して30〜45°の角度で傾斜している請求項1乃至11のいずれかに記載のタイヤ。
  13. 前記外側ミドル陸部は、前記主溝よりも小さい溝幅でタイヤ周方向で連続して延びる外側ミドル縦細溝を含み、
    前記外側ミドル縦細溝は、前記外側ミドル陸部のタイヤ軸方向の中心位置よりも前記内側トレッド端側に設けられている請求項1乃至12のいずれかに記載のタイヤ。
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