JP2019043787A - 結晶育成装置及び単結晶の製造方法 - Google Patents

結晶育成装置及び単結晶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019043787A
JP2019043787A JP2017165654A JP2017165654A JP2019043787A JP 2019043787 A JP2019043787 A JP 2019043787A JP 2017165654 A JP2017165654 A JP 2017165654A JP 2017165654 A JP2017165654 A JP 2017165654A JP 2019043787 A JP2019043787 A JP 2019043787A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
crucible
melt
single crystal
additional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017165654A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6930294B2 (ja
Inventor
英一郎 西村
Eiichiro Nishimura
英一郎 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2017165654A priority Critical patent/JP6930294B2/ja
Publication of JP2019043787A publication Critical patent/JP2019043787A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6930294B2 publication Critical patent/JP6930294B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

【課題】融液組成を一定に保ち、組成変動の少ないストイキオメトリ組成の単結晶を育成する結晶育成装置及び単結晶製造方法の提供。【解決手段】種結晶110及び初期原料を含む原料を貯留保持可能なるつぼ10と、るつぼ10の周囲に設けられ、原料の一部を融解して原料融液130を生成可能なヒータ50と、るつぼ10を引き下げ可能に支持し、るつぼ10を引き下げて原料融液130を凝固させる引き下げ装置40と、るつぼ10内に粉末原料140を供給可能な粉末原料供給手段80と、るつぼ10に貯留保持された原料融液130の液面の位置を測定する液面位置測定手段70と、液面位置測定手段70が測定した原料融液130の液面の位置により原料融液130の結晶化量を求めて、追加粉末原料140の必要量を算出し、粉末原料供給手段80から必要量の粉末原料140をるつぼ内に供給する制御手段100と、を有する結晶育成装置及び単結晶製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、結晶育成装置及び単結晶の製造方法に関する。
近年、タンタル酸リチウムLiTaO(以下「LT」という。)やニオブ酸リチウムLiNbO(以下「LN」という。)単結晶は強誘電体単結晶として知られ、携帯電話の表面弾性波(Surface Acoustic Wave、以下SAWと略記する)デバイス用の圧電基板や、焦電センサー、圧電センサー、振動アクチュエーター等に幅広く使用されており、近年の携帯電話の高機能化や、周波数バンド数の増加などにより、益々、需要が増加している。また、これらの強誘電体単結晶は、非線形光学結晶として、大容量高速通信網用の光変調器や波長変換素子等の光応用製品にも使用されている。以下、LN単結晶の例に説明する。
特許第5446241号公報
北村健二他、応用物理、Vol.74、p.573−579(2005)
LNは、広い固溶領域をもち、化学量論組成(ストイキオメトリ組成)と一致溶融組成(コングルエント組成)が異なるという特徴をもっている。コングルエント組成LNは、化学量論組成とは異なっているが、融液組成と育成結晶組成が等しいため、安定して結晶育成が可能であるため、工業的にはコングルエント組成LNが使用されることが多い。
一方で、ストイキオメトリ組成LNは、コングルエント組成LNに比べ欠陥密度が低減されるため、熱伝導率や非線形光学効果等の特性値が向上することが知られている。例えば、非特許文献1には、ストイキオメトリ組成LNの方がコングルエント組成LNよりも熱伝導率が向上することが記載されている。
ブリッジマン法やチョクラルスキー法に代表される融液成長法でストイキオメトリ組成LNを育成する場合、融液組成と育成結晶組成が異なるため、単純に結晶成長させると結晶組成が変動してしまう。そこで、一定組成の結晶を育成するためには、結晶成長に伴い融液中に追加原料を追加し、融液組成を一定に保つ必要がある。例えば、特許文献1では、追加原料を、成長結晶の成長速度に合わせて、単位時間当たり一定量づつ連続的に供給することが提案されている。
しかしながら、融液組成は、結晶の成長量に従って変動するため、融液組成を一定に保つためには、結晶成長量を厳密に把握し、結晶成長量に応じて追加原料を追加する必要がある。結晶成長量と追加原料量が適切でなければ、その誤差は育成が進行するにつれてより蓄積するため、育成終盤になるほどストイキオメトリ組成からのズレは大きくなる。特許文献1による結晶成長方法では、るつぼ中の結晶成長量を目視により把握することは困難であり、どのようにして結晶成長量を厳密に把握するかが問題となっている。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、ブリッジマン法等の融液成長法でストイキオメトリ組成の単結晶を育成する際に、融液組成を一定に保ち、組成変動の少ないストイキオメトリ組成の単結晶を育成できる結晶育成装置及び単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る結晶育成装置は、種結晶及び初期原料を含む原料を貯留保持可能なるつぼと、
該るつぼの周囲に設けられ、前記原料の少なくとも一部を融解して原料融液を生成可能なヒータと、
前記るつぼを引き下げ可能に支持し、前記るつぼを引き下げて前記原料融液を凝固させる引き下げ装置と、
前記るつぼ内に粉末原料を供給可能な粉末原料供給手段と、
前記るつぼに貯留保持された前記原料融液の液面の高さ位置を測定する液面位置測定手段と、
前記液面位置測定手段が測定した前記原料融液の液面の高さ位置に基づいて前記原料融液の結晶化量を求めることにより、追加粉末原料の必要量を算出し、前記粉末原料供給手段から前記必要量の前記粉末原料を前記るつぼ内に供給させる制御手段と、を有する。
本発明によれば、ブリッジマン法等の融液成長法でストイキオメトリ組成の単結晶を育成する際に、融液組成を一定に保ち、組成変動の少ないストイキオメトリ組成の単結晶を育成できる結晶育成装置及び単結晶の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例の断面図である。 ニオブ酸リチウム(LN)の相図である。 本発明の実施形態に係る単結晶の製造方法の一例を示した処理フロー図である。 実施例及び比較例の結果を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
本発明の実施形態に係る単結晶の製造方法は、ブリッジマン(Vertical Bridgman:VB)法あるいは温度勾配凝固(Vertical Gradient Freeze:VGF)法、と呼称されている一方向凝固法による製造方法であるため、結晶育成装置もかかる一方向凝固法による単結晶の育成が可能な装置として構成されている。以下、本発明の実施形態に係る結晶育成装置及び単結晶の製造方法の一例を、図1を用いて説明する。なお、以下ではLN単結晶の事例について説明するが、本実施形態に係る結晶育成装置は、LT単結晶の製造にも適用可能な結晶育成装置として構成され、LT単結晶の製造方法も実施することができる。
図1は、LN単結晶製造に使用される本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例の断面図である。本実施形態に係る結晶育成装置は、LN種結晶とLN原料とを充填する単結晶育成用のるつぼ10と、るつぼ受け20と、回転ロッド30と、昇降装置40と、抵抗加熱式の主発熱体50と、補助発熱体51、52と、追加原料融解槽60と、ブルーレーザー光源71及び受光部72を含むセンサー70と、追加粉末原料供給部80と、熱電対90と、制御部100から概略構成されている。また、図1には、関連構成要素として、るつぼ10内に、下方から順に種結晶110、成長結晶(単結晶)120、原料融液130が貯留保持された状態が示されている。また、追加原料融解槽60の上方に追加粉末原料140が蓄積された追加粉末原料供給部80が用意され、追加原料融解槽60内に追加融液原料150が貯留保持された状態が示されている。
るつぼ10がるつぼ受け20上に載置され、るつぼ受け20の下面に回転ロッド30が固定され、回転ロッド30を昇降装置40が回転及び昇降可能に支持している。るつぼ10の周囲を取り囲むように主発熱体50が設けられ、主発熱体50の上下には補助発熱体51、52が設けられ、るつぼ10を加熱可能に構成されている。また、るつぼ10の上方には、追加原料融解槽60と、センサー70が設けられている。追加原料融解槽60は、補助発熱体51で取り囲まれる高さに配置され、センサー70は補助発熱体51よりも高い位置に設けられている。また、上述のように、追加原料融解槽60の上方には、追加粉末原料供給部80が設けられ、追加原料融解槽60に追加粉末原料を供給可能に構成されている。更に、ルツボ10の下端付近の側面には、熱電対90が設けられている。また、主発熱体50及び補助発熱体51、52よりも外側には、結晶育成装置の全体の動作を制御する制御部100が設けられている。
次に、本実施形態に係る結晶育成装置の個々の構成要素についてより詳細に説明する。
単結晶育成用のるつぼ10は、LN種結晶とLN原料とを貯留保持するための容器である。るつぼ10は、例えば、円筒形状の側面と、円形の底面または円錐状の底面を有する。図1においては、平面状の底面を有するるつぼ10が示されているが、漏斗のような円錐状の底面を有してもよい。るつぼ10の材質は、種々の金属材料で構成されてよいが、例えば、耐熱性に優れたイリジウムや白金で構成されてもよい。
るつぼを加熱する加熱手段は、主発熱体50と、補助発熱体51、52である。この主発熱体50及び補助発熱体51、52は、一般には抵抗加熱式として構成されているが、るつぼ10を加熱することができれば、加熱方式や種類は問わない。主発熱体50は、るつぼ10の周囲に配置し、るつぼ10内のLN原料を加熱して融液にする。補助発熱体52は、育成された単結晶にクラック等が起きないように保温する。また、補助発熱体51は、追加原料融解槽60に供給された追加粉末原料140を融解する。
るつぼ10の下側には、回転ロッド30を設置する。るつぼ受け20は、るつぼ10を受けて支持するための台であり、回転ロッド30は、上側の端部がるつぼ受け20に接続され、下側がるつぼ10を回転及び昇降させる昇降機構40に連結されるロッドである。単結晶を成長させる際には、昇降機構40により回転ロッド30及びるつぼ受け20を回転させながら下降させ、下方向に向かって単結晶120を成長させる。なお、るつぼ受け20及び回転ロッド30は、耐熱性を有する材料から形成され、例えば、るつぼ10と同様に、耐熱性に優れたイリジウムや白金等で構成されてもよい。また、昇降機構40は、回転ロッド30を移動させるため、モータ等の駆動手段を備える。
以上説明した部分は、結晶育成装置のいわゆる炉の部分を構成するが、本実施形態で使用される炉は、垂直方向にLN単結晶120の育成が可能な温度勾配をつけることが可能であれば、特に制限はなく、公知の炉を使用することができる。また、炉の加熱方法も温度勾配をつけることができれば、特に制限はない。
るつぼ10の上方には、追加粉末原料140を供給する粉末供給手段である追加原料供給部80が設置される。追加粉末原料140を供給する粉末供給手段は特に限定がなく、種々の手法により供給してよい。粉末原料の供給は、原料粉をそのままるつぼ10に供給してもよいし、図1に示すように、追加原料融解槽60を設け、一旦液体に溶かした後、るつぼ10に供給してもよい。よって、追加原料融解槽60を設けることは必須ではなく、必要に応じて設けるようにしてよい。但し、本実施形態に係る単結晶育成装置及び単結晶の製造方法では、るつぼ10内の融液組成を一定に保つ必要があることから、初期原料に均一に追加原料が混ざりやすいように、液体の状態で供給することが好ましい。また、粉末供給手段は、連続的もしくは間欠的に追加原料を供給する供給機構を有することが好ましい。追加原料融解槽60の材質としては、白金の使用が可能である。
追加原料融解槽60は、補助発熱体51が周囲に設けられている高さ範囲に設けることが好ましい。追加粉末原料140を融解するためには、加熱が必要となるため、加熱手段である補助発熱体51に囲まれている方が好ましいからである。
るつぼ10の上方には、るつぼ10に貯留されている原料融液130の液面の高さ位置を測定する測定手段であるセンサー70を有する。本実施形態に係る結晶育成装置では、原料融液130の液面の高さ位置を計測し、この高さ位置の変化により、結晶化した原料融液130の量を計測し、不足した原料融液130を補うべく不足量に相当する追加原料を供給する。これにより、正確に追加原料を供給することができ、化学量論組成(ストイキオメトリ組成)を保つことが可能な追加原料の供給を行うことができる。なお、追加原料の供給の詳細については後述する。
原料融液130の液面の高さ位置を測定するセンサー70は、原料融液130の液面の高さ位置を測定できる限り、方式、種類、構造等に特に限定は無い。例えば、レーザーや超音波、マイクロ波よる液面センサーを用いても良い。例えば、ブルーレーザーを用いて、原料融液130の液面高さを求めるセンサー70を用いてもよい。なお、ブルーレーザーの波長は、中心波長が360〜500nmであることが好ましい。中心波長が360nm未満であると人の目による判別ができなくなるため、目視による位置合わせが困難となる。500nmを越えると原料融液130等からの輻射との識別が困難となり、正確な液面位置を知ることが難しい。また、レーザーを使用するため、温度の影響も受けづらく、精度よく液面の位置を測定できる。
図1の例示においては、原料融液130の液面を測定する測定手段であるセンサー70は、ブルーレーザー光源71及び受光部72を備えた構成であり、ブルーレーザー光源71からレーザー73を原料融液130の液面に照射し、反射レーザー光を受光部72が受光して液面の高さ位置を測定する。このようなレーザー73を用いたセンサー70の場合、原料融液130の液面にレーザー73を照射し易いように、るつぼ10の上方に配置される。また、直接的な加熱を受けないようにするため、主発熱体50及び補助発熱体51、52のいずれよりも高い位置に設けられることが好ましい。必要に応じて、センサー70の周囲に、るつぼ10や加熱手段50、51、52からの熱対策として、水冷ボックスや反射板等を配置してもよい。
追加粉末原料供給部80は、追加原料融解槽60又はるつぼ10に供給する追加粉末原料140を供給する手段である。追加原料融解槽60又はるつぼ10に追加粉末原料140を供給できれば、その種類や構成は問わない。
熱電対90は、るつぼ10の表面温度を計測し、監視(モニタリング)するための手段であり、るつぼ10の一部に接触するように取り付けられる。るつぼ10の表面温度を測定できる限り、その種類や構成は問わない。
制御部は、液面測定手段であるセンサー70の液面位置の測定結果から、原料融液130の結晶化量を求めて追加原料の必要量を算出し、所定量の追加粉末原料140を供給するように、追加粉末原料供給部140に指示する制御手段である。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、及びROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを備え、プログラムにより動作するマイクロコンピュータから構成されてもよいし、特定の用途のために開発されたASIC(Application Specified Integra Circuit)等の電子回路から構成されてもよい。
次に、本発明の実施形態に係る単結晶の製造方法について説明する。
本発明の実施形態におけるLN初期原料は、以下のように作製される。炭酸リチウム(LiCO)と酸化ニオブ(Nb)をLiとNbの割合がLi1+xNb1-x(0≦x<0.2)になるよう混合し、仮焼する。この時xが0.20を超えると、LiNbO相ではなく、LiNbO相が析出してしまうため好ましくない。また、この時の温度は800〜1160℃であることが好ましい。800℃を越えることで炭酸リチウムの炭酸を分解することが可能である。また1160℃未満とすることで混合粉の融解を防止することができる。
本発明の実施形態におけるLN追加原料は、以下のように作製される。炭酸リチウム(LiCO)と酸化タンタル(Ta)をLiとNbの割合がLi1-yNb1+y(0≦y≦0.032)を混合して、仮焼する。この時yが0.032を超えると、LN追加原料を追加しても融液のLi/(Li+Nb)比が徐々に低下してしまうため、好ましくない。また、この時の温度は800〜1160℃であることが好ましい。800℃を越えることで炭酸リチウムの炭酸を分解することが可能である。また1160℃未満とすることで混合粉の融解を防止することができる。
なお、LN追加原料を2種類準備する場合がある。最初は、ストイキオメトリ組成の単結晶を育成するため、上述のLN追加原料を作製するが、単結晶育成の最後の段階では、コングルエント組成に従ってLN追加原料を作製する場合がある。このように、最初のストイキオメトリ組成の単結晶を育成するためのLN追加原料を第1の追加原料(又は「追加原料A」)、単結晶育成の最後の段階での、コングルエント組成のためのLN追加原料を第2の追加原料(又は「追加原料B」)と呼ぶこととする。これは、最初はストイキオメトリ組成の単結晶を育成するため融液と成長した結晶と組成が異なるので、このまま育成した場合、最終的にLiリッチ相やNbリッチ相の異相が生成してしまい、ここよりクラックが発生しやすい。そこで、ストイキオメトリ組成の結晶を所定の長さ育成後、第2の追加原料を添加することで結晶をコングルエント組成に調整することで異相の生成を抑える。
本発明の実施形態における第2のLN追加原料は、例えば、以下のように作製される。炭酸リチウム(LiCO)と酸化タンタル(Ta)をLiとNbの割合がLi1-zNb1+z(0.< z≦0.28)となるように混合し、仮焼する。この時zが0.028を超えると、第2のLN追加原料を追加しても融液のLi/(Li+Nb)比が低下し過ぎてLiNb相が生成してしまう可能性があるため、好ましくない。また、この時の温度は800〜1160℃であることが好ましい。800℃を越えることで炭酸リチウムの炭酸を分解することが可能である。また1160℃未満とすることで混合粉の融解を防止することができる。
さらに、単結晶育成開始前のるつぼ10内の昇温速度は、100℃/hr以下であることが好ましい。昇温速度を100℃以下にすることにより、LN種結晶110の熱歪みによるクラックの発生を抑制することができる。
LN単結晶120を作製するためのシーディングは、LN種結晶110の上部とLN初期原料とを融解させて安定した固液界面を形成させることにより行われるが、その固液界面の温度およびその温度での保持時間がシーディングにおいて重要な要素となる。これは、LN種結晶110の表面近傍に、加工時に形成された破砕層を有しており、この破砕層を融解させておく必要があるためである。また、LN種結晶110が全て融解してしまう前に、固液界面を形成させておく必要があるためでもある。
上記の要件を満足させるために、単結晶育成用のるつぼ10をLN種結晶110とLN初期原料との境界面の温度が融点プラス20℃以下になるような位置にセットする。さらに、境界面の温度は融点プラス10℃以下であることが好ましい。その温度で規定時間保持し、LN種結晶110の上部とLN初期原料とを融解させ、シーディングを行う。LN種結晶110は、結晶育成の核となるものであり、LN種結晶110はLN初期原料と一体化させるために一部を融解させて原料融液130とするが、全部を融解させないようにしなければならない。
シーディングが終了した後、単結晶育成用のるつぼ10を徐々に降下させ、温度勾配を通過させる。このようにして、LN種結晶110の結晶方位に従い、原料を冷却固化させることにより、LN単結晶120が作製される。
本発明の実施形態に係るLN単結晶120の製造方法では、LNの融点に対してLN種結晶110とLN原料との界面の温度を融点プラス20℃以下として溶融を行うので、LN種結晶110の上部数ミリほどの部分とLN原料とが融解し、LN種結晶110とLN初期原料とを一体にすることができる。なお、LN種結晶110とLN原料との界面の温度が融点プラス20℃を超えると、LN種結晶110の底面まで融解するので好ましくない。
また、LN種結晶110の上部とLN初期原料の融解は、1時間以上保持するのが好ましい。この時間保持することにより、LN種結晶110とLN初期原料との固液界面を安定化させることができるので、品質の高いLN単結晶120を作製することができる。また、4〜6時間保持することはさらに好ましい。すなわち、4時間以上保持すれば、概ねシーディングに関する反応は進行しており、6時間以下でおおむね反応は終了している。したがって、4〜6時間保持することにより、生産性を低下させずに、安定なシーディングが行える。
ここで、単にLN初期原料を結晶化(固化)させるだけでは、初期原料の組成と育成したLN単結晶120の組成が異なるため、固化の進行に伴って融液組成が変動してしまう。そのため、融液組成を一定に保つために、初期融液の単位時間当たりの結晶化量と同等の追加原料140を、連続的あるいか間欠的に、るつぼ内融液に追加する必要がある。
図2は、ニオブ酸リチウム(LN)の相図である。図2に示されるように、化学量論組成(ストイキオメトリ組成)と一致溶融組成(コングルエント組成)が異なっているため、融液組成を一定に保つため、初期融液の結晶化量に相当する量の追加原料をるつぼ10内に正確に追加補充する必要がある。
本発明の実施形態に係る単結晶の製造方法は、上述した、るつぼ10内下部に種結晶110、該種結晶110の上に初期原料を充填する工程と、種結晶110及び初期原料の一部を融解して原料融液130を生成する工程と、るつぼ10を下降させながら、種結晶側から原料融液130を徐々に凝固させる工程とを含む。本製造方法は、それらの工程に加え、原料融液130の液面の高さ位置を測定する工程と、原料融液130の液面の高さ位置の測定結果に基づいて原料融液130の結晶化量を求めることにより、不足した原料融液130を補うために必要な追加原料の必要量を算出する工程と、必要量の追加原料を、連続的又は間欠的に前記るつぼ10内に供給する工程と、を有することを特徴としている。以下、詳細に説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る単結晶の製造方法の一例を示した処理フロー図である。
図3に示されるように、本発明の実施形態では、るつぼ10の上方に配置したセンサー70により、原料融液130の液面位置を測定する計測工程と(ステップS100)、前記液面位置の測定結果から原料融液130の成長結晶120の結晶化量を求め(ステップS110)、追加原料140、150の必要量を算出する算出工程と(ステップS120)、前記追加原料140、150の必要量を、連続的あるいか間欠的にるつぼ10内の原料融液130に追加する追加工程とを実施する(ステップS130)。かかる一連の工程を実施することで、初期融液の単位時間当たりの結晶化量と同等の追加原料140、150を、連続的あるいか間欠的に、るつぼ10内の原料融液130に追加することができる。なお、図3に示される通り、ステップS130の終了後は、総ての原料融液130が結晶化されたか否かが判定され、総て結晶化が終了していれば単結晶の製造フローを終了し、総ての結晶化が終了していなければ、ステップS100に戻り、原料融液130の液面の高さ位置の計測からステップS140までを繰り返す。
但し、上述のフローにおいて、センサー70をるつぼ10の上方に配置することは必須ではなく、原料融液130の液面を計測できればよく、例えば、レーザー73を用いない態様のセンサーを用いることにより、他の位置にセンサー70を配置してもよい。
以下、本実施形態に係る単結晶の製造方法について詳細に説明する。LNにおいて、融液密度3.67×10kg/m、結晶密度4.647×10kg/mであるため、原料融液130が結晶化すると、体積が結晶密度の方が約79%に減少する。従って、まず、るつぼ10の上方に配置したセンサー70により、原料融液130の液面位置を測定する(計測工程、S100)。なお、液面位置は連続的に計測する。
次に、制御部100において、この液面の位置のデータより、液面の高さ位置変化量を求める。ここで、原料融液130が結晶化すると体積が結晶密度の方が約79%に減少するため、これにより、結晶120の成長量を算出する(結晶化量算出工程、S110)。つまり、結晶成長量は、"融液高さ低下量×0.21(液体と固体の密度差)"で求めることができる。ここで、融液高さ低下量には、融液高さの変化量に加えて、回転ロッド30によるるつぼ10の降下量を考慮する。つまり、るつぼ10の下降量を相殺した状態における融液高さ低下量を取得し、これに基づいて結晶成長量を算出する。
そして、結晶成長量に基づいて追加原料の必要量を算出し(追加原料必要量算出工程、S120)、必要量の追加原料を供給する(必要追加原料供給工程、S130)。
そして、原料融液130が所定の固化率になった時点で、LN追加原料140、150の連続的供給を停止する。そして、これに変わって、原料組成が異なる第2のLN追加原料を追加し、原料融液130の組成がLi0.968Nb1.032(コングルエント組成)に達した時点で停止する。その後、全ての融液を結晶化させる必要がある(結晶化終了判定工程、S140)。
上述のように、第2のLN追加原料は、コングルエント組成に基づくLN追加原料であり、必要に応じて、結晶化の最終段階ではコングルエント組成に基づくLN追加原料を供給するようにしてもよい。但し、このLN追加原料の切り替えは必須ではなく、必要に応じて行うようにしてよい。
[実施例]
以下、本発明の実施形態に係る結晶育成装置を用いて単結晶の製造方法を実施した実施例について説明する。なお、理解の容易のため、今まで説明した結晶育成装置に対応する構成要素には、同一の参照符号を付して説明する。
なお、総ての実施例及び比較例の結果を図4に示す。なお、図4においては、第1の追加原料を追加原料A、第2の追加原料を追加原料Bと表記している。
[実施例1]
まず、初期原料として、化学量論比でLiとNb比率がLi1.21Nb0.79になるように炭酸リチウム(LiCO)と酸化ニオブ(Nb)を秤量した。これらを、混合機によって十分に混合した後、この混合粉末を800〜1160℃で10時間仮焼し、LN初期原料を作製した。
厚さ0.2mm、内径52mm、高さ300mmの白金製の単結晶作製用るつぼ10に高さ30mmのLiとNb比率がLi0.966Nb1.034(コングルエント組成)のLN種結晶110を挿入し、その上にLN種結晶110と同重量のLN初期原料を設置した。
次に、LN追加原料140として、化学量論比でLiとNb比率がLi0.99Nb1.01になるように炭酸リチウム(LiCO)と酸化ニオブ(Nb)を秤量した。これらを、混合機によって十分に混合した後、この混合粉末を800〜1160℃で10時間仮焼し、約100 M P aの静水圧で冷間等方圧加圧にて成形し、LN追加原料140を作製した。
次に、第2のLN追加原料として、化学量論比でLiとNb比率がLi0.786Nb1.214になるように炭酸リチウム(LiCO)と酸化ニオブ(Nb)を秤量した。これらを、混合機によって十分に混合した後、この混合粉末を800〜1160℃で10時間仮焼し、約100 M P aの静水圧で冷間等方圧加圧にて成形し、第2のLN追加原料を作製した。
次に、LN種結晶110とLN初期原料とが入った単結晶育成用るつぼ10を多孔質アルミナ製のるつぼ受け20の上に載置した。熱電対90を単結晶育成用るつぼ10に接触させた。その熱電対90の接触点は、LN種結晶110の底面から15mmの高さになるように単結晶育成用るつぼ10の近傍に位置するようにした。このるつぼ10を、炉内の最下部にセットした。
追加原料融解槽60は白金製の円錐形の融解槽を使用し、具体的には、厚さ1mm、内径25mm、高さ50mmの白金製の円錐形の追加原料融解槽60を使用した。この追加原料融解槽60の底部中央部に内径4mmの白金製の中空パイプを配置した。
原料融液130の表面にレーザー73が当たる位置に中心波長が405nmのブルーレーザー光源71および受光部72を設置した。
発熱体50、51、52は二珪化モリブデン製で上、中、下段の3ゾーンにヒータを独立に制御することが可能であり、各ヒータの長さは200mmであった。上段ヒータの温度を1400℃、中段ヒータの温度を1250℃、下段ヒータの温度を1100℃の温度幅で設定し、昇温を行った。昇温が終了して炉内の温度が安定した後、単結晶育成用るつぼ10を緩やかな速度にて昇降装置40を用いて上昇させた。炉内には上部の温度が高く、下部の温度が低い温度勾配がつくられているので、炉の上部に移動するに従って、るつぼ10内の温度が上昇し、原料が融解してLN融液130が生成された。
原料融液130が生成された単結晶育成用るつぼ10の下端部の位置付近で、熱電対90の接触点の位置の温度をモニターしながら、単結晶育成用るつぼ10の位置を数mm上昇させ、温度を安定させた。その工程を繰り返して、熱電対90の温度が安定した状態で1243〜1263℃の範囲になるよう単結晶育成用るつぼ10を上昇させた。数時間の保持を行った後、2mm/hで、単結晶育成用るつぼ10を、昇降装置40を用いて回転させながら降下させ、単結晶120の育成を開始した。
結晶成長開始直後に、LN追加原料140を追加原料融解槽60へ結晶長換算で135mm分を供給し、融解させて追加融液原料150として、るつぼ10の原料融液130へ滴下させた。この際、追加原料140、150の供給は、ブルーレーザー73による液面変化から算出した単位時間当たりの結晶成長量と同量を連続的に供給した。追加原料140、150の投入は、0.5時間に1度の間隔で実施した。
そして、原料融液130が所定の固化率90%になった時点で、LN追加原料140、150の連続的供給を停止し、これに変わって第2のLN追加原料を追加し、融液の組成がLi0.968Nb1.032(コングルエント組成)に達した時点で停止した。その後、全ての融液を結晶化させて、るつぼ10の下降を停止した。
単結晶120の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶120のインゴットを取り出した。インゴットの長さは200mmであり、異相の生成やクラックの発生は見られたかった。
取り出したLN単結晶120を大気雰囲気下で1100℃に保って10時間アニール処理を行ったが、アニール処理後もクラック等が伸展することなく、良質な単結晶120が得られた。
[実施例2]
LN種結晶110の組成を、化学量論比でLiとNb比率がLi0.99Nb1.01に、第2のLN追加原料140の組成を、化学量論比でLiとNb比率がLi0.77Nb1.23に変更した以外は、実施例1と同様の条件及び方法でLN単結晶120を育成した。
単結晶120の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶120のインゴットを取り出した。インゴットの長さは200mmであり、異相の生成やクラックの発生は見られたかった。
取り出したLN単結晶120を大気雰囲気下で1100℃に保って10時間アニール処理を行ったが、アニール処理後もクラック等が伸展することなく、良質な単結晶120が得られた。
[実施例3]
LN初期原料の組成を、化学量論比でLiとNb比率がLi1.10Nb0.90に、第2のLN追加原料140の組成を、化学量論比でLiとNb比率がLi0.87Nb1.13に変更した以外は、実施例1と同様の条件及び方法でLN単結晶120を育成した。
単結晶120の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶120のインゴットを取り出した。インゴットの長さは200mmであり、異相の生成やクラックの発生は見られたかった。
取り出したLN単結晶120を大気雰囲気下で1100℃に保って10時間アニール処理を行ったが、アニール処理後もクラック等が伸展することなく、良質な単結晶120が得られた。
[実施例4]
LN初期原料の組成を、化学量論比でLiとNb比率がLi1.10Nb0.90に、第2のLN追加原料140の組成を、化学量論比でLiとNb比率がLi0.87Nb1.13に変更した以外は、実施例2と同様の条件及び方法でLN単結晶120を育成した。
単結晶120の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶120のインゴットを取り出した。インゴットの長さは200mmであり、異相の生成やクラックの発生は見られたかった。
取り出したLN単結晶120を大気雰囲気下で1100℃に保って10時間アニール処理を行ったが、アニール処理後もクラック等が伸展することなく、良質な単結晶120が得られた。
[比較例1]
追加原料140の追加原料融解槽60へ供給速度を、ブルーレーザー73により算出した単位時間当たりの結晶成長量の1.3倍量で供給したこと以外は、実施例1と同様の条件及び方法でLN単結晶を育成した。
単結晶の育成終了後、単結晶育成用るつぼ1を破壊してLN単結晶120のインゴットを取り出したところ、異相の生成およびクラックの発生が確認された。
[比較例2]
追加原料の追加原料融解槽60へ供給速度を、ブルーレーザー73により算出した単位時間当たりの結晶成長量の0.7倍量で供給したこと以外は、実施例1と同様の条件及び方法でLN単結晶を育成した。
単結晶120の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶のインゴットを取り出したところ、異相の生成およびクラックの発生が確認された。
[比較例3]
追加原料140の追加原料融解槽60へ供給速度を、ブルーレーザー73により算出した単位時間当たりの結晶成長量の1.3倍量で供給したこと以外は、実施例2と同様の条件及び方法でLN単結晶120を育成した。
単結晶の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶のインゴットを取り出したところ、異相の生成およびクラックの発生が確認された。
[比較例4]
追加原料140の追加原料融解槽60へ供給速度を、ブルーレーザー73により算出した単位時間当たりの結晶成長量の0.7倍量で供給したこと以外は、実施例2と同様の条件及び方法でLN単結晶を育成した。
単結晶の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶のインゴットを取り出したところ、異相の生成およびクラックの発生が確認された。
[比較例5]
追加原料140の追加原料融解槽60へ供給速度を、ブルーレーザー73により算出した単位時間当たりの結晶成長量の1.3倍量で供給したこと以外は、実施例3と同様の条件及び方法でLN単結晶を育成した。
単結晶の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶のインゴットを取り出したところ、異相の生成およびクラックの発生が確認された。
[比較例6]
追加原料140の追加原料融解槽60へ供給速度を、ブルーレーザー73により算出した単位時間当たりの結晶成長量の0.7倍量で供給したこと以外は、実施例3と同様の条件及び方法でLN単結晶を育成した。
単結晶の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶のインゴットを取り出したところ、異相の生成およびクラックの発生が確認された。
[比較例7]
追加原料140の追加原料融解槽60へ供給速度を、ブルーレーザー73により算出した単位時間当たりの結晶成長量の1.3倍量で供給したこと以外は、実施例4と同様の条件及び方法でLN単結晶を育成した。
単結晶の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶のインゴットを取り出したところ、異相の生成およびクラックの発生が確認された。
[比較例8]
追加原料140の追加原料融解槽60へ供給速度を、ブルーレーザー73により算出した単位時間当たりの結晶成長量の0.7倍量で供給したこと以外は、実施例4と同様の条件及び方法でLN単結晶を育成した。
単結晶の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶のインゴットを取り出したところ、異相の生成およびクラックの発生が確認された。
[比較例9]
単結晶の成長速度がるつぼ10の降下速度と同じと仮定し、追加原料140の追加原料融解槽60への供給を、結晶が2mm/hで成長した量と同量で供給した以外は、実施例1と同様の条件及び方法でLN単結晶を育成した。
単結晶の育成終了後、単結晶育成用るつぼ10を破壊してLN単結晶のインゴットを取り出したところ、異相の生成およびクラックの発生が確認された。
このように、図4にも示される通り、結晶化量を考慮し、これに対応する不足分を追加原料として供給した実施例1〜4においては、異相の生成及びクラックの発生は見られなかった。一方、結晶化量を考慮せず、それには対応しない量の追加原料を供給した比較例1〜9では、総て異相の生成及びクラックの発生が確認された。
本実施例によれば、本実施形態に係る結晶育成装置を用いて本実施形態に係る単結晶の製造方法を実施すれば、高品質の単結晶を製造することが示された。
なお、実施形態及び実施例においては、ニオブ酸リチウムの例を中心にして説明したが、本発明はタンタル酸リチウムの場合にも適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態及び実施例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、育成方法や装置構成等の変更を行なってもよい。即ち、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
10 るつぼ
20 るつぼ受け
30 回転ロッド
40 昇降装置
50、51、52 発熱体
60 追加原料融解槽
70 センサー
71 レーザー光源
72 受光部
73 レーザー
80 追加粉末原料供給部
90 熱電対
100 制御部
110 種結晶
120 成長結晶(単結晶)
130 原料融液
140 追加粉末原料
150 追加融液原料

Claims (5)

  1. 種結晶及び初期原料を含む原料を貯留保持可能なるつぼと、
    該るつぼの周囲に設けられ、前記原料の一部を融解して原料融液を生成可能なヒータと、
    前記るつぼを引き下げ可能に支持し、前記るつぼを引き下げて前記原料融液を凝固させる引き下げ装置と、
    前記るつぼ内に粉末原料を供給可能な粉末原料供給手段と、
    前記るつぼに貯留保持された前記原料融液の液面の高さ位置を測定する液面位置測定手段と、
    前記液面位置測定手段が測定した前記原料融液の液面の高さ位置に基づいて前記原料融液の結晶化量を求めることにより、追加粉末原料の必要量を算出し、前記粉末原料供給手段から前記必要量の前記粉末原料を前記るつぼ内に供給させる制御手段と、を有する結晶育成装置。
  2. 前記液面位置測定手段は、前記原料融液の液面に照射可能なブルーレーザーを用いたセンサーであり、前記ブルーレーザーの中心波長は360〜500nmの範囲内にある請求項1に記載の結晶育成装置。
  3. るつぼ内下部に種結晶、該種結晶の上に初期原料を充填する工程と、
    前記種結晶及び前記初期原料の一部を融解して原料融液を生成する工程と、
    前記るつぼを下降させながら、前記種結晶側から前記原料融液を徐々に凝固させる工程と、
    前記原料融液の液面の高さ位置を測定する工程と、
    前記原料融液の液面の高さ位置の測定結果に基づいて前記原料融液の結晶化量を求めることにより、不足した前記原料融液を補うために必要な追加原料の必要量を算出する工程と、
    前記必要量の前記追加原料を、連続的又は間欠的に前記るつぼ内に供給する工程と、を有する単結晶の製造方法。
  4. 前記原料融液の高さ位置を測定する工程は、前記原料融液の液面にブルーレーザーを照射するセンサーを用いて行われ、前記ブルーレーザーの中心波長は360〜500nmの範囲内にある請求項3に記載の単結晶の製造方法。
  5. 前記種結晶はニオブ酸リチウム(LiNbO)であり、
    前記初期原料はLi1+xNb1−x(0≦x<0.2)であり、
    前記追加原料はLi1−yNb1+y(0≦y≦0.032)である請求項3又は4に記載の単結晶の製造方法。
JP2017165654A 2017-08-30 2017-08-30 結晶育成装置及び単結晶の製造方法 Active JP6930294B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017165654A JP6930294B2 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 結晶育成装置及び単結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017165654A JP6930294B2 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 結晶育成装置及び単結晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019043787A true JP2019043787A (ja) 2019-03-22
JP6930294B2 JP6930294B2 (ja) 2021-09-01

Family

ID=65813757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017165654A Active JP6930294B2 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 結晶育成装置及び単結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6930294B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020184122A1 (ja) 2019-03-11 2020-09-17 ソニー株式会社 情報処理装置、および情報処理システム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6114191A (ja) * 1984-06-29 1986-01-22 Tohoku Metal Ind Ltd 単結晶の製造方法
JP2007223879A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Sumco Techxiv株式会社 位置測定方法
JP2010120821A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Fuji Electric Holdings Co Ltd 結晶成長装置及び結晶成長方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6114191A (ja) * 1984-06-29 1986-01-22 Tohoku Metal Ind Ltd 単結晶の製造方法
JP2007223879A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Sumco Techxiv株式会社 位置測定方法
JP2010120821A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Fuji Electric Holdings Co Ltd 結晶成長装置及び結晶成長方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020184122A1 (ja) 2019-03-11 2020-09-17 ソニー株式会社 情報処理装置、および情報処理システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6930294B2 (ja) 2021-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011042560A (ja) サファイア単結晶の製造方法およびサファイア単結晶の製造装置
KR101857612B1 (ko) GaAs 단결정의 제조 방법 및 GaAs 단결정 웨이퍼
EP1757716B1 (en) Method and apparatus for preparing crystal
JP6930294B2 (ja) 結晶育成装置及び単結晶の製造方法
JP2012041200A (ja) 結晶成長方法
JP4966007B2 (ja) InP単結晶ウェハ及びInP単結晶の製造方法
JP2018135228A (ja) LiTaO3単結晶の育成方法とLiTaO3単結晶の処理方法
JPH0952788A (ja) 単結晶の製造方法及び製造装置
JP5029184B2 (ja) 半導体結晶の製造方法及びその製造装置
JP5152128B2 (ja) 化合物半導体結晶の製造方法
JP4682350B2 (ja) 結晶成長方法およびその装置
EP2501844A1 (en) Crystal growth apparatus and method
JP4916425B2 (ja) 結晶成長方法およびその装置
JP6702249B2 (ja) 酸化物単結晶の製造方法及び酸化物単結晶引き上げ装置
JP2018100202A (ja) LiNbO3単結晶の育成方法
JP6500807B2 (ja) CaMgZr置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(SGGG)単結晶の育成方法
JP7023458B2 (ja) 単結晶育成方法
JP6401673B2 (ja) 単結晶成長方法およびその装置
Cochet-Muchy Growth of piezoelectric crystals by Czochralski method
JP7349100B2 (ja) FeGa単結晶育成用種結晶及びFeGa単結晶の製造方法
JP2542434B2 (ja) 化合物半導体結晶の製造方法および製造装置
JP2022020187A (ja) FeGa合金単結晶の製造方法
JP2008260663A (ja) 酸化物単結晶の育成方法
JP2022146328A (ja) FeGa合金単結晶の製造方法
JP2022146327A (ja) FeGa合金単結晶の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6930294

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150