JP2022020187A - FeGa合金単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶育成において種結晶すべてが融解することを防止し、かつ、安定して単結晶を育成することができるFeGa合金単結晶の製造方法の提供。【解決手段】一方向凝固結晶成長法を用いるFeGa合金単結晶の製造方法であって、シーディング時における坩堝10内の温度を鉛直方向に下から上へ高くなるように、かつ坩堝10内の温度勾配が2.5~5.5℃/mmの範囲内となるように調整する、FeGa合金単結晶の製造方法。一方向凝固結晶成長法は、垂直ブリッジマン法であり、FeGa合金単結晶の育成時において、坩堝10の降下速度を2mm/時間以下とし、かつ、坩堝10内の温度勾配を2.5℃/mm以上とする、FeGa合金単結晶の製造方法。温度勾配をYとし、降下速度をXとした時、Y≧0.247X+2.00を満たす、FeGa合金単結晶の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄ガリウム合金(FeGa合金)単結晶の製造方法に関し、特に、垂直ブリッジマン法(Vertical Bridgman method、以下「VB法」と
略記する場合がある)や垂直温度勾配凝固法(Vertical Gradient Freeze method、以下「VGF法」と略記する場合がある)に代表される融液を坩堝中で固化させる、一方向凝固結晶成長法により形成された超磁歪特性を有するFeGa合金単結晶の製造方法に関する。
FeGa合金は、機械加工が可能であり、100~350ppm程度の大きな磁歪を示すため、磁歪式振動発電やアクチュエータ等に用いられる素材として好適であり、近年、注目されている。
さらに、FeGa合金は、結晶の特定方位に大きな磁気歪みを現出させることができるため、磁歪部材の磁歪を必要とする方向と結晶の磁気歪みが最大となる方位を一致させた単結晶の部材としての用途が最適であると考えられる。
FeGa合金の多結晶の製造方法においては、粉末冶金法や、急冷凝固法(例えば、特許文献1)、液体急冷凝固法により製造した薄片状や粉末状の原料を加圧焼結して製造する方法(例えば、特許文献2)などが提案されている。しかし、これらの種々の製造方法は、いずれも部材内は単結晶にならず多結晶となり、部材内の全ての結晶方位を磁気歪みが最大となる方位に一致させることは不可能で、単結晶の部材より磁歪特性が劣る。
一方で、単結晶の製造には、引き上げ法がある。例えば、特許文献3には、引き上げ法(チョクラルスキー法)による単結晶の育成方法が記載されている。しかしながら、この方法は、高周波誘導加熱方式により原料融解を行うため、電源コストが高くなる。また、装置構成が複雑であり、装置コストが高いため、引き上げ法では結果的に製造コストが高くなってしまう。
特許第4053328号公報 特許第4814085号公報 特開2016-28831号公報
このように、特許文献1~3に記載の従来の方法では、鉄ガリウム合金の単結晶を廉価かつ大量に製造することは困難である。
これらと比較し、VB法やVGF法に代表される、融液を坩堝中で固化させる一方向凝固結晶成長法により、超磁歪特性を有するFeGa合金単結晶を廉価に製造することができる。
FeGa合金単結晶の磁歪量は結晶組成に依存するため、FeGa合金単結晶を製造する場合には、単結晶中のガリウム含有量を制御することが重要である。例えば、単結晶中のガリウム含有量が原子量%で17~19%の場合、FeGa合金単結晶は300ppm以上の高い磁歪量となる。
一方向凝固結晶成長法においては、種結晶の上部に鉄とガリウムの混合物を配置し、当該混合物を融解した後に、種結晶の結晶方位を引き継ぎながら融解物を種結晶側から固化する必要がある。FeGa合金は不一致溶融性結晶であり、状態図において固相線と液相線が一致せず、ガリウム含有量が原子量%で17~19%の場合には固相線と液相線との温度差が約70~80℃となり、融解物が種結晶をすべて融解してしまい、目的の結晶方位で単結晶を育成できない状態が発生することがある。更には、結晶育成における共通の課題として、育成時の固化速度を速くした場合には、多結晶化が発生しやすくなるという問題がある。
そこで本発明は、このような事情に鑑み、一方向凝固結晶成長法を用いるFeGa合金単結晶の製造方法であって、結晶育成において種結晶すべてが融解することを防止し、かつ、安定して単結晶を育成することができるFeGa合金単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のFeGa合金単結晶の製造方法は、一方向凝固結晶成長法を用いるFeGa合金単結晶の製造方法であって、シーディング時における坩堝内の温度を鉛直方向に下から上へ高くなるように、かつ当該坩堝内の温度勾配が2.5~5.5℃/mmの範囲内となるように調整する。
前記一方向凝固結晶成長法は、垂直ブリッジマン法であり、前記FeGa合金単結晶の育成時において、前記坩堝の降下速度を2mm/時間以下とし、かつ、前記坩堝内の温度勾配を2.5℃/mm以上としてもよい。
前記一方向凝固結晶成長法は、垂直ブリッジマン法であり、前記FeGa合金単結晶の育成時において、前記坩堝の降下速度を5mm/時間以下とし、かつ、前記坩堝内の温度勾配を3.5℃/mm以上としてもよい。
前記一方向凝固結晶成長法は、垂直ブリッジマン法であり、前記FeGa合金単結晶の育成時において、前記坩堝の降下速度を7.5mm/時間以下とし、かつ、前記坩堝内の温度勾配を4.0℃/mm以上としてもよい。
前記一方向凝固結晶成長法は、垂直ブリッジマン法であり、前記FeGa合金単結晶の育成時において、前記坩堝の降下速度を10mm/時間以下とし、かつ、前記坩堝内の温度勾配を4.5℃/mm以上としてもよい。
前記温度勾配をYとし、前記降下速度をXとした時、Y≧0.247X+2.00を満たしてもよい。
本発明のFeGa合金単結晶の製造方法によれば、結晶育成において種結晶すべてが融解することを防止し、かつ、安定して単結晶を育成することができる。
鉄ガリウム合金の単結晶を育成する育成装置の概略断面図である。 種結晶中央部分での温度勾配の測定時の育成装置の概略断面図である。 温度勾配と坩堝降下速度の関係を示す図である。 VB法によるFeGa合金単結晶の製造方法の各工程における単結晶育成用坩堝10と抵抗加熱ヒーター12の配置を示す概略断面図である。
以下、本発明の一実施形態にかかるFeGa合金単結晶の製造方法について、図1、2に示す単結晶育成装置を参照して、より具体的に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
[単結晶育成装置]
図1は、FeGa合金単結晶を育成する単結晶育成装置の概略断面図である。この図1では、単結晶育成装置100における単結晶育成用坩堝10とFeGa合金種結晶16、原料となる鉄とガリウムの混合物17との位置関係を模式的に示している。
単結晶育成装置100は、断熱材11、上段ヒーター12a、中段ヒーター12b、下段ヒーター12c、可動用ロッド13、坩堝受け14、熱電対15、真空ポンプ18および、チャンバー19を備えている。チャンバー19内の上部が高温、下部が低温となる温度分布を実現可能な構成となっており、VB法やVGF法等の一方向凝固結晶成長法により、鉄とガリウムの混合物の融解物17を坩堝10中で固化させることで、FeGa合金単結晶を育成することができる。
図1に示すように単結晶育成装置100では、断熱材11の内側にカーボン製の抵抗加熱ヒーター12が配置される。FeGa合金単結晶の育成時に、抵抗加熱ヒーター12によりホットゾーンが形成される。抵抗加熱ヒーター12は、上段ヒーター12a、中段ヒーター12bおよび下段ヒーター12cとで構成され、これらのヒーター12a~12cへの投入電力を調整することにより、ホットゾーン内の温度勾配を制御することが可能となっている。
抵抗加熱ヒーター12の内側には、単結晶育成用坩堝10が配置され、上下方向に移動可能な可動用ロッド13が設けられた坩堝受け14(支持台)に載置されている。単結晶育成用坩堝10内の下部に、FeGa合金種結晶16が充填され、このFeGa合金種結晶16の上に、鉄とガリウムの混合物17が充填される。
育成炉には、チャンバー19と真空ポンプ18が設置されており、原料を真空雰囲気に調整して単結晶を育成することができる。さらに、アルゴンや窒素等の不活性ガスをチャンバー19へ導入することができ、原料を不活性雰囲気にも調整できる。
単結晶育成用坩堝10の材質は、FeGa合金単結晶と化学的反応性が低く、高融点材料であるアルミナが好ましい。また、マグネシア、熱分解窒化ホウ素(Pyrolitic Boron Nitride)でもよい。
上方側が開放された単結晶育成用坩堝10には、蓋を被せてもよい。単結晶育成用坩堝10は、上述したように単結晶育成装置100内で可動用ロッド13が設けられた坩堝受け14上に載置され、可動用ロッド13を上下させることにより、単結晶育成用坩堝10を育成炉内で上下させることができる。また、単結晶育成用坩堝10には、坩堝の温度をモニタリングできる熱電対15が取り付けられている。
[FeGa合金単結晶の製造方法]
次に、本発明の一実施形態にかかるFeGa合金単結晶の製造方法について図1、4を参照しつつ、説明する。
超磁歪特性を有するFeGa合金単結晶は、例えば鉄とガリウムの融解物を坩堝中で固化させて育成することができ、本発明では、VB法やVGF法に代表される、一方向凝固結晶成長法により育成することができる。
VB法では、まず、単結晶育成用坩堝10の下部に主面方位が<100>方位のFeGa合金種結晶16を配置する。そして、FeGa合金種結晶16の上には、原料である鉄とガリウムの混合物17を必要量配置し(図4(a)坩堝配置工程)、その後坩堝10に適宜蓋を被せる。
次に、チャンバー19内にアルゴンや窒素等の不活性ガスを流し、チャンバー19内を不活性雰囲気に調整する。窒化ガリウム等が生成するおそれがある場合には、アルゴンガスを導入することが好ましい。チャンバー19内が不活性雰囲気となった後、単結晶育成用坩堝10を囲むように配置された上段ヒーター12a、中段ヒーター12bおよび下段ヒーター12cを作動して、昇温し、鉄とガリウムの混合物17の融解を開始する(図4(b)融解工程)。
鉄とガリウムの混合物17がほぼ融解して融解物となったら、真空ポンプ18を作動して、チャンバー19内を減圧し、融解物中の気泡を取り除く(気泡除去工程)。
気泡除去工程後、チャンバー19内にアルゴンや窒素等の不活性ガスを流し、再びチャンバー19内を不活性雰囲気に調整した後、単結晶育成用坩堝10の内部でFeGa合金単結晶を育成する(図4(d)育成工程)。具体的には、抵抗加熱ヒーター12を用いて、FeGa合金種結晶16および融解物(鉄とガリウムの混合物17)が収納され、蓋を被せられた単結晶育成用坩堝10を、高さ方向の上方の温度が高く、下方の温度が低い温度分布となるように加熱する。この状態で、チャンバー19内の温度を、FeGa合金種結晶16が高さ方向の上半分位まで融解する位置まで可動用ロッド13を可動させて坩堝10を上昇させてシーディングを行う(図4(c)シーディング工程)。
シーディング時における単結晶育成用坩堝10内の温度を鉛直方向に下から上へ高くなるように、かつ単結晶育成用坩堝10内のシーディング時の温度勾配が、2.5~5.5℃/mmとなるよう、シーディング位置および抵抗加熱ヒーター12の投入電力は調整されている。
その後、そのままのチャンバー19内の温度勾配を維持しながら、単結晶育成用坩堝10の降下速度を1~10mm/時間の範囲で設定し、一定速度で可動用ロッド13を可動させ単結晶育成用坩堝10を下降させてFeGa合金単結晶16を育成し(図4(d)育成工程)、すべての融解物を固化させる。尚、単結晶育成用坩堝10の降下速度を1mm/時間以下に設定しても単結晶の育成が可能であるが、育成期間が長くなり生産性が落ちる。結晶組成の変化を抑えるために、単結晶育成用坩堝10の降下速度は5mm/時間以上とするのがよい。
坩堝10の下降が終了して単結晶の育成が終了した後(図4(e))、所定速度で冷却を行ってFeGa合金単結晶を得る(冷却工程)。
次に、チャンバー19内の温度が室温程度になったことを確認した後、育成された単結晶が入った単結晶育成用坩堝10を坩堝受け14から取り外し、さらに蓋を取って単結晶育成用坩堝10から育成された単結晶を取り出す。
上記では、単結晶育成装置100を用いたVB法によるFeGa合金単結晶の製造方法について説明したが、同じ単結晶育成装置100を用いて、単結晶育成中に単結晶育成用坩堝10を上下に移動させることに替えて、抵抗加熱ヒーター12を調整して温度制御するVGF法によっても、FeGa合金単結晶を製造することができる。
[坩堝内の温度勾配と坩堝降下速度]
次に、本発明の一実施形態にかかる単結晶育成装置100を用いた垂直ブリッジマン法における、単結晶育成用坩堝10内の温度勾配の測定方法について図2を参照しつつ、説明する。
まず、単結晶育成装置100で単結晶育成時の温度のモニタリング用の熱電対15を取り外す。次に、側面に穴を開けた単結晶育成用坩堝10を設置する。単結晶育成用坩堝10のFeGa合金種結晶設置部分の高さ方向の半分の位置(シーディング時の固液界面)に先端が配置されるよう、熱電対50を取り付ける。なお、FeGa合金種結晶および原料である鉄とガリウムの混合物は充填しない。
次に、チャンバー19内にアルゴンや窒素等の不活性ガスを流し、チャンバー19内を不活性雰囲気に調整する。チャンバー19内が不活性雰囲気となった後、単結晶育成用坩堝10を囲むように配置された上段ヒーター12a、中段ヒーター12bおよび下段ヒーター12cを作動して、昇温する。
上段ヒーター12a、中段ヒーター12bおよび下段ヒーター12cの温度を一定にして、一定速度で可動用ロッド13を上下に可動させて単結晶育成用坩堝10を上下に移動しながら、各位置での単結晶育成用坩堝10内の熱電対50の先端の温度を測定する。単結晶育成用坩堝10の移動速度が速い場合には、正確な温度が測定できないため、移動速度を例えば2~5mm/時間として測定を行う。目的のFeGa組成を、FeGa合金単結晶中のガリウム含有量が原子量%で18%とする場合は、固化温度が約1450℃であるので、熱電対50の先端の測定温度が1450℃となるときの単結晶育成用坩堝10の位置が、シーディング位置となる(図4(c))。シーディング位置で測定した単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を、FeGa合金単結晶育成時のシーディング時の温度勾配とする。
次に、目標の温度勾配を決める。例えば、シーディング時における単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を3.5℃/mmに設定する場合、上段ヒーター12aの投入電力を変更して、一定速度で可動用ロッド13を上下に可動させて温度測定を行う。温度勾配を大きくする場合は、上段ヒーター12aへの投入電力を上げ、シーディング位置を下方に調整する。
上記を繰り返し、単結晶育成用坩堝10内の温度勾配が2.5℃/mm以上5.5℃/mm以下となるシーディング位置および上段ヒーター12aへの投入電力を設定する。ヒーター出力上昇による消費電力の増加、および融解物上面からのガリウム蒸気の発生を抑えるために、上記温度勾配を5.5℃/mm以下とする。また、温度勾配が6.5℃/mmとなるシーディング位置を調査しようとしたが、高温のため白金ロジウム製の熱電対50が温度測定中に断線したため、中断した。
本発明のFeGa合金単結晶の製造方法では、鉄ガリウム合金種結晶16がすべて融解することを防止できる。FeGa合金は不一致溶融性結晶のため、FeGa合金中のガリウム含有量が原子量%で18%の場合において、状態図上の固相線と液相線の温度差は約75℃となる。そのため、鉄ガリウム合金種結晶16を完全に融解させないためには、鉄ガリウム合金種結晶16の上下方向に75℃以上の温度差が必要になる。通常は、鉄ガリウム合金種結晶16の上下方向の長さを30mmにしているため、鉄ガリウム合金種結晶16を完全に融解させないためには、鉄ガリウム合金種結晶16の上下方向に75℃以上の温度差を設けるべく、単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を2.5℃/mm以上とする必要がある。
なお、単結晶育成用坩堝10の降下速度を速くすることで、FeGa合金の短時間での育成が可能となるが、多結晶化する事態が発生した。単結晶育成用坩堝10の降下速度を1~10mm/時間の条件でFeGa合金を育成した場合、鉄ガリウム合金種結晶16の上部から直胴開始部の増径部で、育成結晶表面を起点として多結晶化が発生していた。多結晶化としては、結晶表面には多結晶化が見られても、結晶内部には伝搬せずに単結晶となるもの、および、結晶内部にも粒界が伝搬し、そのまま成長軸方向に沿って粒界を引き継ぎ、結晶上部まで多結晶化しているものの2つに分類された。この2つを層別したところ、単結晶育成用坩堝10内の温度勾配が高いと単結晶となり、温度勾配が低いと多結晶となることが分かった。更には、単結晶育成用坩堝10の降下速度が速いほど、より温度勾配を高く設定しないと多結晶化を防止できないことが分かった。
シーディング時における単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を高く設定することで、より広い範囲での単結晶育成用坩堝10の降下速度での単結晶育成が可能となる。しかし、シーディング時における単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を高く設定すると、ヒーター出力が高くなる。これに伴い、融解物の蒸発量が増え、断熱材11、ヒーター12、坩堝受け14等に付着し、清掃が必要となる。融解物の蒸発量を抑えるために、単結晶育成用坩堝10に蓋を被せる方が好ましい。融解物の蒸発量は、シーディング時における単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を6.0℃/mm以上に設定した場合に、ヒーターの出力により激しくなる。よって、シーディング時における単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を5.5℃/mm以下とするのがよい。
図3に、後述する実施例1~5および比較例1~4より得られた結果に基づく、シーディング時における単結晶育成用坩堝10内の温度勾配と単結晶育成用坩堝10の降下速度の関係を示す。図3から判るように、温度勾配と坩堝降下速度には相関があり、上記温度勾配をYとし、坩堝降下速度をXとした時、Y≧0.247X+2.00 を満たす実施例1~5において、良好なFeGa合金単結晶を得られたことが解る。
上記では、単結晶育成装置100を用いたVB法による鉄ガリウム合金の単結晶育成方法について説明したが、同じ単結晶育成装置100を用いて、単結晶育成中に単結晶育成用坩堝10を上下に移動させることに替えて、抵抗加熱ヒーター12を調整して温度制御するVGF法によっても、鉄ガリウム合金の単結晶を育成することができる。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
まず、室温20℃の環境下で、化学量論比で鉄とガリウムの比率が82:18になるように、すなわちガリウム含有量が原子量%で18.0%となるように、メディアン径が約1mmの粒状鉄原料(純度:99.9%)とガリウム原料(純度:99.99%)を秤量した。秤量したガリウム原料をテフロン(登録商標)容器に投入し、湯煎により融解した。さらに、融解したガリウム原料へ鉄原料を投入し、容器内で攪拌を行った後、室温まで冷却し、混合原料である鉄とガリウムの混合物17を作製した。
そして、厚さ4mm、内径52mm、高さ200mmの緻密質アルミナ製の単結晶育成用坩堝10内の下部に、あらかじめガリウム含有量を調整したFeGa合金種結晶16(ガリウム含有量が原子量%で17%、直径5mmおよび長さ30mmの円柱形状)を充填し、かつ、当該FeGa合金種結晶16の上に鉄とガリウムの混合物17を充填した。このとき、FeGa合金種結晶16には、主面方位が<100>方位である結晶を使用した。
次に、単結晶育成用坩堝10の開口部10aに、緻密質アルミナの焼結物製の蓋を被せた。そして、FeGa合金種結晶16と鉄とガリウムの混合物17が充填された単結晶育成用坩堝10を、図1に示すように、多孔質アルミナ製の坩堝受け14上に載置し、熱電対15の先端部を単結晶育成用坩堝10の側面に接触させた。
次に、可動用ロッド13を駆動させて坩堝受け14をチャンバー19内の最下部にセットした。その後、チャンバー19内にアルゴンガスを導入し、チャンバー19内を大気圧のアルゴン雰囲気に調整した。また、カーボン製の抵抗加熱ヒーターからなる上段ヒーター12a、中段ヒーター12bおよび下段ヒーター12cとしては、独立に制御可能なものを使用した。
そして、上段ヒーター12aの温度を1500℃、中段ヒーター12bの温度を1400℃、下段ヒーター12cの温度を1300℃の温度幅で設定し、チャンバー19内の昇温を行った。昇温が終了してチャンバー19内の温度が安定した後、可動用ロッド13を駆動させて坩堝受け14を上昇させることにより、単結晶育成用坩堝10を緩やかな速度で上昇させた。チャンバー19内には上部の温度が高く、下部の温度が低い温度勾配がつくられているので、チャンバー19の上部に移動するに従って単結晶育成用坩堝10内の温度が上昇し、鉄とガリウムの混合物17が融解してその融解物が形成された。
なお、上段ヒーター12aの温度1500℃は、単結晶育成用坩堝10の温度勾配が2.5℃/mmになるように、前述した方法により設定した。この時、中段ヒーター12bの温度を1400℃、下段ヒーター12cの温度を1300℃に設定し、単結晶育成用坩堝10の移動速度は、2mm/時間で測定を行った。FeGa組成はFeGa合金単結晶中のガリウム含有量が原子量%で18%であり、この場合のFeGa合金の固化温度が約1450℃であるので、熱電対50の先端の測定温度が1450℃となるときの単結晶育成用坩堝10の位置をシーディング位置とした。その結果、上段ヒーター12aの温度を1500℃とすればよいことがわかった。
混合原料がほぼ融解して融解物となったら、チャンバー19内へのアルゴンガスの導入を抑え、真空ポンプを使用して350Paまでチャンバー19内を減圧し、そのまま、約30分間保持した。次に200Pa以下となるまで2.5Pa/分の勾配で60分かけて徐々に減圧し、融解物中の気泡を除去した(気泡除去工程)。気泡除去工程後、アルゴンガスの導入を再開し、チャンバー19内を1気圧の不活性雰囲気に調整した。
上記融解物が形成された単結晶育成用坩堝10の位置する付近で、熱電対15の接触点位置の温度をモニターしながら、可動用ロッド13を駆動させて単結晶育成用坩堝10内の温度勾配2.5℃/mmに維持しつつ、単結晶育成用坩堝10をシーディング位置まで数mm上昇させて温度を安定させた。この工程を繰り返して、熱電対15の温度が安定した状態で1350~1400℃の範囲になるよう単結晶育成用坩堝10を上昇させた。単結晶育成用坩堝10を保持する位置が定まったら、3時間保持してシーディングを行った。シーディングを行った後、上段ヒーター12aの温度を1500℃、中段ヒーター12bの温度を1400℃、下段ヒーター12cの温度を1300℃に維持しつつ、可動用ロッド13を駆動させて単結晶育成用坩堝10の降下速度を2mm/時間として単結晶育成用坩堝10を降下させ、FeGa合金単結晶の育成を開始した。単結晶育成用坩堝10の降下距離が150mmとなった後、育成を終了した。
上記単結晶の育成終了後、単結晶育成用坩堝10から育成したFeGa合金単結晶のインゴットを取り出したところ、直径52mm、直胴部40の長さ100mmのFeGa合金の単結晶が得られた。FeGa合金種結晶16の下端部には融解は見られず、FeGa合金種結晶16の全てが融解しなかったことを確認した。さらに、育成されたFeGa合金の単結晶を切断し、結晶内部を観察したが、目視で確認できるような空孔等の欠陥は確認されなかった。
また、上記を10回繰り返し、FeGa合金単結晶のインゴットを10本製造した。いずれのインゴットにおいても、上記と同様の結果となり、安定してFeGa合金単結晶のインゴットを製造することができた。
[実施例2]
上段ヒーター12aの温度を1600℃、シーディング時の単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を3.5℃/mmとしたこと以外は、実施例1と同様に鉄とガリウムの混合物17を作製し、単結晶の育成を行った。
上記単結晶の育成終了後、単結晶育成用坩堝10から育成したFeGa合金単結晶のインゴットを取り出したところ、直径52mm、直胴部40の長さ100mmのFeGa合金の単結晶が得られた。FeGa合金種結晶16の下端部には融解は見られず、FeGa合金種結晶16の全てが融解しなかったことを確認した。さらに、育成されたFeGa合金の単結晶を切断し、結晶内部を観察したが、目視で確認できるような空孔等の欠陥は確認されなかった。
また、上記を10回繰り返し、FeGa合金単結晶のインゴットを10本製造した。いずれのインゴットにおいても、上記と同様の結果となり、安定してFeGa合金単結晶のインゴットを製造することができた。
[実施例3]
上段ヒーター12aの温度を1600℃、シーディング時の単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を3.5℃/mm、育成時の単結晶育成用坩堝10の降下速度を5mm/時間としたこと以外は、実施例1と同様に鉄とガリウムの混合物17を作製し、単結晶の育成を行った。
上記単結晶の育成終了後、単結晶育成用坩堝10から育成したFeGa合金単結晶のインゴットを取り出したところ、直径52mm、直胴部40の長さ100mmのFeGa合金の単結晶が得られた。FeGa合金種結晶16の下端部には融解は見られず、FeGa合金種結晶16の全てが融解しなかったことを確認した。さらに、育成されたFeGa合金の単結晶を切断し、結晶内部を観察したが、目視で確認できるような空孔等の欠陥は確認されなかった。
また、上記を10回繰り返し、FeGa合金単結晶のインゴットを10本製造した。いずれのインゴットにおいても、上記と同様の結果となり、安定してFeGa合金単結晶のインゴットを製造することができた。
[実施例4]
上段ヒーター12aの温度を1625℃、シーディング時の単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を4.0℃/mm、育成時の単結晶育成用坩堝10の降下速度を7.5mm/時間としたこと以外は、実施例1と同様に鉄とガリウムの混合物17を作製し、単結晶の育成を行った。
上記単結晶の育成終了後、単結晶育成用坩堝10から育成したFeGa合金単結晶のインゴットを取り出したところ、直径52mm、直胴部40の長さ100mmのFeGa合金の単結晶が得られた。FeGa合金種結晶16の下端部には融解は見られず、FeGa合金種結晶16の全てが融解しなかったことを確認した。さらに、育成されたFeGa合金の単結晶を切断し、結晶内部を観察したが、目視で確認できるような空孔等の欠陥は確認されなかった。
また、上記を3回繰り返し、FeGa合金単結晶のインゴットを3本製造した。いずれのインゴットにおいても、上記と同様の結果となり、安定してFeGa合金単結晶のインゴットを製造することができた。
[実施例5]
上段ヒーター12aの温度を1650℃、シーディング時の単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を4.5℃/mm、育成時の単結晶育成用坩堝10の坩堝降下速度を10mm/時間としたこと以外は、実施例1と同様に鉄とガリウムの混合物17を作製し、単結晶の育成を行った。
上記単結晶の育成終了後、単結晶育成用坩堝10から育成したFeGa合金単結晶のインゴットを取り出したところ、直径52mm、直胴部40の長さ100mmのFeGa合金の単結晶が得られた。FeGa合金種結晶16の下端部には融解は見られず、FeGa合金種結晶16の全てが融解しなかったことを確認した。さらに、育成されたFeGa合金の単結晶を切断し、結晶内部を観察したが、目視で確認できるような空孔等の欠陥は確認されなかった。
また、上記を3回繰り返し、FeGa合金単結晶のインゴットを3本製造した。いずれのインゴットにおいても、上記と同様の結果となり、安定してFeGa合金単結晶のインゴットを製造することができた。
[比較例1]
上段ヒーター12aの温度を1475℃、シーディング時の単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を2.0℃/mmとしたこと以外は、実施例1と同様に鉄とガリウムの混合物17を作製し、単結晶の育成を行った。
上記単結晶の育成終了後、単結晶育成用坩堝10から育成したFeGa合金単結晶のインゴットを取り出したところ、直径52mm、直胴部40の長さ100mmのFeGa合金が得られた。インゴットにおける種結晶部分は単結晶育成用坩堝10の内側形状にならって凹凸面となっていた。種結晶部分を切断し、方位を確認したが、<100>方位から大きくずれており、種結晶が全て融解していた。さらに育成されたFeGa合金インゴットを切断し、結晶内部を観察したが、目視で確認できるような空孔等の欠陥は確認されなかったため、単結晶であった。さらに、育成されたFeGa合金インゴットを切断し、方位を確認したが、<100>方位から大きくずれていた。
また、上記の育成をあと1回繰り返し、FeGa合金インゴットを育成したが、同様に種結晶が全て融解していた。育成されたFeGa合金インゴットを切断し、結晶内部を観察したが、粒界が観察され、多結晶化していた。また、育成されたFeGa合金を切断し、方位を確認したが、<100>方位から大きくずれていた。
[比較例2]
育成時の単結晶育成用坩堝10の降下速度を5mm/時間としたこと以外は、実施例1と同様に鉄とガリウムの混合物17を作製し、単結晶の育成を行った。
上記単結晶の育成終了後、単結晶育成用坩堝10から育成したFeGa合金のインゴットを取り出したところ、直径52mm、直胴部40の長さ100mmのFeGa合金が得られた。インゴットにおける種結晶部分の先端部には融解は見られなかった。さらに、育成されたFeGa合金インゴットを切断し、結晶内部を観察したが、粒界が観察され、多結晶化していた。また、上記の育成を3回繰り返したが、3本共に多結晶化していた。
[比較例3]
上段ヒーター12aの温度を1575℃、シーディング時の単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を3.0℃/mm、育成時の単結晶育成用坩堝10の降下速度を7.5mm/時間としたこと以外は、実施例1と同様に鉄とガリウムの混合物17を作製し、単結晶の育成を行った。
上記単結晶の育成終了後、単結晶育成用坩堝10から育成したFeGa合金単結晶のインゴットを取り出したところ、直径52mm、直胴部40の長さ100mmのFeGa合金の単結晶が得られた。インゴットにおける種結晶部分の先端部には融解は見られなかった。さらに、育成されたFeGa合金インゴットを切断し、結晶内部を観察したが、目視で確認できるような空孔等の欠陥は確認されなかった。
また、上記の育成を追加で2回繰り返した。2本ともに種結晶の先端部には融解は見られなかった。さらに、育成されたFeGa合金インゴットを切断し、結晶内部を観察したが、2本ともに粒界が観察され、多結晶化していた。
[比較例4]
上段ヒーター12aの温度を1625℃、シーディング時の単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を4.0℃/mm、育成時の単結晶育成用坩堝10の降下速度を10mm/時間としたこと以外は、実施例1と同様に鉄とガリウムの混合物17を作製し、単結晶の育成を行った。
上記単結晶の育成終了後、単結晶育成用坩堝10から育成したFeGa合金単結晶のインゴットを取り出したところ、直径52mm、直胴部40の長さ100mmのFeGa合金の単結晶が得られた。インゴットにおける種結晶部分の先端部には融解は見られなかった。さらに、育成されたFeGa合金インゴットを切断し、結晶内部を観察したが、目視で確認できるような空孔等の欠陥は確認されなかった。
また、上記の育成を追加で2回繰り返した。2本ともに種結晶の先端部には融解は見られなかった。さらに、育成されたFeGa合金インゴットを切断し、結晶内部を観察したが、2本ともに粒界が観察され、多結晶化していた。
実施例1~5、比較例1~4におけるFeGa合金インゴットの育成条件および育成結果について、表1に示す。表1の温度勾配において、計算値は図3に示すY=0.247X+2.01の式に基づき、坩堝降下速度をXとした場合の温度勾配Yの値である。
Figure 2022020187000002
結果として、シーディング時の単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を2.5℃/mm以上とすることで、種結晶下部の融解を防止することができた(実施例1~5、比較例2~4)。
一方で、シーディング時の単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を2.0℃/mmとした場合には、種結晶がすべて融解し、<100>方位での単結晶育成ができなかった(比較例1)。
シーディング時の単結晶育成用坩堝10内の温度勾配を2.5℃/mmとした場合、単結晶育成用坩堝10の降下速度が2mm/時間の条件では単結晶が育成できたが(実施例1)、単結晶育成用坩堝10の降下速度が5mm/時間の条件では多結晶化した(比較例2)。また、単結晶育成用坩堝10の降下速度を速くすると、多結晶化する温度勾配が高くなることが分かった(比較例2~4)。
[まとめ]
以上の実施例1~5、比較例1~4の結果より、育成時の坩堝の降下速度に合わせてシーディング時の坩堝内の温度勾配を調整することにより、種結晶全体の融解およびFeGa合金の多結晶化を防止できることが分かる。すなわち、本発明であれば、安定した品質のFeGa合金単結晶を廉価かつ大量に製造できることは、明らかである。
10 単結晶育成用坩堝、10a 開口部、11 断熱材、12 抵抗加熱ヒーター、12a 上段ヒーター、12b 中段ヒーター、12c 下段ヒーター、13 可動用ロッド、14 坩堝受け、15 熱電対、16 鉄ガリウム合金種結晶、17 鉄とガリウムの混合物、18 真空ポンプ、19 チャンバー、50 熱電対、100 単結晶育成装置

Claims (6)

  1. 一方向凝固結晶成長法を用いるFeGa合金単結晶の製造方法であって、
    シーディング時における坩堝内の温度を鉛直方向に下から上へ高くなるように、かつ当該坩堝内の温度勾配が2.5~5.5℃/mmの範囲内となるように調整する、FeGa合金単結晶の製造方法。
  2. 前記一方向凝固結晶成長法は、垂直ブリッジマン法であり、
    前記FeGa合金単結晶の育成時において、前記坩堝の降下速度を2mm/時間以下とし、かつ、前記坩堝内の温度勾配を2.5℃/mm以上とする、請求項1に記載のFeGa合金単結晶の製造方法。
  3. 前記一方向凝固結晶成長法は、垂直ブリッジマン法であり、
    前記FeGa合金単結晶の育成時において、前記坩堝の降下速度を5mm/時間以下とし、かつ、前記坩堝内の温度勾配を3.5℃/mm以上とする、請求項1に記載のFeGa合金単結晶の製造方法。
  4. 前記一方向凝固結晶成長法は、垂直ブリッジマン法であり、
    前記FeGa合金単結晶の育成時において、前記坩堝の降下速度を7.5mm/時間以下とし、かつ、前記坩堝内の温度勾配を4.0℃/mm以上とする、請求項1に記載のFeGa合金単結晶の製造方法。
  5. 前記一方向凝固結晶成長法は、垂直ブリッジマン法であり、
    前記FeGa合金単結晶の育成時において、前記坩堝の降下速度を10mm/時間以下とし、かつ、前記坩堝内の温度勾配を4.5℃/mm以上とする、請求項1に記載のFeGa合金単結晶の製造方法。
  6. 前記温度勾配をYとし、前記降下速度をXとした時、
    Y≧0.247X+2.00を満たす、請求項2~5のいずれかに記載のFeGa合金単結晶の製造方法。
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