JP4916425B2 - 結晶成長方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶成長方法およびその装置に関し、より詳細には、TSSG法またはカイロポーラス法、ブリッジマン法、温度勾配凝固法による結晶成長において、成長結晶の成長方向に対する組成変化を抑制し、均一な品質の単結晶を製造するための結晶成長方法およびその装置に関する。
従来、酸化物バルク単結晶の結晶成長方法として、溶融した融液に種子結晶を浸して引き上げながら結晶を育成するチョクラルスキー法(CZ法)が知られている。また、原料中に溶媒を使用する溶液成長法の1種である溶液引き上げ(TSSG:Top-Seeded Solution-Growth)法、結晶の引き上げを行わずに成長させるカイロポーラス法が知られている。TSSG法は、Si、GaAs、LiNbO3単結晶の結晶成長法として知られているCZ法と同様に、結晶の形状制御が可能であり、大型ウェハを作製するための結晶母材を得ることができる。その他に、固形原料を光学的に溶融し、溶融部分を移動させながら試料の精製、結晶の成長を行う浮遊帯域溶融(FZ:Floating Zone)法や、溶融した原料の融液または溶液をるつぼの中で固化させる、ブリッジマン法、温度勾配凝固法などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図1に、従来のTSSG法による結晶成長装置を示す。結晶製造装置は、ヒータ4によって温度制御可能な縦型管状炉5を有し、縦型管状炉5内のるつぼ台2に原料溶液8を入れたるつぼ1を設置している。縦型管状炉5は、炉体ふた10により密閉され、内面に設置された均熱管3により、炉内の温度が一定に保たれるようになっている。このような構成において、引き上げ軸6の先端に取り付けられた種子結晶7を、溶融した原料溶液8に浸して、成長結晶9を育成する。
成長温度の均一性を重視して、高品質単結晶を成長させるには、縦型管状炉5内、すなわち、るつぼ1と原料溶液8と成長結晶9とが位置する付近において、均一な温度分布が必要である。そこで上述したように、温度の均一性の高い抵抗加熱式の縦型管状炉5を構成している。また、引き上げ軸6には、酸化物や貴金属で形成された引き上げ軸を用いるのが、一般的である。
原料は、素原料である酸化物や炭化物を所望の組成比となるよう秤量し、るつぼ1に充填する。溶媒として、結晶の構成成分である酸化物や炭化物を過剰に追加したり、結晶の構成成分と異なる酸化物や炭化物を追加して充填することもある。原料が投入されたるつぼ1を、縦型管状炉5内に設置されたるつぼ台2上に設置する。ヒータ4を加熱することで、原料を昇温溶解し、原料溶液8を準備する。種子結晶7が先端に取り付けられた引き上げ軸6を縦型管状炉5に導入し、原料溶液8に接触させ、結晶育成を開始する。
種子結晶7を原料溶液8に接触させる際、すなわち種子付け過程では、原料溶液8の温度を調整し、種子結晶7が溶解せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する。その後、引き上げ軸6を回転しながら引き上げると同時に、原料溶液8を、加熱量の調整により冷却して行く。この冷却により、原料溶液8は、過飽和状態となる。結晶成長に十分な過飽和状態が原料溶液8に実現すると、種子結晶7の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。そして、種子付け、肩拡げ、定径部と順に成長過程が進行する。育成中は、その状態を形状センサもしくは重量センサを用いて検出し、成長が早い場合には昇温、成長が遅い場合には冷却を加えて、成長結晶9の直径制御を行う。また、引き上げ軸6を引き上げずに、成長結晶9を原料溶液8の中で成長させてもよい。
特開昭59-107996号公報 特開2000-344595号公報
溶液原料を用いた結晶成長過程においては、溶液原料内の溶質組成と成長結晶の組成が異なる固溶体性や、溶解した原料の組成と成長結晶の組成が異なる不一致溶融性により、成長につれて結晶組成が変化していくことが知られている。そこで、結晶組成の変化を抑制する従来技術として、結晶成長中に粉末もしくは液滴状態で追加原料を補充する原料チャージ法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、粉末原料を補充する場合、その粉末原料は、投入時には室温であるからるつぼ中の溶解した原料溶液の温度より低く、粉末の供給および粉末原料の溶解によって、原料溶液の温度を下げてしまう。一方、液滴状態で補充する場合でも、その液滴を原料溶液の温度と一致させることは困難であり、液滴原料の温度と原料溶液の温度の差によって、原料溶液の温度を変化させてしまう。従って、従来の原料チャージ法では、結晶成長中の原料溶液の温度を変化させ、成長結晶の成長速度に影響を及ぼすという問題があった。成長結晶の組成は、成長速度と相関しているので、成長速度の変化は成長結晶の組成の変動を誘起してしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、結晶成長過程における組成変化を防止し、均一性の高い単結晶を製造することができる結晶成長方法およびその装置を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、炉内に設置されたるつぼの底部に種子結晶を配置し、鉛直方向に上部の温度が高く、下部の温度が低い温度分布を実現し、前記るつぼ内の原料溶液を冷却することにより結晶を育成する結晶成長方法において、前記種子結晶を前記原料溶液に接触させ、前記原料溶液を冷却することにより結晶を成長させ、成長した結晶の直径が所望の径に達すると、成長結晶の組成と同一組成の原料棒を前記原料溶液に接触させ、前記原料棒と前記原料溶液との熱接触状態を維持し、単位時間あたりの成長結晶の成長量に一致する単位時間あたりの供給量となるように前記原料棒を降下させて、前記原料棒から溶解した原料を前記原料溶液に供給し、前記成長結晶の前記成長量は、溶液表面位置検出器により測定された、原料溶液と成長結晶との密度差により成長結晶の成長量に従って変化する原料溶液の液面の高さから算出されることを特徴とする。
前記原料棒が前記原料溶液と接触している部分の温度は、前記種子結晶または前記成長結晶が前記原料溶液と接触している部分の温度より高く保持されていることが望ましく、より好適には、温度差が100℃以内となるようにする。
前記原料棒は、成長した結晶の組成と同一組成となるように素原料を秤量して混合し、加圧圧縮して作製することができる。
請求項7に記載の発明は、炉内に設置されたるつぼの底部に種子結晶を配置し、鉛直方向に上部の温度が高く、下部の温度が低い温度分布を実現し、前記るつぼ内の原料溶液を冷却することにより結晶を育成する結晶成長装置において、成長結晶の成長量を算出するためのパラメータを検出するための検出手段と、成長した結晶の直径が所望の径に達すると、成長結晶の組成と同一組成の原料棒を前記原料溶液に挿入する原料棒昇降手段と、前記検出手段で検出されたパラメータから求めた単位時間あたりの成長結晶の成長量に一致する単位時間あたりの供給量となるように前記原料棒を降下させて、前記原料棒から溶解した原料が前記原料溶液に供給されるように、前記原料棒昇降手段を制御する原料供給制御手段であって、前記パラメータは、原料溶液と成長結晶との密度差により成長結晶の成長量に従って変化する原料溶液の液面の高さであることを備えたことを特徴とする。
前記検出手段は、前記パラメータとして、成長結晶の重量を測定したり、原料溶液の液面の高さを測定する。
以上説明したように、本発明によれば、成長結晶の成長量に応じて、原料棒から原料を原料溶液に供給して、原料溶液の組成を一定に保ちながら結晶成長させるので、均一な品質の単結晶を製造することができ、単結晶の利用効率を向上することが可能となる。
また、本発明によれば、原料棒と原料溶液とが熱接触状態を保持している為、原料の追加供給によって原料溶液の温度が変化することがなく、成長結晶の成長速度を変動させないので、均一な品質の単結晶を製造することができ、単結晶の利用効率を向上することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態では、原料溶液から成長する結晶組成と同一の組成の原料棒を、原料溶液と接触させる。ここで、原料棒は、種子結晶が原料溶液と接触している部分の温度より高い温度に保持されている。結晶の成長に従って原料溶液の組成は変化しようとするが、成長結晶の成長量に応じて、成長により消費された原料が原料棒から供給されるので、原料溶液の組成を一定に保つことができる。
図2に、本発明の一実施形態にかかる結晶製造装置の構成を示す。結晶製造装置は、ヒータ14によって温度制御可能な縦型管状炉15を有し、縦型管状炉15内のるつぼ台12に原料溶液18を入れたるつぼ11を設置している。縦型管状炉15は、炉体ふた20により密閉され、内面に設置された均熱管13により、炉内の温度が一定に保たれるようになっている。縦型管状炉15内の均一な温度分布を実現するために、ヒータ14として、抵抗加熱式のヒータを用いる。このような構成において、引き上げ軸16の先端に取り付けられた種子結晶17を、溶融した原料溶液18に浸して、成長結晶19を育成する。
上述したように、種子付け過程では、原料溶液18の温度を調整し、種子結晶17が溶解せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する。その後、引き上げ軸16を回転しながら、加熱量の調整により原料溶液18を冷却して行く。この冷却により、原料溶液18は過飽和状態となり、脱熱されている引き上げ軸16により冷却され、原料溶液18中で最も温度の低い種子結晶7の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。
結晶製造装置は、原料溶液18から成長した結晶の組成と同一組成の原料棒21を、原料棒昇降軸22を介して昇降させることができる原料棒昇降装置24と、成長結晶19の成長量を算出するためのパラメータとして、成長結晶19の重量を測定する重量検出器23と、入力として重量検出器23および出力として原料棒昇降装置24に接続された原料供給制御装置25とを備えている。
まず、重量検出器23により結晶重量を測定し、成長結晶の成長量を検出する。成長により消費された原料を原料棒から供給するために、原料棒昇降装置24を制御して、原料棒21を原料溶液18に挿入する。具体的には、重量検出器23で検出した成長結晶の重量より、原料供給制御装置25は、単位時間あたりの結晶成長量を求める。この結晶成長量と同量となるように原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さを算出する。原料供給制御装置25は、原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さを原料棒昇降装置24に送信し、原料棒昇降軸22を降下させる。原料棒昇降軸22の先端に固定された原料棒21は、原料棒昇降軸22の降下によって原料溶液18に溶解する必要長さだけ挿入される。原料棒21を挿入する部分の原料溶液温度は、あらかじめ種子結晶17もしくは成長結晶19の原料溶液温度より高温に設定してある。この温度差により原料棒21が溶解し、成長結晶19は成長を維持することができる。以上の操作を成長中に繰り返し行うことによって、結晶成長量に見合う原料が補充される。このようにして、成長結晶24の成長量に応じて原料溶液の組成を一定に保つことができる。
溶液成長の場合、結晶成長の進行につれて、溶質成分が消費され、溶媒成分中の溶質量が減少し、結晶化温度は低下する。従来の方法では、結晶成長中は溶質成分の消費量に応じて原料溶液18の温度を冷却し続ける必要があった。しかし、本実施形態では、原料溶液の組成が一定であるため、冷却を継続する必要はない。
図3に、るつぼ内の原料溶液の温度分布を示す。るつぼ11の半径rとし、るつぼ11の中心から外周部に向かって測定した原料溶液18の液面の径方向の温度分布を示す。るつぼ11の中心、すなわち種子結晶17または成長結晶19が原料溶液18と接触している部分−r0≦r≦+r0(r0は結晶半径)では、温度aの均一な温度分布を実現する。原料棒21が原料溶液18と接触している部分の温度bは、温度aより高い温度に保持されている。
この温度bと温度aの温度差により原料棒21が溶解し、種子結晶17または成長結晶19は成長を維持することができる。温度bと温度aとの温度差は、小さすぎると脱熱経路を有する種子結晶17または成長結晶19と、原料棒21との双方で結晶が成長してしまう。種子結晶17または成長結晶19に結晶が成長し、原料棒21に結晶が成長しない状態を実現するには、温度bと温度aとの温度差が5℃以上必要である。また、温度bと温度aとの温度差が大きすぎると、原料溶液18の液面に外周から中心へ向かう熱対流が促進される。原料溶液18の対流が激しいと、その対流が引き起こす温度変動により結晶の成長速度が変動し、結晶組成が変動し、品質劣化が生ずる。上記対流を抑制する観点から、温度bと温度aとの温度差を20℃以内にすることが望ましい。
図2には詳細に記載していないが、原料溶液18の液面の径方向の温度分布は、ヒータ14を複数のゾーンに分割して、各々の分割されたヒータのバイアス条件を調整したり、るつぼ11の外周に保温体を設置したり、内径がるつぼ径より小さいリングをるつぼ直上に装着するなど、るつぼ周りの伝熱状態を調整することによって実現することができる。
このようにして、原料棒21は、原料溶液18に挿入された表面からの自発溶解で供給される。原料棒21は、溶解した原料と接触しているから、熱接触が保たれており、原料溶液18の温度を変動させない。従って、育成中の結晶の成長速度に影響を及ぼすことがなく、結晶品質の変動を抑制することができる。また、温度bは、温度aより高い温度に保持されているので、種子結晶17に代えて、原料棒21を核として結晶成長することはない。
また、粉末や液滴で補充原料を補充する従来の方法では、補充の際に原料溶液表面を揺らがせる。TSSG法、カイロポーラス法では成長結晶の周囲にメニスカスと称する原料溶液の一部分が存在し、その形状を変化させることは成長結晶の品質に影響を及ぼすこととなる。本実施形態によれば、補充原料が原料溶液と接しているので、原料溶液表面揺らぎに影響を及ぼすことなく補充原料を補充でき、成長中の成長結晶品質を損なうこともない。
種子結晶または成長結晶の温度を低くし、原料棒の温度を高く設定することは、図2に示した結晶製造装置を用いて説明したTSSG法、カイロポーラス法による結晶成長のみならず、ブリッジマン法や温度勾配凝固法による結晶成長にも適用が可能である。単位時間あたりの結晶成長量は、結晶重量測定に代えて、温度降下量から相図に基づいて算出することができる。また、るつぼ内の温度分布シミュレーション手法を用いて、成長界面位置を特定し、結晶成長量を求めてもよい。成長結晶の密度と原料溶液の密度は異なるから、成長中の原料溶液表面の高さが結晶成長中に増減する。成長中の原料溶液表面の位置を測定し、結晶成長量を求めることもできる。求めた単位時間あたりの結晶成長量に基づいて、原料棒を溶解する必要長さだけ制御して原料溶液に挿入する。
以上の温度降下と原料棒挿入を繰り返し行うことによって、TSSG法、カイロポーラス法と同様に、成長結晶の成長量に見合う原料が補充され、原料溶液の組成を一定に保つことができる。垂直ブリッジマン法、温度勾配凝固法による結晶成長の場合、炉の下方の温度が低く、炉の上方の温度が高い温度分布が実現されており、原料溶液の対流は生じない。従って、TSSG法、カイロポーラス法による結晶成長で説明した原料棒の温度bと種子結晶または成長結晶の温度aとの温度差を20℃以内に制限する必要はない。ただし、原料溶液の蒸発を抑制するため、種子結晶または成長結晶と原料棒との温度差は、100℃以内にすることが望ましい。
本発明の実施例を、以下に説明する。本実施例は、一例であり、発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の改良を行いうることは言うまでもない。
TSSG法によるKTaxNb1-x3単結晶の製造法の実施例を、図2を用いて説明する。KTaxNb1-x3溶質原料は、素原料であるK2CO3とTa25とNb25とを所望の組成比となるように秤量し、るつぼ11に充填する。溶媒としてKを選択し過剰のK2CO3も併せてるつぼ11に充填する。KTaxNb1-x3溶質原料と過剰Kが投入されたるつぼ11を、縦型管状炉15内に設置されたるつぼ台12上に設置する。ヒータ14を加熱することで、原料を昇温溶解し、原料溶液18を準備する。種子結晶17が先端に取り付けられた引き上げ軸16を縦型管状炉15に導入し、原料溶液18に接触させ、結晶育成を開始する。原料の昇温溶解中、不要な炭酸基を脱ガスする為、結晶育成を開始する温度より高い過加熱過程を施す。
原料棒21の作製は、素原料であるK2CO3とTa25とNb25とを混合し、定径部工程で成長する結晶と同一の組成比となるよう秤量して、直径1cm、長さ50cmの棒状に加圧圧縮する。これを、1000℃で焼結して、原料棒21とする。原料棒21の充填率は100%に近いことが好ましい。1000℃での焼結の後、粉砕、加圧圧縮、再焼結の工程を繰り返すことで充填率を上げることができる。
種子結晶17を原料溶液18に接触させる際、すなわち種子付け過程では、原料溶液18の温度を調整し、種子結晶17が溶解せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する。その後、引き上げ軸16を回転させながら、加熱量の調整により原料溶液18を冷却して行く。この冷却により、原料溶液18は過飽和状態となり、脱熱されている引き上げ軸16により冷却され原料溶液18中で最も温度の低い種子結晶17の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。その後、引き上げ軸16を上方に0.1mm/hrの速度で上昇させることで、引き上げを開始する。加熱量の調整による原料溶液18の冷却を継続することで、成長結晶19の直径が増加し、成長結晶19の肩拡げ工程を行う。
成長結晶19の直径が所望の径に達した時点で、加熱量を一定にすると同時に、原料棒21を原料溶液18と接触させる。以後、結晶径が一定な定径部工程を行う。結晶成長に伴って、重量検出器23により結晶重量を測定し、原料供給制御装置25は、単位時間あたりの結晶成長量を求める。原料供給制御装置25は、この結晶成長量と同量となるように原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さを算出し、原料棒昇降装置24に送信する。原料棒昇降装置24は、原料棒昇降軸22の先端に固定された原料棒21を、原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さだけ降下させる。原料棒21を挿入する部分の原料溶液温度は、あらかじめ種子結晶17もしくは成長結晶19の原料溶液温度より5℃高温に設定する。この温度差により原料棒21が溶解し、成長結晶19は成長を維持する。以上の操作を定径部工程中に繰り返し行うことによって、結晶成長量に見合う原料を補充する。
成長結晶19が所望の大きさに成長した時点で、引き上げ軸16を高速で引き上げ、成長結晶19を原料溶液18から切り離し、結晶成長を停止する。結晶成長後、ヒータ14の加熱量を下げ、縦型管状炉15を室温まで冷却する。成長した結晶の定径部には、形状変動がないファセット面が表出した。成長条件の変化による外形変化、欠陥発生も認められない。目視による観察で、色調均一でかつ欠陥の介在も認められないKTaxNb1-x3単結晶が得られる。
この結晶を引き上げ方向に沿って切断し、研磨することでウエハを作製する。作製したウエハを化学分析により組成分析したところ、定径部工程で成長した成長結晶19の組成xは、引き上げ方向に対して一定であった。原料棒を挿入せずに定径部を冷却により成長させた場合には、KTaxNb1-x3は固溶体であるから、定径部工程で成長した成長結晶の組成xは、引き上げるにつれて減少する。一方、原料棒の挿入により原料を補充しながら定径部工程を実施することにより、成長結晶の成長量に応じて原料溶液の組成を一定に保つことができる。
TSSG法によるK1-yLiyTaxNb1-x3(0<y<0.4)単結晶の製造法の実施例を、図2を用いて説明する。K1-yLiyTaxNb1-x3溶質原料は、素原料であるK2CO3とLi2CO3とTa25とNb25とを所望の組成比となるように秤量し、るつぼ11に充填する。溶媒としてKとLiの混合物を選択し過剰のK2CO3とLi2CO3も併せてるつぼ11に充填する。K1-yLiyTaxNb1-x3溶質原料と過剰なKとLiが投入されたるつぼ11を、縦型管状炉15内に設置されたるつぼ台12上に設置する。ヒータ14を加熱することで、原料を昇温溶解し、原料溶液18を準備する。種子結晶17が先端に取り付けられた引き上げ軸16を縦型管状炉15に導入し、原料溶液18に接触させ、結晶育成を開始する。原料の昇温溶解中、不要な炭酸基を脱ガスする為、結晶育成を開始する温度より高い過加熱過程を施した。
原料棒21の作製は、素原料であるK2CO3とLi2CO3とTa25とNb25とを混合し、定径部工程で成長する結晶と同一の組成比となるよう秤量して、直径1cm、長さ50cmの棒状に加圧圧縮する。これを、900℃で焼結して、原料棒21とする。原料棒21の充填率は100%に近いことが好ましい。900℃での焼結の後、粉砕、加圧圧縮、再焼結の工程を繰り返すことで充填率を上げることができる。
種子結晶17を原料溶液18に接触させる際、すなわち種子付け過程では、原料溶液18の温度を調整し、種子結晶17が溶解せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する。その後、引き上げ軸16を回転させながら、加熱量の調整により原料溶液18を冷却して行く。この冷却により、原料溶液18は過飽和状態となり、脱熱されている引き上げ軸16により冷却され原料溶液18中で最も温度の低い種子結晶17の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。その後、引き上げ軸16を上方に0.2mm/hrの速度で上昇させることで、引き上げを開始する。加熱量の調整による原料溶液18の冷却を継続して行くことで、成長結晶19の直径が増加し、成長結晶19の肩拡げ工程を行う。
成長結晶19の直径が所望の径に達した時点で、加熱量を一定にすると同時に、原料棒21を原料溶液18と接触させる。以後、結晶径が一定な定径部工程を行う。結晶成長に伴って、重量検出器23により結晶重量を測定し、原料供給制御装置25は、単位時間あたりの結晶成長量を求める。原料供給制御装置25は、この結晶成長量と同量となるように原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さを算出し、原料棒昇降装置24に送信する。原料棒昇降装置24は、原料棒昇降軸22の先端に固定された原料棒21を、原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さだけ降下させる。原料棒21を挿入する部分の原料溶液温度は、あらかじめ種子結晶17もしくは成長結晶19の原料溶液温度より10℃高温に設定する。この温度差により原料棒21が溶解し、成長結晶19は成長を維持する。以上の操作を定径部工程中に繰り返し行うことによって、結晶成長量に見合う原料を補充する。
成長結晶19が所望の大きさに成長した時点で、引き上げ軸16を高速で引き上げ、成長結晶19を原料溶液18から切り離し、結晶成長を停止する。結晶成長後、ヒータ14の加熱量を下げ、縦型管状炉15を室温まで冷却する。成長した結晶の定径部には、形状変動がないファセット面が表出した。成長条件の変化による外形変化、欠陥発生も認められない。目視による観察で、色調均一でかつ欠陥の介在も認められないK1-yLiyTaxNb1-x3単結晶が得られる。
この結晶を引き上げ方向に沿って切断し、研磨することでウエハを作製する。作製したウエハを化学分析により組成分析したところ、定径部工程で成長した成長結晶19の組成xおよびyは、引き上げ方向に対して一定であった。原料棒を挿入せずに定径部を冷却により成長させ場合には、K1-yLiyTaxNb1-x3は固溶体であるから、定径部工程で成長した成長結晶の組成xは、引き上げるにつれて減少する。また、Liは原料として投入したLi/(K+Li)比どおりに結晶に取り込まれないため、yも変化する。一方、原料棒の挿入により原料を補充しながら定径部工程を実施することにより、成長結晶の成長量に応じて原料溶液の組成を一定に保つことができる。
TSSG法によるKTaxNb1-x3単結晶の製造法の実施例を、図2を用いて説明する。KTaxNb1-x3溶質原料は、素原料であるK2CO3とTa25とNb25とを所望の組成比となるように秤量し、るつぼ11に充填する。溶媒としてKを選択し過剰のK2CO3も併せてるつぼ11に充填する。さらに、NaやMg、Ca、Sr、Baなどの周期律表Ia、IIa族の元素を、不純物として添加する。添加量は、溶質と溶媒のK、Ta、Nbの総モル数に対して1%以下である。KTaxNb1-x3溶質原料と過剰Kと不純物が投入されたるつぼ11を、縦型管状炉15内に設置されたるつぼ台12上に設置する。ヒータ14を加熱することで、原料を昇温溶解し、原料溶液18を準備する。種子結晶17が先端に取り付けられた引き上げ軸16を縦型管状炉15に導入し、原料溶液18に接触させ、結晶育成を開始する。原料の昇温溶解中、不要な炭酸基を脱ガスする為、結晶育成を開始する温度より高い過加熱過程を施す。
原料棒21の作製は、素原料であるK2CO3とTa25とNb25と不純物とを混合し、定径部工程で成長する結晶と同一の組成比となるよう秤量して、直径1cm、長さ50cmの棒状に加圧圧縮する。これを、1000℃で焼結して、原料棒21とする。原料棒21の充填率は100%に近いことが好ましい。前記1000℃での焼結の後、粉砕、加圧圧縮、再焼結の工程を繰り返すことで充填率を上げることができる。
種子結晶17を原料溶液18に接触させる際、すなわち種子付け過程では、原料溶液18の温度を調整し、種子結晶17が溶解せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する。その後、引き上げ軸16を回転しながら、加熱量の調整により原料溶液18を冷却して行く。この冷却により、原料溶液18は過飽和状態となり、脱熱されている引き上げ軸16により冷却され原料溶液18中で最も温度の低い種子結晶17の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。その後、引き上げ軸16を上方に0.1mm/hrの速度で上昇させることで、引き上げを開始する。加熱量の調整による原料溶液18の冷却を継続して行くことで、成長結晶19の直径が増加し、成長結晶19の肩拡げ工程を行う。
成長結晶19の直径が所望の径に達した時点で、加熱量を一定にすると同時に、原料棒21を原料溶液18と接触させる。以後、結晶径が一定な定径部工程を行う。結晶成長に伴って、重量検出器23により結晶重量を測定し、原料供給制御装置25は、単位時間あたりの結晶成長量を求める。原料供給制御装置25は、この結晶成長量と同量となるように原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さを算出し、原料棒昇降装置24に送信する。原料棒昇降装置24は、原料棒昇降軸22の先端に固定された原料棒21を、原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さだけ降下させる。原料棒21を挿入する部分の原料溶液温度は、あらかじめ種子結晶17もしくは成長結晶19の原料溶液温度より10℃高温に設定する。この温度差により原料棒21が溶解し、成長結晶19は成長を維持する。以上の操作を定径部工程中に繰り返し行うことによって、結晶成長量に見合う原料を補充する。
成長結晶19が所望の大きさに成長した時点で、引き上げ軸16を高速で引き上げ、成長結晶19を原料溶液18から切り離し、結晶成長を停止する。結晶成長後、ヒータ14の加熱量を下げ、縦型管状炉15を室温まで冷却する。成長した結晶の定径部には、形状変動がないファセット面が表出した。成長条件の変化による外形変化、欠陥発生も認められない。目視による観察で、色調均一でかつ欠陥の介在も認められないKTaxNb1-x3単結晶が得られた。
この結晶を引き上げ方向に沿って切断し、研磨することでウエハを作製した。作製したウエハを化学分析により組成分析したところ、定径部工程で成長した成長結晶19の組成xは、引き上げ方向に対して一定であった。原料棒を挿入せずに定径部を冷却により成長させた場合には、KTaxNb1-x3は固溶体であるから、定径部工程で成長した成長結晶の組成xは、引き上げるにつれて減少する。加えて、添加した不純物は固液偏析係数が1でなく、従来作製法の場合、KTaxNb1-x3単結晶に均一に添加できなかった。一方、実施例3で成長したKTaxNb1-x3単結晶には、添加した不純物が均一に添加されている。従って、原料棒の挿入により原料を補充しながら定径部工程を実施することにより、成長結晶の成長量に応じて原料溶液の組成を一定に保つことができる。
TSSG法によるLiNbO3単結晶の製造法の実施例を、図2を用いて説明する。LiNbO3原料は、素原料であるLi2CO3とNb25とを1対1の組成比となるように秤量し、るつぼ11に充填する。LiNbO3原料が投入されたるつぼ11を、縦型管状炉15内に設置されたるつぼ台12上に設置する。ヒータ14を加熱することで、原料を昇温溶解し、原料溶液18を準備する。種子結晶17が先端に取り付けられた引き上げ軸16を縦型管状炉15に導入し、原料溶液18に接触させ、結晶育成を開始する。原料の昇温溶解中、不要な炭酸基を脱ガスする為、結晶育成を開始する温度より高い過加熱過程を施す。
原料棒21の作製は、素原料であるLi2CO3とNb25とを1対1の組成比に混合し、直径2cm、長さ50cmの棒状に加圧圧縮する。これを、1200℃で焼結して、原料棒21とする。原料棒21の充填率は100%に近いことが好ましい。1200℃での焼結の後、粉砕、加圧圧縮、再焼結の工程を繰り返すことで充填率を上げることができる。
種子結晶17を原料溶液18に接触させる際、すなわち種子付け過程では、原料溶液18の温度を調整し、種子結晶17が溶解せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する。その後、引き上げ軸16を回転させながら、加熱量の調整により原料溶液18を冷却して行く。この冷却により、原料溶液18は過飽和状態となり、脱熱されている引き上げ軸16により冷却され原料溶液18中で最も温度の低い種子結晶17の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。その後、引き上げ軸16を上方に0.5mm/hrの速度で上昇させることで、引き上げを開始する。加熱量の調整による原料溶液18の冷却を継続することで、成長結晶19の直径が増加し、成長結晶の肩拡げ工程を行う。
成長結晶19の直径が所望の径に達した時点で、加熱量を一定にすると同時に、原料棒21を原料溶液18と接触させる。以後、結晶径が一定な定径部工程を行う。結晶成長に伴って、重量検出器23により結晶重量を測定し、原料供給制御装置25は、単位時間あたりの結晶成長量を求める。原料供給制御装置25は、この結晶成長量と同量となるように原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さを算出し、原料棒昇降装置24に送信する。原料棒昇降装置24は、原料棒昇降軸22の先端に固定された原料棒21を、原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さだけ降下させる。原料棒21を挿入する部分の原料溶液温度は、あらかじめ種子結晶17もしくは成長結晶19の原料溶液温度より20℃高温に設定する。この温度差により原料棒21が溶解し、成長結晶19は成長を維持する。以上の操作を定径部工程中に繰り返し行うことによって、結晶成長量に見合う原料を補充する。
成長結晶19が所望の大きさに成長した時点で、引き上げ軸16を高速で引き上げ、成長結晶19を原料溶液18から切り離し、結晶成長を停止する。結晶成長後、ヒータ14の加熱量を下げ、縦型管状炉15を室温まで冷却する。成長条件の変化による外形変化、欠陥発生も認められない。目視による観察で、色調均一でかつ欠陥の介在も認められないLiNbO3単結晶が得られた。
この結晶を引き上げ方向に沿って切断し、研磨することでウエハを作製する。作製したウエハを化学分析により組成分析したところ、定径部工程で成長した成長結晶19のLi/(Li+Nb)比は、引き上げ方向に対して1であり、一定であった。原料棒を挿入せずに定径部を冷却により成長させた場合には、LiNbO3は不一致溶融性であるから、定径部工程で成長した成長結晶のLi/(Li+Nb)比は、引き上げるにつれて1より増大する。従って、原料棒の挿入により原料を補充しながら定径部工程を実施することにより、成長結晶の成長量に応じて原料溶液の組成を一定に保つことができる。
TSSG法によるLiTaO3単結晶の製造法の実施例を、図2を用いて説明する。LiTaO3原料は、素原料であるLi2CO3とTa25とを1対1の組成比となるように秤量し、るつぼ11に充填する。LiTaO3原料が投入されたるつぼ11を、縦型管状炉15内に設置されたるつぼ台12上に設置する。ヒータ14を加熱することで、原料を昇温溶解し、原料溶液18を準備する。種子結晶17が先端に取り付けられた引き上げ軸16を縦型管状炉15に導入し、原料溶液18に接触させ、結晶育成を開始する。原料の昇温溶解中、不要な炭酸基を脱ガスする為、結晶育成を開始する温度より高い過加熱過程を施す。
原料棒21の作製は、素原料であるLi2CO3とTa25とを1対1の組成比に混合し、直径2cm、長さ50cmの棒状に加圧圧縮する。これを、1500℃で焼結して、原料棒21とする。原料棒21の充填率は100%に近いことが好ましい。1500℃での焼結の後、粉砕、加圧圧縮、再焼結の工程を繰り返すことで充填率を上げることができる。
種子結晶17を原料溶液18に接触させる際、すなわち種子付け過程では、原料溶液18の温度を調整し、種子結晶17が溶解せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する。その後、引き上げ軸16を回転させながら、加熱量の調整により原料溶液18を冷却して行く。この冷却により、原料溶液18は過飽和状態となり、脱熱されている引き上げ軸16により冷却され原料溶液18中で最も温度の低い種子結晶17の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。その後、引き上げ軸16を上方に1.0mm/hrの速度で上昇させることで、引き上げを開始する。加熱量の調整による原料溶液18の冷却を継続することで、成長結晶19の直径が増加し、成長結晶19の肩拡げ工程を行う。
成長結晶19の直径が所望の径に達した時点で、加熱量を一定にすると同時に、原料棒21を原料溶液18と接触させる。以後、結晶径が一定な定径部工程を行う。結晶成長に伴って、重量検出器23により結晶重量を測定し、原料供給制御装置25は、単位時間あたりの結晶成長量を求める。原料供給制御装置25は、この結晶成長量と同量となるように原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さを算出し、原料棒昇降装置24に送信する。原料棒昇降装置24は、原料棒昇降軸22の先端に固定された原料棒21を、原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さだけ降下させる。原料棒21を挿入する部分の原料溶液温度は、あらかじめ種子結晶17もしくは成長結晶19の原料溶液温度より20℃高温に設定する。この温度差により原料棒21が溶解し、成長結晶19は成長を維持する。以上の操作を定径部工程中に繰り返し行うことによって、結晶成長量に見合う原料を補充する。
成長結晶19が所望の大きさに成長した時点で、引き上げ軸16を高速で引き上げ、成長結晶19を原料溶液18から切り離し、結晶成長を停止する。結晶成長後、ヒータ14の加熱量を下げ、縦型管状炉15を室温まで冷却する。成長条件の変化による外形変化、欠陥発生も認められない。目視による観察で、色調均一でかつ欠陥の介在も認められないLiNbO3単結晶が得られた。
この結晶を引き上げ方向に沿って切断し、研磨することでウエハを作製する。作製したウエハを化学分析により組成分析したところ、定径部工程で成長した成長結晶19のLi/(Li+Ta)比は、引き上げ方向に対して1であり、一定であった。原料棒を挿入せずに定径部を冷却により成長させた場合には、LiTaO3は不一致溶融性であるから、定径部工程で成長した成長結晶のLi/(Li+Ta)比は、引き上げるにつれて1より増大する。従って、原料棒の挿入により原料を補充しながら定径部工程を実施することにより、成長結晶の成長量に応じて原料溶液18の組成を一定に保つことができる。
温度勾配凝固法によるKTaxNb1-x3単結晶の製造方法を説明する。図4に、実施例6にかかる結晶製造装置の構成を示す。結晶製造装置は、ヒータ34によって温度制御可能な縦型管状炉35を有し、縦型管状炉35内のるつぼ台32にるつぼ31を設置している。るつぼ31の底部に種子結晶37を配置し、投入された原料を加熱溶解させて原料溶液38とする。縦型管状炉35は、炉体ふた40により密閉され、内面に設置された均熱管33とヒータ34とにより、鉛直方向に沿って予め決められた温度勾配曲線に従って保持されている。ヒータ34の設定により、原料溶液38を冷却すると、結晶の成長温度に達した結晶は、種子結晶37と同じ結晶方位を有する結晶に成長し、増径部成長過程と定径部成長過程とを経て成長結晶39となる。
結晶製造装置は、原料溶液38から成長した結晶の組成と同一組成の原料棒41を、原料棒昇降軸42を介して昇降させることができる原料棒昇降装置44と、成長結晶19の成長量を算出するためのパラメータとして、原料溶液38の液面の高さを測定する溶液表面位置検出器43と、入力として溶液表面位置検出器43および出力として原料棒昇降装置44に接続された原料供給制御装置45とを備えている。
KTaxNb1-x3溶質原料は、素原料であるK2CO3とTa25とNb25とを所望の組成比となるように秤量し、るつぼ31に充填する。溶媒としてKを選択し過剰のK2CO3も併せてるつぼ31に充填する。また、るつぼ31の底には種子結晶37が設置してある。KTaxNb1-x3溶質原料と過剰Kが投入されたるつぼ31を、縦型管状炉35内に設置されたるつぼ台32上に設置する。ヒータ34を加熱することで、原料を昇温溶解し、原料溶液38を準備する。ヒータ34を徐々に冷却することで、結晶育成を開始する。
原料棒41の作製は、素原料であるK2CO3とTa25とNb25とを混合し、定径部工程で成長する結晶と同一の組成比となるよう秤量して、直径2cm、長さ50cmの棒状に加圧圧縮する。これを、1000℃で焼結して、原料棒41とする。原料棒41の充填率は100%に近いことが好ましい。1000℃での焼結の後、粉砕、加圧圧縮、再焼結の工程を繰り返すことで充填率を上げることができる。
ヒータ34の設定によりるつぼ31内の原料溶液38は、鉛直方向に上部の温度が高く、下部の温度が低い温度分布が実現されている。種子付け過程では、原料溶液38の温度を調整し、種子結晶37が溶解せずかつ結晶成長も生じない温度を実現する。その後、加熱量の調整により原料溶液38を冷却して行く。この冷却により、原料溶液38は過飽和状態となり、原料溶液38中で最も温度の低い種子結晶37の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。その後、加熱量の調整による原料溶液38の冷却を継続して行くことで、成長結晶39の直径が増加し、成長結晶39の肩拡げ工程をるつぼ31内で行う。
成長結晶39の直径が所望の径に達した時点で、加熱量を一定にすると同時に、原料棒41を原料溶液38と接触させる。以後、結晶径が一定な定径部工程をるつぼ31内で行う。結晶成長に伴って、溶液表面位置検出器43により原料溶液38の液面の高さを測定し、原料供給制御装置45は、単位時間あたりの結晶成長量を求める。これは、成長結晶39の密度が溶液原料38の密度より大きいため、成長結晶39の成長に応じて、原料溶液38の液面の高さが低くなるからである。原料供給制御装置45は、この結晶成長量と同量となるように原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さを算出し、原料棒昇降装置44に送信する。原料棒昇降装置44は、原料棒昇降軸42の先端に固定された原料棒41を、原料棒を溶解させる単位時間あたりの長さだけ降下させる。原料棒41を挿入する部分の原料溶液温度は、上述した鉛直方向の温度分布により、種子結晶37もしくは原料溶液温度より100℃高温に設定する。この温度差により原料棒41が溶解し、成長結晶39は成長を維持する。以上の操作を定径部工程中に繰り返し行うことによって、結晶成長量に見合う原料を補充する。
成長結晶39が所望の大きさに成長した時点で、結晶成長を停止する。結晶成長後、ヒータ34の加熱量を下げ、縦型管状炉35を室温まで冷却する。成長結晶39には、成長条件の変化による欠陥発生も認められない。目視による観察で、色調均一でかつ欠陥の介在も認められないKTaxNb1-x3単結晶が得られた。
この結晶を成長方向に沿って切断し、研磨することでウエハを作製した。作製したウエハを化学分析により組成分析したところ、定径部工程で成長した成長結晶39の組成xは、成長方向に対して一定であった。原料棒を挿入せずに定径部を冷却により成長させた場合には、KTaNb1-xは固溶体であるから、定径部工程で成長した成長結晶の組成xは、成長するにつれて減少する。一方、原料棒の挿入により原料を補充しながら定径部工程を実施することにより、成長結晶の成長量に応じて原料溶液の組成を一定に保つことができる。
従来のTSSG法による結晶製造装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる結晶製造装置の構成を示す図である。 るつぼ内の原料溶液の温度分布を示す図である。 実施例6にかかる結晶製造装置の構成を示す図である。
符号の説明
1,11,31 るつぼ
2,12,32 るつぼ台
3,13,33 均熱管
4,14,34 ヒータ
5,15,35 縦型管状炉
6,16 引き上げ軸
7,17,37 種子結晶
8,18,38 原料溶液
9,19,39 成長結晶
10,20,40 炉体ふた
21,41 原料棒
22,42 原料棒昇降軸
23 重量検出器
24,44 原料棒昇降装置
25,45 原料供給制御装置
43 溶液表面位置検出器

Claims (7)

  1. 炉内に設置されたるつぼの底部に種子結晶を配置し、鉛直方向に上部の温度が高く、下部の温度が低い温度分布を実現し、前記るつぼ内の原料溶液を冷却することにより結晶を育成する結晶成長方法において、
    前記種子結晶を前記原料溶液に接触させ、前記原料溶液を冷却することにより結晶を成長させ、
    成長した結晶の直径が所望の径に達すると、成長結晶の組成と同一組成の原料棒を前記原料溶液に接触させ、前記原料棒と前記原料溶液との熱接触状態を維持し、単位時間あたりの成長結晶の成長量に一致する単位時間あたりの供給量となるように前記原料棒を降下させて、前記原料棒から溶解した原料を前記原料溶液に供給し、
    前記成長結晶の前記成長量は、溶液表面位置検出器により測定された、原料溶液と成長結晶との密度差により成長結晶の成長量に従って変化する原料溶液の液面の高さから算出されることを特徴とする結晶成長方法。
  2. 前記原料棒が前記原料溶液と接触している部分の温度は、前記種子結晶または前記成長結晶が前記原料溶液と接触している部分の温度より高く保持されていることを特徴とする請求項1に記載の結晶成長方法。
  3. 前記原料棒が前記原料溶液と接触している部分の温度と、前記種子結晶または前記成長結晶が前記原料溶液と接触している部分の温度との温度差が100℃以内となるように、前記原料溶液の液面の温度分布が保持されていることを特徴とする請求項2に記載の結晶成長方法。
  4. 前記原料棒は、成長した結晶の組成と同一組成となるように素原料を秤量して混合し、加圧圧縮されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の結晶成長方法。
  5. 前記結晶の成分は、周期率表Ia族とVa族と酸素とから構成されており、Ia族はカリウム、リチウムの少なくとも1つを含み、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の結晶成長方法。
  6. 前記結晶の成分は、周期率表Ia族とVa族と酸素と添加不純物とから構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含み、前記添加不純物として周期率表Ia、IIa族の1または複数種を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の結晶成長方法。
  7. 炉内に設置されたるつぼの底部に種子結晶を配置し、鉛直方向に上部の温度が高く、下部の温度が低い温度分布を実現し、前記るつぼ内の原料溶液を冷却することにより結晶を育成する結晶成長装置において、
    成長結晶の成長量を算出するためのパラメータを検出するための検出手段と、
    成長した結晶の直径が所望の径に達すると、成長結晶の組成と同一組成の原料棒を前記原料溶液に挿入する原料棒昇降手段と、
    前記検出手段で検出されたパラメータから求めた単位時間あたりの成長結晶の成長量に一致する単位時間あたりの供給量となるように前記原料棒を降下させて、前記原料棒から溶解した原料が前記原料溶液に供給されるように、前記原料棒昇降手段を制御する原料供給制御手段であって、前記パラメータは、原料溶液と成長結晶との密度差により成長結晶の成長量に従って変化する原料溶液の液面の高さであるこ
    を備えたことを特徴とする結晶成長装置。
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