JP2019042987A - 感圧複写紙 - Google Patents

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堅一 西尾
Kenichi Nishio
堅一 西尾
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Abstract

【課題】プリンタでユーザが作成した帳票を印刷できる感圧複写紙を提供する。【解決手段】基材紙2の第1領域2aおよび第2領域2bに発色層3を設け、第1領域の発色層3aに防護層4aを設け、防護層4aに顕色層5aを設ける。第1領域aと第2領域bの境界には、ミシン目9を設ける。展開状態で帳票11を印刷した後、ミシン目9において感圧複写紙1を折りたたみ、第1領域2aの記入面2xに文字等を筆記すると、筆圧により顕色層5の顕色剤8と化学反応し、第2領域2bに文字等が複写される。【選択図】図2

Description

本発明は、ユーザが市販のプリンタ(レーザプリンタやインクジェットプリンタ)を用い、任意の帳票等を印刷することができる感圧複写紙に関するものである。
従来より、発色剤と顕色剤を設けた感圧複写紙の技術が知られている。一般的に感圧複写紙では、上用紙に発色剤を内包したマイクロカプセル塗布面を設け、下用紙に顕色剤塗布面を設け、これらの塗布面が当接するように上用紙および下用紙を重ね、上用紙に文字等を筆記すると、筆圧によりマイクロカプセルが破れ、漏出した発色剤が下用紙の顕色剤と化学反応を生じ、下用紙に複写される。
また、感圧複写紙の技術を応用し、一枚の用紙から上用紙および下用紙を作成し、複写式の帳票を作成する技術も知られている。例えば、特許文献1には、裏面にマイクロカプセルを塗布した上用紙を用意し、マイクロカプセル塗布面の所定の領域に顕色剤を重ねて塗布し、上用紙の表面に帳票書式を印刷した後、塗布面が内側となるように折りたたみ、折り曲げ部を切り落とすことで、複写式の帳票を作成する感圧複写シートが記載されている。
特開2005−059250号公報
しかし、特許文献1の感圧複写シートによれば、マイクロカプセルの上に直接顕色剤が塗布されているため、複写シートに圧力がかかると、漏出した発色剤が容易に顕色剤に接触し、複写面が発色する。このため、プリンタで書式等を印刷しようとすると、給紙ローラー等により圧迫され、複写面に圧迫跡が残り、紙が汚れてしまうという問題があった。
そこで、本発明の課題は、感圧紙表面を圧迫されても汚れが生じ難く、プリンタによる印刷を安心して行うことができる感圧複写紙を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の感圧複写紙は、2つ折り可能な基材紙を備え、基材紙が2つ折りされた状態で、筆圧を直接受ける第1領域と、第1領域を介して筆圧を間接的に受ける第2領域とを含み、基材紙の第1および第2領域に、筆圧により発色剤を滲出させる発色層が形成され、第2領域の発色層が、発色剤の漏出を防ぐ防護層で被覆され、第2領域の防護層に、第1領域の発色層から漏出した発色剤と化学反応して発色する顕色層が形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい実施形態では、基材紙として、厚みが0.06mm〜0.11mmの印刷用紙を用いても良い。また、防護層は、メジウムを含んでも良い。
基材紙の第1領域と第2領域の境界には、ミシン目を設けることもでき、また、第1領域と第2領域とを略同じ面積に設けても良い。
本発明の感圧複写紙によれば、発色層と顕色層の間に防護層を設けたため、発色層から発色剤が滲出しても、防護層により留められ、顕色剤との接触を抑制することができる。このように、展開状態においては、複写紙表面から圧力を受けても不要な発色が起こりにくいため、安全にプリンタを用いて任意の帳票等を印刷することができるという優れた効果がある。一方、折り畳んだ状態では、第1領域の発色層と第2領域の顕色層が直に接し、記入した文字を適切に複写できるという効果もある。
本発明の実施形態を示す感圧複写紙の展開図である。 図1の感圧複写紙のAA断面図である。 図1の感圧複写紙の折りたたんだときの断面図である。 複写式帳票の印刷例を示す表裏両面図である。 図4の帳票における複写方法を示す工程図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1,2に示す感圧複写紙1は、基材紙2と、発色剤6を含む発色層3と、発色剤6の漏出を防止する防護層4と、顕色剤8を含む顕色層5とから構成される。発色層3は、発色剤6を内包したマイクロカプセル7を含む。なお、基材紙2としては、N40〜N80規格(0.06mm〜0.11mm)の厚みを有するノーカーボン紙を用いることができ、特に、プリンタ印刷を考慮すると、N60〜N80規格(0.08mm〜0.11mm)の厚みを有するノーカーボン紙が好ましい。また、マイクロカプセル7は、ゼラチン等を主成分とする薄い被膜からなり、所定の圧力が加わると被膜が破れ、内包物を滲出させる微小固体粒子である。マイクロカプセル7に内包する発色剤6としては、フタリド化合物等の無色染料が用いることができる。防護層4は、メジウムインキ(カットニス)を塗布して形成することができる。顕色層5の顕色剤8としては、フェノール性樹脂や酸性白土等の無機化合物を用いることができる。また、顕色層5に、発色剤6と顕色剤8の化学反応を促進する増感剤を含有させても良い。
基材紙2は、ミシン目9で2つ折りにした状態(図3参照)で筆圧を直接受ける第1領域2aと、第1領域2aを介して前記筆圧を間接的に受ける第2領域2bを含む。第1,2領域2a,2bにはそれぞれ発色層3a,3bが設けられ、2bの発色層3bには防護層4が設けられている。そして、防護層4には発色層3bから漏出する発色剤6と化学反応して発色する顕色層5が形成されている。基材紙2の表面は記入面2xとなっていて、ここに文字等を記入すると、発色剤7と顕色剤8の化学反応により、顕色層5に文字等が複写される。
次に、上記感圧複写紙1に筆記した文字等が複写される仕組みについて詳説する。図3(a),(b)に示すように、感圧複写紙1をミシン目9で折りたたみ、筆記具10で第1領域2aに筆記を行うと、筆圧により発色層3aが圧迫される。すると、発色層3aのマイクロカプセル7が壊れ、発色剤6が発色層3aから滲出する。発色剤6が顕色層5に到達すると、顕色層5に含まれる顕色剤8と化学反応する。この化学反応によって、顕色層5の顕色部位5yに記入した文字等が複写される。
以下、感圧複写紙1を用いた帳票等への応用例を示す。図4(a)に示すように、市販のプリンタを用いて、基材紙2の片面において第1領域2aに原本書式12を印刷し、続いて図4(b)に示すように、基材紙2の反対面において第2領域2bに複写(控え)書式13を印刷して、感圧複写紙1を作成することができる。原本書式12および控え書式13は、プリンタの両面印刷機能を用いて同時に印刷しても良い。
次に、図5(a)に示すように、ミシン目9に沿って、控え書式13を印刷した面(面5y)が内側となるように感圧複写紙1を折る。そして、ボールペン等の筆記具10を用いてチェックや文字を原本書式12に書き入れると、控え書式13にチェックや文字が複写される。記入が終わったら、図5(b)に示すようにミシン目9で切り離し、原本書式12と控え書式13を得ることができる。
以上の構成の感圧複写紙1によれば、発色層3と顕色層5の間に防護層4が設けられているため、基材紙2を展開した状態ではプリンタによる顕色層5の発色が抑制され、印刷できるとともに、基材紙2を折りたたんだ状態では、発色層3aと顕色層5bが当接し、記入面2xに記入された文字等が顕色層5に複写がされるという優れた効果を有する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、発色層3の範囲を基材紙2より小さく設けたり、顕色層5aの範囲を防護層4aの範囲より小さく設けたりするなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状や構成を適宜に変更して実施することも可能である。
1 感圧複写紙
2 基材紙
2a 第1領域
2b 第2領域
3 発色層
4 防護層
5 顕色層
6 マイクロカプセル
7 発色剤
8 顕色剤
9 ミシン目
10 筆記具
12 原本書式
13 控え書式

Claims (5)

  1. 2つ折り可能な基材紙を備え、前記基材紙が2つ折りされた状態で、筆圧を直接受ける第1領域と、第1領域を介して前記筆圧を間接的に受ける第2領域とを含み、
    前記基材紙の第1および第2領域に、筆圧により発色剤を滲出させる発色層が形成され、
    前記第2領域の発色層が、前記発色剤の漏出を防ぐ防護層で被覆され、
    前記第2領域の防護層に、前記第1領域の発色層から漏出した発色剤と化学反応して発色する顕色層が形成されていることを特徴とする感圧複写紙。
  2. 基材紙は、厚みが0.06mm〜0.11mmの印刷用紙からなる請求項1に記載の感圧複写紙。
  3. 前記防護層がメジウムを含む、請求項1または2に記載の感圧複写紙。
  4. 前記基材紙の第1領域と第2領域の境界に、ミシン目が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の感圧複写紙。
  5. 前記第1領域と前記第2領域とが略同じ面積である請求項1〜4のいずれかに記載の感圧複写紙。
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