JPH034545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 産業上の利用分野 本考案は、複写伝票に係り、詳しくは複写され
た内容が盗用されるのを防止する手段を付与して
なる複写伝票に関するものである。

(2) 従来技術 従来、複写伝票において、例えば暗証番号を複
写する欄には伝票取扱者以外の第三者に知られな
いよう、利用後に黒いシールを貼付して隠した
り、あるいは肉眼では識別できないよう蛍光イン
キで地紋中に複写するようにし蛍光ライトの照射
で番号の確認ができるようにしている。

しかしながら、前者の場合はシールをうまく剥
がせば判読可能であり、また後者の場合はブラツ
ク・ライトの照射で判読可能であり、しかも判読
後その盗み見の痕跡が残らないため情報が漏れた
との判断が出来ないという欠点を有するのであ
る。する。

(3) 本考案は、上記従来技術の欠点に鑑みてなさ
れたもので、暗証番号などの情報が複写物から
容易に漏れることがないよう工夫し、かつ仮に
漏れたとしてもその痕跡が残るように工夫して
なるものである。

(4) 構成 第一の伝票と当該第一の伝票の下に重なる第二
の伝票とを有し、当該第一の伝票に記入される事
項が第二の伝票に複写されるように構成された伝
票の組を少なくとも一組含む複写伝票組におい
て、上記第一の伝票の裏面に、発色剤と触れると
発色する透明な顕色剤を含んでなり、かつ加圧に
よつて転写する性質を有した透明複写インキ層を
付着形成してなることを特徴とする上記複写伝票
組。

(5) 効果 本考案は、上記第一の伝票の裏面に、発色剤と
触れると発色する透明な顕色剤を含んでなり、か
つ加圧によつて転写する性質を有した透明複写イ
ンキ層を付着形成してなるから、そのままでは複
写された事項、例えば暗証番号などを判読でき
ず、したがつて伝票取扱者以外の第三者に盗用さ
れるのを好適に防止できるものである。

また、伝票取扱者は複写された無色透明な個所
に発色剤を塗布することによりその複写内容を判
読するが、関係のない第三者が仮にそのような処
理をすると、発色という痕跡が明瞭にのこるた
め、ただちにその暗証番号などの情報を無効とす
る処置をとることにより、未然に悪用防止措置を
とることができるといる利点を有するものであ
る。

(6) 実施例 第１図および第２図でしめされる複写伝票組
は、銀行等で使用されるものを例示するもので、
第一の伝票１０と当該第一の伝票の下に重なる第
二の伝票１２とを含んでなるものである。

第一の伝票１０には、予め「暗証番号」の文字
１４、当該番号記入枠１６等が印刷表示されてい
る。

第一の伝票１０は、その裏面に透明複写インキ
層１８を付着形成してなる。

このインキ層１８は、後述の発色剤と触れると
発色する透明な顕色剤を含んでなり、かつ加圧に
よつて他の紙すなわち第二の伝票１２の表面に転
写される性質を有するものである。

また、このインキ層１８は第一の伝票１０の裏
面全面に塗布しておくこともできるが、上記枠１
６に対応する個所にのみ塗布形成しておくことも
できる。

ここに、本実施例において上記透明複写インキ
１８としては市販の顕色剤複写インキ（内外カー
ボン社製）を使用し、発色剤としては次のような
組成の溶液を使用する。

ロイコ染料 ３％（CVL）保土ケ谷化学社製
溶剤 97％（イソプロピルナフタレン 68％、灯
油29％） かかる組合わせにより、上記顕色剤は青色に発色
する。

しかして、上記構成の伝票組を銀行等の顧客が
使用する際は、第１図のように定められた枠１６
内に暗証番号「1234」を鉛筆またはボールペン２
０で記入する。この際、第２図及び第４図で示さ
れるように、透明複写インキ層１８は鉛筆２０等
の圧力でなぞられた部分２２のみが第二の伝票１
２の表面に転移する。

鉛筆等２０で記入された第一の伝票１０は、第
３図の如く伝票組から引き剥がされ、控として顧
客に渡され、第二の伝票以降が銀行等の伝票取扱
者側に残される。

しかし、この状態では第二伝票１２に転移した
インキ層２２はなお無色透明であるため、識別で
きない。

そこで、伝票取扱者は第５図のようにして発色
用ペン２４でインキ層２２の部分を擦る。

このペン２４には予め前記発色剤の溶液が充填
されている。この発色剤はインキ層２２の顕色剤
と反応して発色し、第６図の如く肉眼で識別でき
るようになる。

ここに、銀行等の側に残された伝票組が何者か
により発色剤で解読されたときは、取扱者によつ
て情報が漏れたと、直ちに察知される。従つて、
暗証番号等を無効にする旨の通報をする等適切な
処置を講じ得、盗用、偽造などを未然に防止しう
るものである。

なお、図示しないが、暗証番号等の情報を記入
する枠１６内対応個所に予め淡色の隠し地紋を印
刷しておいたり、あるいはエンボス加工をしてお
く等すると、盗用防止、偽造防止の効果を一段と
高めることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る複写伝票組の一実施例を示
し、第１図はその伝票組に記入している状態を示
す斜視図、第２図は第１図における−線部分
切欠拡大断面図、第３図は記入を終えた伝票組の
第一の伝票を部分的に繰つた状態を示す斜視図、
第４図は第３図における−線部分切欠拡大断
面図、第５図は第二の伝票の複写インキの発色操
作を説明するための第４図と同様な拡大断面図、
第６図は第二の伝票の発色操作後における平面図
である。 １０……第一の伝票、１２……第二の伝票、１
８……透明複写インキ層、２０……鉛筆等、２２
……転写された透明複写インキ層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第一の伝票１０と当該第一の伝票の下に重なる
   第二の伝票１２とを有し、当該第一の伝票に記入
   される事項が第二の伝票に複写されるように構成
   された伝票の組を少なくとも一組含む複写伝票組
   において、上記第一の伝票１０の裏面に、発色剤
   と触れると発色する透明な顕色剤を含んでなり、
   かつ加圧によつて転写する性質を有した透明複写
   インキ層１８を付着形成してなることを特徴とす
   る上記複写伝票組。