JP3093125U - 複写サーマル紙 - Google Patents

複写サーマル紙

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JP3093125U JP2002006160U JP2002006160U JP3093125U JP 3093125 U JP3093125 U JP 3093125U JP 2002006160 U JP2002006160 U JP 2002006160U JP 2002006160 U JP2002006160 U JP 2002006160U JP 3093125 U JP3093125 U JP 3093125U
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義紀 山岡
奨 高取
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小林記録紙株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルプリンタにより印字された後、サイ
ン等の筆記文字を複写できると共に、発色汚れを生じな
い複写サーマル紙を提供する。 【解決手段】 紙基材9の表面に、発色剤11と顕色剤
12とを含む感熱発色層8を備え、該感熱発色層8の記
入領域6の、少なくともその背面領域に、加圧によっ
て、含有する発色剤19を転移させる発色剤供与層10
を構成されるようにしたから、この複写サーマル紙1を
積層した状態で、上層の記入領域6にサイン等の筆記文
字を記入することにより、下層のサーマル紙の表面に当
該筆記文字を複写することができ、サーマルプリンタの
有する利便性を十分に活用できる。また、このような感
熱発色層8は、保管状態等で、感熱発色層8に発色汚れ
が生じることを防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、サーマルプリンタの印字媒体として使用されるサーマル紙に関し、 さらに詳しくは、印字後に複数枚重ね合わせた状態で、最上層に記入したサイン 等の筆記文字を下層に複写可能とする複写帳票等に用いられるサーマル紙に関す るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、小売店、飲食店、タクシー等のレシートや領収書、各種メンテナンスの サービスにおける受け渡し伝票等の帳票にあっては、所要情報をその都度プリン タによって印字する手法が一般的となっている。このような各種帳票に所要情報 を印字するプリンタには、サーマルプリンタがよく用いられている。このサーマ ルプリンタ専用の印字媒体として、紙基材の表面に感熱発色層を備えたサーマル 紙を、該感熱発色層を同方向に揃え、夫々に切断可能に連なる長尺状とし、巻回 させてロール構造としたサーマルロール紙が利用されている。このサーマルプリ ンタは、サーマルヘッドによる熱印加を介して、サーマルロール紙の感熱発色層 を発色させて印字を行うようにしたものであり、所要情報を印字した後、該サー マルロール紙を所定の大きさに切断して、帳票として用られている。
【0003】 一方、上記のような領収書や伝票等にあっては、複数枚に確認のためのサイン 等をする必要のある場合が存在する。このような場合には、ノーカーボン加工や 裏カーボン加工が施された複数の複写帳票に、ワイヤドットプリンタ等のインパ クトプリンタを用いて所要情報を印字した後、これらを重ね合わせてサインをし ていた。又は、上記したサーマルプリンタを用いて、サーマルロール紙に所要情 報を印字して複数枚の帳票を作成した後、これら各帳票毎に個別にサインをする か、複数枚の各帳票間にカーボン紙等を挟んで重ね合わせてサインをする必要が あった。このように、サーマルヘッドの熱印加により感熱発色層が発色して印字 するサーマルロール紙は、前記複写帳票のように、筆圧等の加圧によって発色す るものとはなっていない。
【0004】 ここで、サーマルロール紙にあって、感熱発色層が設けられた面の裏面側にカ ーボン層を設け、該サーマルロール紙をサーマルプリンタによって印字した後、 複数枚重ね合わせて、サイン等を複写可能とするものも提案されている(例えば 、特許文献1)。かかるサーマルロール紙であれば、サーマルプリンタによって 所要情報を印字後、複数枚重ね合わせてサインを複写することも可能である。
【0005】
【特許文献1】 特開2001−341474号公報
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、帳票に所要情報を印字するに用いられるプリンタに は、その携帯性及び利便性に優れた、小型軽量のものやハンディタイプのものが 多用されてきており、これらには、上述したサーマルプリンタが主流となってい る。そのため、このサーマルプリンタには、上述したノーカーボン加工や裏カー ボン加工が施された複写帳票を用いることができず、サーマルロール紙を使用す ることとなっていた。ところが、このサーマルロール紙を使用した場合にあって 、上述したように、複数の帳票に同じサインを複写するには、所要情報を印字後 、複数枚の帳票に個別にサインをしたり、カーボン紙を各帳票間に挟んでサイン を複写しなければならないため、複写作業が繁雑になるという問題が生じていた 。而して、所要情報を随時印字して所定の帳票を作成できるというサーマルプリ ンタの有する携帯性や利便性を十分に活用することができていなかった。
【0007】 一方、上述した、サーマルロール紙の感熱発色層の裏面側にカーボン層を形成 した構成にあっては、印字後に複数枚重ね合わせた状態や、ロール状に巻回して いる状態で、カーボン層によって、表面の感熱発色層が汚れてしまうという問題 が生じていた。また、このようなサーマルロール紙は、保管状態にあって、裏面 のカーボン層から、カーボン粒子が紙基材を通して感熱発色層にしみ出すことも あり、サーマルプリンタによる印字が不明瞭になるという問題もあった。
【0008】 本考案は、かかる従来の問題点を解消し、サーマルロール紙に適用可能な複写 サーマル紙を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は、紙基材の表面に、サーマルヘッドによる熱印加を介して、発色剤と 顕色剤とを化学反応させて発色を生じる感熱発色層を備えてなる複写サーマル紙 において、前記感熱発色層に形成された所定の記入領域の、少なくともその背面 領域に、加圧によって、含有する発色剤を、その直下に積層した他紙の感熱発色 層に転移させ、該感熱発色層の顕色剤と化学反応させて発色を生じさせるように した発色剤供与層が形成されていることを特徴とする複写サーマル紙である(請 求項1)。
【0010】 かかる構成にあっては、表面に形成された記入領域に複写すべきサイン等の文 字を記入すると、その筆圧によって背面領域に形成された発色剤供与層の発色剤 を転移可能とした複写サーマル紙である。従って、この複写サーマル紙の直下に 、表層に感熱発色層を配したサーマル紙を積層し、上層の複写サーマル紙の記入 領域にサイン等の筆記文字を記入することにより、発色剤供与層の発色剤が下層 の感熱発色層に転移される。そして、この発色剤が感熱発色層の顕色剤と接触し て化学反応することによって発色し、下層のサーマル紙の表面に当該筆記文字が 複写されることとなる。これにより、サーマルプリンタによって所要情報を随時 印字した複数枚の複写サーマル紙を、各記入領域が重なるように重ね合わせ、最 上層の記入領域に筆記文字を記入することで、下層の全ての複写サーマル紙の記 入領域に、当該筆記文字を夫々に複写することができる。而して、かかる複写サ ーマル紙によって、従来のように、サイン等を複写するためにカーボン紙を用い たり、複数枚に同じサインをする必要が無くなるから、サーマルプリンタの有す る携帯性や利便性を十分に活用することが可能となる。
【0011】 このような本考案の複写サーマル紙にあっては、所要情報をサーマルプリンタ により印字する場合は、感熱発色層の発色剤と顕色剤との化学反応により発色さ せ、サイン等の筆記文字を複写する場合には、発色剤供与層の発色剤と、感熱発 色剤の顕色剤とを化学反応させて発色させるようにしたものであるから、感熱発 色層の顕色剤は、サーマルヘッドの熱印加による感熱発色と、筆圧によって転移 された発色剤との反応による発色との二通りの発色作用に利用されることとなる 。
【0012】 ここで、感熱発色層は、常態で、保持剤によって発色剤と顕色剤とがほぼ均質 に、かつ互いに接触しないように固着された状態となっており、サーマルプリン タのサーマルヘッド等による熱印加によって、該保持剤の固着力が低下し、発色 剤と顕色剤とが流動可能となって接触することにより化学反応が生じて発色する ものである。この保持剤の固着力は比較的強いことから、加圧によって、発色剤 と顕色剤とが接触することはない。さらに、上述した発色剤供与層は、その発色 剤を転移させるために、ある程度の圧力を必要とすることから、ロール状に巻回 した状態や、複数枚重ねた状態等の保管状態で生じる圧力レベルでは、発色剤の 転移を生じることもない。而して、このような保管状態にあって、複写サーマル 紙に発色汚れが生じることを防止できる。
【0013】 このような感熱発色層にあって、保持剤は、発色剤と顕色剤とを固着している ものの、気孔が多数存在する多孔質構造となっている。そのため、複写サーマル 紙を複数枚重ね合わせた状態で、最上層の記入領域への文字記入すると、この筆 圧によって発色剤供与層の発色剤が、下層の感熱発色層に転移し、該発色剤が該 感熱発色層の気孔から流入して顕色剤と接触することによって、化学反応して発 色することとなる。これにより、最上層に記入した文字を、下層に複写すること が可能である。
【0014】 上述した発色剤供与層にあっては、その発色剤を加圧によって、直下に積層し た感熱発色層に転移させるようにしたものであり、ゴム等のように固形状態で比 較的流動性を有する保持剤によって発色剤を係止するようにした構成とすること ができる。かかる構成では、筆圧によって保持剤を流動した発色剤が、発色剤供 与層の表面に露出され、感熱発色層の表面状に存在する顕色剤と接触することに より発色させるようにしたものである。
【0015】 また、このような発色剤供与層が、発色剤を包含したマイクロカプセルの集合 体として形成されてなる構成(請求項2)も提案される。かかる構成にあって、 マイクロカプセルは圧力により破壊され、該マイクロカプセルに包含された発色 剤が流出するようにしているものである。すなわち、記入領域に文字記入すると 、その筆圧によってマイクロカプセルから発色剤が流出し、該発色剤が発色剤供 与層の直下に積層した感熱発色層に転移する。そして、この発色剤と、感熱発色 層の顕色剤とが接触することによって化学反応して発色することとなる。これに より、複数枚重ね合わせた複写サーマル紙の、最上層に記入した文字を、下層に 複写することが可能となる。ここで、このマイクロカプセルは、サーマルプリン タによる加熱によって破壊することがないから、サーマルプリンタの印字後にあ っても、記入領域に記入した文字を、明瞭に複写することが可能である。また、 このマイクロカプセルは、ロール状に巻回した状態や、複写するために重ねた状 態等で生じる圧力レベルでは、破壊されることもないから、発色汚れが生じるこ とを一層適切に防止できる。また、発色剤供与層にあっては、紙基材にマイクロ カプセルを固着させるの、保持剤を用いる構成とすることもできる。ここで、マ イクロカプセルがこの保持剤によって層外に露出していない場合には、該保持剤 を多孔質構造を有するものを用い、筆圧によって流出した発色剤が、発色剤供与 層から感熱発色層に適切に転移できるようにする。
【0016】 このような複写サーマル紙が、感熱発色層を被覆する複写抑止層を備え、該複 写抑止層が被覆されていない複写領域が形成されており、該複写領域の直上に積 層した他紙の発色剤供与層から転移させた発色剤を、複写領域の感熱発色層が含 有する顕色剤と化学反応させて発色を生じさせるようにした構成(請求項3)が 提案される。かかる構成により、複写領域以外の領域にあっては、複写抑止層に よって発色剤供与層の発色剤と、感熱発色層の顕色剤とが反応することを妨ぐこ とができる。そのため、複写領域以外の領域における筆記文字が複写されたり、 誤って記入領域以外の場所に記載した文字が複写されることもないから、必要な 筆記文字を適切に複写することが可能である。また、保管状態にあっても、不要 な外圧等の刺激によって、直上に積層した発色剤供与層から発色剤が転移するこ とを、複写抑止層が防ぎ得るから、該複写抑止層を被覆した感熱発色層に発色汚 れが生じることを防止できる。特に、発色剤供与層を紙基材の裏面の全領域に形 成した構成にあっては、該発色剤供与層の下層に積層された感熱発色層に、不要 な複写や汚れが生じることを、複写抑止層によって確実に防ぐことができる。さ らに、この複写抑止層を感熱発色層に被覆することにより、サーマルプリンタに より印字された所要情報を、比較的長期間保存できるという優れた利点もある。
【0017】 上述した感熱発色層に形成された複写領域が、所定の記入領域を備えているも のとした構成(請求項4)が提案される。かかる構成にあっては、複写抑止層が 形成されない複写領域に、その背面領域に発色剤供与層を形成した記入領域を備 えるようにしたものであるから、同じ形態の帳票を複数印字し、各記入領域に同 じ文字を記入する場合にあっては、所定枚数を重合わせ、最上層の記入領域に必 要な文字を記入することによって、該筆記文字を下層全てに複写することができ る。
【0018】 このような複写抑止層が、紫外線硬化型インキにより形成されたものであると した構成(請求項5)が提案される。かかる構成により、複写抑止層は、サーマ ルヘッドからの熱印加による熱エネルギーを、分散又は乱反射することなく、適 切に感熱発色層の直下位置に伝達することができると共に、その直上に積層した 発色剤供与層から発色剤が感熱発色層に転移することを防ぐことができる。而し て、サーマルプリンタにより鮮明に所要情報を印字することができ、かつ、感熱 発色層が発色汚れを生じることを適切に防止することが可能となる。
【0019】
【考案の実施の形態】 以下に、本考案にかかる複写サーマル紙の第一実施例を図1〜図5に基づいて 説明する。図1は、サーマルプリンタを用いて、複写サーマル紙1に所要情報1 8を印字した帳票2であり、該帳票2には正帳票片3と副帳票片4とに分割する ミシン目5が形成されている。そして、この正帳票片3の表面には、サイン等の 所定の文字を記入する記入領域6が定められている。また、副帳票片4の表面に は、サイン等の文字が複写される複写欄7が定められている。尚、記入領域6及 び複写欄7にあっては、その位置を明確にするために各々を囲繞する矩形枠、ア ンダーライン、「サイン欄」等の案内表示を、サーマルプリンタによる所要情報 17の印字時に同時に印字することもできる。この複写サーマル紙1は、図2の ように、紙基材9の表面に感熱発色層8を備えると共に、正帳票片3の記入領域 6の背面領域に、発色剤供与層10が形成された構成としている。
【0020】 ここで、感熱発色層8には、図3(イ)のように、発色剤11と顕色剤12と が、保持剤13によって互いに接触しないように、ほぼ均質に混在した状態で固 着されている。ここで、発色剤11には、染料を還元して得られるロイコ染料を 固体状で用いている。また、顕色剤12には、無機系の活性白土を用いている。 また、保持剤13には、熱により溶融し、かつ、固体で多孔質構造となるものと して、デンプンを用いている。そのため、感熱発色層8には複数の気孔14が存 在する。このような感熱発色層8にあっては、圧力によって、保持剤13の固着 力が低下せず、発色剤11と顕色剤12とが接触することは無い。
【0021】 このような感熱発色層が、サーマルプリンタによって所要情報を印字される過 程を説明する。この複写サーマル紙1の感熱発色層8には、図3(イ)のように 、発色剤11と顕色剤12とが、保持剤13によってほぼ均質に混在する状態で 固着されている。このような感熱発色層8の表面側から、図3(ロ)のように、 サーマルヘッド23により熱エネルギーが加わると、その加熱部位16で、保持 剤13の固着力が低下し、発色剤11と顕色剤12とが流動して接触することと なり、化学反応して発色する発色部15が生じる。このようにして感熱発色層8 に所定情報17が印字されることとなる。
【0022】 一方、上述した発色剤供与層10では、発色剤19を包含したマイクロカプセ ル18が、保持剤20によって紙基材9に保持されている。この発色剤供与層1 0は比較的薄厚とし、マイクロカプセル18の一部が、層表面に露出する構造と している。ここで、発色剤19は、上記した感熱発色層8と同様のロイコ染料を 、液体で用いている。また、マイクロカプセル18は、ゼラチンを膜材料として 用い、発色剤19の周囲に該ゼラチンを被覆することにより膜構造を形成してな る。さらにまた、保持剤20は、上記した感熱発色層8と同様にデンプンを用い た。
【0023】 このような発色剤供与層10による複写過程を説明する。2枚の複写サーマル 紙1を、図5(イ)のように、発色剤供与層10と感熱発色層8とが接触するよ うに重ね合わせる。この状態で、上側の複写サーマル紙1の、発色剤供与層10 の表面側から、文字記入等により圧力が加わると、図5(ロ)のように、発色剤 供与層10の加圧部位22で、マイクロカプセル18が破壊され、その内部から 発色剤19が流出する。この発色剤19が、下側の複写サーマル紙1の感熱発色 層8に転移し、該感熱発色層8の気孔14から内部に進入する。そして、進入し た発色剤19が顕色剤12と接触すると、図5(ハ)のように、発色剤19と顕 色剤12とが化学反応することにより発色して、発色部21が生じる。このよう にして、上側の複写サーマル紙1に記入した文字等を、下側の複写サーマル紙1 に、はっきりと複写することができる。
【0024】 かかる第一実施例の複写サーマル紙1を用いて印字及び複写されてなる帳票2 を改めて説明する。この複写サーマル紙1は、サーマルプリンタのサーマルヘッ ド23による熱印加を介して、上述したように感熱発色層8による感熱発色によ って、所要情報17を印字し、所定の帳票2を作成する。その後、この帳票2を ミシン目5に沿って分割して、正帳票片3と副帳票片4とを得る。そして、図4 のように、この正帳票片3の記入領域6と、副帳票片4の複写欄7とが平面方向 で同位置となるように、正帳票片3の裏面に副帳票片4の表面を重ねて積層する 。すなわち、正帳票片3の記入領域6の背面領域に形成された発色剤供与層10 が、副帳票片4の複写欄7に接触した状態となる。このように、正帳票片3と副 帳票片4とを積層した状態で、正帳票片3の記入領域6にサインペン等の筆記具 により文字が記入されると、筆記部分が加圧される。これにより、上述したよう に、正帳票片3の発色剤供与層10から発色剤19が、副帳票片4の感熱発色層 8に転移し、該発色剤19と顕色剤12とが反応して発色することにより、正帳 票片3の記入領域6に記入された文字が、副帳票片4の複写欄7に鮮明に複写さ れる。
【0025】 このような帳票2にあっては、正帳票片3及び副帳票片4に分割して複写する 複写サーマル紙1を用いたものであるが、副帳票面4が複数枚となるように分割 されるものであって、各副帳票片4に正帳票片3に記入される筆記文字を、各複 写欄7に複写されるものとすることも可能である。このように複数枚の副帳票片 4に複写する場合にあっては、複写サーマル紙1の裏面全域に発色剤供与層10 を設ける構成とするか、各副帳票片4の複写欄7の背面領域に夫々に発色剤供与 層10を設ける構成とする。
【0026】 一方、図6〜図8は、第二実施例を示している。この実施例の複写サーマル紙 31は、図6及び図7のように、紙基材9の表面に感熱発色層8を設け、該感熱 発色層8を被覆する複写抑止層34が形成されている。さらに、この複写抑止層 34の被覆されていない複写領域33も形成されている。この複写領域33の背 面領域に発色剤供与層10が設けられている。すなわち、この複写領域33は、 上述した第一実施例の記入領域6を兼ねている。ここで、感熱発色層8及び発色 剤供与層10は、上述した第一実施例と同じものを用いた。
【0027】 かかる複写サーマル紙1を、サーマルプリンタによって所要情報17を印字す る。ここで、サーマルヘッド23の熱印可によって、熱エネルギーが複写抑止層 34を通じて感熱発色層8に伝達されると、上述の第一実施例と同様、この加熱 部位16における、感熱発色層8で保持剤13の固着力が低下して、発色剤11 と顕色剤12が流動して接触することによって化学反応して発色する。こうして 所要情報17が印字された帳票32を、必要枚数だけサーマルプリンタによって 印字する。ここで、帳票32は、その表面にサイン等の所定の文字を記入する記 入領域6が、上記したように、サイン等の文字を複写される複写領域33を兼ね て定められている。尚、この帳票32には分割するミシン目は設けられていない 。
【0028】 このようにして所要情報17が印字された帳票32を、複数枚作成し、同じ向 きに揃えて積層すると、図8のように、各帳票32の裏面の発色剤供与層10が 、その下層の帳票32の表面の複写領域16に接触することとなる。このように 複数枚の帳票32を重ね合わせて積層した状態にあって、最上層の帳票32の複 写領域(記入領域)33に、サイン等の文字を記入することによって、下層に積 層された各帳票32に該筆記文字が順々に複写される。
【0029】 すなわち、最上層の帳票32の複写領域33に、サインペン等の筆記具により 文字が記入されると、この筆記部分が加圧される。この筆圧により、紙基材9を 介して背面の発色剤供与層10が加圧されることによって、上述の第一実施例と 同様、この加圧部位22における、該発色剤供与層10のマイクロカプセル18 が破壊され、その内部の発色剤19が流出する。この発色剤19が、直下の帳票 32の複写領域33に転移すると、該複写領域33の感熱発色層8の気孔14に 流入し、顕色剤12と接触することにより、化学反応して発色する。さらに、こ の文字記入による筆圧によって、二層目の帳票32の、発色剤供与層10も同様 に、マイクロカプセル18が破壊されて、発色剤19が流出する。そして、三層 目の帳票32の複写領域33に、この発色剤19が転移して発色する。同様にし て、積層した複数の帳票32毎に、最上層に記入した文字が順々に複写されるこ ととなる。
【0030】 ここで、この第二実施例は、紫外線硬化型インキによる複写抑止層34を、複 写領域33を除く感熱発色層8に被覆したものである。これにより、複写領域3 3以外の部分を誤って加圧した場合や、複数枚の帳票32を積層方向を間違えて 重ね合わせた場合等にあっても、発色剤供与層10の発色剤19が、その直下に 存在する複写領域33以外の感熱発色層8に転移することを防止できる。而して 、このような場合にあっても、帳票32の表面に発色汚れや、誤った位置への複 写等が生じることがなく、サーマルプリンタよって印字された所要情報17を明 確に読み取ることができる。また、このような所要情報17を、比較的長期間鮮 明に維持できるという利点もある。
【0031】 上述した第二実施例は、複写サーマル紙31の表面の、複写領域(記入領域) 33を除く感熱発色層8に複写抑止層34を被覆した構成であって、サーマルプ リンタにより印字した複数枚の帳票32を積層して、サイン等の文字を複写する ようにしたものである。これ以外は、上述した第一実施例と同じ材料、同じ機器 、同じ方法を用いており、各構成を表す記号は同じものを使用し、説明は省略し た。
【0032】 このような実施例の複写サーマル紙1、31は、サーマルプリンタによって所 要情報17を印字するサーマル紙であっても、カーボン紙を用いたり、複数枚に 同じサインをすること等を必要せず、複写することが可能である。また、サーマ ル紙の裏面にカーボン層を設けた構成のように、表面に発色汚れが生じることを 防止できる。而して、同じサインを必要とする領収書や伝票等の帳票に本考案の 複写サーマル紙1、31を好適に使用可能である。
【0033】 上述した第一実施例及び第二実施例にあっては、複写サーマル紙1、31が感 熱発色層8に設定した記入領域6又は複写領域33の背面領域に発色剤供与層1 0を設けるようにした構成であるが、裏面の全ての領域に発色剤供与層10を設 ける構成とすることもできる。かかる構成とすることにより、記入領域6を様々 な位置に設けた異なる種類の帳票にも適応させることが可能である。
【0034】 また、上述の第一実施例及び第二実施例にあっては、発色剤供与層10に、液 体の発色剤19を包含したマイクロカプセル18の集合体とし、筆圧等により該 発色剤供与層10のマイクロカプセル18が破壊されることにより、発色剤19 が感熱発色層8に転移して、該感熱発色層8の加圧部位22で発色剤19と顕色 剤12とが接触して発色させるようにした構成である。その他の構成として、発 色剤供与層10には固体の発色剤を、比較的流動性の有する保持剤により紙基材 9に保持し、圧力を受けると、該発色剤が発色剤供与層10の表面に露出し、こ の発色剤がその下層の感熱発色層に転移される。そして、この感熱発色層の表面 上に固着されている顕色剤12と接触することによって、発色するようにした構 成を用いることもできる。かかる構成にあって、発色剤供与層10には、感熱発 色層8の固形のロイコ染料からなる発色剤11を用いることができる。また、こ の発色剤11を筆圧によって流動可能とするため、比較的流動性の高い、カルナ バロやポリエチレンワックス等が保持剤として用い得る。かかる構成によっても 、上述した実施例と同様に、サーマルプリンタによる感熱発色と、サインなどを 複写できる、複写サーマル紙1,31を得ることができる。
【0035】 このような実施例で説明した複写サーマル紙1、31にあっては、長尺の紙基 材9の表面に感熱発色層8を設け、裏面に発色剤供与層10を設けると共に、幅 方向に所定間隔で切断可能なミシン目を形成し、該ミシン目毎に切断される単位 を複写サーマル紙1、31とするサーマルロール紙を構成するものとして好適に 用い得る。このサーマルロール紙をサーマルプリンタに所定要領で配設し、随時 必要に応じて所要情報17を印字することにより、上述の帳票2、32を比較的 容易に作成することが可能である。このようにサーマルロール紙を形成すること により、近年増加しているハンディタイプのサーマルプリンタにも利用可能とな るから、様々な分野で好適に利用されることとなり得る。
【0036】
【考案の効果】
本考案は、上述したように、紙基材の表面に、サーマルヘッドによる熱印加を 介して、発色剤と顕色剤とを化学反応させて発色させる感熱発色層を備え、該感 熱発色層に形成された所定の記入領域の、少なくともその背面領域に、加圧によ って、含有する発色剤を、その直下に積層した他紙の感熱発色層に転移させ、該 感熱発色層の顕色剤と化学反応させて発色させる発色剤供与層を形成した複写サ ーマル紙(請求項1)であるから、上層の複写サーマル紙の記入領域にサイン等 の筆記文字を記入すると、発色剤供与層の発色剤が、下層の感熱発色層に転移し 、該感熱発色層の顕色剤と接触することによって化学反応し、下層のサーマル紙 の表面に当該筆記文字を複写することができ、サーマルプリンタの有する携帯性 や利便性を十分活用することが可能となる。また、かかる複写サーマル紙は、そ の保管状態にあって、発色汚れが生じることを防止できる。
【0037】 このような発色剤供与層が、発色剤を包含したマイクロカプセルの集合体とし て形成されてなる構成(請求項2)にあっては、文字記入による筆圧によって、 該マイクロカプセルが破壊されて流出した発色剤を、その直下に積層された感熱 発色層に転移させるようにするものであるから、複数枚重ね合わせた複写サーマ ル紙の、最上層に記入した文字を、下層に鮮明に複写することができる。また、 かかる複写サーマル紙では、マイクロカプセルが破壊されなければ発色剤が流出 することもないため、ロール状に巻回した状態や、複写するために重ねた状態等 にあって、発色汚れが生じることを一層適切に防止できる。
【0038】 このような複写サーマル紙が、感熱発色層を被覆する複写抑止層を備え、該複 写抑止層が被覆されていない複写領域が形成されており、該複写領域の直上に積 層した他紙の発色剤供与層から転移させた発色剤を、複写領域の感熱発色層が含 有する顕色剤と化学反応させて発色を生じるさせるようにした構成(請求項3) にあっては、複写領域以外の領域で、発色剤供与層の発色剤と、感熱発色層の顕 色剤とが反応することを複写抑止層によって妨ぐことができるから、熱以外の不 要な外圧等の刺激によって、該複写抑止層を被覆した感熱発色層に発色汚れが生 じることを防止することができ、かつ、複写の必要な筆記文字を複写領域に適切 に複写することが可能である。さらに、この複写抑止層を感熱発色層に被覆する ことにより、サーマルプリンタにより印字された所要情報を、比較的長期間保存 できるという優れた利点もある。
【0039】 このような感熱発色層に形成された複写領域が、所定の記入領域を備えている ものとした構成(請求項4)にあっては、同じ形態の帳票を複数枚印字し、各記 入領域に同じ文字記載をする場合に、最上層の記入領域に必要な文字を記入する ことによって、該筆記文字を下層全てに複写することができる。
【0040】 また、上述の複写抑止層が、紫外線硬化型インキにより形成されたものである とした構成(請求項5)にあっては、サーマルプリンタにより鮮明に所要情報を 印字することができ、かつ、感熱発色層が発色汚れを生じることを適切に防止す ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例にかかる複写サーマル紙1
に印字された帳票2の平面図である。
【図2】同上の複写サーマル紙1の縦断面図である。
【図3】同上の複写サーマル紙1にサーマルヘッド23
により印字される過程を表す説明図である。
【図4】同上の帳票2を切断した正帳票片3と副帳票片
4との積層状態を表す斜視図である。
【図5】同上の正帳票片3に記入した筆記文字を副帳票
片4に複写する過程を表す説明図である。
【図6】本考案の第二実施例にかかる複写サーマル紙3
1に印字された帳票32の平面図である。
【図7】同上の複写サーマル紙31の縦断面図である。
【図8】同上の帳票32を複数枚重ね合わせた積層状態
を表す縦断面図である。
【符号の説明】
1,31 複写サーマル紙 2,32 帳票 6 記入領域 8 感熱発色層 9 紙基材 10 発色剤供与層 11,19 発色剤 12 顕色剤 18 マイクロカプセル 23 サーマルヘッド 32 複写抑止層 33 複写領域

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙基材の表面に、サーマルヘッドによる熱
    印加を介して、発色剤と顕色剤とを化学反応させて発色
    を生じる感熱発色層を備えてなる複写サーマル紙におい
    て、 前記感熱発色層に形成された所定の記入領域の、少なく
    ともその背面領域に、加圧によって、含有する発色剤
    を、その直下に積層した他紙の感熱発色層に転移させ、
    該感熱発色層の顕色剤と化学反応させて発色を生じさせ
    るようにした発色剤供与層が形成されていることを特徴
    とする複写サーマル紙。
  2. 【請求項2】発色剤供与層が、発色剤を包含したマイク
    ロカプセルの集合体として形成されてなるものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の複写サーマル紙。
  3. 【請求項3】感熱発色層を被覆する複写抑止層を備え、
    該複写抑止層が被覆されていない複写領域が形成されて
    おり、該複写領域の直上に積層した他紙の発色剤供与層
    から転移された発色剤を、複写領域の感熱発色層が含有
    する顕色剤と化学反応させて発色を生じるさせるように
    したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の複写
    サーマル紙。
  4. 【請求項4】感熱発色層に形成された複写領域が、所定
    の記入領域を備えていることを特徴とする請求項3記載
    の複写サーマル紙。
  5. 【請求項5】複写抑止層が、紫外線硬化型インキにより
    形成されたものであることを特徴とする請求項3又は請
    求項4記載の複写サーマル紙。
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