JP4156122B2 - 感圧複写用紙 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、感圧複写用紙に関する。さらに詳しくは、一枚ものの用紙からなる改ざん防止機能を有する感圧複写用紙であって、用紙面に汎用ノンインパクトプリンター等の印字装置でユーザー固有の可変情報を印字記録して利用し得、それ自身を3つ巻き折りに折ることで、筆記による感圧複写機能を発揮し得る感圧複写用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の感圧複写用紙(シート)は、例えば、特開平8−230317号公報にみられるように、一方の用紙基材の裏面に発色剤を塗布し、他方の用紙基材の表面に顕色剤を塗布し、それぞれの用紙端部を接着剤で接着することにより複数枚の用紙を重ね合わせた構成の、いわゆる複写シート組が挙げられる。
また、単票の用紙からなる感圧複写式情報記録用紙としては、特開平9−207433号公報が挙げられる。同公報の一枚ものの用紙からなる複写シートの構成は、シート基材面の全面に顕色剤層を設け、該顕色剤層の表面所定部分に減感インキ層を設け、該減感インキ層の表面に発色剤層を設けた感圧複写シートである。
【0003】
従来の帳票類は、量産印刷による固定情報のみを付与したものであった。しかしながら、近年は、帳票類の形態に対する嗜好が、従来の固定情報のみのものに加えて、後からユーザーの目的に応じて必要な書式や情報を、固定情報に追加して印字(オーバーレイ印刷)できるものが求められるようになっている。感圧複写シートからなる帳票類も同様である。
特開平8−230317号公報に開示の構成の感圧複写シートは、顕色剤を塗布形成した用紙と、発色剤を塗布形成した用紙とを、別々に用意し、その後に重ね合わせて、両用紙端部を接着や密着等の手段で接合して用いる、いわゆる複写帳票組と称されるものである。当該複写帳票組に対する顧客の個別情報の印字は、インパクトプリンター(ドットプリンターともいう。)を用いて、重ね合わされた帳票の表面から圧力を加えて印字する必要がある。
しかしながら、近年、追加する可変情報をオーバーレイ印刷する手段は、印刷品質、コスト、処理速度の面から見てインパクトプリンターからノンインパクトプリンターに変わってきている。そのため、このような重ね合わせ方式の複写帳票組に可変情報をオーバーレイ処理するには、わざわざインパクトプリンターを別に用意する必要がある、という課題がある。
【0004】
特開平9−207433号公報に開示の構成の感圧複写シートによれば、全面に設けた顕色剤層上の一部に減感インキ層を介して発色剤層を設け、該発色剤層を内側にして折り畳むことで、用紙裏面からの筆記圧により発色剤の一部が顕色剤層面に転移して文字等を顕色剤層表面に表示することができる。
しかしながら、減感インキ層を設けたとは云うものの、自己発色性であるため筆記圧が加わり、発色剤マイクロカプセルが破れると、発色剤はオイル状であるため、発色剤が、減感インキ層をとおして、該減感インキ下層の顕色剤と反応するため、当該筆記部分に滲んだ画像ができる。また、単に積み重ねて保存しておくだけでも条件によっては、減感インキ層を介して顕色剤と発色剤が反応してしまい、用紙表面が汚れたような状態になる、という課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では、折り畳んで使用、特に3つ巻き折りに折ることにより感圧複写用紙の機能を発揮でき、単票の状態でユーザーにおいて可変情報をオーバーレイ印刷し易く、かつ金額等の所定の筆記後には、当該部分の改ざんが困難な一枚ものの複写用紙を提供すべくなされたものである。
【0006】
【課題を解決する手段】
上記課題を解決する本発明の要旨の第1は、感圧複写記録面の全面または一部に可変情報を印字して用い得る感圧複写用紙であって、当該感圧複写用紙を構成する基材裏面の第1の部分に発色剤層を設け、該発色剤層の上の一部に転移性自己発色剤層を設け、前記基材表面の第3の部分に顕色剤層を設け、感圧複写用紙を3つ巻き折りに折った際に、少なくとも、前記発色剤層の一部と前記顕色剤層の一部、および、前記転移性自己発色剤層の一部と前記顕色剤層の一部が対面して重なり合うことを特徴とする感圧複写用紙、にある。かかる感圧複写用紙であるので、筆記または印字事項の改ざんが困難となる。
【0007】
上記課題を解決する本発明の要旨の第2は、感圧複写記録面の全面または一部に可変情報を印字して用い得る感圧複写用紙であって、当該感圧複写用紙を構成する基材裏面の第1の部分に第1の発色剤層、基材裏面の第2の部分に第2の顕色剤層、基材裏面の第3の部分に第2の発色剤層を設け、該第1の発色剤層の上の一部に第1の転移性自己発色剤層を設け、前記基材表面の第3の部分に第1の顕色剤層を設けており、感圧複写用紙を3つ巻き折りに折った際に、少なくとも、前記第1の発色剤層の一部と前記第1の顕色剤層の一部、および、前記第2の発色剤層の一部と前記第2の顕色剤層の一部が対面して重なり合い、さらに、前記第1の転移性自己発色剤層と第1の顕色剤層とが重なり合うことを特徴とする感圧複写用紙、にある。かかる感圧複写用紙であるので、筆記または印字事項の改ざんが困難となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の感圧複写用紙の実施形態を詳述する。本発明の感圧複写用紙には、実施形態I.と実施形態II.とがあるので、それぞれについて、以下順次説明する。
図1は、本発明の実施形態I.の感圧複写用紙を3つ巻き折りに折って使用する状態の断面図、図2は、同平面に展開した場合の断面図、図3は、同平面に展開した場合の平面図を示す図である。
【0009】
図1のように、本発明の実施形態I.の感圧複写用紙は単票の用紙からなる。図1において、符号10は複写用紙の基材、13a,13bは折り線を示す。折り線13a,13bは通常は複写用紙を3つの部分にほぼ等分するように設けられるが等分でなくても発色剤層と顕色剤層の少なくとも一部が重なり合えば複写用紙の機能を果たすことができる。図1では折った断面状態が矩形状に図示されているが図示の都合上で、実際には紙であるから平面的な状態に折られる。
図1のように、3つ巻き折りに折った状態では、基材10の第1の部分101裏面に設けられた発色剤層11と基材10の第3の部分103表面に設けられた顕色剤層21が対面する状態になる。この状態で用紙の表面から筆記具30またはインパクトプリンタ等により記録することにより発色剤層11と顕色剤層21が「反応A」し、顕色剤層が発色する。なお、用紙の表面、裏面とはいずれがどちらであっても構わないが便宜上、筆記等する側を表面としその反対面を裏面とすることにする。また、用紙を3つ巻き折りにして使用する際の筆記具等が接触する上面部分を第1の部分101、最下面部分を第2の部分102、中折り部分を第3の部分103ということにする。
【0010】
発色剤層11の一部には転移性自己発色剤層12が設けられていて、当該部分に筆記具30またはインパクトプリンタ等による筆圧等がかかった場合は、顕色剤層21との間で、発色剤層11と転移性自己発色剤層12との混合による他の部分とは異なる色、すなわち特色に発色して顕色剤層側に転移して「反応B」する特性を有する。発色剤層11と転移性自己発色剤層12との混合色はそれ自体で発色、転移するので、顕色剤層21がなくても使用できるが発色濃度がやや低くなる。かかる転移性自己発色剤層部は特色であるので、用紙の第3の部分に転移した場合に他の部分と異なる発色となり、当該部分の改ざんを困難にするとともに改ざんの発見を容易にすることができる。
図2の平面に展開した場合の断面図のように、発色剤層11、顕色剤層21ともに用紙を3等分した左右の部分、すなわち第1の部分101、第3の部分103部分に塗布形成されており、中央部分には塗布されていない。これにより搬送ローラを中央に持つレーザービームプリンタを使用する場合、当該ローラの磨耗を防ぐ効果がある。
【0011】
図3は、実施形態I.の感圧複写用紙を平面に展開した平面図であって、図3(A)は表面側、図3(B)は裏面側を示している。複写用紙の感圧記録材料塗布部と折り線のみ表示され、その他の印刷表示等は省略されている。図3(A)のように、複写用紙は折り線13a,13bにより前記3つの部分101,102,103に分割されており、表面側には、顕色剤層21を塗設し、基材10の103部分を内側として101部分と対面するように折り畳んで使用することになる。折り線13a,13bは切り取り可能なミシン目線であってもよい。
図3(B)のように、複写用紙の裏面側には、発色剤層11を塗設しており、当該発色剤層の一部に転移性自己発色剤層12が設けられている。当該転移性自己発色剤層12に対応する表面側には記入欄が設けら、領収金額とか、コード番号とかの特別の事項が記入されることになる。
自己発色剤層としてはマイクロカプセル化した顕色剤と発色剤とを2層に塗布したものあるいは混合して1層に塗布したもの等が使用でき、いずれも一般的に使用されている材料である。
【0012】
図4は、本発明の実施形態II.の感圧複写用紙を3つ巻き折りに折って使用する状態の断面図、図5は、同平面に展開した場合の断面図、図6は、同平面に展開した場合の平面図を示す図である。いずれも第2の転移性自己発色剤層122を設けた例が図示されているが、当該第2の転移性自己発色剤層は設けなくてもよい。
【0013】
図4のように、本発明の実施形態II.の感圧複写用紙も単票の用紙からなる。
図4のように、3つ巻き折りに折った状態では、基材10の第1の部分101裏面に設けられた第1の発色剤層111と基材の第3の部分103表面に設けられた第1の顕色剤層211が対面する状態になる。また、基材10の第3の部分103裏面には第2の発色剤層112が設けられ、第2の部分102裏面に設けられた第2の顕色剤層212と対面する状態になる。
この状態で用紙の表面から筆記具30またはインパクトプリンタ等により記録することにより第1の発色剤層111と第1の顕色剤層211が「反応A」し、第1の顕色剤層211が発色する。また、第2の発色剤層112と第2の顕色剤層212が「反応C」し、第2の顕色剤層212が発色する。
【0014】
第1の発色剤層111の一部には部分的に第1の転移性自己発色剤層121が設けられていて、当該部分に筆圧等がかかった場合は、第1の顕色剤層211との間で「反応B」し、他の部分とは異なる特色に発色して第1の顕色剤層211側に転移する特性を有する。同様に、必要により第2の発色剤層112の一部には部分的に第2の転移性自己発色剤層122が設けられていて、当該部分に筆圧等がかかった場合は、第2の顕色剤層212との間で「反応D」し、他の部分とは異なる特色に発色して第2の顕色剤層212側に転移する特性を有する。前記のように、この第1、第2の転移性自己発色剤層はいずれも自己発色、転移するので顕色剤層がなくても良いが、発色濃度がやや低くなることになる。
図5の平面に展開した場合の断面図のように、基材の101部分裏面に第1の発色剤層111と第1の転移性自己発色剤層121、102部分裏面に第2の顕色剤層212、103部分裏面に第2の発色剤層112と第2の転移性自己発色剤層122が塗布形成され、103部分表面には第1の顕色剤層211が塗布されている。
【0015】
図6は、実施形態II.の感圧複写用紙を平面に展開した平面図であって、図6(A)は表面側、図6(B)は裏面側を示している。図6(A)のように、複写用紙は折り線13a,13bにより3つの部分101,102,103に分割されており、表面側には、第1の顕色剤層211を塗設し、基材10の103部分を内側として111部分と対面するように折り畳んで使用することになる。
図6(B)のように、複写用紙の裏面側には、第1の発色剤層111を塗設しており、当該第1の発色剤層の一部に第1の転移性自己発色剤層121が設けられている。また、必要により第2の発色剤層の一部に第2の転移性自己発色剤層122を設ける。当該第1および第2の転移性自己発色剤層121,122に対応する表面側には記入または印字欄が設けられ、領収金額とか、コード番号とかの特別の事項が記入されることになる。
【0016】
図3、図6では、白紙の用紙からなり印刷は省略されているが用紙に共通に必要な固定情報を予め印刷して施しておいても良い。
ユーザーが設ける文字、数字や記入欄の罫線等の固有の可変情報は、この感圧複写用紙の表裏の発色剤層、顕色剤層の塗布領域のいずれの部分にも印刷形成することができる。
【0017】
次に、本発明の感圧複写用紙の使用方法について説明する。
図7は、本発明の感圧複写用紙を折り畳む工程と折り畳んだ後の状態を示し、図8は、感圧複写用紙(実施形態I.)に記入後再び平面状態に展開した状態を示す。本発明の感圧複写用紙の実施形態I.は、図7のように、折り線13a,13bから基材の103の部分が内側となるように3つ巻き折りに折ると、すなわち図7(A)の▲1▼→▲2▼の順序で折ると、基材表面の顕色剤層が形成されている領域が、発色剤層が形成されている領域に対面する。複写用紙の表面には、顧客の住所・氏名等記入欄15と、転移性自己発色剤層が塗布された部分の表面には領収金額等記入欄16が設けられている(図7(B))。
この状態で基材表面の住所・氏名等記入欄15にボールペン等の筆記具またはインパクトプリンター等により記録することにより、筆記または印字圧により発色剤と顕色剤とが「反応A」し、顕色剤層が発色する。また、領収金額等記入欄16に記入することにより転移性自己発色剤層と顕色剤層が「反応B」して発色する。
このとき、転移性自己発色剤層12の色素と発色剤層11の色素とを異なる色の色素にしておくと、発色剤層11と顕色剤層21との「反応A」により生ずる色と、転移性自己発色剤層12の発色剤が顕色剤層21との「反応B」により生ずる色とは、異なる色になる。
【0018】
また、発色剤層11の上に形成された、自己発色剤層12は転移性のものであるから、筆記記録した際に、発色した転移性自己発色剤層の一部が、対向する顕色剤層21上に「正パターン」の文字で転移する。また、転移性自己発色剤層には、発色剤層11と転移性自己発色剤層12とが反応するので前記筆記手段またはインパクトプリンターにより筆記または印字した文字と「逆パターン」の文字(鏡像)が形成される。このような転移性を有する顕色剤は、通常の顕色剤に、炭酸カルシウム、ワックスなどを添加することにより得られる。
【0019】
図8のように、感圧複写用紙の表面から住所・氏名等記入欄15に記入すると基材の第3の部分103表面には、発色剤層11と顕色剤層21との「反応A」により(ア)の色が発色し、領収金額等記入欄16に「4000」の数字を記入すると基材の第1の部分裏面には、発色剤層11と転移性自己発色剤層12との反応により(ウ)の色が発色し、基材の第3の部分103表面には、発色剤層11と転移性自己発色剤層12と顕色剤層21との「反応B」により(イ)の色が発色することになる。この場合、顕色剤層21が無い場合は、(ア)の発色は得られないが(イ)の低下した色濃度の(イ´)色の発色は得られる。
【0020】
図9は、感圧複写用紙(実施形態II.)に記入後再び平面状態に展開した状態を示す。本発明の感圧複写用紙の実施形態II.の場合は、図9(B)のように、基材の第2の部分102の裏面にも「正パターン」文字で、住所、氏名および領収金額等の転記がされることで実施形態I.の場合と相違する。第1の発色剤層、顕色剤層間と第2の発色剤層、顕色剤層間の発色を異なる発色にしておけば用紙の種別の違いが明瞭になる。
第2の転移性自己発色剤層122に対応する基材表面の第1の部分101または第3の部分103のみの部分に特定事項の記載欄を設けておけば、基材の第2の部分102の裏面に特色に転移した記録を得ることができる。この記録は、第1の部分を除去して第3の部分表面からのみ記入することにすれば顧客に知り得ない情報等を記録することもできる。
【0021】
図9のように、感圧複写用紙の表面から住所・氏名等記入欄に記入すると基材の第3の部分103表面に(ア)の色が発色し、領収金額等記入欄裏面に(ウ)の色が発色し、基材の第3の部分103表面には、(イ)の色が発色することは前記実施形態I.の場合と同様である。実施形態II.の場合は、第2の発色剤層112と第2の顕色剤層212との「反応C」により、(エ)の色が発色し、基材の第3の部分103裏面には、第2の発色剤層112と第2の転移性自己発色剤層122との反応により(カ)の色が発色し、基材の第2の部分102裏面には、第2の発色剤層112と第2の転移性自己発色剤層122と第2の顕色剤層212との「反応D」により(キ)の色が発色することになる。この場合、第2の顕色剤層212が無い場合は、(キ)の発色は得られないが(キ)の低下した色濃度の(キ´)色の発色は得られる。
【0022】
本発明の感圧複写用紙1は、顕色剤層が形成されている基材10の表面の全面または一部に、例えば、保険会社名、お客様番号、氏名、住所などの記入欄をノンインパクトプリンターを用いてオーバーレイ印刷することができる。図示はされていないが紙面を装飾する模様や地紋印刷等を設けておくのも好ましい。これらはユーザーが追加する可変情報に該当する。また、顕色剤層形成部分は、領収金額が書かれるので、領収金額等記入欄16として位置表示枠を印刷しておくことが好ましい。
発色剤塗布領域は、複写がされないので設ける可変情報は複写を要しない注意書とか、装飾的模様や地紋印刷等が好ましいと考えられる。この部分の印刷は前記のようにマイクロカプセルの破壊を伴わないノーインパクトプリンターでするのが好ましい。
【0023】
本発明の感圧複写用紙は、3つ巻き折りにし、記入または印字して使用し、顕色剤層に複写した後、折り線13a,13bを境に分離して用いるのが通常である。利用分野の一例としては、顕色剤層の形成されている102,103部分を支店、本店等の控え、発色剤層のみの形成されている101部分をお客様領収書とすることができ、あるいは101,102部分を支店、本店等の控え、103部分をお客様領収書とすることができる。
可変情報としては、一般的には、本体用紙と控え用紙とを関連付ける共通番号、その他後から付与する情報があり、これらの情報を、本体用紙と控え用紙の両方に、同時に印字形成する必要がある。これらの情報は、各帳票ごとにユニーク情報である必要があり、予め印刷して設けても良く、使用に際してその都度、印刷しても良く、コンピューターからの情報を適宜印字できるプリンター装置が処理が適している。図示はしないが、第1の顕色剤塗布領域の裏面に印刷するのも自由である。
【0024】
可変情報の形成手段としては、レーザービームプリンター、インキジェットプリンター、イオンプリンター感熱転写プリンター等のノンインパクトプリンター、ファクシミリ装置等を用いることができる。顧客が記入する個々に異なる個別情報は、勿論ノンインパクトプリンターで印字しても構わない。
【0025】
なお、本発明の感圧複写用紙は、3つ巻き折りに折り畳む例について説明したが、3つ折り(Z折り)の場合にも塗布位置を適宜変更することにより適用できる。本発明の感圧複写用紙の利用分野としては、生命保険や損害保険の申込書、領収書、口座振替依頼書、その他、各種製造業の納入書、物流伝票などが挙げられる。
【0026】
(材料に関する実施例)
発色剤層、転移性自己発色剤層には、電子供与性の発色剤溶液をマイクロカプセル化して公知の手段でインキ化したものか使用でき、顕色剤としては電子受容性の顕色剤をインキ化したものを使用することができる。発色剤としては、スピロ系染料、フルオラン系染料、トリアリールメタン系染料、ジフェニルメタン系染料、チアジン系染料等が上げられるがこれらに限られるわけではない。
発色剤層、転移性自己発色剤層は、上記のような染料の中から、発色する色調が異なるものを組み合わせて用いる。具体的には、発色剤層の染料としては、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン(スピロ系染料)、転移性自己発色剤層の染料としては、3−ピペリジノ−メチル−7−フェニルアミノオラン(フルオラン系染料)を用いることができる。
また、転移性自己発色剤層は、転移性を持たせるために、通常の発色剤の構成の他に、流動性油分、ワックスを主成分とし、その他、必要に応じて、炭酸カルシウム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、バインダー等を添加したインキを用いて形成する。
【0027】
【発明の効果】
本発明の感圧複写用紙は、単に一枚ものの用紙からなるのでユーザー側において、固有の書式たる可変情報をノンインパクトプリンター等でオーバーレイ印刷するのに適するという効果がある。
基材上の折り線を境に発色剤層と、顕色剤層を塗り分けて、後から3つ巻き折りに折って使用する際に、発色剤と顕色剤とが反応するため、自己発色層を全面に設ける場合のように発色による汚れが生じないという効果がある。
基材表面の発色剤層と転移性自己発色剤層が重畳した部分では、発色剤と転移性自己発色剤による発色剤とが混ざった状態で反応するため、それぞれの発色剤による色調と異なる色調の正文字が、顕色剤層に現れる。従って、一旦、筆記により複写形成された文字は改ざんし難い、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態I.の感圧複写用紙を3つ巻き折りに折って使用する状態の断面図である。
【図2】 同平面に展開した場合の断面図である。
【図3】 同平面に展開した場合の平面図である。
【図4】 本発明の実施形態II.の感圧複写用紙を3つ巻き折りに折って使用する状態の断面図である。
【図5】 同平面に展開した場合の断面図である。
【図6】 同平面に展開した場合の平面図である。
【図7】 本発明の感圧複写用紙を折り畳む工程と折り畳んだ後の状態を示す。
【図8】 感圧複写用紙(実施形態I.)に記入後再び平面状態に展開した状態を示す。
【図9】 感圧複写用紙(実施形態II.)に記入後再び平面状態に展開した状態を示す。
【符号の説明】
1 感圧複写用紙
10 基材
11 発色剤層
12 転移性自己発色剤層
13a,13b 折り線
15 住所・氏名等記入欄
16 領収金額等記入欄
21 顕色剤層
30 筆記具
101 基材の第1の部分
102 基材の第2の部分
103 基材の第3の部分
111 第1の発色剤層
112 第2の発色剤層
121 第1の転移性自己発色剤層
122 第2の転移性自己発色剤層
211 第1の顕色剤層
212 第2の顕色剤層
Claims (10)
- 感圧複写記録面の全面または一部に可変情報を印字して用い得る感圧複写用紙であって、当該感圧複写用紙を構成する基材裏面の第1の部分に発色剤層を設け、該発色剤層の上の一部に転移性自己発色剤層を設け、前記基材表面の第3の部分に顕色剤層を設け、感圧複写用紙を3つ巻き折りに折った際に、少なくとも、前記発色剤層の一部と前記顕色剤層の一部、および、前記転移性自己発色剤層の一部と前記顕色剤層の一部が対面して重なり合うことを特徴とする感圧複写用紙。
- 前記発色剤層が発色剤マイクロカプセルからなることを特徴とする請求項1記載の感圧複写用紙。
- 前記発色剤層が発色剤マイクロカプセルからなり、筆記または印字圧により、該マイクロカプセルの発色剤の一部が、顕色剤層に浸透することを特徴とする請求項1記載の感圧複写用紙。
- 感圧複写記録面の全面または一部に可変情報を印字して用い得る感圧複写用紙であって、当該感圧複写用紙を構成する基材裏面の第1の部分に第1の発色剤層、基材裏面の第2の部分に第2の顕色剤層、基材裏面の第3の部分に第2の発色剤層を設け、該第1の発色剤層の上の一部に第1の転移性自己発色剤層を設け、前記基材表面の第3の部分に第1の顕色剤層を設けており、感圧複写用紙を3つ巻き折りに折った際に、少なくとも、前記第1の発色剤層の一部と前記第1の顕色剤層の一部、および、前記第2の発色剤層の一部と前記第2の顕色剤層の一部が対面して重なり合い、さらに、前記第1の転移性自己発色剤層と第1の顕色剤層とが重なり合うことを特徴とする感圧複写用紙。
- 第2の発色剤層の上の一部に第2の転移性自己発色剤層がさらに設けられており、基材を3つ巻き折りに折った際に、前記第2の転移性自己発色剤層と第2の顕色剤層とが重なり合うことを特徴とする請求項4記載の感圧複写用紙。
- 前記第1、第2の発色剤層および前記転移性自己発色剤層が発色剤マイクロカプセルからなることを特徴とする請求項4および請求項5記載の感圧複写用紙。
- 前記第1、第2の発色剤層が発色剤マイクロカプセルからなり、筆記または印字圧により、該マイクロカプセルの発色剤の一部が、第1または第2の顕色剤層に浸透することを特徴とする請求項4および請求項5記載の感圧複写用紙。
- 前記第1の発色剤層と、前記第2の発色剤層とは、異なる色に発色する発色剤により構成されていることを特徴とする請求項4および請求項5記載の感圧複写用紙。
- 前記転移性自己発色剤層に対応した基材裏面に筆記記録領域を示す位置表示枠が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の感圧複写用紙。
- 前記基材表面上に形成された発色剤層および顕色剤層からなる面上の少なくとも一部に、ノンインパクトプリンターにより可変情報が印刷されていることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の感圧複写用紙。
Priority Applications (1)
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