JP3647151B2 - 複写用紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上位シートへの記入により下位シートへ複写記入する複写用紙に関し、特にノーカーボン式複写構造を備えた複写用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からノーカーボン式複写構造を備えた複写用紙は種々知られている。一方、近年においては、印字データをあらかじめインプットしておき、このインプットした印字データを内蔵した印字機構によって印字する、小型で携帯可能な端末装置、いわゆるハンディーターミナルの使用が増加してきている。そして、このハンディーターミナルの印字機構には感熱式と感圧式のものとがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のノーカーボン式複写構造を備えた複写用紙では、感熱式の印字機構を備えたハンディーターミナルによると必要な圧がかからないので、下位シートへの複写記入ができないという不都合がある。感圧式の印字機構を備えたハンディーターミナルによれば、従来のノーカーボン式複写構造を備えた複写用紙でも複写記入が可能であるが、この感圧式の印字機構を備えたハンディーターミナルは感熱式のものと比較して高価だという不都合がある。本発明は、これらの不都合を解消し、感熱式の印字機構を備えたハンディーターミナルによる一次記入及び筆記などによる二次記入によってそれぞれ複写記入が可能な複写用紙を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の複写用紙は、上位シートと下位シートとを分離可能に綴じ合わせてなり、前記上位シートの表面側には一次記入部と二次記入部とを設け、裏面側には前記一次記入部に対応して感熱転写インキ層を設けるとともに、前記二次記入部に対応して染料内包マイクロカプセル剤層を設け、前記下位シートの表面側には前記各記入部に対応する位置に複写記入部を設けるとともに、これら各複写記入部に対応して顕色剤層を設けたものである。
【0005】
下位シートに設ける顕色剤は、下位シートの各複写記入部に対応する位置にのみ設けてもよいし、下位シートに全面的に設けて各複写記入部に対応するよう構成してもよい。
【0006】
【発明の実施形態】
以下、本発明を納品書に適用した場合の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。ここにおいて、図1は納品書の概略的な斜視図、図2はそのA−A線断面図である。
【0007】
図1及び図2に示すように、納品書1は、上位シートである本票2と、下位シートである控票3とからなり、両票2,3は互いの一側端で、接着力の弱い線状に設けた接着剤4により分離可能に綴じ合わされている。
【0008】
図1に示すように、本票2の表面側には、「納品書」なる標題5のほか、納品先記入欄6、納品年月日記入欄7、納品詳細記入欄8、受領印捺印欄9、取扱会社表示10があらかじめ印刷されている。そして、前記納品先記入欄6、前記納品年月日記入欄7、前記納品詳細記入欄8が一次記入欄であり、前記受領印捺印欄9が二次記入欄である。
【0009】
一方、図示してはいないが、控票3の表面側には、上述した本票2の「納品書」なる表題5に代えて、「納品書控」なる表題を印刷し、また、各記入欄6〜9及び取扱会社表示10とそれぞれ上下に対応する位置に、複写記入部たる納品先複写記入欄、納品年月日複写記入欄、納品詳細複写記入欄、受領印複写捺印欄及び取扱会社表示があらかじめ印刷されている。
【0010】
図2に示すように、本票2の裏面側には、一次記入欄である納品先記入欄6、納品年月日記入欄7、納品詳細記入欄8に対応する位置に、感熱転写インキ層11が設けられている。この感熱転写インキ層11を形成する感熱転写インキは、ワックス、樹脂、顔料等のインキ組成物を配合してなるもので、40℃〜120℃程度で溶解し、熱転写されるものであり、公知の感熱転写インキから適宜選択して用いればよいものである。
【0011】
また、図2に示すように、本票2の裏面側には、二次記入欄である受領印捺印欄9に対応する位置に染料内包マイクロカプセル剤層12が設けられている。この染料内包マイクロカプセル剤層12を形成する染料内包マイクロカプセル剤は、例えば、芯物質をロイコ系染料とし、酸触媒及び乳化機能を有するスチレン−無水マレイン酸の部分加水分解物と、メラミンまたは尿素とホルマリンあるいはこれらのプレポリマを用い、インサイチュ法によって尿素−ホルマリン樹脂を形成し、これをカプセル壁材として生成した染料内包マイクロカプセル剤について、そのカプセル壁材を覆うような状態でカプセル壁材及びインキビヒクルの双方に親和性のある界面活性剤層を設け、さらに真空蒸留法をもって水分を選択的に気化し、除去することで、水系で生成された染料内包マイクロカプセルを、この界面活性剤層を介してインキビヒクル中に分散状態で置換せしめて得ることができる。
【0012】
同じく図2に示すように、控票3の表面側には、各複写記入欄に対応して顕色剤層13a,13bが設けられている。この顕色剤層13a,13bを形成する顕色剤は、電子受容性のレジン、活性白土等からなる。
【0013】
本実施形態は以上のように構成したので、図示していない適宜な感熱プリンタを内蔵したハンディターミナルにより、あらかじめインプットしておいた所定情報を、本票2の納品先記入欄6、納品年月日記入欄7、納品明細記入欄8に、それぞれ記入すると、熱転写インキ層11と顕色剤層13aの作用によって、熱転写インキが顕色剤に受容され、同一事項が控票3の対応する各複写記入欄に確実に複写記入される。
【0014】
次いで、納品先において、本票2の受領印捺印欄9に受領印の捺印を受けると、染料内包マイクロカプセル剤層12と顕色剤層13bの作用によって、捺印による圧力で破壊されたマイクロカプセルからの染料が顕色剤に受容され、同一の印影が受領印捺印複写欄に複写される。この後、本票2と控票3とを分離し、控票3を納品先に渡し、本票2を持ち帰って納品管理を行うものである。
【0015】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、本票2と控票3との分離可能な綴じ合わせは、綴じ合わせ部分の内側に切り用ミシン目を設けて構成してもよい。また、顕色剤層13a,13bを各複写記入部に対応する位置のみならず、控票3の全面に及ぶよう設けてもよい。さらに、一次記入部とした納品年月日記入欄7を二次記入部として構成することも可能である。またさらに、納品書1以外の複写用紙にも適用可能であり、複写用紙の用途に応じて一次記入部と二次記入部の記入内容も適宜選択される等、種々の変形が可能である。
【0016】
【発明の効果】
以上詳細に説明したところで明らかなように、本発明によれば、上位シートの一次記入部に対して感熱プリンタにより印字することによって、下位シートの対応位置する複写記入部に複写記入することが可能となり、また、上位シートの二次記入部に対して手書き記入や捺印等することによって、下位シートの対応位置する複写記入部に複写記入することが可能になるので、下位シートの各複写記入部に対して種類の異なった手段による複写記入が可能になるとともに、熱転写インキ層に対応して顕色剤層を設けることにより、熱転写インキが顕色剤に受容され、感熱プリンタによる複写記入がより確実になされるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】納品書の概略的な斜視図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【符号の説明】
1 納品書
2 本票
3 控票
4 接着剤
5 標題
6 納品先記入欄
7 納品年月日記入欄
8 納品詳細記入欄
9 受領印捺印欄
10 取扱会社表示
11 感熱転写インキ層
12 染料内包マイクロカプセル層
13a,13b 顕色剤層

Claims (1)

  1. 上位シートと下位シートとを分離可能に綴じ合わせてなり、前記上位シートの表面側には一次記入部と二次記入部とを設け、裏面側には前記一次記入部に対応して感熱転写インキ層を設けるとともに、前記二次記入部に対応して染料内包マイクロカプセル剤層を設け、前記下位シートの表面側には前記各記入部に対応する位置に複写記入部を設けるとともに、これら各複写記入部に対応して顕色剤層を設けたことを特徴とする複写用紙。
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