JP2019040684A - 非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温保存特性の低下が抑制された非水系二次電池を安定的に提供する。【解決手段】本発明により、正極活物質層を有する正極と、負極と、非水電解質と、を備える非水系二次電池が提供される。上記正極活物質層は、正極活物質と、Li3PO4と、を含む。上記Li3PO4は、Si,Na,K,Cl,Fe,Cu,Zn,Cr,Al,Mg,CaおよびSbのなかから選択される1種以上の不純物を含み、上記不純物の合計濃度が、3.5ppm以上400ppm以下である。上記Li3PO4を除く上記正極活物質層の固形分量の全体を100質量部としたときに、上記Li3PO4の含有割合が0.88質量部以上8.8質量部以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、非水系二次電池に関する。
非水系二次電池では、電池性能の向上等を目的として、電池内に無機リン酸塩を含ませることがある。例えば特許文献1には、所謂5V級の正極に、所定量のリン酸三リチウム(LiPO)を含んだ電池が開示されている。このような電池の正極は、例えば、正極活物質とLiPOと結着剤とを適当な溶媒中で混練してなる正極ペーストを、正極集電体に塗工し乾燥することによって作製される。特許文献1によれば、正極にLiPOを含むことで、正極活物質からの遷移金属の溶出が抑制され、電池の耐久性が向上し得る。
特開2014−103098号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、LiPOの含有割合が同じであっても、正極作製時に正極ペーストの塗工性や取扱性が低下して、正極の作製が困難になることがあった。また、電池の耐久性にバラつきが生じることもあった。一例として、高温環境下(典型的には50℃以上)で所定の期間電池を保存した後に、電池抵抗が増大することがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温保存特性の低下が抑制された非水系二次電池を安定的に提供することにある。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、新たに、正極中のLiPOに含まれる不純物の濃度が、正極ペーストの保存安定性や、電池の高温保存特性に大きく影響していることが判明した。本発明者らは、かかる知見に基づいて更なる鋭意検討を重ね、本発明を完成するに至った。
本発明により、正極活物質層を有する正極と、負極と、非水電解質と、を備える非水系二次電池が提供される。上記正極活物質層は、正極活物質と、LiPOと、を含む。上記LiPOは、Si,Na,K,Cl,Fe,Cu,Zn,Cr,Al,Mg,CaおよびSbのなかから選択される1種以上の不純物を含み、上記不純物の合計濃度が、3.5ppm以上400ppm以下である。上記LiPOを除く上記正極活物質層の固形分量の全体を100質量部としたときに、上記LiPOの含有割合が0.88質量部以上8.8質量部以下である。
LiPOが上記不純物の合計濃度を満たすことにより、正極ペーストの保存安定性を確保することができる。このことにより、正極ペーストの調製から時間が経過した後でも、正極を安定的に製造することができる。また、正極中のLiPOが上記不純物の合計濃度を満たす非水系二次電池では、高温保存特性の低下を抑制することができる。さらに、正極活物質層中のLiPOの含有割合を上記範囲とすることで、LiPOの添加の効果を好適に発揮することができる。
なお、本明細書において「不純物」とは、Si,Na,K,Cl,Fe,Cu,Zn,Cr,Al,Mg,Ca,Sbの元素成分をいう。
また、本明細書において「不純物の合計濃度」とは、LiPOの全量(質量)に占める、不純物の含有量(質量)の合計をいう。単位は、ppm(質量/質量)である。
上記元素のうち、アルカリ金属元素(Na,K)の各含有量については、原子吸光法(AAS:Atomic Absorption Spectrometry)で測定することができる。また、Si,Fe,Cu,Zn,Cr,Al,Mg,Ca,Sbの各含有量については、ICP発光分光分析法(ICP−AES:Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry)で測定することができる。また、Clの含有量については、比色法(典型的には吸光光度法)で測定することができる。
(A)は、正極ペーストの減粘率を比較したグラフであり、(B)は、電池の高温保存後のIV抵抗増加率を比較したグラフである。
以下、ここで開示される非水系二次電池の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において数値範囲をA〜B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、A以上B以下を意味するものとする。
本実施形態の非水系二次電池は、正極と、負極と、非水電解質と、を備える。
以下、各構成要素について順に説明する。
正極は、典型的には、正極集電体と、該正極集電体上に固着された多孔質構造の正極活物質層と、を備えている。正極集電体としては、導電性の良好な金属製のシート、例えばアルミニウム箔が好適である。正極活物質層は、少なくとも、正極活物質とリン酸三リチウム(LiPO)とを含み、典型的には、さらに結着剤(バインダ)を含んでいる。
正極活物質は、電荷担体を可逆的に吸蔵及び放出可能な材料であればよい。正極活物質の好適例としては、リチウムニッケル含有複合酸化物、リチウムコバルト含有複合酸化物、リチウムニッケルコバルト含有複合酸化物、リチウムマンガン含有複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物等の、リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。高耐久の観点からは、通常使用時の作動電位が金属リチウム基準で4.2V以下である、所謂、4V級の正極活物質が好ましい。4V級の正極活物質の一好適例として、層状構造のリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物が挙げられる。
正極活物質は、典型的には粒子状である。正極活物質の平均粒径(レーザー回折・光散乱法に基づく50体積%粒径(D50粒径)。以下同じ。)は特に限定されないが、典型的には1〜20μm、例えば3〜10μm程度であるとよい。正極活物質の比表面積(窒素ガスを用いた定容量式吸着法により測定した表面積をBET法で解析したBET比表面積。以下同じ。)は特に限定されないが、典型的には0.1〜5m/g、例えば0.5〜3m/gであるとよい。
LiPOは、所定の濃度で後述の不純物を含んでいる限りにおいて、市販品を使用することもできるし、従来公知の方法で合成することもできる。
LiPOは、例えば、(a)正極活物質の表面を被覆する;(b)非水電解質の酸化分解(典型的には、該非水電解質に含まれる支持塩の加水分解)を抑制する;(c)フッ素含有支持塩(例えばフッ素含有リチウム塩)の加水分解によって生成されるフッ酸(HF)を捕捉あるいは消費して、非水電解質の酸性度(pH)を緩和する;のうち少なくとも1つの作用を奏する。LiPOは、かかる作用によって、正極活物質からの金属元素の溶出を抑制し、通常使用時の電池特性、例えば耐久性を向上する効果を奏する。また、過充電時には、電池温度の上昇を抑制して過充電耐性を向上する効果を奏する。
LiPOは、ケイ素(Si),ナトリウム(Na),カリウム(K),塩素(Cl),鉄(Fe),銅(Cu),亜鉛(Zn),クロム(Cr),アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),アンチモン(Sb)のうちの1種または2種以上の元素を不純物として含んでいる。これらの元素は、典型的には、LiPOの合成原料である水酸化リチウム(溶媒和された形態(LiOH・HO)であり得る。)やリン酸(HPO)から、LiPOに混入する。このため、本発明者らの知見によれば、例えば試薬を購入したメーカーや、試薬の純度、ロット等によって、LiPO中の不純物の量は大きく異なり得る。その結果、後述する試験例にも示す通り、時に正極ペーストの保存安定性が低下したり、電池の高温保存特性が低下したりすることがある。
そこで、ここに開示される技術では、LiPO中の不純物の濃度を、3.5ppm以上400ppm以下としている。不純物の濃度を所定値以上にすることで、正極ペーストの保存安定性が高められる。すなわち、正極ペーストに粘度変化が生じ難くなり、正極ペーストの調製から時間が経過した後でも、安定的に正極を製造することができる。また、不純物の濃度を所定値以下にすることで、電池の高温保存特性が向上する。すなわち、高温環境下(典型的には50℃以上、例えば60〜80℃の温度環境下)に長期間曝された後にも電池容量の低下が生じ難く、安定した電池容量を得ることができる。
正極ペーストの保存安定性をより良く向上する観点や低コストの観点からは、LiPOの不純物の濃度が、概ね10ppm以上、典型的には50ppm以上、例えば100ppm以上であってもよい。また、電池の高温保存特性をより良く向上する観点からは、LiPOの不純物の濃度が、概ね300ppm以下であってもよい。
LiPOは、典型的には粒子状である。LiPOの平均粒径は特に限定されないが、概ね0.1〜30μm、典型的には0.5〜25μm、例えば2〜10μm、好ましくは2〜5μm程度である。平均粒径を所定値以上とすることで、正極ペーストの取扱性や保存安定性をより良く向上することができる。平均粒径を所定値以下とすることで、耐久性等の電池特性をより良く向上することができる。LiPOの平均粒径は、典型的には正極活物質の平均粒径と同等(±1μm程度)か、正極活物質の平均粒径よりも小さいことが好ましい。
LiPOの比表面積は特に限定されないが、典型的には0.5〜30m/g、例えば0.9〜21m/gであるとよい。LiPOの比表面積は、典型的には正極活物質の比表面積と同等(±1m/g程度)か、正極活物質の比表面積よりも大きいことが好ましい。これにより、上述したLiPOの添加の効果をより良く発揮することができる。
ここに開示される技術では、LiPOを除く正極活物質層の固形分量の全体(例えば、正極活物質と結着剤と導電助剤との合計質量)を100質量部としたときに、LiPOの含有割合が、0.88質量部以上8.8質量部以下である。本発明者らの先願である特願2016−244703号にも記載される通り、LiPOの含有割合が所定値以上であると、上述したLiPOの添加の効果をより良く発揮することができる。例えば、過充電時の電池温度の上昇を顕著に抑制することができる。また、LiPOの含有割合が所定値以下であると、正極の抵抗を顕著に低減することができる。また、正極ペーストの保存安定性をより良く向上することができる。
LiPOの添加の効果をより良く発揮する観点からは、LiPOを除く正極活物質層の固形分量の全体を100質量部としたときに、LiPOの含有割合が、概ね1質量部以上、例えば2質量部以上であってもよい。また、正極の抵抗をより良く低減する観点や正極ペーストの保存安定性をさらに高める観点からは、LiPOを除く正極活物質層の固形分量の全体を100質量部としたときに、LiPOの含有割合が、概ね6質量部以下、例えば5質量部以下であってもよい。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂や、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイドが好適である。
正極には、上記した正極活物質とLiPOと結着剤とに加えて、必要に応じて更なる任意成分を含んでもよい。任意成分の一例としては、例えば、導電助剤、増粘剤、分散剤、pH調整剤等が挙げられる。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック)、活性炭、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料が好適である。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース類が好適である。pH調整剤としては、例えば、リン酸等の酸性物質が好適である。
負極は、従来と同様でよく特に限定されない。負極は、典型的には、負極集電体と、該負極集電体上に固着された多孔質構造の負極活物質層と、を備えている。負極集電体としては、例えば銅等の金属箔が好適である。負極活物質層は、電荷担体を可逆的に吸蔵及び放出可能な負極活物質を含んでいる。負極活物質の好適例としては、例えば、黒鉛等の炭素材料が挙げられる。負極活物質層は、負極活物質以外の任意成分(例えば結着剤や増粘剤等)をさらに含んでいてもよい。
非水電解質は、従来と同様でよく特に限定されない。非水電解質は、典型的には支持塩と非水溶媒とを含み、室温(25℃)で液体状態を示す非水電解液である。支持塩は、非水溶媒中で解離して電荷担体を生成する。支持塩としては、典型的にはリチウム塩、例えば、LiPF、LiBF等のフッ素含有リチウム塩を好適に用いることができる。上述の通り、フッ素含有リチウム塩を用いる場合、長期使用等によって電池内にフッ酸が発生し、電池容量が低下し易い傾向にある。したがって、フッ素含有リチウム塩を用いる場合、ここに開示される技術の効果がより良く発揮される。
非水溶媒としては、例えば、非フッ素またはフッ素化のカーボネートを好適に用いることができる。カーボネートの一好適例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、モノフルオロエチレンカーボネート(FEC)等の環状カーボネートや、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチル−2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート(MTFEC)等の鎖状カーボネートが挙げられる。
以上のように、本実施形態では、所定の濃度の不純物を含むLiPOが正極ペーストに添加されている効果によって、正極ペーストの保存安定性が確保されている。このことにより、正極ペーストの調製から時間が経過した後でも、正極を安定的に製造することができる。また、本実施形態の非水系二次電池では、所定の濃度の不純物を含むLiPOが正極に添加されている効果によって、高温保存特性の低下が抑制されている。このことにより、高温保存後においても、安定した電池容量を得ることができる。さらに、本実施形態の非水系二次電池では、LiPOの含有割合を上記範囲とすることで、LiPOの添加の効果を好適に発揮して、優れた電池特性を実現することができる。
本実施形態の非水系二次電池は、高温環境(典型的には50℃以上、例えば60〜80℃)下に長期間曝された後も、電池抵抗が増大し難い。したがって、本実施形態の非水系二次電池は、高温環境下に曝される使用態様が想定される用途、例えば、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車等の車両に搭載されるモーター駆動のための動力源として、好ましく用いることができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
本試験例では、以下の表1に示すように不純物の合計濃度が異なる10種類のLiPOを用いてそれぞれ正極を作製した。そして、得られた正極を用いてリチウムイオン二次電池を構築し、電池特性を評価した。
<正極ペーストの調製>
まず、正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)と、以下の表1に示す濃度で不純物を含んだリン酸三リチウム(LiPO)と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)と、有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して、正極ペースト(例1〜10)を調製した。このとき、LiPOを除く固形分量全体(すなわち、LiNi1/3Co1/3Mn1/3とPVdFとABとの合計)に対するLiPOの含有割合は0.88〜8.8質量部とした。
Figure 2019040684
<正極ペーストの粘度測定>
上記調製した正極ペーストの一部を採取し、E型粘度計(回転速度:20rpm)を用いて、25℃の温度環境下で粘度を測定した。次に、これを25℃の温度環境下で3日間(72時間)保管した後、再び同じように粘度を測定した。そして、調製直後の正極ペーストの粘度を基準(100%)として、3日間保管後の正極ペーストの粘度減少率(減粘率)を算出した。結果を表1に示す。
図1(A)は、例1〜10の正極ペーストの減粘率を比較したグラフである。
表1および図1(A)に示すように、LiPOの不純物が3.5ppm未満である例1,2では、保管後の正極ペーストの粘度が、正極の作製が困難なレベルにまで低下していた。
これに対して、LiPOの不純物が3.5ppm以上である例3〜10では、保管後の正極ペーストに粘度の変化が認められず、減粘が抑制されていた。すなわち、LiPOの不純物を3.5ppm以上とすることで、正極ペーストの調製から時間が経過した後でも、正極を安定的に製造することができた。
<リチウムイオン二次電池の構築>
まず、上記調製した正極ペーストをアルミニウム箔の表面に塗布し、乾燥させることによって正極を作製した。次に、上記作製した正極と、負極活物質としての天然黒鉛を含んだ負極とを、樹脂製のセパレータを介して積層し、電極体を作製した。また、非水電解液として、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む混合溶媒中に、リチウム塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度となるように溶解させたものを用意した。そして、上記電極体と上記非水電解液とを電池ケースに収容し、4V級のリチウムイオン二次電池(例1〜10)を構築した。
<初期充放電>
次に、各リチウムイオン二次電池に対して、25℃の温度環境下で、以下の充放電操作:(i)電池電圧が4.1Vとなるまで0.2Cのレートで定電流充電した後、電流が0.01Cのレートになるまで定電圧充電する;(ii)電池電圧が3.0Vとなるまで0.2Cのレートで定電流放電した後、電流が0.01Cのレートになるまで定電圧放電する;を、計3サイクル繰り返した。
<電池のIV抵抗測定>
25℃の温度環境下で、上記初期充放電後のリチウムイオン二次電池をSOC(State of Charge)60%の状態に調整した。次に、25℃の温度環境下で、SOC60%に調整した電池に対して10Cのレートで10秒間の定電流放電を行い、電圧降下量を測定した。次に、かかる電圧降下量を放電電流値で除して、初期のIV抵抗を算出した。
次に、25℃の温度環境下で、リチウムイオン二次電池をSOC80%の状態に調整した。次に、SOC80%に調整したリチウムイオン二次電池を、温度60℃の恒温槽内で30日間保存した。30日後、リチウムイオン二次電池を恒温槽から取り出し、初期の場合と同様にして、高温保存試験後のIV抵抗を算出した。
そして、初期のIV抵抗に対する高温保存試験後のIV抵抗の増加率(IV抵抗増加率)を算出した。結果を表1に示す。
図1(B)は、例1〜10の高温保存後のIV抵抗増加率を比較したグラフである。
表1および図1(B)に示すように、LiPOの不純物が400ppmを超える例9,10では、高温保存後の電池の抵抗が顕著に増大していた。この理由は定かではないが、電池を高温保存することで、LiPOから不純物が徐々に溶けだし、負極の表面等に析出したことが考えられる。
これに対して、LiPOの不純物が400ppm以下である例1〜8では、高温保存後の電池の抵抗に変化が認められなかった。すなわち、LiPOの不純物を400ppm以下とすることで、優れた高温耐久性を実現することができた。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および試験例は例示にすぎず、ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (1)

  1. 正極活物質層を有する正極と、負極と、非水電解質と、を備え、
    前記正極活物質層は、正極活物質と、LiPOと、を含み、
    前記LiPOは、Si,Na,K,Cl,Fe,Cu,Zn,Cr,Al,Mg,CaおよびSbのなかから選択される1種以上の不純物を含み、前記不純物の合計濃度が、3.5ppm以上400ppm以下であり、
    前記LiPOを除く前記正極活物質層の固形分量の全体を100質量部としたときに、前記LiPOの含有割合が0.88質量部以上8.8質量部以下である、
    非水系二次電池。
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